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2009年1月

2009年1月の海外旅客船情報

船を戦争に向わせた元QE2船長が死去(英国)

フォークランド戦争に船を向わせたQE2の元船長が、死去した。

1973年に本船の船長となったPeter Jackson(86)は、かねてより病気だった。

QE2が大西洋横断の途中、フォークランドで国のために尽くすよう連絡を受けたのは、1982年5月のことだった。

急いでサウサンプトンで入渠し、翌日から驚くような変換作業が行われ、世界で最も有名な旅客定期船は軍隊輸送船となった。

遂にQE2が兵役に召集されて1週間足らずの5月12日、船は3,000人の軍隊を乗せて、Jackson船長の指揮の下、サウサンプ ト ンを出港した。

QE2は現在、洋上ホテルに改造されて、ドバイで係留されている。5000万ポンドで売却され、11月にサウサンプトンから最期の航海 を 行った。

QE2の船長を7年間務めたJackson船長の葬儀は、1月9日に執り行われる。後には未亡人、娘1人、孫3人が残された。 (Southern Daily Echo: 9:05am Thursday 1st January 2009)

船外に転落したクルーズ船従業員の捜索が進行中(米国)

Coast Guard(=沿岸警備隊)は、今朝早くベロ・ビーチの東約20マイルのCarnival Sensationから船外に転落したクルーズ船の従業員を捜索している。

この男性は、Carnivalの出した声明文によると、娯楽職員の一員であり、非番だったという。午前12時40分頃、船外に転落する と ころを、6人の船員に目撃された、と声明文にはあった。

このクルーズは、日曜日に始まった4日間バハマ・クルーズを終え、ポート・カナベラルに戻って来るところだった。

男性は、当局者やCarnivalの幹部によって身元が確認されていないが、この1週間の間にクルーズ船で極端な行動に出た2人目と なっ た。ウインター・ヘブンのJennifer Ellis-Seitz(36)は、先週の金曜日、メキシコのカンクン沖でNorwegian Pearlから行方不明になったと報じられている。見つかっておらず、捜索は打ち切られている。

Carnivalの事件は、午前12時50分頃、同僚によってクルーズ船当局に通報された。船舶職員が支援を求めてCoast Guard(=沿岸警備隊)に連絡を取り、この従業員の捜索が開始された。

マイアミとフォート・ピアースのCoast Guard(=沿岸警備隊)の捜索・救助活動では、飛行機1機、ヘリコプター2機が使われ、これにはクリアウォーターからの1機、87フィートのカッター(注、小型船)、 33フィートの船舶も含まれている。今日遅く、固定翼機のC-130 Herculesも加わる、とPetty Officer Second Class(=2等下士官)のJames Harlessは話した。

Norwegian Pearlは、西カリブ海への7日間クルーズを終えて、日曜日に帰ってきた。Coast Guard(=沿岸警備隊)では、船の監視カメラの映像では、誰かが12月25日の午後8時頃に船から転落した、と報告している。Raymond Seitzは、妻が先週の金曜日の午前4時少し前にいなくなった、と通報している。(Tampa Tribune: January 1, 2009)

沿岸警備隊は14歳の女性をガルベストン沖のクルーズ船から救急輸送(米国)

ヒューストン発。Coast Guard(=沿岸警備隊)は、2009年1月3日土曜日、ガルベストンの南東200マイルのクルーズ船Voyager of the Seasから、14歳の女性を救急ヘリコプターで輸送した。

ニュー・オーリンズのCoast Guard(=沿岸警備隊)第8管区センターの見張りが、午後12時50分、クルーズ船の船員から、乗客が失神し治療が必要だとの連絡を受けた。

Coast Guard(=沿岸警備隊)では、Air Station Houston(=ヒューストン航空基地)のMH-65救助ヘリコプターの搭乗員とAir Station Corpus Christi(=コーパス・クリスティ航空基地)のFalconジェット機の搭乗員を、救急ヘリコプター輸送の支援のため出動させた。

MH-65救助ヘリコプターの搭乗員はこの乗客を、無事、ヒューストンのMemorial Hermannに救急ヘリコプターで輸送したが、この女性の容態は不明。(Guidry News Service: Saturday, January 03, 2009)

6,619人のフィリピン人女性は男性船員より低賃金で1日10時間から14時間労働(フィリピン)

女性船員は波に乗っている。そして洋上で搾取、差別、そして性的嫌がらせと戦っている。

これがUniversity of the Philippines College of Mass Communication(=フィリピン大学マス・コミュニケーション学部)のLucia Palpal-latoc Tangi教授によってなされた先駆的な女性のseafarers(=船員)に関する研究の結論である。

「この調査で、女性に対する組織的な差別が明らかになりました。女性が出産や子育ての役割を反映あるいは関連した地位又は仕事を割り当 て られてきたことから、女性は低賃金の傾向にあるのです。」と指摘した。

Philippine Overseas Employment Administration(=フィリピン海外雇用庁) (POEA)では、2007年度の洋上におけるフィリピン人女性は6,619人としており、約216,874人のフィリピン人男性船員と比較するとほんの僅かである。

しかし女性は、若さや美貌に基づいて雇用され、必ずしも技量に基づかないという募集の段階から、差別に晒されている。

「経験は良いものではありますが、しかし応募者が感じの良い人柄ならば、特に必須のものではないのです。」とTangiは語った。

初回の応募の場合は、32歳以上であってはならず、公共部門で働くことを希望する者は、身長が5フィート2インチ(注、約157セン チ) なければならず、ウェートレスや酒場で働く場合は、少なくとも2インチ(注、約5センチ)背が高くなければならないのである。

女性は低賃金の傾向にある。女性に割り当てられる仕事は、「nonprofessional(=非専門的)」で未熟練と考えられ、給与 は、International Labor Organization(=国際労働機関)によって設定された最低賃金の適用がない。

この研究では、女性船員は1日当たり平均10時間から14時間働いていることが明らかになった。労働時間は、しばしば職種によって異な る。例えば1日当たり16室から18室の掃除を行い、終了するのに約9時間から10時間かかるのである。

女性船員の労働時間は、フィリピン当局が設定している標準と比較し、間違いなく長いものである。

船上で妊娠することは、女性船員の最大の心配事の1つである。一旦、船上で医師により確認されたならば、その女性の契約は、自動的に終 了 となる。

海運会社は帰りの切符を支給し、2か月分の給与を得ることとなる。この妊婦の給付金は、International Transport Workers Federation(=国際運輸労連)に加盟している組合に所属している海員に給付される。

「Pinays On Board: an Exploratory Study on the Working Conditions of Filipino Women Seafarers(=船上でのフィリピン人:フィリピン人女性船員の労働条件に関する探求的研究)」では、男性中心の海運業界に困惑している。

12人の女性船員との突っ込んだインタビューに基づく結論は、大半が、旅客船やクルーズ定期船のバーのウェートレス、部屋のメイド、 マッ サージ・セラピストとして働いているというものである。

Tangiがインタビューした12人のフィリピン人女性船員のうち11人が、豪華定期船で働いており、油槽船で働いているのは僅か1人 だった。

Tangiはクルーズ定期船と貨物船で働いている者は、いずれもseafarer(=船員)として分類していたが、しかし貨物船では高 度 な技量を要求され、体力的に辛い仕事である点で違いがある。

seafarer(=船員)とは、軍事又は非商業目的のために使われる政府船以外の、外国の海を航海する遠洋航海船に乗船して雇用さ れ、 又は如何なる活動にも従事するものを指す。

ウェートレスやマッサージ・セラピストは、それ故seafarer(=船員)と見なされる、とTangiは指摘した。

この研究では、比較できないものを比較している。1つは、男性船員と女性船員の給与における差別である。

インタビューした女性は、(マッサージ・セラピストの)基本給として、月に50ドルから1,000ドルしか稼いでいないと話した。しか し チップだけで、月に2,000ドルから4,500ドル稼ぐことができるのである。

Tangiは、男性船員の給与と比較し、それはより専門的で、技術的で、労働集約型の仕事であると語った。

船長や機関士は、船種にもよるが、月に5,200ドルから10,000ドル稼ぐことができる。一方他の上級船員は月に約2,400ドル か ら8,400ドル稼ぐことができる。

「女性船員はチップを通じて、あるいは洗濯、西洋人船員の船室の掃除といった内職をして、何とかして収入を増やしているのです。」と Tangiは話した。

Tangiは、フィリピンは、United Nations Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women(=国連女性差別撤廃条約)に署名しているので、海運業界であっても女性の権利保護を確立する義務を負うと話している。

「私達は、女性に対する特別の扱いを求めているのではありません。私達は、選択の領域において差別を撤廃し、優越するための平等な機会 を 女性に与えられるべきだと求めているのです。女性の権利は不可侵の権利であり、従って常に守られ保護されるべきものなのです。」 (Manila Times: Sunday, January 04, 2009)

Koshiの船の惨事で2人死亡、18人行方不明(ネパール)

ネパール、カトマンズ発。警察は日曜日の朝、Sunsari地方のKoshi Riverで転覆したフェリーに乗って行方不明になっていた2人の遺体を収容した。大半が子供と女性であり、少なくとも19人が、未だに行方不明となっている。

報道では、救助活動に参加した警察が、2人の女性の遺体は、船が転覆したところから100メートルばかり離れたところで見つかったと話 し ているのを引用している。しかし犠牲者の身元は、直ぐには判らなかった。

この急流の川は大変に冷たく、行方不明者の全員が生きて見つかる望みは殆どないという。また霧の立ち込めている天気が、今朝の救助活動 を 阻んでいるという。

一方、陸軍の部隊も、川から沈没した船を何とか引き上げた朝以来、救助活動に加わっている。

船は約40人を乗せていたが、朝7時頃、Shreepur VDCのSaptakoshi Riverで突然転覆した。この惨事の詳細は未だに漠然としているが、船が収容能力を超えて乗客を乗せていたたために事故が起きたことは、はっきりしている。

船に乗っていた12人ばかりが、岸に泳ぎ着いて助かった。救助された僅かな乗客は、治療のため、Sunsari District Hospital(注、病院)に搬送されている。(Media For Freedom: 1/4/2009)

アフリカ系アメリカ人の祖先の航海に繋がるウェブ・サイト(米国)

アトランタ発。系図調査の大進歩により、アフリカ系アメリカ人は、16世紀初期にまで遡って、アフリカから1250万人の祖先を輸送し た奴隷船の航路を辿ることができることとなる。

この無料インターネット・データベースは、アフリカ系アメリカ人に初めて、白人が長らくヨーロッパからの移民を系図にすることができた の と同じ方法で、アフリカの遺産を探求できる機会を与えるものだ。

Voyages: The Trans-Atlantic Slave Trade Database(=航海:大西洋横断奴隷貿易データベース)は、何百人もの学者による40年に亘る調査の集大成。2年前にEmory University(=エモリー大学)の調査員が、National Endowment for the Humanitiesの資金を得て、アフリカから北米、ブラジル、カリブ海、そしてヨーロッパへの約35,000回の奴隷貿易の地図、画像、その他の記録を編集し始めた。 この件に関する大量のデータが一般に公開されるのは、初めてのこと。

「皆、どこから来たのか知りたいものです。そしてヨーロッパから来た人は、移民者の共同体を数世紀も辿ることが、今では可能になってい ま した。」とEmory(=エモリー大学)の歴史学教授で、この事業の責任者であるDavid Eltisは語った。「今やアフリカ出身者も、同じことができるようになったのです。」

「アフリカから来た人とアメリカ人の記録は、ヨーロッパと南北アメリカとの間の記録よりは得易いのです。奴隷は財産だったという単純な 理 由からです。」と語った。「自由移民に何が起きたのか気に留める人はいなかったのですが、奴隷の身に何が起きたのかは気に留められていた のです。というのは、奴隷で商売していたからです。」

このデータベースでは、アフリカから出発した奴隷船の地域を確定でき、そして合衆国のどこに到着したのかを確定することができる。一般 に、どの祖先が乗船していたのかを確定することは不可能だと調査員は語った。というのは、記録にあるアフリカの名前は、奴隷が北米に到着 したときに変えられたからである。

「このデータは、個々の祖先を辿る場合は役には立たないでしょう。僅かな場合を除いては、この船に乗って祖先が来たとは言えないはずで す。」とEltisは語った。「できることというのは、前後の状況を提供することです。大きな利点というのは、アフリカの地方と南北アメ リカの地方とのつながりを確定できることです。」

アフリカ系アメリカ人は、Alex Haleyの小説を基に1977年にテレビで放映された「Roots(=ルーツ)」というミニシリーズ以来、自分のアフリカの遺産を発見することに強い興味を持ってきた。 2003年以来、African Ancestry Inc.というワシントンD.C.の会社が、通販でDNAテストを349ドルで行ってきた。近年は、別のDNA調査事業も発展し、Oprah Winfrey、Spike Lee、公民権運動の偶像であるAndrew Youngといった有名な依頼者を惹き付けて来た。

DNAテストの問題は、調査員によると、アフリカで集められたDNAの検体が不足していることだという。そのため、アフリカ大陸の多く の 地方と一致させることが難しくなっている。このVoyagesデータベースでは、DNAデータを強化することに役立つ、と調査員は話し た。

「特定の祖先には辿り着けないかもしれません。しかし個々の人生、個々の船舶、個々の航海のこれまでで最も完全な集大成なのです。」と Emory(エモリー大学)の系図学者で、「In the Shadow of Slavery: African Americans in New York City, 1626-1863(=奴隷制の蔭で:1626年―1863年ニューヨーク市におけるアフリカ系アメリカ人)」の著者、Leslie Harrisは語った。

イリノイ州のアフリカ系アメリカ人にとって、このデータベースを利用するのは更に難しい。というのは、その家族の多くは1916年から 1930年にかけてのGreat Migration(=大移動)で北部にやって来たからだ。そうした記録を見つけるには、イリノイ州の住民は、祖先が南部のどこで奴隷とされていたのかを知る必要がある。

「奴隷貿易で、イリノイ州で降ろされた人はいません。船は東海岸に接岸したのです。」とHarrisは語った。「それで私たちでは、東 海 岸から出発した人については、いずれにしても最後はイリノイ州にやって来たのであって、必ずしも奴隷とされたわけではなく、自由市民だっ たと話しているのです。」

このデータベースは、教室の教材となることが期待されているが、1050万人の奴隷、85パーセント以上の奴隷貿易の記録が含まれてい る。アフリカの名前、年齢、性別、出身、上陸地によって、67,000人以上が判明している。

多くのアメリカ人は、奴隷制を合衆国の一現象として見ているが、合衆国は奴隷貿易の僅か4パーセントであるに過ぎず、奴隷の約45パー セ ントを輸入していた先頭に立つブラジルからは、かなり引き離されている、とEltisは語った。

「奴隷貿易が最盛期だった時期、これは普通の事業とされていたのであって、何だか不道徳なものとはみなされていなかったのです。奴隷船 の 船主は、家族に因んで、航海を命名していたものなのです。」とEltisは語った。

「従って、当時と現在の考え方の違いは、かなり違うのです。」(Chicago Tribune: 12:23 AM CST, January 4, 2009)

格好良い鯨見物船がJetCatsの代替へ(オーストラリア)

鯨見物と結婚式に使用されていた3層の双胴船が、削減されたサーキュラー・キー(注、埠頭)とマンリー間のJetCatの運航に取って 代わるものと見られている。

Bass and Flinders Cruisesにより運航されている全長33メートルのOcean Dreamingと、まだ命名されていない3月に引き渡されることとなっている400万ドルの姉妹船は、14,000人の通勤客に救いの手を差し伸べることとなる。

悪名が知れ渡るほどに信頼できなかったJetCatの運航は、11月の補正予算で廃止が発表され、水曜日に廃止となった。

Bass and Flindersは、この代替運航を提供するための民間部門の競争においては、ダーク・ホース(注、予想外の実力者)であった。最高経営責任者のRichard Fordは、朝と夕方の混雑時に運航することは、Ocean Dreamingの鯨見物の実施と完全に適合すると話した。(後略)(Sydney Morning Herald: January 4, 2009)

分野一瞥:クルーズ運航事業者(米国)

月曜日、分析者は、クルーズ客船会社は、旅行消費が落ち込む中、船を満員にするために広範に亘って大幅に価格を引き下げていると語っ た。

しかしSusquehanna Financial Groupの分析者Robert A. LeFleurは、Royal Caribbean CruisesとCarnival Corp.の格付けは「Positive(=肯定的)」のままに維持した。

LaFleurは、旅行代理店月次調査では、10月の予約が前年比で10.5パーセントの減少で、11月は10.7パーセントの落ち込 み だったと語った。LaFleurは、Susquehannaがオンラインで実施したこの調査で、値引きが広がっていることも判ったと語っ た。

「こうしたことから弊社では、クルーズ客船会社は、窮地に立つ消費者を惹き付けるために価格非常ボタンを押し、船を満員で航海させ続け よ うとしたとの見方を強めている。」とLaFleurは、投資家向けのメモに書いている。

LaFleurは、2009年はクルーズ会社にとって「challenging(=手腕が問われる)」ことになると語った。クルーズ客 船 会社は、船を満員にすることはできるだろうが、それはどん底価格にする方法しかないと説明している。

より楽観的な注目点として、LaFleurは消費者は休暇を取り続け、クルーズが費用効率の高い余暇旅行の選択になるだろうと期待する と 語っている。またクルーズ運航事業者が、燃料価格の急落により利益を得続けることになることも指摘している。

Royal CaribbeanとCarnivalは、いずれもマイアミに本拠を置いている。午後の商いでは、Royal Caribbean株は50セント高、3.3パーセント増の15.46ドル。Carnival株は、29セント安の25.26ドルだった。(Forbes: 01.05.09, 02:09 PM EST)

座礁したノルウェーのフェリーから乗客は安全に脱出(ノルウェー)

オスロ発。ノルウェーのトロンへイム港で座礁したフェリーから、150人以上の乗客と船員が安全に脱出した、と警察、当局者は語った。 脱出の決定は、このノルウェー船、MS Richard Withが強風の中、浸水し始めてなされたもの。

沿岸警備隊、救急隊、警察、そして地元有志が、救助作業を手伝った。現地時間の昼までに、153人の乗客と4人の船員は船を離れた。多 く の者が、長い梯子を使って埠頭に下りなければならなかった。怪我人の報告はない。

潜水夫がベルゲンに向う途中だったこの全長121メートルの船を検査するために派遣され、水を汲み出すために揚水機が使われた。

1991年建造のMS Richard Withは、ノルウェーの沿岸急行船を運航している海運会社、Hurtigrutenの所有。

沿岸共同体のために尽くして34港に寄港することに加え、同社は、スピッツベルゲン諸島、グリーンランド、南極の他、ノルウェー沿岸で も、クルーズをしている。(Earthtimes: Tue, 06 Jan 2009 12:18:12 GMT)

Superferryの13台の車輌が輸送中に損傷(米国)

日曜日の時化の海のため、オアフ島からマウイ島に向っていたHawaii Superferryの13台の車輌が、「minor damage(=小破)」した。

同社では、この状況は、輸送中に駐車していた車輌の何台かが動いたことから生じたと話した。

「本船に対する実際上の被害はなかった。」と同社声明文では述べていた。

「影響を受けた乗客には連絡を取っており、弊社は権利申立てに対し対処している。これは、かなりの車輌が動いて発生した最初の事故であ る。」と声明文にはあった。

「如何なる損害も最小限にするため、状況が何時になく荒れている時は、影響を受ける地域においては、現在、車輌を縛り付けている。」 (Honolulu Advertiser: Tuesday, January 6, 2009)

Aboitiz、Negros Navigationは旅客・貨物運賃を引き下げるかも(フィリピン)

国内2大海運会社は、世界的に石油価格が落ち続けていることから、今年、貨物・旅客運賃を引き下げるものと見られている。

しかし旅客と貨物の運賃は、需要が思わしくないので、危機以前の水準に戻りそうもない、とNegros Navigationと商売敵のAboitiz Transport System Corp.の幹部は語った。

最近のインタビューで、Negros Navigationの最高経営責任者のSulficio O. Tagudは、原油価格が低いままならば、まずは貨物と旅客の運賃を今年の早いうちに、10分の1以上にまで大幅に引き下げると語った。

バコロドに本拠を置くNegros Navigationと、セブ島に本拠を置くAboitiz Transportは、いずれも昨年、燃料費の上昇のため、約3分の1まで運賃を値上げしていた。

「明らかに、(2008年の直近の四半期)は経営上の観点からは良くなっています。」とTagud氏は、BusinessWorldに 対 し、海運会社の最大の出費である石油価格の下落に言及しつつ語った。

ライバルのAboitiz Transportは、国内最大の定期船、Super Ferryを運航する業界の最大手だが、運賃は石油価格の下落と共に引き下げられると語った。

「燃料価格が低水準のままならば、運賃は下げるかもしれないです。」とAboitiz Transportの情報戦略統括役員であるLilian P. Cariasoは電子メールで回答した。しかし同社は、引き下げの時期や額については話さなかった。

「燃料は、弊社事業の主要な要素です。燃料価格の如何なる変動も、弊社の成長に大きく影響するのです。しかし利幅に対する影響を最小限 に するために、方策を講じています。全ての弊社の戦略は適切です。」と簡略に述べた。

海運大手3社の1つ、Sulpicio Linesの幹部からは、直ぐには論評を得られなかった。Sulpicioの旅客免許は、6月21日に主要フェリーの1隻が沈没して、その後、取り消されているが、貨物事 業は継続している。

Sulpicioは国内貨物事業の40%を支配しており、Aboitizは35%、Negrosは10%である。残りを小さな会社が分 け 合っている。Aboitizは、旅客事業の市場占有率の70%を占め、残りがNegros Navigationとなっている。

世界の原油価格は、昨年の半ばには1バレル当り150ドル近くになったが、最近数ヶ月間は、1バレル当たり約40ドルに下がっている。 (後略)(BusinessWorld Online: Wednesday, January 7, 2009)

ブラジル:クルーズ船の340人が発病、原因不明(ブラジル)

ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ発。スイス人が所有するクルーズ船の何百人もの乗客が、得体の知れない病気による激しい嘔吐と下痢に襲 われた、と木曜日にブラジルの防疫官が語った。

National Agency for Sanitary Vigilance(=国家公衆衛生監視庁)の広報官(注、女性)によると、現在、バイア州サルバドルに接岸しているMSC Sinfoniaで、少なくとも340人の犠牲者が発病しているという。同庁の政策に従い、匿名で語った。

この病気は生死に関わるものではなく、乗客の大半が、木曜日には回復しつつあるという。

その後出した声明文において、同庁では検査によって、同船の飲料水の塩素量と、腐敗し易い食料、とりわけマヨネーズの保存に問題がある こ とが判明したと述べている。しかし当局者は、検査が終了するまで、病気の原因は判らないと話している。

保健機関では、この勃発は制御されており、犠牲者は船上で診察・治療を受けていると話した。大半の者が、月曜日と火曜日に発病した。

この船は、ジェノバに本拠を置くMediterranean Shipping Coの一部門、MSC Cruisesによって所有されている。サン・パウロのMSC Cruisesの広報担当者は、論評を避けた。

Sinfoniaは、金曜日に乗客2,000人を乗せてリオ・デ・ジャネイロを出発した。大半がブラジル人だった。

防疫官は、船がリオに戻ることを承認したが、クルーズ幹部に対し、新たに病気が勃発した場合は、直ちに報告するよう命令した。(The Associated Press: Thursday, 8th January 2009)

Staten Island Ferryから男性が投身(米国)

スタテン島のフェリーから男性が今朝早く投身したが、Coast Guard(=沿岸警備隊)によって救助された、と警察は語った。

自由の女神のそばを横断中のJohn Nobleというフェリーから男性が船外に落ちたとの通報があったのは、午前1時44分頃だった。

同船は、午前1時30分頃ホワイトホール・ターミナルを出発し、セント・ジョージ・フェリー・ターミナルに向っていた。(中略)

男性は助かろうと必死だったと言われているが、救急車でウェスト・ブライトンのRichmond University Medical Centerに搬送された。容態についての当局の言質は、直ちには得られなかった。(Staten Island Advance: Thursday January 08, 2009, 2:09 AM)

会計人はフェリーとエネルギー資産を隔離(オーストラリア)

The Treasurer(=会計人)のMichael Airdは、州政府のいかなるエネルギー資産とTT Lineの売却を除外した。

TOTE Tasmaniaが売りに出されるとの昨日の発表の後、野党は、他の政府事業も売りに出すのかと質問している。

Aird氏は、2010年の選挙前には、今は何も「envisage(=思い描いて)」いないと言って、将来の売却に可能性を残してい る。

しかしタスマニア州の電力資産とバス海峡のフェリー運航については、立場は揺らいでいない。

「私が除外したことは、そして私が話し、我々が一貫して申し上げてきたことは、エネルギー資産に関しては完全に聖域だということで す。」 と語った。

「TT Lineもです。あれは全くの憶測です。売却する資産だと考えたことは、決してありません。」とAird氏は語った。(ABC Online: Friday, January 09, 2009)

フェリー会社は運休を警告(英国)

マン島とランカシャー間のフェリー客は、天候の悪化により更なる運休に直面することとなる。

今週末にリバプール行きのBen-my-Chreeに代替したヘイシャム行きのVikingの運航は、天候により運休するかもしれな い。 Isle of Man Steam Packet CompanyのBen-my-Chreeは、金曜日に乾船渠に入り、Vikingが後を引き継ぐこととなる。

同社の広報担当者は、土曜日の運航は運休になりうると語った。1月11日のVikingの運航も休止になる可能性が強いと、この広報担 当 者は付け加えた。

Ben-my-Chreeは昨年、ダグラス港に接近中に、漁具により損傷している。

同船は、1月13日にダグラスからヘイシャムに向うグリニッジ標準時間8時45分の便から、再就航する予定になっている。

同社では、天候を綿密に監視しており、土曜日の運航に関する最新情報は、金曜日の晩には発表すると話した。(BBC News: Page last updated at 08:12 GMT, Friday, 9 January 2009)

港は新しいフェリー運航の準備へ(英国)

ラムズゲート港は、Euroferriesが思いがけずブーローニュ・スル・メールへの新しい運航を開始すると発表したことから、もう 1本の大陸横断航路を獲得することとなった。

この航路は、乗用車、長距離バス、徒歩客を扱うこととなるが、この春に始まるものと見られている。

ラムズゲートとフランスの港の間のフェリー横断は、75分しかかからず、乗客らは免税商店街、食堂、1等の座席を利用できることとな る。

Euroferriesはまた、ラムズゲート港から、ロンドン、カンタベリー、メドウェー・タウンズを含む主要な南東部の目的地への急 行 バスを運航することも計画している。この長距離バス運行は、同港と2012年オリンピックの開催地とも直接、結ぶこととなる。

何便の定時横断運航を行うこととなるのかは、まだはっきりしていない。(Kent Online: 10.58am Friday 9 January 2009)

若者は新しい文化を学びに日本船に参加(フィジー・日本)

フィジーの若者は新しい友人を作り、我が国の異なる文化を伝えるためにShip for World Youth Program(=青少年の船事業)に参加すべく、飛び立つこととなっている。

金曜日の壮行会で、日本の大使のYutaka Yoshizawaは、横浜に向う12人のフィジーの若者に対し、フィジーの人材を育成することの重要性を承知していると語った。若者らは、水曜日に飛行機で向う。

「当事業は22年前にフィジーに初めて紹介されたもので、現在、世界の若者の相互理解と友情の促進を支援し続けているものです。」と大 使 は語った。

12人の若者は1週間、日本の家族と共に過ごし、それから1月23日に横浜港からにっぽん丸という船に乗船することとなる。参加者らは 1ヶ月以上かけて、バヌアツ、ニュー・ジーランド、トンガに向う。

代表団の1人であるPaul Lum-Onは、船上で他の文化をしきりに知りたいと語った。(Fiji Times: Sunday, January 11, 2009)

安いクルーズで「yob hell(=与太者地獄)」(英国)

クルーズに出かけることは、子供に出費のある人々にとっては、通常は贅沢で寛げる旅行だ。

ところが銀行の貸し渋りによって、ある会社が割引価格の旅行の販売を強いられたことから、全ては酷く間違った事態となっている。

ある者はコップを投げつけられ、ある少年の一団は休憩室を盛り上げようとし、また2家族は、誰が最上のシャンパンを飲んでいるかを巡っ て 言い争いをしていた。

それはまるで「the worst days of Benidorm and the lager louts(=Benidormの最悪の日々と大騒ぎする酔っ払い)」だった、と乗客のAlan Osbornは話した。

2人が船の独房に入れられて、船長は新年の秒読みの際にやじられた、とこのハートフォードシャーの引退した実業家は付け加えた。

この騒ぎは、昨年、P&O Cruisesが就航させた「family friendly(=家族向き)」の船、Venturaでのカリブ海クルーズで始まったもの。料金は、8,000ポンドから900ポンドぽっきりに割り引きになっていた。

「大勢の好戦的な一団が、大酒を飲んでいましたよ。」と乗客のHeather Pearceは語った。「酒場では堪忍袋の緒が切れそうでした。」

P&Oは「thoroughly investigate the concerns(=懸案事項については徹底的に調査する)」と話した。(Metro: Sunday, January 11, 2009)

250人を乗せていたフェリーがインドネシアで沈没(インドネシア)

ジャカルタ発。約250人が乗ったフェリーが日曜日、インドネシア中部の時化の海で沈没した。これまでに約18人の生存者が見つかった だけだと政府関係者は語った。

「生存者の1人は、フェリーは波の直撃を受けて転覆したと話しました。」と運輸省広報官Bambang Ervanは、Kyodo Newsに語った。

KMP Teratai Primaは、沈没当時、セレベス島の中部スラウェシ州(注、南スラウェシ州の誤り)にあるパレパレの町から、約300キロメートル西のボルネオ島の東カリマンタン州のサ マリンダ市に向う途中だった。

目撃者によると、このフェリーは、土曜日の午後7時にパレパレを出発し、日曜日の午前4時にマカッサル海域で転覆したという。 (Japan Today: Monday 12th January, 05:12 AM JST)

ギリシャのフェリー創業者が「誘拐」(ギリシャ)

ギリシャの大手フェリー会社の創業者が、アテネで誘拐されたと伝えられている。

地元警察は、首都郊外の海岸で、男性1人が3人の武装集団に誘拐されたと話した。

武装集団は月曜日の朝、Vouliagmeniで乗用車を止め、運転手と同乗者を別の車輌に無理に乗せた、と警察は話した。運転手はそ の 後、解放されている。

警察ではこの男性の身元を明らかにしていないが、地元メディアは、男性はPeriklis Panagopoulosだと伝えている。

Panagopoulosは、2つの大手フェリー会社、SuperFast FerriesとBlue Star Ferriesを所有するAttica Groupの創業者であり、この会社はギリシア国内航路とギリシャとイタリア間の航路を経営している。Panagopoulosは、既に同社を経営はしていない。

誘拐はギリシャでは稀だが、過去に身代金目的で地元の有名実業家が誘拐されることが時折あった。(The Press Association: January 12, 2009)

クルーズ船から飛び降りた者が海から引き上げられる(バヌアツ・オーストラリア)

バヌアツ沖のオーストラリアのクルーズ船から飛び降りた男性が、救助された。

P&O Cruises Australiaの広報担当者によると、この22歳の乗客は、今日の午前5時頃、ビラの沖、約20海里のPacific Dawnから飛び降りたという。

男性は立ち入り禁止区画にいたが、職員に目撃され、この職員は警報を鳴らした。救命浮袋と発炎筒が投げられた。

この70,000トンの船が方向転換をして、男性は45分以内に救助された。

「お客様は弊社の船員が直ちに行動したことにより、直ちに救助されました。」と広報担当者は語った。

「教科書通りの救助作業であり、お客様が無事、船に戻り、大変に嬉しく思います。」

男性は船医の診察を受け、男性の希望によりビラで船を降りることになるという。男性の家族とは連絡が取れている。

P&O Cruisesでは、有線テレビの画像や目撃者の供述の検討を含め、この事件の調査を行う。

船は、シドニーから南太平洋に向う10泊クルーズの途上にあり、現在、ビラに停泊している。(The Australian: January 13, 2009)

ピュジェット湾のフェリーで乗客が行方不明(米国)

シアトル発。State Patrol(=州警察)は、州のフェリーから落ちた乗客の捜索で、大衆に協力を求めている。

State Patrol(=州警察)の広報官のTrent Cain軍曹は、45歳のベルビューの女性、Lynn Stafford-Yilmazが、ベーンブリッジ島に向う火曜日の午後10時55分発の便の切符をシアトルで購入したと話している。到着したとき、この女性のバン(注、 箱型のトラックやライトバン)は乗り捨てられていた。Cainは、フェリーの従業員が女性の財布や鍵を上甲板で見つけたと話している。

フェリー客はしばしば車を運転するのを忘れて立ち去ることがあるが、鍵を置いて行くのは普通ではない。

Coast Guard(=沿岸警備隊)の広報官(注、女性)、Kelly Parker下士官は、艦船とヘリコプターが、火曜日の夜と水曜日の朝に、ピュジェット湾を捜索したと話している。(Seattle Times: Wednesday, January 14, 2009 at 10:20 AM)

100人の被爆者が4ヶ月間の航海から戻る(日本)

東京発。広島と長崎の原子爆弾の100人の生存者が火曜日、核兵器の廃棄を呼びかけ、世界中の人々と体験を共有するための4ヶ月間の世 界一周航海から東京に帰って来た。

この航海は、非政府組織のPeace Boatによって企画されたものだが、生存者らは、核の廃絶を求めて20カ国を訪問し、地元民と会見した。

Peace Boatによると、9月、ベトナムのダナンでは、ベトナム戦争中に合衆国軍によって投下された化学物質であるAgent Orange(=枯葉剤)の被害者をRehabilitation Center for Victims of Agent Orange(=枯葉剤被害者リハビリテーション・センター)に訪ねた。一方、12月、タヒチのパペーテでは、ムルロア環礁でのフランスの核実験で影響を受けた人々と会見 した。

Peace Boatによると、日本からはこの航海に94人の生存者が参加し、韓国からは4人、ブラジルからは2人、オーストラリア、カナダ、メキシコからは各1人が参加したという。 (Japan Today: Wednesday 14th January, 05:57 AM JST)

サウサンプトンの世界的に有名なTitanicパブ、The Grapesに最期の時(英国)

歴史的に有名なサウサンプトンのパブ、The Grapesは、経費の高騰と激烈な競争、そして不況のために閉店した。

この人気のオックスフォード・ストリートの酒場は、Kate WinsletとLeonardo DiCaprioが主役を演じて大当たりした映画、Titanicに登場したが、2007年には1週当たり3,000パイント(注、1パイントは568cc、1杯分に相 当)だったのが、たったの830パイントに先細りになっていた。

Landlords JacquiとTrevor Nesbittは、1パイント99ペンスでビールを売っている商売敵のパブのチェーン、JD Wetherspoonと競争することができなくなり、8年後に最後の注文を受け付けることとなったのだった。

JacquiとTrevorは、この建物と他に7,000軒の英国パブを有する巨大パブ会社、Enterprise Innsから、1パイント1.57ポンドでビールを仕入れ、3.15ポンドで売っていた。この2人は結婚していたものの、現在は離婚しているが、競争することができるよ う、このパブ会社に、賃料とビール価格の引き下げを訴えたが無視され、今回限りで終わりを告げるより他に選択の余地がなかったのだった。

この閉店で、計12人が昨日の正午に解雇された。パブ会社の扱いに激怒して、Trevorはパブの外で野宿して抗議すると誓った。(中 略)

サウサンプトン市によると、1856年開業のThe Grapesには、Titanicの6人の船員がここで酒を飲んで時を忘れ、この不運な定期船の処女航海に乗り遅れたという伝説がある。

Enterprise Innsは、この件についての論評を避けた。(this is hampshire.net: 10:06am Wednesday 14th January 2009)

ウィホーキン・フェリー・ターミナルの飛行機事故の生存者(米国)

ハドソン川の飛行機事故の生存者は、North Hudson Regional Fire and Rescue(=北ハドソン地区消防・救助隊)のJeff Welzによると、ウィホーキン・フェリー・ターミナルに搬送されているという。

U.S. Airwaysの飛行機は、乗員・乗客146人を乗せていた、とWelzは話した。

ウィホーキンとマンハッタンに来る生存者の大半は、川の中からNY Waterwaysのフェリーに拾われているところだ、とWelzは語った。(NJ.com: Thursday January 15, 2009, 3:55 PM)

MwakwereはKFSを擁護(ケニア)

運輸大臣のChirau Ali Mwakwereは、貧弱な運営と管理不行き届きに対する批判から、Kenya Ferry Services (KFS)を擁護した。

Mwakwereは金曜日、モンバサのKFSの本店で、新聞記者に対し、大臣としては、ここの経営陣によってなされている保守と運航に は 満足していると語った。

大臣は、しばしば運休している20年前に代替すべきだったと語ったことのある老朽化した船隊のフェリーのためだとした。

「現在、使用されている5隻のフェリーは全て、船齢40年で、実際、20年前に代替すべきだったのです。」とMwakwereは語っ た。

「フェリー利用者は、KFSの経営陣を支持し、これら船舶が駄目にならずに、このような長期間、洋上博物館として維持してきていること に 感謝すべきなんですよ。」と運輸大臣は語った。

KFSの代表取締役John Riaと、新たに任命した会長Joseph Kingiを脇に立たせ、Mwakwereは、リコニ海峡を行き来している1日当たり200,000人以上の人々と4,000台以上の車輌の輸送需要は、老朽船の能力を酷 使するものだと話した。

Mwakwereは、2隻の近代的なフェリーをドイツから購入するため財務省に配分された10億ケニア・シリングは、今年の7月に支払 わ れると語った。

フェリーは今年の1月までに使用できるものと見られていたが、入札を勝ち取った同社は、技術上の問題から納期の延長を要請している、と 大 臣は語った。

今週、観光業の利害関係者は、コーストで、リコニ海峡のフェリーがしばしば運休していることに懸念を表明し、状況が改善されないと、サ ウ ス・コースト(注、南海岸)における大規模投資が悪影響を受けるかもしれないと警告した。

Kenya Association of Hotel Keepers and Caterers(=ケニア・ホテル経営者・仕出屋協会) (KAHC)、Pubs, Entertainment and Restaurants Association(=居酒屋・娯楽・食堂協会)(PERAK)、Supreme Council of Kenya Muslims(=ケニア・イスラム教徒最高会議) (Supkem) のモンバサ支部の幹部は、利害関係者は仕事を失い、観光の中心としてのサウス・コーストの将来は不安定になっていると批判した。

これら団体は、フェリーは「looming disaster(=迫り来る大惨事)」であり、観光客はモンバサ島とサウス本土を結ぶ海峡で長時間の遅れを経験して、しぶしぶサウス・コーストを訪問していると話し、運 輸大臣と観光大臣に問題を解決するよう訴えた。(Kenya Broadcasting Corporation: Fri, Jan 16, 2009)

「P&O Cruises」の麻薬の運び屋が投獄(英国)

4人の英国人が2008年10月に戻ったクルーズ客船で170万ポンド相当のコカインを密輸した事件で、12年の懲役刑が言い渡され た。

Derwin-Hope判事は、懲役12年の重い判決を言い渡した。この事件の最後に総括して、Derwin-Hope判事は次のよう に 語った。

「この刑罰は、薬物国家になることを抑止するものとして、科されるべきものである。」

Natalie Quinn(26)、Calvin Hylton(41)、Briony Dyce(25)、Camille Dupee(19)は、2008年10月19日に、サウサンプトンで乗客1,952人乗りの豪華なP&O Arcadiaから下船したところを武装警察官によって逮捕された。

英国税関当局は、被告人らは、体にコカインを巻きつけていたと話している。

この船齢3年の船は、アンティグア、セント・ルシア、グレナダ、バルバドス、その他の島々に寄港したカリブ海を巡る23日間クルーズか ら、ちょうど戻って来たところだった。

港到着時にP&Oの船内警備員から情報を得た税関と警察が、捜索をした。

P&Oの警備員は、60代、70代の乗客ばかりが乗船している中で、この4人の若い英国人は疑わしいほど場違いな存在だった、 と 警察に話したと報じられている。(HolidayInsiders.com: Saturday, 17 January 2009)

沿岸警備隊はクルーズ船から行方不明になった老夫婦の捜索を中断(米国)

今日、Coast Guard(=沿岸警備隊)は、金曜日にCarnival Paradiseというクルーズ船から行方不明になったと通報された老夫婦の捜索を中止した。

Coast Guard(=沿岸警備隊)の飛行機であるC-130が、この夫婦を探してエンセナダからロング・ビーチまでの太平洋を、広範に捜索した。Coast Guard(=沿岸警備隊)の声明によると、当局は船の船長に対して、注意するよう無線で呼びかけているという。

この2人は90歳の男性と79歳の女性で、2人とも南カリフォルニア在住。当局では氏名を公表しなかった。

FBI(=連邦捜査局)は、金曜日の正午に2人が行方不明になったとの連絡を受けた。2人はロング・ビーチにこのクルーズ船が接岸した と きに、行方が分からなくなった、とFBIの広報官(注、女性)のLaura Eimillerは話した。

「2人は予定通りに下船しませんでした。」とEimillerは話した。

Carnivalの船であるParadiseは、月曜日にメキシコに5日間クルーズに出発した。船はカタリナ島、エンセナダに寄港し て、 戻って来た。

Eimillerは、FBIの捜査官が、証拠を求めてこの夫婦の船室を徹底的に捜索しており、現場にいることを確認した。

Carnivalは、夫婦の船室のドアは、内部から二重に鍵が掛けられており、「do not disturb(=起こさないで下さい)」という表示が取っ手にかけられていたと話している。この夫婦の所持品は船室内に残されており、船室からバルコニーに通じるドアの 鍵は掛かっていなかった。(Los Angeles Times: 9:58 AM, January 17, 2009)

被誘拐者のために現金を用意(ギリシャ)

海運業界の大物、Pericles Panagopoulosを月曜日に拉致した誘拐犯は、昨日、この74歳を解放するために身代金をいくら用意すべきか詳細を詰めるべく、家族と接触した模様。

消息筋によると、Panagopoulosの妻が交渉に応じており、この大物実業家の家族が暴力団の要求する現金を用意し、誘拐犯から の 連絡を受けることになっているという。

誘拐犯は、使用済みの銀行券で金を渡すよう要求しているものと言われており、金額は100ユーロ以下と言われている。この身代金の額は 明 らかとなっていないが、取引が不調に終わる前の水曜日に、金額の点で双方の側が合意に達していると消息筋は話した。 Panagopoulosは、ギリシャ最大のフェリー会社、Attica Holdingsの創業者であり、ここはSuperfast Ferriesを所有している。同氏は重大な健康問題を抱えており、現在の状況について心配されている。(Kathimerini: Saturday January 17, 2009)

Star Cruisesは台湾での運航から撤退するかも(台湾)

1月18日、台北発。アジア太平洋最大のクルーズ客船会社のStar Cruisesは、日曜日、台湾当局が北東部の港湾である基隆(=キールン)と中国の福建(フーチェン)省厦門(=アモイ)との間の直行クルーズ運航の申請を拒否するのな らば、台湾市場から撤退することを考えるかもしれないことを示唆した。

Star Cruisesは昨年12月に、同航路を運航すべくKeelung Harbor Bureau(=基隆港湾局)に申請をしていたが、政府当局者とクルーズ客船会社幹部との間で、運航の性格を巡って意見が食い違ったことから、その審査過程が同社にとって は苦い経験となっていた。

Ministry of Transportation and Communication(=運輸通信省)の当局者は、基隆と厦門間の定期クルーズは、要するに、台湾船舶か台湾系中国人が所有する船舶のみが地方条例によって運航を許 可される、海上旅客運航を意味するものと考えている。

しかし香港に本拠を置くStar Cruisesは、一般人が「passenger services(=旅客運航)」として高額のクルーズを利用することは、ありそうにないと主張している。運輸当局者は、Star Cruisesは、この運航が、フェリー運航というよりはクルーズのように見えるように、別の目的地を付け加えたものだと暗示している。

Star Cruisesは、この暗示が受け容れられるものか否かは決めていない。しかし同社筋によると、事前評価で、この提案された変更は、当初計画された航路よりはずっと魅力の ないものであることが判明しているという。

同筋は、Star Cruisesはこの世界的不況の最中、台湾の要員を70パーセントまでに既に減らしていることを明らかにした。

同社は、2008年初めに台湾での運航を止めることにしていたが、台湾と中国間での直行海運に関する台湾海峡横断協議にかすかな望みを 託 し、この動きを遅らせていた。

Star Cruisesは、1997年に台湾海上観光市場に参入し、当初は、基隆と日本の沖縄の間を航海した。このクルーズ客船会社は、2005年10月にこの航路を中断したが、 2007年6月に運航を再開していた。

同社は台湾のクルーズ市場における大手で、地元観光客を日本の沖縄の石垣島、与那国島、台湾の澎湖(=ポンフー)諸島、そして香港に運 ん でいる。天候が寒くなると、船はStar Cruisesの他のアジア航路に就航するため、台湾を離れていた。

Star Cruisesが基隆の再母港化を図った時、Star Cruisesの台湾支配人Andy Lewは、Star Cruisesは長期的視点から、台湾から中国の港湾都市である上海と厦門に行く運航を始めたいと考えていると公表したものだった。

昨年11月、台湾と中国は、両岸間における直行海路と郵便に関する60年間に及ぶ禁止措置を解き、空路を拡大することで合意に達した。

台湾を訪問する外国のクルーズ船は、今や中国の港湾に行く前に、通常は香港だった第三国に行く必要がなくなった。

Star Cruisesが台湾での運航を終了させたならば、基隆港は母港化によって得られていた年間の港湾使用料、少なくとも700万ニュー台湾ドルを失うこととなる。また観光関 連事業は、毎年3月から9月までの間の80本のクルーズで基隆に上陸する観光客から得ていた収益も失うことになる。(eTaiwan News: 2009-01-18 05:48 PM)

B.C. Ferriesは35人削減、消息筋語る(カナダ)

先週、B.C. Ferriesは、この会社組織内の36もの地位を廃止した、と消息筋はDaily Newsに語った。

匿名を希望する同筋によると、先週末に一時解雇が実施され、これにはターミナルの支配人やビクトリアのB.C. Ferries本店の幹部も含まれていたという。

B.C. Ferry and Marine Workers' Union(=B.C. Ferry海員労働組合)の職員がこの一時解雇に含まれている徴候はない。

日曜日のB.C. Ferriesのウェブサイトでは、最新の新聞発表で、12月19日からの社債による1億4000万ドルの資金調達を発表していた。批判者は、この半官半民の会社は、深刻 な財政問題寸前かもしれないと話した。

「火の車なんです。」と同筋は語った。一時解雇に言及し、次のように語った。「大規模です。」

B.C Ferriesの広報担当者(注、女性)のDebra Marshallとは、日曜日の晩に連絡が取れたが、論評はできなかった。Marshallは、B.C. Ferriesの広報部門の誰か、恐らくは企業広報部長に問い合わせなければならないと話した。

デューク・ポイントからTsawwassenに行く航路を、貨物事業のために「drop trailer(=尻尾切り)」航路にするという計画は、今でも前進しているものと考えられている。(Nanaimo Daily News: Monday, January 19, 2009)

新しいフェリー運航が2月に始まる(フランス・英国)

海峡横断フェリー会社の1社が、来月、ドーバーから、ブーローニュとディエップに向う新しい運航を開始することを確認した。

12月のMercuryの独占記事で明らかとなったもので、SpeedFerriesの崩壊後、LD Linesは、ブーローニュ航路の運航開始日を7月から2月に繰り上げることを計画していた。

LD Linesの代表取締役、Christophe Santoniは、新しいフェリーは2月12日にイースタン・ドックスから運航を始めることを確認した。ブーローニュでは、船は以前、SpeedFerriesが使用して いた既存のバースを使用する。

ブーローニュ港のHub Port Ro Roターミナルの工事はかなり進んでおり、LD Linesは7月1日から同航路に第2船を加え、この新しい停泊施設を開所する。ドーバーとブーローニュ間の運航回数は、毎日2往復から6往復に増えることになる。

「従前の運航事業者に引き続いて、ドーバーとブーローニュ間の直行フェリーの再開に向け、弊社では強固な商機があることを明らかに確認 し ております。」とSantoni氏は語った。

ドーバーとブーローニュ間で毎日2往復運航され、横断時間は1時間45分。ドーバーとディエップ間では毎日1往復で、横断時間は4時間 15分となる。

この新運航に投入される船は、Seven SistersとCote d'Albatreを交代して使う。両船とも2007年建造で、現在、ニューへブンとディエップ間の航路に就航している。いずれも乗客600人に、乗用車300台が貨物車 輌52台、あるいは乗用車と貨物車輌の混載できる収容力がある。

ブーローニュへの運賃は、1月末までの予約で、乗用車1台に乗客4人で、片道24ポンドから。ドーバーとディエップ間の航路では、乗用 車 1台と乗客2人で、片道29.50ポンドからとなっている。(Kent Online: 12.32am Monday 19 January 2009)

誘拐された船主は解放(ギリシャ)

アテネ南東部にある自宅の外で、1週間以上も前に拉致された、有名地元海運企業幹部のPericles Panagopoulosは、家族が巨額の身代金を支払ったと報じられた後、火曜日の早朝、無事発見された。

Panagopoulos(74)は、西部アテネ工業団地外れの休憩所の外にある公園のベンチに座っているところを、警察のパトロー ル・ カーに乗務する警察官によって発見された。これに先立ち、この海運王の妻が、首都北部のアテネ―ラミア自動車道の指定された場所に、多額 のユーロの現金を置いたと伝えられている。

Panagopoulosはその後、家族と主治医の待つ閉鎖海岸地域にある自宅に向った。心臓病を患っていると報じられていた。 (Athens News Agency: 01/20/2009)

SeaFranceの救援計画は拒否(フランス・英国)

親会社が救援計画を拒否し、ある海峡横断フェリー運航事業者に、その運命を変える4週間の猶予が与えられた。

フランス国営鉄道SNCFによって所有されているSeaFranceは、カレーとドーバー間で運航している。

月曜日、両社の経営陣の間で話し合いがなされ、SeaFranceは2月16日までに新しい計画を立てるよう言い渡された。景気低迷に よる貨物の取扱量の落ち込みに直面しており、深刻な損失を出している。

別のフェリー運航事業者であるSpeedFerriesは、11月にドーバーとブーローニュ間の運航を止めている。

フランスの会社LD Linesは、2月12日からブーローニュとディエップ間で、代替運航を開始する計画だ。

今月始めには、South Thanet選出の国会議員であるStephen Ladymanが、別の会社がラムズゲートとブーローニュ間で、3月に高速フェリーの運航を始める計画をしていることを明らかにしている。

Euroferriesは、75分間の海峡横断を提供し、ラムズゲート、カンタベリー、メドウェー・タウンズを経由して、このフェリー と ロンドンとを結ぶ、高速長距離バスの運行を希望している。(BBC News: Page last updated at 09:07 GMT, Tuesday, 20 January 2009)

MSC Magnificaが進水(フランス・イタリア)

MSC CruisesのMSC Magnificaが、以前はAker Yardsとして知られていたフランス、サン・ナゼールのSTX Europe造船所のPenhoet船渠から進水した。

MSC Magnificaは、MSCの最新のクルーズ船で、MSC Poesiaの姉妹船。2010年3月に就航する予定で、全客室の65%以上が個人用のバルコニー付きとなる。

公室は22,000平方メートル以上に拡張され、これには主題を持つ7つの区画、2つのプール、4つの温水浴槽、更に1,160平方 メー トルのMSC Aurea SPA健康・美容施術センターが含まれている。(Travel Weekly UK: 20 January 2009)

波がクルーズ船を襲い2人怪我(スペイン・英国)

ケント州から出発したクルーズ船が、ビスケー湾で50フィート(注、約15メートル)の波に襲われ、乗客2人が骨折して病院に搬送され た。

2人は、先週の土曜日にドーバーを出港してスペインのラ・コルニャ港に接岸したFred Olsenのクルーズ定期船に乗船していた。

同社では、この乗客は、船が時化の海と毎時60メートルの風に耐えていたときに転倒して怪我をしたと話している。

この船、Balmoralは、1月27日にドーバーに戻ってくる予定。(BBC News: Page last updated at 21:05 GMT, Tuesday, 20 January 2009)

Stena Transporterの運航削減(英国)

フェリー運航事業者Stena Lineは、取扱量急落のため、北海運航の1つで収容力を削減した。

このフェリー会社は、3月1日から、Stena Transporterをロッテルダム、ユーロポート、ハリッジに寄港する運航から転配させると話した。

経済情勢により、同航路において「considerable freight volume losses(=相当量の貨物の落ち込み)」に直面していると同社は話した。

「本船の撤退で、本航路は、市場ニーズに合わせるために運航予定を調整し、3隻から2隻の運航に戻ることとなります。」

Stenaは更に、収容力の削減のため、英国の海員とオランダの陸上職員の何名かがが失業することとなると付け加えたが、それが何人で あ るかは明らかにはしなかった。関係する労働組合には既に連絡済であるという。(ifw-net.com: 20-01-2009)

Conde Nast Travelerの人気投票の最高の船(米国)

ニューヨーク発。VIP(=要人)区画、子供向きの区画、金持ち相手の探検船が、Conde Nast Travelerの2月号で特集されたクルーズ船の傾向の1つとなっている。

この雑誌は、11,000人の読者が400隻以上の船に投票した毎年恒例の第9回クルーズ人気投票の結果も発表した。それぞれの船は、 活 動・施設、船室、船員・サービス、設計・間取り、食事・料理、旅程・予定、そして寄港地観光に関して審査された。

読者投票で最優秀大型船となったのは、Disney Wonder、Celebrity Constellation、Celebrity Summit、Disney Magic、Princess CruisesのCoral Princessだった。

最優秀小型船の部門では、読者投票は Grand Circle Small Ship CruisesのBizet、Sea Cloud CruisesのSea Cloud、OberoiのOberoi Philae、UniworldのRiver BaronessとRiver Duchessを選出した。

中型船で読者投票の上位5隻は、Crystal SerenityとCrystal Symphony、Seven Seas VoyagerとSeven Seas Mariner、この2隻はRegent Seven Seas Cruisesの船、そしてViking LineのViking XPRSだった。(San Jose Mercury News: 01/20/2009 11:26:37 AM PST)

ハリウッドが人種差別を扱う時(米国・インド)

本当に歴史的な日だった。世界中の無数の人々が、合衆国次期大統領のBarack Obamaが宣誓して、黒人が初めてPresident of the United States of America(=アメリカ合衆国大統領)に就任するのを見たのだ。

この出来事の重要性と意義に鑑みると、ハリウッドがこの瞬間を映画で捉えることになるのは時間の問題だ。というのは、映画は、偉大な出 来 事や、偉大な指導者、そして偉大な瞬間の記憶に捧げられ、記憶することとなる強力な媒体であることを、常に結局は証明してきたからだ。

ここで、アメリカの人種上の不正義の歴史や心を痛める遺産を思い起こさせる数少ないハリウッド映画を振り返って見よう。

Amistad(=アミスタッド)
1997年のAmistadは、1839年にスペインの奴隷船、Amistadであった奴隷の反乱と、その後の法廷闘争という実話に基づ くものだ。この映画はある意味、観客に次のように問いかけている。「しばしば残酷で野蛮なご主人に対して、奴隷が抵抗することは正当 か。」と。

Steven Spielberg監督は、Amistadで再び、人種や人種差別についての感動的な話を作り出す能力を証明したのだった。(Rediff: Wed Jan 21, 2009)

Minoan Lines、ro-paxフェリーを売却へ(ギリシャ・イタリア)

クレタ島のMinoan Linesは、既存のro-pax(注、RORO型の貨客船であるカー・フェリー)の1隻を売却する商談をまとめた。これは明らかに、新しい親会社であるナポリに本拠を置 くGrimaldi Groupの新しい大型船による船隊促進計画の前触れだ。

同社はPasiphae Palaceを、SNCM Corsica Ferriesに7500万ユーロ(9650万ドル)で売却することで合意に達したと述べた。(中略)

これとは別に、昨年、Minoanの支配権を獲得したGrimaldiは、ギリシャ運航向けに、2隻の大型クルーズ・フェリーの新造予 算 を計上したものと理解されている。

この2隻は、Cruise RomaとCruise Barcelonaの姉妹船。この姉妹船の2番船は、間もなくナポリに近いカステランマレ・ディ・スタビアのFincantieri造船所で引き渡されることとなってい る。

あるイタリア筋によると、2009年9月-10月期と、2010年夏に引き渡されることとなっている2隻のうちの第1船は、 Minoan の煙突を付けて、既に造船所で形になり始めているという。

この新しいGrimaldiの船は、合計3,000メートル以上のレーン長を有し、約2,300人の乗客を収容する他、215台の乗用 車 を積載できることを誇っている。(Lloyd's List: 21 1 2009)

遠洋定期船の記念品がパリでの競売に向う(フランス)

パリ発。1960年代の豪華遠洋定期船の船首が、金曜日にパリのエリゼー宮(注、フランス大統領府)から、来月、売却する競売人の Artcurialの仮設バースに向った。

パリで早起きの人は、海運会社のCompagnie Generale Transatlantiqueのかっての人気者「France」の3.5メートル、4トンの船首が有名な通りをゆっくりと運ばれて、Artcurialの中庭に運び込ま れるのを見ることができる。

「世界で最も美しい定期船でした。多くの人々の夢だったのです。」と、「France」、後に「Blue Lady」と改名された船が2006年に解体された時に、解体業者から船首を救うことに助力した海運愛好家のJacques Dworczakは語った。

船首は、1960年に元大統領のCharles de Gaulleによって就航した際、週刊のParis Matchによって「フランスの誇り」と表現された本船の記念品競売の中心となる。

「最期には海底に沈められる運命にあるように見えたものですが、これはその海から救うことのできた一塊なのです。」と Artcurial の部長、Francis Briestは、Reuters Televisionに語った。

この老朽船の照明器具、煙突の覆い、テーブルから階段の一部までの華麗な建具の500余の品目が、2月8日―9日の競売で売却されるこ と となっている。(Reuters UK: Fri Jan 23, 2009 7:14pm GMT)

古参のワイト島のフェリーが引退(英国)

CAEDMONは、本土とワイト島との間に1973年に就航して以来、忠実に定期運航してきた。しかし今や本船は、リミントンから ヤーマスに最後の乗客を運び、昨夜の午後10時頃、リミントンに停泊した。

本船の2隻の姉妹、CENWULFとCENREDは、新しいWight級のフェリーが就航するまで、同航路で運航を継続する。ポーツマ ス からワイト島に行く運航では、今年の暮れに新しい双胴船がお目見えすることとなっている。

CAEDMONは、まずポーツマス―フィッシュボーン航路で10年間運航し、1983年にSaint級の船と代替した。その年以来、本船 はリミントン運航を継続してきた。

本船は1973年、ダンディーのRobb Caledonというスコットランドの造船所で建造され、2基の6気筒Blackstone Dieselsを装備していた。同級の3隻全てが、ダンディーの造船所で建造された。

興味深いことに、本船がライミントン航路に転配となると、本船を追い出したRobb Caledonの船が、ST CATHERINEとなった。しかしこの船は、リース造船所の建造だった。

CAEDMONがどうなるかははっきりしないが、既に買い手がついているかもしれないという噂がある。(Shipping Times: 22 January 2009)

STXはAker Yardsの完全な支配権を取得(ノルウェー・韓国)

韓国の造船グループであるSTXは、旧Aker YardsであるSTX Europeの残存株式の強制買取を行った。

1株当たり45ノルウェー・クローネ(6.4ドル)の買取価格は、結果的にはこのヨーロッパの造船所の株式の93.8%を保有する会社 に なった当初の63ノルウェー・クローネの強制買取価格よりはかなり安いものとなっている。

今朝の声明で、同社は、3月23日まで異議を受け付け、残存株主とは3月末までに和解すると語った。

この買取は、Norwegian Public Limited Companies Act(=ノルウェー公開有限責任会社法)に従い、STXの完全子会社であるSTX Norwayを通じてなされた。

これで、STX EuropeがOslo Exchange(=オスロ証券取引所)で上場廃止になり、韓国の造船所の完全子会社になる道を開くものとなる。

この強制買取の発表により、Oslo Borsは、STX Europeの残存株式の取引を終了し、「on the basis of the compulsory redemption of the company’s shares and subsequent cancellation of their listing(=同社株式の強制買取とその後の上場廃止に基づき)」管理下に置くと述べた。

STX Shipbuildingは、元々、ノルウェーの実業家、Kjell Inge Rokkeが、Aker ASAと海外投資に集中していたこの造船所の40%の持分を売却した6ヵ月後の2007年10月に、このノルウェーの会社の株式の39.2%を取得した。

STX shipbuildingによる最初の株式取得が、2008年5月、ヨーロッパ競争当局によって承認されるや、同社は強制買取の引き金を引くべく、昨年の夏に40%の限界 を超えて株式を取得した。

STX Europeは現在、ノルウェーとブラジルの施設ではオフショア船、フィンランドとフランスの施設ではクルーズ船とフェリーに集中している。またベトナムとルーマニアに も、造船所を保有している。

昨年7月には、同グループは造船所の再編を行い、ドイツの2つとウクライナの1つの造船所からなる商船部門の70%を、ロシアに本拠を 置 く投資グループ、FLC Westに売却している。(Lloyd's List: 23 1 2009)

サハリンの全ての航空機は運休、フェリーは低気圧のため運休(ロシア)

1月24日、ユジノ・サハリンスク発。金曜日、低気圧がこの島に強い雨をもたらしたため、サハリンの全ての航空機は運休になっている。 夜間の凍結で、ユジノ・サハリンスク空港の濡れた滑走路は、氷で覆われている。

ワニノとホルムスク間のフェリー運航も、運休になっている。ソフガバン港の待避所に3隻のフェリー、ワニノに1隻がいる。タタール海峡 (日本海の北部)と、同地域のフェリー横断は、氷に阻まれている。同海峡の風速は、毎秒15―18メートルに達しており、船舶がホルムス ク港に入ることは危険だ。(ITAR-TASS: 24.01.2009, 09.04)

ベトナムのフェリーの沈没で39人死亡、5人行方不明(ベトナム)

警察は、日曜日にベトナム中部で小型フェリーが沈没し、少なくとも39人が死亡し、約5人が行方不明になっていると話している。犠牲者 の大半は、女性と子供だった。

当局では、船はクアン・ビン省中部のジャン川で沈没したと話した。当局では、遥かに少ない乗客しか乗船できないものとされていたのに、 こ のフェリーは80人乗せていたと話している。

この記事の情報は、AFPとAPから提供を受けた。(Voice of America: 25 January 2009)

クルーズ観光客がムンバイに戻り始める(インド)

ムンバイに流入する観光客の運命に関する大騒ぎは、先週、P&Oのクルーズ船Arcadiaがムンバイ港のクルーズ・ターミナ ルに接岸して静かになった。

この2005年建造船は、クルーズ観光客1900人と船員900人を連れて来た。ある旅行業者は、「業界ばかりではなく、2008年 11 月のテロリスト攻撃を受けて意気消沈したこの都市にとっても、復活の肯定的な徴候となるものでした。」と語った。

同船のインド人観光客によると、徹底した警備がクルーズ運航事業者によってなされており、警備担当者は合衆国から来ているという。

更に励みになったことは、観光客の大集団が、テロ攻撃で最悪の被害を受けた所の1つ、Taj Hotelを訪問したのを見たことだった。

この運航事業者によると、インドは今年、国内の全ての港湾で、55隻以上の船が寄港するものと見られており、より多くの観光客が足を運 び そうだという。昨年、10月から5月までのクルーズ・シーズン期間中には、約45隻の船がインドの港湾に寄港している。 (Economic Times: 26 Jan 2009, 0000 hrs IST, ET Bureau)

STX Europeは旅客カー・フェリーを引き渡す(フィンランド・フランス)

STX Europeのヘルシンキの造船所からBrittany Ferriesに引き渡されたArmoriqueは、船主と緊密に連携して造船所が開発した新型の旅客カー・フェリーだ。二酸化炭素の排出量を最小限にすることによって、 環境に優しく、とりわけ低燃費になるよう設計されている。

約1億1000万ユーロ相当の本船は、この造船所に年間700人余の雇用を生み出した。

この船は、フランスのロスコフとイングランドのプリマス間で、乗客、乗用車、貨物車輌を輸送すべく設計されている。

長さ168.3メートル、幅26.8メートルの本船は、巡航速力は23ノットで、最高速力は25ノット。2層の車輌甲板を持つことか ら、 港での荷役作業時間の高速化が図られている。レーン長980メートルの車輌甲板に、乗用車470台、トラック60台余が収容可能。

乗客を1,500人を収容でき、Armoriqueは広い商店街、十代向けの区画、映画館、様々な酒場、食堂、休憩室を呼び物としてい る。昼間の乗客のためのリクライニング・シートがある。合計で248室の船室には、少数のスィートがあり、最大で780人の乗客用宿泊設 備を提供する。

船体は、ヘルシンキのSTX Europeから引き渡されたCotentinと全く同じであるが、 Armoriqueは、上甲板の乗客用区画がずっと広い。(Marine Log: January 26, 2009)

トラック運転手協会は、新しい予約方式ではなく、新しいフェリーが必要と話す(カナダ)

Atlantic Trucking Association(=大西洋トラック協会)会長は、営業車の通行にMarine Atlanticの新しい予約方式は不要だと話している。

Gord Peddleは、必要なものは、収容力を増強した、より新しい、より大きな船だと話している。

先月の悪天候で、ノバ・スコシア州のノース・シドニーには、積み残しのトラックが何百台も待たされたままになっている。このため、島の 食 料品店の棚には空きが生じている。

Peddleは、Marine Atlanticの新しいフェリー、Atlantic Visionが3月に就航すると助かると話している。

しかし連邦政府は収容力を増強すべく、この運航に更に多くの金を投入しなければならない、とPeddleは話している。

連邦予算は、火曜日に成立する。(St. John's Telegram: Last updated at 3:59 PM on 26/01/09)

ワシントン州のフェリー、もはやカナダ通貨を受け取らず(米国)

シアトル発。ワシントン州フェリー網は、2月25日にカナダ通貨を受け容れることを止める。

この通貨は現在、Anacortesターミナルでのみ受け容れている。カナダ通貨は、運賃徴収を単純化するために完全に除外されること と なる。

フェリー網では、高齢者、身体障害者、若年者のオンラインとキオスクにおける割引販売も止めると話している。切符は、顧客が年齢や資格 を 証明しなければならない料金所でのみの発売となる。(Seattle Post Intelligencer: January 27, 2009 9:41 a.m. PT)

オーストラリア人の大半はオーストラリア建国記念日について無知(オーストラリア)

シドニー発。オーストラリア人の大半は、Australia Day(注、オーストラリア建国記念日)が、1788年1月26日に英国から白人の開拓者が到着したことを記念していることを知らないことが、火曜日に公表された世論調査 で判った。

質問を受けた僅か44パーセントが、シドニーにFirst Fleet(=第1回囚人移民船団)が到着したことを記念したものだと答えることができたに過ぎなかった。

Essential Researchの世論調査に回答した者の4分の1は、Australia Dayは、1901年1月1日の連邦国家を記念したものだと答えた。

この世論調査は、国の最も重要な祝日が、白人による植民地化の開始を記念しているのは侮辱であるとする先住民活動家の呼びかけにより、 新 たな日付を選定するための論議が沸き起こったことから行われたもの。

「オーストラリアの先住民の大半にとっては、(Australia Dayは)正に私達の世界が音を立てて崩れ始めた日なのです。」とMick Dodsonは、Australian of the Year(=今年のオーストラリア人)を受賞した後で語った。「私達の多くは、Invasion Day(=侵略の日)と呼んでいるんです。」

Dodsonに賞を贈ったKevin Rudd首相は、日付を変更することはないと語った。

元ニュー・サウス・ウェールズ州知事のBob Carrは、この日付は維持すべきであり、2100万人のオーストラリア人の中の少数は、Australia Dayを悲しい出来事であるとして受け容れるべきだと語った。

「無意識に我々は、国家としての偉業を称えたいものなんですよ。」と語った。

民間シンクタンク(注、頭脳集団)のSydney Instituteの会長、Gerard Hendersonは、Dodsonはアイルランド人の開拓者の血筋を一部引いており、先住民であると主張する500,000人のオーストラリア人の多くは、「侵略者と被 侵略者の双方の祖先を持っている」ことを指摘した。(Monsters and Critics.com: Jan 27, 2009, 8:08 GMT)

Delta Queenはチャタヌーガに新居を得る(米国)

テネシー州、メンフィス発。歴史に残る外輪船Delta Queenは、海岸のブティック・ホテル(注、ビジネス・ホテル)として使用するためにチャタヌーガに向うことになった。メンフィスで10月に、旅客船としては廃船になっ ていた。

Commercial Appealは火曜日、チャタヌーガの波止場地区の繁華街にあるCoolidge Park Landingに係留されることとなると当局者が話しているのを引用した。ごく最近まで、ニュー・オーリンズで係船されていた。

旅客船としてのDelta Queenの最後の寄港地は、メンフィスだった。船室が87室あり、National Historic Landmark(=国の歴史的建造物)の1つだった。

木造構造だったため、昨年暮れに一泊旅行客を乗せることを許可するU.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)の長年の例外措置が失効した。(WAAY: January 27, 2009 8:25 PM ET)

アラスカは2010年度、クルーズ船を減らすことに(米国)

景気後退は、既にアラスカ州の観光業に影響を与え始めている。クルーズ客船会社が、その船舶の1隻をアラスカの海から外すことになった のだ。

昨日、Royal Caribbean Cruise Linesは、その船舶の1隻である「Serenade of the Seas」を、2010年シーズンはアラスカから他に転配すると発表した。

アラスカ州の観光業界の代表らは、観光業によって支えられている事業に対し悪影響を生じさせると言って、この決定への懸念を表明した。

Royal Caribbeanは、アラスカ州での事業展開費用の上昇のために、本船を外すことにしたと話している。

「Serenade of the Seas」をどこに転配することになるのかは発表しなかったが、アラスカ州に影響を与えることは確かなことだ。分析者は、収益が5500万ドル減少し、アラスカ州を訪れる 訪問者は42,000人減少し、600人分の常勤雇用職を喪失することとなる、と予想している。加えて多くの食堂が、観光シーズンの間に 生じる収益に頼っている。

多くの者にとって、クルーズはアラスカ州の美しさに触れる最初の入り口となるものであり、クルーズ客が減少することで、再びやってくる 訪 問者の減少につながり、観光業の他の分野にも影響を与えることとなる。(Alaska's SuperStation: Jan 28, 2009 at 8:23 PM AKST)

NCLのEpicが英国でデビューへ(英国・米国)

Norwegian Cruise Lineの乗客4,200人乗りの新船が、マイアミを本拠に航海するに先立ち、英国でデビューすることとなった。

この客船会社は、F3という新船の船名がNorwegian Epicであることを明らかにし、2010年5月から、マイアミからカリブ海に通年航海する計画を立てている。

英国と米国での一連の就航行事の後、同船は2011年4月まで、7日間の西部カリブ海と東部カリブ海の航海を交互に通年運航することと な る。

このクルーズは、今春、発売されることとなっており、3月中旬に団体予約が始まる。(中略)

NCLの社長で最高経営責任者のKevin Sheehanは、次のように話した。

「このF3での体験というものは、弊社が既に成功しているFreestyle Cruisingを次の段階に引き上げるものでございまして、弊社のお客様に、究極の自由と柔軟性を提供するものでございます。Norwegian Epic(注、「ノルウェーの叙事詩」の意)は、大規模に非常なる感銘を受ける船という意味でございまして、正に相応しい名称なのでござ います。」

「本船の興奮させられるような新しい特色の取り合わせで、これらカリブ海の目的地の熱帯の魅力と並び、弊社のお客様に、類稀なるクルー ズ 休暇を提供させていただくことになります。」(TravelMole: 28 January, 2009)

Star Cruisesは英国代表事務所を閉鎖(英国・マレーシア)

Star Cruisesは英国代表事務所を閉鎖し、3人の職員は失業した。

Michael Dupontはヨーロッパ人向け販売部長補佐だったが、この余剰人員となった3人の1人だった。12年以上に亘って、新しい国際市場でこの商標を促進し、ヨーロッパにおけ るStar Cruisesの営業職務を率いてきた。これには、2006年夏に、Star Cruisesの船舶を初めてオーストラリア外に拠点を置くことになった、このクルーズ客船会社がマルタに本拠を置いて地中海クルーズを提供したことも含まれる。それ以前 は、DupontはRoyal Caribbeanで勤務していた。

Star Cruisesは、英国とアイルランドの旅行代理店を通じて、シンガポールに本拠を置く船であるSuperStar Virgoの販売を提供し続けると話している。値段、商品、販売支援に関する情報は、このクルーズ客船会社のアジアに本拠を置く事務所から提供することとなる。

Star Cruisesの親会社であるマレーシア人所有のGenting Groupは、Norwegian Cruise Lineの半分を所有している。(Travel Weekly UK: 29 January 2009)

貨物車輌が船外に落ちて、フェリーの180人は地獄(英国)

貨物車輌が船尾の扉から転落し、180人以上の乗客と船員が、昨日、フェリーで立往生した。

外にぶら下がった車輌により船が接岸できなかったので、20時間も待たせてから、救助隊が救出し始めた。

「恐ろしい体験でした。もし船に浸水したならば、惨事になりかねないところでした。」とStena Voyagerの乗客の1人は語った。

この船は、スコットランドのストランラーからベルファストに向おうとしていたもので、貨物車輌が動き出して、港に戻ることを余儀なくさ れ た。怪我人はいなかった。(Metro: Friday, January 30, 2009)

EPA、SS Oceanic (旧SS Independence)の輸出に5億1850万ドル(注、約52万ドルの誤り)の罰金(米国)

U.S. Environmental Protection Agency(=合衆国環境保護庁)は、PCBを含む船、SS Oceanic(旧S.S. Independence)を不法に移動させ輸出しようとしたとするメリーランド州、カンバーランドのGlobal Shipping LLCとGlobal Marketing Systems, Inc.に対する行政上の申立てに対し審決した。

「toxic trade watchdog group(=有毒取引監視団体)」と自らを称しているBasel Action Networkによると、この2社は、廃船を現金で購入することで世界的に有名なAnil Sharma氏に支配されているという。

昨年2月に、Basel Action NetworkとSave the Classic Liners Campaignは、EPA(=環境保護庁)に対して、Global Marketing Systems, Inc.が1951年建造のSS Oceanic(旧SS Independence)の所有権を取得し、南アジアの海岸でこの定期船を解体する目的でサン・フランスシコ湾を曳航して行ったことを密告した。

大手メディアの注意を惹き、Oceanicが広く「toxic ship(=有毒な船)」とされたことから、Basel Action Networkは合衆国政府に対して、この船を合衆国内の港湾に引き返させるよう行動に出るよう要求した。EPAは船を引き返させる権限 がないと主張したが、老朽船の塗装、断熱材、ガスケット(注、パッキング)に使用されている難分解性の有毒汚染物質、ポリ塩化ビフェ二ー ル(PCBs)の輸出を禁じているToxic Substances Control Act(=有害物質規制法)(TSCA)に違反しているとして、GMSに対し訴訟を提起した。

2社は、有害物質規制法に2点において違反していたとして、その解決のために、合計518,500ドルを支払うこととなる。 Global Marketing Systems, Inc.は32,500ドルの罰金、Global Shipping LLCは486,000ドルの罰金を支払う。

EPAは、Global Shipping LLCは以前、SS Independenceと命名されていたクルーズ船Oceanicを、2007年7月24日頃に輸出する目的で購入し、2008年2月8日頃に本船が合衆国を離れるまで 保有していたとしている。EPAは、この船にはPCBsが含まれ、PCBsを含む船を廃棄目的で輸出することは、PCBsを許可なく商業 流通させることになると主張した。

「会社は、PCBsの汚染から公衆衛生と環境を保全すべく、如何なる船舶からもPCBsが除去されていることを確実にする必要があるの で す。」とEPAの南西太平洋地方廃棄物事業部長、Jeff Scottは語った。「連邦法は、会社が廃棄目的でPCBsを輸出することを禁止しています。これにはEPAが求める承認がない限り、PCBsが組み込まれている船舶も含 まれます。」

2008年2月8日頃、本船は、合衆国領海から曳航されて外に出た。EPAは、Global Shipping LLCと関連会社のGlobal Marketing Systems, Inc.が、連邦法に違反して、廃棄目的でOceanicを合衆国外に輸出すべく共同したと主張した。EPAは、本船を廃棄目的で輸出するという意思について、 Globalから連絡を受けていなかった。

EPAが法的行為に訴えると、Globalは本船の売却を承認してもらうことを求めて、Maritime Administration(=海事管理局)に対し新たに申請し、輸出目的を、廃棄から、アラビア湾岸で労働者を宿泊させるために船を使用し続けるためだと変更した。し かし有害物質規制法により、EPAは、PCBsの規制水準を含むものの継続使用目的の輸出を規制している。

1979年以前に建造された船舶は、Oceanicのように、船室、蓄電池や変圧器のような電気設備、ガスケット、防水密閉材、塗装面 を 含む様々な材料にPCBsが含まれているかもしれない。(Marine Log: January 31, 2009)