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長距離カー・フェリー(2008-2017)

2008年から2017年までの日本の長距離カー・フェリー(long haul car ferry)の10年間の歴史です(製作 中)。一部、外航フェリーなど、長距離フェリーではないものが含まれることがあります。

2008年

1月 東日本海フェリー ハートランドフェリーに 商号変更。

ダイヤモンドフェリーと関西汽船 フェリー3隻づ つの6隻6便体制の共同運航に移行。

ダイヤモンドフェリー 神戸―大分航路に新船就 航。スターダイヤモンドの代船。
さんふらわあぱーる(11,177gt, 165.5m、三菱重工下関造船所建造)

5月 東日本フェリー 函館―青森航路に高速船就 航、波浪貫通型双胴船の第2船(注、長距離フェリーではない)。
ナッチャンWorld(10,712gt, 112.6m、Incat建造、2008年11月係船、2016年3月高速マリン・トランスポート(株)に売却)

有村産業 会社更生計画変更は不許可。5月22日 より海龍、5月28日よりクルーズフェリー飛龍が運休。

6月 C&Cruise(韓国) 門司― 釜山航路(228km)開設。愛称は「Moji Line」。車輌は当面扱わないものとされた。
KC Bridge(旧おおすみ)

有村産業 6月5日よりクルーズフェリー飛龍21 が運休。名古屋―大阪―那覇―宮古島―石垣島―台湾航路を休止。破産手続開始へ (2010年12月17日清算結了)。

東日本フェリー 金沢―釜山航路を開設。韓国のパ ンスター・ライン・ドット・コムの協力を得て、6月16日より運航。
パンスターハニー(旧ほるす)

7月 マルエーフェリー 鹿児島―奄美諸島―那覇 (沖縄)航路に新船就航。フェリーあかつき(旧ニューあかつき)の代船。シップ・オブ・ザ・イヤー08(日本船舶海洋工学会)を 受賞。
フェリーあけぼの(8,083gt, 145m、三菱重工下関造船所建造)

8月 C&Cruise(韓国) 門司― 釜山航路運休、2009年8月までに廃業。

9月 リーマン・ショック 9月15日米国の投資 銀行Lehman Brothersが破綻し、世界同時不況が始まる。

オーシャン東九フェリー おーしゃんいーすとが沿 岸区域外を航行しているのを巡視船(やしま)が発見。燃料を節約するために、長年に亘 り会社ぐるみで区域外航行を行っていたことが明らかとなり、11月海務部長を逮捕。

10月 オーシャン東九フェリー 王子海運と新設 合併して、オーシャントランス(株)が設立。「オーシャン東九フェリー」は、その後も商標として使用。

東日本フェリー 金沢―釜山航路を廃止。

11月 東日本フェリー 函館―青森航路の高速船 の運航を休止、係船。国内フェリー事業から撤退。室蘭―青森航路廃止、道南自動車フェリーが在来船を使用して、函館―青森航路、函 館―大間航路を暫定運航(1年間とされた)。

12月 マリックスライン 鹿児島―奄美諸島―那 覇(沖縄)航路に新船就航。クィーンコーラル(II)の代船。
クィーンコーラルプラス(5,910gt, 143.30m、神田造船所建造)

2009年

3月 道南自動車フェリー 「津軽海峡フェリー」 の商標を使用。グループを統括するブルーオーシャン(株)が設立。

関西汽船 商船三井によるTOB(株式公開買付) の実施を発表。関西汽船は同意。

自由民主党麻生内閣 3月29日より「生活対策」 の一環として、土日祝日限定で、ETC搭載車の高速道路料金1000円乗り放題を開 始。リーマン・ショック(2008年9月)後の経済活性化対策。実施期間は2年間とされた。野党(当時)の民主党の「高速道路無料化」政策を先取りしたもの。主として瀬戸 内海航路が影響を受け、竹原波方間自動車航送船組合(中・四国フェリー)(2009年4月)、呉・松山 フェリー(2009年6月)は廃業、津国汽船(2012年5月自己破産申請)、四国フェリー、国道フェリー(宇高国道フェリー) (2012年10月運休)、明石淡路フェリー(たこフェリー)(2010年11月運休、2012年会社清算)も減便を余儀なくされた。

4月 パンスターライン(韓国) 東日本フェリー にパンスターサニー(旧さんふらわあみと)を返船。

関西汽船 商船三井によるTOBが成立、同社の連 結子会社となる。

6月 関西汽船とダイヤモンドフェリー 寄港便の 今治、神戸寄港を取り止め、西大分―松山―大阪航路となる。

北東アジアフェリー トロイツァ―新潟―束草航路 開設。しかし第2便以降運休、航路廃止。
Queen Qingdao(旧ニューおりおん)

DBS Cruise Ferry(韓国) 東海 ―境港―ウラジオストク航路開設。大亜高速海運(Dae-A Express Shipping)(ソウル)の子会社。
Eastern Dream(旧クィーンコーラル(II))

7月 阪九フェリー 高速道路料金1000円乗り 放題に対抗して、「週末・祝日割引」を神戸―新門司航路、泉大津―新門司航路で実施。11月まで。

名門大洋フェリー 高速道路料金1000円乗り放 題に対抗して、「フェリーで楽らく週末エコ旅キャンペーン割引」を実施。11月まで。

津軽海峡フェリー 高速船のナッチャンWorld を7月18日から9月30日まで青森―函館航路で季節運航。以後、2012年まで同様 の季節運航。

9月 関西汽船 上場廃止、商船三井の完全子会社 となる。

10月 上海下関フェリー ゆうとぴあ2(旧 ニューしらゆり)を係船して、使用船をゆうとぴあ4に変更。旅客の扱いを止める。
ゆうとぴあ4(旧ニューあかつき)

阪九フェリー 景気の低迷と高速道路通行料の値引 きによる利用者減少に対処すべく、ニューながととニューあかしを係船。1日1往復に減 便。

フェリーさんふらわあ 商船三井が共同持株会社で あるフェリーさんふらわあを設立、関西汽船とダイヤモンドフェリーは、フェリーさんふ らわあの完全子会社となる。

11月 道南自動車フェリー 東日本フェリーと東 日本マネージメントを吸収合併し、津軽海峡フェリーに商号変更。

マルエーフェリー 東京―志布志―奄美―那覇(沖 縄)航路のありあけ(II)が三重県熊野沖で座礁。全損(現場で解体)。東京航路運休。

12月 商船三井 環境負荷低減型フェリー、ISHIN-II構想発表。

FESCO(ロシア) ウラジオストク―伏木航路運休。使用船Russは売却。

2010年

1月 マルエーフェリー クルーズフェリー飛龍 21を購入。座礁したありあけ(II)の代船。

2月 関西汽船とダイヤモンドフェリー 西大分ー 松山―大阪航路と別府―大阪航路は、別府―松山―大阪航路に集約される。別府―松山―大阪航路の別府行きで松山寄港を取り止め る。関西汽船とダイヤモンドフェリーとの共同運航の寄港便を廃止。さんふらわあにしきとさんふらわあこがねは海外売却。

3月 マルエーフェリー 東京―志布志―奄美―那 覇(沖縄)航路にクルーズフェリー飛龍21が就航。東京航路再開。

5月 ソージンフェリー(Seojin Ferry)(韓国)  門司―釜山航路を再開。後にグランドフェリーに商号変更。
セコマル(Secomaru)(旧パシフィックエキスプレス)

6月 「2010年度高速道路無料化社会実験」が始まる(6月28日0時より)。予算1000億円。

8月 東春航運(Dong Chun Ferry)(韓国)  ウラジオストク―伏木―束草―ザルビノ航路再開。
New Dong Chun

12月 グランドフェリー(Grand Ferry)(韓国)  利用者低迷により、門司―釜山航路運休。

2011年

1月 光陽フェリー(Gwangyang Ferry)(韓国)  下関―光陽航路開設。
Gwangyang Beech(旧スターダイヤモンド)

3月 太平洋フェリー 名古屋―仙台―苫小牧航路 に新船就航。クルーズ・フェリー。いしかり(II)は海外売却。
いしかり(III) (15,762gt, 199.9m、三菱重工長崎造船所建造、東日本大震災により、正式就航が遅れる。)

商船三井フェリー 東日本大震災により大洗港が被 災したため、大洗―苫小牧航路は発着地を東京に変更して、貨物のみの扱いとなった。6 月通常運航に戻る。但し東日本大震災における福島第一原子力発電所爆発事故により、同原発から半径20km圏内の「警戒区域(立入制限海 域)」を迂回することを余儀なくされた。実際には半径30km圏内の「緊急時避難準備区域」よりも離れて航行。

生活保護受給者が3月末で202万2333人を記録。1952年以来59年ぶりに200万人を突破。

4月 関西汽船 大阪―松山―別府航路で、大阪行 きの松山寄港を取り止める。

6月 東日本大震災の復旧・復興資金を捻出するため、「2011年度高速道路無料化社会実験」が一時凍結(6月20日0時)。

10月 関西汽船とダイヤモンドフェリー フェ リーさんふらわあと合併して、解散。

2012年

1月 光陽フェリー(Gwangyang Ferry)(韓国)  下関―光陽航路運休。

2月 HTBクルーズ 長崎―上海航路開設。 H.I.S.の子会社となったハウステンボスによる主として中国人を対象にするカジノ船。「ロー・コスト・エンターテインメント・ シップ」と称した。5月改装工事のため運休。7月25日運航再開。公海上でカジノ営業開始。
Ocean Rose(旧フェリーらべんだあ)

4月 新日本海フェリー 「電子乗船券システム」 を導入。

6月 新日本海フェリー 苫小牧―敦賀航路に新船 就航。すずらん(I)は係船。
すずらん(II) (17,382gt, 224.5m、三菱重工長崎造船所建造)

7月 新日本海フェリー 苫小牧―敦賀航路に新船 就航。すいせん(I)は係船。
すいせん(II) (17,382gt, 224.5m、三菱重工長崎造船所建造)

チャイナエクスプレスライン 神戸―天津航路を休 止、燕京は係船。

9月 マルエーフェリー 鹿児島―奄美諸島―那覇 (沖縄)航路に新船就航。「三菱空気潤滑システム(MALS: Mitsubishi Air Lubrication System)」を初めて採用したカー・フェリー。フェリーなみのうえは係船。
フェリー波之上 (8,072gt, 145m、三菱重工下関造船所建造)

10月 HTBクルーズ 尖閣諸島の領有権を巡る 争いから日中関係が悪化し、中国人客にキャンセルが大量に出たため、10月10日到着便をもって運休。のち無期運休。

12月 新日本海フェリー 北朝鮮のミサイル発射 に備えた自衛隊の地対空誘導弾(PAC3)の石垣島配備に際し、すずらん(I)が防衛省によりチャーターされ、輸送艦「おおすみ」 と共に自衛隊車輌等を輸送。

2013年

1月 名門大洋フェリー フェリーふくおか2が、 来島海峡でモンゴル船籍の貨物船Ryofuと接触、怪我人はなし。

2月 HTBクルーズ Ocean Rose(旧フェリーらべんだあ)をシンガポールのOceanic Groupに傭船(2013年2月1日から2016年1月31日まで)。クルーズ船に改造して、Oceanic Grandに改名。

5月 チャイナエクスプレスライン 神戸地裁から 破産手続の開始決定。負債総額3億7500万円。

7月 テクノ・シーウェーズ 7月10日、東京地 裁から破産手続きの開始決定。負債増額は、約121億1629万円。

10月 阪九フェリー、名門大洋フェリー、オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー)が、2015年以降に合計8隻の新船を建造することを発表。

2014年

2月 自民党安倍内閣 高速道路料金の徴収期間を 2050年から最大2065年にまで延長する法案を閣議決定。

新日本海フェリー 「あかしあ」で「三菱空気潤滑 システム(MALS: Mitsubishi Air Lubrication System)」を装着実験。

3月 防衛省 2015年度より民間の高速船2隻 (はくおう(旧すずらん)とナッチャンWorld)を自衛隊輸送に活用する方針を決定。輸送船への投資額を抑制するため、PFI (Private Finance Initiative)を活用したもの。

6月 名門大洋フェリー フェリーふくおか2とフェリーきょうと2に電気自動車(EV)用の普通充電設備を導入。

太平洋フェリー 「きそ」で、ソフトバンクモバイルと衛星回線を使用した公衆無線LANサービスを試験的に開始。

宮崎カーフェリー 「おおさかエキスプレス」を「こうべエキスプレス」に船名変更。

7月 阪九フェリー 「やまと」「つくし」で、フルノシステムズ他2社の協力により、本格的な船舶Wi-Fiサービスを導入。

オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー) 徳島から東京に向っていた「おーしゃんいーすと」が座礁・浸水。怪我人なし。

9月 経済産業省 ジャパンOTCエクスチェンジが運営する日本最初の液化天然ガス(LNG)取引市場を認可。

10月 宮崎カーフェリー 宮崎―大阪航路を、宮崎―神戸(神戸三宮フェリーターミナル)に変更。

2015年

1月 阪九フェリー 新門司―泉大津航路に新船就航。
いずみ(15,897gt, 195m、三菱重工下関造船所建造)

3月 フェリーさんふらわあ 別府―大阪航路と大分―神戸航路の就航船の全客室でWi-Fiの利用が可能に。

4月 太平洋フェリー 「いしかり」「きたかみ」でもWi-Fiの利用が可能に。

阪九フェリー 新門司―泉大津航路に新船就航。
ひびき(15,897gt, 195m、三菱重工下関造船所建造)

7月 商船三井フェリー 7月31日、大洗から苫小牧に向かっていた「さんふらわあ だいせつ」で船火事。乗員乗客94人のうち、二等航海士1人死亡。

9月 名門大洋フェリー 新門司―大阪南港航路に新船就航。「フェリーおおさか」の代船。
フェリーおおさかII(14,920gt, 183m、三菱重工下関造船所建造)

ハートランドフェリー 稚内―コルサコフ航路休止。

10月 防衛省 演習「鎮西27」で高速船「ナッチャンWorld」を使用して、釧路から沖永良部島へ戦車等を輸送。

11月 新日本海フェリー 敦賀から苫小牧に向かっていた「すいせん」が函館沖で漁船と衝突。けが人なし。

名門大洋フェリー 新門司―大阪南港航路に新船就航。「フェリーきたきゅうしゅう」の代船。
フェリーきたきゅうしゅうII(15,000gt, 183m、三菱重工下関造船所建造)

12月 オリエントフェリー 下関―青島航路休止。

2016年

1月 オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー) 新門司―徳島―東京航路に新船就航。
フェリーびざん(12,641gt, 191m、佐伯重工建造)

2月 特別目的会社(SPC)の高速マリン・トランスポート設立。「はくおう」「ナッチャンWorld」が同社に移籍。防衛省に2016年3月から2025年12月末まで傭船。

「平成27年国勢調査」による2015年10月1日現在の日本総人口は1臆2711万人で、国勢調査で初の人口減少。

4月 熊本地震で「はくおう」「ナッチャンWorld」が、被災者宿泊施設等として八代港・熊本港で使用。

5月 オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー) 新門司―徳島―東京航路に新船就航。
フェリーしまんと(13.000gt, 191m、佐伯重工建造)

6月 宮古港フェリー利用促進協議会発足。

7月 オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー) 新門司―徳島―東京航路に新船就航。
フェリーどうご(13,000gt, 191m、佐伯重工建造)

8月 SASCO 稚内―コルサコフ航路再開(9月までの季節運航)。
Penguin 33(270gt, 26m、Cheoy Lee Shipyards建造)

名門大洋フェリー 「フェリーきたきゅうしゅうII」が、丸亀沖で白井汽船の「第五鹿島丸」と接触、けが人なし。

9月 オーシャン・トランス(オーシャン東九フェリー) 新門司―徳島―東京航路に新船就航。
フェリーりつりん(13,000gt, 191m、佐伯重工建造)

10月 未来高速(Miraejet Co Ltd)(韓国) 釜山―対馬(厳原・比田勝)航路に新船就航。
Nina(553gt, 40m、Damen建造)

12月 大亜高速海運(Dae-A Express Shipping)(韓国) 釜山―対馬(厳原)航路に高速船就航。
Ocean Flower 2(4,114gt, 81.15m)

2017年

1月 フェリーさんふらわあ 大阪―志布志航路の発着が、かもめフェリー・ターミナルからコスモ・フェリー・ターミナルに変更(1月31日)。

3月 新日本海フェリー 小樽―新潟航路に新船就航。
らべんだあ(14,125gt, 197.5m、三菱重工下関造船所建造)

5月 商船三井フェリー 苫小牧―大洗航路に新船就航。
さんふらわあ ふらの(13,816gt, 199.7m、ジャパンマリンユナイテッド磯子工場建造)

6月 新日本海フェリー 小樽―新潟航路に新船就航。
あざれあ(14,125gt, 197.5m、三菱重工下関造船所建造)

9月 新潟国際海運 ウラジオストク―新潟―ザルビノの開設を目指すも、実現せずに解散(9月21日)。

10月 フェリーさんふらわあ 「大阪南港コスモ・フェリー・ターミナル」の命名権を2017年10月1日から10年間取得し、「さんふらわあターミナル(大阪)」に改称(10月1日)。

マルエーフェリー 那覇―大阪―神戸航路での旅客運航から撤退(10月10日)。

日本長距離フェリー協会 訪日外国人観光客向け企画乗船券「Japan Ferry Pass 21」の販売を開始。

商船三井フェリー 苫小牧―大洗航路に新船就航(10月25日苫小牧発)。入渠、長期運休。
さんふらわあ さっぽろ(13,816gt, 199.7m、ジャパンマリンユナイテッド磯子工場建造)

11月 宮崎フェリー 地域経済活性化支援機構(REVIC)等が出資する新会社に事業を譲渡して特別清算することを発表。

Information

主として日々の報道を基にして作成しました。