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(最終更新日:2002/12/07)
銀盤グラフィティ 〜銀盤グラフィティ〜 《K−19》

K−19 (K-19 THE WIDOWMAKER) 2002年作品
DVD 米国盤 K−19 CD 米国盤 K−19 サントラ
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サントラ
 

K−19』 (K-19 THE WIDOWMAKER) 2002年アメリカ/イギリス/ドイツ作品
監督:キャスリン・ビグロー/音楽:クラウス・バデルト
出演:ハリソン・フォード,リーアム・ニーソン,ピーター・サースガード,他


  冷戦最中の旧ソ連で実際に起きた、核を搭載した原潜K-19の事故を題材にした作品。
  アメリカに対抗する為に、完全とは言えない状態で無理やり出航を余儀なくされた新造原子力潜水艦。ところが処女航海中に原子炉の冷却装置に亀裂が発生して、そのままでは原潜は核爆発の危機。それどころか任務によりNATO本部の近海を航行中であったため、こんな場所での核爆発は第三次世界大戦の引鉄ともなりうる…。
  起こるべくして起きたといえるこの事故に直面する乗組員たちを、真っ向から骨太に描いていて見応え十分な作品。いわゆるありがちな、単なるハリウッド的アクションパニック映画ではないのでご注意。

  閉鎖空間のドラマ故に、登場人物が脇に到るまでしっかりとドラマを支える役割を持っていて観ていて好感が持てました。その中でも何と言っても副長ポレーニンを演じたリーアム・ニーソンがとてもいい演技を見せていて、ファンとしては非常に嬉しいところ。がっちりと主役のハリソン・フォードの演技を受け、作品を支えています。良い共演者に恵まれ、ハリソン・フォードもともすれば嫌われがちなボストリコフ艦長を厳格に演じきっていて、想像通りこの二人の競演はばっちり!まあ変な理屈抜きにも、競演しているだけでリーアムは言うまでもなくハリソンも好きな私は嬉しかったのですが♪

  米国での興行成績はイマイチだったそうですが、そりゃそうだなと納得しました。核という真面目な題材がキーワードな上に、戦争関係作品なのに“アメリカ万歳”映画ではないどころか舞台は旧ソ連ですからね〜。
  しかし、核だの放射能汚染だのいうものは観ていて辛いです。実際はあれよりも更に酷いだろうと思うと、なおさら…。
  主役に対する映画的な見せ場のつもりなのでしょうが、ボストリコフ艦長の“そりゃないだろう”な場面がいくつかあって、これだけはちょっといただけなかったです。

  よろしければこちらもご覧下さい → いとしのリーアム【K−19】
◆DVD(北米盤):A VIACOM COMPANY (PARAMOUNT) 34021
  硬派な作品に似合った硬派なメニューがなかなか格好いい、北米盤です。映像特典にもきちっと英語字幕が入っていて、これは有り難い事この上なし!
◆サウンドトラックCD(米国盤):HOLLYWOOD RECORDS 2061-62371-2
  単独での劇伴担当はこれが二作目という、クラウス・バデルトの力作。
  ドラマティックに盛り上げる迫力ある音楽ですが、最近ありがちな、必要以上に扇情的になったりドカドカと派手に鳴りまくるような感じではないです。何しろ旧ソ連の世界が舞台ですし実話が題材ですし、熱さではなくむしろ悲壮な寒さを感じるサントラです。男声コーラスもとてもいいです。

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