フェリーとクルーズ船のポータル・サイト

2004年2月の海外旅客船情報

同じ海域を往復し、同じようなお得意様を相手にしている船ではあるが、遠洋定期船とクルーズ船にはどんな違いがあるのだろうか。すべて は設計に違いがある。

遠洋定期船は、荒天の海を横断して速力を出すのに最適な船型に設計されている。滑らかで比較的背が低く、厚く曲がった鋼の船体（船首の 厚 みは2インチ以上）である。Queen Mary 2の最高速力は、クルーズ船が22ノットであるのに対して29.6ノット。

遠洋定期船は、定期に長距離の2点間を乗客と貨物を輸送するように設計されている。遠洋定期船の船内の配置は、クルーズ船のようにけば け ばしくなく、遠洋を横断する間、乗客が洋上で過ごせるよう快適な部屋のバランスが強調されている。

クルーズ船は平坦な側面の船体で、背が高く広くなる傾向にある。乗客が気持ちの良い天候を楽しめるよう、窓は広く、ベランダや甲板の空 間 があるように設計されている。通常、数カ所に寄港しながら往復航海をする。目的はクルーズ（＝船旅）それ自体にあり、最終目的地にあるの ではない。

クルーズ船は港湾間を移動する転配期間において、遠洋定期船の役割を演じる。毎年春と秋に、多くのクルーズ船がパナマ運河を通過してフ ロ リダとアラスカ間を航海するか、季節クルーズ市場に向かうべく大西洋と太平洋を横断する。（Oregonian: 02/01/04）

2004年2月1日。世界で最も新しく、最も大きく、最も高価な旅客船で大西洋を横切って来た。Cunard Lineの7億8000万ドルのQueen Mary 2の処女航海は、映画「Titanic（タイタニック）」が公開されて以来、最も期待されたクルーズの出来事であった。しかしQM2は大げさに宣伝されていたのでは？

私と妻は長らくクルーズ記者をしているが、王室ほど敬意を集めている名前はないことが判っている。イングランドのサウサンプトンからフ ロ リダ州のフォート・ローダーデールまでの2週間の航海で、10ヶ所の夕食会場の内、9ヶ所で食事をし、5つのプールのうち数ヶ所をぶらつ いた。HermesやDunhillのようなシックなブティックで買い物をし、Oxford Universityの専門家によるHarry Potterから偽物の化石までの講義を聴き、世界で唯一の洋上プラネタリウムで遥かかなたの宇宙を一瞥した。Cunardの最新の定期船は、現代的なものを取り入れる一 方で、有名な先代のQueensの環境を保とうとしている。

QM2も非凡な環境を提供している。ど派手に宣伝されたプラネタリウムを別にすれば、屋外映画館と、用意された皿が次々に出てくるシェ フ がご馳走を出す食堂がある。加えて、初めての洋上のCanyon Ranchのスパ、シャンペン・バーのVeuve Clicquot、HermesやDunhillの店舗、Toddの英国食堂がある。

Queensの自慢の料理は手間をかけたもので、優雅なTodd英国食堂のクリーミーな菊芋のポレンタ（＝イタリア風の粥）のヒラメの 蒸 し焼きから、騒々しいGolden Lion Pubのマッシュポテトまでの中から選択できる。最高額を支払った乗船客向けのQueens Grill、やはり高級船室に制限されているPrincess Grill、そして豪勢なBritanniaで出された料理に関する意見は様々だ。すべてのメニューはDaniel Bouludによるもの。

乗客には、194フィートの船室にいる予算を気にしている者から、1万6000ドルのペントハウスにいる大立者まであらゆる者がいる。

クルーズの始めには、誰かとてつもなく重要な人物が乗船しているという噂があった。その最たるものはCharles皇太子とご子息の WilliamとHarryが超豪華な船室の一つを占有しているというものであったが、ウソであることが判った。

必然的に乗客はCunardの先代のQueensとの比較を始めることとなった。QE2に乗船したことがある者が大勢おり、私が旅行中 に 出会った少なくとも2人が、3隻のQueensのすべてに乗船していた。

「QE2と比べなければ、良い船ですね。」とボストンのChristine Pattonは話した。若い頃、Queen MaryとQueen Elizabethに乗船したことがあり、その後QE2に乗船したという。

メーン州ケネバンクポートのJane Cardは同意見だった。「QM2はQE2よりも個性的ですね。」と語った。

他の人は、この新船が気に入らなかった。

「QE2の方がずっとサービスがよかったですよ。」とフロリダ州ネイプルのBob Bengerは言った。QE2で「少なくとも」10回は航海しているという。

「2度とQM2には乗らないだろうね。」　そう宣言したのはボストンのJames Davisである。QE2とSeabourn Cruisesの常連客であるが、「プレミアム（＝貴重な）」バルコニーが、鋼鉄の船体を刳り貫いたものだったという。「そのバルコニーに行ってご覧なさいよ。空しか見え ないですよ。」と言った。「それに便所ときたら、ボーイング747の便所の大きさです。」

別のよくある苦情がサービスの悪さであった。多くの乗客は、食堂のBrittaniaでは料理が出てくるのが遅いか、冷めているか、そ の 両方だったと言っている。

「料理は良かったが、サービスがなっていないね。」　フロリダ州ポート・シャーロットのBob Barnofskyは言った。Brittaniaではワイン・スチュワードを45分も待ったが、ウエイターからこのメッセージを受け取ったという。

「ワイン係は忙し過ぎて貴方のご注文にお応え出来かねますので、宜しくとのことです。」

サービスが遅いのではなく、サービスできる環境ではないのだ。

しかしそのうち改善されると思っている人もいる。「日毎に職員が自信をつけて行くのが判りました。」とホテル支配人をしている乗客の Thomas Renneslandは話した。

乗船客の平均年齢は60歳以上であり、深夜のクラブはQueensほど高い評価を得られていない。しかし若い乗客用の深夜のディスコ は、 若い顧客を基盤にしようとしているCunardの計画では、QM2の重要な歯車となっている。

「QE2と同じような体験を期待している向きからは、それが出来ないことになりますね。」とロングアイランドのバビロンで稀本を販売し て いるLowell Simpsonは話した。「これはずっと開かれた船で、多くの老人を少しばかり挫かせるものでしょう。若い人の人気は集めると思いますよ。」（New York Post: February 1, 2004）

2月2日、台北発。台北（タイペイ）に本拠を置くUNI Airways Corpは、今月下旬に厦門（シアメン）に本拠を置くフェリー会社と台湾海峡の両岸を旅行する台湾人実業家を乗せる合弁事業を始める計画をしている、とこの航空会社の広報 担当者は話した。

UNI Airwaysと厦門に本拠を置くフェリー会社が立ち上げる合弁事業は、「小三通」の枠組みの下、2月16日に始まるが、厦門と離島の金門（チンヌン）島を経由して台湾の 適当な目的地とを結ぶ海路空路往復クーポンは、5,200新台湾ドル（155米ドル）となる、と広報担当者は話した。

乗客はまず厦門から金門島にフェリーで渡り、それからUNIの飛行機で、島から台湾の適当な目的地、台北（タイペイ）、高尾（カオシュ ン）、台中（タイ チュン）、台南（タイナン）、嘉義（チアイー）に向かうこととなる、と説明した（後略）。（BBC Monitoring Asia Pacific: 2004-02-02）

港湾及びフェリーの会社であるP&Oは、グループの港湾における投資を増やすために、来年度の配当を3分の1に削減する。

P&Oではまた、1997年にRoyal Nedlloydと共に設立したコンテナ海運の合弁企業、P&O Nedlloydの投資金の50％を、1億4700万ポンドでオランダの共同経営者に売却しているとも発表した。これは、グループが事業の中核の港湾経営に集中することを も意味する。

P&Oは、2年前に世界第4位のコンテナ海運会社であるこの合弁企業の投資を減らすことで騒ぎ立てたことがある。

昨年、P&Oの会長でPlaistowのSterling卿は、2002年に、P&Oから1億3500万ポンドもの赤 字 をこの合弁企業が引き出したことから、グループの持分を10パーセント未満に削減したいと強調していた。しかし、コンテナ海運の比率は中 国需要の好景気を反映してそれ以来急騰し、P&O Nedlloydは最近、好調な第3四半期の収益を発表していた。

P&O株は昨日の午前の取引で9パーセント下落したが、234ペンス、3パーセントの下落に回復して取引を終えた。投資家は P&Oが現在の水準の13.5ペンスから、2004年度には年間の配当金を9ペンスに削減することに失望した、と分析者は話して いる。またP&O Nedlloydの投資の売却は、これまでやってきたような「申し分のないもの」ではないとも話している。しかし30年に亘ってP&Oの舵取りをし来年辞職する Sterling卿は、配当政策の変更は支出の「再出発」であり、将来、再び成長をし始めると話した。

Nedlloydの取引は5200万ポンドに上る損失をP&Oに与えることとなるもので、Carnivalに35億ポンドで買 収 された、この会社のクルーズ船事業の分割と同じくらい重要なものだと会長は話した。P&Oでは港湾運営に投資する現金を生み出す ため、資産や事業を売却してきた。昨日この会社は、2億5000万ポンドの資産を売却する計画もしていると話した。

グループがもがいている英国のフェリー事業の荷を降ろすのかと聞かれて、Sterling卿はこう語った。

「多分、将来は違った生き方をすることになるでしょうが、現在のところはフェリーはP&Oの一部であり、感情的に語ることは致 し ません。まず当社がやらなければならないことは、収益性を維持することです。」

P&Oでは、フェリー事業は未だに「改善の徴候が殆ど見られない困難な営業環境」による直撃を受けていると話している。会長 は、 会社はコスト削減を図っているが、昨年の600人の余剰人員の削減に上乗せすることはないと話した。（The Times: February 03, 2004）

トンスボルイ発。Norwegian Coast Expressの乗客数は、2002年度と比較して昨年度は3.5パーセント減少した。昨年の最終四半期に15パーセント落ち込んだのが響いたもの。

昨年の10月、11月、12月の乗客数は、それぞれ13パーセント、16パーセント、17パーセント減少し、10月には南行きで20 パー セントも落ち込んだ。（The Scandinavian Shipping Gazette: 03.02.04）

シドニー発。オーストラリア最大の都市のホテル経営者と旅行業者は、観光に訪れたドイツ人の洪水に、水曜日、よだれをたらしていたが、 シドニーでドイツの人気テレビ・シリーズ「Das Traumschiff（夢の船）」のロケが行われる。

この番組は20年間に亘ってドイツで放送されている代表的なテレビ番組で、豪華船とその寄港地のお話だ。今月下旬に放送される90分の 挿 話では、ハーバー・ブリッジやオペラ・ハウス、タロンガ動物園と波止場にある植物園の映像がふんだんに出てくることとなっている。

「これはお金では買えない宣伝です。全編シドニーで撮影されて、1000万人の人が見るのですから。」　ニュー・サウス・ウェールズ州 観 光大臣のSandra Noriは語った。「この番組を見た多くのドイツ人が、MS Deutschland（＝ドイツ）で登場人物が行く場所に行きたいと思うわけで、今回はシドニーが脚光を浴びるのです。」

Noriは、昨年71,700人のドイツ人が、ニュー・サウス・ウェールズ州を観光で訪れたと話した。オーストラリアを訪問した観光客 の 総数は、昨年よりも2パーセント減少して470万人となったが、ドイツからの観光客は9パーセント増えている。（Expatica: 4 February 2004）

ニューヨーク発。1904年に火災を起こして沈没した遊覧フェリーGeneral Slocumの最後の生き残りと思われているAdella Wotherspoonが死亡した。100歳であった。

Wotherspoonはニュージャージー州のBerkeley Heightsの療養所で死亡した。親しい友人のJulia Clevettが水曜日にNew York Timesに語った。この引退した教師は1月26日に死亡した、と新聞は伝えている。

南北戦争のHenry Warner Slocum陸軍少尉に因んで名付けられた遊覧フェリーが、1904年6月15日にドイツ系アメリカ人の教会の信者達のグループが遠足に出掛けた時に火災を起こしたが、こ の時Wotherspoonは生後僅か6ヶ月であった。

多くの情報源によると、この事故では乗船していた1,300人中、1,021人が死亡したという。Wotherspoonの両親、 AnnaとPaul Liebenowは助かったが、家族をこの事故で失ったということだった。General Slocumの火災沈没事故は、2001年9月11日まで、都市で起きた最悪の悲劇であったが、米国の歴史上、最悪の海難の一つである。

1865年のミシシッピー河のフェリーSultanaの爆発事故では、1,400人以上の南北戦争の兵士が死亡し、1912年の大西洋 上 におけるTitanicの沈没では、乗船していた2,200人のうち1,517人が死んだ。

「Titanicにはとても多くの有名人が乗船していました。」　Wotherspoonは1999年にGeneral Slocumの火災記念式で語った。「こちらは単なる家族で行くピクニックでした。」

WotherspoonはGeneral Slocumの直接の記憶はないと言い、夫と何回もクルーズに出かけたと話していた。悲劇的事件を記念することは、「生存者や生存者の関係者の大いなる救済となる」と語っ ていた。（Guardian: Wednesday February 4, 2004 5:16 PM）

マニトウォクでSS Badgerを運航している運航者は、ミシガン湖が別のフェリーを使うには十分な大きさがないかもしれないことを心配している。

SS Badgerは、マニトウォクからミシガン州のラディントンを結んでいる。6月1日にミルウォーキーとミシガン州マスキーゴン間に新しい競合他社が、Lake Expressを就航させる計画を立てている。

マニトウォク市長のKevin Crawfordは、ミルウォーキーのフェリーは州政府の認可を受けており、Badgerが破産しそうになったかなり前から連邦政府から資金を借り受けていると話してい る。Crawfordは、法規は共同体の大小に関わらず等しく適用されるべきだと言っている。

Lake Expressの運航者David Lubarは、これは譲歩できるような計画ではないと話している。彼の会社は精力的に申請手続きを進めてきた。Lubarは、ミシガン湖に2隻のフェリーが浮かぶ余地はあ ると話している。（FOX 11 WLUK: February 4, 2004）

マイアミ発。Royal Caribbean Internationalのクルーズ船で、木曜日、厨房で火災があり小破したが、怪我人はいなかった。

Majesty of the Seasで午前4時47分に出火し、乗客は起こされて救命艇位置に集合させられたが、21分後には消火した、と会社側は声明の中で述べている。Windjammer Cafeの十分に熱くなった揚げ物用の鍋から出火したが、Windjammer Cafeは損害を蒙ったため閉鎖された。

船には2,376人の乗客と829人の乗員が乗船して4泊のクルーズをしていた、とマイアミに本拠を置くこのクルーズ客船会社では話し て いる。

本船は月曜日に出港して、出火当時キー・ウェストに向かっていた。マイアミには金曜日に戻ることとなっている。（Miami Herald: Posted on Thu, Feb. 05, 2004）

オチョ・リオからモンテゴ・ベイに向かっていた救急車が運転を誤って衝突し、米国の高齢のクルーズ船客が死亡し、その妻と他に2人が昨 日怪我をした、と警察は今日話した。

死亡した男性は、米国のメリーランドのHarold Fox（84）と判明している。妻のCarolは病院で手当てを受けて退院した。

警察では、当地に寄港したクルーズ船Atlanticaの乗客のFoxが発病し、妻と共にモンテゴ・ベイ近くの病院に搬送途中、事故が 起 きたと話している。（Advertiser: 07feb04）

Norwegian Cruise LineのPride of Americaが浸水したドイツの造船所が、破産の申し立てを行った。

ヨーロッパの報道によると、今日、ブレマーハーフェンのLloyd Werftは、マイアミに本拠を置くNCLに対して債務があり、造船所は返済不能の宣言をする以外に選択の余地がなくなった。NCLでは、適切に全ての支払いがなされてお り、「本船の引渡期日と連動している」と話した。

改装中のPride of Americaは、先月、造船所で暴風雨のため第3甲板まで浸水した。NCLでは、批判のあるハワイ島嶼間の運航に、今年の夏、本船を就航させる考えだった。本船は今週、 浮揚されるものと見られているが、引渡は数週間遅れることとなっている。NCLは就航に別の船を使うことにしている。（Miami Herald: Posted on Mon, Feb. 09, 2004）

沿岸警備隊は、ファニング島の北90マイル、ハワイの南1,200マイル程のクルーズ船から飛び降りたものと見られる行方不明となって いる船員の捜索を、今朝、再開した。沿岸警備隊では、日の出と共に行方不明の男性の捜索を開始すべく、今日午前3時に、飛行機のC- 130を派遣した。

沿岸警備隊によると、昇給したにも拘らず24歳のフィリピン人船員は、船の厨房で芋の皮むきの監督をする「ポテト・マン（＝芋係り）」 に 昇進したことに不満を持っていたという。

クルーズ船Crystal Harmonyは、昨日午前7時頃、ファニング島に接岸し、その船員は、午前9時30分の勤務報告を怠った。そこで船員らがその小さな環礁を探したが、足取りがつかめな かった。乗客らは上陸したが船に早く呼び戻され、本船はその男性を発見すべく、昨日の航路を辿ったという。

その船員は昨日の午前1時頃、船にいるのを目撃されている。沿岸警備隊では、午後1時にその男性の失踪の連絡を受け、昨日、500平方 マ イルを捜索した。Crystal Harmonyは、バハマ船籍のCrystal Cruises.の船。（Honolulu Star-Bulletin: Monday, February 9, 2004 1:57 PM HST）

クアラ・ルンプール発。マレーシアのクルーズ運航者Star Cruises Ltd.(S21.SG)は、木曜日にSuperStar Ariesという船を、運航合理化の一環として、スペインのクルーズ客船会社Pullmantur Cruisesに売却したと発表した。

この売却は1月15日に発表されたSuperStar Capricornの売却に引き続くものであり、アジア市場に適した中型船舶をグループは保持できることとなった、と会社は付け加えた。

「当社では、絶えずしかるべき船舶の売却の可能性を見ており、当社の意図していた物の売却の機会があったのであり、SuperStar Ariesの売却の確認は、そうした方向に向けて別の段階に踏み出したものです。」とStar Cruisesの最高運営責任者のChong Chee Tutは話した。Star Cruisesでは売却額を公表していない。

SuperStar Ariesは37,000総トンの船で、1999年にStar Cruisesが取得した。現在、マレーシアのポート・クラングを本拠として外航・内航クルーズを行っている。

マレーシアのカジノ経営のGenting Bhd. (3182.KU)は、Resorts World Bhd. (4715.KU)の約55.2％を保有しており、そこは世界第3位のクルーズ客船会社のStar Cruisesの34.4％を保有している。（Dow Jones: Thursday February 12, 2:57 PM）

サン・フランシスコ発。オンライン検索エンジンの指導者Googleは、大手クルーズ客船会社の下水の処理方法に抗議している環境団体 の広告を、人気あるウェブ・サイトの儲かる市場調査プログラムを規律している編集方針に照らして禁止した。

2年半活動している非営利団体であるワシントンD.C.に本拠を置くOceanaは、Royal Caribbean Cruise Linesを批判していることから、Googleがウェブ・ページの右端にある影をつけた箱の中に表示させているテキスト主体の広告を外 したと話した。

Oceanaは、Royal Caribbeanがその船舶から出す不適切に処理された下水によって海洋を汚染していると考えており、「cruise vacation」や「cruise ship」のような用語をGoogleの検索エンジンに記入した時に、広告を表示させて有料でその告発を公表することを望んできた。この広告は「世界の海洋を守るために私 達に支援を」というもので、Googleがページから削除するまで、先週はしばらく表示されていた。

Oceanaがこの規制に異議を唱えると、Mountain Viewに本拠を置くGoogleは、電子メールで「Royal Caribbeanを批判する言葉」を含む広告は、受け容れられないと返答してきた。Oceanaの広告はRoyal Caribbeanに直接言及するものではないが、Googleの利用者がマイアミに本拠を置くクルーズ客船会社を批判するウェブ・ページに行けるようにリンクが張られて いた。

この決定で、Oceanaの開いた口が塞がらなかった。というのは検閲や情実の匂いが濃厚であったからであると、この団体の運営最高責 任 者のAndrew Sharplessは語った。

「我々は驚いています。というのは、Royal Caribbeanから電話を受けたかということを連中は聞いてきたからですよ。」Sharplessは木曜日に話した。「それを証明することはできませんが、濃厚なので す。」

GoogleもRoyal Caribbeanも、Oceanaの広告を外すために圧力をかけたことを否定している。広告は他の団体や会社を批判するものでGoogleの方針に反するものであった、 と広報担当者のCindy McCaffreyは話した。

「当社では従って頂きたい編集上の指導基準を持っております。」　McCaffreyは話した。

Googleの広告方針は、決められたやり方に沿ってする非商用的な検索結果には、影響しない。

Royal Caribbeanの広報担当者Michael Sheehanは、広告禁止に関するOceanaの言い分を、「お笑い種で、何の根拠もないもの」と表現した。（Miami Herald: Posted on Thu, Feb. 12, 2004）

テンスベルグ発。ノルウェー最大の内航フェリー会社のNore og Romsdal Fylkebatarは、Fjord1という商標を用いているFylkesbaataneと合併する模様。合併後の会社は、2,300人の従業員を擁し、年間売上高が17 億ノルウェー・クローネ（1億9,200万ユーロ）となる。

Fjord1は、メーレ・オー・ロムスダル州とソグン・オー・フィヨーラネ州に所有されていた。（The Scandinavian Shipping Gazette: 13.02.04 14.19）

ボルチモア発。メキシコ湾の病気のクルーズ船に乗船している乗客が、状況が悪化していると話した。WBAL-TV 11 Newsのアンカーマン（＝ニュース総合司会者）であるRod Danielsは伝えた。

ハワード郡のある一家が木曜日、Carnivalのクルーズ船Celebrationの甲板から11 Newsに電話をかけてきた。この船はテキサス州ガルベストンを月曜日に出港し、メキシコのコスメル、カリカに向かっていた。

リスボンの医学博士Bradley Pittは11 Newsに対して、この24時間以内に乗客が発病し始めたと語った。木曜日、Carnival Cruise Linesの広報担当者は11 newsに対し、300人近くが発病しており、恐らくはノロウイルスによるものだと話した。金曜日、ここの代表者は人数は僅かに増加したと話したが、Pittは11 Newsに対して、ずっと多いと語っている。

「医務室は閉鎖となり、医療職員はここのところ寝ていません。」とPittは話した。

本船は土曜日の朝にガルベストンに戻る予定。疾病対策センター（CDC）の職員は乗客の症状がなくなるまで船から乗客を下船させること を 許可しないとの警告を本船は受けている、とPittは話した。金曜日の夜、CDCは11 Newsに対し、本船が接岸次第、全ての乗客が船から離れることが許可されるだろうと語った。

別のクルーズが土曜日に出発ということになっていたが、行きたくない乗客には全額払い戻す、とCarnival側は話した。またこのク ルーズで感染した乗客にも、全額払い戻されるとも語った。（WBAL Channel.com: 8:03 PM EST February 13, 2004）

リンコビング発。フロリダを本拠とするInternational Shipping Partners Incは、その保有するro-pax船「Regal Voyager」をインドで解体するため売却した。これで不幸の星の下にあった「Scandinavian Star」は、終わりを迎えることとなる。

このフェリーは、1990年4月にオスロからフレデリクスハウンに向かう途中で火災を起こし、158人が死亡した。1994年以来、こ の フェリーは刷新して「Regal Voyager」の名前で、主としてカリブ海海域で運航されてきた。軽荷排水量6,207トンの船は、トン当たり240米国ドルで売却され、米国東部海岸のサウス・カロラ イナ州にいる。解体船にしては非常に高い価格により、買い手は何年も見受けられなかった本船の居場所を確実なものとした。（The Scandinavian Shipping Gazette: 16.02.04 13.42）

先週、中程度のAzurをヨーロッパのクルーズ客船会社が1230万ドルで売却したことから、約25人に上ると見られるオーストラリア 人のクルーズ船客は、無料でFestival Cruisesの「プレミアム（＝貴重な）」船の1隻に昇格することとなった。

Festivalのシドニーに本拠を置くGSA Moray Travelの常務取締役、James Pegumは、Festivalが財政地獄から再浮上すべく努力する中で、Discovery級のAzur、Bolero、Flamencoを引退させることを確認した。

Festivalは4隻の船を維持することとなる。すなわち、1,500乗りのEuropean StarとEuropean Vision、1,200人乗りのMistral、そしてキューバから傭船した500人乗りのCaribeである。

Pegumは、Azurは1250万ドルで売却されたが、どこが購入したのかは知らないと話した。Azurに乗船予定の約25人のオー ス トラリア人客は、Festivalの「プレミアム」船であるEuropean Star、European Vision、あるいはMistral のうち1隻から無料選択できることとなる、と話した。BoleroとFlamencoの傭船合意の終了で、オーストラリア人の予約に影響を与えることはなかった、と Pegumは話した。

European Vision、European Star、Mistralは、1月にFestivalの債務不履行で差押えられたが、すべて予定通り復帰することを確認した。（Traveltrade and Travel Week Australia: February 17, 2004）

フランスのフェリー事業者Emeraude Linesは、昨年11月にSogestran groupに引き継がれたが、2月12日にチャンネル諸島へのフェリー運航を再開する。

この会社はEmeraude Jersey Ferriesに商号変更し、高速船Aline（前のSolidor 4）が当初就航する。本船は直ぐにSogestranのダカール―Ziguinchor航路に就航し、450人収容のこの会社の大型フェリーSolidor 5と代替する。（Ferrynews: 17th February 2004）

2人のクルーズ船客が、スーツケースのズボンの中に詰め込んでベネズエラから45ポンドのコカインを密輸しようとした、と当局者は語っ た。

Juan David Cordona-Correa（19）とJavier Andres Ramirez-Ramirez（22）は、Holland America Line IncのNoordamに乗船していた。移民税関局によると、このコロンビア人はコカイン頒布の目的で所持していた疑いで起訴されたという。

周旋人のJose Changは、先週夜遅くにタンパ港で面会した際に当局に協力することで合意していると宣誓供述書で述べている。

男性らは捜査官に密輸しようとしたコカインに4万ドル支払うこととなっていたと供述しており、マイアミにコカインを持ち込むことで協力 す ることとなっていた、他の2人のコロンビア人のことを捜査当局に自供した。Yovani Andres Eraso-Silva（21）とDiego Fernando Lozada（25）も、同容疑で逮捕された。

4人の男性は合衆国に観光ビザで入国しており、保釈は認められない条件で勾留されている。弁護人を選任したか否かは、直ちには判らな かっ た。（Sarasota Herald-Tribune: February 18. 2004 4:08AM）

ダンマンとドバイ間に旅客定期船の運航が直ぐに始まる。King Abdul Aziz港湾局は、港にバースを建設する計画を承認した。

運輸大臣で港湾役員会の会長であるJabara Al-Seraisry博士は、KAAの港湾監督であるNaeem ibn Ibrahim Al-Naeemが率いる委員会が驚くべきものを建設すると語った、とArab Newsは伝えている。

現在、港湾においては商船と油槽船のみを扱っている。かなり以前から、ダンマンへの旅客運航の要望はあった。King Fahd Causewayが開設される前から、アル・ホバルとマナーマ間で船舶の運航がなされていた。

記事では、計画で提案されたバースでは、まずダンマンとドバイ間の旅客定期船を扱い、その後、他の湾岸諸国に拡大すると伝えている。

大臣は、新しいターミナルと旅客運航の導入で国家経済に利益をもたらすと話した。「観光部門は大きく成長する」と話した。陸運と同様、 銀 行業にとっても利益になると付け加えた。

記事では、計画の新しいバースにはレンタ・カーの受付、銀行、食堂、観光案内所、ホテル窓口の設備も用意されるという。港に旅客バース が 開設されることで、ダンマンは、航空機、バス、鉄道、船の4大輸送手段を有する王国（＝サウジアラビア王国）における唯一の都市となる。 （Trade Arabia: Thursday, February 19, 2004）

クアラ・ルンプール発。金曜日、マレーシアのStar Cruises Ltd. (S21.SG)は、純利益が2002年度が8260万ドルであったのに対して、2003年は720万ドルに激しく落ち込んだと発表した。

2003年度の第4四半期において、Star Cruisesは昨年の初期の純損失が1830万ドルであったのに対して、1480万ドルの純損失を計上するまでに損失を圧縮した。収益の額は米国の会計基準に従ったもの で、香港の会計基準とは異なるかもしれないものだ。

Star Cruisesは香港とシンガポールに上場しており、本店はマレーシアにある。マレーシアのカジノ経営会社のGenting Bhd. (3182.KU)の一部門。このクルーズ会社では、2003年度の結果は、クルーズの切符価格の低下、収益の低下、稼動率の低下の組合せによるものであると見ている。

2003年度においては稼動率は2％減少した。これは昨年の局地的なSARS（重症急性呼吸器症候群）の勃発による否定的な影響のため で あるとこの会社では話している。昨年、燃料価格が上昇したことも運航費用を押し上げたとStar　Cruisesは付け加えた。この地方 での鳥ウイルスの勃発は、これまでのところ、予約に影響を与えていないと話している。これ以上の（病気の）勃発による予約の低下がなけれ ば、この会社では、アジアにおける2004年度の第1四半期は回復するものと見ていると話した。

Star Cruisesは世界第3位のクルーズ客船会社。（Dow Jones: Friday February 20, 8:09 PM）

THE WORLD発。ロンドンの土地開発業者Peter Beckwithが1997年にこの高級クルーズ船の第10甲板の200万ドルのアパートを買うために署名したとき、贅沢な楽しみを期待していた。

まず最初は、彼を含めて購入者は手に入れることはできた。Clinique La Prairieスパでのボディー・ラップや水治療法。船尾が開いてカヤックやセイルボートで海に繰り出し、プール・サイドではEvianの水飛沫で体を冷やし、300人の 職員の礼儀正しいもてなし等。

しかし2002年3月にオスロから最初の航海に出るや、Beckwithと他のアパート住人らは、船主のマイアミの ResidenSea Ltd.が売れ残りのアパートを満たすために観光客を乗船させようという、考えても見なかった事態に直面したのである。

自宅にいるように寛いで世界中を旅行するという考えでアパートを購入した住人は、年間維持費を10万ドル以上も支払い、加えて施設に月 何 千ドルも支払っている。多くの者は、観光客がスィートに1日当たり300ドルも支払うだけでよく、所有者の特権である無料の食事やキャビ ア、シャンペンを飲み放題で楽しめるという考えが気に食わないのだ。

観光客の悪行についての話をマンション住人が話し合うようになるのに、そう長くはかからなかった。Beckwithは、ある朝サンフラ ン シスコで乗船してきた2人連れが、夕暮れまで酒を飲んで、その夫が階段の上から落ちたことを思い出す。オーストラリア人の霊媒でアパート 所有者Athena Demartiniは、Starwomanの名前で通っているが、かって英国の離島で酒に酷く酔った2人連れが夜毎喧嘩をして大声を出すので、終いには殴り合うのではない かと住人らが心配したと話した。ある朝ラウンジですれ違った時、その夫の方は靴をはかずに、シャツのボタンを外していたということだっ た。

とりわけウンザリさせられたのが、ResidenSeaが招待した旅行者や旅行業者が乗船して来る日だった。「例えばある港に入ると、 300人から400人が乗船して来るんです。」とAthenaのご主人で自己改善本（Count Your Blessings: The Healing Power of Gratitude and Love）の著者であるJohn Demartiniは言った。「そこに座っていると、連中は家の中をドカドカと歩き回るんですよ。」

何ヶ月か経過して住人達は反乱を起こし、昨年の10月には、より多くのアパートを販売し、上流階級に部屋を賃貸することを期待して、本 船 を管理しているこの計画のヨーロッパの銀行家から買い取るべく、7,100万ドルを支払ったのだった。

「クルーズ船みたいな船の住人にはなれないです。」とミネアポリスの投資家Robert Sabesは言った。テニスのエースである妻のJanetと共に、第7甲板に1,400平方フィートの2つの寝室のあるアパートを持っている。「当初の設立者が住人と観光 客が同居できると考えたことは、不幸なことでしたね。」

ロールス・ロイスからタクシーへ
The Worldでの騒動は、この計画が上手く行かなくなり嵐が連続している中で、最近あったものだ。この2億8,000万ドルの船は、当初の投資家が財政的に破綻し、洋上分譲 マンション・ホテルのような船の計画に失望が広がっている。本船は現代のクルーズ産業を切り開いた一族の血を引くノルウェーの海運業者、 Knut Kloster Jr.が、1990年代半ばに思いついたものである。実はThe Worldが就航する以前にも財政問題に直面しており、Klosterとその仲間のノルウェーの投資家らは、当初の計画の半分に切り詰めたのである。カリブ海を結ぶ多くの クルーズ船に匹敵する大きさの43,000トン、12層の船に甘んじたのである。

The Worldの完成が近づくにつれて、世界経済が不調となり、戦争とテロの恐れからアパートの売れ行きが止まった。こうした問題の最中に、銀行のWestLB AGとZurich Financial Services Groupは、この計画の財政建て直しで合意し、ResidenSeaと、Klosterが率いていた元のノルウェーの投資家の支配権を獲得したのである。赤字を減らす唯 一の方法は、本船を住人が「クルーザー（＝彷徨者）」と呼ぶ観光客に開放することだった。

ニューヨークの元広告業経営者のWilliam Scottにとって、それはあたかもロールス・ロイスをタクシーにするようなものだった。「自分がアパートに何百万ドルも支払っているのに、数百ドルぽっちで同じ設備を使 えるとしたら、どう思いますか？」　チリのフィヨルドを航行中に、Regattaラウンジでお茶をすすりながら聞いてきた。

ResidenSeaの前の最高経営責任者であるFredy Dellisは、誤りを認めた。酔っ払い観光客のような「些か度が過ぎた例がありました」と話している。「しかし毎日そうしたことがあったわけではございません。」

住人らは他にも不満を抱えている。2人の住人は、観光客が住人の絨毯を駄目にしたとDellisに苦情の手紙を書いた。ブラジル沿岸を 航 海した時、12人以上の観光客が宝石を売りつけてきて、腹を立てた住人もいた。「プールに行ったら、そこはまるで販売大会でしたよ。」と 住人の不満を処理する住人委員会会長のRichard Reedは言った。コロラド州ハイランド・ランチにヘルス・クラブ・ソフトウェア会社を所有している人である。

住人らが引き継ぐ
船がどこを航海すべきかを巡って論争が爆発しさえもした。ResidenSeaが設定した当初の旅程は、クルーズ船の予定に似たようなも ので、短時間しか寄港しないものだった。住人達はその土地を味わうことができるよう、港に5日間は滞在することを欲していた。2002年 の暮れ、ロシアのサンクト・ぺテルブルグに2日、エストニアのタリンには1日も滞在しないでバルト海を船が通り抜けたとき、住人らは不満 を訴えたものだった。

元シリコン・バレーの土地開発業者のJim Blairは、オーク材を使った壁の3つの寝室のある船のアパートの居間で、昨年の初めの集会で住人は、一部クルーズ船・一部住宅船の取決めでやって行かなければならない ことを決定したと話している。「私は（ResidenSeaに）行って、こう言ったんです。『あんたたちは大きな問題をここで抱えてい る。私達もだ。』　本船のロビーのバーでエスプレッソ・コーヒーを飲みながら思い出していた。

住人らが本船の売れ残りのアパートを唯一買いそうで、商用空間において赤字を出していることを知って、Blairとその他の住人は、 ResidenSeaと銀行を相手に交渉を始めた。7ヶ月の交渉の末、昨年の8月にResidenSea側の弁護士は、銀行は我慢ならな くなってきており、バハマ船籍だがいつも動いている本船は係船され、住人らはアパートを退去しなければならなくなるかも知れないことを示 唆したのだった。両者の隔たりは100万ドル以上もあったが、住人委員会の会長であるReedは、オレゴン州の沿岸に船が接近していた 時、チーク張りのバルコニーでタバコを燻らせながら当時を思い出し、こう独り言を呟いていた。「ま、楽しい出来事だったね。」

翌日、Blairは電話をかけ、取引に応じると話した。住人が、共同で寝室が１つから3つある86の仕事場を持つ37戸以上の売れ残り の アパートを7,100万ドルで買うことで、10月31日に合意した。殆どの仕事場は1つの寝室と繋がっているが、春には売りに出される。 現在までに、新会社は寝室が2つあるアパートを190万ドルで、3つあるものを410万ドルで販売している。

しかし船の運航には、年間約3,000万ドルの費用がかかり、The Worldにはやはり観光客を乗せる必要がある。過去にあった問題を避けるために、住人らは、今や旅程を独自に作成し、より上流のお客を惹きつけるために、制限的な高額料 金の賃貸計画を立てている。Reedは、住人委員会としては、1日当たり1,900ドルから3,100ドルのクルーズ価格を希望している と話している。

Beckwithは、飾り立てた白と黒の犬を連れて、赤いビロードのスリッパを履いて甲板をぶらついていることで有名なのだが、次の1 歩 を踏み出すことに賛成な住人のグループの一員である。つまり、飲み放題食べ放題の廃止である。（The Wall Street Journal: February 22 2004）

タリン発。エストニア政府は、ヒーウマー島（ダゴ）とサーレマー島（オセル）と本土を結ぶフェリー運航を国有化する決定をした。港湾会 社のTallinna Sadamがフェリー運航の運航事業者になる見込み。

ここの運航権は1994年にSaaremaa Shipping Companyが署名したもので、10年間運航して、今年廃止となっていた。（The Scandinavian Shipping Gazette: 23.02.04 15.25）

Irish Ferriesがウェールズとアイルランド間の3航路のうち2つを一時休止にすることを巡る紛争で、海員はスト行為に出るか否かを諮るための投票を行うこととなった。会社 側は、この行為は人員の削減と労働時間の延長に関する2つの労働組合との間で締結された協約に違反するものであると非難している。

ホリーヘッド―ダブリン航路とペンブローク埠頭―ロスレア航路は、600人の労働者に影響を与えるものである。アイルランド海員組合の 組 合員は、数日以内に投票することとした投票用紙を火曜日に受け取った。ホリーヘッドとダブリンを結ぶスーパーフェリーUlyssesは運 航を継続するが、ストライキで運休はしない見込み。（後略）（BBC News: Tuesday, 24 February, 2004, 20:38 GMT）

3ヶ月に及ぶ交渉後、ドーバーに本拠を置く約500人のフェリー労働者に対して、余剰人員となっている旨の通知が発送された。

フェリー会社のP&Oは、11月に収益の落ち込みを理由に人員を整理することを考えていると発表していた。火曜日、余剰人員は 出 るが解雇される者は僅かであることを確認した。P&Oは、フェリーを1隻、運航から外すことでコストを切り詰めようとしており、 その原因を旅行業の不振により収益が落ち込んだことに求めている。

必死に頑張って
Rail Maritime and Transport Union (RMT)（＝海運輸送組合）では、余剰人員についてフェリー会社側と交渉を重ねてきた。組合のMalcolm Dunningは、次のように話した。

「重要な削減対象の数字ですが、驚くべきものでした。11月には478人が提示されたのですよ。それ以来、私自身もRMTから選ばれた 代 表者も、余剰とされた人員を強制的に解雇されることを防ごうと必死に頑張りました。478の数字から16の数字にまで引き下げることがで きて、ホッとしているところです。」

この人員削減は、P&OがフェリーのPride of Burgundyを旅客運航から撤退させて、飾り気のない安い夜間運航を計画していることから生じたもの。ドーバーには雇用センターが開設され、余剰労働者が代わりの仕事 を探すための支援をしている。（BBC News: Tuesday, 24 February, 2004, 19:24 GMT）

今日のHollywood Reporterによると、Wolfgang Petersenは、Warner Bros. PicturesのThe Poseidon Adventure（＝ポセイドン・アドベンチャー）の再映画化に乗り出すということだ。伝えられているところによれば、Petersenはこの映画を、Mike Fleissと共同で、自分のRadiant Picturesの下で製作するという。

Hollywood Reporterによると、元の1972年度製作のパニック映画は、「事故後の旅客船上で罠にはまった生存者の屑（＝社会の下層民）のグループ」のお話だという。20th Century Foxは、1979年に続編のBeyond the Poseidon Adventure（＝ポセイドン・アドベンチャー　2）をWarner Brosから配給している。

粗筋に変更が加えられるかどうかはわからないが、元の映画は大晦日の晩の、豪華遠洋定期船Poseidonの船上でのお話。この素晴ら し い船は、ニューヨークからアテネに向けて航海していた。不幸にもこのクルーズ船が海底地震による巨大な津波により転覆した時、災害が乗客 と乗員に降りかかるのだ。犠牲者が多数いる中で、10人の乗客の生存者がひっくり返った船の底に向かって傷つきながら進んで行き、脱出す るのである。

Ronald Neamが監督した映画には、Gene Hackman、Ernest Borgnine、Carol Lynley、Red Buttons、Shelley Winters、Roddy McDowallが出演している。映画には、John Williamsによる優れた音楽が付けられている。

今日、再映画化に当たって、これだけ才能のある人材を揃えることはできない。しかし我々は持ち場を守ることとなるのだろう。 （FilmForce: February 25, 2004）

リンチェビング発。Scandlines の前経営最高責任者のOle Rendbakが、昨年12月に自殺していたことが明らかとなった。遺体が見つかり、葬儀は土曜日に執り行われる。全てのScandlinesのフェリーで弔意を表明し、 半旗が掲げられる。

クリスマスの少し前に、Oresundsbronで所有者の表示のない前社長の乗用車が見つかっていた。車内には家族に宛てた遺書が見 つ かっていたが、遺体が見つかるまで死亡は確認されていなかった。

Ole Rendbakは、昨年の暮れをもってScandlinesを辞職することとなっていた。このフェリー会社は、暫定的に4月1日までErik Ostergaardが代表を務めており、その後Peter Gronlundが引き継ぐこととなっている。（The Scandinavian Shipping Gazette: 25.02.04 14.06）

フィリピンのSuperferry 14（注、旧ほわいとさんぽう　２）の悲劇の最新ニュースは、199人が救出されたが、夜になっても約100人が未だに行方不明というものである。

本船の運航者WG&Aからその日早く出された声明によると、709人の乗客、42人の見習い、155人の船員が、フェリーが爆 発 して出火した当時、乗船していたという。本船は現地時間の23時にマニラを出港し、バコルドとカガヤン・デ・オロ間を2時間かけて横断中 の早朝に爆発が起こった。

生存者は、姉妹船のSuperferry 9、日本のばら積み貨物船Fortune Express、SulpicioフェリーのPrincess of the Universe、そして多くの沿岸警備隊の船舶や曳船によって救出された。死者は1人が確認されただけで、少なくとも8人が負傷している。

危機対策チームがその日関係者を支援すべく送られたが、フィリピン沿岸警備隊を含む政府機関は、十分な情報を得ているという。

本船はマリベレス港に曳航されたが、油が漏れるのを防ぐためフェリーの周りには大勢の人が押しかけており、沿岸警備隊は、海賊が本船か ら 略奪をしないよう警備をしている。

Superferry 14は来月、バコルド航路をSuperferry 19と交替することとなっていたと運航者は話している。（Fairpaly: 15:27 27 Feb）

タイの2隻目のクルーズ船Ocean Princessは、来月、アンダマン海とタイランド湾を周る最初のレジャー・クルーズに出港する。VAP Group Coが船齢39年のクルーズ船、Ocean Princessに2億バーツを費やして、全室を五星のホテルの水準に刷新した、とこの会社の取締役Patana Vongthongsriは話した。新船はこの会社の小型のクルーズ船、Andaman Princessの代替となると話した。

タイ船籍で運航する最大のクルーズ船であり、全長122メートルのOcean Princessは6,092トン。このクルーズ船は元々ドイツで建造されたもので、150船室で435人の乗客を収容できるものである。一方Andaman Princessもタイ船籍であり、120船室で約300人の乗客を収容できる。Ocean Princessの切符は1万2000バーツから2万8000バーツで、船室や旅程によって異なっている。

VAP Groupの販売担当取締役Areewan Chiakeathanyuは、Ocean Princessは11月から5月はアンダマン海から出発し、5月から10月まではタイランド湾からクルーズに出発すると話した。

月5回運航するという。Ocean PrincessはバンコクのKlong ToeiのOB埠頭発着。典型的な3泊4日クルーズは、チユムポンのナン・ユアン島とタオ島、スラー・タニーのサムイ島とパンガン島、チョン・ブリのクラム島に向かい、そ してバンコクに戻ってくる。

Ocean Princessは、タイ政府観光局が主催する「Travelling Thailand Every Where（＝全タイ旅行）」博に正式に参加する。この博覧会は3月4日から7日まで開かれる。

Areewanは、会社では「buy one, get one free（＝1人予約すれば2人目は只）」パッケージが博覧会でクルーズを予約した人に提供されると話した。博覧会期間中、VAP Groupは2泊3日のナン・ユアン島への遊覧とタレイ・ナイまでの小旅行を2回行う。

VAP Groupでは、Ocean Princessで運航初年度に2億5000万バーツの売上を見込んでいる。「平均乗船率は60パーセントで、2年内で損得なしになるでしょう。」とAreewanは話し た。Ocean Princessの価格は極めて高いが、豪華な宿泊設備とサービスが提供されると語った。（The Nation: Published on Feb 27, 2004）

Roland Lawrieは海運会社によって差別されてからの、何千ポンドにも上ると見られる支払いを確実にした。

このサウスシー、ケント・ロードの34歳の独身男性は、ポーツマス―フィッシュボーン航路において臨時の甲板員として働いていた。裁判 所 は、1年以上もその会社に勤務しているにも拘らず、正社員への応募を拒絶したのは人種差別であるとするLawrie氏の主張に理由がある とした。当時、Lawrie氏は不採用となり、Wightlinkはこの会社で働いた経験のない数人を採用していた。

サウサンプトンで聴聞手続きが再開され、William Belcher裁判長はこう発言した。「原告の仕事についての配慮に欠けていた点に関し、差別が認められる。」（The News: 27/1/04）

沈没後しばらく航海した幽霊船、跡形もなく消えた船、しばしば現れた船、不可解な死を遂げた船員のいる船のお話。

五大湖の幽霊
・幽霊船なくして五大湖を語ることはできない。1678年9月、Griffonはミシガン湖のグリーン・ベイを出港したが、行方不明と なった。ところが翌年になっても、湖にGriffonが浮かんでいるのを見たという船員が何人もいた。

・1975年11月にスペリオル湖に沈没した鉱石運搬船、有名なEdmundFitzgeraldは、26人の船員全員が死亡したが、 10年後に商船に目撃されたという。

・1988年にスペリオル湖の底を探検していたダイバーが汽船Emperorの残骸に出くわした。難破船の内部に泳いで入って行ったと こ ろ、寝台の上で寝ていた船員の幽霊が寝返りを打って、こちらを見るのを目撃したという。

Queen Mary
クルーズ船の中で最も有名な船の1隻であるQueen Maryは、現在はホテル・観光施設になっているが、何人かの幽霊がいると言われている。

1人は1966年に訓練中に水密扉に挟まって死んだ17歳の船員John Pedderの霊かもしれない。説明のつかないノックがこの扉の周りで聞かれており、ある旅行ガイドはPedderが死んだ場所から離れる時に、ぼんやりと服を着た人の姿 を見たと報告している。その顔を見たのだが、写真を見てPedderだと判ったという。

ある白い服を着た神秘的な女性が、フロントの受付近くで見られたという。いつも柱の陰で消え、2度と現れない。

別の幽霊は、青灰色のオーバーオールを着ていて顎鬚が長い。機関室の軸路に現れるという。

船のプールでは幽霊の声や笑い声が聞かれている。ある従業員は、プール・デッキで子供の濡れた足跡を見ている。しかしそこには誰もいな かった。

Great Easternの幽霊
Great Easternは当時のTitanicである。1857年（注、1854年―1859年の誤り）に建造された100,000トン（注、約1万9000総トンの誤り）で、当 時建造された船の6倍以上であり、Titanicのようにトラブルが運命付けられていた。

造船所が1858年1月30日に進水させようとしたところ、船は進水装置を押し潰すほど重く、止まったままであった。遂に浮かんでから も 完成させるには資金がなく、約1年間港に停泊していた。その後Great EasternはGreat Ship Companyに購入され、そこが完成させて海に出た。しかし試験航海中、巨大な換気装置が爆発して少なくとも1人の男が死亡し、数人が沸騰したお湯で火傷をした。1ヶ月 後、建造したIsambard Kingdom Brunelが脳卒中で死亡した。

その大きさにも拘らず、この呪われた船は決して乗客で満員になることはなく、処女航海においてもそうであった。4度目の航海において嵐 で 酷い被害を受け、金のかかる修理を余儀なくされた。1862年、その記録的な数の1,500人の乗客を乗せて海図にない海域を航行中、船 底が引き裂かれたが、二重船殻構造により沈没だけは免れた。

何度か覚えのない不思議なハンマーを叩く音が、甲板の遥か下から聞かれたものだった。船員によると嵐の強風の時にも聞こえ、時にはそれ で 目が覚めたということだ。

本船は赤字を垂れ流し続けたが、1865年に大西洋横断ケーブルの敷設で成功した。しかしその目的のために建造されたより良い船が Great Easternに取って代わり、遂にスクラップとして売却されるまで、12年間に亘って錆び付くこととなった。

分解してみて、本船の不幸と、そして恐らくは幽霊のハンマーの原因が判明したのである。二重船殻の隙間に、建造中に行方不明になってい た 造船工の親方の骸骨があったのである。

もがいたり、暴力を振るわれたりされた形跡は何もなかった。しかし船長のBenjamin S. Briggs、その妻、娘、そして本船の7人の船員は、死んだのである。（About U.S. Politics）

マスカット発。オマーンとドバイの首長国は、湾岸地域にクルーズ船を誘致すべく旅客ターミナルの保有と経営をすべく合弁企業を立ち上げ る、と幹部が昨日話した。

観光省事務次官Mohsin bin Khamis Al Balushiは、Oman Daily Observerに対して、国際クルーズ市場における目的地となることを促進すべく、近く覚書に署名すると話した。

「政府は、マスカットと、Mussandamの治めるKhassabにある港のクルーズ・ターミナルの拡張に資金を出すことになりま す。」とBalushiは語った。

オマーンのインド洋の港湾、サラーラを入れて、そこにターミナルを建設するための話し合いもなされていると付け加えた。

「共同作業をすることで、オマーンとドバイは、湾岸地域が世界的なクルーズ旅行の地図における鍵となる目的地となることを希望していま す。」と話した。（Khaleej Times: 29 February 2004）