ヨーロッパ週末ぷち旅行記 : Part 18 - 2
青い空と青い海と緩やかな時の流れ、リエカ&ポレチュ(クロアチア)
2004年8月22日(日)
中欧全体地図
行程マップ
Part18-1(Plitvicka jezera)へ
- [Rijeka : 青い海沿いの港町]
- Rijekaに到着すると, 再び押し合いへしあいしながら狭い階段を下り, 車の脇を港へ下りる.
雲ひとつない青空の下, 港は魚のちょっと生臭いにおいが漂い, 漁港でもあるのだなと実感する.
まずは少し離れたバスターミナルまで行ってバスのダイヤを確認し, それから旧市街を歩く.
リエカ(Rijeka)はクロアチアの中では大きい方の町であるが, 基本的に商業の町で必ずしも観光スポットは多くない.
しかも奥の山の斜面沿いに無節操に高層マンションがにょきにょき建っていたりするので,
町全体の景観という意味でもややイマイチ.
旧市街はメインストリートのKorzo通り沿いプラスアルファ程度で, こちらもあまり大きくないが,
さすがにここだけはよく景観が保存されている.
ともかく船内では朝飯を食べなかったので, どこかテラスでやってないかな,
と物色し, 適当に見繕って席に着く. さすがに観光客が来るのかメニューは英語つき,
ウェイトレスも英語OK. しかし頼んだメニューは, 「それありません. これなら…」
はいはいオッケー, とOKしてから値段を良く見るとあまり安くなかった. ちぇっ.
- [Trsatska gradina : 健脚, 長階段]
- 他に街中には特に見学するところもないようなので, 景色がきれいだという町の北東側,
少し丘を登ったところにあるトルサット城(Trsatska gradina)へ上がることにする.
地図を見ながら旧市街の北東の外れへ歩いていくと,
やがて鉄道のZagreb-Rijeka線の高架線路をくぐるようにトルサット城へ上がる階段,
Trsatske stube Petra Kružica(ペタル・クルジッチの階段)が始まる.
Trsatska gradinaの隣にあるトルサット聖母教会(Crkva Gospe Trsatske)は,
先週巡礼者の集まりがあって賑わったらしいが, 今週はそれほど階段を上る人もおらず,
朝の運動に階段を駆け上がっていく人に抜かれたのと, 老人を2,3人抜いた程度.
確かにこの階段は結構長く, さくさく上っていくと結構いい運動になる.
運動不足の人はきっと息が切れるな(苦笑). 階段沿いに家が並んでいてしっかり入口もあったりするのが印象的だ. 実際は反対側から車で上がれるらしいけどね.
何回か蛇行して上っていく自動車用道路を横切るとやがて教会前に到着.
- [Trsat : 青空と青い海と港と]
- 教会の手前からTrsat城の公園の中へ入り, 更にもう少し登る.
ほぼ林の中だが, 一番海寄りのところに石で組まれた展望台があって,
ちょうど地元の子供が何人か先に来ていてちょっと狭かったが順番に見せてもらう.
そこへ上ると木々の間からRijekaの町と港が青い海とイストラ半島をバックに見えてグッド.
子供に日本人? と聞かれたような気がしたので(笑), Japaneseと答えておいた.
ああ, クロアチア語の日本人はなんだろう?
- [Rijeka→Poreč : イストラ半島を横断]
- もうしばらく時間があったので, 週末の市場を覗いたり, カフェでビールを飲んだりしてのんびりした後, 昼のバスでPorečへ向かう. Zagrebからのバスで,
到着した時には既に結構混んでいた. 運転手にPorečまで行きたいのだが,
と英語で話しかけると, 身振り手振りで車掌に言えと回される. クロアチアの長距離バスは,
今回乗ったのは4本だけだが基本的に車掌が乗っていて,
車掌は英語を話せるが, 運転手はまるっきりダメ, というパターンが多いらしい.
Rijekaからアドリア海沿いに10分ほど走るとやがてバスはイストラ半島の山々を突っ切るトンネルへと入る.
かつてこのトンネルがなかった頃は海岸沿いに南端のPulaまで下りて反対側の海岸沿いを再びPorečまで北上するというやたらと長い道のりだったらしいが,
このトンネルが出来てRijeka-Porečはほとんどまっすぐ結ばれるようになり,
とても便利になったようだ.
長いトンネルを抜けたバスは時々小さい町があるだけの内陸の低木地帯を快調に走る.
運転手がラジオを流していたのだが, ふっと英語が入って何かと思うと交通情報だった.
やはりヨーロッパ, 陸続きでマイカーで他国から来る人も多いのだろう. 夕方の戻りは混みそう,
といっていたので, 帰りは一本余裕を持って戻ろうと決める.
さすがに単調な景色に見飽きてきた頃に約1時間半でPorečに到着.
- [Poreč : 海です魚です]
- ポレチュ(Poreč)旧市街の外れにあるバスターミナルから少し歩くとすぐに町へ入る.
そのまま直進すればすぐビーチだが, とりあえずは街並みの方へ行くことにする.
スロボダ広場(Trg Slobode)周辺の道路沿いにはいろいろリーゾナブルなシーフードレストランが立ち並び, いいにおいがする. ちょうど昼過ぎで結構賑わっているようだ.
やっぱり海沿いの町だなあ. ここから半島の真中を伸びるDecumanus通りがメインストリート.
よく磨かれた石畳の細い通り沿いに古そうな建物の土産物屋が立ち並ぶのだが,
これがまた昔へ時代をトリップしたような, 穏やかなたたずまいと, 年を重ねた趣を漂わせている.
現在はマリンリゾート地ということで,
ここを水着やラフなスタイルの観光客が賑やかに歩いているのをみると,
なんかスラックスでリュック背負ってというスタイルはやたら浮いて感じてしまう.
そのまま道路を突き当りまで行き, 適当に曲がるとそこは半島の先付近, アドリア海だ.
海面の波や水しぶきに太陽光が反射してまぶしい. そう, こういう風景ってめったに見ないんだ,
私は. いつも山の方ばかり行くから.
さすがに楽しそうに水遊びをする人々が羨ましくなって…とりあえず手くらいは海に突っ込んでおこう(笑).
海岸沿いにレストランを見つけてそこで昼食. もちろんビール付きでシーフード.
- [Eufrazijeva Bazilika : 時代の積み重ね]
- 半島/旧市街の北側にあるエウフランシウス聖堂は世界遺産の6世紀ローマ時代建築だ.
教会まではタダで入れるが,
その先は扉横にいるおばさんに10Kn払うと扉を開けて中に入れてくれる.
聖堂の下の階は古い石造りの比較的暗いところに, やたら古そうな石像や石版などが並んでおり,
上の階はもう少し明るい雰囲気の, 絵画や家具などが並ぶ.
短期観光客に比べてバカンスの長期滞在者が多いのか,
こういうところは結構空いていて時代を感じさせる展示物を存分に眺められる.
その他塔も小銭を払うと登れるらしいが, そちらはやめておいた.
出てきてみると, 当たり前だがやっぱり夏だ. 再びぐるりと半島を一周したが,
この歴史のある田舎町と長期滞在バカンス客の相乗効果かで,
時間が過ぎるのを感じないようなゆったりとした雰囲気が流れている.
なんだか3時間かそこらで引き返すのが馬鹿馬鹿しくなるくらいだ.
とはいえ帰らない訳にもいかないし, 名残を惜しみつつバス停へ向かう.
- [Poreč → Pazin : すいすい田舎町]
- 帰りのバスは, 行きの交通情報に従って少し余裕を取り, リミット一時間前の便に乗る.
帰りもほぼ満員, ぎっしりだ. ぎりぎりにバスターミナルでチケットを買って乗ったのだが,
これ, 下手すると満員で乗れなかったのかな?
定刻に走り出したバスは案外空いていた道を順調に走り, 定刻通りPazinへ到着.
なにせもしかしたら誰も降りなさそうな途中駅なので, (もちろん車掌が検札で認識しているはずではあるが)下り損ねないように行きに風景を頭に叩き込んできたので問題なく下車.
ここで列車に乗り換える. 結局数人下りたが, だいたい地元の人らしい.
このパジン(Pazin)はイストラ半島のほぼ中心で, イストラ半島南端のPulaから半島を縦断してそのままスロヴェニアのDivačaへと繋がる鉄道路線が走っている小さな町だ.
さすがに手持ちの大縮尺地図では町内の地図など良く分からないし,
ガイドブックにも載っていないから, バスターミナルが駅から離れていて見つからなかったらどうしよう, とかちょっと考えたが, さして遠くもなくすぐ駅入口への標識を発見し,
少し歩いて町外れの一段高い駅へ到着.
- [Pazin → Divača : : まさか通過? ]
- 列車本数も少ない田舎町ということで, 駅はがらんとしており,
駅員室にいるはずの駅員さんは窓口になかなか現れず, しばしうろうろ.
その間確認のため, 窓口脇に張ってあったダイヤ表を見ると…? あれ?
次の乗換予定駅に通過マークが付いているんですけど. そんな馬鹿な.
ちょっと冷や汗をかいていると, 間もなく駅のホーム側の方に人が出て行く音がしたので,
そちらへ回ってようやく地元の人と話していた駅員を捕まえる.
案の定英語もドイツ語も通じなかったので駅名だけ伝えると,
駅員もそのダイヤ表を見てあれ? と思ったのか, 奥から分厚い全線時刻表を引っ張り出して調べてくれ, ちゃんと止まることが分かって一安心, 無事チケットを購入…って, え? 手書きなの?
なんか珍しいチケットを手に入れてしまったのかな?(苦笑)
列車の到着までもう30分くらいあったので駅前にあった小さなローカルのパブでビールを一杯.
当然英語もドイツ語も通じないが, ビールくらいは大丈夫.
なぜかスロヴェニアのLaskoビールだった.
やがてやってきた鉄道はSlovenia国鉄(SZ)の2両編成ローカル線. 緑色の塗装が案外お洒落.
結構混んでいて, ほぼボックス席/クロスシートがそれぞれ埋まる程度.
8月の日曜というのはスロヴェニア人も結構クロアチアに遊びに行くということだろうか.
途中Buzetでパスコントロールがあり, 国境を越える. 今回の旅行では何故か,
どこの国境越えでもまだスタンプを押してくれていなかったので,
ここでは万一のための滞在証明と記念を兼ねてクロアチアの出国スタンプを貰う.
このクロアチアの係官, スタンプ持たないでチェックに来ていたようで,
ちょっと待ってといってパスポートを持って駅の係官部屋まで戻り, 押して来てくれた.
出発して間もなく日没になり, 濃紺になった空の下,
列車は約1時間でスロヴェニアのDivačaに到着.
- [Divača → Sežana : まさか運休!? ]
- ここまで乗ってきた列車はLjubuljana行で, 私の行く方向もLjubljana方面だから行こうと思えばこのままLjubljanaまでいけるのだが,
接続する夜行がLjubljanaに着くのはかなり遅い夜更けになるため,
今回はさっさと列車に乗って眠るためにここは3駅だけ戻ってイタリアとの国境駅のSežanaへ向かうことにしたのだった.
ところがディヴァーチャ(Divača)で列車を下りてその列車と直後にKoperから来たLjubljana行終電を見送り, 待合室に入って壁に貼ってある出発時刻表を眺めると,
乗り換え予定の列車に「土日祝日運休」表記が!
ちょっと待て, この列車はSežana行終電なんだが? ギョッとしてよく見ると,
更に注釈がついており, 『6月19日から8月29日はごにょごにょ(スロヴェニア語)』
…読めないんですけど(汗). おそらく「毎日運転」という意味だがあくまで推測.
なにせ本当に運休だともはやこの田舎駅から動けず,
Ljubljana方面へ通過していく夜行特急列車を指をくわえて見送ることに(汗).
自転車持込可などの注釈はしっかり英語で書いてあるのに, なんで肝心なそういう運休運転日情報はスロヴェニア語しか書いてないのだろうか? 不思議だ.
やっぱりこういう時の確認のためにも, ちゃんとトーマスクックは持ち歩かないといけないね(苦笑).
まあ予定を立てた時に使ったオーストリアのオンライン時刻表が間違えたなんてことは,
イマドキおそらくないだろうし,
待合室が閉められなかったのだからまだもう一本列車があるのは多分間違いないだろうなど,
状況を冷静に考えればそう心配することはないはずだとは思いつつも, 実際に来るまで1時間半,
いや, ドキドキ待ち時間でした(苦笑).
- [Sežana : 旅も終わり]
- 今回の旅行の最後の目的(?)駅, セジャーナ(Sežana)はスロヴェニア-イタリア国境の町.
例によって夜の駅前はもうがら〜んとしていた. ホテルが一軒有り, カジノ付の看板が出ていたが,
表から見えた限りではがらがらだった. 待合室に自販機があり,
グレープフルーツっぽい怪しげな商品のペットボトルが売られていたので,
しっかり持ってきてあった春のスロヴェニア旅行の残りの通貨で購入.
ただなかなか自販機がその通貨を受け付けてくれず, 入れては撥ねられを繰り返しているうち,
この駅からその夜行で乗務するらしい車掌さんが出てきて,
カタコト英語で話しかけてきたところによると, 一杯奢ってくれるらしい.
まあこんなところで乗る日本人なんてまずいないから珍しいと思ったのかもしれないが,
ちょうど寒くなってきたところで暖かい紅茶をカップ一杯いただいてありがとうございました.
ヴェネチアから少し遅れて来た夜行列車は到着後スロヴェニア入国のパスコントロールが異様に時間がかかり, なかなか乗り込めない. 結局40分の停車時間にも関わらず,
発車予定時間すれすれになってようやく合図が出て,
約5人の乗客(意外にいるもんだ)とともに乗り込んだ.
夜行ということで一応座席指定を取っておいたのだが,
よくあるようにそのコンパートメントだけ他にも座席指定が入っていてその客が既に寝ており,
一方周りのコンパートメントは予約無し, ガラガラだった.
あっさりその座席指定料金はどぶに捨てて他所のコンパートメントへ移動,
1人で占拠してさっそく横になり, 帰途についた.
そんなこんなで慌しいクロアチア旅行は,
少々時間を読み違えたりしていくらか悔しい思いもしたが, 確かにきれいなところで感激した.
時間があれば是非また行ってみたい.
Part18-1(Plitvicka jezera)へ
現地の行程
8/21(土) |
Maribor | dep | 03:50 |
SZ-R1605 | --- |
Zidani Most | arr | 05:15 |
dep | 05:56 |
SZ-Z2251 |
Dobova | arr | 06:42 |
dep | 06:53 |
HZ-R7803 |
Zagreb Glavni klod | arr | 07:34 |
Zagreb市内移動 |
Zagreb Busna Zel. | dep | 08:40 |
Croatia Bus | 56.0Kn |
Plitvička jezera | arr | 10:55 |
Plitviĉka jezera散策 |
---|
Plitvička jezera | dep | 15:20 |
Bus | 113.0Kn |
Split | arr | 20:35(35分遅延) |
Split 移動 |
Split | dep | 22:00 |
フェリー Jadrolinija, Dubrovnik号 | 164.0Kn |
8/22(日) |
Rijeka | arr | 7:30 |
朝食,Rijeka散策 |
Rijeka | dep | 12:15 |
Bus Autotrans Rijeka | 55.0Kn |
Poreč | arr | 13:48 |
Poreč散策,昼食 |
Poreč | dep | 17:15 |
Bus Autotrans Rijeka | 23.0Kn |
Pazin | arr | 17:48 |
dep | 19:00 |
HZ/SZ-D1473 | 45.6Kn |
Divača | arr | 20:46 |
dep | 22:16 |
SZ-2628 |
Sežana | arr | 22:26 |
8/23(月) |
dep | 00:10 |
EN240 | --- |
参考
- 全般的な話に関してはPart18-1の注釈も参考にしてください.
- あまり役に立たなかったような気がするが, 地図その他のあるRijekaのサイト.
- Rijeka周辺のバスはAutotrans Rijeka(よく分からないが繋がらない事の方が多い)の営業が多く,
これで調べていくと大抵の便のメドは立つが少々使いづらい.
- HZ/SZ-D1473(Pula-Ljubljana)は夏季のみの運行.
2005年12月のダイヤ改定で夏季毎日(土日のみから)運行のR1473に変更,
1時間ちょっとダイヤが遅くなった.
EN240は2005年12月のダイヤ改定でルートが変わり, Ljubljanaからオーストリアへは行かず,
Zagrebを経由してBudapestへ向かう.
- Rijekaの観光案内所で貰ってきたパンフレットによると, 7月初旬から8月中旬の週末は,
土曜の朝の海行きと日曜の帰りは道路がかなり混むらしい.
自動車, バス利用の際はあまり無理なスケジュールは立てない方がよいかもしれない.
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