剣の花嫁 第7回リアクションA1共通

「最強の超越者」より抜粋

篠崎良一マスター執筆

Scene.2 「決死の戦い」より一部抜粋

 固唾をのんで戦況を見守っていた、賢者エスティン・ブローラーは、暗い顔でザ・ライブラリーに潜入した。
(世界の理を知らねば超越者は倒せないのでしょうか。千里眼鏡で過去を覗いたら、果たして何が見えるのか?)
 エスティンの瞳の奥に、ザ・ライブラリーで静かに眠る超越者の姿が映し出された。早送りで一日を観察する。
 超越者は目が覚めると積極的に世界へ干渉していた。砂漠にオアシスを作ったり、少女の初恋を実らせたり……良いことばかりである。
 エスティンは天を仰いだ。
「超越者、あなたは何がしたいのですか? まるで、勇者たちに対する態度とは正反対じゃないですか」
 途方にくれるエスティンにロリィ・ディスティオールが声をかけた。
「何か分かったの?」
「余計……わからなくなりました。ん〜、その本は」
 エスティンは、ロリィの手の中の本に目をやった。
 素早く隠すロリィ。こんな時にカキザキ受けのやおい本を探していたなんて恐ろしくて言えない。
(ま、いいですけどね。個人の趣味ですし……)
 しっかりバレていた。軽く笑った工スティンの笑顔が不意に凍り付く。
(まさか、超越者は自殺する気か? 弱い者は救っているのに、わざわざ自分を倒す可能性がある勇者を挑発するなんて、それ以外には考えられない! 超越者は引退するつもりだ。自分の存在こそが世界の理なんだ! もう、超越者になる方法は全員に教えていたんだ!!)
「……?」
 ロリィには、何がなんだか分からなかった。
 ドゴオオオオォーン!!
「うわっ」
 突然の爆発で二人は地面に叩きつけられた。
 やったのは、フェイド・オールドウィンドである。
「なにすんの! ひどいよっ」
 ロリィイがむくれて抗議した。
「悪い。すでに先客がいるとは思わなかった。ここは破壊するから、あんたらは逃げた方がいい」
「破壊するって……ここを? どうやって?」
 エスティンが半ばあきれた。
「何がおかしい? この招嵐刀があれば軽く……軽く二・三日はかかるかな?」
「でしよう? 広いですからねぇ」
「広さなんぞに負けるか! 光輝力ミサイル発射!!」
「結構、頭張り屋さんね」
「意地になっているだけでしょう」
 フェイドはやけになって暴れまくるのだった。
「ルンルン♪……点火!」
 カキザキ親衛隊の魔導中将アルア・エルドレットが、何のためらいもなく図書館に火を放った。
「何してるんですかぁー!!」
 本が燃えるのを許さないエスティンが激しい突っ込みを入れた。
「超越者の力の源は、この図書館かもしれないのです」
「違いますよ。黄金の本です」
 エステインは断言した。
「違うんですか? じゃあ、この火はどうすれば?」
「アヌアヌ〜♪」
 謎の魔法生物が現れて消火活動を始めた。
「おや? 図書館の消火班が来たみたいですね」
 しかし、揺れる炎に触れてソレはあっさり死亡した。
『……』
 一同、沈黙。
 何のために現れたのか、超越者の世界は奥が深い。

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●プレイヤー注釈

 共通入り。
 この世界のシナリオを支配する「超越者」の書庫『ザ・ライブラリー』の探索。エスティンさんを連れて亜神技「次元翼」で書庫へ潜入。事前に立てた予想に基づいて調査するが、当てが外れていたら、仕方がないので「カキザキ様総受けのやおい本」を漁って持って帰る……という内容のアクションでした。
 予想が外れたのでやおい本漁ってます。前回「超越者の書庫を調べたら同人誌ばかりだった」という描写があったのをネタにしたのが、マスターにウケたらしいです。

 なんか「ストリート・ハッスル」のマスコット(?)キャラ、アヌビスが登場していますけど……なんだかな。

 本筋のほうはこの後「超越者」が倒されます。しかしその戦いで己の無力を悟ったカキザキが、偶然に超越者の力の源「黄金の本」を手に入れ、自暴自棄気味に超越者化、傍若無人なシナリオによる世界支配に乗り出します。
 英雄ラーヴは勇者達に超越者との勝負を托し、レガリアに帰還。……と見せかけて本性を現します。ラウラ王女を無能と罵りスポイルし、王女の身体を(誰にも知られることなく)乗っ取ることに成功。レガリア女王として君臨して、やりたい放題の悪政を始めています。


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