「性」論メニューページへ戻る
トップページへ戻る

「異常」であることのストレス


にゅう。
はっきり言って,今回のテーマ,暗いのよね。なので、文体だけでも明るくしていくつもりだから,よろしくね☆


「異常」ってタイトルにあるけれど,あたしは別に自分がビョーキだって思っているわけじゃぁないの。「性的マイノリティ」,つまり性という視点から見た場合における単なる少数派に過ぎないと思っている。でもね、「あたしは別に悪くないのよ」って言って,いっつも自分をさらけ出す気にはとてもなれないのよね。やっぱりそれは怖い。見ず知らずの人間に何を思われたって、それはそれほど気にならない。でも、親しい人や身近にいる人(職場の人とか)に「気持ち悪い」とかって思われるのには,やっぱり抵抗があるのよね。だから,普段はそれなりに仮面をかぶって生きてたりするのよね。(でも,性に関する部分を隠すのが精一杯なので,「オタク」なところはモロバレ…… ま,隠す気もないけどね)


昔(何年前かは内緒☆)、まだ学生だった頃,あたしは女の子言葉を話してました。ホントにいつのまにか、気がつくと女の子言葉だったのね。もう,ごく自然に,口をついてでる言葉が女の子だった。でも、学生には,「いやなやつとは付き合わない自由」があったので,ぜんぜん問題なし。それに,もっとも力を入れて受講していたのはフェミニズム関係の講座だったから,それほど問題にならなかったというのもあったしね。
とにかく、気持ちをストレートに口に出したら女の子言葉だったのね。(家族に対しては,そもそも気持ちをストレートに出さなかったから,女の子言葉を使っていなかった)

でも、卒業して,仕事をするようになったら,人付き合いは当人同士の意思とは関係無く発するってことぐらいは予想がついたから,就職してからは,ずっと男言葉を使うようにしたの。
男言葉を使う事自体は,もともとTPOにあわせて使い分けていたから,苦じゃぁなかった。でも、1日という時間の中で話す相手が100%男言葉を使わなきゃいけなくて,しかもそれがずっと続くというシチュエーションって,はじめてだったのね。とにかく疲れるの。しゃべらなきゃいけない内容を一度頭の中に思い浮かべて,それを男言葉に翻訳してから話す。ほとんど外国語をしゃべっているようなもんよね。それがずっと。
もともと人間関係が長続きするタイプじゃなくて,クラス換えや卒業のたびに友達づきあいが切れるタイプだったから,大学時代の知り合いとはごく自然に切れてたし,高校時代の友達は少し居たけど高校の頃はほとんど女の子言葉をしゃべっていなかったから,みんな「気持ち悪い,やめろ」って言うし。
だから,もう,起きている間はずっと,365日男言葉の生活になっちゃった。それでも,最初の頃は,口に出さない言葉は女の子言葉だったのよね。あたし,ひとり言は口に出さないで頭に浮かべるだけだったから,そういう「口に出さないおしゃべり」って言うのを時々やってたの。

でも、気がついたら,男言葉がすっと口を突いて出るようになってた。ごく自然に……ううん,自然なんかじゃない。意識して翻訳作業をしてはいなかったけど,それは偽りの言葉だったわ。たとえるなら,サラリーマンが接待の席で取引先の人と交わすおしゃべりのようなもの。そう言う会話の必要性ってやつも認めるけど,でも,口を出る会話が全部そればっかりっていうのは,ちょっと悲しいじゃない。
でも、その頃になったら女の子言葉が自然に出なくなってた。口に出さない,心の中のひとり言まで,どこかぎこちなくなってたのね。それに気がついたときは,泣いたなぁ。もう,涙が止まらなくて。心の中のひとり言をするのはいつも一人きりのときだったから,その涙を見られることはなかったけど,とにかく声を出さずに泣いたのだけは憶えている。「あたしは,あたし自身の言葉を失ってしまった」 女の子言葉がしゃべれなくなったってことは,あたしにとってそういう事だった。

それからあたしは,自分の言葉を取り戻すことにした。一生懸命ひとり言を(頭の中で)して,また,それとは別に思い浮かんだ事をノートに書きつけたりした。ネットの書き込みもはじめた。そこではストレートに自分の言葉を書きこむようにした。
そうやってあたしは自分の言葉を取り戻した。でも、完全じゃ,ない。このHPの文章や,友達と話すときの言葉に統一感がないのは,そのときの名残っていう訳。だから,HPの文章に統一感が現れたら,そのときこそあたしがあたし自身の言葉を取り戻した事になる……


ふう、言葉の話だけでずいぶんかかっちゃったわね。でも、あたしのストレスって,これにつきんのよね。別に,言葉以外ではストレスを感じないっていう訳じゃないのよ。たとえば、抱きつき癖・触り癖。
かなり矯正したって前に書いたけど,つまり,無理やり我慢しているだけなのよね。あたしは今でもちょっとしたことで抱きつきたいし触りたいの。会えば「キャー久しぶり」って言って抱きつきたいし,ふざけてオーバーに泣いたフリをしながらすがり付きたいし,歩くときも腕をとってきゃあきゃあ言いながら歩きたい。そういうのを我慢できるようになっただけ。

これは,どちらかというと女の子のほうがわかりやすいんじゃないかと思うんだけど,ある程度以上親しい友達に「あたしに触らないでよ」って言われたって想像してみて。それも一人や二人にじゃなくて全員に。

セクハラとかは別だけど,そういう身体的接触って,重要なコミュニケーションの1つだと思うのよね。それを封じられるのは,凄いストレス。でも,相手に嫌がられちゃ本末転倒だから(だってコミュニケーションがとりたいから触りたいんだもの)我慢をしないわけにはいかないんだけどね。

そういった立ち居振舞いを「相手に不快感を与えないように(そしてあたしが嫌われないように)」って気をつけていることこそがストレスなのよ。


それ以外っていうと,うーん……
ストレスとはちょっと違うけど,身なりをどうこうする欲求がぜんぜんわかないっていうのがあるわね。
「胸(乳房)の欠損感」の話は前にしたけど,どうせ何をやってもかわいくもなれなきゃカッコよくもなれない(男性的なカッコよさは別に欲しくないし)と思ったら,そりゃあ服も髪形も体型もどうでも良くなるわよ。がんばってもギャグマンガに出てくる「気持ち悪いオカマ」にしかなれないんだから。(大掛かりな整形手術をして別人みたいになれば別だけど,あたし,そんなお金はないし,整形後の生活の手立ても思いつかないわ)

かくしてあたしはいつも髪はぼさぼさ。服はどんどんみすぼらしくなり,カラダはぶくぶくと太っていく……(健康に支障が出かけているから,ちょっとはダイエットしているけどね)


ま,オーバーな言い方をすると,一挙手一投足にまで気を配らなきゃいけないってのがあたしの生活。もちろんあたしが過剰に気を使いすぎているっていう可能性もあるわよ。でも、(ここまで来ると強迫観念かもしれないけど)気を使わずにはいられないのよ。まったく,カップを持つときに小指を立てたっていいじゃないっ☆


かくしてあたしはストレスまみれ。こないだ心の健康チェックってフリーウェアソフトをやったら結果の中にこんな文があったわ。
「精神的にひどく疲労しているため、単純な日常生活も困難です。」ですって。やってらんないわよね☆


ふう、やっぱり最後まで暗くなっちゃったわ。でもしょうがないわよね。今回は全文あたしの愚痴なんだから。おかげでちょっとだけすっきりしたわ。もしもこのページを見ているお仲間がいたら,がんばってね☆ 苦しいのはあなただけじゃないなんて,なんの解決にもならないけど,でも、やっぱり、あなただけじゃないから……

じゃ☆


追伸
例の面接は2次でしっかり落ちたわ。ほんのちょっとだけ「本性」出したし。それにしたってあんなフツーのお嬢さん連れて来たってダメな事ぐらい,わかって欲しいわよね。あ、そっち方面の人にはいまだに「演技」してるから,判れってほうが無理か。ふう……


NEXT

「性」論メニューページへ戻る
トップページへ戻る