エンターテインメント・レビュー

第三十四弾

日本映画

陰陽師

滝田洋二郎監督作品

フジTVのやつがあまりにもミスキャストでくだらないので、この映画も大して期待してみたわけではなかった。
安倍晴明は映画の野村萬斎の方がよかったな。

フジTVのとは原作が違い、こちらはあの夢枕 獏原作なだけあって、おどろおどろしい感じが濃い。
野村萬斎の芝居もくさいが、まあ時代劇にはちょうどいい感じかな、という印象だった。

さて、全体的に見た感想だが、やはりお話が今ひとつ。
つまらなくはないのだが、なんかシンプルすぎる感がある。ここらへんは香港映画の伝奇物を参考にしてほしい。

あとクライマックスの小泉今日子と萩原聖人のあたりも何かねぇ。あんなに都をうらんでいた親王がいともたやすくあきらめてしまうのでは、BOSSキャラ(ゲームみたいだったので)としては弱い。
道尊と晴明の戦いもイマイチ。
ワイヤーは、「恋人はスナイパー」のときにも言ったが、使えばいいというものではない。
野村萬斎がひょろひょろと飛んでるのはなんとも間抜けな絵で情けない。ワイヤーアクションをこなすには役者にも相当の運動神経が要求される。また演出も趣向を凝らさなければならない。ここらへんが難しいところだ。

この映画は「2」が来年公開される。
今度はもう少しスケールを大きく、アクションも必要なら香港から振り付け師を呼んできてやってもらいたい。

でも、最近の日本映画の中では面白い方だった。
興味のある人は、一見の価値あり、かな。