2日目 〜03年8月2日〜

朝、目が覚めた冬弥には何か予感がありました。
しばらくして誰かが部屋をノックしました。
直感で松介母娘だとわかりました。
なので当然のようにクーラーのきいた部屋に2人を迎え入れました。
昨晩出発した後発組も既に明け方には仲木に到着していたようで
来がけに愛車カプチーノで天城峠を楽しんできたにじむーと峨畿棉、
そして埼玉から千葉へ寄って松介母娘を乗せてきたパパも
(ちなみに『パパ』は松介母娘のパパではありません。念のため)
荷物を持って続々と部屋に乗り込んできました。
どうやら明け方に雨が降ったようです。
それも朝には晴れて、すごい湿気で蒸し蒸ししていたようです。
その湿気に耐えられず早朝と呼べる時間でしたが
かずさに乗り込んできたというわけです。
先発組はクーラーきかした部屋で気持ちよく寝ていたため
雨が降っていたことなどわかりませんでした。
程なくして先発組は朝食です。
朝食も人数が少ないため部屋での食事になりました。
食後、後発組と寝が足りないてっちゃんが仮眠&寝直し。
しかし、
ぽりんちゃんは元気いっぱい。

仮眠組も9時に起き出して、9時半頃ヒリゾ浜へ出かけます。
てっちゃんの
エビマヨ浮き輪
今日も
海に持っていてってもらえませんでした。
そしてやっぱりスーパーで昼食の買出しです。
ところがスーパーで売っている
おばあちゃん
手作りのおにぎりが人数分ありませんでした。
今からご飯を炊いて作っていたのでは時間がかかりすぎます。
代わりにパンを買うというのもありますが
パンに比べるとやはりおにぎりのほうがカロリー的にもコスト的にもパフォーマンスがいいです。
昼食にはおにぎりが食べたいが自分の分は買えそうにないと判断した
冬弥、てっちゃん、松介、コーチの4人は
「明日はいっぱい作っとくからね」とのおばあちゃんの言葉をあとに
スーパーへくる途中で看板におにぎりが売ってるとあった
仲木中央に位置し、ビアガーデンもあったりしますが
今まで一度も利用したことがない
双葉という店へ行き、おにぎりを買い求めます。
ここのおにぎりもスーパーとおなじ、3個入りでたくあん3切れ入った手作りおにぎりでした。
おにぎりは4人分買い、まとめて1つのビニール袋に入れられました。
これが後の惨劇のもとなるとはこのときは誰も知る由もありません。
にじむー他のメンバーはスーパーである分のおにぎりなどの昼食を買うなりして
渡し舟の料金所のところで合流。

鈴凛ちゃん君は素敵なモータードルフィン号でヒリゾ浜へわたります。
昨日に比べていくらか海水も満ちています。
ぽりんちゃんも浮き輪を使って海辺で遊びます。
今日も今日とて海中写真撮りです。

冬弥がそろそろ浜辺に帰って昼食をとろうと
戻ろうとした時、
大きいナマコを発見。

みんなに見せたくて浜辺まで足ヒレに乗せて泳いで帰ってきました。
すると足ひれに乗せていたナマコが足ひれにくっついてしまい
しばらく浜辺でナマコといっしょにまったりとしていましたが
いつまでもここにいては昼食が取れないと、とりあえずみんなにナマコは見せられたので
浜辺にナマコを放した後、上がってきます。
このとき既に、松介さんはぽりんちゃんを伴ってかずさに引き上げていました。
さて、冬弥が昼食のおにぎりを食べようと自分の分のおにぎりを探したところ
おにぎりが入っていたとおぼしきビニール袋には
既に食べ終わって捨てるだけになったおにぎりの入っていたパックが4つあり
その中の1のパックにたくあんが二切れ残っているだけで
おにぎりはどこにもありません。
空になってる…!?
俺のおにぎりが無くなってるぅ!?
食べられた…!?
何が起こってるんだ!気がヘンになりそうだ!
無情にも冬弥に残されたのはたくあん2切れだけでした。
その場にいたメンバーの話によれば
みんな
自分の分は食べたとのこと。そりゃあたりまえですな。
しかし実際、冬弥の分のおにぎりはありません。
つまり自分の分でないもの、冬弥の分を食べたヤツがいると言うことです。
あたりまえのことをしていない人物がいたのです。
更に聞き込みを続けた結果、冬弥がナマコと海で戯れている間に
一足先に陸に上がって昼食を取っていたメンバーがいました。
このとき、双葉で買ったおにぎりのビニール袋も開けられたようで
たまたま、そのおにぎりの入ったビニール袋の近くにいた松介さんが
ビニール袋からおにぎりを出しておにぎりを買った人に手渡していたそうですが
それはおにぎりを買った人が松介さんに自分の分を取ってくれと頼んだだけで
松介さんは言われた人に手渡しているだけのことでした。
当然、そのビニール袋の中には双葉で買った4人の分が入っているわけで
買っていない人の分は入っていません。
なのに、
さも自分の分であるかのごとく松介さんからおにぎりを受け取り
食べた人物がいたのです。
もしスーパーにおにぎりが4個以上あり、4個買っていたなら8人分のおにぎりがあるはずです。
しかし現におにぎりは1個もなく、スーパーで買ったおにぎりは3個となります。

2個食べたという人物がいない限り容疑者はスーパーで昼食を買おうとした人物に限られます。
更なる聞き込みの結果、一人の人物像が浮き上がり
その人物は
「たくわんは1切れあれば十分」
たくわんを1切れだけ食べてあとは残したそうです。
そう、それこそこの残ったたくわん2切れだったのです。
目撃者の証言と状況証拠から
パパの犯行と断定。
今度のタイムゾーンは許すまじ、パパ。

しかしパパは既に海中に逃亡中との事で
容疑者確保のうえ徹底糾弾すべく、冬弥は空きっ腹を抱えてパパを追って海へ。
と、岸辺にはまだナマコがいました。
みんなに見せたくて、ついここまでつれてきてしまったナマコ。
このままではかわいそうなので沖のほうまで
ウルトラマン状態で連れ帰ります。
とりあえず遊泳区域を示すブイをちょっぴりだけ超えて
海底が白い砂で綺麗なところまで行き
そこでナマコをリリース。海底に沈んでいきながら
どんどん膨張して大きくなっていく様が見てみて大変面白かったです。
その後、しばらく海中散歩を楽しみつつパパを探しますがみつからず
そろそろ疲れたかなと感じて、岸に帰るとパパがいました。
徹底糾弾しようと思った矢先に向こうから平謝られてしまいました。
「俺の分も買ってきてくれてるのかと思って」
冬弥はさすがに自分が飢えてまでそんな
慈善事業をしたりはしません。
とりあえず、昼食は食いっぱぐれてしまいました。
1日中泳ぎっぱなしでこれは結構厳しいです。
今日はこの後、にじむーの提案で温泉に入りに行こうという事になっていました。
ならばと、おにぎり代を返してもらわなくていい代わりに
パパにはこのあと行く予定の
温泉の入湯料をおごらせることで
強引に決着しました。もちろんそっちのほうが料金高いです。
さて、夕飯の時刻を考えて温泉に行くとなると
早めにあがってこなくてはならないため、3時頃にはヒリゾ浜を引き上げます。
そのまま着替えずに簡単に体を拭き
車のシートにタオルを敷いて乗り込み
仲木から近くの
『下賀茂温泉 銀の湯会館』へ向かいます。

ここは4年前、冬弥がはじめててっちゃんに南伊豆に誘ってもらった時にきた温泉です。
冬弥は温泉にゆっくりつかり、何故か日焼け止めを塗っていたにもかかわらず
両膝が日焼けしていてでヒリヒリしてました。
他の肌の露出部分にはしっかり日焼け止めが効いていたのに。
ふと、温泉の駐車場入り口横にあった立て看板を見てみると
ちょうど今日、
『下賀茂温泉納涼花火大会』というがあることを知り
夕食後に出かけてみようか、という話しになります。
かずさに帰り夕食です。今日は人数が多いので
2階の自分たちの部屋ではなく、1階の台所横の部屋でした。
食事中に花火大会に行くかどうか協議します。
花火大会というくらいだから出店なんかも出ていたりして
規模はそこそこ大きいんじゃないかと思いきや
仲木周辺ではその花火大会の看板はありません。
かずさの人たちにも聞いてみたところ、そんな花火大会ことなど知らない様子でした。
今ひとつあの1枚きりの看板の信憑性に疑問が出てきました。
既に終わってしまったイベントで、あそこだけ看板の撤去を忘れたのでは?
そんな憶測も飛び交います。
しかしあの看板は確かに今日の日付だったですし
とにかく騙されたならばその時で、おやつの買出しがてらのドライブということにしようと
とりあえず出かけてみることにします。
花火大会の開催場所は看板にあった町役場前というのを信じてナビを頼りに車を走らせます。
途中、会場への通り道である『銀の湯会館』の前の
駐車場の看板をもう一度確認、確かに日付は今日です。
そして車は目的の場所に到着。

結果から言って花火大会はやってました。
お盆祭りも兼ねていて、盆踊りのやぐらもあり出店も出ていて結構な人出です。
結論として導き出された答えはシンプルで
『下賀茂町営の花火大会だったので仲木の人たちは知らなくて看板もなかった』
というだけのことなのですが、すぐ隣町の花火大会で
これだけのスケールならちょっとは知っててもいいと思うんですけど。
とりあえず車をとめられる駐車場を探して止めて会場へ。
出店の品はどれも安くかき氷が100円。焼きもろこしが250円でした。

しかし
「かきはどうも見ても「かきなんですけど。
程なく盆踊りが始まりてっちゃんとパパと大ちゃんは踊りの輪に加わりました。
盆踊りも正統派です。間違っても
「アラレちゃん音頭」なんか踊りません。
そしていよいよメインイベントで
ある打ち上げ花火が開始されました。
おお、予想より遥かにスケールの大きい打ち上げ花火です。
町営納涼花火大会とはとても思えません
。総勢150発。
こんな近くて見たのは久しぶりです。
今日は海で
ダイビングのあと、温泉
そして
夏祭りで、盆踊り打ち上げ花火。
まるで
ギャルゲーのような濃縮されたイベントの連続。
肝試しバーベキューがあれば完璧でした。
このあとは意中の娘に告白するなりされるなりして
宿の個室、海辺、森の中などにきえていく…
という展開が理想的ですが
そんなわけありゃしません。
ぞろぞろと宿に帰ってきて、のんびり。
コーチのノートで大ちゃんの持ってきた
韓国アニメ『スペースガンダムV』のDVDをみながらぐったり。
ぽりんちゃんは
えびせんべいがあればゴキゲン。
冬弥は一応『ときめきメモリアル2人生ゲーム』を持ってきてはいましたが
そんなの必要ありませんでした。
なぜなら、ぽりんちゃんを相手に遊んでいれば
他の遊び道具なんて要らなかったからです。
みんなでぽりんちゃん相手に遊びます。何にも勝りますな。
そんなこんなで夜も更けてきました。
松介さんは必死に
ぽりんちゃんを寝かしつけようとします
面白げな連中が顔をそろえているので
おいそれと寝てくれません。
なんとか寝かしつけ、冬弥はてっちゃんとパパと明日の朝
簡単なバカ写真撮影をしようということを決めて
12時ごろ就寝です。

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