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満月にほえろ! 〜満月にほえろ!〜
脇役にも注目!

映画は主役だけではツマラナイ。脇役・端役が生きていてこそ、世界は深みを増すのだ!
目にとまっていても普通の感想などではあまり取り上げられない、私のお気に入りのキャラクターたちをあげてみました。
皆さんのお気に入りも、是非教えてください。

★蛾
ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間
(THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING)

  第一部 旅の仲間に出てくる、それはそれはけなげでステキな、それも数少ない(多分唯一の)映画オリジナル・キャラクター。
  彼(彼女かもしれないけど、仮に彼としよう)は、大きな月に誘われてか高い高いアイゼンガルドの塔のてっぺんまで飛んで昇った時、そこでサルマンによって閉じ込められたガンダルフに出会って、大鷲のグワイヒアを呼んで来るように頼まれる。彼は立派にその役目を果たし、グワイヒアは無事にガンダルフを救い出すという事で、考えてみればかなりな大役。もし彼がいなかったら、ガンダルフはシビレを切らしたサルマンにやられていたかも知れず、となれば中つ国の歴史は確実に変わったはずだ。
  しかし、なんともけなげでかわいい蛾である。グワイヒアは霧ふり山脈の奥に住んでいるはずで、いくらアイゼンガルドがその霧ふり山脈の外れにあるとはいえ、蛾にとってその距離はかなりなものではないだろうか。彼はその距離を飛んで行って、グワイヒアを探し出したわけだ。帰りはおそらくグワイヒアに乗っかって来たのだろうが(でないと同時にたどり着くのは無理。グワイヒアに乗っかっている蛾の姿、想像するとかわいい(^-^))、この後の行動がまた偉い。いきなり一緒に乗り込んで脱出前にサルマンに見つかるような愚かなマネはせず、グワイヒアより先に一人で目立たないようにガンダルフの前に現れて、彼に到着を知らせるという芸当をやってのけているのだ。う〜ん、賢い!大きな月をバックにひらひらと飛ぶ蛾、背後を横切るグワイヒアの巨大な影、なんとも美しいシーンだったなぁ。
  PJ監督!密かに大活躍の彼にも是非名前をつけてあげて下さい!!
★独房の看守
大脱走 (THR GREAT ESCAPE)

  ステーブ・マックーン扮する連合軍捕虜を、何度も独房に放り込むドイツ兵。
  名前は無い。台詞も一切無い。出て来るのは独房の建物の入り口から独房の扉の間の、短い廊下だけ。けれどもこの限定空間で、彼は独房の常連バージル(マックイーン)とさしで勝負をする。
  この平のドイツ兵とバージルの無言の戦いは、独房の扉のカギを巡るものだ。一筋縄では行かないバージルが独房でキャッチボールをする事はかなり有名だが、その前の看守とのやり取りが話題になる事はあまり無いようで、なんともこれは悔しい。
  第一ラウンド・第二ラウンド…そしてラストシーンの最終ラウンド。この最終ラウンドがなかなか泣かせるのだ。このあまりにも有名な映画のラストは、独房の中から響くキャッチボールの音と独房から去って行くこの無名の看守で終わる。

★ライバルの紋章官
ロック・ユー! (A KNIGHT'S TALE)

  主人公ウィリアムのライバルとなる、アダマー伯爵の紋章官を努める男。
  この映画は騎士たちの馬上槍試合を中心としたものだが、紋章官は試合会場においては主の系図をそらんじ、試合前に観客に向かって主の偉大さをアピールする為の口上を述べる役を持っている。日本風にいえば“やあやあ、我こそは〜”のアレ(の従者版)である。
  アダマー伯爵はいけ好かないヤツで、多分あまり主が好きではない彼の紋章官が述べる向上は、型通りでイマイチぱっとしない冴えないもの。ところが主人公ウィリアムの紋章官チョーサーの口上は、型破りな上に大仰なまでに芝居っ気があって、観客の目を惹きつける。何度もそれを目にしたアダマーの紋章官がどう変わっていくか…。最後には思わずにんまり間違いなし!
  ストーリーとは全く関係無い部分での、この二人のちょっとしたやり取りがなかなか楽しい。アダマーの紋章官はやたらとチョーサーを意識し、チョーサーは逆にちょっかいかけて楽しんでいる(^_^;)。DVDにはカットシーンが収められているのだが、その中にも彼らのシーンがあって、これがまたなかなか良い。本編にこれがあると、もっと面白かったのになあ!
★検問のお兄さん
ルパン三世カリオストロの城

  カリオストロ公国の国境の検問を行うお兄さんである。
  カジノから盗み出した札束が全て偽札であった事から、製造元の国へ乗り込むルパンと次元。ステキな主題歌に乗ってのんびり公国へ向かう彼らの姿のすぐあと、歌が終わったところで登場する。ルパンたちの車がカリオストロ公国の国境検問に到着して、真面目な表情のこのお兄さんが二人の身分証をチェックしたわけなのだが、顔の確認をするために彼が車の窓から中を覗き込んだ時、おでぶさんに化けた次元が帽子をちょっと上げて会釈する。それを見てこのお兄さん、一瞬ニコッと笑うのだ。これだけである。でもこの“ニコッ”がとてもいのだ。なんだか惚れちゃったんですよ、私は(^-^)


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