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長距離カー・フェリー(1978-1987)

1978年から1987年までの日本の長距離カー・フェリー(long haul car ferry)の10年間の歴史です。一部、 外航フェリーなど、長距離フェリーではないものが含まれることがあります。

1978年

1月 阪九フェリー 泉大津―小倉航路 (458km)開設。
第二十四阪九
第三十二阪九

3月 フジフェリー しま丸を関西汽船に傭船、い せ丸の1隻体制に。

関西汽船 阪神―奄美―沖縄航路 (1,263km)カー・フェリー化、フジフェリーのしま丸であったフェリーくろしおが就航。若潮丸は 79年にクルーズ船に改造されてさんふらわあ7に改名。

4月 日本高速フェリー 名古屋―高知―鹿児島航 路を休止し、さんふらわあ5を係船。

7月 関西汽船 来島どっくが筆頭株主となり、経 営再建へ。

9月 日本カーフェリー さいとばるが来島海峡で 韓国タンカーと衝突、沈没。

10月 琉球海運 鹿児島―沖縄―宮古―石垣航路 に新船投入。
ぷりんせすおきなわ(4,932gt, 130.29m、2001年インドネシアに売却、Ganda Dewata, PT Pelni)

11月 フジフェリー いせ丸を日本カーフェリー に売却し、大洋フェリーからおりおんを傭船。

日本カーフェリー 神戸―日向航路にフジフェリー のいせ丸であったみやさきが就航。

12月 有村産業 飛龍による香港クルーズを実 施。

第二次石油危機(オイルショック) イラン革命の 勃発によりイランでの石油生産が中断したことに始まる原油価格の高騰、世界同時不況。 本格化するのは1979年で、1983年頃まで続いた。

1979年

2月 阪九フェリー 神戸―苅田航路休止。

3月 日本高速フェリー 名古屋―高知―鹿児島航 路廃止。

5月 新日本海フェリー 小樽―敦賀航路に新船就 航。フェリーライラック係船。
ニューすずらん(16,239gt, 191.8m、幸陽船渠建造、81年改造してトラックの積載数増加、96年ギリシャに売却、Kriti I, Anek Lines)

7月 奄美海運 大島運輸が奄美海運(子会社)を 設立し、鹿児島―喜界島―奄美―徳之島―沖永良部島(660km)航路をカー・フェリー化。
フェリーきかい(2,824gt, 107.62m、福岡造船建造、97年フィリピンに売却、Our Lady of Good Voyage, Cebu Ferries)

新日本海フェリー 小樽―敦賀航路に第2船就航。
ニューゆうかり(16,250gt, 191.8m、幸陽船渠建造、81年改造してトラックの積載数増加、96年ギリシャに売却、Kriti II, Anek Lines)

8月 日本高速フェリー 大阪―志布志―鹿児島航 路にさんふらわあ5を投入。さんふらわあ11と共にデイリー運航開始。

11月 フジフェリー 東京―松阪航路を九州急行 フェリーに営業譲渡して解散。

九州急行フェリー 東京―苅田航路で松阪寄港開 始、ぺがさすが就航。

1980年

1月 大洋フェリー さんふらわあが来島海峡でパ ナマ船籍の貨物船を追い越そうとして衝突。

2月 新日本海フェリー フェリーしらゆりを新潟 ―小樽航路に転配。

3月 日本カーフェリー 大阪―志布志航路 (580km)開設、新船就航。
おおすみ(9,237gt, 159.56m、幸陽船渠建造、82年神戸―日向航路、86年韓国に売却、Olympia 88, Kuk Gae Ferry)

4月 太平洋沿海フェリー 名古屋―勝浦―大分航 路を休止、あるごうを係船。

5月 大島運輸 東京―奄美―沖縄航路に新船就 航。
波之上丸(4,886gt, 140.5m、福岡造船建造、86年7月鹿児島―那覇(沖縄)航路、96年フィリピンに売却、Wilines Mabuhay 2, ?)

11月 太平洋沿海フェリー あるごうを関西汽船 に売却、フェリーこがね丸に改名。

関西汽船 阪神―別府航路にフェリーこがね丸就 航。

フェリーこがね丸とあいぼり丸が来島海峡で衝突、2人怪我。

12月 大洋フェリー 係船中のおりおんを関西汽 船に売却しフェリーにしき丸に改名。

関西汽船 阪神―別府航路にフェリーにしき丸就 航、毎日1便体制。

1981年

3月 九州急行フェリー 東京―松阪―苅田航路の 松阪寄港を中止。

4月 太平洋沿海フェリー 名古屋―勝浦―大分航 路廃止。

琉球海運 鹿児島―那覇(沖縄)―宮古―石垣航路 に第2船就航。
さんしゃいんおきなわ(4,564gt, 130.3m、山西造船鉄工所建造、82年東京―那覇(沖縄)航路、88年大阪―那覇(沖縄)航路、93年博多―那覇(沖縄)航路、96年韓国に売却、Semo Express Ferry, Semo Marine)

有村産業 大阪―那覇(沖縄)航路の飛龍の代替船 就航、飛龍は係船。
飛龍2(5,810gt, 146.0m、三菱重工下関造船所建造、96年韓国に売却、Tian In No.2, ?)

三宝海運 松山―今治―神戸航路に新船就航(注、 長距離フェリーではない)。豪華フェリー。
ほわいとさんぽう2(10,182gt, 155.6m、林兼造船下関造船所建造、2000年フィリピンに売却)

7月 大島運輸 神戸―奄美―徳之島―沖永良部― 与論―沖縄航路に新船就航。
あかつき(4,997gt, 140.5m、東和造船建造、92年フィリピンに売却、Maynilad, William Line)

1982年

1月 日本カーフェリー 広島―日向航路廃止。

3月 広島グリーンフェリー 大阪―広島航路廃止 して解散。使用船を来島興産に売却、グリーンエースはおくどうご6、グリーンアーチはおくどうご8に改名。

山陽自動車道(神戸―下関、446.7km)が一部開通。全線開通は2001年。

4月 ダイヤモンドフェリー 神戸―松山―大分航 路におくどうご6、おくどうご8就航、フェリールビーは海外売却。

6月 太平洋沿海フェリー 新規に設立(4月)さ れた太平洋フェリーに営業譲渡。

11月 関西汽船 神戸―日向航路廃止。

日本カーフェリー 大阪―志布志航路廃止し、おお すみは神戸―日向航路に転配。

照国郵船 鹿児島―奄美―徳之島―沖永良部島―与 論島―那覇(沖縄)航路に貨物積載能力を重視した新船就航。クイーンコーラールは係 船。
ニュー・クイーンコーラル(4,995gt, 137.5m、山西造船鉄工所建造、90年マリックスラインに商号変更、94年フィリピンに売却、Princess of the Pacific, Sulpicio Lines)

12月 ダイヤモンドフェリー 神戸―松山―大分 航路のおくどうご、おくどうご2は係船。

室戸汽船 神戸―甲浦航路を足摺まで延航。にちな ん丸を来島興産より傭船、フェリーむろと(I)に改名。

1983年

3月 阪九フェリー 第十六阪九を釜関フェリー (韓国)に売却し、フェリー釜関(I)に改名。

4月 運輸省の通達により貨物フェリー航路の新規開設が不可となる。

6月 照国郵船 クイーンコーラル2を来島興産に 売却、関西汽船が傭船し、くいーんふらわあ2に改名して阪神―別府航路に投入。

8月 九州急行フェリー 東京―苅田航路を追浜― 苅田航路に航路変更、自動車航送貨物定期航路事業に変更。貨物フェリーの日産みやこ丸就航。
日産みやこ丸(6,531gt, 130.0m、内海造船瀬戸田工場建造、83年みやこ丸に改名、97年パナマに売却、Neptune Plues, ?)

10月 阪九フェリー 泉大津―小倉航路に新船就 航。
ニューやまと(11,919gt, 173.0m、神田造船所建造、91年1月泉大津―新門司航路(小倉から新門司にターミナル変更)、96年フィリピンに売却、Princess of the Universe, Sulpicio Lines)

阪九フェリー 第三十二阪九を泉大津―小倉航路か ら神戸―小倉航路に転配。

11月 関西汽船 ゆふ丸を予備船とする。

1984年

1月 阪九フェリー 泉大津―小倉航路に新船就 航。
ニューみやこ(11,914gt, 173.0m、神田造船所建造、91年1月泉大津―新門司航路(小倉から新門司にターミナル変更)、97年フィリピンに売却、Super Ferry 12, WG&A)

阪九フェリー 第二十四阪九を泉大津―小倉航路よ り神戸―小倉航路に転配。

7月 新日本海フェリー 小樽―舞鶴航路に新船就 航、フェリーはまなすを新潟―小樽航路に転配し、フェリーすずらんを係船。
フェリーらいらっく(18,268gt, 192.91m、石川島播磨重工相生工場建造、90年客室増設(19,105gt)、2004年フィリピンに売却、Princess of the Star, Sulpicio Lines)

8月 阪九フェリー 第十七阪九を関釜フェリーに 売却してフェリー関釜(III)。フェリー関釜(II)を買戻して予備船、希望丸にする。

11月 東日本フェリー 新東日本フェリーを吸収 合併。

名門大洋フェリー 大洋フェリーと名門カーフェ リーが名門大洋フェリー商標を用いて運航を一元化、新門司―大阪航路に集約して、大阪― 苅田航路を廃止。

12月 大洋フェリー さんふらわあ、さんふらわ あ2を関西汽船に移籍(交換)。

関西汽船 フェリーこがね丸、フェリーにしき丸を 大洋フェリーに移籍(交換)、フェリーこがね丸はぺがさす、フェリーにしき丸はおりお んに改名して元の船名に戻る。

名門大洋フェリー 名門カーフェリーのフェリーは こざき、フェリーすみよしと、大洋フェリーのおりおん、ぺがさすにより、新門司―大阪 航路は1日2便体制。

1985年

1月 太平洋フェリー だいせつを東日本フェリー に売却、ばるな(I)に改名。

3月 日本沿海フェリー 苫小牧―大洗航路 (758km)開設。
さっぽろ丸

東日本フェリー 室蘭―大洗航路(740km)開 設。仙台―苫小牧航路のびるごが予備船となる。とまらん(=苫小牧・室蘭)戦争。
ばるな(I)

国際科学技術博覧会が筑波で開催(85年3月17日から9月16日まで)。

6月 有村産業 係船中の飛龍を海外売却。中日国 際輪渡有限公司(中国)の鑒真(Jian Zhen)に改名。

7月 中日国際輪渡有限公司(中国) 神戸―上海 航路(1,550km)開設。
鑒真(Jian Zhen)

9月 プラザ合意 9月22日米国ニューヨークの プラザホテルで、為替レート安定化に関する合意がG5により発表。円高ドル安に誘導するもので、これに対し日本が、円高不況を回 避すべく低金利政策を採用したことから、不動産や株式に対する投資が促進され、バブル景気につながった。

1986年

3月 名門大洋フェリー 大洋フェリーと名門カー フェリーが対等合併。

日本カー・フェリー おおすみを海外売却。

4月 有村産業 那覇―宮古―石垣―台湾航路に新 船就航、玉龍は係船。
飛龍3(4,994gt, 120.6m、福岡造船建造、97年韓国に売却、Semo Express Ferry No.2, Semo Marine)

6月 日本高速フェリー 大阪―志布志―鹿児島航 路で鹿児島寄港を多客時のみに変更。

7月 大島運輸 東京―奄美―沖縄航路に新船就 航。
ありあけ(I)(4,997gt, 147.5m、臼杵鉄工所佐伯工場建造、87年5月より志布志寄港、90年改造(6,530gt)、2003年フィリピンに売却、Super Ferry 9, WG&A)

ダイヤモンドフェリー おくどうご3が来島海峡で 小型タンカ-と衝突。

10月 照国郵船 鹿児島―奄美―徳之島―沖永良 部島―与論島―那覇(沖縄)航路に新船就航、クイーンコーラルは係船。
クイーンコーラル7(4,973gt, 140.0m、林兼造船下関造船所建造、90年4月マリックスラインに商号変更、2000年中国に売却)

ダイヤモンドフェリー 神戸―今治―松山―大分航 路に新船就航、フェリーパールは係船。
クイーンダイヤモンド(9,023gt, 150.87m、来島どっく大西工場建造、2003年韓国に売却、New World Express Ferry, Sea World Express Ferry)

11月 ダイヤモンドフェリー 神戸―今治―松山 ―大分航路に新船就航、フェリーゴールドは係船。
フェリーダイヤモンド(9,023gt, 150.87m、来島どっく大西工場建造、2007年パナマに売却、China Diamond, ?)

12月 バブル景気始まる。1986年12月から1991年2月までの間の不動産や株式などの資産価格の高騰と好景気。1989年12月29日株価は史上最高値を記録する。

1987年

3月 新日本海フェリー 小樽―新潟航路に新船就 航し、フェリーはまなす係船。
ニューはまなす(17,261gt, 184.5m、石川島播磨重工相生工場建造、90年客室増設(17,311gt)、2002年パナマに売却、ゆうとぴあに改名、オリエントフェリーの下で下関―青島航路に 就航、2016年以降係船、2017年6月、OPIAに改名し、インドで解体)

4月 新日本海フェリー 小樽―新潟航路に新船就 航し、フェリーしらゆり係船。
ニューしらゆり(17,261gt, 184.5m、石川島播磨重工相生工場建造、90年客室増設(17,309gt)、2005年パナマに売却、ゆうとぴあ2に改名、上海下関フェリーの下で下関―上海航路に 就航、2007年8月旅客の扱い開始、2009年10月係船、2016年6月、TOPに改名し、インドで解体)

関西汽船 来島どっくが経営から撤退表明。

5月 大島運輸 東京―奄美―那覇(沖縄)航路で 志布志寄港を開始。

奄美海運 大島運輸よりエメラルドあまみを傭船し て、フェリーあまみ(I)に改名。

6月 日本沿海フェリー 苫小牧―大洗航路に新船 就航、さっぽろ丸を苫小牧―東京航路に転配し、えりも丸は係船。
おおあらい丸(15,139gt, 178.0m、林兼造船下関造船所建造、90年さんふらわあ おおあらいに改名、2002年パナマに売却、Ferry Cosmo 3、2004年シャトルハイウェイラインが購入、しゃとる おおいたに改名、大分―久里浜航路、2007年9月係船)

7月 室戸汽船 神戸―甲浦―足摺航路に新船就 航。船舶整備公団(鉄道建設・運輸施設整備事業団)との初の共有長距離フェリー。
フェリーむろと(III)(6,472gt, 132.92m、来島どっく大西工場建造、98年4月高知シーラインに移籍、99年7月甲浦で座礁、99年12月運航再開、2001年12月運休、2002年パナマに売 却)

東日本フェリー 室蘭―大洗航路に新船就航、ばる な(I)は係船され、10月に海外売却。
ばるな(II)(16,725gt, 187.13m、三菱重工下関造船所建造、89年苫小牧―仙台航路、99年ギリシャに売却、Superferry Hellas, Strintzis Lines)

10月 太平洋フェリー 苫小牧―仙台―名古屋航 路に新船就航、あるかすは係船。クルーズ・フェリー第1船。
きそ(I)(13,730gt, 192.5m、三菱重工下関造船所建造、2005年ギリシャに売却、Ocean Trailer, Hellenic Seaways)

Information

「世界の艦船」のバックナンバー等の情報を基にして作成しました。