新企画構想中Vol.4

Webインタラクティブシネマ梗概

今回は、コンテンツの核となるストーリーを一部ご紹介します。タイトルは

「東方夢園憚」

あくまでこの筋は本編のごく一部のエピソードです。全部で4エピソード用意する予定なので、エピソードによって主人公やヒロイン、他のキャラ達の運命は変わって行きます。
今回はアクション編の中の1エピソードの紹介ですが、もちろんストーリーのすべてを公開するわけではありません。クライマックス直前までをご紹介しますので、「面白そうだな」と思ったらちょっとだけ期待してみてください。

梗概
それは西暦も意味を持たなくなった人類終焉の時代。
もはやその7割が砂漠と化した大地を、一人の青年がさまよい歩いていた。
そこは昔、東京と呼ばれた街が存在していた大地。今は錆びた鉄屑と化したビル郡とおぼしき遺跡がその名残である。

その青年は記憶を失っていた。
自分がどこから来て、そしてどこへ行くのか。
その答えを探し求めるかのように、男は砂漠をさまよい歩く。

そして青年は比較的規模の大きな集落に辿り着く。
そこは屋台や宿などが立ち並ぶ、ちょっとした歓楽街のようなところで、集落の入り口で青年はチンピラたちにからまれる。よそ者は通行料を払わなければならないという。仕方なく青年は小銭を差し出すが、額の少なさに憤ったチンピラ達は青年に殴りかかる。
(アクション編とドラマ編の分岐→本梗概ではアクション編へ)
争う気はない青年だったが、成行き上仕方なくチンピラ達と一戦を交える。
見た目には気弱そうに見える青年だったが、チンピラの一撃をサッと交わしチンピラの腹部を打ったかと思うと次の瞬間相手の顔面をはたいていた。面食らった他のチンピラ達は一斉に青年に飛び掛るが、素早い蹴り技でアッという間に倒される。わずか数秒の出来事だった。
その光景を見ていた宿屋の主人がいそいそと青年のところへ駆け寄ってくる。
その界隈は先ほどのチンピラ達が所属する宗教集団に、事あるごとに因縁をつけられては商売の上がりを巻き上げられていたのだった。
是非今晩泊まっていってほしいという主人。魂胆は見え見えだったが、他に行くあてがあるわけでもなく、仕方なくその宿に泊まることにする青年。

そこは売春宿だった。
女の写真を持ってくる宿屋の主人に、金がないからと青年は断ろうとする。すると主人は特別サービスにしよう、と言い残し部屋を出て行く。
しばらくして一人の少女が入ってくる。まだあどけなさが残るその顔は、自分が今から何をさせられようとしているのかを理解しているようには見えない。
綾香という名のその少女は知恵遅れだった。
「自分が何をしようとしているのかわかっているのか?」という青年の問いに、綾香はコクリとうなずき、サービス内容を語り始める。服を脱ぎ始める綾香を青年が止める。ここの主人の魂胆は、タダで娼婦を斡旋するかわりに用心棒になってもらいたいというものに違いなかった。
その気はないから帰ってくれと綾香に言うと、綾香はキョトンとしたまなざしで青年を見上げ、言う。
「怒られちゃう。」
このような娼館での娘の扱われ方は大体において一様だ。青年は、困ったように自分を見つめる綾香に、とりあえず身上話を聞くことにする。
綾香は旅芸人の娘で、旅の途中で両親を盗賊に殺され、ここの宿に売り飛ばされたのだった。今置かれている自分の境遇に慣れるまでに半年はかかったという。知恵遅れとはいえ、恥じらいも屈辱も感じることのできる普通の少女なのだ。少女には、ここでの境遇よりも再び盗賊達に襲われることの方が恐ろしいのだ。だから、逃げ出したりはしない。もちろん、「外に出ればすぐに襲われるぞ」と宿屋の主人に言いくるめられているのだろう。
青年には特別な正義感はなかったが、何とかこの少女を救いたいという気持ちが沸いてきた。

翌朝、青年は主人に用心棒の件を了承し、街に滞在することにした。
ついでに主人に綾香を買い受ける場合の値段を聞いてみた。
「もし、この街を牛耳る鬼神会をつぶしてくれたらタダで差し上げる」
主人は冗談まじりにそう言った。一人でヤクザ組織をつぶすなど無理だからだ。その意味は青年にもわかっていた。青年は、とりあえず用心棒を務めつつ、隙があれば綾香を連れて逃げる決心をした。

その日の夕方、馬と改造バイクに乗った鬼神会の手合が街を襲う。いわゆるお礼参りだった。
逃げ惑う街人達。
青年は日本刀を手に軽々と飛び上がって、次々と敵を斬り捨てていく。人間離れした青年の剣技に圧倒されるチンピラ達は、逃げそびれた幼女を人質に取る。向かい合う青年と鬼神会の手合残党の間に緊張感が走る。
残党の一人が動くよりも一瞬速く残党の中に飛び込んだ青年は一瞬にして残党を血祭りにしていた。だが、斬られた残党の一人は崩れ落ちる寸前に幼女の喉を切り裂く。
ハッとなり幼女に駆け寄る青年だが、彼女はすでに絶命していた。
悲しみと怒りが入り混じった表情を浮かべつつ青年と幼女の遺体を囲む街人。

その夜。宿屋の主人は青年に街から出て行くように説得する。
すでに宿屋自体が反感を買っており、このままでは商売あがったりだというのだ。
黙ってのむしかない青年。幼女が死んだのは自分の責任だ。

宿屋の主人が用意してくれた馬にまたがる青年を、綾香が呼びとめる。
「また、来てくれるよね」
黙って綾香を見つめる青年。
「またお話しようね」
青年は微笑み、きびすを返すように馬に乗って去って行く。綾香はその後姿をいつまでも見つめていた。

もうどれほど街から離れたかわからない。
馬を下りて野宿していた青年は、馬やバイク、トラックなどが入り混じった鬼神会の連中とおぼしき軍勢が街方面に向かって激走していくのを目撃する。
青年は、慌てて馬に飛び乗ると、街へと引き返す。

青年が街についた時、そこにはすでに鬼神会の手勢はなく、ただ燃え上がる街があるだけだった。大勢の街人が殺され、辺りは地獄絵図と化していた。慌てて宿屋のあった場所まで行く青年。宿屋はすでに焼け落ちており、娼婦達の姿は見えない。宿屋を出た青年は、足元に虫の息の老人を発見する。娼婦達がどうなったかを問いただす青年に、老人は
「やつらが連れ去って行った。別のシマの娼館に売り飛ばすんだろうよ...」と言って息絶えた。
怒りの形相に顔を歪めた青年は、馬にまたがったかと思うと、バイクのタイヤの跡を追って綾香達の救出へと向かった。

しばらくして鬼神会の一行に追いついた青年は、一気に強襲をかける。
燃えがるバイク。血みどろになって倒れるチンピラ達。
青年は飛び交う銃弾を交わしながら次々とチンピラ達を斬り捨てていく。その行く手に刺青の入った大男が立ちふさがる。業と名乗るその男は、長い棍で青年に襲いかかる。大男とは思えない業の動きの速さに苦戦する青年。娼婦達の乗せられたトラックを発見した青年は、業の攻撃をかわしてトラックに飛び乗り、運転席を占拠すると、その場から逃走する。
悔しそうにトラックの走り去った方向を見つめる業の脇に、長髪の冷酷な顔をした男が立つ。その男は、フッと笑うときびすを返し、残った手勢に追跡の指令を出す。

娼婦達を別の街付近で解放した青年は、綾香に自分と一緒に来るように言う。嬉しそうに頷く綾香。

晴天の下の砂漠を旅する青年と綾香。青年は綾香を愛し、綾香もまた青年を慕っていた。
オアシスのような小さな緑地帯で踊る綾香。その光景を幸せそうに見つめる青年。
思えば自分が誰かもわからず、それを解き明かす目的で青年は旅をしてきた。だが、今はそれはどうでもいいことのように思えた。仲間であり、恋心を抱く者との新たな旅に、今の青年は心ときめいていた。

そのつかの間の幸せを、一発の銃声が打ち破った。
胸を赤く染め、何が起こったかわからず跪き、そして倒れる綾香。慌てて綾香に駆け寄る青年。綾香は朦朧とした瞳で青年をとらえ、嬉しそうに微笑むと、息を引き取った。
絶叫する青年。
その光景を嬉しそうに眺める長髪の男。
青年は鬼神会に包囲されていた。

鬼神会に捕まった青年の運命やいかに...!?

 


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