外国為替及び外国為替管理法(6章)
1輸出規制
1輸出許可(外為法48条1項2項)
1原則
・国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして、政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、通商産業大臣の許可を受けなければならない。
→違反した者に対しては、通商産業大臣は3年以内の期間に限り、輸出、非居住者との間での特定技術の提供を目的とする取引を禁止することができる。
2輸出許可を要する貨物(令1条)
1輸出貿易管理令別表1の貨物
e.g.武器、兵器…
2輸出貿易管理令別表1の5~15の貨物を特定地域以外の地域に輸出
3輸出許可手続
1通産大臣に輸出許可・承認申請書を提出
2輸出許可書の交付
3有効期間は原則3月(令8条1項)
4例外(許可不要の場合)(令4条)
1仮に陸揚げした貨物(但し一定のもの)
2
3
2輸出承認(外為法48条3項)
1原則
・通商産業大臣は、前二項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者、又は特定の取引若しくは支払の方法により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持並びに外国貿易及び国民経済の健全な発展に必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。
→違反した者に対しては、通産大臣は1年以内の期間を限り、輸出・輸入を禁止することができる。
2輸出承認を要する貨物(令2条)
1
2輸出貿易管理令別表2の貨物で、同表下欄に掲げる地域を仕向地とする輸出
e.g.自動車、うなぎの稚魚、ワシントン条約、麻薬、国宝、重要文化財、商標権侵害…
3
4委託加工貿易契約(100万円超)
5特殊決済方式(500万円超)
1勘定の貸記、借記
2輸出申告の日後2年以上の期間に支払の受領
3船積みの日後2年以上の期間に支払の受領
4本邦通貨、又は本邦通貨をもって表示される小切手若しくは約束手形の輸入を伴う方法による支払の受領
5債務と相殺
6非居住者のために行われる他の居住者による支払の受領
3輸出承認手続
1通産大臣に輸出許可・承認申請書を提出
2有効期間は原則として3月(令8条1項)
4例外(承認不要の場合)(令4条2項)
1仮に陸揚げした貨物
2輸出貿易管理令別表5の貨物
1無償の救じゅつ品
2総価額200万円以下の無償の商品見本、宣伝用物品
3船用品、機用品…
3
4携帯品、別送品
e.g.携帯品、職業用具、引越荷物
5
6委託加工貿易契約で総価額が100万円以下の貨物
7特殊決済方式で総価額が500万円以下の貨物
3権限の委任(令11条)
・通産大臣から税関長に委託される権限
1一定の貨物の輸出承認
e.g.麻薬、重要文化財、風俗を害する書籍、図画等
2価額の全部につき支払手段による決済を要しない貨物に係る輸出許可・承認
3
4輸出許可・承認に条件を付すこと
5輸出許可・承認の有効期限の延長
2輸入規制
1輸入承認(外為法52条)
1原則
・外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、貨物を輸出しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課されることがある。
→違反した者に対しては、通産大臣は1年以内に期間を限り輸出・輸入を禁止することができる。
2輸入承認を要する貨物(令4条1項)
1輸入割当を要する場合→外国為替公認銀行
1非自由化品目(IQ品目)
2ワシントン条約等(IQ品目)
2 2号承認品目→通産大臣
1中国のさけ、ます
2台湾の絹織物など
3特殊決済方式→通産大臣
1勘定の貸記、借記
2輸入申告の日前2年を超える期間に支払
3通関の日後2年を超える期間に支払
4本邦通貨、又は本邦通貨をもって表示される小切手若しくは約束手形の輸出を伴う方法による支払
5債権と相殺
6非居住者のために他の居住者に支払をする方法
4 3号承認品目→外国為替公認銀行
e.g.繭、わかめ、絹糸…
3輸入承認手続
1通産大臣に輸入承認申請書を提出
2有効期間は原則として6月(令5条1項)
2輸入割当(IQ)
1輸入割当は通常貨物の数量により行われる(数量制限)。
2通産大臣は、輸入割当を行ったときは、輸入割当証明書を交付する。
3有効期間は原則として4月。
4輸入割当を受けた者から輸入の委託を受けた者は、通産大臣の確認を受ければよい。
(IQ品目の輸入)
1通産大臣に輸入割当を申請(4月有効)
2外為銀行に輸入承認を申請(6月有効)
3税関に輸入申告
4輸入許可
3例外(輸入割当・輸入承認不要の場合)(令14条)
1輸入貿易管理令別表1の貨物
1総価額500万円以下の貨物(IQ品目、2号承認品目等は除く)
2無償の救じゅつ品…
2携帯品、別送品
e.g.携帯品、職業用具、引越荷物
3仮に陸揚げした貨物
4権限の委任(令18条)
・通産大臣から税関長に委任される権限
1代金の全部について決済を要しない貨物の輸入承認
2輸入承認の有効期間の延長
3
4輸入承認に条件を付すこと