平成10年度版海上保安白書のP48〜P50に書かれている内容を主に、油流出事故への海上保安庁さんの対応を見てみよう。

　タンカーなどが事故などで大量の油を流出させちゃった場合、海上保安庁さんへ通報される。海洋汚染および海上災害の防止に関する法律(以下、法という)の第38条(油等の排出の通報等)の中に、”直ちに最寄の海上保安機関に通報しなければならない”って書いある。

　ところで、どーゆー内容のことを通報するかってぇと、”日時および場所、排出の状況、海洋汚染の防止のために講じた措置その他の事項”(法第38条)。つまり、油を流出させちゃった船は、通報して救助を待っているだけじゃなくて、排出油の防除をしているわけ。法第39条(大量の特定油が排出された場合の防除措置)には、排出油防除のための応急措置をしなければならない人として、その船の船長を挙げている。油防除作業については、後で詳しく。

　余談。法第38条には、通報について、”運輸省令で定める範囲を超えてひろがるおそれがないと認められるときは、この限りではない”ってぇ但し書きがついている。で、運輸省令(海洋汚染および海上災害の防止に関する法律施行規則)第28条によると、その範囲は一万平方ﾒｰﾄﾙになっている。そんな時、船長はきっちり排出油防除をしてくれるのかなぁ?

　平成10年海上保安白書p211~p214によると、海保さんが保有する舟艇は、平成9年度末で警備救難業務用船431隻(巡視船119隻、巡視艇235隻、特殊警備救難艇77隻)、水路業務用船12隻、灯台業務用船69隻。航空機は、飛行機26機、ヘリコプター43機保有している。舟艇・航空機の配備と官区の区分けについては、海保さんのホームページを見てね。

　情報は関係行政機関等に流される。具体的にどのようなところなのかはわからなかったが、事故現場付近の地方公共団体と関係省庁、および官民合同の調整・防除機関として全国に105の組織が設置されている防災組織(平10海保白書p158)のうちの現場に近いものだろう。これは、被害の規模などによっても変わって来るんだろうね。

　とりあえず、今日はこれでおしまい。続きは近々Up!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Koji