2時間で5000年

2006年3月31日(金) カイロ

nuts


ギュウギュウ詰め博物館
museum1 とうとうエジプト最終日。 午後には空港へ行かなければならないので、午前中だけ観光します。
最後の場所はカイロのエジプト考古学博物館。 午前9時の開館前から、とても多くの観光客が詰め掛けていました。 庭にはたくさんの石像が、何の説明もなく置かれています。

駆け足見学
museum2 内部は撮影禁止なので、カメラを預けて中に入ります。 見学時間は約2時間。 1時間以上はガイドさんに見ものを案内してもらい、残りは自由見学でした。
文明の発祥した5000年前からの展示物が3万点もあるそうで、歴史的にも芸術的にも価値の高いものばかり。 ただ展示点数と展示物の大きさの割には、建物自体はそれほど巨大というわけでもありません。 展示物が所狭しと並べられたり積まれたりして、まるで骨董屋の店先のように見える場所もありました。 展示物に説明が付いていないものも多く、逸品を相当見逃しているはず。

呪わないミイラ
museum3 ミイラ室は別料金がかかります。
王や王妃などのミイラが10体ほどされていました。 復活を願って肉体を残された王が見世物にされているのは哀れなことだと思う一方で、干物のような姿で復活されても国民は困るのでは、という不謹慎な感想を持ってしまいました。

黄金のツタンカーメン
museum4 一番の見ものは、やはりツタンカーメンの墓から出土した数々の埋葬品。 ここは他と比べて比較的余裕があり博物館らしい展示スペースになっています。 ミイラに被せられていた黄金のマスク、それが入っていた黄金の棺、王の身の回りの品々など、驚くほど多くの品々が展示されています。 ルクソールの王家の谷で見た小さな墓に、これだけ多くの物が入っていたということに驚き、それらが3000年以上経っても輝きや鮮やかさをそのまま残していることにまた驚き。
早くに亡くなり墓も小さいツタンカーメン王でさえこれだけのものがあるので、もっと力のあった王の墓がもし墓泥棒に荒らされていなかったらどれほどのものだったのか、もはや想像もできません。

集積カイロ
cairo エジプト観光はこれで全て終わり。 帰国のため空港へ向かいます。
カイロ市内はこれまで夜だったりすぐ通過してしまったりでじっくり見ていませんでしたが、あらためて見るとかなりの大都市。 大きなビルがあり、人や車が多いのですが、砂漠っぽさや遺跡っぽさはなく、ロバも見かけません。
町にあるのは神殿ではなく、イスラム教のモスクとキリスト教の教会。
建物には石像も石柱もレリーフもなく、屋上にはパラボラアンテナがキノコのように群生しています。

天文現象と古代文明に夢心地だった旅行から、現代の現実社会に引き戻されたようでした。


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