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2006年5月

2006年5月の海外旅客船情報

スペナーンで新しいフェリー基地の作業開始(ガイアナ)

Region Two(注、第二地方)のスペナーンで、新しいフェリー基地の作業が開始された。

請け負ったB.K. Internationalは、現在、この新しい先端技術を使った施設に向う公道からの連絡路を建設中だ。Region Two行政府の発表によると、新しい基地は「ロール・オン、ロール・オフ」設備を備えることとなるという。この基地はエセキボ海岸とパリカ間の所要時間を1時間以上も短縮 するものと見られている。

Bharrat Jagdeo大統領が今年初めにRegion Twoを訪問したとき、2008年に2隻の新しいフェリーによって、フェリー運航は促進されることとなるだろうと語った。

この現在、中国政府によって建造中のフェリーで、ガイアナ政府は500万米ドル以上も負担することとなる。しかし基地計画の費用は支出 さ れなかった。(Stabroek News: Monday, May 1st 2006)

監査役はSea Containersの将来に疑問(英国)

問題を抱えているコンテナ賃貸・旅客輸送グループのSea Containersは、月曜日、2005年度決算は、継続企業として同社が存続できるかどうかについての警告を含むものとなると述べた。

取締役らは可能性ある債務再編で用いる事業計画を作成している、と同社はニューヨーク証券取引所に宛てた声明の中で付け加えた。このロ ン ドンに本拠を置き、バミューダに登記されている会社は、ニューヨークに上場している。

Sea Containersは、昨年の年次報告書は依然として提出できないと話した。というのは、いくつかの銀行取引約款に違反するものだからである。

3月24日の発表で、Sea Containersの純資産は、フェリー事業とコンテナ賃貸事業の5億ドルの簿外資産により、要求されている価値よりも逓減されたものとなっており、個々の約款違反が明 らかになった。

このニュースによって、Sea Containersが2億6,300万ドルの債務の返済ができるか否かについての懸念が増大した。Moody'sによると、今年返済すべきものだという。

Moody'sは3月、Sea Containersは返済するために、赤字垂れ流しのSilja Lineのバルト海でのフェリー事業を売却せざるを得なくなったと語った。

同社は3月24日、何ヶ月間も考慮してきたそうした売却を計画していると発表した。月曜日の声明では、話が進んでいるとだけ述べてい た。

Sea Containersは、GESeaCoというコンテナ賃貸の合弁事業を巡って、General Electricと係争中である。月曜日の声明では、4月28日に仲裁裁定を受け入れたが、未だに検討中であるとした。

同社はまた、子会社のGNERでも今年になって問題を抱えている。ここは英国のロンドン―リーズ間とEdinburgh East Coast Main Line(=エディンバラ東海岸本線)で旅客列車を運行しており、最も業績の良い部門だった。

同部門は、リーズとロンドン間で新しい運行を開始するための権利を拒絶され、その代わりに部分的にGNERの路線と競合するロンドンと サ ンダーランド間の運行を開始する権利が競合他社に与えられたことから、将来の収益減少に直面している。昨日の声明では、GNERについて は何も言及されていなかった。Office of Rail Regulation(=鉄道規制局)の決定に対して、司法審査を模索しているものと見られている。

声明では、Sea Containersの手元資金が何時まで続いて営業できるかについては、何も触れていなかった。しかし少なくとも今年中は、営業損失が継続するものと見られるとしてい た。

同社は、2005年度決算に関する監査役の無限定意見を得ることを期待していると話していたが、監査役らが「Sea Containersが継続企業として存続できる可能性について本質的な疑惑がある」とする項目を含めることを予期していた。

Sea Containers株は、26パーセント以上下落して1.84ドル値を下げ、5.18ドルだった。(The Financial Times: 1:40 p.m. ET May 1, 2006)

QE2は生ゴミの投棄で告訴(カナダ)

オタワ発。カナダは、豪華クルーズ定期船のQueen Elizabeth 2がカナダ海域で違法に生ゴミを投棄していたか否かを調査しており、十分な証拠があれば告訴することになる、と当局者は昨日語った。

運輸省は、この船がカナダの大西洋海岸の12マイル沖の海域で製紙用パルプを790米ガロン(注、1米ガロンは3.785リットル)投 棄 したとの報告を昨年9月に受けて、調査を開始した。

「この船がカナダの港湾に戻って来たならば、乗船して証拠を集め、船員を取り調べます。」と同省広報官Steve Boneは話した。その廃棄物がトイレット・ペーパーだったとする印刷報告書に関しては、論評を避けた。

「十分な証拠があれば、そして令状があれば、告訴するでしょう。」と語った。近年、船主らはカナダ海域で生ゴミを投棄したかどで、 3,000カナダドル(2,700ドル)の罰金刑を科せられている。

Queen Elizabeth 2は、マイアミに本拠を置くクルーズ客船会社Carnival Corpの一部門であるCunardによって所有されている。(Royal Gazette: May 02. 2006 7:52PM)

フェリーは2,980万ドルで売却(米国)

ロチェスター市は、例の高速フェリーを2,980万ドルで売却した。英国に本拠を置くEuroferries, Ltdが、英国とフランス間の航路で、同フェリーを使用することになる。

市議会とフェリー会議は、明日、この売却に関して採決する。(13WHAM-TV: 5/3/2006 5:07:35 PM)

クルーズ観光は下り坂(バルバドス)

原油価格が上昇を続けていることが、バルバドスのクルーズ業界に更なる圧力となっている。

Central Bank Governor(=中央銀行総裁)のDr. Marion Williamsは、昨日、2006年の最初の3ヶ月間に到着したクルーズ船は、15パーセント以上も落ち込んだと報告した。

今日、港湾局当局者はブリッジタウンは、予定していたクルーズ客船会社のうちの1社を失ったことを確認した。

「Carnival Legend」が1月に寄港を開始することが予定されていたが、燃料費の高騰に対処することを挙げて、旅程からバルバドスが外された。

Corporate Development and Strategy(=経営発展戦略)の地域支配人、Kenneth Atherleyは、これは主要損害であると言っている。というのは、この船はバルバドスに11回寄港し、2万人の乗客を乗せて来ることが予定されていたからである。

Barbados Port Inc(=バルバドス港湾会社)会長Larry Tatemは、収益を上げるためにクルーズ船には多大の圧力がかかっていると言っている。

Caribbean Tourism Organisation's figures for Barbados(=カリブ海観光機構バルバドスの数字)によると、2003年度のクルーズ客は55万9000人、2004年度は73万7000人に上昇したが、昨年は約 56万人に減少している。

Business Report(=営業報告書)は、業界幹部は、2005年度と比較して今年のクルーズ客数の総計は5パーセント減少するものと見積もっている、としている。 (Caribbean Broadcasting Corporation: Wednesday, 03 May 2006)

フェリー会社は入札から手を引く(英国)

あるフェリー会社が、Caledonian MacBrayneによって経営されている航路を引き継ぐべく行っていた入札から手を引いた。スコットランド行政府の入札手続が「公正と透明性」に欠けていると主張してい る。

Western Ferriesは、クライドとヘブリディーン諸島の26航路への入札から手を引きつつあると話した。

同社は、何百万ポンドもの税金を無駄使いしていると批判されている、公的資金によって設立された競合他社と対抗する見込みはないと話し た。(ic Dumfries.co.uk: May 3 2006)

Carnivalは超過勤務訴訟を625万ドルで和解(米国)

マイアミ発。Carnival Cruise Linesは、適切な超過勤務手当て(割増賃金)を支払っていないとして連邦裁判所に訴えた何千人にも上る現在と過去の船員に対し、625万ドルを支払うことになった、と 労働者側の弁護人が話した。

合衆国地方裁判所判事Marcia Cookeが認めれば、この和解により9人の指名された訴訟原告には100ドルから150ドルの間で支払われ、2001年11月以来、Carnivalの船舶で働いてきた 39,500人もの人々には、残額が支払われることとなる。

「彼らは世界中からやって来た、本当に良く働く人達なんです。」と船員の訴訟代理人であるTucker Ronzettiは語った。「彼らからすれば、大金ですよ。」

このマイアミに本拠を置くクルーズ客船会社は、和解の中で法律違反を認めてはいない。しかし賃金紛争に対する苦情・仲裁手続きを創設す る こととなる、とRonzettiは語った。

世界最大のクルーズ客船会社で、Carnival Corp.の子会社であるCarnivalの幹部は、事件は係争中であるとして、水曜日に論評することを避けた。

この訴訟は、週70時間労働にしばしばなるという標準予定を超えて労働したことに対して、このクルーズ客船会社は賃金を支払っていない と いうCarnivalの労働者により3月と10月に提起されたもの。Carnivalと他のクルーズ客船会社は、外国船籍にしているた め、概して合衆国の賃金・労働法令には従っていない。

一連の訴訟の1つは、当初退けられたが、第11回合衆国巡回上訴裁判所は、和解に達するまで続行するかどうかを審議していた。第2訴訟 は、上訴の結果が出るまで保留になっていた。

カリフォルニア州に本拠を置くCarnivalの子会社、Princess Cruisesに対する同種の訴訟は、マイアミ連邦裁判所で係争中。Royal Caribbean Cruises Ltd.は、2002年にニューヨーク州で、超過勤務賃金紛争で和解している。(Bradenton Herald: Posted on Wed, May. 03, 2006)

ノロウイルスはクルーズ船の病気ではない(米国)

International Council of Cruise Lines会長
J. Michael Crye

クルーズ船でのノロウイルスの出来事に関連して、貴紙における報道の論調と水準に、私は失望し懸念を抱いております。この事実が様々な メ ディアによって広く報じられて来たものだとはいえ、貴社はこの一般疾病を、「cruise-ship illness(=クルーズ船病)」であると強調し続けています。

クルーズ船で起きたノロウイルスの事件が大々的に報道されていますが、統計上、総人口における発生率に関しては、実際のところ、取るに 足 らないものなのです。U.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)によると、ノロウイルスによる胃腸病は、毎年、2,300万人のアメリカ人が罹患しているそうです。つまり、合衆国 総人口の12人に1人、あるいは8パーセントなのです。ノロウイルス感染のある共通の環境としては、食堂や仕出料理(36パーセント)、 高齢者福祉施設(23パーセント)、学校(13パーセント)、休暇施設(10パーセント)があります。

毎年1,100万人以上の北アメリカ人が、クルーズ休暇を取っています。全体からすれば、北米に本拠を置くクルーズ船で、僅か1パーセ ン トのノロウイルスの感染が報じられているのです。この統計からすれば、貴社は陸上でのノロウイルスに大いに目を向けることになるでしょ う。(Sun-Sentinel.com: Posted May 5 2006)

シシリー島は入港船に関して爆発物警報を受け取る(イタリア)

シシリー島パレルモ発。南部イタリアのシシリー島の当局者が金曜日にパレルモに到着する船に爆弾が積まれていると警告する電話を受け 取った、と警察筋は話した。

その電話の主は、船は午前11時30分(英国時間午前10時30分)に到着すると話したが、その他の詳細については話さなかった。

パレルモの港湾当局者は、その時間に到着することになっていた船はないと話した。爆発物処理班が、フェリー会社のGrimaldiに よっ て運航されているチュニスから先に到着したカー・フェリーを捜索したが、直ちに不審物は見つからなかった。

国際犯罪とテロリズムの危険と戦うための会議において、世界中の港湾の警備が、ヨーロッパと合衆国の当局者によって広範に議論されて来 て いる。(Reuters.uk: Fri May 5, 2006 10:07 AM BST165)

クルーズ定期船から出火(英国)

イギリス海峡で機関から出火して漂流後、現在、708人が乗船しているクルーズ船は港に向って曳航中。

The Calypsoは、ビーチ岬近くを航行中、右舷の機関から火災を起こし、土曜日の午前3時50分に救難信号を発した。消防士が沿岸から約20マイル離れた同船に向かい、午 前6時過ぎ、直ちに消火された。

大事には至らず、避難の必要もなかった。火災原因は、East Sussex Fire and Rescue Service(=イースト・サセックス消防救助隊)が対処しているが、未だに判明していない。

このキプロス船籍の船は、246人の船員と462人の乗客を乗せており、英国人1人、米国人1人、454人のオランダ人が含まれる。本 船 は、チルベリー港からイギリス海峡のガーンジー島にあるセント・ピーター・ポートに向っていた。

The Calypsoを所有するキプロスに本拠を置く会社、Louis Cruise Lineの広報担当者は、本船はサウサンプトンに曳航され、そこで判断し、乗客らには帰宅の世話をすると話した。

Maritime Incident Response Group(=海上事件対処団体) (MIRG)の6人の屈強な消火班が、ヘリコプターで船に向かい、火災を調べている。

先月発足したMIRGは、英国最初の海上火災・救助に特化した団体で、世界的にもその種の最初のものの1つだ。この火災が最初の仕事と なった。(Sky News: 11:09, Saturday May 06, 2006)

サン・フランシスコで2006年クルーズ船シーズンが始まる(米国)

2006年クルーズ・シーズンが開幕し、湾のそばにあるこの都会に接岸する20隻以上のクルーズ船の乗客、都市住民、商店主らにとっ て、順風満帆となることをサン・フランシスコ港は期待している。

同港によると、この月曜日から5月23日までの2週間に、サン・フランシスコに50,000人以上のクルーズ船客が到着するという。同 港 ではこれにより、当市の歴史において最高のクルーズ・シーズンの幕が切って落とされるものと予想している。

「過去2年間に亘り、大変効率的に港のクルーズ事業が成長したことを、すこぶる喜んでいる次第である。」と港湾専務理事の Monique Moyerは声明書の中で述べていた。「2006年クルーズ・シーズンにより、当市に6,000万ドルの経済効果がもたらされるものとみ ている。」

収益に加え、同港ではまた乗客が殺到することで、クルーズ・ターミナル地区の交通が増加するものと予想している。

「いつものことではあるが、公共交通機関の利用を推奨しており、それが波止場に向う最も効率的な交通手段である。」と同港は報告した。

同港では交通機関に連絡すべく、波止場の戦略的地点に、警察官と移動式電子交通案内標識を設置する計画を立てている。また混乱を避け、 船 の位置を確認するため、乗客と見物客に、クルーズ客船会社と直接連絡を取ることを推奨している。情報は、同港のウェブ・サイトでも提供さ れている。(CBS 5: 05/06/06 2:50 PDT)

フェリー運航に関する2日間のパキスタン―イラン会談が明日始まる(パキスタン)

イスラマバード発。両国間でフェリー運航の開始に向けたパキスタンとイラン間の2日間交渉が、明日(月曜日)に始まる。

この交渉では、グワダルとイランの沿岸チャー・バール間でのフェリー運航の開始に焦点を合わせたものとなる。

Joint Secretary Port and Shipping(=港湾・海運統合長官)のHasan Zaidiは、Joint Research(=共同研究)とRescue Operation(=救援活動)間の合意により、この会談中に2ヶ国間で署名がなされるものと見られると語った。(Online - International News Network: Sunday 07th May, 2006)

合衆国のTitanic生存者の最後の生き残りが99歳で死去(米国)

伝説的な遠洋定期船、Titanicの沈没の生存者で、最後のアメリカ人の生き残りが死去した。

マサチューセッツ州シュルーズベリーの自宅で、Lillian Asplundは土曜日、99歳で眠るように息を引き取った。

イングランドから合衆国への航海の途上、不沈と宣伝されていたこの船が氷山に衝突したとき、Asplundは5歳になったばかりだっ た。 船は1912年4月15日、ニューファンドランド沖の凍てつく大西洋に沈没した。

Asplundは、母親と3歳の弟と共に助かった。しかし父親と3人の兄弟は死亡した。

これで知られているTitanicの生存者は、僅かに2人となった。2人ともイングランドに住んでいる。(Voice of America: 07 May 2006)

オランダ・ドイツ共同事業体がフェリー運航事業者のScandlinesを狙う(デンマーク)

コペンハーゲン発。オランダ・ドイツ共同事業体のThe Baltic Ferry Development Groupは、売りに出されているフェリー運航事業者のScandlines AGに入札することとなった、と日刊紙のBoersenは、共同事業体の構成員であるLDEquityの共同経営者、Soeren Moellerの言葉を引用して報じた。

デンマークのLD Equityとは別に、この共同事業体はまた、Allianz AGのAllianz Capital PartnersとDeutsche Seereederei (DSR)からも成り立っている。このオランダ・ドイツのフェリー運航事業者は、現在、オランダ運輸省とDeutsche Bahn AGに、それぞれ50パーセントずつ保有されている。

Moellerはその日刊紙に対し、当共同企業体では、フィンランド、ロシア、ポーランドといった場所を結ぶ新航路を開設し、更にミ ニ・ クルーズも提供して、Scandlinesの既存の力強い市場における地位をより発展させる計画だと話した。

この計画では、5年から7年間、Scandlinesは証券市場に上場されている必要がある、とMoellerは語った。

「Scandlinesは、我々が心に描くヨーロッパの海運・貨物・観光グループに発展させることのできる大変に魅力的な基盤であるの で す。」とMoellerは話した。

ドイツの海運会社DSRの広報担当者は、Financial Times Deutschlandに対し、この共同事業体の目指すものは、Scandlinesと共にバルト海における指導的なフェリーと観光会社になることだ、と論評した。

Handelsblattで引用されたDeutsche Bahn筋によると、Scandilinesの競合他社であるStena LinesとDFDS Seawaysと並んで、スイスのCross Financeと金融グループのFortis NV等が入札に関心を持っているという。

Cross Financeは同紙に対し、関心を持っていることを確認したが、StenaとDFDSの論評は得られなかった。Bahnの広報担当者は論評しようとしなかった。

FTDに引用されていた金融筋によると、所有者はScandlinesを少なくとも6億ユーロから8億ユーロで売却したい意向だとい う。

しかしこの取引に絡んでいるある投資銀行は、「伺える関心とScandlinesの実態を考慮すれば」約10億ユーロの値が考えられる と 話した。(Forbes: 05.08.2006, 04:29 AM)

新しい大型クルーズ船は5,000人収容、安全性問題が大問題に(米国)

フロリダ州フォート・ローダーデール発。水曜日に新しいFreedom of the Seasが合衆国に到着すれば、5,000人以上も輸送するために建造されたビヒモス(注、聖書に登場する河馬に似た巨獣)として、世界最大のクルーズ船としての歴史を作 ることとなる。

乗船客は十分に寛ぐことになるだろう。しかし緊急時にクルーズ客船会社がFreedomや他の船から上手く避難させることができるかど う かという問題が立ち上がっている。

航空産業と違い、クルーズ客船会社は、設定時間内に全ての乗客を下船させることができることを証明する必要がない。恒例の救命艇訓練は 怪 我の危険があるので、乗客なしで行われている。

「全く危険過ぎることです。」と海上の安全法令を定めるInternational Maritime Organization(=国際海事機関)の海事技術主任、Jack Westwood-Boothは語った。

7月に運航を開始するのは大変に危険であるので、同機関では、訓練中に救命艇に乗船する船員に条件を出すことにしている。というのは事 故 で余りにも多くの海員が死傷しているからである。

クルーズ客船会社の中には変更予定がないところがあるが、この新しい規則では、3月にPrincess Cruisesの船で1時間30分に亘る火災で乗客1人が死亡し、13人が負傷したような緊急時にでさえも、船員を退去させることが出来ることとなる。Princess Cruisesの船では避難する必要がなかったが、乗客らは避難しようと思ったと話した。

「救命胴衣を身につけて船室の外を歩いていた時、どうなることやらハッキリとは判りませんでした。」ニューヨーク州ブルックリンから来 た 乗客のDan Deutschは話した。クルーズ客船会社は社内で緊急事態の模擬実験をしている。造船所では緊急事態に備えた船舶の設計に、コンピュータ世代の利用を開始している。

しかし船が巨大化すれば、大惨事の可能性が増大する、と批判者は話している。

「1隻の船に都市の全人口を乗せているようなものですよ。」とNational Transportation Safety Board(全国輸送安全会議)の前議長James Hallは話した。

ヨーロッパで建造されたFreedom of the Seasは、大西洋を横断し、水曜日にニューヨーク市に到着する。その後、この船はカリブ海クルーズ向けにフロリダ州を本拠とすることとなる。1部屋を2人で使用すると、 約3,630人の乗客を乗せることができ、船室で臨時の寝台を使って3人あるいは4人収容すると、4,300人以上も乗せることができ る。更に船員を加えると、5,000人以上がこの船に乗船することとなる。(中略)

安全対策
業界の専門家は、船は過去の船よりも安全機能を備えていると話している。広い廊下や吹き抜けの階段があり、避難を容易にしている。大型の 船は火災や浸水が広がるのを止めるべく、多くの防壁を備えている。

しかし乗客数が増大したことで、新しい問題が生じている。火災のあったStar Princessでは、集合場所に集まってから2,690人の全ての乗客の名前を船員が確認するのに、3時間もかかったのだ。

「かなり時間がかかりました。」とDeutschは話した。広報担当者は、Princessは出欠手続きを再評価していると話した。

クルーズ業界の同業者団体会長Michael Cryeは、仮に船が燃えるか沈むかしても、乗客は船に留まった方が良いと話した。船が「それ自体最高の救命艇」として設計されているからだという。

ロンドンに本拠を置くInternational Maritime Organization(=国際海事機関)のMaritime Safety Committe(=海事安全委員会)では、クルーズ船の大きさの急成長に対処すべく、5年間に亘って作業をしてきた。今月の会合で、同委員会は新しい規則を承認するもの と見られている。災害後、港に到達することができるよう、余分な電力系統を船舶は備えなければならなくなるという。

別の規則では、退船しなければならなくなったときでも、少なくとも3時間は生存できるようにしなければならなくなるとのことだ。

当局者は、コンテナ船がクルーズ客を救助してくれるかもしれない辺鄙なところで、多くの救命艇から何千人もの人々を拾い上げることを避 け るために作られた改正により、小型の船舶を回収することは殆どなくなると話した。

Royal Caribbean Cruisesでは、様々な部門の行動を調和させるべく定期的に避難訓練をしている。沿岸警備隊、FBI(=連邦捜査局)、その他の機関と合同で行うこともある。

「途方もなく念の入った訓練です。」と広報担当者のMichael Sheehanは語った。他の客船会社でも同様の催しをしている。

クルーズ船から乗客が合衆国の港湾に避難した最後の事件は1995年で、Carnival Cruise Linesの船、Celebrationがバハマで出火した時のことだった。姉妹船のEcstasyがマイアミから派遣され、1,760人の乗客は救命艇に乗って乗り移っ た。

安全問題の専門家達は、この次は状況が変わるかもしれないことを心配している。船が陸地から離れていたり、時化の海であったり、あるい は 大急ぎで脱出するものであったりする可能性がある。

Lloyds Registerの海事課長を退職したJack Poldermanは、クルーズ船での何らかの変化が深刻に間違っているものになっているものは僅かだが、ゼロではないと話した。クルーズ船の避難は稀なものなので、支障 なく行えることを証明することは殆どできないという。

「決して起きないとは誰も言えないのです。」と1990年代にLloydsのマイアミ事務所でクルーズ船の計画にかかわっていた Poldermanは話した。「訓練はしているわけですが、実際に上手く行くかどうかは誰も判らないのです。」

この記事ではSeattle Timesの旅行職員からの情報も使用した。(Seattle Times: Monday, May 8, 2006 - Page updated at 03:00 PM)

中国、ベトナムの遠洋定期船のコースが黄金週間の熱い航路になる(中国)

中国とベトナム間の遠洋定期船のコースが、ちょうど終わったばかりの黄金週間の休暇の間、中国人観光客にとって人気の航路となってい た。

このコースは、中国南部の広西壮族(コワン・シー・チョワン・ツー)自治区の風光明媚な北海(ベイハイ)から出発し、ベトナムの美しい 観 光地、ビン・ハ・ロンで終わるもの。

同航路は、1997年に観光・公安・外務・税関を所轄する中国当局によって承認された。現在運航している定期船は、スペインで建造され た 豪華船であり、528人の乗客を輸送できる。

遠洋定期船観光は、快適で、砕けた形式のものであるので、多くの観光客を惹き付けている。(People's Daily Online: 08:10, May 09, 2006)

新たに有毒船がインドに向う(インド)

ニュー・デリー発。何百トンものアスベストとその他の有毒金属を載せたかってのクルーズ定期船が、インドの解体工場に向っている、と Greenpeaceは火曜日に話した。フランスの軍艦を巡って起きた論争が再燃しそうだ。

2月、フランス政府は、環境団体がインドで解体することは労働者の健康に危険があると指摘したために、アスベストを何トンも使ったお蔵 入 りとなった航空母艦、Clemenceauを呼び戻すことを決定した。

裁判所の命令により、インド海域に入ることを阻止され、Greenpeaceの活動家達は数回の抗議行動を行った。

同団体は、ニュー・デリー(注、政府)は、Clemenceauの物語から1つも教訓を学んでいないと述べている。かってのSS Norwayである46,000トンのBlue Ladyは、マレーシアからグジャラートにあるAlang yardに向っているという。

「インド政府は同船を入港させ、アランで旧態依然の政策を採ろうとしているのです。」とGreenpeaceの活動家、 Ramapati Kumarは話した。

12月の報告書では、Greenpeaceはインド、中国、パキスタンといった国々の船舶解体業の何千人もの労働者が、恐らくは過去 20 年間に、事故や有毒廃棄物による汚染で死亡していると述べた。

全長315メートルのBlue Ladyには、900トン以上のアスベストと重金属が使われている、とこの団体は述べている。環境省当局者は、直ちには論評しなかった。

Blue Ladyは1962年就航、マレーシアのStar Cruises Ltdが所有していた。2003年5月にボイラー室が爆発し、7人の船員が死亡した。(Daily News & Analysis: Tuesday, May 09, 2006 15:41 IST)

「Poseidon」でもう1つの荒っぽい旅行(米国)

1972年、「The Poseidon Adventure(=ポセイドン・アドベンチャー)」は、(当時としては)目を見張る視覚効果、スター勢ぞろいの配役、メロドラマ風の筋書き、大げさな演技のパニック映 画の大作時代の先導役となった。

1993年、「Jurassic Park(=ジュラシック・パーク)」は、演技や話の筋に重点を置かず、映画を絶叫マシーンに変えるような特殊効果に金をつぎ込んだ分野を切り開いた。

ということで、その全ての先駆者であり、テーマ・パーク風味のものに遂に行き当たった。「Poseidon(=ポセイドン)」は、最新 式 の、金をかけた「The Poseidon Adventure」。可愛い顔をした人々や、興奮させるような活動を満載した、生きるか死ぬかの冒険だ。

遠洋定期船のPoseidonの乗客が新年を迎えていると、(恐らくは現実にある危険な現象の)狂暴な波がこの船に激突し、船は逆様に なってしまう。Bradford船長(Andre Braugher)が目茶目茶になった主舞踏室で静かにするよう懇願すると、賭博の玄人Dylan Johns(Josh Lucas)が、論理的には外に出ることとなる上に行く方法を探し始める。

Maggie James(Jacinda Barrett)は、Dylanの考えが正しいと思い、息子のConor(Jimmy Bennett)と共に彼について行く。前ニューヨーク市長のRobert Ramsey(Kurt Russell)は、一緒に行こうと、ディスコで恋人のChristian(Mike Vogel)と踊っていた娘のJennifer(Emmy Rossum)を探す決心をする。

このグループに、建築士のRichard Nelson(Richard Dreyfuss)、密航者のElena(Mia Maestro)、醜悪な博徒のLucky Larry(Kevin Dillon)、そしてウェイターのValentin(Freddy Rodriguez)が加わることとなる。船が激しく振動し、火が噴き出すにつれ、この唖然としていた乗客らは、恐怖と苦しみと上昇する水と戦い、生き残ろうとする。

Paul Gallicoの小説「The Poseidon Adventure」を、Mike Protosevichが脚色したPoseidonは、年老いた普通の登場人物や、未婚の母や男を振ったゲイの男性といった現代的なお荷物を抱えた旅行を見せてくれる。登 場人物の成果は、如何に早く観客の心を掴むかにかかっているが、大物俳優は殆どいない。RussellとDreyfussは容易く印象付 けられる年配のプロだが、Lucasはアクション・ヒーローの地位に近づきつつある存在だ。彼のPaul Newman風の振る舞いは、薄気味悪い。

Wolfgang Petersen監督は、登場人物を次から次へと心臓がドキドキするような状況に立たせて、アクションに視点を置いている。「Poseidon」は、最上のバターを使った 正真正銘のポップコーン(注、お粗末な物)だ。

大災害や危機の場面が極めて長く続くため、PG-13(注、13歳以下の子供には保護者の同伴が望ましい)指定。(5点満点で)3.5 点。(Scripps Howard News Service: 10-MAY-06)

8億ドルのクルーズ船は世界最大(米国)

27年以上に亘って400人以上の里子の世話をしてきた女性が昨日、Statue of Liberty(=自由の女神)の近くに接岸した世界最大のクルーズ船のリボンを鋏で切って命名した。

「私はこの船を『Freedom of the Seas』と命名する。本船、Royal Caribbean、そして本船で航海する全ての人々に、神のご加護のあらんことを。」とKatherine Louise Calderはテレビ中継された式典で述べた。

そしてリボンを切断すると、シャンペン34本分が入った巨大な瓶が解き放たれた。

NBCのTodayという番組の視聴者が、彼女をFreedom of the Seasの「名付け親」として選出したのだった。

この船はあまりにも大きいので、船長ですら今週の初めにはまだ探検を終えていなかった。「未だに発見があるのですよ。」とBill Wrightは、ベーヨンでこの新造された船の船橋を歩きながら木曜日に語った。

本船は今週、英国のサウサンプトンからニューヨーク港に到着した。高さ237フィート、長さ1,112フィートで、客室甲板が15層あ る。(後略)(Winston-Salem Journal: Saturday, May 13, 2006)

豪華船で船員が死亡(英国)

クルーズ船のQueen Mary 2に乗務している職員の1人が、同僚に襲われて死亡した。

船主であるCunardは、この年齢40歳のフィリピン人男性は、金曜日に49歳のフィリピン人船員に暴行されたと話した。頭部に重傷 を 負い、船からオランダの病院に空輸されたが、搬送中に死亡した。

QM2はサウサンプトンに登録されているので、英国警察に管轄権がある。4人の係官が、停泊しているノルウェーのベルゲンで乗船した。 ハ ンプシャー州警察では、この事件後、嫌疑を受けた襲撃者は船室の自室に監禁されていると話した。

男性は英国標準時間15時頃、下甲板での喧嘩に巻き込まれたものと見られている。(後略)(BBC News: Saturday, 13 May 2006, 16:06 GMT 17:06 UK)

台風Caloyで21人死亡、何千人も立ち往生(フィリピン)

熱帯性低気圧のCaloyは、土曜日、フィリピン北西部を通り抜け、21人が死亡し、飛行機やフェリーが運休したために1万人以上が立 ち往生し、10人が行方不明になっている。

マスバテ警察地方事務所の長官で上席警視のEugenio Alcuvindasは、金曜日午前4時頃、ビサヤ諸島のマスバテ島沖でM/V Mae Anne 5が転覆し、17人の乗客の死亡が確認されたと語った。Alcuvindasは、行方不明となった乗客の捜索救助活動に参加するようマスバテ市警に指示したと話した。(中 略)

首都のマニラでも土曜日の朝に強風が直撃し、市の幾つかの地域で一時停電した。毎時120キロの突風を伴うCaloyは北に向かい、日 曜 日の朝には南シナ海に抜けるものと見られている。

毎年約20個の台風が、大半が5月中旬から9月までの雨季にフィリピン群島を直撃しており、約6個が国を横断する。(ABS CBN News: May 14, 2006)

NorFerriesはSilja Lineに夢中(ノルウェー)

ノルウェーの海運投資会社NorFerriesは月曜日、米国に上場しているSea Containersからフィンランドのフェリー会社Silja Lineを買収したい意向であると話した。

Silja Lineはバルト海でフェリーを運航しており、大半がヘルシンキからスウェーデン、エストニアに向うもの。昨年、同フェリー会社は約500万人の乗客を輸送した。

貨物船と旅客フェリーの航路の配備を行うところとして知られるNorFerriesは、Silja Lineに5億2,000万ユーロ(6億7,100万米ドル)を差し出している。

「弊社ではこれを好機とみております。」とNorFerriesの会長Sigurd E Steenは、Reutersの報道局に話した。Siljaは「現在、儲かっており、将来においても更に儲かるものと考えている」ことに注目していた。

バミューダに本拠を置くSea Containersは、昨年、損失の原因となっているSilja Lineやその他のフェリー運航の売却の意向を示していた。

NorFerriesの入札は、バルト海におけるSilja Lineの競合他社、TallinkやViking Lineによって挑戦を受けるものとみられている。両社とも、Siljaの買収には興味があると話している。(Aftenposten: 15 May 2006, 12:03)

フェリーで火災!(フィリピン)

日曜日の朝、ミンドロ島沖を航行中のSuper Ferry 1で火災が発生したが、直ちに消火された、とフィリピン沿岸警備隊(PCG)は昨日報告した。

マニラのPCG司令部が得た報告によると、WG&A Aboitiz Shipping Linesにより所有・運航されている「M/V Superferry 1」の旅客室で起きた火災は、約10分から15分間継続しただけだったという。

マニラからコロン、プエルト・プリンセサ、パラワンに向けて航行中の午前10時に、このぼやは発生した。

同フェリーで影響を受けた区画の乗客は、船員による消火作業中、海軍司令官によって安全な区画に移動させられたため、怪我人は報告され て いない。(Tempo: Tuesday May 16, 2006)

地元クルーズ船客が行方不明(米国)

オハイオ州、オーガスタ発。Mariner of the Seasというクルーズ船から月曜日に行方不明になったと報告された21歳の地元男性を、当局は捜索している。

友人らによると、カントン南東のオーガスタのDaniel Dipieroは、日曜日の深夜に最後に姿を見かけられている。その夜は自室で眠っているものと思われていたが、友人らはその後、そうではないことを知ったのだった。船は ポート・カナベラルからバハマのココ・ケイに向う途中だった。

当局では、Dipieroは船外に転落したのかもしれないと考えており、現在、空からの捜索を行っている。

詳細が判り次第、追ってお伝えする。(WKYC-TV: 5/16/2006 12:52:41 PM)

北東最大の淡水クルーズ船が就航(中国)

中国北東部最大の淡水クルーズ船が係留を解かれ、瀋陽(シェンヤン)のHun川で5月14日、正式に就航した。1時間2000元で、こ の船をまるごと傭船することができる。

「Shun Tao No 1」と命名された船は、300万元で建造された。観光客はWu Li He Parkで乗船することができる。船には様々な娯楽設備があり、新旧のバーの他、KTV、チェス・カード・ルームがある。

この定期船の最大搭載人員は、200人。公園に停泊している他のヨットと比べると、本当に見事なもの。Hun川での全運航が始まれば、 こ の定期船で園芸展示庭園と撫順(フーシュン)に行くことができるという。(Northeast Network: 2006-05-16)

オマーン、6,600万ドルのフェリー購入(オマーン)

Oman Daily Observerによると、オマーンはオーストラリアの造船業者Austalに、2隻の多目的旅客車輌双胴フェリーを、6,600万ドルで発注した。

全長213フィートの船は、203人の乗客、56台の乗用車を積載できる。オマーンの北部海岸への観光客向け運航に供されることとな る。 (AME Info: Tuesday, May 16 - 2006)

馬祖―馬尾のフェリー毎日運航がすぐ始まる(台湾)

台湾の馬祖(マーツー)と中国の福建(フーチェン)省の馬尾(マーウェイ)間を毎日結ぶ直行海運運航が来月始まる、と連江県知事の陳雪 生 (チェン・フシュシェン)が月曜日に語った。

馬祖は連江県政府によって管理されているところで、中国と「小三通」により結ばれているこの国の2つの離島のうちの1つ。馬祖と中国の 馬 尾間のフェリーは、現在、土曜日を除く毎日運航している。

陳は、日曜日に福州(フーチョウ)市長を訪ね、土曜日の馬祖と馬尾間のフェリー運航の開設で意見交換した。閣議で多くの中国人が台湾に 旅 行することを許可する決定をしたことから、中国人旅行者の流入が馬祖では期待されている。

「小三通」を利用したこの2つの地域間の乗客数は、運輸・通信統計省によると、2001年1月1日に運航が始まって以来、20倍以上に なっている。(Taiwan Headlines: Wednesday, May 17, 2006)

燃料費の高騰でフィンランド湾横断の価格が上昇(フィンランド)

燃料の現在価格は大変に高く、ヘルシンキからタリンに向う高速双胴船の切符価 格は上昇する傾向にある。費用が増大した結果として、幾つかの旅客海運会社 は、切符価格表の中に燃料追加料金を既に導入している。

カー・フェリー運航事業者のSilja Lineは、既に往復切符の価格に8ユーロの燃 料追加料金を発表している。一方、TallinkとNordic Jet Lineによって報告され た追加料金は、10ユーロであった。例えばフィンランド湾を横断する夏季の Nordic Jet Lineの最低往復価格は、54ユーロ。

ヘルシンキからタリンへの乗客数は、昨年の同時期と比べ、今年前半においては 5パーセント程、落ち込んでいる。この減少は、同航路を結ぶ船舶数の減少に一 部、起因している。

とりわけ高速フェリーの数は、減少している。例えばSilja Lineは昨年来、ヘル シンキ―タリン航路の船隊から、高速フェリー1隻、クルーズ船2隻を減船している。

更にTallinkは、ヘルシンキ―タリン間では僅か3隻の高速船のAutoExpressを保有 しているだけであり、同社は更に減船する計画をしている。一方でTallinkは、 フィンランド湾で旅客を乗せている新しいクルーズ船を1隻保有している。

最近、僅かには落ち込んでいるものの、両都市間の交通量が大幅に落ち込む徴候 は見られない。2005年度のタリンへの海路を使った旅客数は、610万人を超えて おり、2000年度の記録とほぼ同じ。

TallinkとViking Lineは、同航路で新しい種類の高速カー・フェリーに代替する 計画をしている。これらのフェリーはヘルシンキからタリンまで、約2時間で運 航する。これは高速双胴船よりは僅かに遅いものだ。

Tallinkは、来年の冬に新しい船の運航を始める。一方、Vikingの高速カーフェ リーは2008年の初めに就航する。

「競争は大変に厳しいものです。」と、Viking Line常務取締役のNils-Erik Eklundは論評している。

カー・フェリーと双胴船によってフィンランド湾を横断する乗用車の数は、増え ている。今年の成長は、約20パーセントと見られる。

乗用車増加の理由は、フィンランド人の旅行形態の明らかな変化によるものであ る。「クルーズと買い物に加え、今日、バルト諸国を旅行する理由が他にあるこ とに人々は気がついたのです。」とSilja Lineの広報担当重役のTuomas Nylund は話している。この傾向はエストニアを除く諸国で見られ、乗用車で旅行するこ とが増加していることの、ある程度の根拠になっている。

他方、エストニア人が商用あるいは私用でフィンランドに乗用車を持ち込む比率 も、同様に増加している。

Nordic Jet Line FinlandのMikael Granro常務取締役によると、商用旅行者と通 勤通学者の比率は増えており、同航路で運航している船舶に乗用車を持ち込む例 が増えているという。

更にフィンランド南東の都市コトカと東エストニアのSillamae間を結ぶ新しい船 便が、今週始まった。この新しい競合他社Narva Lineは、3月から既に貨物運航 を始めており、同社は6月の初めから、M/S Vironiaを使用して定期旅客運航を始 めることとなっている。この船は370人乗りで、週6回、それぞれの港から出発す る。予想される切符価格は安くなっている。大人の往復切符は僅かに34ユーロ。 乗用車1台の料金が、更に42ユーロだ。

Narva Lineによると、この海運会社の今年の目標は、20,000人の乗客だという。 (Helsingin Sanomat: 18.5.2006)

Austalは日本のアメリカ海兵隊向けに船を傭船(米国)

合衆国国防省によると、合衆国海軍は、モービルに本拠を置くAustal Hull 130 Chartering LLCに対し、西太平洋諸国間で兵士や装備品の輸送向けに、1340万ドルの228日間高速船傭船契約を裁定したという。

Austal Hullの上席副社長Bill Pfisterによると、オーストラリアに本拠を置く親会社のAustal Ltd.は、全長331フィートのMV Westpac Expressを建造しており、7社を押さえて、2001年度に初めて裁定を受けた契約の更新を獲得した。

「これは簡単な競争ではありませんでした。」とPfisterは話した。「国防省に傭船するのは滅多にないことなんです。」

Austal HullはAustal USAの姉妹会社であり、モービル中心街の波止場地区で、2億2300万ドルの海軍艦船を建造中。

国防省によると、Austal Hullの契約は4年間まで延長可能で、全ての選択権が行使された場合、9000万ドル相当のもので、うち5530万ドルは傭船料、3340万ドルは経費だという。

この契約は海軍のMilitary Sealift Command(=米海軍軍事海上輸送部)の裁定によるもので、国防省によると、全ての選択権が行使された場合、来年の2月に起算し、2011年9月に終了することとな る。

この船は、日本の沖縄のアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍によって使用されている。Pfisterは、日本、グアム、フィリピン、タイと いっ た西太平洋では、航空機を使用するよりは、船舶を使用して車輌や軍隊を輸送する方が時に安いことに言及した。

Austalによると、本船は970人の乗客を乗せることができる。インディアナ州の会社Hornblower Marine Services Inc.が、船員として合衆国市民を提供している、とPfisterは語った。

このフェリーは、合衆国軍の太平洋における存在感を最小限のものにするために、商船のように見えるよう「カムフラージュ(注、変装)し た もの」だとPfisterは話した。白い船の側面には、Austalのロゴと共に「AUSTAL.COM」の文字が描かれている。

「沖縄の首都である那覇の中心街からこれを見ている人は、誰でもこう言いますよ。『あれを見て。大きな高速フェリー。』って。」 Pfisterは話した。(Mobile Register: Friday, May 19, 2006)

飲酒でクルーズ船の船長逮捕(米国)

合衆国、ワシントン州、シアトル発。Celebrity CruisesのMercuryの船長が、シアトルから出港する前に酩酊した疑いで逮捕され、指揮権を剥奪された。

沿岸警備隊当局者は、アラスカに向けてこのクルーズ船が出発する前、金曜日に第66号埠頭で船長が検査を受け、血中アルコール濃度が、 連 邦海事限度の0.04パーセントの2倍以上であったと語った。Seattle Timesが土曜日に報じた。

船は別の船長が指揮を取り、予定よりも約90分遅れで出港した。

「この船長の行動は、全く受け容れ難いものである。指揮権を剥奪し、下船を命じた。」とCelebrity Cruisesの社長Dan Hanrahanは声明の中で述べた。

合衆国沿岸警備隊当局者は、クルーズ客船会社の船長がピュージェット・サウンド(=湾)で飲酒の容疑で逮捕されたのは、この24年間で 初 めてのことだと話した、とこの新聞は報じた。船長に対する聴聞は、月曜日にシアトルの連邦裁判所で行われる予定。

「クルーズ船の規則に違反したのです。」と沿岸警備隊隊長Steve Metruckは話した。「このクルーズ船では、見張りに立つ8時間以内の飲酒を制限しています。」(Monsters and Critics.com: May 21, 2006, 1:23 GMT)

異常な波がフェリーを直撃し5人怪我(フランス・英国・アイルランド)

Brittany Ferriesは、フラグ・シップのPont Avenが、昨夜午後10時30分頃、異常な波と遭遇し、多くの乗客が軽傷を負ったと述べた。

フェリーは、プリマスからスペイン北部のサンタンデルに向う途中だった。同社では波が直撃して窓や船室に損傷を与えたときに、5人の乗 客 が切り傷や打撲を負ったと話した。本船はロスコフに回航された。手はずを整えてブレストに移送され、そこでこの水害の評価を行うこととな る。

同社では、数人のアイルランドのトラック運転手とその貨物を含む1,100人の乗客に代替手配を行うと話している。昨夜の事故がコーク か らの運航にどれほどの影響を与えるかについては論評できなかった。これについては、後ほど報告されることとなる。

Pont-Avenは、コークのRingaskiddyとプリマスから、サンタンデルに運航している。ちょうど2年間の運航で、就航最 初 の年は、多くの技術的な問題を経験した。最も深刻だったのが、海水弁の欠陥により2004年8月に補助機関室が浸水したことだった。この 事故では、プリマスのターミナルから2日間に亘って動くことができなかった。休暇シーズンの真っ盛りに多くの運航が混乱させられた。 (RTE.ie: 22 May 2006 12:15)

ダッカは河川でのフェリー事故減少に向けて動く(バングラデシュ)

ダッカ発。バングラデシュ(注、政府)は昨日、毎年、何百人もの人命を奪っているフェリー事故の数を減らすため、海事法令を強化すると 述べた。

Akbar Hossain海運相は、計画には、乗船客数の監視強化と、法令や暴風雨警報を無視した会社に対する厳罰を含むと話した。

政府はまた、事故に対処するための良い救助船や、河川の沈泥を除去するための浚渫船を買うために資金を用意する。

バングラデシュ海運当局によると、過去30年間に多くの事故で、何千人もの人々が死亡しているという。

バングラデシュには8,000キロを超える河川があって、フェリーや小船がバングラデシュ国内の乗客、商品の70%を輸送しており、こ の 貧しい国の経済の生命線となっている、と政府当局者は話した。

しかし、旅行は時に危険だ。(Gulf Times: Monday, 22 May, 2006, 10:57 AM Doha Time)

シアトル:胃腸ウイルスの清掃後、クルーズ船はアラスカに戻る(米国)

クルーズ船のNorwegian Starは、胃腸風邪の原因となるウイルスを除去する特別の清掃後、現在、シアトルからアラスカへの別のクルーズの途上にある。

先週の旅行で、100人以上の乗客がウイルス性胃腸炎に倒れた。病気の乗客は船室に隔離されたが、このクルーズ客船では、命令に反して 自 室から離れた7人をスカグウェーで下船させたと話した。

この病気の症状は、ノーウォーク・ウイルスに感染後、24時間継続するもので、クルーズ船で問題になっている。ウイルスは、汚染された 食 べ物や水を介して伝染する。

船は日曜日にシアトルに戻り、日曜日の晩に出発した。クルーズ客船会社では、新しい乗客に病気の件を伝え、別の機会に旅行を遅らせるこ と のできる選択権を与えた。(TheNewsTribune.com: May 23rd, 2006 01:00 AM)

歴史的な船のコーシャ料理(英国)

コーシャ(注、ユダヤ教の食事規定に従った)クルーズが現代的な現象だと考えるのならば、もう一度考えてみて欲しい。SS Normandieが大西洋を世界記録の速力で横断した70年後に、あるユダヤ人の切手収集家が、この豪華定期船が、カシュルート(注、ユダヤ教の食事規定)に厳格に従っ ている乗客に特別に用意した料理を提供していた1936年の献立表を発見したのだ。

ボーンマスのAshley Lawrenceは、競売で偶然遭遇した発見品に「喜んだ」と話した。この62歳は次のように語った。

「過去50年間に亘ってフランスの切手を収集してきましたが、その他、手紙や絵葉書のようなものも集めてきました。チラシのカタログを 手 に入れたのですが、これらの献立表が競売に出品されていたのです。」

歴史的にみて、この工芸品遺産は意義深いものであり、この船自体の輝かしい、そしてその後の悲劇的な運命を示すものだ。

1935年建造のSS Normandieは、当時、最速・最大・壮大な遠洋定期船として歓迎され、その就航はフランスの特殊切手の発行をもって祝福された。

翌年、この船が4日間3時間2分の記録的時間でシシリー島からニューヨークへ大西洋横断をすると、別の切手が発行された。

しかしそのちょうど6年後、パールハーバーでの日本による攻撃の後に本船は合衆国海軍により軍隊輸送船に改造され、最終的には1942 年 に出火し転覆した。当時のフランス高級料理に捧げられた700席の洋上食堂を持った本船の当初とは、似ても似つかぬ最期だった。

Lawrenceは語った。「これらの定期船で旅行したのは大変なお金持ちだけで、コンコルドで旅行するようなものでした。乗客はハリ ウッドの映画スターや実業家の大立者で、その多くは裕福なユダヤ人でした。」

定番の料理は、ウェストファリア・ハム、フォアグラのテリーヌ、蟹の身のラムラードで、コーシャ料理には、異国風に聞こえる料理の 「carp a la polonaise(注、ポロネーズ風の鯉)」、「schalent」、「oeufs haches a la Juive(注、ユダヤ風卵挽肉)」があり、他に知られているものでは、ゲフィルタ・フィッシュ(注、ユダヤの魚料理)、チョレント (注、ユダヤ教の安息日に食べるシチュー)、卵、玉葱があった。(Totally Jewish: Thursday 25th of May 2006)

Atticaはフェリー会社を物色(ギリシャ)

ギリシャ最大のフェリー運航事業者Attica Holdingsは、今年、手持ちの2億ユーロ(2億5530万ドル)を使って北ヨーロッパのフェリー会社を直ぐにも買いたい、と最高経営責任者は昨日語った。

Reutersとの会見で、最高経営責任者のAlexander Panagopoulosは、ヨーロッパのフェリー市場は、整理統合の準備が出来上がっており、同社では買収を模索するフェリー運航者から幾つかの申し出を受けていると話 した。

「整理統合はヨーロッパのフェリー市場における正に論点になっており、Atticaは汎ヨーロッパ規模におけるうってつけの整理統合者 の 1つなのです。」と語った。

「弊社ではAtticaに会社を買収して欲しいという提案を受け取っており、弊社の関心に火をつけているのです。」と話した。「問題 は、 弊社の2億ユーロの現金残高において、どれくらいの負担になるかということです。」

2億ユーロから10億ユーロの間で、どこかを買収するという発表が、夏以降になされるかもしれないと話した。

Attica Holdingsはヨーロッパ最大の旅客海運会社の1つであり、アドリア海で国際航路を経営しており、手始めに北海、バルト海では、100パーセント子会社の Superfast Ferriesを経営している。

その株式は、2006年度の見込み収益で16.4で取引され、ヨーロッパの海運部門の平均値に近いが、他のフェリー会社よりは低い。バ ル ト海のフェリー大手Finnlinesは、Reuters Estimatesによると、約29倍で取引されている。

4月にSuperfastは、エストニアのTallink Groupに、バルト海の船舶のうちの3隻を、3億1000万ユーロで売却している。負債を返済して、株主に6000万ユーロ還付し、Atticaは帳簿に既に載っている 1億5000万ユーロの現金に4200万ユーロを上乗せしている。

Panagopoulosは、同社ではイギリス海峡のフェリー運航事業者の1社を買収することを検討しており、恐らくは新しい高速フェ リーを展開することとなることを示唆した。

1994年に海峡トンネルが開通して以来、そして近時easyJetやRyanairのような格安航空会社との競争が激化するにつれ、 海 峡フェリー運航者の利幅は激減しているように思われる。

「海峡横断市場は、大不況です。」とPanagopoulosは語った。「フェリー運航事業者は、市場を格安航空会社に奪われているの で す。」

加えて、フェリー会社の多くは船上販売、免税品からの売り上げに頼っており、そうした市場はフランスとイングランドの間にはもはや存在 し ていないと語った。

「弊社は、バルト海や英国・フランス間で重要な要素であった免税販売の時代の先を行っているのです。」と語った。「今や格安航空会社、 イ ンターネット販売、そして速力との競争の時代にいるのです。というのは、輸送は速力を要請するものだからであり、もはやレジャーではない のですよ。」

このグループが48.8パーセント保有するBlue Star Ferries部門は、鍵となるギリシャ離島航路における業界大手であり、年間約450万人の乗客を輸送しており、ざっとギリシャの年間乗客数の4分の1を占めている。

会計年度当初からのAtticaの株価は5.47パーセント上昇し、木曜日に4.24ユーロで引けた。(Kathimerini: 5-27-2006)

もっと金を、さもないとシドニー・タスマニアのフェリーは沈没だ(オーストラリア)

シドニーとデボンポート間のフェリーの運航事業者は、この運航は赤字垂れ流しだが、タスマニア島に観光客をもたらしていると話してい る。

問題を抱えたSpirit of Tasmania IIIは、タスマニア政府保有のTT-Lineによって運航されているが、約1億8600万ドルの負債を抱えている。

この運航に更に金を注入しないと運航は終わりになり、船は売却されることとなる、とTT-Lineは政府に話している。

タスマニア州知事Paul Lennonは政府の立場を考慮中だ、とTT-Line最高責任者Peter Simmonsは昨日話した。

「彼は政府の立場を知るために、タスマニア島北西部の市長達と観光業団体と会談をしています。」とSimmons氏は話した。

「この運航では赤字が出ていますが、州に多くの観光客をもたらしているのです。政府が限られた時間内で決定するのは、大変に難しいので す。」

過去の財政年度において、タスマニア政府が3年間に1億1500万ドルの救済を行っているにも拘らず、運航により4362万ドルの赤字 が 出ている。高い燃料費と安い航空運賃が、決算に重く圧し掛かっている。同社では今年、2000万ドルの赤字を予想している。

連邦政府は、同社を援助することはないと話している。(Sydney Morning Herald: May 28, 2006)

ウイルスの勃発がクルーズ船で開催(英国)

250人の船員の間で「好ましくない」深刻なウイルスが蔓延したため、沿岸警備隊によってクルーズ船が抑留された後、500人の英国人 観光客は自宅に送られた。

非常に多くの者が、嘔吐と下痢の原因となるウイルスに罹患したため、この船は如何なる危機にも対処できなくなってしまった、と沿岸警備 隊 は付け加えた。

Van Goghがハリッジに接岸したとき、前のクルーズで14人の乗客がこのウイルスに感染していた。2人が救急車に乗せられ、Colchester Hospitalに搬送された。このクルーズの間、乗船していた100人以上が感染したと伝えられている。

ハリッジ港衛生指導員と公衆衛生局長との協議後、「更に勃発しないか本船と船員を監視する」間、少なくとも48時間、船を抑留する決定 を、沿岸警備隊は行った。

「乗客の健康が何よりです。」とMaritime & Coastguard Agency(=海事・沿岸警備隊庁)のAndy Rudge司令官は語った。

本船はTravelscope Holidays Ltdという傭船会社によって運航され、ノルウェーに向け、7日間旅行に出発することとなっていた。(BBC News: Sunday, 28 May 2006, 22:40 GMT 23:40 UK)

クルーズ船の戦慄、男性が海に飛び込み行方不明(米国)

昨夜、ウェスト・サイドに接岸後、Carnival Legendという船からの乗客の下船は、予定よりも半日遅れとなった。乗客が英領バージン諸島沖で海に飛び込んだのだ。

クルーズ船客の1人が、英領バージン諸島沖の漆黒の海に飛び込み、12時間も無益な捜索が行われて、数千人の観光客は身動きが取れな かっ た、と当局者は話した。

この身元不詳の男性は、土曜日の午前1時過ぎにCarnival Legendという船から身を投げた、とクルーズ客船会社は話した。この定期船はトルトラ島を出発してニューヨークに戻る途中で、約650マイル沖を航行中だった。

「弊社の思いと祈りは、ご家族、行方不明になられたお客様の最愛の方と共にあります。」とCarnival Cruise Linesは声明の中で述べた。

結果として、昨日ニューヨークに遅れて到着した多くの乗客は、飛行機や列車に乗り遅れた。また昨日の予定されていたクルーズの出発も遅 れ、針路は変更となって、不満を抱えて海に出たのだった。

昨夜マンハッタンのウェスト・サイドで下船した怒った乗客らは、飛び降りた男性は妻と口論後、2人の子供と妻の前で明らかに死んだと話 した。

フィラデルフィアから来たClint Jones(22)は、第6甲板のその男性の部屋から少し離れた船室にいたのだが、旅行中、男性の度の過ぎた賭博のため、部屋から口論が聞こえていたことを思い出した。

「大きな声で、始終ドンドン叩き、金切り声を上げていましたよ。」と話した。

この男性が飛び込むのを目撃されてから、船長は約3,000人の乗客と船員に対し、船は碇を降ろして捜索救助活動をすると通知した。合 衆 国沿岸警備隊の航空機C-130が捜索に参加した、と広報官のMike Lutzは話した。

遺体は回収されず、半日後、この会社によりFun Ship(=愉快な船)と謳われる全長963フィートの船は、8日間の航海を継続することとなった。そして11時間遅れの午後8時に、マンハッタン船舶ターミナルに入っ た。悲劇の後、船の雰囲気は気まずいものとなった、と乗客は話した。

「重苦しいものでした。」とニュージャージー州ユーイングのLinda Montervino(51)は話した。「皆さんうなだれて歩いていました。」(New York Daily News: Originally published on May 29, 2006)

Incatに二つのお祝い(オーストラリア、日本)

ホバートの造船業者Incatは、2隻の112mの双胴船を建造することで、日本の会社との契約に署名した。

Economic Development Minister(=経済発展相)のBryan Greenは、昨日、更にIncatにとって素晴らしい知らせがあると語った。

今月初め、同社はスペインの海運会社Acciona Trasmediterraneaに90mの船を売却したと発表した。日本の契約は、Libera Corporation(=株式会社リベラ)とのもの。

Green氏は、Incatの将来は明るく、長期的な展望はかってなく良いものだと語った。

彼は、前経済発展相のLara Giddingsと担当当局者は、Incatの交渉を支援すべく過去6ヶ月間に亘ってLibera Corporationと直接、作業してきたと語った。

次の一歩は、この近時の発展を最小限賄えるようIncatの要員を増やすこと。

Green氏は、日本のフェリーの第1船は来年の6月中旬までに竣工で、第2船は2008年6月中旬までに竣工すると語った。この2隻 の 船は、日本の北部の函館と青森の間で運航され、既存船の運航時間を半分に短縮するものと見られている。

「タスマニア政府は長年に亘って喜んでIncatを支援してきており、同社が発展するのを見るのは、喜ばしいことであります。」 (The Mercury: 31may06)