URSUS WZ.29 1/35                                                                                       
  ポーランド装甲車WZ.29。 母国ポーランドのレジンメーカーARMOの製品。
 
 見てのとおり、ハッチは全て開く。車体も砲塔も中空なのだ。「型抜き屋」サイドから言うと、中空にするのとムクにするのとでは、手間(コスト)は全然違うのだ。偉い!。まぁ、作る方から見ると、ムクの方が変形が少なくて良い様に思えるが、実際の所、ムクでも大きく変形している物は多いし、その場合の修正作業は悲劇である。だから、変形は大きくても簡単に修正出来るこのキットは良い。・・・と好意的に解釈したい。

 実車は「URSUS A型トラック」に装甲ボディを被せた物で、私が予想していたより遥かに大きい装甲車であった。当時のポーランド戦車よりデカイのである。ARMOからはA型トラックもキット化されていて、かなり細かく出来ているものと思う。このキットのシャーシ裏は完成後殆ど見えないが、非常に細かいパーツでリアルに出来ている。
 いきなり仮組みして見た。パカパカっとはめ込むだけでこんな感じになる。

 驚いたのは、完成写真と比べてフロントフェンダーの形状が違う事。写真では、エンジンルームサイドの扉とフェンダーは干渉しない位置にあるが、キットではフェンダーが少し上に付いていて、扉と重なる位置にある。ただ、フェンダーの一部が凹んでいてなんとか扉と干渉しないようにしている。

 実車は、形状はともかく、キットと同じ処理がしてある。恐らく完成見本の後に、原型を改修したのだろう。しだいにバージョンアップするキットなら楽しい。今の所、形状的に気に入らない部分が多いので・・・。
 この角度から見ると非常に格好が良い。だから、実車写真など気にせずに、一気に完成させるが吉。
 説明書の小さい塗装図(側面図)は正確なフォルムだと思うのだが・・・。

 そうそう。このキット。かなりパーツが多い。シャーシ裏の再現に力が入っているほか、ハッチがフルオープンする事もあって、車内やエンジン、ラジエターまでパーツ化されている。 組みたて説明図は簡単だが、画力があるので戸惑う事はなさそうだ。
 総論
 元々、極端なマイナー装甲車。写真だって国内の本では殆ど見たことが無い。と、いう事でうるさい事は言わないで組めば、堂々とした個性派装甲車の威容が見れる。

 マムート価格で4800円であった。この内容でこの値段は安い!と思う。バウマン扱いのポーランド製インジェクションのタンケッテ等と比べると、如何に安いか・・・。

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