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2005年6月

2005年6月の海外旅客船情報

報告書はクルーズ船ターミナルの利益に疑問を投げかける(オーストラリア)

とあるクィーンズランド州の投資報告書が、ゴールド・コーストのクルーズ船ターミナルの経済的利益を疑問視している。

この最新のMidwood Reportは、ターミナルを経営するには金がかかり、Broadwater and Seaway(注、海岸と航路)の保守もまた、金がかかることになるだろうとしている。

分析者のBill Morrisは、ゴールド・コーストでは、むしろ極上のヨット産業の方がより魅力的だと話している。クルーズ船の乗客は期待するほど多くの収益を生み出さないかもしれな い、と語っている。

「1日当たりに消費されるドルは、1軒のホテルと比較して、極めて少ないことを示す多くの研究があります。非常に多くの様々な要求に応 じ て、乗客はお金を落とすものなのです。」と語った。(ABC Regional Online: Wednesday, June 1, 2005. 1:25pm (AEST))

FESCOは利益を上げる(ロシア)

Far Eastern Shipping Companyの総利益は、2004年度に10.4億ルーブルにも上り、2003年度と比較して2.4倍となった。

5月21日に開催された株主総会での報告では、1,031,934ルーブルに上る利益の大部分は、この会社の任意積立金に計上されると い う。9,371,000ルーブルが会社の準備金に回され、残りの1,391,000ルーブルが取締役の報酬に充てられる。2003年度も 2004年度も、無配当。

総会において、4人が定員9人の取締役会に選出され、現在の構成員のうち5人が、何とか席を確保した。

その現在の構成員(=役員)とは、FESCOの代表取締役のYevgeny Ambrosovと、持株会社のIndustrial Investors (Promyshlennye Investory)から出向の4人の幹部。持株会社のIndustrial InvestorsはFESCOの60パーセントを保有しており、連邦政府が20パーセント、残りの株式を零細投資家が保有している。

新しく選出された構成員(=役員)は、Russian Railways Company副社長Igor Rotenberg、ロシア運輸省の構造改革局副局長Andrei Starkov、Industrial Investors Ltdの財政監督局局長Antonina Murashova、そしてロシア首相の息子で、新しい計画Pyotr Fradkov部局のFESCO副社長、Mikhail Fradkovである。

この株主総会ではまた、2005年度の監査会社も選出しており、Moor Stevens CIS Ltd、Price Waterhouse Coopers JSC、KPMG、Deloit and Tush JSCである。

ロシア第3位の海運業者のFESCOは、70隻以上の船舶を保有し、載貨重量はざっと100万トン。2004年1月1日現在の資産は、 47億ルーブル(1億6,000万ドル)と報告されている。

FESCOは、カムチャツカのチュコトカ、マガダン、その他極北の僻地への供給物の大部分を扱っているが、2003年に ExxonMobilの120億ドルのSakhalin-1計画に参入すべく落札しており、船舶輸送やドリル装置の1つを用いた砕氷運航 を行っている。(Vladivostok Novosti: June 1, 2005)

Royal Caribbean Internationalは2006年のサウサンプトンからの航海で早期予約割引(英国)

イングランド、ウェイブリッジ発。今日、Royal Caribbean Internationalは、サウサンプトン発のLegend of the Seasによる2006年の高級クルーズを発表した。南部海岸の港湾発着の2005年度のクルーズの成功に引き続き、Legend of the Seasは、2006年度も再びサウサンプトンを本拠として、より様々な旅程、日程のクルーズを提供する。

2005年7月31日までになされた2006年度の予約では、7泊以上の全てのクルーズで、一人当たり100英国ポンド(150ユー ロ) の割引となる。クルーズの中には、(可能な限り)子供が無料になるクルーズもある。また、地方の中核空港からの航空運賃が引き下げられ (一人当たり70英国ポンド・99ユーロ)、サウサンプトンでの駐車料金は無料となる。期間と条件の限定がある。(中略)

Royal Caribbean Internationalは、世界的なクルーズ休暇会社であり、就航中の19隻の船舶と、2隻の建造中の船舶を保有する。Legend of the Seasと、Royal Caribbean Internationalのその他のクルーズ休暇の情報は、旅行代理店か電話0800 0182020、あるいはウェブ・サイトへ。(Scotsman: Wed 1 Jun 2005 12:01pm (UK))

キプロス:LouisはAegean Iを購入(キプロス)

Louis Plcは、同グループの子会社を通じて682床のAegean Iを、540万米国ドル(245万キプロス・ポンド)で購入することで合意した、と「Financial Mirror」は報じている。

この11,563トンの船は、1998年以来、ピレウスからギリシャ諸島、トルコのサクサダシ港に4日間クルーズを行ってきたが、傭船 し た他の2隻の船からなるGolden Sun Cruisesの船隊の悩みの種となっていた。

Aegean Iは、RoRoフェリーZimのNarcisとして1973年建造。1986年にDolphin Hellas cruisesに購入され、1988年に280室あるクルーズ船に改造されてAegean Dolphinに改名。1995年に、Epirotikiの運航船として登録。1996年にRenaissance Cruisesに傭船されて、Aegean Iに再命名され、1998年以来、Golden Sunが地中海クルーズで使用してきた。5つのバー、4つのラウンジ、図書室、映画館、カジノがある。

このLouisの取引は、関係官庁の承認を得ている。(Reporter.gr: 15:52 - 02 June 2005)

霧の衝突船の船長らは起訴(中国)

2月に南Y近くで、霧の中衝突した高速フェリーと本土貨物船の船長は起訴されることになる、と海事局は話した。

近年の香港海域において102人が負傷する最悪の衝突となった海難事故の報告書の完成に引き続いて、この発表となった。

同局では、法的理由から報告書の調査結果を控えているが、同様の事故が繰り返されることを避けるべく、幾つかの予防策がとられることと な る。

2月17日の朝、本土船籍の旅客双胴船Nan Sha 38は、珠江デルタの南沙に向かう途中、香港に向かっていた石炭船Zhong Hang 908と濃霧の中、南Y島の南西沖で衝突した。

海事局長のTsui Shung-yiuは、木曜日、捜査当局の捜査報告書を受け取った。同局では海運港則法令の違反を申し立てられている船長を起訴するに当たり、司法局の法的忠告を求めてい た。

裁判事件が終了したときに、調査結果や結論を含む、完全な報告書が公表されることとなる。(後略)(The Standard: June 3, 2005)

フランス船は五大湖クルーズから解放(米国)

オー・ボワー(=さよなら)、Le Levant、そしてOrion。昨年五大湖を結んでいたセクシーな青の船体のフランスのクルーズ船は、遠くの海に行ってしまった。

昨年、五大湖クルーズに参入したグラマーなOrionは、オーストラリアの会社に傭船されて、今年スペリオル湖とマキナック海峡の代わ り に、タスマニア島、バリア・リーフ、東チモールで航海することとなる。

「金を稼いで走りましたよ。」とカナダのオンタリオに本拠を置く五大湖クルーズの調整代理店Cruising the Great Lakesの取締役、Christopher Wrightは話している。

一方Le Levantは、所有権が変わってヨーロッパに向かい、今年の夏、バルト海をクルーズする。

この2隻の船がいなくなったということは、昨年7,000人以上が航海したのに対して、今年の夏に五大湖でクルーズする乗客が、たった の 3,400人だと見込まれていることを意味する。

3隻のクルーズ船が未だに五大湖を結んでおり、セント・ローレンス河からケベックに向かう旅を提供している。(中略)

Nantucket Clipperは、多くのクルーズで5パーセント引きをしており、この中には目を見晴らせるシカゴからケベック・シティに行く15日間の航路があり、通常約5,000ド ル。

これでもまだ高過ぎるというのならば、6日間の「Lake Michigan Getaway(=ミシガン湖逃避行)」がある。これはGrand Caribeに乗って8月31日から9月6日までのもの。このクルーズはシカゴ発着で、最低1,380ドルから1,635ドル。(Arizona Republic: Jun. 5, 2005 12:00 AM)

4人組がThe Poseidon Adventureに乗り組む(米国)

Kurt Russell、Richard Dreyfuss、Emmy Rossum、Mike Vogelが、Wolfgang PetersenのThe Poseidon Adventure(=ポセイドン・アドベンチャー)の再映画化に出演する。一方Andre Braugherは、出演交渉中。

Foxの1972年のオリジナルのように、このWarner Brosの映画は、津波で転覆したクルーズ船S.S. Poseidonの生存者をなぞるもの。船内に閉じ込められた生存者は、海面に出るために、船体を通り抜けて船の底へと登っていくことを余儀なくされる。

The Hollywood Reporter(注、映画業界紙)は、Russellは元消防夫で、娘(Rossum)とその恋人(Vogel)と共に旅行中の市長を演じるという。Dreyfuss は、出発直前に関係が破綻したゲイの男性を演じる。Braugherは、船の船長を演じることになっていた。

Mark ProtosevichとAkiva Goldsmanが、Paul Gallicoの小説を元に、この映画のための脚本を書いた。撮影は、6月18日にWarnersのスタジオで始まる予定。(Comingsoon.net: June 6, 2005)

ケーララのコロンボへの旅客船に待った(インド)

6月7日、Thiruvananthapuram発。ケーララは、中東とコロンボへの旅客船運航を認める中央政府の手続きを待ってい る。

「書類は中央政府の下に行っています。コロンボと中東を結ぶ旅客船を提案しているのです。コロンボ運航は、LTTE (Liberation Tigers of Tamil Eelam)(=タミル・イーラム解放の虎)の安全上の懸念から許可はされそうにないです。」と州運輸大臣N. Sakthanは、火曜日、当地の記者達に語った。

「Air-India Expressの格安航空機の就航で、中東運航も直ぐに強い影響があるようなものではないです。」

昨年、コロンボに本拠を置くGolden Cruiser Linesと州有のKerala Shipping and Inland Navigation Corporation (KSINC)との間で、Thiruvananthapuramとコロンボ間で旅客運航を始める取引に署名がなされた。

コーチンと中東間の運航について、韓国のクルーズ会社との間で、話合いも始まっている。

「LTTEの問題を別にすれば、KSINCが運航を計画している船には全ての設備が整っていないことが判っています。それで、別の船を 捜 さなければならないのです。」とSakthanは話した。この提案では、当地とコロンボ間を週2回運航し、500人の乗客を収容するとい うものだった。

中東運航に関しては、運輸局関係者は次のように話している。

「中東に格安航空会社が運航しているので、船の運航は実現しないかもしれない。」

約2年前に始まったマスカットへの船の運航は、運航上の問題から2回運航して廃止しなければならなかった。(Webindia123: June 07, 2005 4:40:04 PM IST)

オルダニー島のフェリーがお役所仕事に脅かされる(英国・フランス)

オルダニー島は、シェルブールへのフェリー航路を断たれることになりそうだ。

フランスの税関当局は、Lady Marisはシェルブールのマリーナを使用しないで、シェルブールのフェリー港へ航路を変更するよう主張している。しかし、このフェリーの船主は、そのフェリー港は大変に 混雑していて魅力がなく、12人しか乗客を乗せない船にとっては安全ではない可能性もあると話している。

経営陣は、8年間に及ぶ運航を継続するか否かを決定すべく、このフェリー港を訪れることにしている。フランス当局は、海事法令に従って 動 いている。Lady Marisの支配人Chris Walkerは、次のように語った。

「フランス側はむしろ状況を悪化させています。連中はそのフェリー港に行けと言い張るのですが、実際には、弊社の大きさの船に対応する 施 設がないのです。妥協はしてくれそうにありません。現在、こちら側のできることとしては、シェルブールの港湾当局に、弊社が安全に使用で きる施設を用意してくれるよう働きかけるだけです。それが駄目ならば、運航ができなくなりますから、廃業することとなります。」(BBC News: 8 JUNE 2005)

クルーズ船に抗議のウィティアーの港湾労働者逮捕(米国)

アラスカ州、アンカレッジ発。国内労働者の論争が、ここアラスカで始まった。この論争は、ウィティアーのCarnival Cruise Linesに対抗する、組合員数15,000人のWest Coast Longshoremen's Union(=西海岸港湾労働者組合)で始まったもの。

その論争は、水曜日午後に、クルーズ船の乗客と組織労働者との間での衝突で爆発し、少なくとも5人が逮捕される事態となった。その港湾 労 働者は、Carnival Spiritに乗客が乗船するのを妨げようとして、クルーズ船乗客の前に立ちはだかり、逮捕された。乗船を妨害することには失敗し、労働組合員は今夜、騎馬警察隊の留置所 に拘置された。

この組合では、Carnivalの船舶では単に荷役作業をしているだけの外国人労働者を使用して、Carnivalは時給29ドルの生 活 給を稼いでいるアメリカ人労働者を削減しようとしていると非難している。

「連中がやっている事は全く違法であって、アメリカ人は立ち上がるべき時なんです。」とInternational Longshore and Warehouse Union(=国際沿岸・倉庫組合)の委員長Carl Normanは話した。「これはアメリカ人労働者に対する不正行為であり、これは合衆国全体の経済に対し大変に良い衝撃を与えることとなる活動の始まりなのです。正にこ こ、アラスカ州ウィティアーは、我々が反応できない離れた場所だと連中は考えて、始めたものなのです。」

「もし明日呼び出されて、『あんたは首だ。あんたの仕事を代わりにする少しばかり安い人間を雇ったんだ。』なんて言われて、嬉しいです か?」とある港湾労働者は言った。(中略)

その日の晩までに、少なくとも5人の港湾労働者が留置所に送られ、組合の委員長は激怒した。

「これは恥ずべきものです。」とNormanは話した。「ここで起きている状況の全てを恥ずかしく思いますよ。連中は自分達が何をして い ると思っているんですかねぇ。我々はアメリカ人と我々の生活をを守るために、ここにいるのです。で、どうなったんでしょう?豚箱送りなん ですよ。」

連邦法令は、合衆国内の港湾ではアメリカ人労働者を乗船させることを要請している。しかしCarnival側は、船の中に手荷物を移動 さ せるための自社の労働者を持つ権利はあると言っている。この論争はしばらく続きそうだ。港湾労働者側は、Carnival Spiritが戻って来た時に、再びウィティアーに集まると話している。

組合によると、ここは港湾労働者がクルーズ船に手荷物を運ぶ権利がない言われた唯一の北米の港湾だという。港湾労働者側は、ウィティ アー はかなりの僻地なので、Carnival側は気付かれずに変更できるのではないかと考えたものと見ている。もちろん組合側は、そうした動 きに目を光らせている。

Carnival側は、船の手荷物を運び入れる労働者を持つことは、法令上の権利の範囲内のものであるとしている。(KTUU: Wednesday, June 8, 2005)

フィンランドのフェリー運航事業者は、利益が落ちて大幅赤字(フィンランド)

フィンランドとスウェーデンを結び、フィンランド湾を横切ってエストニアと結んでいるViking LineとSilja Lineという似た者フェリーは、同海域での乗客が大変に減少している。両フェリー運航事業者とも、大幅赤字の数字となっている。

火曜日、Viking Lineは、2004年11月から2005年4月までの6ヶ月間の決算を発表したが、税引き前の損失が約1,400万ユーロで、当期の総売上の10%近くに上った。1ヶ月 前、Silja Lineの英国の所有者Sea Containersは、ここの白いフェリーの税引き前及び政府支出金充当前の2005年第1四半期の損失が1,900万ユーロとなり、売上高は1億2000万ユーロちょ うどであったと発表した。

年間の最初の数ヶ月は、伝統的にフェリーにとって良い時期ではないのは確かだが、傾向として、乗客数においても収益性においても、 Siljaの損失は前年の水準の3倍であり、Viking Lineが悪い方に4倍増加したことは紛れもない事実。

バルト海における旅客往来の状況変化が、この財政報告書から平易に読み取ることができる。旅客輸送の運の尽きは、昨年の5月にバルト諸 国 が加盟したEUの拡大に起因するものであり、フィンランドの酒税の引き下げも伴った。

乗客が不足しているわけではなく、とりわけヘルシンキ―ストックホルム横断航路においてはそうである。しかし船上では余り消費しなくな り、商品販売の利益が落ちている。収益性は、高い石油価格と、市場における収容力の増加、すなわちエストニアの海運業者がヘルシンキ―タ リン間を運航して競争が激化したことによる直撃も受けている。

またフィンランドの海運会社は、補助金による助成に関する限り、頼みの綱は切れるもの考えられている。今年の始めから国際的な競争力を 保 つためにフィンランドの船主支援がなされて来たが、これが増額される余地はない。

フィンランドの船舶が酷く打撃を受けていることの1つに、船員の人件費がある。Tallinkのエストニアの海員は、Silja SerenadeやVikingのMariellaに乗務しているフィンランド人の同僚に比べて安いのだ。

研究者は、フィンランドの海運会社は、短期的な生き残り策を模索せざるを得なくなると論じているが、現在、大きな賃金格差が存在してい る。時が経てばEU内における賃金格差が狭まることは、もちろんのことではあるが。

更に最近のみすぼらしい状況の原因は、大型洋上食堂である古い「スウェーデンの船」が、盛りを過ぎてしまったことにあるのかも知れな い。 貨物の比率が近年急増しているので、将来は貨物を率先して扱わなければならなくなるだろう。

伝えられているところによると、Silja Lineは衰退を食い止めるべく、トゥルク―ストックホルム航路に新世代のRO-RO型貨客船を発注する積りだという。

同様のことがヘルシンキ―タリン間の貨物輸送についても言えるが、両都市間をsuperfastの旅客フェリーが運航しており、もはや 飽 和水準に達しつつある。

フィンランドの運航事業者はフィンランド湾の外れのサンクト・ペテルブルグにも目を向けるべきだ、とも言われて来た。

サンクト・ペテルブルグの港湾施設や旅客ターミナルは比較的未開発であり、ロシアのお役所仕事は、前向きと言うには程遠いものであっ た。 そうではあるものの、フィンランド人その他が、この都市の名所に興味を持ち、一番のみものとなるサンクト・ペテルブルグへの航路の寄港地 として、大型の国際的なクルーズ定期船がフィンランドの首都であるヘルシンキを使用している。

この航路の開設の障害となったのは、現在の査証の取決めだ。旅行者を捉えるためには、ずっと速い体制作りが必要となるだろう。 (Helsingin Sanomat: 12:50 Helsinki time Thursday 9.6.2005)

クルーズ客船の労働者、お得意様ヘロイン、コカインを密輸と連邦検事語る(米国)

連邦検事によると、体にコカインやヘロインを紐で縛り付け、クルーズ船を使って、南フロリダやカリブ海中で禁制品を何百ポンドも輸送し ていたという。

クルーズ船を使ったコカインとヘロインに関する連邦当局の捜査で10人が起訴された、と金曜日、マイアミの合衆国検察庁が発表した。木 曜 日に新たになされた起訴で、密輸での被告人の数は55人に上った。

その一味は、1998年から2004年まで暗躍し、これにはクルーズ客船会社の従業員や乗客も含まれる、と連邦検事は話した。2年に及 ぶ 連邦当局の捜査で、フォート・ローダーデール、マイアミ、キー・ウェスト、幾つかのカリブ海諸島の何ダースものクルーズ船から、何百ポン ドもの薬物が没収された。連邦検事が没収したものには、次のものがあった。

2002年、キー・ウェストのDisney Cruise Linesの船から正味33ポンドのコカイン押収。
2002年、マイアミのNorwegian Cruise Linesの船から正味33ポンドのコカイン。
2002年、フォート・ローダーデールのCelebrity Cruise Linesの船から正味27ポンドのコカインと2ポンドのヘロイン。
2003年、米領バージン諸島のセント・トーマスのNorwegian Cruise Lineの船から正味132ポンドのコカイン。

この10人は、合衆国にコカインとヘロインを密輸しようと共謀し密輸したとして、新たに起訴された。連邦薬物裁判において、懲役刑に直 面 することとなった。

連邦検事によると、被告人は次の通り。Dervin Blackburn、Terry Brown、Richard Flowers、Jacqueline Martin、O'Neil McLean、Valentine Lynch、Lancelot Steele、Ashley Thornton、そしてAntonio Valentine。(Sun-Sentinel.com: June 11 2005)

ドーバーでの価格戦争がエスカレート、船に乗るか列車で行くか、Mark Hodsonが検証(英国)

今年の夏、イギリス海峡には革命が押し寄せる。ドーバーとカレー間の運賃・料金が単純化されて、何と75%引きにもなるのだ。先週、 Eurotunnelは価格を引き下げ、格安航空会社流の運賃体系を導入した。海峡横断フェリー事業者は、慌てて同じことをしている。

格安航空会社流を最初に採用した会社はSpeedFerriesであり、この新しいEasyJet流の会社は、ドーバーとブーローニュ 間 の運航に踊り出た。今や乗用車1台と共に横断する往復運賃が、たったの50ポンド。数年前には同じものが、200ポンドもしたものだっ た。

P&OやSeaFranceのような老舗の競合他社は今や追いついて、価格を切り下げ、錆びついた老朽船を洒落た高速フェリー に 何百万もかけて代替している。全ての運航事業者は、今や新しい運賃体系に転がり、この価格は大陸に5日間以上も滞在したい者にとっては激 しく上昇する仕掛けのものとなっている。

ということで、フェリーかトンネルを使って海峡をぴょこんと飛び越えることは、今年の夏、大変にお値打ちだが、どっちに予約すべきなの だ ろうか。我々は海峡を渡り、主要な運航社を検証した。その後、8月1日の昼間の、乗用車1台、乗客5人で、1週間後に戻って来る運賃を比 較した。価格は発行時における正確なもの。

SPEEDFERRIES
現代的な双胴船に乗って行くドーバーからブーローニュまでの横断時間は、1日5往復で、元気ある50分。

徒歩客やトラックは乗船できない。片道運賃は、需要に応じて25ポンド、35ポンド、45ポンド、55ポンド。滞在期間の最短・最長制 限 はなし。しかしインターネットでの予約でないと、10ポンドの追加金が徴収される。電話0871 222 7456か、ウェブ・サイトへ。

設備:船には食堂や売店はない(計画されてはいる)。Legoで遊べる子供用の遊戯区画がある。艫に屋外甲板あり。5/10

快適さ:船が満員であってもたっぷりと広い2層の空間に、パッド付きの座席の一群。内装は空港の休憩室のような気の滅入るもの。しかし 酒 盛りクルーズの徒歩客がいないので、概して落ち着いた雰囲気。7/10

職員:とりわけ陽気で友好的。9/10

食事:バーでコーヒーとペーストリー(注、練り紛製の菓子)。1日中、朝食用バゲット(注、フランス・パン)にありつけたが(3.25 ポ ンド)、くそ不味いもの。3/10

効率:荷役作業は、素早く滑らか。しかしたったの1隻しか保有していない会社なので、故障に弱い。8/10(The Sunday Times: June 12, 2005)

カラチ―ムンバイのフェリー運航目前(パキスタン・インド)

6月12日、イスラマバード発。パキスタンは、かってはインド―パキスタン間の関係が「適切な段階」に到達したこともあるムンバイとカ ラチ間の提案されたフェリー運航再開の決定を行ったと話した。

「政府は、かってインドとの双務関係において適切な段階に到達したことのある提案されたカラチ―ムンバイ間のフェリー運航に関する最終 決 定を行う。」と港湾海運大臣のBabar Ghauriが昨日、国会で話した。

予想される運航開始は、民間会社のM/s Land Ocean Tradingが行なうもので、同省にカラチ―ムンバイ間で、高速単胴船を運航することの許可を求めているという。同省は、この件は外務省に送ったと話した。というのは、 提案されたパキスタン―インド間の海運議定書の修正が、「外交上の緊急案件」により滞っているからである。

インドは2004年に築いた信頼関係の一環として、フェリー運航を再開するよう提案してきた。原則的にパキスタンはこれに合意している が、この件に関して何らの進展もなかった。(Chennai Online: Sunday, June 12, 2005)

高い運賃とのろまなフェリー(カナダ)

バンクーバー発。B.C. Ferriesの社長David Hahnは、会社の燃料節約の採るべき道は、船舶の速力を下げることしかないと話している。そうすれば使用燃料を減らすことができるが、旅行者に切符を販売するのが難しく なることにも注意が必要だと語っている。

「運航を減らすつもりはありません。航海時間を長くすれば、使用燃料を切り詰めることができます。しかしそうすると、航路によっては接 続 が大変に複雑になるのです。」

提案された燃料追加料金は、主要な航路で旅客切符価格を70セント増しにするもの。その他の航路では25セント増し。車輛は、1航海に つ き2.50ドルの別料金を取ることとなる。

Hahnは、この追加料金は船舶の運航を維持し、良好に保守していくためには必要だと弁解している。

今年、B.C. Ferriesが2004年度よりも2,500万ドルも燃料に費用が嵩んでいることに注目している。この要請は、B.C. Ferry Commissioner(=ブリティッシュ・コロンビア州フェリー委員会)の承認が必要で、ここではその決定をする前に公聴会を開く必 要がある。承認されたならば、追加料金が7月15日から課されることとなる。

この追加料金計画の一環として、B.C. Ferriesは、今年の秋に予定していた運賃の引上げを、2006年4月まで遅らせる決定をしている。(CBC British Columbia: Jun 13 2005 08:21 AM PDT)

乗客がNCLの船がTV番組のために回り道したとして1億米ドルの訴え(米国)

テレビ番組の「The Apprentice(=初心者)」に出るためにニューヨークに急いで戻って来たNorwegian Dawnに乗船していた乗客の一団が、Norwegian Cruise Lineに対して1億米ドルの訴訟を提起した。この船は、異常な波によって被害を受け、旅程を短縮して戻ったもので、このヒット番組の一部で紹介された。

乗客らは生命が危険に曝され、船は「The Apprentice」に間に合うよう、ニューヨークに向けて嵐の中を進んで来たと主張している。

4月16日、110メートルの波が本船の船首に激突し、窓を粉砕して船室を水浸しにし、数人の乗客が負傷した。

NCLに対する訴訟は、本拠地であるフロリダ州に提起される見込み。(Travelbiz.com: 14 June 2005)

合衆国船籍の船は大統領顧問団級の名付け親を迎えることに(米国)

合衆国労働省長官が、これまで建造された最大の合衆国船籍のクルーズ船で、この半世紀で合衆国船籍に登録された最初の新船となると NCL Americaが話している船の名付け親となることになった。

Elaine L. Chaoは、6月17日にニューヨーク・シティで行われる式典で、Pride of Americaを命名する。

マイアミに本拠を置くNCL Americaは、Pride of Americaは、全て合衆国の上級船員と下級船員を雇用し、ハワイと合衆国の経済に何百万ドルももたらすこととなると話している。

NCL Corp.の社長で最高経営責任者のColin Veitchは、Chaoは8歳の時、英語の話さない若い移民として、この国に渡って来たと語った。

台湾から来たChaoは、ニューヨーク州クィーンズで育った。Harvard Business SchoolでM.B.A.(=経営学修士号)を取得し、Mount Holyoke Collegeで経済学の学士号を得た。Chaoは、合衆国上院の院内総務Mitch McConnell上院議員(共和党、ケンタッキー州)と結婚することとなっている。

合衆国運輸省の長官代理、連邦海事委員会会長、合衆国運輸省海事局長代理を含む政府の要職にある。また、Peace Corps.の理事で、United Way of Americaの代表兼最高経営責任者であり、Heritage Foundationの著名人でもある。

「今日、大統領顧問団に歴史上初めて指名されたアジア系アメリカ人女性となりました。決意を持って一生懸命に働けば、アメリカにおいて 成 し遂げることが出来るものを見せてくれたのです。」とVeitchは付け加えた。「彼女こそ、弊社が大変に誇りに思ってPride of Americaの名付け親にお願いすることのできる、人々を鼓舞する教養ある指導者なのであります。」

81,000トンのPride of Americaは、NCL Americaの合衆国船籍の船の第2船。Pride of Alohaが、2004年7月にハワイ島嶼間のクルーズを始めている。

NCL Americaの合衆国船籍のクルーズ船である第3船のPride of Hawai'iは、2006年に引き渡される。3隻の合衆国船籍のクルーズ船が就航すれば、4,000人近いアメリカ人海員が雇用され、NCL Americaは、国内最大の合衆国商船員を雇用する民間企業となると話している。

7月に、ホノルルから7日間クルーズが予定され、Pride of Americaは、ハワイ島ヒロに1日、マウイ島カフルイに2日、ハワイ島コナに1日、そしてカウアイ島のナウィリウィリで2日過ごすこととなる。(South Florida Business Journal: 9:56 AM EDT Tuesday)

マルタ島―ゴツォ島のフェリー乗客数減少(マルタ)

2005年の第1四半期にマルタ島―ゴツォ島のフェリーを利用した乗客は、625,998人で、昨年の同時期よりも30,448人、 4.6パーセントの減少となった。

National Statistics Office (NSO)(=国家統計局)の発表したデータによると、乗用車の輸送量は15,195台減少して180,357台で、2004年の同時期よりも7.8パーセント以上の減 少。

この統計の論評記事の4分の1では、マルタ島―ゴツォ島間の運航は4,238回で、前年の同時期よりも232回、5.2パーセントの減 少 であることも示している。

M V Melitaは271,895人を輸送し、今期の全乗客の43.4パーセントを輸送した。他のゴツォ海峡の2隻の主要フェリーM V GaudosとM V Ta' Pinuは、それぞれ211,238人、142,865人を輸送した。(Maltamedia Daily News: Jun 14, 2005, 14:45 CET)

新しいハリッジ・オランダのフェリー運航(英国)

新しいRopax(貨客フェリー)運航が、Nedlines BVにより、ハリッジ国際港とオランダのアイモイデン間で始まる。

この運航は9月に開始する予定だが、貨物車の運転手に照準を合わせることとなる。Nedlinesは、オランダ北部の港湾とイングラン ド 南部間に1泊航海を毎日提供する最初の運航事業者となる。顧客は、既存の北海とイギリス海峡のフェリー運航事業者の航路と選択することが できることとなる。

エセックス港の最高経営責任者David Gledhillは、次のように語った。

「Nedlinesは5年協定を当港と結んでおり、ハリッジの荷役業者の選択の幅を広げることとなります。この新しい運航で、当港は ヨー ロッパやスカンジナビアへの主要なRo/Ro貨物の玄関口としての地位を固めることとなり、毎週、ヨーロッパとスカンジナビアへ57航海 も提供することとなるのです。」

この新しい運航はMS Envoyによって行われるが、この船は、トレーラー100台、乗用車50台、更に200人の乗客を積載することができる。

Harwich International Port (HWH)(=ハリッジ国際港)は、多国籍企業であるHutchison Whampoa Limitedの完全子会社であるHutchison Port Holdings Groupの一員。(Business Weekly: 15 June 2005)

MOBYはチベタベッキア―オルビア間のフェリー運航を倍増(イタリア)

6月14日、イタリア、カリアリ発。Mobyは昨年より乗客数が21パーセント増加したことを受けて、チベタベッキア―オルビア間の運 航回数を、明日から9月14日まで増加させる。Moby Fantasyと命名された新しいフェリーは夜間運航を行い、そこに最近購入したフェリーのMoby Akiが加わる。

今年の夏の初めは、Moby Fantasyが午後10時にチベタベッキアからチベタベッキア(注、オルビアの誤りか)に出発し、午前12時にオルビアからチベタベッキアに出発する。この時刻は8月 15日からは逆になる。Mobyは、「乗用車持ち込み1ユーロ」と、フェリー1隻に付き20万台まで駐車場提供という販促活動を行う。

詳しい情報は、Mobyのウェブ・サイトか、この会社のコール・センター199.30.30.40番へ。(Agenzia Giornalistica Italia: Wednesday June15, 2005)

クック海峡の新しいフェリー(ニュー・ジーランド)

鉄道とフェリーの運航事業者Toll New Zealandは、クック海峡を横断する航路を定期運航すべく、スウェーデンのStena RoRoから巨大旅客フェリーを賃借することを認めた。

3月にTollは、フェリー船隊を見直し、Lynxの高速フェリー運航を継続しない計画であると話していた。

Toll shippingの常務取締役Paul Garatyは、1,600人乗りのStena Challengerは、夏の繁忙期を迎える前の8月に、ニュー・ジーランドに到着すると話している。

Toll NZは、当初5ヵ年の賃貸借で、傭船料と年間運航料として115万ドルを支払う。3年間以上の期間延長の選択権が付いている。Tollのオーストラリアの親会社Toll Holdingsは、1億1,100万ドル相当のStena Challengerの賃借を保証している。(TVNZ: Jun 15, 2005)

道具箱がフェリーを止める(米国)

シアトル発。ワシントン州のフェリーTacomaは、「疑わしい箱」が見つかったため、木曜日の晩、2時間30分以上に亘って運休し た。

Washington State Ferriesの広報担当者Susan Harrisは、それが道具箱であることが判明したと語った。

このフェリーは混雑するシアトルとバインブリッジ島間を運航しているが、乗客用船室の後ろに謎の箱があるとのフェリー船員の報告を受け て、2往復が運休となった。

フェリーの保安を担当しているWashington State Patrol(=ワシントン州保安隊)は、爆発物探査犬で調べて、午後10時15分には全てが安全だと判ったとHarrisは話した。就航しているもう1隻の船 Wenatcheeは、Tacomaを調べている間も運航を継続していた。

その箱を誰が船に忘れて行ったのかは、直ぐには判明しなかった、とHarrisは語った。(Seattle Post Intelligencer: Thursday, June 16, 2005)

オーストラリアの銀行がフェリー会社を掴み買い(英国)

ワイト島とイングランド南部海岸間で乗客を乗せているフェリー会社が、今日、2億5,000万ポンドで買収された。

英国最大の独立したフェリー運航事業者のWightlinkは、過去10年間事業に関わっていた経営陣を含む株主によって、オーストラ リ アの銀行Macquarieに売却された。

この取引でWightlinkの最高経営責任者のMike Aikenには、何百万ポンドもの大金が転がり込むことになるが、このフェリー会社は今日、コメントを避けた。

Wightlinkは、乗用車と乗客を積載できる8隻のフェリーと4隻の高速双胴船を保有している。ポーツマス、ライミントン、フィッ シュボーンの港から、島のヤーマス、ライドを結ぶ3つの航路を経営している。毎年550万人以上がこの会社の船を利用し、乗用車は130 万台、20万台近いコーチ(注、大型長距離バス)、貨物トラックを扱っている。

ソレントでのフェリーの運航は1796年から始まり、Wightlinkの以前の所有者には、British Railways Board、Sealink British Ferries、バミューダに本拠を置くSea Containers等がある。

今日の取引で辞任することとなるAiken氏は、1995年にRoyal Bank of Scotlandにより買収されたとき、経営すべく送り込まれた。その時以来、Wightlinkは航海回数を増やして運航を改善し、新船を投入し、船の設備を改善してき た。Wightlinkの声明には次のようにあった。

「今回の(Macquarieによる)買収で、Wightlinkがその成長・発展の次の段階へと進み続けることが可能になる信じてい ま す。」(後略)(Scotland on Sunday: Fri 17 Jun 2005)

Normandieのアール・デコの形見(米国)

豪勢な内装調度品を味わうために、1930年代の偉大な豪華遠洋定期船Normandieについて知る必要はないが、本船の結末の物語 がその魅力に色を添えていることは知るべきだろう。木曜日、毎年恒例の遠洋定期船販売会において、Christie's New Yorkは、かってNormandieのGrand Salonの壁を優雅にした12枚の輝くような硝子板を販売する。

このパネルは、高さ49インチ、幅32インチのもので、裏側が塗装されて金箔を被せられた硝子である。かっては神話を描いた大きな天井 画 の一部であり、大洋の波、椰子の葉、花火やde Chiricoesque寺院を描いたパネルが残っている。この硝子板の裏側に描かれた、様式化された塗装は、金箔、銀箔、プラチナ、パラジウム、貴重な白金元素を用いて いる。

「残っているという事実が奇跡的です。」とChristie'sの海事芸術・科学器具部門の専門家Gregg K. Dietrichは話した。「Normandieは、損傷の激しい終わり方をしましたからね。」

French Lineが1935年にNormandieを就航させたとき、世界最長・最速の、最も快適な大西洋横断定期船であると宣言した。約1,700人乗りの洋上宮殿として設計さ れ、この所謂洋上の女王には、劇場、書斎、礼拝堂、宴会場、2つの喫煙室、屋内プール、グリル(=焼肉料理)室、ブリッジ(=トランプ用 遊戯)室、カフェ・テラス、体育館、冬園、日光甲板、完備されたテニス・コートがあった。

有名人も愛した。Colette、Thomas Mann、Dali、Josephine Baker、James Stewart、Cary Grant、そしてMarlene Dietrichが、本船で写真を撮られている数少ない人達である。

贅沢な内装は、フランスの最も卓越した才能と壮大な贅沢品製造者の、さながら陳列ケースであった。大恐慌の中での建造であったにも拘ら ず、費用に糸目は付けなかった。デザイナーには、Emile-Jacques Ruhlmann、Jules Leleu、内装会社のDominique & Sue and Mareが含まれていた。Raymond Subesは、精巧な金属格子を製作し、Jean Dunandは漆塗りの板。銀の茶器はChristofle製。Aubussonの敷物、Lalique製のグラス。

Grand Salonは、本船の最も壮大な部屋だったかもしれない。当初は、ベルサイユ宮殿の鏡の間と比較されたものだった。31フィートの天井には4つの硝子製の浮き彫りが施され た天井があり、高さ20フィート以上で、幅が約30フィート、約100個の羽目板から出来ていた。海を走り回った古代の神々が、背景の帆 船と共に描かれていた。フランスの芸術家Roger-Henri Expert(1882-1955)が、装飾全般を担当した。画家のJean Dupas(1882-1964)が、天井画を考案した。

1976年、Metropolitan Museum of Art(=メトロポリタン美術館)は、「The Chariot of Poseidon」という天井画を取得した(Irwin R. Berman博士の寄贈)。一度はカフェテリアに飾られたが、現在は保管庫に保管されている。(中略)

Normandieは、大西洋を最速で横断した船に贈られる有名なBlue Ribbon(=青の長旗)賞を数回勝ち取ったものの、短命で悲劇的な終わりを迎えた。1939年、ヨーロッパで戦争が勃発した時、ニューヨークに接岸しており、第88埠 頭でアメリカ当局によって本船は拿捕された。1941年にアメリカが参戦すると、合衆国沿岸警備隊は本船を接収した。その後海軍は、 15,000人乗りの兵員輸送船に改造する許可を得た。この作業中に、作業員が溶接トーチから不注意にも火を出し、船を全壊させたのだっ た。数時間に亘って、消防車が船に向けて放水した。火を消すことはできたが、船体に溜まった水によって、Normandieはハドソン河 で転覆した。1年間も横転したまま放置され、朽ち果て、引揚げられて分解され、くず鉄として売却されたのだった。

Dupas硝子板のようなNormandieの内装品や美術品は、この火災前に取り外され、倉庫に保管されていた。競売に付されたり、 再 利用のためにフランスに返還されたりもした。ニューヨーク州のマウント・バーノンのAdams Unlimitedの所有者Josh Taneは、この遺産を売買している。とある匿名の長期所有者に代わって、Christie'sにこのパネルを持ち込んだのである。明 日、Christie'sで公開され る。(New York Times: June 17, 2005)

爆弾の脅迫でエドモンズのフェリー運休後、男を逮捕(米国)

シアトル発。State Patrol(=州保安隊)によると、土曜日の晩に爆弾の脅迫で約3時間に亘り州のフェリー航路が運休した件で、男性1人を逮捕したという。

この男性は、午後7時30分発10時30分到着のエドモンズ―キングストン間の運航を、爆弾の脅迫というウソの電話で運休させた疑いが 持 たれている、と当局者は話した。

騎馬警察隊では、キッサップ郡でフェリー労働者が荷役作業に入る前に脅迫電話をしたものとみている、と騎馬警察隊のLance Ramsayは話した。男性は身元は判明していないが、Kitsap County Jail(=キッサップ郡拘置所)に留置されることとなる。

「捜査官が男性を取り調べており、おそらくは月曜日には多くのことが判るでしょう。」とRamsayは話した。

爆発物探査犬が、フェリーとこの航路の両岸のフェリーターミナルを捜索した、とWashington State Ferriesの広報担当者Susan Harrisは話した。この運休で約5往復が影響を受けたという。(KOMO: June 18, 2005)

ポート・カナベラルは新しい王妃に喜んで王冠を授与(米国)

「王妃」がケネディー宇宙センターに遣って来る。どこの王妃かって?Princess Cruisesのこと。

2006年6月14日から、このLove Boat客船会社は、ニューヨークからカリブ海に行く最初の周遊航海を始める。Princessは最新・最大の船を展開する。116,000トン、3,100人乗りの Crown Princessである。ビッグ・アップル(注、ニューヨーク)から夏の航海シーズンが始まることとなる。(中略)

小型船のClipper Cruise Lineは、アメリカの第二次世界大戦兵士に敬意を払い、南太平洋で特別クルーズを行う。

この客船会社の128人乗りのClipper Odysseyは、オーストラリアのシドニーとグアム島の間にある意義ある海戦地を周る。16日間の旅行では、ガダルカナル島、Plum Pudding(John F. KennedyがPT 109の沈没後、泳ぎ着いた浜辺)、Vella Lavella(Black Sheep Squadronの愛称が付けられた有名な海兵隊パイロットの本拠地)、そしてブーゲンビル島の日本の基地である。

このクルーズは、3月30日にシドニーを出港する。料金は2人利用、1人当たり7,750ドルからで、船で11泊、シドニーのFour Seasons Hotelに2泊。食事、シドニーからポート・モレスビー(パプア・ニューギニア)までの航空運賃、全観光、船内での心づけ、港湾使用料込み。詳しくは電話 800-234-6900か、intrav.comへ。(後略)(Sun-Sentinel.com: Posted June 19 2005)

集中砲火を浴びるクルーズフェリー船員(ノルウェー・デンマーク)

DFDSのクルーズフェリーの船員がアル中で薬物を濫用しているという衝撃的な報告で、このデンマークの客船会社は管理を強化してい る。現在では、船員用居室の定期検査、尿検査を行い、規律を破った船員に対し懲戒処分を行うと誓約している。

この報告というのは、船員の居室で行われた宴会に参加した船員が撮影したビデオテープで裏付けられたもので、週末にデンマークとノル ウェーのテレビて放映され、新聞の見出しとなったもの。DFDSの船は、オスロとコペンハーゲン間の航路では最も人気のあるもので、1泊 航海で1,000人以上の乗客を定期輸送している。

船員は洋上で面倒が起きた際、こうした乗客の安全に対して責任を負っている。船員が酒を飲み、1晩中宴会をしている様を写したビデオか ら は、緊急時に乗客の役に立とうという考えが全く感じられないものだった。

税関職員も以前、DFDSの船舶の船員用居室からハシッシュを含む少量の薬物が発見されたと報告している。

「これは全く受け容れがたいものです。」とノルウェーの海事当局の長は、月曜日の全国テレビ放送で語った。問題は、ノルウェーの当局者 が、デンマーク人が所有し運航する船の安全状態にあまり関与できない点にある。

しかしデンマークの当局者は、ノルウェーと同様に懸念しており、この問題に取り組むことを月曜日の晩に発表している。当初、コメントを 拒 否したものの、DFDSの経営陣も飲酒を禁じる規則を強化することを約束した。

Pearl of ScandinaviaとCrown of Scandinaviaの船員用居室は定期に検査され、薬物・アルコールの検査は強化され、船員に違反が見つかったときには素早く対応する、と経営側は話した。

この船員の宴会の報告で、ノルウェーに就航している他のクルーズフェリー客船会社でも同様のことが行われているのかという疑問が持ち上 がっている。例えばColor Line、Stena Line、Larvik Lineである。元船員の中には、そうしたことがあったと主張する者もいるが、例えばColor Lineは、船員のアル中が船で一般的であるということを、きっぱりと否定した。(Aftenposten: 21 Jun 2005, 09:54)

新しいCarnivalの船が巨大テレビ画面を呼び物に(米国)

Carnival Libertyは来月から、世界最大級の屋外テレビ画面の運転を始める。

7月20日、ローマからの地中海クルーズのシーズンを始めるや、本船は25平方メートルのプールサイドの画面を呼び物とし、映画、ス ポー ツ、音楽ビデオ、コンピュータ・ゲームを放映する。この画面は、ニューヨークのタイムズ・スクエアにあるものに似ている。

7月から10月まで、Carnival Libertyは、ローマ発、ナポリ、ドゥブロブニク、ベニス、メッシナ、バルセロナ、カンヌ、リボルノ、ピサに行く12泊の航海を行う。

その後2005年5月までカリブ海クルーズをする予定で、その後ヨーロッパに戻って、長期の5ヶ月に亘り、15泊から12泊の地中海航 海 を行う。(Travelbiz.com: 22 June 2005)

P&Oは揺れる船内の歩き方を確かに知ることに(英国)

P&O FERRIESは、未だにイギリス海峡の泥の中に突っ込んだままだが、今年の第2四半期の収益性において、ましな針路に向けて自信を持って舵を切っている。

カレー港でバースを閉鎖し、乗客数が減少して船からの収入が落ち込んだために、今年の第1四半期は、14%航海回数が減少したが、今日 P&Oは、この6ヶ月間のフェリー事業の損失は、1,500万ポンドになりそうだと発表した。

2004年の第1四半期には500万ポンドの改善が見られており、P&Oでは、1200人削減して7月と8月の繁忙期に全速力 で 予定された航海をこなし、2004年度全体で、500万ポンドの損失は1,300万ポンドの利益になると見ている。

第1四半期に2億5,000万ポンドの資産売却も完了し、これも年間を通じた利益を支えることとなる。P&O株は朝の取引では 3 ペンス下がって、327と4分の3ペンス。

広報担当者は語った。「一般の消費者の消費は、とりわけ英国においては、前年よりは成長が鈍化しているのです。」

これは株主にとっては朗報だろうが、P&O株は5と4分の3ペンス下がって、323ペンスに地滑りしている。これは、この会社 が 英国とオーストラリアの港湾での取引が鈍化していることを認めた後で、下落したもの。(This is London: 23 June 2005)

俳優のRichard DreyfussがQueen Mary 2に乗船して大西洋を横断(米国)

6月23日、カリフォルニア州、バレンシア発。第1作目のJAWSが公開されて30年になるのを記念して、Richard Dreyfussは海の上でお祝いをしたが、今回は僅かばかり大きな船だった。Cunard LineのQueen Mary 2という世界で最も有名な遠洋定期船の船橋で、Warwick船長と写真に収まり、Dreyfussはニューヨークからイングランドのサウサンプトンまで大西洋横断航海を した。今回、海底の生き物と厄介なことになることはなかった。(Cunard Line: Thursday June 23, 12:17 pm ET)

書評:Devils on the Deep Blue Sea(=遠洋の悪魔)

The dreams, schemes and showdowns that built America's cruise-ship empires
(=アメリカのクルーズ船帝国を作り上げた夢・陰謀・戦い)
Kristoffer A. Garin著、Viking発行、337頁、35ドル。(カナダ)
Carnival Cruise Lineの最初の船は、座礁する前にマイアミから出港したことすらなかった。Norwegian Cruise Lineの最初の旅客船は、カー・フェリーだった。そしてRoyal Caribbean Cruise Lineは、ウィスコンシン州の野郎がマイアミ・ビーチに座って書いた1通の手紙から始まった。今日のクルーズ巨人の始まりとしては不運なものだったかもしれないが、30 年ほどの間に世界最大の旅行事業の1つに成長し、その夢に固執する人々に幸運をもたらしている。

Kristoffer Garinは、略奪、陰謀、そして時折失敗をして、挑戦者が伝説の人となり、あるいは沈没していった様をなぞって見せている。Garinは、ニューヨーク郊外のオンライン 新聞の記者で、彼らを「悪魔」と呼ぶが、クルーズ帝国を作り出した自主独立の資本家達に魅せられていることは明かである。

本書の最高の章の1つは、1970年代のテレビ番組のThe Love Boatが、如何にして大洋に決して見向きもしなかった人々の関心を海に向けさせたかという解説部分である。これは当時のクルーズ観光のうねりを生み出したものであり、ク ルーズ客船会社が巨大な新船を建造する余裕を持つようになり、旅客が空の旅に取られていたことから、造船所を保護したいと願う政府からの 助成金も得られることとなったのである。

Garinは、毎年冬には敗者が出ていると主張しており、これは「Carnival is a Carnivore(=Carnivalは肉食獣)」と題する章に集められている。そこではCarnivalとRoyal Caribbeanの両社が、もがいて苦しんでいる小さな客船会社を買収して、この業界を支配するに至ったことを述べている。この過程において、イスラエルの海運一家の息 子で、頑固な錬金術師であるCarnivalの最高経営責任者Ted Arisonが、最終的には6社以上ものクルーズ会社の社長になり、この会社の中には、かっては業界の巨人だった老舗のCunard LineやP&Oも含まれている。

契約キチガイや共同経営者ではないのならば、交渉や裏取引の詳細を伝える章の中には、少々長く退屈するものもあるかも知れない。しかし 本 書は、その大半は決して知ることのできないクルーズ事業の、船底での動きに光を当てている。(Globe and Mail: Saturday, June 25, 2005 Updated at 6:56 PM EDT)

クルーズ船メキシコ沿岸のカリブ海で女性が行方不明と報告(メキシコ)

メキシコ・シティ発。今日、海事当局はメキシコ沿岸のカリブ海でクルーズ船から女性が行方不明になったと報告を受けて警報を発令した、 とCarnival Cruise Linesの代表者は話した。

Carnival Cruise Linesの広報担当者Jennifer de la Cruzによると、この女性は、ベリーズに寄港後、テキサス州ガルベストンに向け帰港途上にあったクルーズ船Elation(=意気揚々)に夫と共に乗船しており、金曜日 の午前11時に行方不明となったと連絡を受けたという。

De la Cruzは、行方不明となった乗客の身元を明かさなかったが、土曜日(注、金曜日の誤りか)の早朝に船室を出て、それから甲板にいるのを最後に目撃されているという。

当時Elationは、メキシコのユカタン半島の沖、コスメルの南に位置していた。本船は回頭して、金曜日の晩に航海をしていた海域よ り も前の、女性が最後に見かけられた海域に戻った。

「行方不明になったという連絡を受けるや全力で捜索し、当局には発見できなかったと連絡いたしました。」と話した。

Carnivalの職員は、メキシコ海軍が捜索に加わっていると話した。土曜日に連絡を取ったメキシコ・シティの海軍関係者は、行方不 明 の乗客や捜索のことを知らなかった。

メキシコの新聞El Universalは、海事当局は同海域の全ての船舶に対して、行方不明の乗客に関する警報を発令した、と伝えている。

Carnival Corp.は、世界最大のクルーズ運航事業者。(Houston Chronicle: June 25, 2005, 8:35PM)

ロシアと日本の外交関係が樹立して150周年(ロシア)

6月28日、ウラジオストク発。Itar-Tassがウラジオストクの日本総領事館で得たところによると、ロシアと日本の間の外交関係 が樹立して150周年を記念したクルーズの参加者が、汽船「Rus」に月曜日の晩に乗船し、ウラジオストクを出発して函館に向かった。

ウラジオストク、イルクーツク、サハリン、サンクト・ペテルブルグを代表するロシア人が、海事分野センターのクルーズに参加している 50 人の日本人に加わった。

月曜日、両国の代表は、相互関係の問題を議論すべく、Far Eastern State University(=極東国立大学)での会議で会合した。青年の公開討論の参加者が気がついたように、学生達は、全ての紛争の主要な原因が、お互いに充分な知識が欠け ているためであることが判ったのだった。

ウラジオストクの日本総領事館のShin Maruoは、この見解に賛成している。「ロシアと日本の相互関係が穏やかなものであると表現することは不可能ですが、若者達は積極的な結び付きを強め、今後も維持して行 くことのできる素晴らしい機会を得たのです。」と語った。

ロシアと日本の外交関係の樹立150周年記念クルーズは、富山―ウラジオストク―函館―下田―ウラジオストクと周る。(ITAR- TASS: 28.06.2005, 10.33)

NorfolklineはNorseを引き継ぐことで合意に近づく(英国)

フェリー・グループのNorfolklineは、フェリー運航事業者のNorse Merchantとその子会社を買収することで、合意に達しつつある。

Norfolklineと、Norse Merchant Group Limitedの株主に代わってWayzata Investment Partnersは、合意文書に署名し、両社は今後、買収に関する正式な合意に達するものとみられている。両社とも、価格を含めた取引の詳細について明かにすることでは、 合意していない。

Norfolklineはオランダに本店があり、13カ国に35の事務所を持ち、1300人以上を雇用している。

Norse Merchant Ferriesは、アイリッシュ海で運航している。この会社はリバプールに本店があり、英国とアイルランドに事務所がある。Norse Merchant Ferriesは9隻の船舶からなる船隊を用いて、ベルファスト―ヘイシャム、ベルファスト―バーケンヘッド、ダブリン―ヘイシャム、ダブリン―バーケンヘッド航路で、週 100回以上の運航をしている。この会社は450人雇用し、ベルファスト、ダブリン、バーケンヘッドのターミナルを経営している。 (Ireland Online: 29/06/2005 - 14:39:50)

今年の夏、ギリシャへのフェリー運航再開(キプロス)

LOUIS Cruise Linesとギリシャの会社ANEK linesは、今年の夏、試験的にギリシャとキプロス間のフェリー運航を再開する、と昨日報道された。

キプロスとギリシャ間のフェリー運航は、イスラエルで暴力が燃え上がった後、数年前に休止となった。この運航はピレウスからリマソルを 結 んでハイファに向かうもので、フェリー運航の需要の大半が、ギリシャに旅行するかヨーロッパに自家用車を持って行きたいイスラエル人で あった。しかしイスラエルからの旅行者が途絶えると、キプロスの需要だけでは、運航を継続するには充分でなかった。

昨日の報道では、LouisとANEKの間で取引が成立し、Princesa MarissaというLouisの船を使って、ロードス島とピレウスの間で一部クルーズ船、一部フェリーとして使用することとなるという。

試験運航は9月までで、需要により延長されるかもしれない。切符は片道と往復で、Politisによると、運航は7月17日に始まり、 キ プロス発で7月24日、31日、8月7日、14日、21日、9月4日、11日にも運航される。

このフェリーは、ピレウスを7月20日、27日、8月3日、9日、16日、24日、30日、9月7日、13日に出港する。またロードス 島 からは、6月27日、7月21日、25日、8月4日、8日に出港する。

この取引は、商船省大臣がギリシャとキプロスを結ぶ「motorway of the sea(=海の高速道路)」を開設する計画に関心のある企業を調べるために海事関係企業に照会状を出し、ギリシャ政府の数ヶ月に及ぶ議論の後で成立したもの、と Athens News Agency (ANA)は先週伝えた。

この計画は、ヨーロッパ連合のTrans-European Transport (TEN-T)(=ヨーロッパ横断輸送)網計画の一環。ANAによると、ヨーロッパ連合に申請することになっているギリシャとキプロスの共同提案に先立って、海運会社は興 味を持っていることを表明するよう依頼されたという。

「共同運航の適切な覚書への署名に引き続き、2カ国の政治指導者は、1,500万ユーロの予算に合意した。これまでにギリシャの ANEK LinesとキプロスのLouis Groupが、この計画に興味があることを表明している。同航路は、ギリシャとキプロスが港湾の改修に尽力し、両国間の商業活動が急騰するならば、活発なものとなるであろ う。」とANAは報じた。(Cyprus Mail)