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2005年7月

2005年7月の海外旅客船情報

4月の船舶衝突事故の米国市民は脱出訓練中だった(韓国)

2005年7月1日。昨日、在韓米軍の当局者は、4月の海難事故で救助されたアメリカ人は脱出訓練中だったことを確認した。韓国海上警 察は、船は鯨に衝突したものと考えている。

昨日まで伏せられていた事故は、4月29日に釜山の南東海岸で起きたもので、韓国から日本の福岡に向かっていた267トンの船が、鯨と 思 われるものと衝突したもの。

韓国海上警察の12隻の船舶と2機のヘリコプター、3隻の韓国海軍の艦船が救助作戦を成功させたが、この30人の乗客全員は釜山に移送 さ れた。

乗客は合衆国市民であり、半島で有事の際、軍がアメリカ人市民を脱出させることができるよう、在韓米軍が年に2回行っている訓練に参加 し ていた。合衆国軍の家族、大使館員、実業家、観光客が参加していた。

合衆国軍では、1980年代から市民脱出訓練を実施している。アメリカ人市民の韓国滞在期間が平均で6ヶ月間から1年間なので、訓練は 年 に2回行っている、と在韓米軍の当局者は語った。

約30人の市民が、この訓練のために選ばれた。通常は航空機を使って脱出するが、4月の訓練は海路を使った2度目のものだった。第1回 目 は2001年に行われた。

この話は、ある海上警察の当局者がYonhap News Agencyに事故を詳しく語った後で、昨日、韓国メディアの間でニュースとなったもの。

韓国人記者の中には、海上警察では潜水艦と衝突したと考えているかと質問した者がいた。しかし釜山海上警察は、きっぱりと否定した。海 上 警察では、船は鯨と衝突したと考えているものの、明かにできなかったことから、最終報告書では未確認物体とされている。 (JoongAng Ilbo: July 01, 2005)

乗り上げたB.C.フェリーは直ぐに運航復帰(カナダ)

木曜日に22隻のプレジャー・ボートを沈没・損傷させたB.C.フェリーは、1週間以内に運航に復帰する。

この7,000トンのQueen of Oak Bayは、バンクーバーの近くの混雑しているBC Ferriesのターミナル、Horseshoe Bayの岸壁に接近中に動力を失い、マリーナに突っ込んだ。

全損傷評価によると、本船は舵の塗装が剥がれて、1基のプロペラの羽根に「最小限の摩擦」があっただけと結論付けられた、とBC Ferriesは話した。本船は運航復帰に先立ち、恐らくは今週、海上試験を行う。

Transport Canada(=カナダ運輸省)と連邦政府のTransportation Safety Board (TSB)(=運輸安全会議)は、事故原因を調査しているが、恐らく本船のクラッチに問題があったものと見られている。

BC Ferriesは、全ての調査が完了するまでは、「動力を失った原因は特定」できないとしている。今週中に調査は完了する見込み。

安全会議の地域代表Aloak Tewariは、この調査でBC Ferriesの他の35隻の船隊に問題が波及することになれば、作業はQueen of Oak Bayに留まらないと話した。

「調査を進めているTSBでは、原因が1隻の船、あるいは同一等級の船を越えたものであることが判れば、全体的な原因を追及していくこ と になります。」と話した。(CBC News: Sun, 03 Jul 2005 22:41:25 EDT)

ShipShapeとGreenwich Maritimeが人気の会議を開催(英国)

6月23日にグリニッジで開催された会議と見本市は、「Solutions for 21st Century Passenger and Freight Transport - Delivering Value & Innovation in the Ferry Industry Conference(=21世紀の旅客貨物輸送の解決策―フェリー産業会議での有用性と革新の実現)」と題して開かれたが、業界とそれに対する挑戦を真に見極めるもので あった。

この会議は、現在はGreenwich Maritime Institute(=グリニッジ海事研究所)を含むUniversity of Greenwich(=グリニッジ大学)の一部となっている、グリニッジのOld Royal Naval College(=旧王立海軍大学校)で、第1回目に引き続いて行われたもの。

とりわけ興味を惹いたのは、重要なMarco Polo計画を推進しているヨーロッパ委員会の企画官、Helmut Morsiの基調講演であった。Morsi氏は、Marco Polo IIによって刺激を受けているヨーロッパ横断網の創設を論じた。このMarco Polo IIは、連合王国(=英国)を含むEUの無数の国が参加しているものだが、英国では運航事業者が乗り遅れかねないものとなっている。

またプログラムには、世評の高いDFDSの常務取締役で、Passenger Shipping Association(=旅客海運協会)会長のJohn Crummie報告文書も含まれていた。同氏は、観光市場の直面していることと、挑戦を甘受せざるを得ない業界における様々な道とのジレンマを論じていた。貨物はフェリー 運航者にとってますます重要なものとなっており、Freight Transport Association(=貨物輸送協会)副会長のEdward Roderickは、将来克服しなければならない障害の他、必要と需要のある分野に絞っていた。GMIの研究所長のSarah Palmer教授は、次のように話している。

「フェリー業界は、混在した挑戦を受けて収益は乏しい状況が続くでしょう。ほぼ断続的に、飾り気のない格安航空会社との競争が続きます が、これだけが打撃を与えるものではありません。この行事を開いた時機は、傾向とフェリー輸送の旅客・貨物分野に対する一般的な挑戦を分 析するには良いものではないですが、この業界の全般的な見通しと機会を見極めるには良いものでしょう。この一連の会議は、業界人にとって は絶対に必要なもので、フェリー分野における商業的あるいは技術的な関心を持つ者にとっては、信じられないくらいの価値があるもので す。」

この行事は、独特の人脈を作る機会を提供した前回の会議での経験に基づいて行われたもので、有名なPainted HallとChapelを含む大変に美しい環境の下で開かれた。Greenwich Observatory(=グリニッジ天文台)、Cutty Sark(=カティー・サーク号)、National Maritime Museum(=国立海事博物館)など、全てはここから徒歩で数分のところにある。(Ferrynews.com: 3rd July 2005)

宝石強盗でクルーズの2人連れ怪我(イタリア)

盗んだオートバイに乗った武装した泥棒に衝突して重傷を負った2人のクルーズ船客は、病院で快方に向かっている。

グラスゴーのMichael Paton(54)と妻のAgnes(57)は、イタリアのナポリの宝石店に押し入って逃走中の窃盗犯のバイクと衝突した。警察の追跡中に、2人と衝突したもの。

Paton氏は頭蓋骨骨折を負い、妻は顎の骨を折る怪我で治療を受けている。

この2人は1週間のクルーズ休暇中で、定期船Island Escapeが接岸してちょうど1時間後に事故にあった。(後略)(BBC News: Monday, 4 July, 2005, 00:22 GMT 01:22 UK)

フェリー運航は好調な滑り出し(カナダ・米国)

金曜日以来、3,000人以上の人と600台以上の車輛が、この高速船に乗船した。これがロチェスターのフェリーを運航しているBay Ferriesの発表した最新の数字だ。

カナダのオンタリオ州のDoris Wyssinskiは、金曜日に家族が集まるためにロチェスターに車を運転して来た。しかしQEWが渋滞していて、Dorisはフェリーで帰宅すると話している。

「私にとって1つの経験です。」とWyssinskiは話した。「息子に勧められたものです。それから皆に『フェリーが走っているのを 知っている?』と聞かれました。『もちろんよ。』 それで情報を得て、ここに来たのです。」

Dorisは、頭の痛くなるような交通渋滞を経験するならば、フェリーを利用し始めると話している。このCATは先週の木曜日に再就航 し たもので、それ以来、クルーズをしている。(R News: Published Jul 04, 2005)

警察:警備員がクルーズ船のスロット・マシーンから盗む(米国)

フロリダ州ケープ・カナベラル発。ブレバード郡の当局者は、警備員が1晩停泊していたクルーズ船のスロット・マシーンから、10万ドル 以上も盗んだと話している。

Sterling Casino Linesの1,600人乗りクルーズ船、Ambassador IIは、ポート・カナベラルから1日2回、5時間の賭博クルーズを運航している。

保安官事務所は、TitusvilleのClinton RubainesとMichael Bell、そしてケープ・カナベラルのDavid Gammonは、2度目のクルーズが終わった後で、船を警備する責任を負っていたと話している。保安官代理のJim Landenは、男性らは船の防犯カメラを止め、施錠機構を解除してスロット・マシーンから現金を移動させたと話している。

男性らは捜査官に、5週間以上に亘って現金を移動させて来たと供述している。いずれも、窃盗と、硬貨によって作動するスロット・マシー ン の動作を誤らせた罪で、大陪審に告発されることとなる。(WTEV: 7/5/2005 7:26:43 AM)

カメルーン:少なくとも30人の西アフリカ人が沖で船が転覆して溺死(カメルーン)

7月5日、ヤワンデ発。火曜日に国営ラジオが伝えたところによると、カメルーン沿岸沖で、ナイジェリアからガボンに向かっていた船が転 覆し、少なくとも30人の西アフリカ人が溺死した。

「船が月曜日の午後5時30分に転覆し、乗船していた約60人のうち、30人が死亡した。」と伝えた。

カメルーンの漁師が、船が困難な状況にあることを目撃し、何とかして約30人の乗客を救助した。30人はナイジェリア、マリ、ベニン、 トーゴ、ニジェールなど、様々な国の出身者。夜を迎えて時化たために、生存者の捜索は打ち切られた、とラジオは伝えた。

救助された者は、チャド南部からの石油パイプラインの終点となっているクリービという港湾都市の病院に収容された。

ギニア湾は、子供を売買する者や、石油を産出しているガボンで職を探している西アフリカ不法移民にとって、人気のある移動経路。児童売 買 の被害者と見られる70人近い子供が、2001年にカメルーン沖で沈没した船から救助されたことがある。(Reuters AlertNet: 05 Jul 2005 17:56:15 GMT)

ベトナムの南部沿岸州が合衆国のクルーズ船を歓迎(ベトナム)

旅行会社によると、1,000人近いアメリカ人の観光客を乗せたクルーズ船が7月5日、バ・リア―ブン・タウ州南部のプー・ミ港に到着 した。

これは、31,000トンのPacific Princessという船がアメリカ人観光客をベトナムに連れて来た2度目のことである、とTan Hong Travel Companyの取締役会会長Phan Xuan Anhは話した。ベトナムは最近、多くのアメリカ人観光客にとって魅力的な目的地になっている、とAnh氏は力説した。

浜辺の都市であるブン・タウを訪問する他、クルーズ船客は、ホー・チ・ミン・シティーと僻地のク・チ地方を滞在中に旅行する。

会社では今月、約2,500人の観光客を乗せたクルーズ船が更に2隻遣って来ると見ている、と付け加えた。(Thanh Nien Daily: Wednesday, July 6, 2005 11:45:18)

ネス湖のフェリーが観光客に有料完全運航を提供(英国)

この66年間で初めてこの有名な水路を完全運航することとなるものと思われる、新しいネス湖の高速旅客フェリー運航が今週始まる。

Loch Ness Expressは、土曜日からインバネスに近いDochgarrochからフォート・オーガスタスまでの30マイル近くを、36人の乗客を乗せて運航する。

運航者は、1939年に外輪汽船のGondolierが運航を休止して以来、73年振りに長い湖の全てを運航することとなる、最初の定 時 運航であると考えている。

当初は観光客に狙いを定めていたが、この湖の両端に住む住民も、混雑しているインバネスとフォート・オーガスタスを結ぶA82号線を避 け て、80分間のフェリーの旅をするかも知れない。定時運航フェリーなので、Highland travel passを持っていると25ポンドで利用でき、復路は無料となる。(中略)

250トンのPS Gondolierは、1866年建造。後にCaledonian MacBrayneとなったDavid Hutcheson and Co向けに建造された第1船。かってネス湖で運航していた3隻の船の1隻で、当時、乗客はグラスゴーからインバネスまで、4隻の船を乗り継いだものだった。

GlengarryとLochnessが引退して、1928年からはネス湖で運航していた唯一の船であった。インバネスとフォート・ ウィ リアムのBanavie間で73年間使われたが、1939年にスカパ・フローで穴を開けて沈められ、敵(注、ドイツ)海運に対する障害物 として利用された。(Scotsman: Wed 6 Jul 2005)

フィリピンのフェリーから出火、200人以上救助(フィリピン)

7月7日、マニラ発。内航フェリーがフィリピンの南部で出火したが、乗船していた200人以上は救助され、死傷者の報告は受けていな い、と沿岸警備隊の当局者は木曜日に語った。

沿岸警備隊の広報官Armand Baliloは、炎上した「Princess of the World(注、近海郵船の旧まりも)」というフェリーを救助すべく、救助艇とヘリコプターが向かったと話した。

「出火原因はいまだに調査中です。」と記者達に語った。本船の乗船名簿によると、乗客108人、船員109人、警備員が5人乗船してい た という。

「本船は炎上中です。乗客は全て安全に脱出しました。」とミンダナオ島の沿岸警備隊長Alejandro Floraは話した。

ミンダナオ島に蔓延る反乱軍に対する訓練の一環として、2隻の合衆国海軍の高速船も、救助活動を支援すべく派遣された、とあるフィリピ ン 海軍の中佐は話した。

この10,709トンの旅客フェリーは、ミンダナオ島南部のザンボアンガ・デル・ノルテ郡のシオコンという町の沿岸から50マイル (81 キロメートル)の海域で出火した。本船は出火当時、イロイロ島の中部に寄港し、マニラからザンボアンガという港湾都市に向かう途中であっ た、とBaliloは話した。

昨年2月には、al Qaedaに関係があるイスラム過激派が爆弾を設置し、マニラ湾の湾口付近でSuperferry 14(注、三宝海運の旧ほわいと さんぽう2)を爆破して、約100人殺害したものと疑われている。(Reuters AlertNet: 07 Jul 2005 08:21:31 GMT)

市場は爆発後元に戻る(英国)

ロンドンの輸送網において少なくとも37人が殺害され、700人が怪我を負った爆発から1日経過した。世界の証券市場に動揺を与えた が、今朝の取引ではヨーロッパ証券市場は値を上げた。

ロンドンのFTSEは0.8%値を上げて5,202。一方パリは1%、フランクフルトは0.7%上昇した。木曜日、市場は急落したが、 英 国の首都での致命的な爆弾攻撃後の動揺は収まり、最悪の水準を脱した。

航空会社のBritish Airways、クルーズ会社のCarnival、そして空港運営会社のBAAは最高に上昇し、全て約2%以上の伸びで、この爆発で娯楽・旅行業界を混乱させるのではない かとの懸念により、その株式は最も大きな打撃を受けたものの、殆ど前日の水準に回復した。

世界の財務指導者達は、あの爆弾の爆発後、昨日、落ち着くよう呼びかけた。European Central Bankの頭取Jean-Claude Trichetは、昨日、金利の安定を図ろうとしなかったが必要ならば介入する準備ができているECBやBank of Englandによる特別の行動は必要ない、と話した。

「間違って行動したり、恐慌に陥ったりして、手に負えなくなる状況になることを許してはいけない。」とドイツの財務大臣Hans Eichelは語った。「世界経済がおかしくなることはない。」と強調し、各財務大臣はぞれぞれの中央銀行と連絡を取っていると付け加えた。

合衆国財務長官John Snowは、同省では、あのロンドンの地下鉄と2階建てバスに対する「恐るべき」爆弾攻撃後の世界市場を監視していると話した。(RTE Interactive: July 08, 2005 09:04)

スポーツ好き(=破れかぶれ)のSaga(=物語)(英国)

50代以上の人を扱っている会社のSaga Holidaysは、新しいクルーズ船Spirit of Adventureを就航させて、更に活動的な行楽客を惹き付けようとしている。本船は地中海東部と中東を周遊し、ジープで行く探険旅行やマウンテン・バイクを使ったよう な観光を行う。この会社の他に2隻あるクルーズ船Saga RoseとSaga Rubyの乗客の平均年齢は、73歳。(Telegraph.co.uk: 09/07/2005)

フェリーの衝突で24人のイラン人が怪我(トルコ)

バン湖の突堤にフェリーが衝突し、乗船していた24人のイラン人乗客が軽傷を負った、と土曜日、当地で報道された。

19人余のイラン人乗客は、外来治療を受けた後で退院した。報道によると、金曜日の深夜に事故が起き、24人のイラン人と2人のトルコ 人 が軽傷を負ったという。

乗客のうち5人は更に治療を受けるためにまだ入院しているが、状態は概して良好と報じられている。バン県知事は現場に駆けつけ、救助作 業 を見守った。知事は26人余の乗客は軽傷だと話した(イラン人24人、トルコ人2人)。

バン湖は、イランとトルコを結ぶ鉄道を連絡しており、鉄道旅客はフェリーで湖の対岸に渡っている。(Islamic Republic News Agency: July 9)

政府はフェリーの契約で再度支出(ケニア)

Kenya Ferry Services (KFS)は、2隻の新しいフェリーの購入で10億ケニア・シリングの再支出を行った、と当局者は昨日語った。

KFSの市場調査・広報担当支配人John Riaは、2隻の船は、Likoni海峡とMtongwe海峡で運航している老朽化しているフェリー船隊を刷新することとなると話した。Riaは、一度支払い手続きは完了 しており、それから2隻のフェリーの引渡しまで15ヶ月かかったと話した。2隻の船の購入は、長らく遅延していると言われている。

「運航までにフェリーの厳格な保守計画を行ってきました。昨年、7,000時間で故障したものしかありませんでした。これは老朽化した 船 隊としては、結構な出来映えでしょう。」とRiaは話した。

KFS筋では、Public Procurement and Appeals Board(=公共斡旋・請願会議)が、この再支出手続きを監督すると話している。同会議では、損害を受けた入札者からの苦情を受けて、昨年このフェリーの入札を中止し た。2隻の船は8億ケニア・シリングで購入されることとなっていた。ドイツ企業が、この契約を勝ち取っていた。

フェリーは1日に157,000人の通勤者と3,000台の車輛を扱い、モンバサ島と南部沿岸だけを結ぶこととなっている。(The East African Standard: July 9, 2005)

バングラデシュはフェリー安全法の強化を語る(バングラデシュ)

ダッカ発。バングラデシュの水路で安全規則を軽んじて船に過積載しているフェリー所有者に対し、厳しい扱いとなる、とある独自研究で明 らかとなった。

過去30年間以上の500件余のフェリー事故で、4,000人以上が死亡している、とAlliance for Safe River Routes(=安全河川航路連盟)という沿岸地域で活動しているNGOの連盟によるフェリーの安全性の研究を立案したMohammed Shamsuddohaは語った。研究によると、こうした事故の70パーセント余りは、フェリー所有者が安全規則を無視したために起きた ものだという。この研究は、少なくとも400人が死亡し、数百人が行方不明となったMV Nasreenというフェリーの沈没から2年目に発表されたもの。

「フェリーは、大半は過積載で設計に問題のあるものですが、国内の8,433キロメートルに及ぶ水路を結び続けているのです。しかし政 府 は船主に厳しい対応を殆どしていません。」とShamsuddohaは語った。

今年前半の6ヶ月間に、3件の事故で少なくとも260人が死亡している。そしてこの3隻のフェリーは、全てに問題があったという。研究 に よると、約20,000隻の貨客船がバングラデシュで運航されており、その半数は基本的な安全水準に達していないか、あるいは乗客の法定 搭載人員を超えて乗船させている。

河川や沿岸航路の8,000隻の旅客船のうち、政府に登録されている船は僅かに2,000隻しかない、と研究は述べている。最大限の利 益 を上げるために、船主によって過積載と違法な船室の増築がなされていて、フェリーは不安定で転覆し易い、と専門家は話している。

この研究では、政府に対し、船員の訓練の他、フェリーの安全性に関する法律の強化、警察と沿岸警備隊による河川の巡回の増加を求めてい る。Shamsuddohaは、安全性を強化することを政府が誓約しても無駄だと話した。というのは、フェリーの所有者はしばしば政治的 な関係を持っているからである。「実際、フェリー所有者のある者は政治指導者に影響力を持っているのです。」と語った。

バングラデシュには230河川の航路網があり、フェリーは100,000以上の国内の貧しい田舎を毎日結んでいる。(Daily Times: Sunday, July 10, 2005)

パプアで船が転覆し多数が行方不明(インドネシア)

ジャカルタ発。インドネシア最東端のパプア地方沖で、時化の中、フェリーが沈没し、多数が行方不明となり死亡している恐れがある。パプ アのメラウケ地方の救助隊は、土曜日までに漁師が16人を救助したが、他の大勢は行方不明になっていると話した。

この事故は金曜日の午後4時に起きたもので、国営輸送会社のPT ASDP所有の発動機船「Digul」が、パプアのタナー・メラー地方沖で沈没したと報道されている。地元救助隊員は、本船はメラウケ―タナー・メラー航路を結んでいるも ので、大変な悪天候によって沈没したと話した。

乗船していた乗客の正確な数は不明。しかし乗船名簿によると、パプア南部のメラウケ港出港時、本船には12人の船員を含む46人が乗船 し ていたことになっている。更にブルドーザー、セメント、その他の建設資材を含む重機に加え、40トンのディーゼル油も輸送していた。 (Jakarta Post: July 10, 2005)

港で衝突 2,000人近い乗客は無事(ギリシャ)

1,840人が乗船していたフェリーが、昨日、パロス島で接岸準備中に埠頭に突っ込んだが、船の損傷は軽微であった。乗客で怪我をした 者はいない。Express Santoriniは、技術者によって航海に適することが認められ、ナクソス島への運航継続が許された。

別の事故で、サントリーニ島の1マイル半沖で浸水し、船長が救助を求めた帆船Diogenis Bの28人の乗客には、怪我はなかった。(Kathimerini: Monday July 11, 2005)

ビクトリアのフェリー埠頭で爆発装置を押収(カナダ)

ビクトリアにトラックで自家製パイプ爆弾を持ち込もうとした合衆国の男性が、爆発物所持の罪で起訴された。

このシアトル近郊に住む39歳の男性は、ワシントン州ポート・アンジェルスからCohoというフェリーに乗って火曜日の晩に到着し、職 務 質問された。Canada Border Services Agency(=カナダ国境警備隊)の当局者は、娘と旅行しているこの男性に質問をしているうちに疑いを深めたのだった。

男性のトラックを調べたところ、手袋の入った箱の中に疑わしい装置があるのを発見した。7.5センチメートルの真鍮製のパイプで、両端 が 覆われ、15センチメートルのヒューズのようなものが、一方の端に接着されていたという。男性を逮捕してフェリー・ターミナルの安全を確 保し、ビクトリア警察に通報した。

装置の写真は、バンクーバーのRCMP爆発物処理隊に送られ、ここが同僚に爆発物を格納する安全箱に入れるよう指示した。RCMP Explosives Team(=RCMP爆発物処理隊)は、この装置を調べて処理すべく、水曜日にビクトリアに来ることとなっている。

シアトル近郊のイサクワに暮らすこの男性は、爆発物所持の罪で起訴され、水曜日の午後、ビクトリアの裁判所に姿を現すこととなってい る。 (CBC News: Last Updated Wed, 13 Jul 2005 18:44:11 EDT)

P&Oの雇用削減で労働者が抗議(英国)

P&Oのフランスのル・アーブル航路を閉鎖する決定で、350人の雇用が失われることになることから、怒った労働者達がフェ リー港でデモを行った。

水曜日のポーツマス・フェリー港での抗議行動は、同社の13ある航路のうち、4航路を閉鎖するという昨年の発表に引き続くもの。

ル・アーブル航路は9月30日に廃止となるが、P&Oはビルバオへの運航を継続する。P&Oでは、影響を受ける職員の 相 談には今でも応じていると話している。

RMT労働組合のSteve Toddは、フェリー港で抗議者と共に、次のように話した。

「我々は、P&Oがこれを見直し、再度調査し、他の選択肢があるかどうかを見極めてもらいたい。P&Oは、もはや海運 に は興味がないという明かな信号を、業界に対し送っている。別の会社に期待したい。これは余剰人員となりたくない者の抗議行動であり、職が 欲しいのであり、週給を得たいのである。」

P&Oの職員は余剰問題に直面しており、雇用は確保できるものと信じている。1月に同社は、ポーツマスからシェルブールに行く 航 路を廃止している。(BBC News: Wednesday, 13 July, 2005, 20:26 GMT 21:26 UK)

ネパールのフェリー事故で40人の死亡を確認(ネパール)

ネパール南西部の氾濫したBanganga河で転覆したフェリーから、27人以上の遺体が収容されたが、死者は40人に上った、と警察 は金曜日に話した。56人の乗客は未だに行方不明、と警察は話した。僅かに10人が何とか泳ぎ着いたという。

この事故は、カトマンズの南西約265キロメートルのKapilbastu地方のBardighatで、木曜日に発生したもの。 (Webindia123: July 15, 2005 9:25:03 PM IST)

フェリー旅行で燃料追加運賃(英国)

ロサイスとベルギーのゼーブルージュ間のフェリー乗客は、原油価格の急騰のため、燃料追加運賃の直撃を初めて受けている。

Superfast Ferriesは、1航海につき、乗客1人・車輛1台当たり2.60ポンドの運賃を追加している乗用車に乗って家族4人で往復すると、26ポンドにまで料金が上ることとな る。貨物部門では、1航海当たり8ポンドの追加。

Superfastでは、原油価格の上昇と為替相場の変動によって、最近、30パーセント近く燃料費が上昇していると話している。 (Scotsman: Fri 15 Jul? 2005)

フェリー運航者と組合間の労使交渉の最終期限近づく(米国)

ミドルタウン発。NY WaterwayとSeafarers International Union(=国際海員組合)との労使交渉の期限延長が、月曜日に期限を迎える。

組合員には船長や甲板員も含まれるが、11月以来、労働協約を締結することなく働いて来た、とNY Waterwayの広報担当者Pat Smithは話した。組合と会社間の労使交渉は10月に始まった、と語った。ストライキ(=同盟罷業)の可能性があるにも拘らず、 Smithは通勤客が影響を受けることはないと話す。

「NY Waterwayのお客様が、一連の労使交渉の影響を受けることはございません。」とSmithは話した。

Seafarers International Unionの広報担当Jordan Biscardoは、コメントを拒否した。

NY Waterwayは、ミドルタウンのベルフォード地区に1ヵ所、ウィーハウケンに2ヵ所、ホボケンに2ヵ所、ジャージー・シティーに5ヵ所の、計10ヵ所のフェリー・ター ミナルから、35隻の船を運航している。ベルフォード・ターミナルからは凡そ4隻の船が出ており、350人までの乗客を収容できる。 (Asbury Park Press: 07/16/05)

P&Oは輸送部門の売却準備―新聞から(英国)

ロンドン発。港湾会社のP&Oは、経営再建計画の一環として、冷蔵倉庫部門を約2億ポンドで売却する計画である、とThe Sunday Timesが報じた。

P&Oに近い筋を引用し、この新聞は、同社はこの処分行為の監督にUBSを指名し、Citigroupが売却に理解を示してい る としている。

消息筋は、これによる収益は債務の弁済に充てることとなり、中核となっている港湾事業に投資し、同グループの3億ポンドの年金基金の不 足 分に充てることとなると話している。

これとは別にThe Mail on Sundayは、P&Oでは予想される敵対的株式公開買付けに対抗すべく、その法人相談役を見直しているとしている。シンガポールの国営投資機関のTemasek Holdingsが、P&Oの買収に興味を示していると推測されている。

P&Oは最近、法人相談役としてCitigroupとPanmure Gordonを利用して来た。P&Oは、直ちにコメントには応じなかった。(Reuters.uk: Sun Jul 17, 2005 1:21 PM BST)

欠陥フェリー(ギリシャ)

昨日の朝、船のランプが崩壊して海に落ちた、カバラから来た旅客フェリーに乗船していた250人の乗客で、怪我をした者はいなかった。 ランプに不調が発生して1時間30分後、フェリー労働者は何とかしてランプを元の場所に収めて、乗客らはフェリーから上陸することができ た。フェリーはサソス島行きであった。(Kathimerini: Monday July 18, 2005)

州はクルーズ事業で儲けることを望んでいる(米国)

ボストン発。国内で急騰しているクルーズ産業に資金を出すことを求めているマサチューセッツの沿岸都市は、州の遠洋港湾により大きな船 を誘致すべく、国内の他の都市との競争に打ち勝つことを望んでいる。

国内でのクルーズ船客数は、2000年以来、約32パーセントの伸びだが、クルーズ船の建造隻数は落ち込み、都市間の新事業での競争が 激 化している。

パイとなる金はたっぷりとある。Cruise Lines International Association(=国際クルーズ客船協会)の最新の報告書によると、クルーズ客は、2003年度にマサチューセッツ州で3億2,500万ドルを消費している。

海でアメリカ人が休暇を過ごすようになるにつれ、港湾関係者は、この事業のボストンの占有率を増やすだけではなく、州内の他の港湾に小 型 の船舶を誘致することもできると考えている。

Massachusetts Seaport Advisory Council(=マサチューセッツ州海港顧問会議)は、港湾開発に関して州政府に勧告しているが、先週、クルーズ客船協会の会長Terry Daleを迎えて、州内の遠洋港湾都市であるボストン、グローセター、セーレム、フォール・リバーにクルーズを誘致する計画を議論した。

同会議の総書記Rick Armstrongは、この計画は、小さな港湾とボストンのBlack Falcon Cruise Terminalとの間にフェリー航路網を誘致することに恐らくなりそうだと話した。そしてボストンで、乗客はどこかへ向かう遥かに大型のクルーズ船に乗換えることとな る。

「この概念というのは、我が都市部が、クルーズ産業を惹き付けることのできる素晴らしい歴史的に有名な資産を有しているということで す。」とArmstrongはBoston Globeに語った。

しかし同事業の占有率を押し上げるためには、州はクルーズ・ターミナルを改修し、クルーズ客船会社を誘致すべく何百万ドルも出して、他 の 港湾との競争に打ち勝たなければならない。

クルーズ客船協会によると、北米では約150隻のクルーズ船が就航しており、その多くは母港と長期間の委託契約を結んでいる。

港湾を離れる操作として、「寄港」と呼ばれる季節限定事業、すなわち、本拠としているところから航路途中に短時間立ち寄ることをしてい る。

Massachusetts Port Authority(=マサチューセッツ州港湾局)のクルーズ市場監督Marcia Duffyは、代理店では南ボストンのBlack Falconターミナルの改修を検討していると話した。

1985年に開設された同ターミナルには、今年約100隻のクルーズが寄港する予定。1,200人の乗客を収容できるよう設計されたも の だが、現代の船舶の大半は1,500人から3,500人の乗客を収容している、とDuffyは語った。

海港会議のArmstrongは、フォール・リバーの地域のクルーズ貨物ターミナルを拡張する計画だと話した。

マサチューセッツ州の港湾はその位置という魅力から、クルーズ客船会社を誘致できるはずだとDaleは言う。

「ボストンは観光地としては独特のものです。クルーズ業界人の心の最上位に位置できるだけの資産を持っているのです。」とDaleは 語っ た。(The Standard-Times: July 18, 2005)

ブルガリア製のフェリーが最初の航海へ(ブルガリア)

初めてブルガリア人が建造した新しいフェリーが、火曜日、黒海の都市ブルガスにお目見えした。

このフェリーは、ラトビアの港湾、クライペダ向けに生産された特別の船級の第2船。本船は全長62メートルで、Burgas Shipyardで200日かけて生産された。フェリーには旅客、乗用車、バスを積載することができ、外洋で10日間まで航海できる特別の備品を装備する。

「Baltia」と命名された新しいフェリーは、1週間以内にラトビアに向けて出発する。(Sofia News Agency: 19 July 2005, Tuesday)

FBIはクルーズ船での謎を捜査へ(米国)

FBIの捜査官は、コネティカット州の男性がどのようにして新婚旅行中に洋上で姿を消したか、捜査を続行することを誓約した。

グリニッジのGeorge Smithは、クロムウェルの新婦Jennifer Hagelと地中海をクルーズ中に行方不明になった。部屋から血痕が見つかった。合衆国の当局者は、この失踪は公海上で発生したものであるので、捜査は難しいと話してい た。

Royal Caribbean Cruise Linesの代表者は、監視ビデオとその他の手掛かりになるものをFBIに対し提出していると話している。(WFSB: July 19, 2005)

フェリーの脅迫電話で10代の少年が起訴(米国)

マサチューセッツ州、ナンタケット島発。ナンタケット島で一緒に週末を長く過ごしたいと思った4人の10代の少年が、島のフェリー運航 事業者に脅迫電話をし、安全上の懸念から150人以上の人を立ち往生させた、と当局者は話した。

「フェリーを出すな。さもないと爆発するぞ。」

検察官は、Hy-Line Cruisesに電話をかけた人物が話した言葉を引用した。この日曜日の夜の脅迫で、既に7月7日のロンドンでの爆破事件で高度の警報の下にあった当局者が、ケープ・コッ ドとナンタケット島間のフェリーを運休させる事態となった。

約160人の乗客が島に取り残され、Nantucket High School(=ナンタケット島高等学校)の体育館で一夜を過ごした人もいた。更に40人がケープ・コッドで足止めを食い、島に行くことができなかった。運航は、当局者が 爆弾がないことを確認して、月曜日に再開された。

警察は、17歳のナンタケット島のDaphne Bragg、コネティカット州ウェスト・サーフィールドのBrenden Reed、コネティカット州のブルームフィールドのBrett Williams、そして年齢を理由に氏名を公表されていない16歳のナンタケット島の少年を逮捕した。

「彼らは単に島から離れたくなかっただけなんですよ。」と検察官のThomas G. Shackは話した。

Bragg、Reed、そしてWilliamsは、Nantucket District Court(=ナンタケット島地方裁判所)で水曜日に罪状認否を終えて、保証金(=保釈金)を支払って釈放された。いずれも、爆弾による脅迫という重大犯罪での起訴に直面 している。

16歳の少年は、実際に電話をかけたとして告発されているが、来週の火曜日に少年裁判所に出頭する予定。他の少年らは、8月17日に再 び 出廷することになっている。

WilliamsとReedの弁護人のBrad Baileyは、この10代の少年は善良な家庭の少年であり、これまで法律に反するような問題を起こしたことはなかったと話した。

「2人とも行儀の良い高校生で、ここの共同体で生まれ育った者です。」と語った。(Newsday: July 21, 2005, 1:56 PM EDT)

フェリーの酒類免許(米国)

高速フェリーでは、船上でのアルコールの販売が可能となった。州政府の酒類当局は、金曜日にHorseshoe Hospitalityに対して免許を与えた。

このフェリーの配膳業者であるHorseshoeは、未確定の小さな問題付きで、7月18日に条件付承認を得ていた。

どのようなアルコールが提供されるのかは、現時点までは判らない。州側は、犯罪の告発のない限り、罰金を科すようなことは考えていない と 話している。(WROC-TV: 7/22/2005 6:00 PM)

2000年(7月25日):Concordeの墜落で113人死亡(フランス)

Concordeは離陸後数分で墜落し、搭乗していた109人全員と、地上にいた4人が死亡した。

このAir France(=エール・フランス)のジェット機は、ニューヨーク行きで、パリの北10マイルのGonesseの町のRelais Bleuというホテルに、現地時間の17時(グリニッジ標準時間15時)前に衝突した。

Roissy Charles de Gaulle空港から2分前に飛び立ったこの飛行機は、左翼のエンジンの1基から出火して、地上に突っ込んだのだった。

Air Franceの広報担当者は、搭乗していた96人の乗客の全員は、ニューヨークのJFK空港に向かっていたドイツ人観光客で、そこでエクアドル行きのクルーズ船に乗船する ことになっていたと語った。この飛行機は、ドイツの旅行業者Deillmanがチャーターしたものだった。

目撃者は、飛行機が地上にぶつかる前、「巨大な火の玉」が真っ黒い煙をなびかせていたと報告した。衝突して数分以内に、緊急部隊が現場 の 瓦礫の中で生存者を捜索した。フランスの首相Lionel Jospinは現場に直行し、ドイツの運輸大臣も向かった。

AF4590便は、31年間のConcordeの歴史の中で、墜落した最初のものとなった。本機は、Air Franceが所有していた6機のうちの1機で、1980年に就航。4日前に検査をして、異常はなかったという。

この事故は、BA(=英国航空)が保有するConcordesの7機全ての翼にひび割れを発見した、ちょうど1日後に発生したものだっ た。

全てのAir FranceのConcordesは運休し、事故の調査が開始された。調査官らは、飛行機のブラック・ボックスを見つけようとして事故現場に留まった。(BBC News: 25 July)

日本は超高速船の計画を断念(日本)

日本は、運航費用が不足することが予測されることから、1億300万ドルの建造費用をかけた世界最速の旅客船の就航計画を断念する模様 だ。

東京と小笠原諸島の父島間に就航するTechno Superlinerは、商用運航をすることなく解体される公算が高い。讀賣新聞が月曜日に報道したところによると、国土交通省と東京都が、赤字が予想される同事業に対し て助成金を与えることはできないと決定したからである。

この契約を救うべく、同省と首都政府は、助成金を追加して年間890万ドルまで赤字を填補する計画を立てたが、財務省が計画に反対し た。

11月にTSLが登場する計画は、海運会社の小笠原海運と日本郵船が、助成がなされないのならば賃貸借契約に署名できないと宣言したた め に、終わりとなった。

TSLは、1999年の新世紀計画の一環として開発されたもので、ガス・タービンにより推進する水中翼船(注、エア・クッション船の誤 り)であり、海面上を最高40ノットで走行できるもの。この種の船で、世界最速の高速船になると言われていた。(Washington Times: Jul. 25, 2005 at 3:21AM)

嵐がクルーズ船を北に追い払う(カナダ)

熱帯の嵐が、世界第二の大きなクルーズ船をバミューダではなくて、Maritimes(=カナダ南東部)に吹き飛ばしている。

Voyager of the Seaと乗員・乗客の4,700人は、日曜日にニューヨークを出発して5日間の旅に出た。しかし本船の計画されていたバミューダへの針路は、船主のRoyal Caribbeanによって中止となった。熱帯性の嵐のFranklinが、同海域に移動しているためである。

そこで船は、ニュー・ブラウンズウィック州のセント・ジョンに向かい、火曜日に寄港することとなっている。水曜日にはハリファックスに 到 着する予定。ニューヨークの新聞記者は、船の到着して新しい目的地について知った乗客もいたと報じていた。

Franklinは風速時速65キロで、バミューダの西南西約355キロメートルのところにいる。(CBC News: Tue, 26 Jul 2005 11:58:07 EDT)

クルーズ船客を乗せたヘリコプターが動力を失う(米国)

アラスカ州ジュノー発。6人のクルーズ船客を乗せたヘリコプターが、遊覧中、僅か約100フィートの高度で動力を失い、湿地帯近くに不 時着した。怪我人はいなかった。

「私が見たものと言えば、煙だけでした。」とジュノーのTEMSCO副社長Tim McDonnellは語った。

未だに捜査官は、何故、ヘリコプターの動力が突然失われたのかを調べているという。

パイロットに加え、このヘリコプターには6人の乗客が乗っていたが、全てはクルーズ船Oosterdamの乗客だったと McDonnellは話した。この船は、月曜日の午前11時から午後8時まで停泊する予定であった。

消防局によると、事故後2人がBartlett Regional Hospital(=バートレット地区病院)に、検査のために搬送されたという。

シアトルのHolland America Lineの広報副社長Rose Abelloは、事故に巻き込まれた者全員は、事故後、間もなくして買い物をし、昼食を摂っていたと話した。乗客の身元は明かにできなかったが、入院した者はいないと話し た。

Juneau International Airport(=ジュノー国際空港)のFederal Aviation Administration(=連邦航空局)の航空事務所副主任Jim Vuilleは、この機関で事故報告書を作成しているところだと話した。

消防局の月曜日の報告では、ヘリコプターの損害額を500,000ドルと見積っている。(後略)(Anchorage Daily News: July 26th, 2005)

フェリーで逮捕者(ギリシャ)

昨日、ピレウス沿岸警備隊が、エーゲ海のサモス島から到着したフェリーに乗船していた25歳の女性を、乗客から窃盗した容疑で逮捕し た、と商船省は話した。

この氏名不詳の女性は、1,900ユーロ入りの財布、様々なクレジット・カード、携帯電話2台、カメラ1台を盗んだことを認めていると い う。(Kathimerini: Wednesday July 27, 2005)

クルーズ船がコペンハーゲンを訪問(デンマーク)

コペンハーゲンに錨を降ろしたクルーズ船の数は、2倍以上になった。他の港湾も増加が報告されている。コペンハーゲン港に接岸したク ルーズ船の数は、5年間で2倍になり、この都市に収益をもたらしている。

今年、コペンハーゲンには約283隻の船が接岸するものと見られ、2000年に接岸した船の2倍近くである。しかしクルーズ船は大きさ が 大きくなっており、上陸した乗客数は2倍以上となっている。今年、コペンハーゲンの街を歩く乗客は、2000年度が166,000人だっ たのに対し、361,000人と見られている。

クルーズ船客は、この都市にとって最も欲しい収入源である。というのは、コペンハーゲンに6時間から12時間滞在している間に1500 デ ンマーク・クローネから1600デンマーク・クローネを使うと見られているからである。

買い物、食事、観光に約4億デンマーク・クローネ(5,330万ユーロ)を消費し、一方、船自体も、燃料、港湾使用料、修理に約3億デ ン マーク・クローネ(4,000万ユーロ)を消費する。

ボルンホルム島のレンネ港でも、乗客数の意義深い増加を見ている。

「昨年の17,000人に対して、20,000人の乗客になるものと期待しています。というのは、船が大型化していますからね。」とレ ン ネ港の支配人、Hans Kumlerは話した。

デンマークの第2の都市オルフスも、寄港地として人気が出ており、30,000人の乗客を乗せた21隻の船が錨を降ろした。 (Danmark.dk: 28 July 2005)

Titanicの造船所は生き延びることに(英国)

ベルファスト発。1989年、ベルファストの空を未だに支配していた黄色のクレーンの、Titanicを建造した会社Harland and Wolffは、1世紀以上の歴史のある本店の波止場にある社屋を閉鎖した。

北アイルランドのかっての偉大な造船業の衰退・崩壊を、最も物語るものであり、このビクトリア朝の赤レンガほど、ベルファストの経済の 衰 退の目印となるものはない。

Drawing Office One(=第1設計事務所)において、この巨大な丸天井のある部屋で、山高帽子を被った設計技師がTitanicの図面を引いたものだが、壁のペンキは剥げ落ち、窓は割 れ、床には湿った板切れが連なっている。

外では、雑草がこの歴史的に有名な―保存されている―傾斜路から芽を出していた。ここで世界で最も有名なクルーズ定期船と、その姉妹船 の Olympicが建造されたのである。

しかし、こうしたことはもうじき終わる。

10億ポンドの20年計画「Titanic Quarter(=タイタニック街)」の下、ここは貸間、事務所、旅行センターのある、新しい75ヘクタール(185エーカー)の地区に生まれ変わる。

この計画で、以前のHarland and Wolffの本社は4星ホテルとなり、広大な荒地と、現在は荒廃した上屋が瓦礫と化しているところが、明るい並木道のある通りに変身する。

「ベルファストが拡大していくことは自然なことです。」とTitanic Quarterの最高責任者Mike SmithはReutersに語った。「土台となっているものは、この都市の自信の1つであって、私は潮時だと思っているのです。」

建設の第1段階の許可は、今年の初めに下りて、建設工事は2005年の暮れに始まる。計画は、半官半民の投資によるもの。

沈み行く経済
1911年に建造されたTitanicは、当時最大の船舶であった。それはがっしりとした、目に見える、ベルファストの造船業の、そして 大英帝国における貿易と産業の中心として重要であったこの都市の遺産であった。

幸せは長くは続かなかった。Titanicは1912年の処女航海で1,500人の命と共に沈没し、それはベルファストの偉大さではな く、むしろ衰退の象徴となったのだった。

リンネル製品、ロープ、そして船舶。連合王国の中で、19世紀に最も速く成長したこの都市の製造業は、どこかに移転し始め、ここの経済 は、プロテスタントとカトリック間で燃え上がった暴力紛争で苦しむこととなった。

30年以上続いた北アイルランドの「Troubles(困難)」で、約3,600人が死亡し、投資は滞り、成長は窒息した。しかし 1990年代に停戦となり、1998年の和平合意によって、経済に命が吹き込まれたのである。

失業率は5パーセント未満であり、これは記録的は低水準で、雇用は記録的に高い。またこの地域の経済成長は、連合王国の12あるヨー ロッ パ選挙区の中で、第4位となっている。

「ベルファストには建造の勢いがあり、楽観的です。正しい方向に向かっているのです。」とSmithは語った。

TITANICの課題
19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて、ベルファストの造船業の名声が頂点に達していた時、この地域では30,000人余の人々が働 いていた。Smithは、この事業が完成した暁には、同じ数の人々が、再びこの地に住んで働くことを望んでいる。

「今後、5年か7年の間にそうしたことが全て実現することは、全く非現実的だと思います。(しかし)、20年後だったら、現実的なこと で しょう。」と語った。

今後20年間以上の間に必要な資金の調達は、少なくともこの地の政治的な行き詰まりのために、強固なものとはならないだろう。

カトリックとプロテスタントが北アイルランドの物事を処理する地方議会は、2002年に休止しており、この地域の政府を再興させること に 関する話合いが滞っている間、英国が直轄統治している。

しかし政治的な駆け引きの決定的な解決がなくても、このTitanic Quarterの長は、上手く行くと考えている。(中略)

「この地で建造されたTitanicのための象徴的な施設を持つことは、当然です。」とBelfast City Council(=ベルファスト市議会)のMark Ashbyは話した。ここでは、この都市にTitanicをテーマにした施設を作ることの可能性の研究を依頼している。

Titanicが建造された乾船渠に水槽を作って、複製した船を浮かべ、恐らくは扱いやすい博物館にするなど、船の再建から最後のボル ト の果てまで、様々な案がある。

AshbyもSmithも、熱望とそして呪いの両方の意味を持つ、この名前の力には気がついている。しかし2人は、ベルファストは今 や、 Titanicという遺産の明るい側面を取り込める用意があると話している。

「この船で起きたことについて忘れることは些か困難だと、私は過去10年間、本当に思っていました。」とSmithは話した。「ベル ファ ストでこの船が建造された事実を褒め称えて良い時期だと、人々は感じているのではないかと、私は思うのです。」(Reuters.uk: Thu Jul 28, 2005 2:05 AM BST)

インナー・ハーバーのクルーズ船が火災で損傷(米国)

ボルチモア発。インナー・ハーバーに係留されていたクルーズ船The Lady Baltimoreから出火し、金曜日の朝、1人が軽傷を負った。

この火災は午前5時ちょうどに通報され、30分で消火された、と消防局の広報官Kevin Cartwrightは話した。火災は船の1階の後ろから出火し、前方に燃え広がった。本船は小破した。当局者は、金曜日の火災原因を調査している。怪我人は船主 Harbor Cruisesの従業員だった、とCartwrightは話した。

The Lady Baltimoreは、全長111フィート。完全に閉鎖された2層の甲板を有し、450人までの客を乗せることができる。(WTOP: Friday, Jul. 29, 2005 - 9:40 AM)

Minoan(ギリシャ)

フェリー運航事業者のMinoan Linesは、昨日、仲間のフェリー事業者ANEK Linesの4.4パーセントの持分の全てを売却したと発表したが、価格は公表しなかった。加えて、この持分売却によって得た収益は、銀行からの借入金の返済にのみ充てる と話した。

水曜日には、Minoanはインターネット・サービス・プロバイダで、通信事業者のFORTHnetの18.04パーセントの持分の全 て を、通信機器メーカーのIntracomに売却した。約1,530万ユーロに上ったが、この収益も銀行からの借金の返済に充てる。 (Kathimerini: Friday July 29, 2005)

古典映画―愚か者の船(米国)

Ship of Fools(=愚か者の船)は、1965年に撮影されたクルーズ船でのドラマですが、設定は1933年。メキシコを出発してキューバを経由し、ドイツのブレマーハーフェン に向かう一行のお話です。

この話には異なる社会の出身者が巻き込まれており、すなわちナチを支持するドイツ人の老人、ユダヤ人のセールスマン、若い理想主義者の 画 家、子供として可愛がっている1匹の犬を連れた子供のいない2人連れが登場します。船医が、貧乏な状況にある社交界の名士と恋に落ちます。

映画は白黒映画で、大道具と美術で多くの賞を獲得しています。また俳優達の多くも、ノミネート(推薦)されたのでした。配役は有名な 面々 で、Jose Ferrer、Lee Marvin、Vivian Leigh等、多数出演しています。

この映画は大変に明かな社会の記録となっていて、1等船客と船倉のスペイン人労働者の違いばかりではなく、1等客の中の様々な違いにま で 及びます。堕落を強いられる女、子供をどやし付ける父親、情事を探している女、妻と別れることを考えている男。

多くの伝統的な、「もし知ってさえいたら」といった類の状況、すなわちナチスが権力を取ることは決してあるまいと人々が考えていたとい う ものが出てきます。これはもちろん、連中が何をしたかは観客が良く知っているわけですが。

20世紀前半に行われていたクルーズの典型を見るには、とても素晴らしいものです。つまり、殆どいつも上流階級は豪勢で、下級階級は 安っぽいやり方で目的地に向かうというものです。

超お奨めの映画です!(Bella Online)

病気の女性が船から空輸(米国)

ある血液の伝染病に罹患した67歳の女性が、土曜日の早朝、Humboldt郡沿岸沖のクルーズ船Crystal Harmonyから、合衆国沿岸警備隊によって搬送された。

沿岸警備隊では、Crystal Harmonyの乗客が重病になったとの連絡を、午前5時頃受け、船の職員と相談した結果、緊急医療のため、陸に移送する決定をした。Coast Guard Air Station Humboldt Bayの救助ヘリコプター、HH-65Bが、午前7時30分頃、出発した。

救助ヘリコプターは約15分後に現場に到着し、このバハマ船籍の全長790フィートの船に、霧の中、控えめに降下した。ヘリコプターに 患 者を安全に収容し、McKinleyvilleのEureka-Arcata Airportに向かった。

女性は安定した容態で、その後救急車に移送され、EurekaのSt. Joseph Hospitalに搬送された。(The Eureka Reporter: 7/31/2005)