『ロード・オブ・ザ・リング』を観ました。
細かい所はさておき、3時間越えを全く気にさせない面白い映画でした。何が嬉しいって、ああいうイメージを実写で映画化できるってことですね。ああ、いい時代になったなぁ…。
とにかく映像に釘付けになってがっちがちに固まって観てしまったので、観終わった後疲れたの何の、充実と脱力で家に帰る頃にはふ〜らふら。こんなに夢中で観たのは久しぶりかも。
原作で最もお気に入りのガンダルフ、イアン・マッケランは一番美味しいこの役をもらって大活躍♪ひゃー、いいぞー!サルマンのクリストファー・リーはガンダルフがやりたかったと言い続けてたそうですが、彼はやっぱりサルマンでしょう(ま、本人もわかっているんでしょうけどね)。この二人のシーン、特に二人で語り合っているところなんて大好きです。
物語の1つの要でもあるビルボも、イアン・ホルムが安定のある存在感で演じて作品を引き締めてくれてたし、若造どもを蹴散らして、じじいども格好いいぞ!(笑)
残念な事に、この映画ではアラゴルンの厳しい生き様(というか背景というか)があまり伝わってきませんでした。彼をあんなに端折っていいの??言動といいアルウェンの事といい、彼については、映画として随分設定を変えてあるようですね。これはこれでいいのですが。アラゴルンのまたの名“ストライダー”が“韋駄天”と翻訳されてたのもちょっと違和感。(翻訳者が違うからしかたないけど)翻訳小説版の“馳夫(はせお)”さんのままじゃダメ?確かに“韋駄天”の方が聞こえはいいですが、“誰も近付きたがらないうさんくさい怪しい男”につけられた呼び名にしては、これではきれい過ぎだと思うのですが。(なんとなく気風のいい江戸っ子みたいだし(笑))
ところで、この映画については映画会社や宣伝担当にぜひとも言いたい事がある。 はじめから原作どおり三部作として作られ、今回の映画原題にもちゃんと第一部のサブタイトルが付けられているのに、なぜ邦題にサブタイトル『旅の仲間』をつけなかった?
サブタイトルはつけない、宣伝で続き物である事も言わない、そのせいで、試写会でも公開後も、観終わった後に何も知らなかった観客が不愉快になって、この映画にマイナス感情を抱くケースが続出している(そんなの映画のせいじゃないのに、映画がかわいそうだっ!)。絶対そうなると公開前から素人の私でさえ危惧していたというのに、なぜこんな事を会社側はしたのか!?誰もそれに気付かなかったとは考え難い。ぜひとも納得の行く理由を聞きたいものだ。
ともあれ、正当派のファンタジーがまともに映画化されヒットするのは嬉しい限り。これでにわかブームでもなんでもいいから起こってくれれば、それに乗って他にもファンタジーな映画が続けて作られるかもしれないし、最近すっかり少なくなったファンタジー小説の翻訳も、また増えてくるかもしれない(^-^)
一番の希望は、ファンタジーをくだらぬ夢物語、子供だましだと一段低く見下す目が減る事でしょうかね。減ってくれるかなぁ…。
|