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関税暫定措置法

1減免税・還付

 1航空機及びその部分品等の免税(措置法4条)

  →輸入申告は使用する者の名で

 2宇宙開発用物品等の免税(措置法5条)

  →輸入申告は使用する者の名で

 3石油化学製品製造用原油の免税等(措置法6条)

  1石油化学製品製造用原油の免税(6条1項)

   →輸入申告は製造者の名で

  2石油化学製品製造用揮発油等に係る関税の還付(4項)

  3中間留分石油製品等の増産に係る関税の還付(7条)

  4製造用原料の減税又は免税(措置法7条の2)

   →輸入申告は製造者の名で

  5加工又は組み立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税(措置法8条)

   ・加工又は組み立てのため平成8年3月31日までに本邦から輸出された貨物を原料又は材料とした次に掲げる製品で、その輸出の許可の日から1年以内に輸入されるもの。

    →関税を軽減することができる。

  6軽減税率の適用手続(措置法8条の7)

   →輸入申告は使用する者の名で

   *適用物品(令62条)

    1ミルク及びクリーム、2ホエイ及び調整ホエイ、3チーズ及びカード、4とうもろこし、5ばれいしょでん粉、6マニオカでん粉、7ハイ・テスト・モラセス、8糖みつ、9ココア調整食料品、10トマトピューレー・トマトペースト、11エチルアルコールなど

  7用途外使用等の制限(措置法9条)

   ・輸入の許可の日から2年以内に用途外の用途に供し、又は用途外の用途に供するため譲渡してはならない


2特恵関税

 1特恵関税

  ・南北問題解決のため国連貿易開発会議(UNCTAD)により創設されたもので、先進国が開発途上国(LDC)の原産品の輸入に際し、関税を軽減若しくは免除することにより貿易収支を改善していこうとする制度。

☆特恵関税制度に関し、次の事項について説明してください。
1対象国の要件
2特恵受益国と特別特恵受益国との特恵供与の方式の相違点

 1特恵受益国(措置法8条の2第1項)

  ・経済が開発の途上にある国連貿易開発会議の加盟国で、関税について特別の受益を受けることを希望する国のうち、当該便益を与えることが適当であるものとして政令で定める国。

  *特恵供与の方式

  1農水産物

   ・特恵受益国が原産地ならば、特恵が供与される。 別表2(ポジティブ・リスト)…その税率

  2鉱工業産品

   ・特恵受益国が原産地ならば、特恵が供与される。 別表3(SP品目)…その税率の1/2

                           別表3、別表4以外…無税

  3農水産物・鉱工業産品の特恵供与の停止(8条の3)

   1輸入が特恵税率の適用により増加し、

   2その輸入が、これと同種の物品、その他用途が直接競合する物品の生産に関する本邦の産業に損害を与え、又は与えるおそれがあり、

   3当該産業を保護するため、緊急に必要があると認められるとき

    →物品、国等を指定し、特恵関税の適用が停止される(エスケープ・クローズ方式)。

  4特定特恵鉱工業産品(8条の4)

   ・特恵鉱工業産品のうち、その輸入が本邦の産業に与える影響を勘案して政令で定める物品。

    →品目別に特恵の供与限度を予め決めておき、その範囲内で供与を行うシーリング方式がとられる。

  5特定特恵鉱工業産品の特恵供与の停止

日別管理 ・日々の特恵輸入実績を管理し、シーリング枠を超えた場合は、その日の翌々日

 から特恵を停止する。

月別管理 ・月ごとの特恵輸入実績を管理し、シーリング枠を超えた場合は、その日の属する

 月の翌々月の初日から特恵を停止する。

国別管理 ・ある特恵受益国を原産地とするある特定特恵鉱工業産品等の当該年度における

 輸入額等が、その物品のシーリング枠の1/4を超えることとなった場合に特恵を

 停止する。

事前割当 ・政府がシーリングの枠内で輸入割当で行い、割当を受けた者がその範囲内で輸入

 するもの。「特恵関税割当証明書」→交付の日の属する年度の末日まで

 2特別特恵受益国(措置法8条の2第3項)

  ・特恵受益国のうち、国連総会の決議により後発開発途上国(LLDC)とされている国で、特恵関税について特別の便益を与えることが適当であるものとして政令で定める国

   →関税率は無税

   →特恵供与の方式は、すべてエスケープ・クローズ方式をとる。

 3蔵入れ申請された物品の取扱い(8条の4第1項)

  1特恵関税の適用期間中に蔵入れ申請等の際、特恵関税の適用を受けるため、特恵原産地証明書を提出した場合には、輸入申告時に特恵関税の適用が停止されていても、特恵関税が適用される。

  2逆に蔵入れ申請等の際、特恵関税が適用されていなかった場合は、輸入申告時に特恵関税が適用されていても、適用はない。

 2原産地

  1原産地の認定基準(令22条の7第1項)

   1特恵受益国において完全に生産された物品であること

   2特恵受益国において完全に生産された物品以外の物品を、その原料又は材料の全部又は一部としてこれに実質的な変更を加える加工又は製造により生産された物品であること

   2自国関与品の場合(令22条の7第2項)

   3東南アジア諸国連合(ASEAN)構成国の生産品

    →ASEANを一つの国とみなす(累積原産品)

   4特恵対象品の本邦への運送(令22条の12)

    1日本に直接輸送

    2運送上の理由による積み替え等のため非原産地を経由して日本に輸送

    3博覧会出品等のため輸出された物品で、その輸出した者により非原産国を経由して日本に輸送

   5原産地証明書

    1輸入申告、検査に際し、税関長に原産地証明書を提出

    2蔵入承認申請に際し、特恵原産地証明書を提出

    3課税価格の総額が20万円以下の場合、提出不要

    4原産地証明書は原則として発給の日から1年以上経過していないこと

    5原産地の税関が発給したものであること