GigaHit

エンターテインメント・レビュー

第七弾

プレイステーション用ソフト

Parasite Eve

SQUARE USA 作品

自分はまだ瀬名秀明氏の原作を読んでいないが、原作とは全く異なる内容であるという。
ゲームとしては、意外と単純で、特に真新しさは感じられない。また、戦闘シーンも操作がウザッたく、飽きてしまう。率直に言って、スクエアのゲームにしては駄作だと思う。
ただ、CGは凄い。凄すぎる。さすがハリウッドのスタッフを集めて作っただけのことはあると思った。
それに比べ、情けないのはストーリーである。このゲームにはアヤ、マエダなど、レギュラーは比較的少ない。にもかかわらず、それらの交流から発生するドラマが全くといっていいほどないの。ストーリーは終始アヤと、敵であるイヴとの会話で進められ、他のキャラの存在感が皆無なのだ。まがりなりにも「シネマティック・RPG」を掲げているのだから、これは致命的な欠陥だ。ここらへんに、映画人らから「ゲームはまだまだドラマじゃねぇ」とバカにされてしまう原因があるのだ。
問題はストーリーだけではない。一見ゴージャスなムービーも、一皮めくればただのハリウッド映画のコピーにすぎない。技術があるのは認めよう。だが、映画演出のセンスがない。だから真似しかできない。映画的なゲームを作るのなら、手本のハリウッド映画を超える映像作りを目指さなければ意味がない。「なるほど、これはハリウッド映画を超えたかもしれない」といえるようなムービー演出がほしいのである。
これからスクエアが映画的なゲーム作りを目指すのなら、元プログラマーやデザイナーに片手間にストーリーや映像演出を作らせるのではなく、専門でストーリーやシナリオ、演出を担当する映像作家を擁する必要があるだろう。


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