ヨーロッパ週末ぷち旅行記 : Part 30-1

スタンプ求めて百里旅、シャーン&ファドゥーツ(リヒテンシュタイン)

2005年6月11日(土)

[最後の…]
オーストリアに来て2年, うろうろ毎月のように旅しているうちに, いつの間にか隣接している国で訪れたことのないのはリヒテンシュタインだけになっていた. となればもうこれは行くしかあるまい. この国のパスコントロールはスイスに準じているが, 国境ではスタンプを貰うことが出来ない. その代わり観光案内所で有料でスタンプを押してもらう. この観光案内所は冬期は土日にクローズしてしまうため, 週末ハイカーの私は当然春になってからの訪問となった.
現在の友人が以前Feldkirchに住んでいたということもあり, 今回の旅はここを拠点にすることは当初から決めていたのだが, 最初考えていたMeienfeld方面は, その後ブレゲンツの森へも行くことを決めてから時間が厳しくなり, この際Vorarlberg州観光に一本化することにした.
夜行列車はまだ6月ということで予約なし. Feldkirchはややホテル数が少なく, しかも中心街, 旧市街, 新市街がそれぞればらけていて, 現地探しが面倒そうだったので, 出発直前にHotel Reservation Systemを利用して予約.

オーストリア全体地図
周辺マップ

[そのまま利用の…]
Feldkirchで夜行列車を降り, リヒテンシュタインへ向かう接続列車を45分ほど待つ. Liechtensteinへのアクセスは大抵…というか観光客はほぼ間違いなくバスを利用するのだが, ここはやはりひねくれて鉄道を使う(笑). もっとも首都Vaduzを列車は通らないため, その北のSchaanまでだが. さて, たった今抜けてきたSchattenburgのお城を見ながらちょっと駅周辺をうろうろし, 戻ってきた駅のホームで見た列車は, 今まで乗って来た列車…. この夜行列車は一部車両がFeldkirch止まりなのだが, その切り離し客車2両をそのまま使ってLiechtensteinを通りスイスのBuchsへ向かう各駅停車へ利用するらしい. 豪華なR-Zugだ(笑). …っとその前に, Vorarlberg州の公共交通機関一日乗り放題チケットを自販機で購入. これでLiechtenstein内のバスも乗れてしまう.
Feldkirchを出た列車は町の中心にでんと存在する丘を3/4周し, 南西側から国境を越えてLiechtensteinへと入る. 国境の両側の駅ではパスコントロールは来ず, 何故か一つ先のSchaanwaldで来た. 意味あるのかこのパスコントロールは…? 南側に山並を見ながら少し草原を走るとやがてHilti本社の工場地帯に入り, そのままSchaanの町へと繋がり, 間もなくSchaan-Vaduz駅へ到着. 下りたのは2人だった.
[Schaan]
Schaan(シャーン)のお目当てその1はLiechtensteinで一番大きい教会の塔. 首都Vaduzの教会よりこちらの方が大きいのだ. ちょっと鋭角目の塔がすっきり建っている. …って, それだけの話だが, もっとも場所的にVaduzよりこの辺りの方がバックにKuhgratからのびる岩壁が聳えるため, 塔が映えていいかもしれない. …そういう問題かどうかは分からないが.
その2は列車の撮影. 市街を少し歩き, そのまま線路沿いへ戻る. ここから約1km西をライン川が南北に流れており, そこがスイスとの国境だが, その間の畑地帯でスイスの山をバックに走る列車を撮影しようという魂胆な訳だ. 地図を見ながら車道から線路際に出る畑の中の小道へ入っていくと農家があり, おじさんがその場で販売するらしい鉢植えや花などの朝の準備中であった. ちょうど目が合ってしまって挨拶する. いやあの, でも買いに来たのではないんです, ごめんなさい. こんなところ入ってくるのは買い物客以外いないと思うけど….
[最大目的はハンコ : Vaduz]
朝のローカル列車2本を撮影するとSchaanの市街へ戻り, そこでVaduz方面Sargans行のバスを捕まえる. 結構頻繁に走っており, それなりに使われてもいるようだ. ってこのバスは町バスかいな. みんな後ろから勝手に乗って勝手に降りていくだけ. 単一料金区間内の都市バスはこういうのが多いが, このバスは何区間か走るよな…. アナウンスも何もなく, バス停の数を数えて降車ボタンを押しVaduzの中心で下りる. …私が押すまでもなくほとんど全員降りた(苦笑).
さて, Vaduz(ファドゥーツ)はリヒテンシュタインの首都である. とはいえもともと国の人口が30000人かそこらであり, そのうちVaduzは約5000人だ. 当然こじんまりとした街. まだ朝ということで店も半分くらい開き始めたところで, カフェのテラスもガラガラだ. まずとにもかくにも入国スタンプ! いきなり出っくわしてしまった日本人団体とすれ違いながら, バス道路から一本裏のメインストリートへ入り, Informationへ向かうと? "Closed". …あれ…? よく見ると下に但し書きがあり, 「スタンプはバスターミナル脇のwelcome Deskでどうぞ」 先のバス停の周りにそんなのあったかな? と思いながら戻るが, やはりない. 道路脇の地図を良く眺めると…, ああ, バス停でなくて, 団体客用のバスプールね. 再びメインストリートに戻り, しばらく歩くとあったあった, 団体バスが止まっている. で, Deskって? 周りの建物をとりあえずぐるっと見渡すが, それらしきものは無し. 変だなあと思いつつ, バス停の隅にある, 市内観光一周ツアーの受付カウンターを覗くと, あ, 脇にスタンプこちらって書いてあった. ほっ. 無事スタンプゲット! もうそのために春まで待って来たのだから, 手に入らなかったら何しに来たのか分からない(苦笑).
Vaduz Staedtle
[まだ住んでいます : Schloss Vaduz]
このVaduzは街の東側が斜面になっており, その上に侯爵の住むVaduz城が立っている. ここは中の観光は出来ないが, 下から良く見えるということはそれなりに眺めがいいはずなので, 次はここまで上る. 自動車道は大回りして上っていくが, 歩行者は林の中をショートカット. ちらちらと歩いている人がいる. 犬の散歩とか, 近所のおばちゃんみたいな人とか…. で, 上がってみると, …裏側工事中やん! まあいいけど…. ここまで上がると両側を木々に囲まれたラインの流れも望め, その向こう側はスイスだ. 今回は入らないけれど.
Aussicht von Schl. Vaduz
[マラソン大会 : Vaduz]
今日はなにやらマラソン大会らしいということは, 事前に情報で知っていたのだが, 実はトライアスロン並にアップダウンがあり, 丁度私が城から下りてきたのと入れ違いで, このリヒテンシュタイン城へ上る坂道も駆け上がっていく人々が. おおご苦労さん. マラソン大会といっても別に市民マラソンで, 参加者の大方はのんびりマイペースだ. 沿道も知り合いが多いらしく, あちこちで声をかけあう姿も. とりあえずお愛想で私も沿道でちょっと拍手などしてみる. 参加者は3桁の範囲内のようだが, もう後半らしくかなりばらけて, だらだらと人々が走り抜けていった.
[開いてない… : 切手博物館]
さて, 10時になったので土曜も開く, Informationの上の階の切手博物館へ向かう. 何を隠そう, 私も小学生時代はちょろちょろ切手を集めていたのだ. Informationの建物へたどり着くと, ちょうど警備員のおじさんが玄関の扉を開けたところで, その脇を抜けてすたすたと2階(現地では1階表示)へ上がる. がらんとした切手博物館の扉を開け…られないじゃん! 中は係員もおらず, ガラス戸越しに中を眺めることしか出来ない…. 階段脇の便所を借りたりしてしばし時間を潰してみたが, 誰も現れる気配もなく, 結局中には入れずじまい. 何てこった…. まあ小さい博物館で入口からほとんど全部見渡せるので, それでも中はだいたい見えたとは思うのだが….
諦めて残り時間は少し土産物屋を覗く. 余裕でユーロ払い可だった. スイス同様時計など精密機械が有名だが, さすがに高級時計を買う金などないので, そちらはパスしてその次のバスでSchaanへ向かい, 帰りはバスへ乗り換えて再びFeldkirchへと戻った. こちらの国境は運転手さんと係官が目配せしただけで終わり, パスコントロール無しだった. 緩いなあ.

その2 : フォーアールベルクへ


現地の行程

6/11 Feldkirch dep 07:14 R5706 --
Schaan-Vaduz arr 07:33
Schaan中心街&周辺散策
Schaan Zentrum dep 08:30 LBA Bus 3 12.5Euro
(Vorarlberg一日券)
Vaduz Post arr 08:39
Vaduz散策
Vaduz Gh.Adler dep 10:40 LBA Bus 3 (12.5Euro)
Schaan Post arr 10:49
dep 10:50 LBA Bus 70
Feldkirch Landesgericht arr 11:18

参考


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