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2005年1月

2005年1月の海外旅客船情報

フェリーの座礁を調査(米国)

ANACORTES発。金曜日にサン・ファン島近くの岩に乗り上げたフェリーSealthの最近の事故のWashington State Ferriesの捜査で、港湾当局は4人の従業員と船の航海計器に注目している。

フェリー当局者は、Sealthはクリスマス・イブの晩に海中に沈んでいたReid Rockと衝突し、幅4フィート、深さ2インチ、長さ96フィートに亘って船体を擦ったと話している。

取調べを受けることとなる4人の従業員は、本船船長のKirk Mikkelborg、1等航海士のGeorge Terek、操舵手のThomas Fowler、見張りをしていたKamela Browerである。

Anacortesに本拠を置くSealthは、僅かに小型で速力の遅いEvergreen Stateと交替している。SealthはAnacortes港に係留されており、修理のためDakota Creek Industries造船所の乾船渠に移動となる。修理に2月下旬までかかる損害は、70万ドルと見積られている。(Seattle Post Intelligencer: Saturday, January 1, 2005)

エラートに4年振りにクルーズ船(イスラエル)

4年振りにエラートにクルーズ船が接岸した。殆どがドイツ人の700人の観光客と、300人の船員を乗せたAlbatrossは、エ ラートに昨日錨を降ろした。本船はスペインから来たもので、リビアのトリポリ、エジプトのポート・サイド、ヨルダンのアカバを寄港して、 エラートに到着した。

ドイツ人に加え、本船は米国、フランス、オランダ、ベルギー、スイス、クロアチア、ブラジルからの観光客も乗せている。エラート観光省 事 務所では、この観光客に「イスラエル観光の親善大使」とする感謝状を授与することとしている。観光客にはエラート、死海、マサダ、エルサ レムで、3つのツアーが提供される。

2000年暮れにインティファーダ(注、イスラエル占領下のガザ地区で起きたパレスチナ人の一斉蜂起)が勃発して以来、外国のクルーズ 船 はエラート訪問を避けてきた。(Globes Online: 3 Jan 05?? 09:24)

「Poseidon Adventure」はまだ浮かんでいる(米国)

ご存知ないかも知れないが、Warner Bros.(=ワーナー・ブラザーズ)は、Irwin Allenの1972年の20th Century Fox(=20世紀フォックス)のパニック映画の古典、「The Poseidon Adventure(=ポセイドン・アドベンチャー)」を再映画化している最中だ。

この映画の台本はPaul Gallicoの同名の小説を基にしている。元の映画は大成功で、貧弱なWarner Brosにどっさり利益を生み出した。1979年の続編「Beyond the Poseidon Adventure(=ポセイドン・アドベンチャー2)」には、Karl Malden、Sally Field、Telly Savalas、そしてMichael Caineが出演していた。

新作映画は、クレタ島沖で豪華遠洋定期船が津波の直撃を受けて大晦日の晩に転覆するという1972年の映画の筋を反映したものになる。 Daily Varietyによると、新しい映画は、脚本がMark Protosevichで、監督はWolfgang? Petersen。

製作者のIrwin Allenは1991年に心臓発作のため75歳で死亡しているが、最初の映画の主要な俳優の多くは、まだ生きている。今月で88歳になるErnest Borgnine、85歳のRed Buttons、75歳のGene Hackman、68歳のStella? Stevens、78歳のLeslie Nielsen、そして51歳のPamela Sue Martin。撮影所では現在、この新作映画の配役をしているところだ。

恐らく最初の映画で最も有名な顔は、Shelley Wintersだろう。今や84歳のWintersは、長らく肺炎の発作を患った後、現在、ハリウッドで自宅療養をしている。西海岸の記者仲間の1人は、彼女は未だに元気 で、かってないくらい頑固だと話している。「Poseidon」の役作りのために35ポンドも太らなければならなかったが、この役でオス カー(=アカデミー賞)にノミネート(=推薦)された。(Munster Times: Monday, January 3, 2005 12:27 AM CST)

ラブアン桟橋が崩壊して多くの人が置き去りに(マレーシア)

ラブアン島発。当地のROROフェリーターミナルの桟橋が月曜日に崩壊して、Menumbokへのフェリーが運休を余儀なくされ、多く の人々が置き去りになった。

海運局当局者は、この一帯をリボンで閉鎖し、損傷の程度、とりわけ海面下の損害について捜査している。ROROフェリー用のランプ(= 道 坂)は直接影響を受けなかったが、フェリーは安全のためランプの下部が調査されるまで接岸を許可されなかった。

崩壊の原因は判っていないが、20年以上に亘って使用されているターミナルは、保守作業が殆どなされていなかった。最近、近くの新しい 旅 客フェリーターミナルで、杭打ち作業が行われていたために、この埠頭は振動に曝されていた。当地とコタ・キナバル、ブルネイを結ぶ旅客運 航用の新しいターミナルの建設で、埋め立てや地盤の変化が生じていた。

公共事業局と海事当局者は、Menumbokのフェリーの運航再開がいつ許されることとなるのかについて語ろうとしなかった。ラブアン 島 とMenumbok間の運航は、Labuan Ferry Corporation Sdn Bhd (LFC)によって運航されている「Wawasan Perdana」によって提供されている。LFC幹部は、「当社は海事局の青信号を待たなければなりません。」と語った。

「この崩壊はターミナル設備の貧弱な保守に因るものですよ。」と乗客のKevin Wongは話した。同局は海運で総額64リンギットを集め、非商用車輛がフェリーを利用する度毎に荷役料を徴収していたと語った。

「その金はターミナルの修理と保守に当てるべきものでした。怪我人がいなくて幸いでした。」とWongは言った。

別の乗客は、政府が昔から報じられていたTg Aru浜の新しいROROフェリーターミナルの建設を急いでいたことを示唆した。この町の現在のターミナルのある地域は、適切な場所でないと語った。(Daily Express: Tuesday, 04 January, 2005)

SeaCatフェリーの将来は議論されることに(英国)

昨年の赤字を受けて、ベルファストとスコットランドのトゥルーン間で運航されているSeaCatフェリー(注、小型高速船)の将来につ いて、経営陣と職員とが議論することとなった。

この会社では、格安航空会社との競争の激化と燃料価格の高騰の最中で赤字が生じたことを受け、来月、職員代表、労働組合との間で話し合 い を持つことを確認した。

昨年、同航路においてフェリーは、302,656人の乗客と72,876台の車輛を輸送した。経営側は、会社は受け容れがたい水準の営 業 損失を支え続けていると話した。ベルファストでSeaCatによって雇用されている常勤職員の合計は41人であり、トゥルーンは4人。 SeaCatの総支配人のDiane Pooleは次のように話した。

「SeaCatは、1992年にアイリッシュ海において高速船運航を切り開いた開拓者です。その後、観光業は大変に大きな変化に耐えて 来 ました。格安航空会社との競争激化と絶え間のない燃料費の上昇で、運航の将来について考え直すこと以外に選択の道がなくなったのです。」 (Ireland Online: 05/01/2005 -14:31:26)

売中古フェリー、最低価格2250万ドル(米国)

Spirit of Ontarioは間もなく始まる抵当流れ競売で、少なくとも2250万ドルで売却されることとなった。

合衆国治安判事Jonathan Feldmanは、水曜日の聴聞会で最低価格を設定した。この治安判事は2月28日の競売に先立ち、弁護士らと最低価格を設定するか否か、競売を公告する方法等、種々の問 題について話し合った。

Feldmanは債権者によって雇われた2社の鑑定会社が、この僅かに使用されたフェリーを、2500万ドルから3000万ドルの間の 価 値を有すると評価したとも語った。

昨年、トロントへのフェリー運航を開始して3ヶ月ほどで撤退した、財政問題を抱えているCanadian American Transportation Systemsは、本船を約4250万ドルで新船として購入した。治安判事は競売代金をCATSの債権者に支払うよう命じている。

この評価は、判事と弁護士らが公表することは水曜日に拒否したものだが、ニューヨーク市のJacq. Pierot Jr. & Sons Inc.とニュージャージー州フォート・リーのCompass Maritime Servicesによって行われたもの。

CATSは法廷でこの評価を争った。聴聞後、CATS側の弁護士Adam Michaelは、このフェリーがもっと価値のあるものであることを示す2つの文書を、Democrat and Chronicleに提供した。

オーストラリアのInternational Broking Services Pty. Ltd.の市場評価によると、就航前の2004年2月には、約7450万ドルしたという。

また本船を建造したオーストラリアの会社Austal Shipsは、今日、本船を建造するとすれば、オーストラリアで建造するか合衆国で建造するかによるが、引渡しまでを含め、5200万ドルあるいは6800万ドルと見積っ ている。(Rochester Democrat and Chronicle: January 6, 2005)

Atticaは競合するフェリーの巨人HFDへの投資に決着(ギリシャ)

ギリシャのフェリー業界統合の新ラウンドの先触れとなる動きの中で、Attica Groupは国内最大の運航事業者である、競合するHellas Flying Dolphins(HFD)の意義深い持分を買収した。

上場企業のAtticaは、今日、HFDの株式の11.6%を1350万ユーロ近い価格で、全額現金払いで購入したと発表した。 Atticaが900万株近くの殆ど全てを取得したことで、5年前に、当時Minoan Flying Dolphinsという名称だったHFDの株式の大半を買収した一握りの個人実業家の1人で、屋外広告業者であるPhilip Vrionisが従属することとなったと理解されており、富を得ることのできる株式公募と釣り合うものとなった。その代わり株式市場のバルブが崩壊して2,000人以上の 株主が異議を申立てたとしても、この会社は民間所有であり続けることとなる。

Atticaの経営陣は昨日、簡潔な声明文の他に目新しいことは殆ど持ち合わせていなかったが、グループとして、この持分をそのままに す ることはありそうもないことは確認した。

「11%ぽっちじゃ何も出来ませんよ。だから恐らく増やすか減らすかするでしょう。」とある会社筋は語った。

観測者の大半は、Pericles Panagopulosが率いるAtticaは、HFDにおける地位を向上させようとするだろうと見ている。この会社は、合意には程遠いものであったが、別のHFDの大株 主であるCostas Agapitosと、その保有する7%の株式を巡って、数ヶ月間に亘って交渉してきたものと理解されている。

Atticaは既にアドリア海、バルト海、北海で活動しているSuperfast Ferriesを支配しており、同様にギリシャの離島航路に今や集中しているBlue Star Ferriesを支配し、数航路でHFDと競合している。

Minoan Linesは、現在HFDの31.6%を単独で保有する最大の株主であるが、Atticaの動きを伝えるニュースが流れて、今日の午後、株価が4.5%上昇した。 (PSi-Daily Shipping News: 01/06/05)

ウイルスがフロリダ州を本拠にするRoyal Caribbeanのクルーズ船を直撃(米国)

フロリダ州フォート・ローダーデール発。120人近い乗員・乗客が船の上で胃腸ウイルスによって病気になり、今日、5日間のカリブ海ク ルーズを終えて帰港する、とRoyal Caribbean Internationalの当局者は話した。

Enchantment of the Seasでのノーウォーク型ウイルスの勃発で、108人の乗客、8人の船員が罹患した、と会社の広報担当者Michael Sheehanは語った。本船に乗船する2日前の月曜日に症状が出ていたある男性から始まったと話した。この1,950人乗りの旅客船の特別清掃で、今日の出港は数時間遅 れる見込みだと関係者は話した。

ノーウォーク様ウイルスの症状は、吐き気、嘔吐、下痢であり、それが48時間続く。特別な医学的な治療は不要。

こうしたウイルスに毎年2300万人のアメリカ人が罹患し、1年以上も前にクルーズ船で頻発した病気の原因となったことから、U.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)が数社の客船会社を調査することとなった。9月にはアラスカから来たクルーズ船の84人の乗客が、ノーウォーク様ウ イルスを伴う病気に罹っている。(Houston Chronicle: Jan. 8, 2005, 11:52AM)

100人乗船のフェリーがスコットランド沖で座礁(英国)

ロンドン発。100人の人々を乗せていた旅客フェリーがスコットランドの嵐の吹き荒れる西海岸で座礁し、当局者はこの天候により、日曜 日までその損傷を受けた船に曳船が接近することができないと話している。

P & O Highlanderが土曜日にケアンライアンの砂洲に乗り上げた時、乗員・乗客で怪我をした者はいなかった。

「お客様を乗船させたままにしておくことは、安全からは程遠いものです。」とP&O Irish Seaの常務取締役Terry Cairnsは、強風が毎時120マイルに達して英国の多くの地方を激しい雨が叩きつける中、BBCテレビジョンに語った。

「当社では何とか2隻の曳船を探し出し、確保しております。真夜中には到着します。」

環境局では、国内に84の洪水警報を出している。事故のため3本の主要自動車道の区間が閉鎖を強いられ、高速道路局では、絶対的な必要 の ない限り運転をしないよう、人々に呼びかけている。ある自動車道では強風のため、25台のトラックが横倒しとなり閉鎖された、と同局では 話した。

「皆さんに、『旅行には出掛けるな。絶対に出掛けるな。』と忠告しております。」と同局広報官は語った。

テレビには、カーライルの一部で浸水している様が映し出され、警察ではここ30年間でこの町を襲った最悪の洪水だとしている。 (Reuters: Sat Jan 8, 2005 05:13 PM GMT)

グルジア―ロシア間の鉄道連絡船が1月下旬に開設(ロシア)

1月9日、トビリシ発。グルジアのポティ港とロシアのクラスノダル地方のカフカス港間の鉄道連絡船が、1月下旬に開設される、とグルジ ア鉄道局がItar-Tassに日曜日に語った。

当初は3日に1回の運航となり、それぞれのフェリーには24両の列車が積載できる。この運航は将来忙しくなるかも知れない。グルジア、 ロ シア、アルメニア、アゼルバイジャン、そして中央アジアが、このフェリーを使用することが可能。

グルジアとロシアの専門家達は、この鉄道連絡船の開設に関する合意文書を共同して作成してきた。月曜日、ロシア運輸大臣Igor Levitinのグルジア訪問中に、合意文書が署名されることとなっている。(ITAR-TASS: 09.01.2005, 20.43)

荒れた航海:クルーズ船、人気を集める一方で、業界は汚染し外国人労働者から搾取しているとの批判(米国)

Eugene-Springfield地域は、最寄の旅客クルーズ船港から何百マイルも離れているものの、急騰し論議を呼んでいる事業 である、国際的クルーズ産業との結び付きを突然深めている。

11月、マイアミに本拠を置くRoyal Caribbean Cruises Ltdは、スプリングフィールドの入り口に、180,000平方フィートの乗客設備を6000万ドルかけて建設すると発表した。ここでは最終的に、1,000人の労働者を 雇用し得ることとなると会社側は話している。来年までにLane郡の職に飢えた何百人もの住民が、クルーズ産業で働いていることとなる。 つまり地域経済において主要な競技者となり得る遠洋クルーズ事業の、第一段階を迎えているのかも知れない。

この業界は問題を抱えている。海に生ゴミや危険物を投げ捨てていることと、海上職員の賃金と労働条件に関する論争である。また休暇旅行 に 基礎を置く業界は、周期的に繁栄する傾向にあり、自由裁量の余地が多い収入に頼る人々は、そうならなかった時に損害を蒙ることとなる。

そうではあるものの、クルーズ客船会社は成長の道を歩んでいるように見える。2001年9月11日のテロリスト攻撃の後、航空機による 旅 行は落ち込んだが、バージニア州アーリントンに本拠を置く業界団体のInternational Council of Cruise Linesによると、クルーズ業界は過去10年間に、年間8パーセント成長しているという。

Passenger Shipping Associationは、更に多くの大型の船舶を投入して競争を激化させ、価格を引き下げて、2010年までにクルーズ乗客は倍増させて、2200万人近くにする計画で ある。

年を取ったベビー・ブーマー(注、第二次世界大戦後のベビーブームに生まれた世代)はクルーズに熱心であるので、人口統計の数字は業界 に 味方している。Cruise Lines International Associationによると、平均的クルーズ客は99,000ドルの世帯収入がある、既婚の50代という。

Royal CaribbeanがLane郡の主要な雇い主になったならば、年を取ったブーマーによる第二の規模のものとなる。休暇用の車輛の工場では、この郡で4,000人以上も雇 用しているが、全く同じ人口統計学上の集団によって忙しいものとなっている。

洋上の都市
クルーズ業界のすべてが穏やかな航海をしているわけではない。環境・労働団体が、大洋を汚染し外国人労働者を搾取しているとして、長年ク ルーズ客船会社を追い回しているのである。

2,000人から3,000人の乗客を乗せているクルーズ船は、洋上の都市である。ここではゴミや生ゴミ、その他の汚染を生み出してい る。

ワシントンDCに本拠を置く非営利環境保護団体のOceanaは、3,000人乗りのクルーズ船は、それぞれ毎日25,000ガロンの 生 ゴミを生み出し、更に143,000ガロンの、所謂、灰色の水を流し、台所、シャワーから流し、4,000ガロンの油の混じった下水やビ ルジ水を発生させていると見積っている。

Royal Caribbeanは自社船のより正確な数字は、1日あたり灰色の水は143,000ガロン、生ゴミは15,000ガロンから16,000ガロン、ビルジ水は約2,000 ガロンであると話している。

Oceanaの汚染活動監督Jackie Savitzは、クルーズ船は連邦のClean Water Act(=清水法)の下にある陸上に本拠を置く産業と同じ規則には従ってはいないと話している。典型的には、工場は衛生的な下水道や水路に流す前に下水を浄化する義務があ る。対照的に現在の連邦法令は、合衆国海域で運航されるクルーズ船が沿岸から3マイル以上離れて生ゴミを捨てることを許しており、沿岸か らどんなに離れても生ゴミとして扱っていた。アラスカ州やカリフォルニア州のような、州の海域で生ゴミを投棄することに関して厳格な法令 を採用している州もある。

CarnivalやRoyal Caribbeanといった指導者を含む16の大手旅客クルーズ客船会社を代表するInternational Council of Cruise Linesは、クルーズ業界は、大洋は業界の活力の元であるので、大洋を綺麗に維持したいのだと話している。この会議の代表Michael Cryeは、業界では2001年に、下水や固形のゴミ、危険物を含むクルーズ船からの全ての廃棄物に及ぶ廃棄物処理と手続きを採用したと 話している。(中略)「我々は、Clean Cruise Ship Act(=清水法)は適切なものと置き換わるべきであると考えています。」とCryeは話している。

海上労働の条件
もう1つの長年に亘るクルーズ客船会社に対する批判が、母国に船舶を登録すると厳しい労働法令が適用されることになるのを避けるために、 船舶を外国に登録しているという批判である。

メディアは、世界で最も貧しい国から採用された船員が、長時間労働で時給2ドルもなく、狭い船室に2人から6人を押し込めて宿泊させ、 船 内で十分な健康管理を怠っていることについて、多くの記事を詳細に書いている。

2002年10月、Royal Caribbeanは、割増賃金の支払いを求める船員により集団訴訟を起こされた。過失がないことを認めて、Royal Caribbeanは1840万ドルの解決金基金を創設した。Bureau of National Affairs Workplace Law Reportによると、6,500人近い労働者が訴え、総額565万ドルに上ったという。労働者達は、今年の終わりまでに申し出なければならず、その後合意条件の下、基金 に残った金は会社に還付されると、会社の広報担当Lynn Martensteinは話している。

9月、Royal Caribbeanは、6隻の船の船籍をノルウェーからバハマに移籍した。今やこの会社のRoyal CaribbeanとCelebrity Cruiseの商標の29隻の全ての船舶が、バハマ船籍となった。

会社ではこの動きは効率と統一性のためのものである、とRoyal Caribbeanの人的資源・船隊運航監督のKjell Eliassonは話している。全ての船舶が1つの国の法令を甘受することとなり、会社では今や数少ない組合と交渉している、とRoyal Caribbeanの上席提携弁護士のDonald Tylerは話している。

ノルウェー、イタリア、フィリピンの組合連合は、全てInternational Transport Workers' Federation(=国際運輸労連)の傘下にあり、Royal Caribbeanの船の労働者を代表している、とマイアミのノルウェー海員組合のクルーズ運航監督、Johan Oyenは話している。Oyenの組合は、Royal Caribbeanの船の機関、配膳、ホテル部門の労働者を代表している。「現在のところ、(会社とは)大きな問題はありません。」と話す。「Royal Caribbeanは概して良い雇い主です。法令に従っています。」

2つの商標Royal CaribbeanとCelebrityで、Royal Caribbean Cruises Ltd.は約35,000人の海上労働者を雇用し、約80パーセントが組合と契約しているとTylerは話している。労働協約では、労働時間、休憩時間、割増賃金を明記し ており、割増賃金は週40時間から44時間になるのが典型的だと話す。

「クルーズ船での生活は厳しいものです。」とEliassonは言う。「24時間から27時間労働ですよ。」

週7日間10時間労働なんて、普通じゃないと言う。Eliassonが言うには、労働者は船での忙しい割当仕事の合間に長期休暇を取る こ とで妥協しているという。

更に月給、支給される食事、住宅、医療保障、退職金がある。支払いの範囲は広い。典型的には、料理長が1ヶ月800ドルから4500ド ル、給仕と客室係がチップを除いて1ヶ月900ドルから3,000ドルが典型的だとSheehanは話している。こうした従業員が毎日 10時間勤務をすると、最低でも時給2.67ドルになる。

「この業界内で雇い主を選択しようとしているのです。」とRoyal Caribbeanの弁護士Tylerは語る。この会社の船員は100カ国以上から歓呼して迎えたもので、その母国の労働者の平均的賃金と比べて高給だと言う。「従業員 は、これは金になるもので、厳しい仕事はその金に値するものだと思っているのです。」とTylerは語った。

Pleasant Hillの退職者TomとBonnie Bily夫妻は、クルーズ愛好者で、国際的な船員と交流するのが好きだと言う。カリブ海への最近のクルーズで、Bily夫妻は多くの労働者がフィリピン出身で、給仕長が ルーマニア出身であることに気がついた。

「私達のことを、ママ、パパと呼んでいました。」とTom Bilysは、優しそうな顔つきをして思い出していた。

別の地方クルーズ愛好家のSteve Swensonは感謝祭を、妻のKimと2人の10代の子供と共に、ハワイのNorwegian Cruise Lines AmericaのPride of Alohaで過ごした。全員がアメリカ人船員であり、これまでに行った5回のクルーズの中で最悪のサービスであったとSwensonは話した。

「(全員がアメリカ人船員という)着想は良いですが、もっと働いて欲しかったですね。」と言った。Swensonは、何度も食べ物が品 切 れとなり、コーヒー・ポットは空っぽで、浴室のドアには「使用不能」の札がぶら下がっていたと言った。

「彼らの態度の80パーセントは、十分に良いもののようでしたよ。しかしこれらのクルーズ船では、一種の甘やかしがあるのです。それが 台 無しにしていました。もっと頑張ってもらいたいですね。」

Swensonがこれまでに乗船した他のクルーズ船の船員は、決まって外国人労働者だったという。「船員らは途方もなく長時間勤務で す。 アメリカ人船員があんまり成功していない理由と、何か関係がありそうな気がしています。私が思うには、ヨーロッパ人の労働者は、僅かばか りハングリー(=飢えているの)かもしれませんね。」

Swensonは、妻とDolphin Cruise Lineに乗って1989年にカリブ海で最初にクルーズを楽しんだときと、最近のハワイでのクルーズとでは、非常に大きな違いがあったと話している。会社はより大きな市場 を引き出そうとして価格を引き下げ、クルーズというものを大変に独特なものとしていた細かな点に注意を払うことを止めてしまったのだと語 る。

「この最後のクルーズは、クルーズの進むべき方向ではないものだと思います。まるで洋上格安モーテルにいるような気分でしたよ。」 (The Register-Guard: January 9, 2005)

津波援助のクルーズ船を手配(ギリシャ)

昨日の政府と慈善団体との会合で、南アジアの津波犠牲者に対する800トン以上の援助物資を積んだクルーズ船から成る、ギリシャの支援 努力の第二段を調整することが模索された。

この船はMajestic Cruisesが2ヶ月間提供したもので、1月16日に出帆し、50人から100人の医療職員と支援物資を載せて被災地域に向かうもので、スリランカ北東に接岸して洋上病 院となる。

Evripidis Stylianidis外務大臣代理は、この派遣の詳細を詰めるために非政府組織の代表と会合し、今日、もう一度会合することとなっている。一方教育省は、クリスマスの贈 り物の日(注、12月26日の誤り)の津波で直撃を受けた国の150人の子供達をNational Youth Foundation(=国立青少年基金)の会館に2ヶ月間収容する計画を立ち上げている。(Kathimerini: Tuesday January 11, 2005)

地元沿海海運部門で変化が進行(ギリシャ)

沿岸海運会社の間で、今年は多くの動きが予想されている。明らかになったものでは、Hellas Flying Dolphins (HFD)とBlue Star Ferriesの提携や合併の可能性を示す新情報がある。

しかし、これはBlue Star Ferriesを保有するAttica Groupの会長Pericles Panagopoulosによって、根拠のない話だとして否定された。しかしこのお話は、PanagopoulosがHFDの持分の11.2%を1株当たり1.50ユーロ で購入し、更に持分を増加させるかも知れないことから再浮上した。HFDと、アテネ証券株式市場に上場しているBlue Star Ferriesとの共同運航ないし合併は、Competition and Capital Market(=競争・株式市場)委員会の青信号を必要とすることとなるだろう。もっともこの青信号の決定は、不可避のものではない。

Panagopoulosが否定したにも拘らず、小さな会社は、これによって自社の地位が弱まるのではないかと心配している。ハニアに 本 拠を置くANEKは、ロードス島に本拠を置くDANEの持分の42%を、「興味ある申し出をした者」ならば誰にでも売却する用意があるこ とが報じられている。ANEKは、Minoan Linesによって提案された共同運航と株式交換に関して決断する必要がある。借金と経営上の問題から活動を停止しているDANEは、土曜日にその保有船Diagoras が競売されるのを待っているところ。GA Ferriesは、殆どの航路で政府の助成を受けている小さな離島航路を扱っていて、幸せそうだ。(Kathimerini: 11 January 2005)

Peace BoatことTopazがオークランドに接岸(ニュー・ジーランド)

初めてニュー・ジーランドを訪れたTopazは、Peace Boatに傭船されている。ここは平和と人権を推進し、環境を維持発展し、尊重する仕事をしている日本を本拠にする非政府組織である。

The Topazは、1956年に進水した。したがって、現在でも定期運航している最古のクルーズ船の1隻となっている。もっとも本船は良く手入れがなされている古風な外観の全 長195m、重さ(注、総トン数の誤り)32,327トンの格好の良い船である。

毎年Peace Boatは、数回の平和航海を組織しており、そこでは参加者が船上と港で教育的・交流プログラムに参加している。Topazは、第47回Global Peace Voyage(=世界平和航海)で約1,000人の乗客を乗せるが、少なくとも80%は日本人。本船は2004年10月に東京を出発して、アジア、アフリカ、南米の14カ 国16港に寄港し、タヒチを出発して、2005年1月12日にオークランドに到着した。乗客はマヌカウ・マラエで1日を過ごす予定。本船 はシドニーへと航海を続け、ニュー・ギニアを経由して日本に戻る。(後略)(Scoop.co.nz: Wednesday, 12 January 2005, 5:30 pm)

不運をもたらすクルーズ船Auroraが未だにソレントで奮闘(英国)

103日間の世界一周クルーズに42,000ポンドも支払った乗客が、今日、風の吹きすさぶワイト島を見ながら身動きが取れないでい る。専門家がやけくそになって、この2億ポンドのクルーズ船の修理をしているからである。

乗客らは日曜日にはサウサンプトンを出港して、マディラ島からフォークランド諸島に向かう40港を通過する一生に一度の旅をしているは ず だった。しかしAuroraは、その前の航海からはびっこを引いて港に戻り、P&O Cruisesはこの不幸な星の下にあるフラグシップの出力を、完全に元に戻すことが出来ないでいる。

1,769人の乗客は、月曜日の午後にこの76,000トンの船に乗船することを許されたが、船は電気推進システムを修理するため埠頭 に 係留されたままである。昨日の昼食時にソレントで試験運航を24時間行うために、遂に出港した。本船がワイト島沖を通過したとき、乗客ら には2食に無料の飲み物が提供され、船の12のバーでは、ある常連の乗客が今日話したところによるといつもよりは忙しかったそうだが、全 開の「booze cruise(=酒盛りクルーズ)」になりそうはなかったという。

市役所を退職した乗客のJohn Miller(57)は、Times Onlineに次のように話した。「まだラガービールの田舎者は見ていないですが、もっとも世界一周クルーズでラガービールの田舎者に会うわけがないですけれど、連中は我 慢できないようです。しかし1杯のジン・トニックのためにバーに消えた連中は、「P&Oの奢りだ」と考えて、2、3杯はやってい ますよ。」

更に続けた。「ワイト島の南部海岸の約3マイルか4マイル沖にいて、約9ノットか10ノットで動いています。今頃はマディラ島にいるは ず ですが、我々はイギリス海峡にいて、未だにブライティなんかを眺めているんですよ。」

これはAuroraを直撃した最初の問題ではない。4年前に王女が本船を命名したとき、シャンペンの瓶が船首で砕けずに、無様に海に落 ち たのだった。その後の処女航海では故障し、賠償金に600万ポンドもかかった。

2002年には約100人の乗客がウイルスの餌食になり、昨年に至っては580人の乗客が病気になり、2人死亡している。本船がジブラ ル タルに寄港したとき、スペインはロックへの国境を閉鎖し、この病気の勃発がスペインとの外交問題に発展した。(中略)

このGrand Voyage(=壮大な航海)は、次のクルーズのために船が4月22日にサウサンプトンに戻らなければならないため、乗客に販売していたものよりは短縮されるかも知れな い。現在の旅程では、乗客はマディラ島から大西洋を横断してブラジルに行き、南米を周り、太平洋を横断して東南アジアに向かい、サンフラ ンシスコに戻り、パナマ運河を通過して帰国することとなっている。

乗客の半数以上が全クルーズを予約しており、価格は、あまり大きくない船室の9,800ポンドから、私的な執事サービスがある2層のペ ン トハウスの41,985ポンドまで。乗客の中には、特に若い乗客は、この旅行の一部だけを予約している。(The Times: January 12, 2005)

クルーズ客は1週間足止め(英国)

豪華定期船Auroraは、技術者がモーターを直ぐに修理できなかったため、来週の火曜日まで出港しないが、乗客は希望すれば船内に滞 在することができる、とP&O Cruisesは今晩話した。

声明において、会社はサウサンプトンに接岸しているこの定期船の1,752人の乗客に謝罪し、遅延と104日間の世界一周旅行の短縮 で、 賠償金を支払うことを約束している。

技術者は故障したモーターの原因がわかったと思うと話し、これから問題の個所を修理することとなる。(Edinburgh Evening News: Wed 12 Jan 2005)

Attica Holdingsは2隻のRo-Roフェリーを受け取る(ギリシャ)

Attica Holdingsは、ドイツのロストクとフィンランドのウーシカウプンキ間の新航路向けの7,395総トン、約90個の貨物コンテナを積載できるRo-Roフェリー、 m/v Nordiaを受領したと発表した。

第2船のRo-Roフェリー、5,972総トン、約70個の貨物コンテナを積載できるm/v Marinは今日、引き渡される。両船ともギリシャ船籍であり、Attica GroupがRo-Ro市場(注、貨物フェリー市場)に参入することを示すものである。

この運航は今日始まり、以前の声明によると週3回運航で、2001年より運航を開始したドイツのロストクとフィンランドのハンコ間で毎 日 運航しているSuperfast Ferriesの運航を、補完するものとなる。(Reporter.gr: 14:22 - 12 January 2005)

2004年度のCNMI(=北マリアナ諸島連邦)訪問者は増加(北マリアナ諸島連邦)

サイパン発。北マリアナ諸島の訪問者は、2003年12月の合計と比較して、先月4.89パーセント上昇した。

MVA(=マリアナ諸島入管当局)の資料では、先月の訪問者は47,817人に達した。これにより2004年度の訪問者総数は 535,224人となり、2003年の16.49パーセント増となった。市場の大部分において、2003年から脅威的な回復を見せてお り、とりわけ韓国人がこの6ヶ月間に、初めて二桁の伸びを記録した。

韓国は北マリアナ諸島市場において第二の地位を維持しており、6,485人が到着し、2003年12月より23パーセントの増加。 MVA は、行楽期間中に増加している乗客に対応して、Asiana Airlinesが週3便に増便したことから伸びたと見ている。

台湾と香港も、直行便により、ぞれぞれ708パーセント、60パーセントの増加。Continental Airlinesが2004年11月に香港と台湾からサイパンへの週2便の直行便を開始している。この諸島では先月、香港から330人、台湾から323人の観光客を迎えて いる。中国市場からの訪問者は増加し続けており、2004年12月には2,803人。2003年の同じ月に比べて54パーセント増であっ た。

しかしCNMI最大の市場の日本は、2003年12月と比べ、2004年12月の訪問者は2パーセントの減少であった。MVAでは、東 京 からの便の収容力が、2003年12月と比べて、先月は17%減少したと報告している。

2004年12月下旬、日本からの2隻のクルーズ船がCNMIを訪問し、合計で1,013人の乗客を連れてきた。発動機船ふじ丸は、 12 月29日に579人の訪問者と共にやってきて、一方、飛鳥は12月31日に434人の乗客を連れてきた。

サイパンは、2004年12月に合計46,577人の訪問者を迎えた。グアム島からロタに直行した観光客は、6,410人を数えた。ロ タ は、1,240人の観光客の玄関口となっている。(Agana Pacific Daily News: Friday, January 14, 2005)

クルーズ船は打ちのめされたタイの沿岸への再訪をうかがう(タイ)

タイのプーケット島は直ぐにクルーズの旅程に復帰するかもしれないが、津波で荒廃したスリ・ランカに船が戻るのには、しばらく時間がか かりそうだ。クルーズ定期船は、過去数週間、プーケット島への寄港を取り止めて来たが、現在は、このクルーズ港として人気が出てきたこの 行楽地に戻る計画を立てている。

Star Clippersは、Star Flyerを2月12日のクルーズ向けに、プーケット島の伝統的な母港に復帰させる。この決定は、この影響を受けた地域の復旧が早く、プーケット島の周りの島々では観光向 けに再開したという楽観的な報告に基づいてなされたものだ、とStar Clippersの市場調査上席副社長Anjie McFarlaneは話した。

「タイは観光客に人気があり、当社としてタイ経済の復興を助けることができる唯一の方法です。」と語った。Star Flyerは1月中、シンガポールからの出発になっていた。

Seabournは、Seabourn Spiritのプーケット島寄港の計画を取り止め、代わって津波の影響を受けなかったマレーシアのペナン島にした。プーケット島は3月のクルーズ向けではまだ旅程に入れた ままにしている、とSeabournの広報担当監督のBruce Goodは話している。しかしながら、スリ・ランカの広範な津波の被害のため、Seabourn Spiritの4月のスリ・ランカの寄港は取消す、とGoodは話した。

Crystal Cruisesでは、3月のCrystal Serenityの世界旅行の一環としてプーケット島に寄港する計画を今でも持っている、と広報担当のSean Magnusonは語った。悲劇は、明らかにこの地域に行こうとする乗客の興味を削ぐものではなかった。Crystalのクルーズで取消は出ておらず、世界一周クルーズで は稀なことに、実際、駆け込み予約が入っている、とMagnusonは話した。

Star Cruisesは、火曜日と月曜日にプーケット島にそれぞれ寄港しているSuperStar VirgoとSuperStar Geminiを、マレーシアのランカウィ島に一時的に転配した。しかしできるだけ早く復帰させる計画である。広報では、12月26日に津 波が来た時、両船ともシンガポールに安全に接岸していたと話した。

一方、津波が襲ったときモザンビーク沖をMinerva IIがクルーズしていたSwan Hellenicは、セイシェルとプーケット島に2月に寄港する計画を未だにしていると話している。またプーケット島から1日あるいは1週間のクルーズをしている何隻かの タイの小型船では、phuket-travel.com/cruisesのウェブ・サイトにおいて、今や予約を受け付けている。

しかし新しいクルーズ会社のeasyCruiseは、津波被害のため、3月のアジアでのデビューの計画を取り止めた。かって Renaissance Cruisesの船隊に属していたeasyCruise 1は、タイとマレーシアを周遊する1週間クルーズを3月に開始することにしていたが、ヨーロッパの格安航空会社easyJetの一部門であるこの会社は、今や代わりに地中 海で運航を開始する計画だと発表した。

クルーズ客船会社の中には、乗客に津波救援のための寄付を呼びかけたり、被災地域に家族や親戚を持つ船員のための援助計画を立ち上げた り しているところがある。

例えば、Carnival Cruise Lineにはインドやアジア出身の船員が多いが、船員には無料電話や無料電子メールが提供され、必要ならば従業員の相談にものっている。この会社では、個人や家族の復興支 援のための寄付金となる基金を創設した、とCarnivalの広報担当者Jennifer de la Cruzは話した。(The Globe and Mail: Saturday, January 15, 2005)

広東でフェリー転覆9人死亡(中国)

1月16日、広州(コワンチョウ)発。土曜日、南中国の広東(コワントン)省でフェリーが貨物船と衝突して9人死亡した、と日曜日に地 元警察筋が語った。

この事故は、14人の乗客と2人の船員を乗せたフェリーが、東莞(トンコワン)市のHumen郡区の水路を、高速で走行していた砂利を 満 載した貨物船と衝突して起きたもの。地元警察による救助活動が直ちに行われ、7人が救助されたが、9人が死亡した。

初期の報道では、2体の遺体が見つかり、7人が行方不明であった。現在までに9人の犠牲者全員の遺体が発見され、沈没したフェリーは再 浮 揚された。

フェリー乗客の身元の確認と、その後生じた問題の処理は、現在行われている。(Xinhua: 2005-01-16 15:36:46)

Ocean Monarch…(ギリシャ)

クルーズ船のOcean Monarchは、昨日、ピレウス港に係留され、一方、作業員らが、ギリシャの南アジア向けの人道支援の食料、飲料水、衣類、医薬品など600トン余りの積み込み作業を続 けている。本船は、水曜日にスリランカに向かうものと見られているが、Majestic International Cruisesから無償で提供された。(Kathimerini: Monday January 17, 2005)

Lough Corribで索道式フェリー運航が計画(アイルランド)

Shannon FerriesがCo GalwayのLough Corribで、索道式カー・フェリー運航を始める計画だと報じられている。

今朝の報道によると、この会社は既にShannon Eastuaryを横断するカー・フェリーを運航しているが、Galway County Council(=ゴールウェイ郡議会)にCorrib計画を計画申請したという。承認されたならば、この索道式フェリーはアイルランドで最初のものとなる。

今朝の報道では、Shannon Ferriesは、Lough Corribの西岸のKnockferryから北東のKilbegに、24台の乗用車を積載できるフェリーを運航させたい意向という。(Ireland Online: 18/01/2005 - 08:00:36)

更に遅延のクルーズ船から乗客離れる(英国)

今日、350人以上の乗客が、故障した豪華定期船Auroraを後にした。専門家がこの船の推進システムを修理しようとしているもの の、この進行中の世界一周クルーズは遅延することとなった。

この定期船は、10日前に180トンの電気モーターの問題を抱えて、ワイト島から離れることが出来ないでいる。この1億600万ポンド の 船は、昨日の午後5時に遂にサウサンプトンを出港することと思われていたものの、推進システムに更に問題が生じ、この予定は取り止めと なった。新たな出発時刻は不明(注、その後クルーズは中止)。

この度重なる遅延は、乗船していた1,752人の乗客のうちの362人にとっては、十分過ぎるものであった。技術者が問題を修理しよう と していた間、乗客は宿泊無料、無料飲物、無料接待の扱いを受けていた。

オックスフォードシャーのSheilaとBrian Boardmanは、乗客の大半を代表する意見、すなわち、失望したが立腹してはいないと話した。

「休暇に船に乗った訳ですが、全く何にも起こりませんでした。少しも恥じずべきことではないですよ。」とBoardman氏は話した。 「でも話しているんですが、船員やP&O Cruisesがあれ以上のことは出来なかったでしょう。怒ってはいませんが、がっかりです。」

Boardman夫人は、夫婦でニュー・ジーランドのオークランドに旅行するつもりだったが、全額返金を受け、自宅までの費用を負担し ても らい、次のクルーズは25%引きにしてもらうと話した。

Boardman氏は付け加えた。「この船が今夜出港して世界一周に出かけたならば、下船したことを後悔するでしょう。しかし、かなり 不確実な様なんです。」

P&O Cruisesの広報担当者は、作業は今日の午後に行う予定で、どうするか決定する前に、最終的な海上試験を行うことになる、と話している。

このドイツ建造の船は、2000年に就航したものだが、王女によって命名された時から不運を蒙っており、シャンペンの瓶が砕けなかっ た。 それが悪い前兆であったと思われている。

処女航海においてAuroraは、ビスケー湾で故障し、びっこを引いてサウサンプトンに戻って来た。このときの乗客に対する賠償金は、 600万ポンドにも上った。

2003年には、この船は強い感染力のあるノロウイルスの直撃を受け、600人の乗員・乗客が、この嘔吐を催すばい菌で寝たきりになっ た。

乗客は、当初の103日間の旅行に、10,000ポンドから42,000ポンドを支払っている。昨日、この航海は93日間に短縮され、 40港の寄港地のうち幾つかが削られて、パナマ運河ではなく、スエズ運河を経由して帰国するものとされた。アカプルコ、バルバドス、ホノ ルル、サンフランシスコが、現在旅程から外された16港の一部となっている。(The Scotsman: Wed 19 Jan 2005)

裁判所はクルーズ船爆発の主張を退ける(米国)

連邦上訴裁判所は、クルーズ船のボイラーの爆発で死傷した24人以上のフィリピン人船員の家族は、フィリピンで財産的請求をすべきだと する決定を下した。

第11回アトランタ合衆国巡回上訴裁判所は、火曜日、船員の如何なる身体障害にかかる請求も、フィリピン仲裁裁判所に申立てることを要 求 するとすることでマイアミの裁判官に同調した。水曜日、本件を扱う弁護士にコメントを求めたが、直ちに返事をもらうことはできなかった。

2003年5月、マイアミに接岸中の全長1,035フィートのNorwayで、ボイラーが爆発し、8人の船員が死亡して、18人が怪我 を した。爆発原因の捜査は、今もなお続いている。

10人のフィリピン人船員と、生存者が合衆国裁判所に訴えを起こした。その主張を外国に回すと、アメリカの裁判所では何百万ドルにも上 る 賠償額が、フィリピンでは死亡した船員1人当たり、5万ドル程度になることになる。この1960年にフランスで就航した2,000人乗り のNorwegian Cruise Linesの船は、爆発後ドイツに曳航され、引退した。

フィリピン人船員は、クルーズ客船会社との労働契約で1頁の契約書に署名していたが、その最初のページに法的権利についての記載があっ た。船員と家族を代理する弁護士は、そのページは船員らの母国語ではない英語で印刷されており、仲裁についての記述はなく、説明もなされ ていなかったと論じた。

Norwegian側は、合意文書の内容は、署名した者の中では広く知られているものであると強く主張した。(The Ledger: Wednesday, January 19, 2005)

混雑した川のフェリーが転覆(コンゴ民主共和国)

コンゴ民主共和国の川で、商品や乗客を乗せた艀が転覆して60人に上る人々が行方不明になっており、死亡した虞がある、とこのアフリカ 中央部にある国の地元当局者は今日語った。

事故は昨日の朝、トゥシカパの町の西部近郊のカサイ川で起きた、とトゥシカパ市長はReutersに語った。市長は、遺体は見つかって お らず、何人死亡したかは判らないと話した。

「商品や乗客を乗せていた艀が引っくり返ったのです。その船には90人から100人乗船していたと見ていますが、確かなことは判りませ ん。生存者の話から、うち40人が判明しています。」とHubert Ndingoは語った。(Reuters: January 19, 2005)

CarnivalはP&Oの世界一周クルーズを中止(米国)

シカゴ発。技術的な突発事故で、Carnival Corp.のP&O Cruisesは、103日間の世界一周航海の中止に追い込まれた。これにより、この会社の2005年度の1株当たりの収益は、約5セント減少することとなる。

木曜日に市場が開くまで、Carnivalは船の推進システムの問題のため入渠中のAuroraの1,870人の乗客を、そのまま維持 す ると話していた。

CarnivalはAuroraの世界一周クルーズの中止で、「予想される代替クルーズの収益見積り総額」は、第1四半期においては1 株 当たり約3セント、第2四半期においては2セントの収益を削ることとなると話した。

影響は、Carnivalの予想利益においては大変に小さなものであり、Thomson First Callによる分析者の平均予想では、Carnivalの儲けは1株当たり2.77ドルとなっている。

「当社では、世界一周クルーズが終了する予定だった日時より前に本船が運航に復帰するものと見ており、当初予定されたものは短縮代替ク ルーズとなります。」とCarnivalは話した。

乗客は返金を受け、将来のクルーズの値引きも受ける。この旅行の費用は、18,000ドルから一番高いスィートで75,000ドル。 Carnival株は約1%下落し、木曜日は57.82ドルで引けた。(CBS MarketWatch: 4:14 PM ET Jan. 20, 2005)

2004年にフェリーで70,000人が旅行(ロシア)

2004年度、Sakhalin Shipping Company(SASCO)は、ホルムスクとワニノ間のフェリーで7万人の乗客を輸送し、TIA Ostrovaによると、2003年度よりも1パーセント増加したという。

年間乗客数は平均して5パーセントから6パーセント増加している、とSASCOの姉妹会社「SANES」の取締役Vasily Shiloは報告している。例えばフェリーを利用した乗客は69,550人であり、2002年度と比較して、5パーセントの増加だという。

この増加は、この地域で開発されている石油ガス・プロジェクトにより、サハリンに労働者が流入していることの結果である。別の理由とし て は、フェリー切符が比較的安価であることがある。2月1日からSASCOは、標準的な船室の料金を702ルーブルから540ルーブルに引 き下げ、豪華船室で1,428ルーブルから1,103ルーブルにする。この新料金は4月15日まで有効。

現在、3隻のディーゼル発動機船、Sakhalin-7、Sakhalin-8、Sakhalin-9がサハリン南部のホルムスクと、 ロ シア太平洋沿岸のワニノ間を定時運航している。乗客の評判によりSakhalin-8の職員に最高船員の称号が与えられた、とある通信社 が2004年に伝えている。(Sakhalin Independent: 20 January 2005)

Color Lineは信頼を維持(ノルウェー)

フェリー運航事業者のColor Lineは、ベルゲン・スタバンゲルとヒルトシャルス間の新航路に就航する35,000総トンのro-paxフェリーPrinsesse Ragnhild(1981年建造)で、更に200人のノルウェー人船員を雇用することとした。

この航路の競合他社Fjord Lineは、ノルウェー船籍からフェロー諸島船籍に移籍しているのに対し、Color LineはPrinsesse Ragnhildを伝統的なノルウェー船籍(NOR)のままにする、とノルウェーの日刊紙Dagens Naeringslivは伝えている。

Fjord Lineは、ノルウェー人船員の大半をバルト諸国の船員と交替させる計画。Prinsesse Ragnhildは昨年、オスロ―キール間のColor Lineの航路で、75,000総トンのColor Fantasy(2004年建造)と交替した。(PSi-Daily Shipping News: 01/20/05)

遠洋でのお食事(英国)

豪華遠洋定期船で船長のテーブルでの食事に招待されることは、19世紀初期の洗練さを物語るものだと多くの人々によって考えられてい た。

さて、1等船客によって楽しまれた贅沢なメニューと、最下級船室で旅をした人たちに出された簡素な食事の双方が、National Maritime Museum(=国立海事博物館)から出版された新しい本のなかで称賛されている。

The Captain's Table: Life and Dining on the Great Ocean Liners(=船長のテーブル:偉大なる遠洋定期船の生活と食事)は、定期船の全盛期に航海していた船のメニュー・カードが美しく掲載された現代的な料理の本。乗客に よって収集されたカードは、この博物館のコレクションの中から見つかったもの。

有名な料理ライターのSarah Edingtonによって書かれたこの本には、スープ、野菜、魚、肉料理、プディングの料理法が掲載され、遠洋定期船風の立食パーティーや晩餐会の計画に関する忠告も掲載 されている。

また、伝統、服装規定、洋上での食事の乗客の作法も調べられており、定期船の旅の黄金時代から現代のクルーズまで、金持ちも貧乏人も同 様 に、魅惑的な甲板での様子や、食事の様子について紹介している。

The Captain's Tableは、価格16.99ポンド。詳しくはウェブサイトへ。

Sarah Edington著、「The Captain's Table: Life and Dining on the Great Ocean Liners」。(ic Croydon: Jan 20 2005)

ボスポラス海峡でフェリーと油槽船が衝突して3人怪我(トルコ)

1月21日、イスタンブール発。Anatolia通信社が金曜日に報じたところでは、ボスポラス海峡でフェリーと油槽船が衝突し、3人 が軽い怪我をしたという。

同通信社は、このリベリア船籍の油槽船は事故発生時において原油を輸送しておらず、ルーマニアに向かっていた、と港湾当局者が話してい る のを引用している。

視界不良が事故原因かもしれないと言われており、当局者は夜間の海峡海上交通を閉鎖した。日刊紙のHurriyetは、怪我人は全員、 イ スタンブールの東部と西部を結ぶ通勤フェリーの乗客であったと報じている。

黒海と地中海とを結ぶ曲がりくねったボスポラス海峡は、世界で最も海上交通が激しい航路の1つ。(Turkish Press: 1/21/2005)

沈没した「Estonia」は爆発物を運んでいなかった(スウェーデン)

ストックホルム発。フェリーのEstoniaは、1994年に沈没した時にメディアが示唆していたような爆発物を運んでいなかったが、 沈没の前の週に軍事物資を輸送していたことがスウェーデン政府の調査で明らかとなった。

Estoniaは、1994年9月28日にタリンからストックホルムに向かう途中で沈没し、852人が死亡した。

調査によると、軍事物資がこのフェリーで輸送されていたことが確認されたが、それは電子機器であって武器関連のものではない、と金曜日 に 発表された。

「沈没したときに、防衛省の防衛調達事務所がEstoniaで防衛物資を輸送しようとしていたことと思われる根拠がありません。」と調 査 を率いたJohan Hirschfeldt判事は、記者会見で話した。

スウェーデン国防当局は、Estoniaを軍事物資の輸送に9月14日と20日に使用しただけだ、と判事は語った。

13,600トンのEstonia沈没の公式調査では、荒天により巨大な船首の扉が開き、車輛甲板に海水が流れ込んだということが判明 し ている。

しかしこの公式見解に異論を持つ者がおり、爆発のようなことで災害が起きたと言われている。最近の調査は、本船が爆発物の可能性がある 防 衛用武器を輸送していたことを示唆するテレビ報道を受けて、昨年始まったもの。(Reuters: Fri Jan 21, 2005 04:33 PM GMT)

悲惨なクルーズ客は帰宅(英国)

世界一周クルーズが中止となり、乗客はこの災害の直撃を受けた定期船Auroraを、遂に見放した。

乗船していた1,400人の大部分は、42,000ポンドの切符を買うために長年貯金をし、あるいは一生に一度の旅を計画したものだ が、 打ちのめされて岸に戻って来たのだった。P&O Cruisesがこの2億ポンドの船の機関の修理と格闘して失敗に終わった一方、イングランド南部海岸の11日間の旅を実に楽しんだと話す人もいた。

しかし、皆が幸せであったわけではなかった。

今朝、サウサンプトンの埠頭に降り立ったある男性は怒っていた。「この旅行に50,000ポンド以上もかけてきたし、初めてのクルーズ だったのに、これは酷い大災難ですよ。」

Ivan Ford(63)は次のように話した。「これは退職のご褒美だったんですが、世界を一周しないでワイト島を一周しただけで、もう台無しです。」

ケタリングから来たKatherine Kelly(48)は、母親とこの103日間の「Grand Voyage(=壮大な航海)」に行くために、3年間も休暇を取らないで働いてきた。

「私はこのクルーズに出かける前に車を売ったんですが、新しい車は4月まで来ないんです。しかし、これは船の上で伺った他の人の話に比 べ れば、ほんの些細なことです。移民するのにクルーズを利用していた人もいらっしゃいましたし、フォークランド諸島に父親の墓参に行くため に乗船している人もおりました(注、1982年のフォークランド戦争のこと)。」

しかしエセックス州バックハースト・ヒルから来たPaula Sturley(70)は、P&O Cruisesの職員に些かの同情を寄せていた。「大変に良く世話をしてくれたとしか言えません。」と話した。「出切るだけのことをしていました。」

ブラックプールから来たJames Hinley(63)は、船の上では時間がたっぷりとあり、船のクイズの勝ち組だったと話した。「皆さん、がっかりしたに違いないです。しかしP&Oには良くして もらいましたよ。連中をぶん殴ってやりたい人もいるでしょうが、しかし彼らは素晴らしいものでした。」

また船内の雰囲気は良好で、「ろくでなしや気取り屋」の類はいなかったということだった。(The Sun: Saturday, January 22, 2005)

クルーズ船で多くのウイルス患者(米国)

フロリダ州に向かっているカリブ海のクルーズ船の20パーセント近くの人々が、土曜日、胃腸ウイルスに罹患した、とCNNは報じた。

当局者は、Mariner of the Seasのある乗客が、3,465人の乗客と1,190人の船員が乗務する船内にノーウォーク様ウイルスを持ち込んだものと考えている。本船は、日曜日にフロリダ州ポー ト・カナベラルに到着することとなっている。

医療職員は229人の乗客と18人の職員が罹患していると話している、とRoyal Caribbeanの広報担当者は金曜日に話した。更に患者には処方箋なしで医薬品を提供して治療しており、快方に向かっていると付け加えた。

この海運会社は、3人の臨時医師と看護師を本船医療チームの応援に送り、船員に対して高度衛生処置計画を実施した。

ノロウイルスの症状は、オハイオ州ノーウォークで1972年に最初に認められたものであり、吐き気、嘔吐、下痢、胃痙攣といった症状。 (Newswatch 50, NY: Jan 22 2005)

世界で最も高出力のディーゼル砕氷船Krasin(ロシア)

1月22日、ウラジオストク発。現在、合衆国のMcMurdo南極基地に2隻の米国船を先導している砕氷船Krasinは、世界に3隻 ある最も高出力のディーゼル砕氷船の1隻である。

Krasinには42,000馬力の9基の機関が搭載され、最高速力は20ノット、排水量20,000トン、全長は135メートル。

この砕氷船は1976年にフィンランドで建造されたもので、ベーリング海やオホーツク海、北極海で、氷の中を何千隻もの船を曳航してき た。南極大陸沿岸での運航は、本船の歴史において初めて。しかしKrasinを保有するFar Eastern sea ship lineは、南極大陸の近くでの豊富な業務経験がある。

砕氷船Moskva(Moscow)は、1986年、氷に捕まったMikhail Somovという船を救助している。砕氷船Kapitan Khlebnikovは旅客定期船として改造され、様々な国から来た観光客を乗せて、過去10年間に何度も南極大陸沿岸に行っている。このKapitan Khlebnikovも、McMurdo基地にいた。現在、ロス海で砕氷船がクルーズしており、Krasinからそう離れてはいない。

ロシア船隊の歴史において、南極大陸への興味深い探険がもう1つある。Primorsky sea ship lineの油槽船BAMが、沿岸にあるソビエトの調査基地に燃料を輸送したのである。18,000トンの貨物を輸送できるこの油槽船は、氷の中を基地に向かった。BAMも フィンランドの建造だが、Krasinと殆ど同じように北極と南極で氷の中を進むことができるのである。

ロシアの砕氷船Admiral MakarovとYermakは、Krasinと同型。現在、バルト海で船舶を先導している。(ITAR-TASS: 22.01.2005, 10.29)

フェリー戦争の中の老舗会社(英国)

老舗会社のファンが、北アイルランドとスコットランドを結ぶフェリーを救うべく連帯している。

多くのCelticのとRangersのファン(注、フットボール・チームのGlasgow CelticとGlasgow Rangersのファンのこと)が毎週試合のために利用しているにも拘らず、ベルファストとトゥルーン間で赤字垂れ流しのSeaCatの運航は、切捨てに直面している。両 岸のファンは、この航路を救うことを決心した。

グラスゴーのCeltic Social Clubの広報担当者は語った。「我々の嘆願書は、署名で一杯になりました。」

Rangers Supporters Assemblyの会長Jim Templetonは話した。「我々もその嘆願を支持しています。」(Glasgow Sunday Mail: Jan 22, 2005)

タンザニアでフェリーが沈没して4人死亡、11人不明(タンザニア)

1月24日、ダル・エス・サラーム発。ビクトリアとのタンザニア沿岸沖で過積載のフェリーが沈没し、3人の子供を含む4人が死亡し、行 方不明が11人に上っている、と当局者が今日話した。

このアフリカ最大の湖の20人乗りの旅客船は、昨日、本土から約30人を乗せてキバラ島に向かっていた、と当局者は話した。

「4人の遺体を収容している。子供が3人と、大人が1人。」と地方弁務官Nimrod Lugoeは声明の中で述べていた。15人が救助されたとあった。

乗客はフェリーの船長に浸水していることを警告して戻るよう頼んだが、船長は無事に目的地に到達できると思っていたようだと声明には あった。

この湖を結ぶ船は、しばしば過積載であり、救命胴衣やその他の安全設備に欠けている。声明では、乗客の大部分は、10月にあることに なっ ている総選挙の登録のために向かっていたという。

タンザニア最悪のフェリー事故は、1996年5月に起きている。ビクトリア湖で船が転覆して、600人以上が溺死した。 (Deepika: Tuesday, January 25, 2005)

外国人観光客が乗船したフェリーがサムイ島沖で沈没(タイ)

1月25日、東京発。数十人の外国人を乗せた高速フェリーが火曜日に転覆して、タイの行楽地サムイ島からそれ程離れていないシアム湾で 沈没し、ヨーロッパ人の容貌の4人の外国人を含む、少なくとも7人が死亡した。

フェリーには少なくとも40人の外国人が乗船していた。行方不明者は20人に上っている。4人のエストニア人、1人のアメリカ人を含む 9 人が、病院で手当てを受けている。このフェリーは、事故が起きた当時、宵越しのフル・ムーン・ビーチ・パーティー(=満月の浜辺での宴 会)の後、パ・ヌガン島からサムイ島に帰ってくるところだった。

シアム湾はタイの太平洋沿岸。この地域は、12月26日の破壊的な津波の影響を受けなかった。多くの観光客が、津波で最悪の被害を受け た プーケット島から、サムイ島に移動していた。

タイのロシア大使館では、フェリーにロシア人が乗船していたか否かの確認作業に追われている、と大使館のIrina Borisyuk報道官がItar-Tassに語った。(ITAR-TASS: 25.01.2005, 06.10)

高波で洋上セミナー船が航行不能(米国)

数百人の学生を乗せていた洋上クルーズ船が、化け物のような波の直撃を受けた。学生のうち80人が、ピッツバーグ大学の学生。

太平洋で悪天候を体験した後、本船は50フィートの波の直撃を受けて、機関が損傷した。ホノルルから約1,600マイル離れたアリュー シャン列島の近くを航行中だった。この巨大な波により船の窓が割れて、3人の船員が怪我をした。4基の機関のうち2基が稼動しているが、 船長は船の針路を変更した。当初の目的地は朝鮮であった。

天候状態は僅かに改善されており、合衆国沿岸警備隊によって監視されている。(Pittsburgh Channel.com: 6:54 am EST January 27, 2005)

新しい旅客フェリーが到着(フランス)

新しい旅客フェリーが、ジャージー島とサン・マロ間を来月結ぶこととなる。

新船は、昨年英国のHoverspeedから傭船されたEmeraude Great Britainに代わるもの。この全長243フィート(74m)の双胴船は、Emeraude Franceと呼ばれることとなり、乗用車75台と旅客430人を積載する。

本船は前の船ほど速くはないが、会社側は、徒歩客には便利で設備が改善されていると話している。Emeraude GBは、以前の船が機関不調であったため、昨年傭船されていた。

2月に就航するが、シェルブールで改修するため3月に3週間、同航路を運休する。その間、Solidor Fiveが就航することとなっている。(BBC News: 27 January 2005)

病気の乗客のためクルーズ船タンパ港に早めに帰港(米国)

フロリダ州、タンパ発。何十人もの人々が、病気になってクルーズから帰ってきた。このHolland Americaのクルーズは、何十人もの人々が重い胃腸障害を訴え始めたために1日繰り上げて今日帰港した。

Holland Americanのクルーズ船「The Veendam」は、明日までタンパ港には戻らないはずだった。そのため、この街の外に住む多くの乗客に問題が生じることとなった。

このクルーズは、カリブ海西部クルーズであり、昨日はCosta Maya Mexico、今日は終日航海で、明日帰ってくる予定だった。(Tampa Bay's 10: Jan. 28, 2005)

2004年の国際海事輸送の利用が急上昇(韓国)

1月28日、ソウル発。韓国と3つの隣国との間の海運が、昨年、更に航路が開設されて、旅客と貨物の輸送に良い船が使用されるように なったことから急上昇した、と政府が金曜日に発表した。

海事水産部は、日本、中国、ロシアに船を利用して旅行した人の数が、年を追う毎に32.1パーセント上昇して、2004年には182万 人 以上に達したと発表した。貨物輸送は、20フィートコンテナ換算(TEUs)で、前年の295,000個から15.2パーセントの上昇で あった。(Yonhap News: 2005/01/28 14:40 KST)

フランスはSNCMの救済者を求める(フランス)

フランス政府は、国営フェリー事業者のSNCMを救済するため、民間の投資家を探している。

「新しい資本の投下と、このフェリー会社の立て直しのために、大手グループを探しています。現在の最悪の財政状態の下では、運航を継続 す ることは出来ない情況です。」と海運大臣のFrancois Goulardは語った。

この会社の労働組合は、会社の民営化の可能性を既に強く非難しており、「経済的というよりはむしろ政治的な決定」だと主張している。 CMA CGMという名前が、SNCMを引き継ぐ候補として上がってきている。また現在、CMA CGMによって引き継がれることで、このフェリー会社の北アフリカ航路が廃止され、コルシカ島航路は姉妹会社のCMN(La Meridionale)に飲み込まれることとなる、という噂が流れている。

昨日、臨時取締役会が開催されたが、ここでは経営ではなく大規模な再編の計画が決定され、労組代表が2月9日に再び会うことで同意した も のと見られている。

SNCMは、2004年度、2800万ユーロ(3660万ドル)の赤字を出し、2003年度には6600万ユーロの最後の公的資本が投 入 されているので、もはや公的支援を受けることが出来ない。この会社は2,400人の職員を雇用している。(PSi-Daily Shipping News: 01/29/05)

Rio-Antirio橋(ギリシャ)

ギリシャ西部のRio-Antirio橋は、木曜日の出火で切れた橋を吊っているケーブルの修理の努力を続けているものの、昨日で閉鎖 されて3日目となった。

専門家は、昨年の8月に開通して以来、ペロポネソス半島とギリシャ中央部の移動時間を劇的に短縮したこの橋の修理には、約2週間かかる も のと見ている。通勤者は今や、この橋が取って代わることになっていた、規則正しいがのろいフェリーの運航に戻らなければならないことと なった。

一方、この7億7000万ユーロの橋を建設したフランスの技術者は、出火の原因を突き止めようとしている。当初の見解は、雷が落ちたと い うものであった。別の見解では、強風でワイヤーが擦りあったか、橋を吊っているケーブルに沿って敷設されている電線がショートしたものだ としている。(Kathimerini: Monday January 31, 2005)