不思議不思議の金字塔

2006年3月30日(木) ギザ

police


東へ大移動
road5 日食が終わり、これで地中海とはお別れです。
旅行の残りは再びエジプト観光。 バスで6時間かけて東の観光地へ戻ります。

報道合戦
newspaper 途中の売店で、前日の日食が掲載されている新聞がいくつか売られていました。 アラビア語なので記事の内容はお手上げです。
右から左へ書くアラビア語に合わせて、日食写真も右から左に向かって時間が進行するように並べられているのが面白いところです。

三大ピラミッド
piramid1 午後はエジプト遺跡のハイライト、ギザの三大ピラミッドを見物。
広大な砂漠の向こうに三角形の金字塔が忽然と現れる、というようなことはなく、周辺は一大観光地なのですぐ間際まで町が迫っています。 ただピラミッドは台地の上に建っているため、そこへ登ると近くの町は視界から消え、古代の気分に浸ることができます。 遠くにカイロの高層ビルが見えるのですが、ここはピラミッドの貫禄勝ち。 ビルはむしろ引き立て役になっています。

クフ王のピラミッド
piramid2 最大ピラミッドと言われるクフ王のピラミッドは、もともとの大きさが底辺が230m、高さが147m。 現在は頂上が崩れ、表面に貼られていた石がはがされてしまったため、底辺が220m、高さ137mと少し小さくなってしまいました。 もっとも、もともとあきれるほどに大きな建造物なので、大した違いではありません。
一つ一つの石は人間の大きさほど。 近くへ寄れば寄るほど、巨大以外の表現が思いつかなくなってきます。 4000年以上前にどうやってこんなものを造ったのか、現代の技術で同じ物を作れるのか、見れば見るほど不思議不思議の思いが頭を駆け巡ります。

カフラー王のピラミッド
piramid3 底辺が210m、高さ144mで、クフ王のピラミッド小さくなった分だけ現在はこちらの方が高くなっていました。 実際の高さの違いより、こちらの方が少し高い地盤に建てられていることで、一回り大きく見えます。
ピラミッドは建設当時に表面が滑らかな石で覆われていたのですが、後に石材としてはぎ取られてしまったそうで、その化粧石がこのピラミッドの上部にわずかに残っています。 またピラミッドの下部には赤っぽい花崗岩の破片がたくさん置かれていました。 これも化粧石として使われていたのでしょうか。

piramid5このピラミッドの内部に入りました。 撮影は禁止のため写真はありません。
クフ王のピラミッドの内部は大回廊と呼ばれる複雑な通路になっているそうですが、こちらは一旦下がって上がるだけの単純なもの。 別にもう1本観光用ではない通路があり、上部から下がってきた途中の合流点が確認できました。
中は暑いという話をきいていたのですが、蒸し暑かったのは入り口付近だけで、奥は意外に快適。季節的なものか、通気孔のおかげなのかはわかりません。 通路は身体をかがめなければ通れないほど狭く、何度も頭をぶつけた後に、空の石棺が置かれているだけのガランとした玄室に出ました。 通路にも部屋にも王家の谷のような壁画はなく、壁はツルツル。 外部の威圧感に比べてとてもあっさりした印象です。

ピラミッドが本当に王の墓だったのかどうかは異論があり、ナイル川氾濫期の公共事業だとする説も有力のようです。 ただ墓であろうと他のモニュメントであろうと、単に働くこと自体が目的というだけではこんなものができるとは思えず、労働者が「王のために」と思うための何か強い目的があったはず、というのが実際にピラミッドとエジプト人を見た感想です。

メンカウラー王のピラミッド
piramid5 底辺109m、高さ70mと他の二つの半分ほどの大きさなので、実際には三大ではなく二大半ピラミッドという感じ。
三つのピラミッドをオリオン座の三ツ星になぞらえる説があるのですが、実際の星の明るさはよく揃っているのに対し、このピラミッドは他の二つよりかなり小さ過ぎるのであまりピンときません。

大スフィンクス像
sphinx ピラミッドの南側にある、身体がライオンで顔が人間の有名なスフィンクス像。 スフィンクスの顔はいろいろバリエーションがあり、人間とも限らず、ルクソールのカルナック神殿には顔が羊のスフィンクス像が並んでいました。 この大スフィンクス像の顔は真中のピラミッドのカフラー王だと言われているようです。
ただ昔から鼻を破壊されたり、あごひげを取られたりと散々な目に合い続け、今も修復用の足場が組まれています。

巨大なピラミッドを背景にしているので小さく見えてしまいますが、全長73m、高さ20mと巨大で、奈良の大仏よりもずっと大きい像です。
写真でよく見るのは顔から上半身にかけてですが、全体を見ると前足と胴が意外に長く、ライオンに比べて顔がかなり小さ目になっているのがわかりました。 ボディラインが微妙な曲線で構成され、直線で構成されたピラミッドとは対照的です。


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