剣の花嫁 第1回リアクションA1個別

「さそり座の花嫁(グループ1)(1)」より抜粋

篠崎良一マスター執筆

Scene.1 「レガリアの食卓」より一部抜粋

 ラウラ王女が勇者たちによって救出されてから王女の世話を担当することになった召使いのサイナ・サパロパは、王女のために活躍した勇者たちに部屋を用意し、さらには食卓にも招いてくれた。そこで出された料理は、今までに見たことがないくらい豪華なものだった。
「うわー、すげぇぇぇ〜!」
 ミケネス族の男、ガウ・ディバインは、しっぽを振って喜んだ。蒸した魚料理から食欲をそそる臭いがする。
「いただきまーす!! ガブッ。うまいぞ〜♪」
 当然のごとく、サイナの料理は超一流だった。
 しかし、魚を丸飲みにしてしまったガウは、皿を寂しそうに見つめ……我慢できずに隣の皿に飛びついた!
「あ、このヤロー! 俺のまで食うんじゃねぇ!!」
 ポルン・ポップは、ガウに向かって大声で叫んだ。
「どうぞ」
 しかし、エプロン姿の女の子がポルンの前に新しい皿を出してくれた。女の子の名前は、メイドのアンジェリーナ・ノイエガルド
 アンジェリーナはポルンを見て、にっこりと微笑む。
 しかし、この時間のメイドはとても忙しかった。
「アンジェ、ラウラ様のところへ食事をお持ちしてあげてくださいな」
「あ、はーい」
 サイナに催促され、アンジェリーナは姿を消した。
 ポルンは、皿を受け取るとすぐに怒りをしずめて会話に戻った。隣の席に座っているキタンの魔術師フェイ・ムーンに顔を向ける。
「そういえば、鏖帝軍のアンデッドを倒したおまえの腕は見事だったぜ」
「いやー、ポルンの火法の凄さにはかなわないよ」
 フレイは、照れ隠しにポルンの魔法を誉めた。
 二人は鏖帝軍のアンデッドを蹴散らし、レガリア城へ血路を開くのに大きく貢献した勇者たちであった。
「しかし、それよりも驚いたのはアイツだな……」
 可愛らしい少女、ロリィ・ディスティオールの腰には鳥神ガルーダの比翼剣がぶらさがっている。あれでスケルトンを斬りまくったことは、印象深い。しかし、注目を集めているロリィは食事よりもサイナからもらったマチュウのぬいぐるみで遊ぶのに必死だった。
「か、かわいい〜★」
 エルザ・フィンデルはロリィを見て思わず呟いた。
「……ん? なぁに?」
 ロリィがエルザの顔を見つめる。エルザは一言。
「でも、私の方がかわいいわね」
「自分で言うなよ……」
 食事を終えたガウが、エルザに突っ込みを入れる。
「あんたは黙ってなさい! ていっ」
「いってー☆ なぐんなよぉ。かわいくねぇ〜」
「っるさいわね、可愛くなくて悪ぅございました!」
 ガタンッ。急に大きな音を立て、カルマ・パニーシュが椅子から立ち上がった。全員の注目が集まる。
「あ、失礼。心配なのでラウラ王女を見てきます」
 カルマは、ガウの次に食事を終えて、食卓を立った。

【NPC一覧】

【RA一覧】

【PC一覧】

●プレイヤー注釈

 ダークサイドPCのつもりだったのですが……。
 まあ、鏖帝軍のアンデッドは暗黒教団の管轄で、カキザキ将軍率いる暗黒騎士団とは対立しているのだから構わないか……と思い直す。キャラクタークラスが「ニンジャ」であるし、密偵として勇者側に潜入しているという風に解釈しました。
 初回リアではアクションをかけることができないため、このような「思っていたのとちょっと違った」というハプニングはよくあります。そこに「では、なぜそうなったのか?」という解釈を勝手に色々想像し、設定として付け加えるのはなかなか楽しい作業であります。

 この回、なんだかネット関係者の方がやたらと多かったです。


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