- ゴーストタウン
アフリカを離れる飛行機に乗る前の、時間調整のようなプレトリア半日観光。
南アフリカ共和国は三権の機能が三つの都市に分かれ、立法府がケープタウン、司法府がブルームフォンテイン、行政府がプレトリア。
代表してここプレトリアが首都ということになっています。
日曜日で多くの店が閉まっていたこともあり、街の中心部でもひっそりとしています。
朝方は雲も多く、前日までアフリカ色満載のビクトリアフォールズにいたこともあって、気分がなかなか盛り上がりません。
- ユニオンビル前庭園
ユニオンビルは行政府の庁舎。
おもしろい形をしていますが、中には入れず道から眺めるだけです。
興味の対象はビル前の斜面に作られた大きな庭園で、花が咲き、鳥が次々と集まってきています。
海辺のケープタウンと違って内陸のため鳥の種類も違っており、どれも初めて見る鳥ばかり。
ようやくプレトリアもやっぱりアフリカだという意識が出てきました。
- クルーガー・ハウス横ジャカランダ
ポール・クルーガー氏は、かつて存在したトランスヴァール共和国の大統領。
この家はクルーガー氏の遺品の博物館になっていて、寝室や台所などがそのまま再現されていて興味を引かれます。
共和国の建設後に金やダイヤモンドが発見され、それに目をつけたイギリスと敵対。
クルーガー氏はにヨーロッパの各国に出向いて援助を求め、歓迎を受け形式的に贈り物をたくさんもらったけれど結局援助を受けられなかった、という少々かわいそうなお話があり、その心のこもっていない品々が別棟にたくさん展示されていました。
ハウスの横はなぜか大きな空き地。
大きめの木はジャカランダというプレトリア名物の木。
南米原産の木ですが、街路樹としてプレトリアの道にたくさん植えられています。
春には紫色の花を咲かせて日本のサクラのような状態になるのだそうです。
でも冬の今は葉っぱだけ。実らしきものがなっているようでした。
- 開拓者記念碑脇花壇
最後の観光場所はプレトリアを見下ろす丘の上にある開拓者記念碑。
開拓者とはヨーロッパ人側から見た言い方で、現地の人から見れば侵略者。
少々引っ掛かりを感じました。
建物や内壁のレリーフは立派なのですが、花壇の方に目が行ってしまいます。
- アフリカのトリ
記念碑のある丘の斜面をバスの窓からふと見ると、茶色い固まりがありました。
後ろ姿しか見えませんでしたが、2本の少しねじれた角を持つ、インパラかその類のレイヨウ。
プレトリアでは人工的な建物ばかり見ていたので、こんな大型の動物がいるなど思いもよりませんでした。
開拓者記念碑は南アフリカの複雑な侵略の歴史を語っていますが、レイヨウが何気なく座っている姿が自然に対して動物に対して人間が行なってきた侵略を無言で示しているようだ、なんてことを、4度目のヨハネスブルグ空港から日本への長い長い帰路の間に数秒間ほど考えていました。