はじめてのおねえちゃんきゅーぶ


「おねきゅー」とは?

「お姉ちゃんの3乗」と書いて おねえちゃんきゅーぶ と読みます。
主人公の有坂未空(ありさか みく。大学生)には、もうずっと同居している従姉の春崎七夏(しゅんざき ななつ)お姉ちゃんがいます。
ある日、お姉ちゃんの周りに時空のゆがみができ、3人の新たなお姉ちゃんに分裂してしまいました。
ここが「3乗」たるゆえんです。
「3人に増えたんだから、3倍でしょ?」と思われるかも知れませんが、ただでさえ大好きなお姉ちゃんが3人に増えたんだから、相乗効果で3乗です。

そう、このゲームはお姉ちゃん大好きな弟のための姉ゲーであり、その姉に甘やかされることを楽しむ甘やかされ系ADVなのです!

姉ゲー?

このゲームに、主人公より年下の女の子は一人も出てきません。(名も無きエキストラなどは除く)
女の子は全て年上であり、お姉ちゃん的立場です。
分裂前のお姉ちゃんである「ななねえ」と、分裂後の「かもねえ」「りあねえ」「なつねえ」3人のお姉ちゃん。
大学での幼馴染み、通称「ドリ子」と、「れもん先輩」。
時空のゆがみを調査に来た、通称「デビ子」。
それと、ずっと出ずっぱりでありながら一応隠しキャラ?な「???」
この中で、「ななねえ」「かもねえ」「りあねえ」「なつねえ」は、極度のブラコンで、人知を越えた甘やかしを主人公にしてくれます。

背中だってお姉ちゃんの身体ですりすりして流してあげるのにっ!?
ど、どうしてもって言うなら、添い寝する時、寝たふりしてあげるから……
お姉ちゃん、みくちゃんのためなら噛まなくてもすむように口移しでご飯食べさせてあげるのよ?

大丈夫よ!お姉ちゃんがいつだって添い寝してあげるからね、恐いことなんかないカモっ!
一人でおトイレが恐くてもお姉ちゃんがついていってあげるし、あそこが腫れていてもお姉ちゃんが何とかしてあげるからね?

そうよね、こんな美人なお姉ちゃんがいたら、弟でもドキドキしちゃうよね
で、でも……姉として弟が欲求不満で変な女の子に手を出しちゃうぐらいなら……その……お、お尻でなら……
まっ、前はダメよぅ……だって……姉弟で子供が出来ちゃったら……だってだって……
だからね、お姉ちゃんも痛くても我慢するから、みぃくんも……

いくつか例を挙げてみましたが、一事が万事、この調子です。
お姉ちゃん達にとっては、弟は今も子ども同然なのであり、弟の面倒を見て甘やかすことが何よりの生き甲斐なのです。
そんなお姉ちゃん達に甘やかされつつ、大学でもまた愉快な先輩達に囲まれる、姉萌えドタバタラブコメディがおねきゅーです。

ギャグゲー?

はい、そうです。
おねきゅーのレビューなどを見ると(当企画のリンク集を参考にどうぞ)、「笑い死ぬ」「ぶっ飛んだテキスト」などとよく評されています。
同じ竹井10日氏の書かれた「秋桜の空に」でも、氏の笑いのセンスは表れていたのですが、おねきゅーでは理性のブレーキを効かせておらず、容赦ないギャグの連発です。
おねきゅーに対して渋い評価をされている方の感想を見ても、笑いの要素については一目置いていますので、私だけの思いこみではないでしょう。
竹井氏が、今後仮に姉ゲーでないゲームを書かれても、この笑いのためだけにでも買うつもりです。

ギャグの中には下ネタも多く、この点でちょっと、という感想も時折見かけるのですが、「エロゲはするが、下ネタはイヤ」という意識が私にはどうにも理解できないので…
高潔な趣味をお持ちの方なら、ここは要注意の点です。

エッチぃ?

おねきゅーも、いわゆる18禁ゲームですから、当然エッチシーンもあります。
しかしこの点に関しては、私もおおかたの感想同様、良い評価は与えにくいのが正直な所です。
それぞれのお姉ちゃんの終盤で一回ずつありますが、“濃厚なラブシーン”とは言いがたいです。ちょっっっと特殊なんです。
「エロゲーなんだから、ちゃんとエロを楽しませてくれるんだろうな?」と仰ることは至極当然なんですが、おねきゅーだけは勘弁して下さい。

私は、おねきゅーのエッチシーンもまた一つのギャグだと解しています。
あるいは、日頃甘やかされっぱなしな主人公が、唯一お姉ちゃんに逆襲をかけられるシーンであり、またそうすることで違った姉萌えを追求しているのではないかと。
エッチなど本当は要らないのだが、18禁ゲームというルートに乗せるにはやむを得ないから付けたんじゃないかとさえ私には思えるのです。

取り留めもないバカゲー?

それは違います。
どうしようもないほどの甘やかされ系ADVであり、ギャグ満載とはいえ、ちゃんとシナリオはあります。
毎日が姉萌えで甘やかされで馬鹿騒ぎの連続で、そのまま燃え尽きるだけのゲームではありません。
是非最終エンドまでストーリーを追ってあげて下さい。

姉属性必須?

これは…YESです。
姉萌えでないと、このゲームの大半は楽しめないかも知れません。
全く楽しめないわけではありませんが、姉属性が無いとこのゲームの粗ばかりが目立ってしまい、どうしようもなく評価が落ちると思います。
(おねきゅーの評価が厳しい人は、姉属性が強くなかったとみて間違いないと思います。)
その代わり、姉属性を既に装備済みな諸弟には、その姉好きパワーがおねきゅーのおもしろさを何乗にも増幅させることでしょう!

一般には評価が厳しいようだけど?

おねきゅーを出したMarronは、これに先立って「秋桜の空に」というゲームを出されています。
この「秋桜」では、隣に住む1つ上のお姉ちゃんでヒロイン的キャラの「すずねえ」が非常に甘甘なお姉ちゃん(一般にはダダ甘と称されます)で、姉属性でなくとも大いに人気を博した経緯があります。
そのシナリオライターで、姉属性のツボを突くことに関しては類い希なる才能を持つ竹井10日氏が、「甘やかされ系ADV」と銘打って打ち出したゲームがこのおねきゅーです。

「秋桜」が、流行した「ONE」や「Kanon」的な学園モノ同様に人気を博したことで、その続編にはいやが上にも高まりました。
待望の続編であるおねきゅーは、前作の「秋桜」から2年のブランクがあきました。
長いブランクは前作の思い出を美化し、期待は理想へと進化させます。
そんな中で登場したおねきゅーは、少々人を選ぶ(姉属性志向)クセの強いゲームであったために、評価を下げることが多かったのではないでしょうか?

私は姉属性を自認しながら「秋桜」をプレイしたことが無く、先におねきゅーを体験しました。
当然そこには、過度の期待もなく―事実、おねきゅーは発売当初は見送っていた―虚心にプレイすることができました。
結果、純粋に姉ゲーとして楽しめ、これぞ姉属性が求めていた姉ゲーと感動したのです。

もし、「秋桜」を触ったことがないのであれば、それはプラス要素です。
もし、「秋桜」は体験済みで、あのすずねえに惚れたのなら、それもまたプラス要素です。
ぜひおねきゅーも遊んでみて下さい。

おねきゅー、買いました!

おめでとうございます!
たっっっぷりと甘やかされの日々と、笑いのテキストを楽しんで下さい。
初めは、3人の分裂お姉ちゃんを一人一人クリアしていくことになります。
どのお姉ちゃんから甘えても楽しいとは思いますが、総裁のお薦めは小鴨姉→いりあ姉→立夏姉の順です。
特に立夏姉を3番目にすることを推奨します。
甘い物の後の酸っぱい物は酸っぱさが強く感じますが、酸っぱい物の後の甘い物は甘さが強く感じるからです。
今は意味不明だと思いますが。

おねきゅーにはゲームオーバーやバッドエンドはありませんが、攻略サイトを参考にしてプレイするとよいと思います。
参考にして時間が浮いた分、選択肢が来たらセーブをして、ぜひ全選択肢を読みましょう。
一つの選択肢しか読まないなんて、もったいないです。

最後に

おねきゅーは、確かにCGも凄いっ!というワケでもないし、ボイス付きでないこともこのご時世ではマイナスかも知れません。
しかし、姉萌えを自負する弟であれば、そのマイナスを補って余りある姉萌え甘やかされテキストとギャグセンスに魅了され、きっと忘れられない1本になると思います。
おねきゅー、おもしろかった!と思ったら、ぜひ全姉連に一言寄せて下さい。
おねきゅー強化宣言が終わっても、いつでもおねきゅー話は歓迎しています〜。

全姉連トップへ