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国際結婚手続き一覧





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国際結婚手続きについては、各国編を参照ください。



国際結婚の基礎知識


「国際結婚は永住権や居住査証取得の早道」という事情を背景に、先進各国では偽装結婚が
急増。このため、国際結婚手続きも年々複雑化しています。また、国際結婚は当事者双方の国
での婚姻手続きが必要です。

○婚姻要件具備証明書
結婚要件具備証明書は独身を証明する書類で、結婚できる条件を備えていることを証明する公
的文書。国際結婚する場合に必ず必要となり、戸籍制度のない国では、これに代わる書類(国に
よって異なります)が必要となります。現在では多くの国では同書類が発行されていますが、一
部の国では代用書類となっています。日本の場合は居住地を管轄する地方法務局に申請書と
戸籍謄本を提出すれば1時間ほどで発行されます。

○性別で異なる国際結婚の居住許可
国際結婚をすると容易に居住のための許可が得られる場合が普通ですが、男性と女性によって
異なる場合があります。外国人男性と婚姻した女性の場合は全く問題ありません。しかし、外国
人女性と婚姻した男性の場合は国によって居住審査があったり、優先居住を認めない一部の国
もあります。その理由は、女性は男性の扶養下にあり、男性は居住国で家族を養うための就労等
を伴うことが必要な点。居住許可を得ることができても、労働許可などの別途取得が必要な国も
あります。

○姓の変更
■日本名をそのままにしたい場合
変更届を出さなければ日本名のままとなり、ほとんどの人はこのケースを選択。またパスポート
には()内に配偶者の姓を付けることも可能です。また子供が生まれた場合、出生届を外国姓で
登録しても、子供の日本戸籍上の姓は日本姓となり、2つの姓を持つこととなります。
■日本戸籍の姓を変えたい場合
婚姻届とともに、結婚後6ケ月以内に在外日本大使館または領事館で手続きをすれば姓を変更
できます。この場合、姓の戸籍表記はカタカナになります。6ケ月以降に変更する場合は日本の
家庭裁判所での煩雑な手続きが必要となりますのでご注意下さい。


○婚姻方式
■民事婚
日本のように役所に届け出る方式で、結婚の事実を公的機関に届け出る「届け出婚」や役所で儀
式を行なう「儀式婚」などがあります。
■宗教婚
教会などでの宗教儀式によって結婚手続きを行なう方式。

○日本で外国人と結婚
■最初に日本の役所に届け出する場合
居住地の役所へ婚姻届とともに、日本人の戸籍謄本、外国人の結婚要件具備証明書、その他の
添付書類と共に提出します。但し、提出書類が法的要件を満たしていない場合は「預かり扱い」と
なり、法務省からの出頭要請が数ケ月に行なわれ事情を説明することとなります。
尚、外国語書類は日本語訳が必要。また外国人との結婚の場合は夫婦別姓が認められます。
■最初に相手国の在日公館に届け出する場合
相手国の大使館で指定の手続きを行い相手国での婚姻を成立させます。その後、3ケ月以内に
相手国の発行した「婚姻証明書」とその日本語訳を添えて日本の役所に婚姻届を提出しますが、
国籍によっては、先ず日本の役所での婚姻届受理が必要なケースがあります。
尚、日本の法律では日本の役所に婚姻届を提出しなければ婚姻は成立しません。
■婚姻相手の国籍によって異なる必要書類
日本では偽装結婚による不法滞在・不法就労の防止などの観点から、婚姻や居住のための必要
書類が国籍によって異なることがあります。欧米国籍の場合は手続きが簡単に行え、以外の場合
はさまざまな追加書類が要求されるのもこれが理由となっています。

○海外で外国人と結婚
日本人が海外で外国人と結婚する場合は、日本の役所が発行した<結婚要件具備証明書>と
パスポート、その他国によっては追加の公的書類が必要な場合もあります。相手国の結婚が成立
後は、相手国の<婚姻証明書>と日本の婚姻届を在外日本大使館・領事館に直接提出するか、
または日本の本籍地に郵送します。いずれにせよ3ケ月以内に届出をしなければ処罰の対象とな
り、大使館に提出された婚姻届は日本の本籍地に郵送され、届出者の新しい戸籍が作られます。



国籍関連


○外国人と結婚した日本人の国籍
外国人との結婚により日本国籍を自動的に失うことはありません(一部の中東諸国など除きます)。
尚、希望すれば相手国の規定により国籍を取得できる場合がありますが、国によって差異があり
ます。また日本の場合は二重国籍を認めていないので、相手国の国籍を得た場合は日本国籍を
放棄する必要が生じます。日本国籍喪失後、日本国籍に戻す場合は、他の外国人と同様の帰化
申請手続きが必要ですが、元日本人の場合は決定までに期間を有するものの日本国籍を復活す
ることは容易です。

○生まれた子供の国籍
子供の国籍は出生した国の国籍が与えられる生地主義と民族的な血統主義に大別。血統主義
は更に父親の国籍だけを引き継ぐ父系主義と父母両系主義に別れています。また、国によって
は複数のシステムを採用している場合があります。
◆父母両系血統主義が原則の国
アイスランド、イタリア、インド、エチオピア、エルサルバドル、オーストリア、オランダ、
ギリシャ、スウェーデン.スペイン.タイ、中国、デンマーク、トルコ、日本、ノルウェー、
フィンランド、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スイス、ドイツ、韓国、シンガポール、
オーストラリア
◆父系血統主義が原則の国
イラン、インドネシア、エジプト、クウェ−ト、スーダン、スリナム、モロッコ
◆生地主義が原則の国
アメリカ、カナダ、アイルランド、イギリス、ニュージーランド、メキシコ、フランス、
アルゼンチン、ベネズエラ、ウルグアイ、エクアドル、グレナダ、ザンビア、タンザニア、
パキスタン、パラグアイ、ブラジル、ペルー
■国際結婚による子供の日本国籍選択
国際結婚した場合、父親または母親が日本人であればその子供は日本国籍を取得する権利が
生じますが、22歳までに国籍を選択する必要があります。但し、二重国籍を認めていない日本の
法律によって、日本国籍を選んだ場合は外国籍を放棄、外国籍を選んだ場合は日本国籍を放棄
する必要があります。ちなみに22歳以下の国籍選択留保者は約40万人。
■日本の外国人女性との未婚出産規定
外国人女性と日本人男性との間で未婚出産した場合は、出生前に認知するか、または出産後
に婚姻しなければ、国籍法第3条によって、生まれた子供に日本国籍は与えられません。
但し、2006年3月29日、婚外子の日本国籍を求める裁判で、東京地方裁判所は婚外子差別を
している現行の国籍法は違憲として、原告の子供たちに日本国籍を認める判決を出しました。
尚、国籍法が改正されるかどうかについては今後の課題となっています。

○公式サイト
法務省/国籍法
法務省/国籍選択について
法務省・民事局/国際結婚、海外出生の戸籍などQ&A



日本に居住するための手続き


○在留資格認定証明書

「日本人の配偶者等」の在留資格認定書が無いと外国人は結婚しても日本に住むことはできま
せん。手続きは管轄の入国管理局で行いますが、要求される書類は国籍や居住地、個人の状
況により異なります。認定証の発給所要期間は通常数週間、3ケ月程度を要する場合もあります。
また来日前の場合は、国外の配偶者に認定書類を送り、在外日本公館で入国査証を申請します。
■在留期間と更新、永住権申請
日本人の配偶者の場合の在留期間は1年と3年の2種類。いずれの場合も期間満了時に更新可
能。日本での滞在期間が3年を超えると、永住権の申請資格が得られます。
■一般的な必要書類
日本発行の書類は発行後3ケ月以内、外国発行の書類は発行後6ケ月以内のものが有効。
◆在留資格認定証明書交付申請書(入管にて配布)
◆写真2枚
◆パスポート.外国人登録証(日本に滞在している場合のみ)
◆身元保証書(呼び寄せ人、扶養者、配偶者のいずれかが身元保証人となりますが、配偶者が
保証人になれるのは日本に居住し収入がある場合のみ。用紙は入管配布)
◆身元保証人の在職証明書(会社からの在職証明など)
◆身元保証人の年間所得および納税額証明(住民税課税証明書、所得税納税証明書、源泉徴
収票、確定申告書の写しのいずれか一通)
◆返信用封筒(定型封筒)に宛先を明記の上430円切手を貼ったもの
◆日本人配偶者の戸籍謄本(婚姻事実記載がないときは婚姻届受理証明書)および配偶者の
世帯全員分の住民票
◆質問書または理由書(婚姻相手の国籍によっては任意の記入。用紙は入管配布)
◆親族一覧表(用紙は入管配布)
■追加提出を要求される場合がある書類
◆2人が写っているスナップ写真
◆相手国の婚姻証明書
◆外国人配偶者の出生証明書
◆その他、個別に指示された書類



その他


○同性間の結婚を認め、入国管理規定でも認めている国

オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェー、
スウェーデン、アイスランド、イギリス、スペイン、ポルトガル、南アフリカ、アルゼンチン。
<フランスの動向>
2013年2月、同性婚法案が採択。今後、合憲性の審査や国会審議を経て法制化される見込み。


○世界の妊娠中絶事情
世界各国では、妊娠中絶は女性の命を救う場合に限り認められるのが一般的。
日本では「経済的・社会的理由」が中絶理由の根拠とされていますが、比較的妊娠中絶が自由
に行われているため、中絶天国とよばれている側面があります。同じように比較的中絶が容易な
国としては、モンゴル、中国、ロシア、カナダ、スウェーデン、オーストラリアなどがあります。
■妊娠中絶が違法な国
チリ、エルサルバドル、マルタ。※いかなる理由でも認められません。

○国際離婚
国際結婚に比例して、国際離婚の数も増加。夫婦の一方が日本人で日本に住居を有する場合
の離婚は、日本法が適用されます。但し日本で離婚が成立しても、相手国の離婚手続きをしな
いと相手国での離婚が成立していない場合があるので、両国での離婚手続きを行うことが必要。
■離婚後に再婚する際の注意点
国によって異なりますが、現地の離婚手続きに2〜3年の期間を要する場合もあります。
まだ現地での離婚が成立していない間に再婚する際は、日本の戸籍上で離婚が成立していれ
ば、日本の法律では再婚してもまったく問題はありません。
■国際離婚数
2004年度の日本人の国際離婚数は15000件。年間の国際婚姻数の約4割にあたります。
■EUの国際離婚新制度の導入見込
2010年、EU加盟国は国際離婚の手続きを行う際、当事者が「どの国の法律を適用させるか」を
選択できる制度を策定中。施行開始となれば加盟国中14ケ国以上で適用可能となり、問題化
している国際離婚裁判が減少する見込みとなっています。