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「性別」ってナニ?



えっと、いきなりですが、「性」について語るうえで最も基本的なところから始めようと思いまして。というわけで、まずは「性別」の話から。

まず、「性別」といった場合、現在は大きく分けて三つの次元において性別が存在すると考えられています。あ、この場合「次元」といってもどれかが低次元でどれかが高次元、などという意味ではありませんので、ご注意ください。
で、その三つというのが「セックス」「ジェンダー」「セクシャリティー」と呼ばれるものです。

「セックス」というのは、「生物学的な性」と呼ばれるものです。よくマンガなどでは「触ってみたら/裸にしてみたら、女(男)だった」などというネタがありますが、通常もっとも意識されるたぐいの性別です。世の中には、「性別」と言ったらこれしかないと思っている人も多いみたいですね。そのくらいメジャーな(というより他がマイナー過ぎるんですか)性別です。もっとも、実際には「触ってわかる」なんて単純なものじゃないのですが、その話はまた別に。

「ジェンダー」というのは、「社会的な性」と呼ばれるものです。「女に生まれるのではない、女になるのだ」というボーボワールの有名な言葉がありますが、一般に「女だから」「男だから」と当然視されているものはまず間違いなく生まれたあとに身につけた、いわば学習の結果です。(例:女の子はウェディングドレスにあこがれる、男の子は花や料理よりも車やスポーツに関心を持つ、など)そういった行動様式上の性別のことを「ジェンダー」と呼んでいます。

「セクシャリティー」とは、性の指向における性別です。「性の指向」というのは、恋愛やセックス(いわゆる「セックス:性行為」のこと)の相手に同姓と異性のどちらを欲するか、ということです。「しこう」を「嗜好」と書く場合もありますが、それではまったく意味が違ってきますし、だいいち間違いです。よくレズビアンの女の子に迫られた女の子が「そういう趣味はないわ」などと口走りますが、相手に同性を求めるか、異性を求めるかは趣味の問題ではない、というのが現在における主流の考え方です。同性愛者(同性を相手に求める人)が同性を求めるのは、異性愛者が異性を求める(恋愛やセックスの相手として)のと同じくらい真剣で、かつ自分の意思ではどうにもならない欲求なのです。(好きな人を無理やり好きでなくなることがいかに難しいか・・・)
というわけで、現在は「嗜好」という字は通常使いません。「同性を嗜好する」などという文章を見つけたら「こいつ、わかってないな」と思ってください。(誤変換の場合もあるだろうけどさ)

さて、最初に、人は三つの性別をもっていると書きました。これをあてはめると、一般に「ノーマルな女性」と呼ばれる人の性別は次のようになります。
セックス:女
ジェンダー:女
セクシャリティー:異性

俗に「オカマ」と呼ばれる人の性別は以下のとおり。
セックス:男
ジェンダー:女
セクシャリティー:同性

こんなかんじで組み合わせを見ていくと、2の3乗=8通りのパターンがあることになります。
・・・大丈夫ですか。ついてこれてます?
今言った8通りというのは、大雑把にわけての話ですからね。そのうちきっと、もっと複雑なパターンが出てきますから。
では、それぞれの「性別」についての詳しい話はまた別項で。

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