関税定率法
1関税の種類
1一般税率
1国定税率
基本税率
特恵税率
暫定税率
2協定税率
適用順位
1特恵税率が最優先。
2基本税率と暫定税率とでは、暫定税率が優先。
3国定税率と協定税率とでは、原則として小さい方が優先。
1国>協 →協定税率が優先
2国≦協 →国定税率が優先
3少額輸入貨物に対する簡易税率(定率法3条の3)
4入国者の輸入貨物に対する簡易税率(定率法3条の2)
2課税価格の計算
1課税価格の決定の原則(定率法4条)
☆関税定率法第4条に規定する課税価格の決定の原則について説明して下さい。
1現実支払価格
・当該輸入貨物に係る輸入取引がされた時に、買手より売手に対し又は売手のために当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格。
2加算要素
1当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料、その他当該運送に関連する費用。
2当該輸入貨物に係る輸入取引に関し、買手により負担される手数料又は費用のうち、次に掲げるもの。
1仲介料、その他の手数料
2当該輸入貨物の容器の費用
3当該輸入貨物の包装に要する費用
3当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して買手により無償で又は値引きをして直接又は間接に提供された物品又は役務のうち、次に掲げるものに要する費用。
1当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品、又はこれらに類するもの。
2当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型、又はこれらに類するもの。
3当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品。
4技術、設計、その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの。
4当該輸入貨物に係る特許権、意匠権、商標権、その他これらに類するもので、政令で定めるものの使用に伴う対価で、当該輸入貨物の輸入取引の条件として買手により直接又は間接に支払われるもの。
5買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は間接に売手に帰属するものとされているもの。
3含めない費用(令1条の4)
1当該輸入貨物の輸入申告の時の属する日以後に行われる当該輸入貨物に係る据付け、組立て、整備又は技術指導に要する役務の費用。
2当該輸入貨物の輸入港到着後の運送に要する運賃、保険料、その他当該運送に関連する費用。
3本邦において当該輸入貨物に課される関税、その他の課徴金。
4当該輸入貨物に係る輸入取引が、延払条件付取引である場合における延払金利。
2特別の事情がある場合(定率法4条2項)
☆課税価格の決定の原則が適用できない場合における課税価格の決定について説明して下さい。
1特別の事情
1買手による当該輸入貨物の処分又は使用につき制限があること。
2当該輸入貨物の取引価格が当該輸入貨物の売手と買手との間で取引される当該輸入貨物以外の貨物の取引数量又は取引価格に依存して決定されるべき旨の条件、その他当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が当該輸入貨物の輸入取引に付されていること。
3買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は間接に売手に帰属するものとされているものの額が明らかでないこと。
4売手と買手との間に特殊関係がある場合において、当該特殊関係のあることが、当該輸入貨物の取引価格に影響を与えていると認められること。
2特殊関係(令1条の8)
1共同経営者である場合
2使用者である場合
3議決権を伴う社外株式の総数の5%以上の社外株式を直接又は間接に所有し、管理し、又は所持
4直接又は間接に支配されている場合
5議決権を伴う社外株式の総数のそれぞれ5%以上の社外株式が、同一の第三者によって直接又は間接に所有され、管理され、又は所持されている場合
6同一の第三者によって直接又は間接に支配されている場合
7共同して同一の第三者を直接又は間接に支配している場合
8親族関係にある場合
3特別な事情がある場合の課税価格の決定
1同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定(定率法4条の2)
・当該輸入貨物と同種、又は類似の貨物があるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該同種又は類似の貨物に係る取引価格とする。
(公式)
1同種の貨物の取引価格と類似の貨物の取引価格とでは、同種の貨物の取引価格が優先。
2輸入貨物の生産者が生産した貨物の取引価格と他の生産者が生産した貨物の取引価格とでは、輸入貨物の生産者が生産した貨物の取引価格が優先。
3取引価格のうち最小のものが優先。
(注意点)
1当該輸入貨物の本邦への輸出の日又はこれに近接する日に本邦へ輸出されたもので、当該輸入貨物の生産国で生産されたものに限る。
2この場合、同種又は類似の貨物に係る取引価格は、当該輸入貨物の取引段階と同一の取引段階及び当該輸入貨物の取引数量と実質的に同一の取引数量により輸入取引がされた同種又は類似の貨物とする。
3しかし、次の次項により生じた価格差については、必要な調整を行った後の価格をもって計算する。
1取引段階の差異
2取引数量の差異
3運送距離、運送形態が異なることにより生じた輸入港までの運賃等の差異
2国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定(定率法4条の3)
・前述の方法で輸入貨物の課税価格を計算することができない場合は、当該輸入貨物の国内販売価格又は製造原価に基づいて課税価格を決定する。
1国内販売価格
1国内販売価格から販売に係る通常の手数料又は利潤、及び一般経費及び輸入港到着後国内において販売するまでの運賃、保険料、関税等を差し引いた額を課税価格とする。
2しかし、課税物件確定の時の属する日後、加工されたものは、国内販売価格から当該加工により付加された価格及び前述の手数料等の額を差し引いた額を課税価格とする。
2製造原価
・前述の方法で輸入貨物の課税価格を計算することができない場合で、当該輸入貨物の製造原価を確認することができないときは、製造原価に基づいて課税価格を決定する。
・すなわち、当該輸入貨物の製造原価に当該輸入貨物の生産国で生産された当該輸入貨物と同類の貨物の本邦への輸出のための販売に係る通常の利潤及び一般経費、並びに輸入港までの運賃の額を加えた価格を課税価格とする。
3特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定(定率法4条の4)
・前述のいずれの方法でも課税価格を計算することができない輸入貨物の課税価格は、課税価格に準ずるものとして政令で定めるところによる。
3課税価格の決定の特例
1航空機により運送された貨物(定率法4条の6第1項)
・以下の場合、課税価格に算入しようとする運賃、保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとする(つまり船舶の場合となる)。
1無償の見本(20万円以下)
2災害の救助、公衆の衛生の保持、その他これらに準ずる目的のため、緊急に輸入する必要があると認められる貨物
3
4ニュース写真、ニュースフィルム、又はニューステープで、時事に関する記事を掲載する一般的日刊新聞の掲載用、ニュース映画の上映用又はラジオ若しくはテレビジョンの放送用に供するもの、及び新聞の紙型
5本邦において航空運送事業を営む者が当該事業に供用するため輸入する航空機整備用品及び事務用品で、その者の当該事業に使用する航空機によって運送されたもの
6
7
8輸入取引に係る契約において、航空機による運送以外の運送方法により運送されることとされていた貨物で当該貨物の製作の遅延、その他その輸入者の責めに帰すことができない理由により当該貨物の本邦への到着が遅延し、又は遅延するおそれが生じたため、その輸入者以外の者が運送方法の変更に伴う費用を負担することにより航空機によって運送されたもの
9修繕又は取替えのため無償で輸入される物品
2本邦に入国する者により携帯して輸入される貨物、その他その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物(定率法4条の6第2項)
3減免税・戻税
1再輸入の場合
1加工又は修繕のため輸出された貨物の減税(11条) | 2再輸入免税(14条10号) | 3再輸入減税(14条の2) | |
要件 効果 |
1加工又は修繕のため本邦から輸出されその輸出 の許可の日から1年以内に輸入される貨物。 2加工のためのものについては、本邦においてその 加工をすることが困難であると認められるものに限 る。 ×修繕が困難 ・当該貨物が輸出の許可の際の性質及び形状により 輸入されるものとした場合の課税価格の、当該輸入 貨物の課税に対する割合を乗じて算出した額の範囲 内においてその関税を軽減することができる。 |
1本邦から輸出された貨 物でその輸出の許可の 際の性質及び形状が変 わっていないもの 2関税の減免税等の適用 を受けた貨物でないこと ・関税を免除する。 |
1本邦から積み戻された 保税作業による製品で 14条10号11号14号の 要件に該当するもの。 →当該製品の原料とし て使用された外国貨物 に対する関税で保税作 業によったため課され なかった額が軽減され る。 2 14条10号11号14号に 該当する貨物で当該貨 物の輸出により17条1 項1号19条1項19条の2 第1項2項の関税の軽 減、免除、払戻があっ たもの →当該軽減、免除、払 戻があった関税の額に 相当する額が軽減され る。 |
手続 | 1輸出の際の手続(令5条) 1輸出の際に加工又は修繕のため輸出する旨並びに その輸入の予定時期及び予定地をその輸出申告書 に付記する。 2次に掲げる事項を記載した申告書及び加工又は修 繕のため輸出するものであることを証する書類を添 付して当該申告書の記載事項につき税関長の確認 を受けなければならない。 2輸入の際の手続(令5条の2) ・輸入の際にその輸入申告書にその輸出された際の 輸出の許可書又はこれに代わる税関の証明書、加 工又は修繕を証する書類及び次に掲げる事項を記 載した明細書を添付して、その輸入地を所轄する税 関長に提出しなければならない。 |
1輸入の際の手続(令16 条) 1輸入申告の際に当該 貨物の輸出の許可書 又はこれに代る税関 の証明書をその輸入 地を所轄する税関長 に提示しなければなら ない。 2ただし当該貨物がこ れらの規定に該当す ることが他の資料に 基づき明らかである ときはこの限りでな い。 |
1輸入の際の手続(令 16条の4) ・輸入申告書に当該貨 物に係る輸出若しくは 積戻しの許可書又は これに代わる税関の 証明書及び当該貨物 に係る同条各号に掲 げる関税の額について の税関の証明書を添 付してその輸入地を所 轄する税関長に提出 しなければならない。 |
2再輸出の場合
1再輸出免税(17条) | 2再輸出減税(18条) | 3輸出貨物の製造用原料品 |
1以下の貨物で輸入されその輸入の許可の日から 1年以内に輸出されるもの 1加工される貨物又は加工材料となる貨物で政令 で定めるもの 2輸入貨物の容器で政令で定めるもの 3,4 5学術研究用品 6試験品 7 8注文の取集め若しくは製作のための見本 9,10,11 12本邦に住所を移転するため以外の目的で入国 する者がその個人的な使用に供するためその 入国の際に携帯して輸入し又は政令で定めると ころにより別送して輸入する自動車、船舶、航空 機、その他政令で指定する物品 13 |
・長期にわたって使用 することができ、かつ 通常その輸入が貸借 契約に基づき、又は 請負契約の履行に関 連して本邦で一時的に 使用するため行われる 貨物のうち、政令で定 められるもので、輸入 され、その輸入の許可 の日から2年以内に輸 出されるもの。 |
1輸出貨物の製造に使用される 原材料のうち政令で定めるもの で、輸入され税関長の承認を受 けた製造工場で当該製造がされ て、その製品が輸出されるもの。 2関税の軽減又は免除は当該製 品の輸出が当該原料品の輸入 の許可の日から2年以内にされる こと。 |
・関税を免除する。但し原則として1年以内に輸出さ れなかった場合や、用途以外の用途に供された場 合は直ちに徴収する。 |
・関税を軽減することが できる。但し原則として 2年以内に輸出されな い場合は、直ちに徴収 する。 |
・関税を免除、軽減、払戻。 |
1輸入時の手続(令34条、36条) ・輸入申告の際にその品名、数量、及び輸入の目 的、輸出の予定時期及び予定地並びに使用の 場所を記載した書面をその輸入地を所轄する税 関長に提出する。 2輸出時の手続(令39条) 1輸出申告の際に当該貨物の輸入の許可書又は これに代わる税関の証明書を税関長に提出する 2輸入地を所轄する税関長へ届出る |
手続は左に同じ (令41条) |
1減免税の場合 1輸入時(令49条、7条) 2輸出時(令51条) 2戻し税の場合 1輸出時(令53条の2) 2払戻時(令54条) |
4輸入時と同一の状態で再輸出時の戻し税(19条の3) | 5違約品等の再輸出・廃棄時の戻し税(20条) |
1関税を納付して政令で定めるところにより輸入された 貨物で、その輸入の時の性質及び形状が変わってい ないものを本邦から輸出するとき 2当該貨物がその輸入の許可の日から原則として1年 以内に輸出されるものである場合 |
1関税を納付して輸入された貨物で、次の事由に該 当し、その輸入のときの性質及び形状に変更を加 えないものを本邦から輸出するとき 1品質又は数量等が契約の内容と相違するため 返送することがやむを得ないと認められる貨物 2輸入後において法令によりその販売、若しくは 使用又はそれを用いた製品の販売、若しくは使 用が禁止されるに至ったため輸出することがや むを得ないと認められる貨物 2当該貨物がその輸入の許可の日から6月以内に 保税地域に入れられたものである場合 |
・関税を払戻すことができる。 | ・関税を払戻すことができる。 |
1輸入時の手続(令54条の11) ・輸入申告の際に当該貨物の再輸出の予定時期及び 予定地並びに当該貨物の性質及び形状その他その再 輸出の確認のため必要な事項を記載した書面を税関 長に提出して、その確認を受けなければならない。 2輸出時の手続(令54条の14) ・輸出申告の際にその品名及び数量並びに輸出の理 由を記載した申請書に確認済の再輸出貨物確認申 請書及び当該貨物の輸入の許可書又はこれに代わ る税関の証明書を添付してこれを輸出申告した税関 の税関長に提出する。 |
1再輸出の場合(令56条1項) 1貨物を保税地域に入れたときは、その旨をその 保税地域の所在地を所轄する税関長に届出る とともに、 2輸出申告の際に、その品名及び数量並びに輸 出の事由を記載した申請書に当該貨物が20条 1項1号又は2号に該当するものであることを証 する書類及び当該貨物の輸入の許可書又は これに代わる税関の証明書を添付して、これを 輸出申告をした税関の税関長に提出しなけれ ばならない。 2廃棄の場合(令56条2項、3項) |
3その他の場合(輸入の場合)
1無条件免税(14条) | 2外国で採捕された水産物等の減免税 |
1 2 3 4国際連合又はその専門機関から寄贈された教育用又は宣伝用 の物品及びこれらの機関によって製作された教育的、科学的、 又は文化的なフィルム、スライド、録音物、その他これらに類す る物品 5政令で定める博覧会、見本市、その他これらに類するものへの 参加国が発行した当該博覧会等のための公式のカタログ、パン フレット、ポスター、その他これらに類するもの 6 7 8 9注文の取集めのための見本、ただし見本用にのみ適すると認め られるもの又は著しく価額の低いものとして政令で定めるものに 限る(5000円以下) 10 11本邦に住所を移転するため以外の目的で本邦に入国する者が その入国の際に携帯して輸入し、又は政令で定めるところにより 別送して輸入する物品のうちその個人的な使用に供するもの及 び職業上必要な器具で、その入国の事由、滞在の期間、職業そ の他の事情を勘案して税関が適当と認めるもの 12本邦に住所を移転するため本邦に入国する者が、その入国の 際に輸入し又は政令で定めるところにより別送して輸入する物品 のうち、当該入国者又はその家族の個人的な使用に供するもの 及び職業上必要な器具 13本邦の在外公館から送還された公用品 14本邦から輸出された貨物で、その輸出の許可の際の性質及び 形状が変わっていないもの 15 16 17 18身体障害者用に特に製作された器具、その他これに類する物品 で政令で定めるもの 19ニュース映画用のフィルム及びニュース用のテープ 20課税価格の合計額が1万円以下の物品 |
1免税の場合 1本邦から出漁した本邦の船舶によって 外国で採捕された水産物 2本邦から出漁した本邦の船舶内におい て当該水産物に加工し又はこれを原料 として製造して得た製品で輸入されるも の →関税を免除する 2減税の場合 ・本邦から出漁した本邦の船舶内におい て外国の船舶によって採捕された水産 物を加工し、又はこれを原料として製造 して得た製品のうち、政令で定めるもの で輸入されるもの →その関税の額と、当該水産物が加工 又は製造前の性質及び数量により輸入 されるものとした場合における関税の額 との差額以内において、その関税を軽 減することができる。
|
・関税を免除する。 | |
1輸入時の手続(令13条) ・輸入申告書にその免除を受けようとする旨を記載する。 |
3特定用途免税(15条) | 4その他 |
1以下の貨物で輸入され、その輸入の許可の日から2年以内に次に掲 げる用途以外の用途に供されないもの 1国若しくは地方公共団体が経営する学校、博物館、物品陳列所、 研究所、試験所、その他これらに類する施設、又は国及び地方公 共団体以外の者が経営するこれらの施設のうち政令で定めるもの に陳列する標本若しくは参考品又はこれらの施設において使用す る学術研究用品、若しくは教育用のフィルム、スライド、レコード、 テープ、その他これらに類する物品 2学術研究又は教育のため、前号に掲げる施設に寄贈された物品 3慈善又は救じゅつのために寄贈された給与品及び救護施設又は 養老施設その他の社会福祉事業を行う施設に寄贈された物品で 給与品以外のもののうち、これらの施設において直接社会福祉の 用に供すると認められるもの 4前三号に該当するものを除き、国際親善のため、国又は地方公共 団体にその用に供するものとして寄贈される物品 5儀式又は礼拝の用に直接供するため宗教団体に寄贈された物品 で大蔵省令で定めるもの 6 7博覧会等において使用するため博覧会等への参加者が輸入する 次に掲げる物品 1カタログ、パンフレット、ポスター等 2博覧会等の記念品、展示物品の見本品 3博覧会等の会場において消費される物品 8航空機の発着又は航行を安全にするために使用する機械及び器 具並びにこれらの部分品で政令で指定するもの 9本邦に住所を移転するため本邦に入国する者がその入国の際に 輸入し、又は政令で定めるところにより別送して輸入する自動車、 船舶、航空機、その他政令で指定する物品で当該入国者又はその 家族の個人的な使用に供するもの 10 |
4生活関連物質の減税・免税(12条) 5製造用原料品の減税・免税(13条) ・配合飼料、落花生油の原料品で 輸入され、その輸入の許可の日か ら1年以内に税関長の承認を受け た製造工場で当該製造が終了する もの →輸入申告は製造者の名で 6外交官用の貨物等の免税(16条) 7課税原料品等による製品を輸出し た場合の免税、戻し税(19条の2) →輸入申告は製造者の名で 8軽減税率適用貨物の用途外使用の 制限等(20条の2) →輸入申告は使用する者の名で ・輸入の許可の日から2年以内に用 途外の用途に供され、又は用途外の 用途に供するため譲渡してはならな い。 |
→輸入申告は管理者等の名で ・関税を免除する。 |
|
1輸入時の手続(令19~25の2) ・輸入申告の際に免税明細書、各種証明書を税関長に提出する。 |
4変質・損傷の場合
☆輸入貨物が変質・損傷した場合の関税定率法上の取扱いについて、次の区分に従って説明して
下さい。
1輸入申告までに変質、損傷があった場合
2輸入申告後・輸入許可前に変質・損傷があった場合
3輸入の許可後、引き続き保税地域に置かれている間に変質・損傷があった場合
1輸入申告までに変質・損傷があった場合(4条の5)
・当該輸入貨物の課税価格は、当該変質又は損傷がなかったものとした場合に計算される課税価格から
その変質又は損傷があったことによる減価に相当する額を控除して得られる価格とする。
2輸入申告後、輸入許可前に変質・損傷があった場合(10条1項)
1当該貨物の変質若しくは損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準としてその関税を軽減し
又は、
2その関税の額とその変質若しくは損傷後における性質及び数量により課税した場合における関税の額
との差額以内において、その関税を軽減することができる。
*ただし、輸入貨物が輸入申告等の時までに変質し、又は損傷した場合には、価格の低下率を基準とす
る関税の軽減については、この限りではない。
3輸入の許可後、引き続き保税地域に置かれている間に変質・損傷があった場合(10条2項)
1輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後、引き続き保税地域又は関税法30条2号の規定により税関
長が指定した場所に置かれている間に災害、その他やむを得ない理由により、滅失し、又は変質し、若
しくは損傷した場合においては
→関税の全部又は一部を払戻すことができる。
4特殊関税と関税割当
1特殊関税
1便益関税(定率法5条)
・関税についての条約の特別の規定による便益を受けない国の生産物で輸入されるものに与えられる。
2報復関税等(定率法6条)
1世界貿易機関(WTO)を設立するマラケシュ協定に基づいて直接若しくは間接に本邦に与えられた利益を守り、又は世界貿易機関協定の目的を達成するため必要があると認めるとき、
2本邦の船舶若しくは航空機又は本邦から輸出され若しくは本邦を通過する貨物について、他国の船舶若しくは航空機又は他国から輸出され、若しくは他国を通過する貨物よりも不利益な取扱いをする国から輸出され、又はその国を通過する貨物で輸入されるもの
→国及び貨物を指定し、別表の税率による関税のほか、当該貨物の課税価格と同額以下の関税を課することができる。
3緊急関税(定率法9条)
・外国における価格の低落その他予想されなかった事情の変化による特定の種類の貨物の輸入の増加の事実があり、当該貨物の輸入が、これと同種の貨物その他用途が直接競合する貨物の生産に関する本邦の産業に重大な損害を与え、又は与えるおそれがある事実がある場合において国民経済上緊急に必要があると認められるときに発動される。
4対抗関税(定率法9条4項)
・外国においてわが国の輸出物が譲許を受けている場合において、外国の緊急措置により、その譲許を撤回、修正などがとられた場合に、対抗上、国、貨物を指定して一定の措置をとるもの。
☆関税定率法第8条及び同法第9条に規定する相殺関税及び不当廉売関税に関し、それぞれの発動条件及び関税の額について説明して下さい。
5相殺関税(定率法7条)
1外国において生産又は輸出について直接又は間接に補助金の交付を受けた貨物が輸入され、
2この輸入が本邦の産業に実質的な損害を与え若しくは与えるおそれがあり、又は本邦の産業の確立を実質的に妨げる事実がある場合に
3当該本邦の産業を保護するため必要があると認められるとき。
→貨物、貨物の輸出者、生産者、輸出国、原産国、期間を指定し、別表の税率による関税のほか、当該補助金の額と同額以下の関税を課することができる。
6不当廉売関税(定率法8条)
1不当廉売された貨物が輸入され、
2この輸入が本邦の産業に実質的な損害を与え若しくは与えるおそれがあり、又は本邦の産業の確立を実質的に妨げる事実がある場合に、
3当該本邦の産業を保護するため必要があると認めれれるとき。
→貨物、貨物の供給者、供給国、期間(5年以内)を指定し、別表の税率による関税のほか、当該貨物の正常価格と不当廉売価格との差額に相当する額と同額以下の関税を課することができる。
2関税割当
☆関税割当制度に関し、次の事項について説明して下さい。
1関税割当制度の内容
2関税割当制度の適用を受ける貨物通関手続
3関税割当制度と輸入割当制度の機能面における相違点
4実際に関税割当制度が適用される品目(2つあげて下さい)
1関税割当(定率法9条の2)
・一定の貨物の一定数量の輸入については、主務大臣の関税割当により、消費者保護の見地から低い一次税率が適用される。しかし、その限度をこえる部分については高い二次税率を適用することにより、国内産業を保護しようとするもの。
2手続
1主務大臣に関税割当申請書を提出する。
2関税割当を受けたときは、主務大臣から関税割当証明書の交付を受ける。
3輸入申告の際に税関長に関税割当証明書を提出する。
4やむを得ない理由があるときは、2月の範囲で税関長は提出猶予しうる。
3輸入割当との相違点
1輸入割当は、輸入自体の制限である。
2関税割当は、輸入自体の制限ではなく、一定数量以上の輸入に高い二次税率を課すことで、間接的に輸入を抑制するもの。
4対象品目(政令1条1項)
1牛、2ナチュラルチーズ、3オート、4とうもろこし、5麦芽、6ハイ・テスト・モラセス及び糖みつ、7ココア調整食料品、8トマトピューレ・トマトペースト、9パイナップル缶詰、10酒類用アルコール類、 11牛革など、 12履物
5関税率表の解釈に関する通則
1通則1
・部、類及び節の表題は、単に参照上の便宜のために設けたものである。この表の適用に当たっては、物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従い、かつこれらの項又は注に別段の定めがある場合を除くほか、次の原則に定めるところに従って決定する。
2通則2
(a)各項に記載するいずれかの物品には、未完成の物品で完成した物品としての重要な特性を提示の際に有するものとし、また完成した物品で提示の際に組立てていないもの及び分解してあるものを含む。
(b)各項に記載するいずれかの材料又は物質には、当該材料又は物質に他の材料又は物質を混合し又は結合した物品を含むものとし、また特定の材料又は物質から成る物品には一部が当該材料又は物質から成る物品も含む。二以上の材料又は物質から成る物品の所属は、3の原則に従って決定される。
3通則3
・2(b)の規定の適用により、又は他の理由により物品が二以上の項に属すると認められる場合には、次に定めるところによりその所属を決定する。
(a)最も特殊な限定をして記載している項が、これよりも一般的な記載をしている項に優先する。ただし、二以上の項のそれぞれが混合し、若しくは結合した物品に含まれる材料若しくは物質の一部のみ又は小売用のセットの構成要素の一部のみについて記載をしている場合には、これらの項のうち一の項が当該物品について一層完全な又は詳細な記載をしているとしても、これらの項は当該物品について等しく特殊な限定をしているものとみなす。
(b)混合物、異なる材料から成る物品、異なる構成要素で作られた物品及び小売用のセットにした物品であって、(a)の規定により所属を決定することができないものは、この(b)の規定を適用することができる限り、当該物品に重要な特性を与えている材料又は構成要素から成るものとして、その所属を決定する。
(c) (a)及び(b)の規定により所属を決定することができない物品は、等しく考慮に値する項のうち数字上の配列において最後となる項に属する。
4通則4
・前記の原則により、その所属を決定することができない物品は、当該物品に最も類似する物品が属する項に属する。
5通則5
・前記の原則のほか、次の物品については、次の原則を適用する。
(a)写真機用ケース、楽器用ケース、銃用ケース、製図機器用ケース、首飾り用ケース、その他これらに類する容器で、特定の物品又は物品のセットを収納するために特に製作し、又は適合させたものであって、長時間の使用に適し、当該容器に収納できる物品とともに提示され、かつ通常当該物品とともに販売されるものは、当該物品に含まれる。ただし、この(a)の原則は、重要な特性を全体に与えている容器については適用しない。
(b)(a)の規定に従うことを条件として物品とともに提示し、かつ当該物品の包装に通常使用する包装材料及び包装容器は当該物品に含まれる。ただし、この(b)の規定は、反復使用に適することが明らかな包装材料及び包装容器については適用しない。
6通則6
・この表の適用に当たっては、項のうち、いずれの号に物品が属するかは、号の規定、及びこれに関係する号の注の規定に従い、かつ前記の原則を準用して決定するものとし、この場合において、同一の水準にある号のみを比較することができる。この6の原則の適用上、文脈により別に解釈される場合を除くほか、関係する部又は類の注も適用する。