フェリーとクルーズ船のポータル・サイト

2002年9月の海外旅客船情報

タスマニアの新しいフェリーは、最初のバス海峡横断を終えた。Spirit of Tasmania Oneはメルボルン港に接岸し、一方Spirit Twoはデボンポートに接岸した。

昨夜Spirit of Tasmania Oneがデボンポートを出港したときはお祭り騒ぎだったが、今朝、Spirit of Tasmania Twoを出迎え、タスマニア観光の新時代を歓呼として迎えた人々は少なかった。

首相代理のPaul Lennonを含む数百人の人々が、処女航海で旅をした。Spirits OneとTwoは、いずれも定刻よりも早めに到着した。ABCのヘリコプターのパイロットRoger Dundasは、メルボルンに今朝到着したSpirit Oneの様子を次のように伝えた。

「今朝、メルボルンは美しい夜明けを迎えました。Spiritは定刻よりも少し早く到着しました。7時に当地に到着する予定だったの で、 危うく遅刻するところでした。10時に出発し、7時に到着しました。湾を進む姿は美しいものでした。」（ABC News: 2/9/02）

昨夜P&O NORTH Sea Ferriesの船Norseaは、ノーフォーク沿岸のヤーマスの北東3マイルの海域を航行中に出火し、3週間に2度目の火災に見舞われた。600人の乗客には怪我人はい なかった。

午前2時20分に警報が鳴り、機関室での火災で動力が断たれ漂流中である旨、衛星電話で英国沿岸警備隊に通報があった。直ちに英国海軍 の ヘリコプターで消防士が現場に向かった。就寝していた乗客は起こされて、救命胴衣を装着することが命ぜられた。

救命艇がGorleston、Lowestoft、Caisterから現場に急行し、他に10隻の船とP&Oのフェリー Pride of Rotterdamも救助に向かった。

機関室が二酸化炭素で充満したため航行不能となったが、5時間後には危険が去り、ハルからゼーブルッへに向けて航行することができた。 Norseaは、昨日の午後遅くにベルギーに到着した。

僅か2週間半前にも煙突の吸い込み口から出火し、2人の船員が怪我をしている。

P&Oは、昨日の火災は、前の火災とは違う部屋から出火したものだと話している。広報担当者はこう付け加えている。「調査を受 け 入れます。当社では24時間運休するものと考えています。」

乗客はロッテルダム―ハル航路か、カレー―ドーバー経由の鉄道輸送に振り替えられた。

31,785総トンのNorseaは、船員定員107人で、旅客定員は1,250人。1986年に皇太后により命名され、6000万ポ ン ドをかけて建造されたもので、QE2以来の英国建造最大の旅客船と呼ばれた。

最近の2度の火災に加え、進水以来、数回の事故に見舞われている。1992年には救命艇の試験中の事故で2人の船員が死亡している。

1995年には、21歳のグラスゴーの男性が車輛甲板に放火し、放火罪で起訴されている。その2年後、2組のオランダ人グループの間で あった喧嘩で、警察が呼ばれたこともあった。

1998年、Norseaは消費者団体の報告書において、緊急時の乗客向けの船内案内図がないと酷評された。

昨日、英国海軍のヘリコプターは、ノーフォーク沿岸8マイル沖のNorseaの上空を旋回していた。（Lloyds List: Tuesday September 03 2002）

アラスカ・フェリーColumbiaの見学会が、金曜日の午後2時から4時まで、ベリングハム・クルーズ・ターミナルにおいて、 Alaska Marine HighwayがNational Scenic Bywayの一部となって改称したことを記念して行われる。

米国運輸長官のNorman Minetaは、6月13日にAlaska Marine Highwayの名称をNational Scenic Bywayとする発表を行った。Alaska Marine Highwayの8,800マイルが加わって、National Scenic Bywayの規模は3倍となった。

連邦とアラスカ州の役人は、Fairhavenターミナルがこの航路の南の終点となったことを承認して、ベリングハム港の役人に記念額 を 送呈する。

多くのベリングハムの機関は、scenic bywayの航路にクルーズ・ターミナルを設けるよう陳情してきた。

「この新しい名称により、アラスカの玄関口として見られるようになりました。」と港長のDoug Smithは話した。「ベリングハムにとり、アラスカと協力して運航してきた13年の伝統あるフェリー運航を促進し継続するチャンスとなります。こうした関係により、この 地域は利益を得ることとなります。」

「Scenic Bywaysの名称は、名誉ばかりではなく、フェリー運航している地域にも利益となります。大変な宣伝となり、経済発展のチャンスです。」とフェリー・システムの総支配人 George Capacci船長は話す。「これによりすべての地域が発展するといいですね。」

Columbiaの見学会は、公式行事に引き続いてすぐの2時15分頃に始まる。フェリーの船上では、ケーキや飲物が振舞われる。

Columbiaは1年以上前に船火事を起こしているが、完全に修理されている。すべての見学客は、乗客が金曜の夕方の航海に備えて乗 船 するため、午後4時までに下船しなければならない。保安上の理由から、船を見学するすべての大人は、乗船前に写真付きの身分証明書を提示 しなければならない。（The Bellingham Herald: 4/9/02）

フェリーから転落したタインの女性は、Tanya Littleであることが今日判明した。

Littleさん（40）は、ニューカッスルのケントン在住。昨日の午前2時25分にノーフォークCromerの北東約55マイルの海 域 で海に転落した。DFDSが運航するフェリーQueen of Scandinaviaは捜索に加わったが、その後、港湾警察に引継ぎ、タインのノース・シールズからオランダのアイモイデンに向かった。

オランダ警察の事情聴取の間、ショックを受けた乗客達が船に足止めされた。Ed Kraszewski部長は、「船長の要請を受けてオランダの港湾警察が乗船しました。乗客から話を聴き、初動捜査を開始しました。」と話した。さらに「これは英国の領海 内で起きた事件なので、オランダ側は英国警察が捜査できるよう情報を提供することとなります。」と語った。

ヤーマスの沿岸警備隊は、1機のヘリコプターと4隻の船を使って捜索活動を始めている。3マイル四方の海域での捜索にも拘らず Littleさんの手掛かりは得られず、昨日の午後、捜索は打ち切られた。（icNewcastle: Sep 5 2002）

クリーブランド―カナダ間の100万ドルの貨客フェリーの実行可能性を探る調査が、来月から行われる。

クリーブランドのCuyahoga郡港湾当局は、連邦政府からの80万ドルの助成金に対して20万ドルが適当か否か、9月13日に決議 する予定だ。

この資金は、可決されたならば、事業計画に沿った長距離フェリーの潜在的費用、経済効果の調査に充てられる。

港長のGary Failorは、この手続きは2年間を要し、10月の始めに開始すると話した。ポート・スタンリーがオンタリオ州の終着点として適当だとする1999年の調査を拡大させる ものだ。

このアイディアは、北ヨーロッパやアジアのモデルに起源をおくものだとFailorは語り、大型のトラックや何百台もの乗用車を積載で き る大型のフェリーを念頭においているという。

Northeast Ohio Areawide Coordinating Agencyが調査に当たる。この計画では、カナダ政府との連絡のためワシントンの弁護士と15万ドルの契約もしている。（Cleveland Plain Dealer: September 5, 2002）

乗客は外洋で贅沢を楽しんでいるが、乗客にサービスしている者の惨めさが、新しい調査で明らかとなった。

それは究極の贅沢だ。毎年70万人以上の英国人がクルーズ休暇を楽しみ、惜しげのない快楽を楽しみ、金で買える最高の料理を食べてい る。

しかし外洋でのクルーズのイメージは、甲板の下の多くの労働者の生活が牧歌的なものからは程遠いものであることを示す報告書が発表され た ことで、打ち壊されることとなりそうだ。

裕福な乗客とは対照的に、多くのクルーズ船の労働者は搾取工場での労働と劣悪な生活環境の下におかれることを強いられ、不平を言うなら ば 上司に脅される状況にあるのだ。

クルーズ休暇は近年ブームとなっている。この分野では1976年当時は1万5000人だったのに対し、15万人以上の人が雇用されてい る。その大部分は4つの大手クルーズ客船会社で働いている。Carnival、Royal Caribbean、Star Cruises、そして英国に本拠をおくP&O Princessだ。

しかしWar On Wantと国際運輸労連の調査で、船で働く多くの労働者の現実は、使用者により組織的に搾取され、厳しい労働条件に耐えるよう強いられているという。

「もしこの世の不平等を見たいのならば、クルーズ船の甲板を通してみればいいでしょう。」と報告書の著者Celia Matherは話す。多くの労働者、とりわけ発展途上国の出身者は、豪華で魅力に満ちた乗り物で世界を知ることができると吹きこまれてきた。

彼女は話す。「豪華な産業で働くという夢を売ってきたことに怒りを覚えます。現実は長時間労働、疲労困憊、低賃金なのです。多くの船で は 労働者を働かすために代理人を使っています。多くのクルーズ船では、労働者がこっそり逃げ出さないように、労働者の賃金を保管しているのです。」

この調査は、「クルーズ船で働くことの現実」というもので、今年英国で10パーセント以上成長するため、ロイド協会により計画されたク ルーズ産業の必死の状況を明らかにしている。しかしブームとは裏腹に、クルーズ船の多くの労働者の状況は、奴隷のガレー船を彷彿させるよ うなものだという。

職員はしばしば6ヶ月間を8ヶ月間に伸張する契約を結ばされる。振動と騒音のある船室で寝ることとなる。そして乗客と比べ、食事はまず く、通常、船員食堂で食べている。服装規定に違反したとか乗客と接触したという理由による突然の解雇が、権威主義的な内規によりしばしば 正当化されている。

業界の巨人Carnivalが保有する船Festivalに乗船中、ある時は11時間も野菜の皮むきをしていたというあるインド人は語 る。「本心を話せば、クビですよ。ただ「わかりました」というしかないのですよ。」

別のケースでは、国際運輸労連の調査員は、カリブ海に就航している船で100人の男女の船員に対して、シャワーが2つ、従業員用トイレ が 1つという例を発見している。6人部屋で寝せられているという。

「甲板の下の労働者の状況は、この10年間改善していません。」とマイアミに本拠をおく国際運輸労連の調査官Tony Sassoは話す。「未だに低賃金で、権利は殆ど保障されていません。多くの人はそうしたことを告発し不平を述べることを躊躇っています。多くの人々にとって、クルーズ客 船で働く労働者は取るに足らぬ存在なんです。殆ど目に見えない存在なんですよ。」

フィリピン人のArthur Espinoza（37）は、1998年にDisney Cruise Lineで料理長として働いていた。乗船していた船は2,600人収容のDisney Magic。900人の職員で応対していた。Espinozaは週7日間労働で、毎日14時間から16時間交代で働き、1999年に「今月の従業員」に選ばれたこともあっ た。正に働いて寝るだけの黄昏の世界だった。1999年、Disneyに対して人を雇うよう主張した。

「状況は、それは酷いものでした。厨房の人手が足りなかったんです。働き詰めでしたよ。準備の時間もなかったんです。Disneyに助 け てもらいたかったんです。覚えているんですがね、研修を受けていたとき、家族のように働くことがいかに大切かを常に話していましたよ。私 は彼らとなら腹を割って話ができると思ったものです。」と話した。

Espinozaは、Disneyに就業を拒否したところ、その1ヶ月後に解雇された。Disney Magicから下船する時、その船の船長は船員手帳―それはすべての海員が持つ雇用の記録だ―を奪い、こう付け加えたのだった。「働かない者はクビだ。」

Espinozaはマニラに戻ることを余儀なくされた。不当解雇を理由にDisney Cruise Lineを訴えたが、2000年5月に訴えは棄却され、上訴している。しかしそれ以来、クルーズ産業での職を見付けることもできなくなった。今や衣服を売って生活してい る。

この報告書における最悪のケースは昨年のもので、24カ国の違った国から来た237人の船員が乗船した船Ocean Glory 1がドーバーで座礁し、海事沿岸警備隊から運航を差止められたものだ。

この船齢51年の船には、35の安全上の欠陥があった。ギリシャからドーバーまでの旅行は正に災害のカタログだった。船は地中海でエン ス トし、生活状況は不潔なもので、ギリシャ人の上級船員は職員から口汚く罵られた。

「こうした労働者が適切に話してくれない限り、劣悪な労働環境は継続します。」と国際運輸労連のTony Sassoは話す。「しかしこれは氷山の一角なのです。もし乗客が従業員の区画に入ることを許されたならば、多くの人のクルーズのイメージが完全に変わることを、私は確信 していますよ。」

英国最大の客船会社P&Oは、声明の中でこう述べている。「当社は人材募集とその待遇は良質のものであり、幸せで優秀な船員 は、 お客様に傑出した楽しい休暇を提供する上で不可欠なものであると確信しており、安全で最高に友好的な環境の下で船は運航されております。 船隊における当社の労働慣習は、事業の成功の基礎となっております。」（The Observer: Sunday September 8, 2002）

古いレーニン像と新しいロシア正教教会が建つユジノ・クリルスクで、2人のロシア兵が、国後島にあるこの町と南クリル諸島の残部がいか に永遠にロシア領であり続けるかという甘ったるい公式に承認された民謡を歌った。

その後、ピースボートの日本のダンスチームが勢い良く飛び出した。

髪を染めファンキーな動きにマッチしたダンサー達は、ちょうど東京の街角で踊っている風だった。この間、彼らは大きく目を見開いたロシ ア の子供達の人垣に、この島から僅か25キロしか離れていない外国の隣人の、野性的で新しい印象を与えていた。

このダンサー達は、日本の外務省の要請を無視して8月の下旬に国後島を直接訪問した政治的クルーズ船に乗船した460人の日本人旅行者 の 一員だ。1949年にソビエト兵が最後の日本の住民を追い出して以来、初めて多数の日本人がここを訪れた。日本により要求されている領土 をロシアが占有し続けていることは、2国間における厄介な問題となっている。

「船に乗っている人々が陸に住む人々と政治家抜きで会うこと、それがピースボートです。」とフォト・ジャーナリストでピースボートのツ アーのベテラン、Ruiko Yoshida（64）は話した。

人と人との交流はピースボートの主目的であり、この時折問題を起こす船は、日本政府がむしろ行くなという多くの土地に錨を下ろして世界 を クルーズしている。日本の外務省の広報官は、この船の国後島への訪問を「とんでもないものだ」と呼んだ。このクルーズは、日本と外交関係 のない北朝鮮を訪問するところから始まった。続いてロシアのサハリンを訪れ、そこで参加者は第二次世界大戦中に炭坑で強制労働させられた ことを巡って東京に補償を求めている年老いた朝鮮人と面会した。その間、Leonid Brezhnevにより30年前に命名された栄光の日々を有するチャーター船である、軋み磨り減ったこのウクライナのクルーズ船のそこかしこで、日本の歴史の研究会や芸能 のリハーサルが行われた。

ピースボートは異文化交流の目的で異国の港に多くの日本人を運んでいる。日本がしばしば20世紀前半の多くのものを忘れようとしている よ うに見えるのに対して、この船は日本の若者を第二次世界大戦を巡る旅に連れ出している。パラオの日本軍基地の廃墟、日本がフィリピンの村 を大量虐殺したときの年老いた生き残りとの面会、日本軍部隊の性の奴隷となって働いていた朝鮮人女性との出会い等。

「日本の若者が大変な民族主義者にならないかと、大変心配しています。」と20年近く前からピースボートに関わってきたTatsuya Yoshioka（＝吉岡達也）（41）は話す。乗客の3分の2は大学生で、殆どすべてが日本人だという。

吉岡は、日本の軍国主義の記憶が色あせていく一方で、若い日本人の経済的成功の見込みが減少していくことを心配していた。

日本の軍事的範囲を拡大する法律が未決定であることについての船上講義をしてすぐ、彼はこう話した。「戦争を直接体験した人々は殆ど亡 く なりました。日本の十代の半数が、日本と米国が戦争をしたことすら知らないという調査を読みました。」

吉岡とピースボートの50人のメンバー会議は、日本では北方領土として知られるロシアの有する島々を毎年訪問することによっ て起きた、クリル諸島論争を巡る民族主義的な感情が緩和されることを願っている。日本政府は注意深く島へのビザなし訪問を行っているが、 ロシアの島に対する要求を支援することとなるピースボートの独自訪問の計画には反対していた。外務省は国後島のロシアの主権を承認してお らず、ロシアに対して訪問を妨害するよう要請した。

あまり論議を呼ぶ冒険ではないものとして、太平洋でのピースボートのクルーズでは、日本企業による採掘、森林伐採計画の影響を受けたと ころや、フランスにより過去に核実験がなされたところに光りを当ててきた。

米国を出港してから6ヶ月間、クルーズ船がキューバに寄港することを禁止する法律を米国が成立させたとき、ピースボートはハバナに留 まっ てそれに応じたが、世界一周クルーズからハワイが抜け落ちることとなった。太平洋を横断する時は北のブリティッシュ・コロンビア州のバン クーバー港か、南のサンティアゴを利用している。

その他論議を呼ぶ冒険では、ピースボートは毎年日本人を人権蹂躪のリストでは高位置にある国、北朝鮮を巡る旅行に導いている。

「人権問題にはジレンマを感じていましてね。」　と吉岡は多くの日本人が語学教師として拉致されているものと考えられている 北朝鮮に言及しつつ語った。「しかし両国民間の基本的な和解を作り上げなければならないのです。政府の仕事だけを信頼してはいません。草 の根の仕事が必要なのです。」

吉岡は来年の秋に、北米ピースボートを始めることを望んでいる。米国の法律がキューバを訪問することに罰則を置いているた め、ブッシュ政権によって「ならず者国家」というレッテルを貼られた国を含むその他の港に寄港するだろうと話した。

「アメリカ人は自分の国を出て、人々が米国のことをどう考えているのかを知る必要があります。」と語った。

ピースボートは現在38回目の航海中で、アフリカ、アジア、ラテン・アメリカの多数の港を訪れる。（The New York Times: Monday, September 9, 2002）

フェリー産業の専門家は、P&O PortsmouthのPride of Cherbourgが木曜日に運航を開始することを暖かく歓迎している。この船齢7年の船の交代により大改善され、10年間の損失に代わり会社に利益をもたらし得ると、専 門家は言っている。

Irish Ferriesから傭船されたPride of Cherbourgは、オランダで建造されたもので、船名に因んでフランスの港に向けて航海することとなる。前のPride of Cherbourg（1975年建造）と、同じ船齢の姉妹船のPride of Hampshireと交代するものだ。

フェリー産業に関して40冊以上の著書のあるMiles Cowsillは語る。「この船はP&Oが長らく待ち望んでいたもので、Brittany Ferriesと競争し得る唯一の船です。大幅に改善されるでしょう。」

P&Oは2隻の船を1隻の船と交代するが、新船はより大型で1日に海峡を4往復することとなる。以前は3往復だった。このこと は、航海回数は減少するものの、この航路の収容力を増加させることを意味する。

この新しい船には、1,650人の乗客と600台の乗用車を積載することができる。以前の船は920人乗りで380台積載できるもの だっ たが売却されており、インドネシアからメッカへの巡礼者を運ぶこととなる。

前のフェリー会社社長で現在Ferry Management Servicesを経営するBill Mosesは、P&Oは現在1日あたり100トン消費している燃料を約60トンにすることができ、燃料費を節減できるだろうと語った。

さらにこう付け加えた。「将来この船にもう1隻の新船を投入するかもしれないのならば、このことは2歩前進するために1歩下がったもの だ といえるでしょうね。」（The News Portsmouth: 10/9/02）

ホノルルのPatrick Legrasは、現在、奮闘中の生活だ。クルーズ船Patriotでのキャビン・アテンダント（接客係）の日々は、Regency Towerの警備員として送る夜に取って代わられてしまった。

クレジット・カードの利用を止め、2台あった携帯電話の1台を止め、雑誌の定期購読を解約した。請求書が積み重なれば、さらに切り詰め る ことになるかもしれないという。

「9月11日は二度と来て欲しくないです。」と物思いに沈んで話した。

独身のLegrasは、9月11日が招いた沈滞の余波の中、Patriotの親会社であるAmerican Classic Voyages Inc.が破産申請した10月の半ばに失業した。クルーズ産業で13年間働いてきたという。

「船長から会社が破産申請したと聞かされたのは、休暇に行く前の最後の週のことでした。」とLegrasは回想する。

この休暇は、Legrasが観光関連の仕事を探す3ヶ月もの長い仕事探しの日々に変わった。Legrasは警備の仕事に落着く前、空港 で の出迎えの仕事をするRoberts Hawaii Toursの職を得ようとしたと話した。

「探す気になればそこらに仕事はありますが、それは望んでいる仕事ではないかも知れないのです。」とLegrasは言った。

最終的にはWackenhut Corpの警備員としての週40時間の仕事を止めた。時給7ドルだったが、請求書の支払をすることが殆どできないのだった。そこで現在は、空港での手荷物検査の仕事を得よ うとしている。

「クルーズ船で働いていたときの約半分の金しか稼ぐことができません。」とLegrasは言う。「税金を支払ったら、後は何も残りませ ん よ。」

空港での手荷物検査の仕事に就けば、年間2万3000ドルを稼げるという。

「それが大体クルーズ船で得ていた収入です。」とチップで週に約100ドルを得ていたことを計算してLegrasは言った。

Legrasはクレジット・カードの借金が4000ドルから5000ドルあり、利息と遅延損害金で死にそうだという。

「クルーズ船に乗っていた時はうまく行っていました。今や挫折です。持っているすべてのクレジット・カードで問題を抱えています。机の 上 には請求書が積み重なっていて、その支払に追われているんです。」（Honolulu Star-Bulletin: Tuesday, September 10, 2002）

ワシントン発（AP）。連邦独禁当局は、Carnival Corp.とRoyal Caribbean Cruises LTDが、P&O Princess Cruises PLCを買収すべく競合する株式公開買付けを推し進めることを承認したと、この件に近い筋が水曜日に語った。

連邦取引委員会（FTC）の5人の委員は、3大クルーズ会社間の取引を承認するための表決をしなければならない。決定は今月になされる も のと思われる。取引が競争に害を及ぼしたり価格をつりあげたりすることがないことを調査した後でFTCの勧告が出たと、消息筋は匿名を条件に話した。

FTCの広報官Derick Rillは、委員会はこの申請を再調査中だが、他にコメントはないと話した。Carnivalの広報担当者Tim Gallagherは、当社は現在もFTCと協議をしているところで、委員会が「正しい判断をすること」を望んでいると話した。他のクルーズ会社は、水曜日にコメントを求 めたところ、直ちに電話では回答をしなかった。

6月にヨーロッパの機関は、Carnivalの55億ドルの入札とRoyal Caribbeanの37億ドルの提案を認めた。

CarnivalとRoyal Caribbeanは、いずれもマイアミに本拠を置く会社で、クルーズ市場の第1位と第2位を占める。ロンドンに本拠を置くP&O Princessは、第3位だ。Royal CaribbeanとP&O Princessは、11月に合併することで合意したが、Carnivalの提案はその1ヶ月後になされた。一方、P&O Princessの経営陣はRoyal Caribbeanの提案に好意を示しており、株主は法律問題が明らかとなるまで決議を留保している。

Royal Caribbeanは23隻の船舶を有し、市場の22パーセントのシェアを有すると見られている。Princessは18隻保有し、世界市場の13パーセントを占めてい る。Carnivalの43隻の船は、2002年の世界市場の27パーセントを占めている。

この3社の事業は、いずれも9月11日のテロリスト攻撃後に浸水沈没状態となっており、それぞれコストの削減を図ることを決定してい る。 （AP: September 11, 2002 6:52pm）

昨日、NorthLinkの新しいフェリーHjaltlandがP&Oから引き継いでラーウィックに就航し、シェトランド島と 本土を結ぶフェリーの新時代が始まった。（The Daily Record: Sep 13 2002）

ニューヨーク発（AP）。昨年の世界貿易センターの崩壊により、トンネルが損傷し閉鎖されていた3つの地下鉄の駅が、日曜日に再開され る予定だ。

1つは世界貿易センター跡の近くであり、他の2つは港で終点となる路線のちょうど南にある。部分的に世界貿易センターの下にある他の駅 は、補修工事のため閉鎖されたままだ。Metropolitan Transit Authorityは、Rector Street駅とSouth Ferry駅の1番線と9番線、N線とR線のCortlandt Street駅は、昨年以来、初めて再開するものだと語った。

MTAの広報官Paul Fleurangesは、Cortlandt Street駅の1番線と9番線は、世界貿易センター跡の再建計画が完成するまで閉鎖されたままになるだろうと話した。（The Associated Press: Sat, 14 Sep 2002）

ワシントン発。60年前、227人の日系アメリカ人が、銃口を突き付けられてベーンブリッジの自宅から連行され、抑留キャンプに向け イーグルデール・フェリー桟橋まで行進させられた。彼らは第二次世界大戦中、半年から3年間拘束された12万人近い日系アメリカ人の最初 の人達だった。

ベーンブリッジ島選出（共和党）の下院議員Jay Insleeは、このイーグルデールの波止場を、「我国が恐怖の波に屈した」日々を思い出させるものとして国立公園の記念物とすべきか研究しようとしている。

国定記念物は、「被害を受けた人々を敬い、友人や友人と共にある共同体を大切にし、我国が再び同様の恐怖に屈している出来事の中で、皆 が しっかりと立つ勇気を奮い起こさせるもの」となるだろうとInsleeは話した。

議会内の委員会が賛成していることは明らかだった。木曜日、財政委員会の委員は満場一致で支出を承認し、議会に議案を送付した。

1942年3月30日のFranklin Roosevelt大統領の大統領命令を思い起こす。それは日本に祖先を持つ男、女、子供達を軍隊により自宅から移動させることを命じるものであり、Taylor通りを行 進させ、旧イーグルデール桟橋でフェリーに乗船したのだった。

シアトルに到着するや、行き先も告げられないで、窓を閉ざされた列車に5日間乗せられた。カリフォルニア州のMojave砂漠にある人 里 離れたキャンプ、Manzanarで遂に列車は停車した。その約1年後、大部分はアイダホ州の僻地にあるMinidoka Relocation Centerに移送された。結局、13万人近いワシントン州の住民が裁判にかけられることなく投獄され、これがしばしば見落とされてきた悲劇だとInsleeが呼ぶ出来事 だった。

ベーンブリッジ島の記念碑の目的は評価を下すためのものではないが、米国史における重要な出来事を強調するためだとInsleeは話し た。桟橋の記念碑は、テロリズムの戦争の中で、「外の、場合により内なる敵と戦うとき、将来を照らす灯台となるだろう」とInsleeは 話した。

ベーンブリッジ島の日系アメリカ人社会の代表、Frank Kitamotoは、記念碑の建立を支持している。長年の間、多くの日系アメリカ人は耐えてきた苦難を忘れようとしてきたと話す。

「その道を行進したとき、ショックでした。どこに行くのか、いつまでなのか、戻ってこられるのかさえ分からなかったのです。」

最近、活動家が歴史を繰り返さぬようその不正義に注意を向けさせようとしているとKitamotoは話した。

国立公園局はその支出に向けた態勢にはないが、調査費が30万ドルになると見積もっている。（The Seattle Times: Saturday, September 14, 2002 - 12:20 a.m. Pacific）

旅行保険会社は、クルーズ船の乗客がポーターが荷物を集める時に船室の外に置いた鞄から盗まれた高価品を保障することを拒否している。

長年、クルーズ産業においては、前の晩に出しておいた荷物を集めるのが標準的な習慣だった。下船の朝に乗客が重い荷物を運ばなくてもい いようにするサービスだ。しかし主要な旅行保険会社は、なくなった物については保険金を支払わないこととなるという。

Primary Directの広報担当者は、「船室内に鞄をおいておかなかった場合は、保障されません。」と話した。

クルーズ客船会社はこの問題を軽視しているが、乗客には船室のドアの外に置く鞄には、宝石や電子機器のような高価品を入れておかないよ う忠告している。

「高価品や旅券のような重要書類は持っていてください。」とIsland Cruisesの広報担当者は語る。

この事態は、サウス・ウェールズのニューポートのジャーナリスト、Neil Cammiesが、パルマ、チュニジア、ローマと周ったIsland Cruisesのクルーズで、鞄から100ポンド相当以上の新しいグッチの指輪が盗まれたことから始まった。

「なくなった指輪が見つかるまで家には帰りませんよ。」と話している。「泥棒は指輪を入れた箱を再包装して、リボンを再び結んでいるハ ズです。」

Island Cruisesは調査中だ。サウサンプトン港湾警察は、こうした窃盗事件は稀だと話している。（Times: September 14, 2002）

その海峡フェリーの乗客は、世界で一番交通量のある海路で転落して幸運だった。P&OのフェリーProvenceは、ドーバー からカレーに向けて航行中、英国時間18時45分頃に海に男が落ちたとの報告を受けて引き返すことを余儀なくされた。

5分以内に助けるべく船員が救命艇を下ろす間、甲板にいた人々が男を目視し続けた。名前の判明していないこの33歳のインド人の男性は 船 上で看護婦の診察を受けたが、怪我のないことは明らかでフェリーはフランスに向け航行した。

沿岸警備隊の広報官は言う。「船上の船長と乗客はできるだけ早くその男性を水中から上げるべく、大変よくやりました。訓練は素晴らしい も のでした。」

P&Oの広報担当者はこう付け加える。「当社の船員は大変よく訓練されたプロです。世界で一番交通量がある海路でこの男性を救 出 したのですから、明らかに訓練の成果が現れたと言えるでしょう。彼は大変に幸運でしたね。」（BBC News: Monday, 16 September, 2002, 20:29 GMT 21:29 UK）

Norwegian Cruise Lineは、ハワイ諸島に2隻目のクルーズ船を投入する約束をしてきた。通年、島嶼クルーズをしているNorwegian Starと並んで、Norwegian Windが月曜日にハワイ州海域に到着し、来春まで展開することとなる。

マイアミのNCLの幹部は、Starがハワイに常時留まり、Windはアラスカ・クルーズに就航する5月から8月を除き、同様となると 話 した。アラスカ・クルーズに就航する5月から8月は、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーを本拠とすることとなる。

Starよりも低速のWindは、Starが就航している1週間のクルーズではなく、10日間と11日間のクルーズに就航することとな る。Windはホノルルからコナ（ビッグ・アイランド）に向かい、その後キリバスのファニング島へ行き、ラハイナ（マウイ島）、 Nawiliwili（カウアイ島）を周ってホノルルに帰ってくる。

マイアミに本拠を置いてはいるが、NCLはシンガポールに本拠を置くStar Cruisesの子会社であり、外国の船会社だ。米国法は、今日そのすべてとなっている外国船籍のクルーズ船により、米国内の港だけを周遊することを禁じている。クルーズ において、少なくとも1つは米国以外の港に寄港しなければならないこととなっている。そのため、アラスカ・クルーズでは皆カナダを訪れ、 太平洋クルーズでは相変わらずメキシコに寄港し、NCLのハワイ・クルーズでは南のキリバスまで、わざわざ長距離の遠回りをしている。 （Pacific Business News: 13:51 EDT Monday）

ドーハ発。合衆国大統領George W Bushによるイラク攻撃という戦争の暗雲がこの地域に垂れこめており、計画されているバスラ港に寄港するという湾岸間の旅客フェリー運航が危ぶまれている。

ドバイ―ドーハ―バスラ間のフェリー運航は、夏に始まる予定だったが、国連の手続きが未定のままであり遅れている。ドーハのAl Jazeera SimatechとドバイのNaif Marineの合弁事業だ。

フェリーは8日間毎に運航されることになっていた。消息筋がThe Peninsulaに語ったところでは、船は既に決まっており、国連の承認は傭船される前になされることになっていた。その船は800人の旅客を収容でき、約130の豪華 な船室、500のAクラスの寝台、約100の普通の寝台、その他、相部屋や様々な設備を擁するものだ。

運航者は、イラクに航海するため要求されている国連の承認を約1ヶ月で得るものと期待していたが、アメリカの最高指導者による最近の宣 言 では、再びこの事業は疑わしいものだとされた。

「カタールには運航の恩恵に与りたい多くの亡命者がいるのですが、物事は我々の手の届かないところに行ってしまいました。」と当局者は 語った。

Simatechのドバイ本社は、Kochiとムンバイ間の旅客船運航を開始するためにインドの半政府機関と話し合ってきている。会社 の 筋は、この合弁事業は官僚政治のハードルのために座礁したと語った。（The Peninsula: 9/16/2002 6:32:43）

Royal Carribeanのクルーズ船、Radiance of the Seasに乗船していた乗客が、インフルエンザに似たウイルスによって病気になった。

1000人を超える乗客のうち46人が酷い病気になったため、バンクーバーからシアトルにクルーズを変更した。乗客の何人かは、このク ルーズ会社は不快な症状を和らげることに関してあまり助けにはならなかった、と話している。

最初、Radiance of the Seasの当局者は、問題があったことを認めることを拒否したのだ。乗客の何人かは、終いには助けを求めるために、船の総支配人に直談判をしなければならなかった。

しかしそんなことは最悪のことではなかったのだった。地獄の3日間のクルーズが終った後、病気になった乗客らは、医療費相当額の請求書 を 突きつけられたのだ。

今ではRoyal Caribbeanの当局者は、病気になったすべての乗客に対する医療費の請求書は放棄したと言い、ウイルスの発生源を特定すべく、Health Canadaと米国のCentre for Disease Controlと密接に作業をしていると話している。

先月のCDCによる最近の検査では、その船は清潔度で100位中99位だとされ、大変に良好だとされた。その船は今や消毒され、新しい 乗 客を乗せてバンクーバーに戻る航海の途上にある。（BCTV News on Global: Tuesday, September 17, 2002）

イェーテボリ発。スウェーデン政府は、スウェーデンのウメオとフィンランドのバーサ間のフェリー会社に対し、助成金を支給しない決定を した。

この会社は免税制度が廃止された時、再編のためスウェーデンとフィンランド政府による2年間の財政支援を認められた。しかしその間、乗 客 数は減少し、スウェーデン政府によると、今日の交通量では維持し得ないようだという。これに先立ちフィンランド政府は、スウェーデン政府 が同じ決定をするならば、喜んで支援すると言明していた。（The Scandinavian Shipping Gazette: 18.09.02）

マイアミ発。世界一のクルーズ・グループのCarnival Corp.は、今日、ウォール街の予測を裏切って今期の収益は僅かに伸びたと発表した。

Carnival Cruise、Holland America、その他の主要な船会社を有するこのマイアミの船主はまた、数四半期に亘る旅客収入の減少は増加に転じるかもしれないことを示唆し、2002年の最終の収益 は年頭よりも高いものとなると言明した。

Carnivalは、8月31日までの3ヶ月間の利益は、1株当たり85セントと話した。年頭はCarnivalの利益は1株当たり 84 セント又は4億9500万ドルだった。第3四半期の収益は、イタリア政府による3400万ドルの免税に助けられたもので、これにより 2000万ドルの新船建造費と1300万ドルのクルーズのキャンセルによる損失を埋め合わせることができた。

Thomson First Callによる18人のアナリストは、Carnivalは1株当たり75セントから81セントの利益と予測し、平均で77セントと予測していた。

今期の収益は、船の寝台数を2.2パーセント増加したことに助けられたものだが、飛行機でクルーズ港に向かうための予約をする乗客が 減っ ており、1.4パーセント減少して144万ドルとなっていると、この会社は新聞発表で語った。

Carnivalと他の大手クルーズ客船会社は、米国に対する9月11日の自殺攻撃後、多くの船の転配を昨年行った。この攻撃は、端的 に 言えばクルーズ運航を混乱させ、業界は収益性のない低価格料金を選択することを余儀なくされた。

「経済の先行き不安、政治的不安、9月11日の長引く影響にも関わらず、当社は収益の改善を引き続き達成し、第4四半期には、総収益は 明 らかに好転する傾向にあると考えております。」と経営最高責任者のMicky Arisonは話した。（中略）

Carnivalはまた、業界第3位の観光クルーズ船の運航者、英国のP&O Princessを支配下に置くための戦いである、業界第2位のグループで競争相手のRoyal Caribbeanとの闘争において、未だに米国法に助けられていると言われている。独禁当局は近々、提案された両社の合併に関して裁決を下すものと見られている。

木曜日はウォール街で大手クルーズ株が下落したのを受け、Carnivalは1.45ドル、6パーセント近く下落して23.30ドルに 値 を下げた。この会社の株式はダウジョーンズの娯楽サービス株の他の株式と並んで、今年だけでも約17パーセント下落している。米国ダウ ジョーンズ全銘柄は、2002年に約27パーセント下落した。（Reuters News Service: Sept. 20, 2002, 1:47PM）

今朝早く機関室から出火した火災を、Stena Sealinkの旅客フェリーの職員が消火した。消防隊が待機していたダン・レアラ港に、今日の午前6時30分に到着する前に何とか火を消し止めた。 （online.ie: 21 Sep 2002）

動かない6号線を知恵もなく運転し、西海岸の主要道路で止めどなく渋滞している時間のある旅行者にとって、それは格子状になったイング ランドをゆっくりと進むものであり、正に本来の意味でのクルーズ（＝巡航）である。

最新の南北航路は、2つとない遺産巡り航路となった。しかし忍耐を要するものだ。その曲がりくねった321マイルは、遅延している Virginの列車よりも時間がかかり、1日に12時間進んで2週間もかかるものだ。

昨日、この1世紀以上の間で最初の新しい運河であるMillennium Ribble連結が公式に開通し、マンチェスターに石炭を運搬するために最初の運河をBridgewater公爵が建設してから240年後に、環境大臣のMargaret Beckettが水運の新しい全盛期の誕生を宣言した。

この新しい４マイルは、国内の2000マイルの運河網と繋がる、陸地に囲まれたランカスター運河に接続するものであり、ナローボート （＝ 細い船）でロンドンから湖水地方の縁に行くことが初めて可能になった。

賞賛すべきボランティアである運河網を運営するBritish Waterways会長George Greenerが、長らく北に運河を伸ばすための運動をしてきたが、「長い間の夢だった」ロンドンと湖水地方を水運で結ぶことが遂に現実のものとなった、と語った。

計画は今や別の地区での開設に進んでおり、国内水運復興の5億ポンド計画の一環として、カンブリアのKendalに向けて進んでいる。 過 去10年間に、20億ポンド以上が運河網に注ぎ込まれている。

この新しい600万ポンドの地区は、ランカスター運河とリーズ・リバプール運河の支流とを結ぶもので、1894年にマンチェスター運河 が 開通して以来の新水路の開設となる。9個の水門と4つの橋が架かるものであり、Ribble河口を一部横切るので、潮の影響を受けること となる。

「船乗りは念入りに訓練されたものでなければならず、我が職員による4マイルの移動の間、補助することとなります。」とBritish Waterwaysは注意した。

北に伸びる運河網の期待は胸の踊るものだった。「いつの日か、イングランド南部から湖水地方にクルーズをすることが出来、多くの旅行者 や 新しい仕事、そしてより良い環境が北西部にもたらされることであろう。」と銘盤には書き加えられた。

北部を旅することが複雑だからと言って臆病になることはない。ロンドンからは、リジェント運河から旅を始め、何時の間にかリトル・ベニ ス に入ってグランド・ユニオンに至り、そしてオックスフォード運河からミッドランドに到着することとなる。

バーミンガムを避けるには、コベントリー運河がストークを通過してトレント、マージーに行くのに最適だ。ここでは最近、アンダートン・ ボート・リフトが再開され、「運河の大聖堂」と描写されている。そしてバートン水道橋を越えてブリッジウォーターやリーズ・リバプール運 河へ。全部で190の水門がある。

時間だって？British Waterwaysでは2週間半かかると話している。「しかし本当にぶっ通しで頑張りたいのならば、理論的には1日12時間、1週7日間で、約14日で行けますよ。」と話 した。「それだと6号線を使った方が、まだましでしょうけどね。」（The Guardian: Saturday September 21, 2002）

2002年9月23日。先週行われた選挙でMinoan Lines S.A.のK. Sarris氏がギリシャ旅客船船主協会の会長に選出された。ANEK Lines S.AのI. Manousogianakis氏は副会長に選出され、一方Maritime Company of LesvosのA. Athinaios氏は監査役に選出された。Hellas Flying DolphinsのAgapitos氏は協会の書記に留任し、D.A.N.E. Sea LineのD. Koukoulas氏が副書記に選出された。（reporter gr: 15:14 - 23 September 2002）

9月26日、アテネ発。ギリシャで最悪の海難から2周年を迎えたこの日、80人の犠牲者の遺族達は嘆き悲しみ、裁判で関係者の責任が軽 減されたことに対して怒りを表明した。

Express Saminaが500人以上もの乗客を乗せたまま、この島の主要港の沖にあるよく知られた岩礁に衝突して沈没した際に溺れ死んだ人達を偲ぶため、木曜日、エーゲ海のパロス 島の教会に何百人もの人々が集まった。

そのフェリーの船長と上級船員は、当初、殺人罪と乗客の面前で船舶を放棄したことを含むその他の重罪により起訴された。しかし2週間前 に その訴追は軽罪に軽減され、生存者と遺族達を激怒させた。この訴因変更は船長と上級船員が収監されないことを意味するものだ。

「政府は11月の17人のテロリストを投獄しようとしていますが、あの連中は27年間に23人しか殺していないんですよ。」と、ある生 存 者は最近逮捕された都市ゲリラ・グループのことに言及しつつ話した。「Saminaの船員は、弟を含む80人の人々を一夜で殺したんで す。」と匿名を希望する女性の生存者は語った。

船長は、衝突時にうたた寝をしていたと証言している。上級船員は、エーゲ海で最も在り来たりの航路の一つにある岩礁を避けるために船の 舵 を切ろうとしたと主張した。

「あれだけの犠牲者がいたのですから、過失が軽いわけがありません。今後こうしたことが起こっても、刑務所に行かなくて良いことが分 かっ たら、誰も安全性について気を払うことをしなくなるでしょう。」とパロス市市長Kostas Argouzisは語った。

多くの外国人観光客を含む生存者達は、暗黒の海に投げ出されて僅かな救命胴衣と浮遊物にしか掴まることができなかった一夜の恐怖を語っ て きた。船員は役立たずで、救命設備が不十分だったと語っている。多くのパロスの漁師達が現場に急行して、海の中から少なくとも400人の 人々を何とか引き上げたのだった。（MSNBC Europe - International News: Sept. 26）

9月27日、マイアミ発。今日、Cunard Lineと2004年オリンピック組織委員会のAthens 2004は、Cunardの8億ドルのQueen Mary 2を、大会期間中、海上ホテルとしてギリシャのピレウス港で使用するための覚書に署名した。この1,310室の豪華船は、2004年8月12日にピレウスに到着し8月30 日まで停泊する。

「Cunard Lineはオリンピック発祥の地、ギリシャでの歴史的イベントに参加でき、大変にうれしく思います。」とこの会社の上級副社長で販売市場調査担当のDeborah Natansohnは語った。「アテネ組織委員会によって選ばれたことは大変な名誉であり、とてもワクワクする手続きの最初の一歩で す。」

アテネ組織委員会（ATHOC）の実行責任者Spyros Capralosは、「Queen Mary 2は13,280人以上にのぼる客を収容する11隻の海上ホテルの中心になる。この世界で最も新しくそして荘厳な豪華船が、アテネでの2004年オリンピックのフラグシッ プとなることをうれしく思う。」と語った。

2004年1月に就航する予定の15万トンのQueen Mary 2には、多くの階段、広い遊歩甲板、贅沢な船室、海側の豊富なスィートがあり、客室の4分の3近くには専用のバルコニーが付いている。設備は、10の食堂、いくつかの優雅 なバーとショー・ラウンジ、世界的に有名なCanyon Ranchが運営するヘルス・スパ、世界初の洋上プラネタリウム、英国人乳母の完備した子供用施設、屋内屋外のプール、浴場、洋品店がある。

Cunard Lineは1840年以来、世界で最も有名な遠洋定期船を運航してきた。Cunardの船隊は古典的な英国の遺産であり、Queen Elizabeth 2やCaroniaが含まれる。2003年12月に、この船会社は元のQueen Maryの魅力を彷彿させるQueen Mary 2を迎える。Queen Maryは現在カリフォルニア州のロングビーチでホテル兼娯楽施設となっている。2005年には、今のところ名前のわからない新船が加わることになっている。

Cunardは、独占的な世界の指導的なクルーズ客船会社の連盟の会員であり、ここにはCarnival Cruise Lines、Costa Cruises、Holland America Line、Seabourn Cruise Line、Windstar Cruisesもまた加わっている。そしてこれらの会員は、広範なライフスタイルと予算に応えるクルーズ休暇を提供すべく品質と価値を分け合っており、世界で最もワクワク するような目的地に航海している。（Organisers: September 27, 2002 3:39pm）

セネガル、ダカール発（CNN）。セネガルのフェリーの沈没で家族が死亡した虞のある多くの怒った人達が、どのようにして惨事が起きた のかについて回答を求めてダカールの大統領府の前で抗議している。

当局によると、104人が救出され、300体以上の遺体が収容されたが、依然何百人も行方不明のままだという。796人の乗客と船員が 乗 船していたという。

セネガルの首相は、その事故は木曜日の午後11時頃に起きたもので、Le Joolaという船はCasamanceからダカールに向け嵐の中を航行していたと話した。

フランス人の生存者Patrick Sauvreyは、横からの風により船が押されていたが、乗船していた人々の重量により転覆したのかもしれないと話す。

「風と雨が酷かったので、多くの乗客は風を避けて船の一方に移動したに違いない。それで船のバランスを崩したのだと思う。」と Sauvreyは話した。

別の生存者Silvany Olimpio Badjiは、乗客の多くは食堂に集まっていて、バンドの演奏を聞いていたと語った。

「突然、船が傾いて、音楽が止んだんです。人々は捉まろうとしていました。スーツケースやバッグがそこら中に降ってきました。私は窓か ら 波が入ってくるのを見たので窓を閉めようとしました。するとすべてのスーツケースが滑り出してきて、出られなくなりました。」と病院の ベッドの上で詳細を話した。「私も他の人も金切り声を上げ始めました。「うるさい！静かにしろ！」　しかしそのとき船が転覆したのです。 窓は一つだけあって、皆がその窓から外に出ようとしました。」とBadjiは話した。

遺体を収容しようとして、ガンビア沿岸沖の事故現場を救助艇が未だに周回している。多くは船に閉じ込められている。

Abdoulaye Wade大統領は、苦しみを共有しているとして犠牲者の家族を慰めた。そして事故原因を究明することを約束した。月曜日に報告すると語った。またその船が外洋に向かうべき であったかについて疑問だとした。

「Joolaは河川や湖沼用の船で、外洋向けのものではないのです。」と大統領は話した。「Joolaは外洋に出ていたものではなく、 沿岸から僅かに45キロ程のところにいました。しかし船底は船の高さに比して弱く、その船は背が高すぎ、長過ぎるものだったのです。」

そのフェリーは修理のため1年以上も運休した後、僅か2週間前に運航を再開したものだった。その船の前の船長によると、旅客定員は 800 人だったという。

「事故の状況を見ると、完全に悪天候に原因があり、技術的な問題には咎められるべきものはない。」とフリゲート艦の艦長El H. Habibou Fayeは語った。

Le Joolaはドイツで建造されたもので、古いCasamanceの急行フェリーに代わって1990年に就航した。全長79メートル、全幅12メートル、2基のエンジンと最 新の救命設備を備えていた。（CNN: Sunday, September 29, 2002）

クルーズ客船会社は、テロリズムを保障する保険の危機を避けるため、政府の援助を模索している。P&O PrincessやCarnival、Royal Caribbeanといった大手は、1月の保険の更新時に保障する余裕がなくなることを恐れている。他の会社は概して拒否されることになるのかも知れない。

業界筋は、9月11日の後、航空会社に緊急援助したように、この「最後のリゾートの保険業者」になってくれるよう説得するため、経営陣 が 英国、大陸、米国の政府当局と会談したと話している。

あのテロ攻撃以来、テロリストにより乗客が殺傷された場合に支払う第三者責任を保障する保険料は急騰している。客船会社には、テロ事件 後 の収益減少のような、分かり易いリスクを保障するようなものも販売されている。

現代のクルーズ船は4000人以上もの乗客を輸送でき、攻撃には脆弱だ。しかしPLOの一派により1985年にイタリアの船 Achille Lauroが乗っ取られて以来、大きな事件は起きていない。（The Daily Mail: Mail on Sunday 29 September 2002）