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2009年5月

2009年5月の海外旅客船情報

シリア―北キプロス間のフェリー運航再開(シリア・キプロス)

ダマスカス発。冬季に運休していたシリアと北キプロス間のフェリーが、今日から再開される。

このフェリーは、シリアのラタキア港から北キプロスのGazimagusa港に、週2便運航する。Greek Cypriot Foreign Affairs Ministry(=ギリシャ・キプロス外務省)はシリア外務省に対して、文書化された外交書簡で、この運航再開の背景にある理由を説明するよう求めた。 (Hurriyet: Friday, May 01, 2009 09:54)

AP Moeller-MaerskはNorfolkline Ferries売却の話し合いを確認(デンマーク)

デンマークのコンテナ海運の大手A.P. Moeller-Maersk A/S (MAERSK-B.KO)は、同社のフェリー・物流部門のNorfolklineを売却するための話し合いをしている、と同社は木曜日の晩に語った。

簡単な声明において、Maerskは可能性ある取引についての議論を多くの関係者との間でしていることを、取引が合意に達したかについ て は不明確なものの、確認した。同社広報担当者は、これ以上の論評を避けた。

Saxo Bankの分析者、Christian Tegllund Blaabjergは、この可能性ある売却は、主要事業部門に専念するという新しい経営幹部の戦略の一環だと語った。

「事業の合理化に着手すべく、非中核資産を売却することを検討しているのです。現金が必要だからではありません。」と語った。

このデンマークの巨大企業は、石油・ガス事業、造船所、港湾経営、スーパーマーケットも保有しており、Danske Bank (DANSKE.KO)の持分の20%も保有しているが、2008年度は純利益が4.8%減少して169億6000万デンマーク・クローネ(28億8000万ドル)にな り、2009年度の業績は、昨年の水準よりはかなり下回ることになることを警告していた。

同社は年次報告書の中で、コンテナ海運が需要が急落していることから、経費節減に専念すると語った。コンテナ海運では近年、新船の収容 力 がかなり増えたため、運賃を押し下げていた。海底油田・ガス事業からの収益は、昨年は落ち込み、油槽船市場は動きが鈍い中で衰退してい る。

Norfolklineは、1985年にMaerskが買収したもので、英国からデンマーク、アイルランド、フランス、ベルギーに向う 航 路で、18隻の貨客フェリーを運航している。2008年度には、240万人以上の乗客、700,000台以上の車輌、130万台のトレー ラーを輸送していた。

グリニッジ標準時間8時35分現在、AP Moeller-Maersk株は1.5%下落して、32,600デンマーク・クローネ。コペンハーゲン市場の平均では、0.3%の下落。同社株は、2008年に価値をほ とんど半減させていたが、今年になって16%も値を上げている。(Wall Street Journal: MAY 1, 2009, 4:45 A.M. ET)

Incatは速力に狙いを定める(オーストラリア・フランス)

Incatによって建造された最大の波浪貫通型双胴船が、今月末からイングランドとフランスの間で航海することとなる。

この112mの船(注、Norman Arrow)は、Hull 066(=船体番号066号)として知られているものだが、フランスの会社であるLD Linesが獲得し、ドーバーとブーローニュ間の海峡横断航路最大の高速フェリーとなる。

11,000総トン近い1200人収容の船は、極めて素晴らしい耐航性能を有し、Incatの以前の高速フェリーよりも、旅客の快適性 に 優れている。

「高速を維持する一方で、標準的なフェリーとも引けを取らないものです。」とNick Dunn船長は語った。

Incat Australiaの代表取締役、Craig Cliffordは、本船のLD Linesへの販売は、同社と従業員にとっては最高の成果であったと語った。

「弊社最大・最高の船です。世界一流のフェリー会社の1つが運航することとなることを誇りに思っております。」と語った。本船は、世界 最 良のフェリー航路に大きな衝撃を与えることとなると語った。

「多くの人々が、この船の実力を目撃することになります。」

LD Linesの技術部長のFranck Jourdainは、従来型フェリーよりもずっと速いことから、この船はイギリス海峡に適していると話した。

最終試験を終えてから、この双胴船はホバートを離れ、最初の燃料補給港のウェスタン・オーストラリア州のフリマントルに向う。

Incatは、別の112m船である次のHull 067(=船体番号067号)の作業を開始している。(Tasmania Mercury: May 03, 2009 10:52am)

マニラ―バターン間のフェリーが再開(フィリピン)

昨日5月2日に、マニラ―バターン間のフェリーが再開設され、当局者は、来月にはこの運航により島嶼間貿易が確実に急騰し、旅行時間・ 輸送費用が削減され、国内観光に弾みをつけることとなると語った。

バターン州議員のAbet Garciaによると、Metrostar Ferry Inc.が、オライアン港とマニラ港の間で運航することとなるという。というのは、選挙民がこれがバターン州とマニラ間を旅行する最も便利な経路だと考えているからだとい う。これに加え、同航路の認可をMetrostarに早く出すよう、同議員はPhilippine Posts Authority(=フィリピン港湾当局)に働きかけている。

Mall of Asiaを出発するフェリーは片道140ペソで、バターン行きが午前10時発と午後3時30分発。バターン発マニラ行きが、午前7時発と午後1時30分発。(My Bataan: Sunday, 03 May 2009)

高速フェリーで車輌を輸送するには更にお金(トリニダード・トバゴ)

今や自家用車と共に高速船で旅行するには、更に費用がかかることとなった。

Port Authority of Trinidad and Tobago(=トリニダード・トバゴ港湾局)(PATT)は、新しい統一料金を、先週、公告して発表した。

新しい料金では、全ての自家用車は、往復250ドルで、片道は150ドルとなっている。これらの料金には、15パーセントの付加価値税 が 含まれている。片道運賃の大人50ドル、子供25ドルには変更はない。

PATTの公告では、旅行者に対し、全ての車輌には乗客1人分が含まれていることを指摘していた。

T&T Inter-Island Transport(=トリニダード・トバゴ島嶼間輸送) (TTIT)の最高経営責任者代理のLeon Grantは、この統一料金では、係員が重量を調べるために車輌認証謄本を確認する必要がなくなると語った。以前は、自家用車は重量に応じて料金が課せられていた。

乗客と車輌のための恒久的なランプ(注、傾斜路)を建設することを含めたフェリー運航改善のために、当局は多額の資金を投資していると Grantは語った。

Grantは新しい改善された対策により、国中で、遠隔地での旅客・車輌向けの切符販売の導入を含む、運航の簡素化が導入されることと な ると語った。

昨年、2隻の高速フェリーのT&T ExpressとT&T Spiritが、島嶼間で226,549台の車輌を輸送した。今年1月と3月の間は、このフェリーは47,167台の車輌を輸送していた。

Grantは、トリニダードかトバゴで自家用車を賃借することよりもまだ安いことから、当局ではこの増加が利用者に影響を与えるもので あ ることを考慮していないと語った。

一方PATTは、この航路に就航している貨物船のWarrior Spiritが、5月9日から24日までの間、予定されている保守点検をChaguaramasのCaridocで行うため、乾船渠に入渠すると発表した。

更に8トン未満のトラックは、食料や衣料雑貨を積載している場合は、5月11日から22日までの間は、月曜日、火曜日、木曜日、金曜日 に、T&T Spiritが輸送することになる。(Trinidad & Tobago Express: Monday, May 4th 2009)

クルーズ客船会社は海賊の懸念が高まったことから中東への寄港を外し始める(英国・ソマリア)

英国のFred Olsen Cruise Linesは、ソマリアの周辺海域を避けると言って、MSC Cruisesと一緒になっている。この決定は、このクルーズ客船会社が目的地としての中東を外すことを事実上意味することとなる。

今週、このクルーズ客船会社は、2010年の世界一周クルーズでは、海賊に悩まされているインド洋北部や、このクルーズ客船会社がアジ ア とヨーロッパの間で船舶を再配置するために利用しているアデン湾を避けるため、航路を変更したと発表した。

乗客1,400人乗りのBalmoralの106泊の航海の旅程は、イングランドのドーバーを2010年1月5日に出発することが予定 さ れていたが、アジアからヨーロッパに西に戻る際に、もはやアラブ首長国連邦やオマーン、エジプトの中東の港湾には寄港しない。

スエズ運河を経由してヨーロッパに戻るため、アデン湾から紅海を通過する代わりに、この船はオーストラリアから南アフリカに、インド洋 を より南寄りに横切る針路を進んで、アフリカ西岸経由で英国に戻ることとなる。

「Balmoralの航路変更の決定は、この地域において遭遇している警備上の問題が継続していることを踏まえてなされたものです。」 と 客船会社の企画監督であるMatt Grimesは、今週、声明文の中で語った。

「弊社では、弊社船に乗船している乗客と職員の安全性と快適さに関し、弊社の責任を大変に重視しており、海賊の攻撃がアデン湾ばかりで は なく、ソマリアからかなり離れたところでも続いていることに鑑み、この処置を取ることにいたしました。」

この決定は、自動拳銃を持ったソマリアの海賊が発砲して、乗客1,062人が乗るMSC Melodyに乗り込もうとした恥知らずの攻撃により、MSCの最高経営責任者がこの地域を通過するクルーズから手を引くことにした後、数日経ってなされたもの。

MSCのPierfrancesco Vagoは、今週、ソマリア周辺の海域は安全ではないとした。

「MSCは、もはやこうした危険を冒しません。」とtravelweekly.co.ukに語った。「この区域が安全になるまで、決し て そこへは船を送りません。」

ソマリア沖の海賊は、最近数ヶ月間に勢力を増大させており、広範の標的に対して更なる攻撃を加えており、これには少なくとも他に2隻の ク ルーズ船が含まれている。

乗客684人が乗船したOceania Nauticaは、2隻の小型船に分乗した海賊に、11月30日に攻撃されたが、この金持ち相手の船に対して海賊が発砲する前に、連中を振り切ることができた。11月28 日には、同様の襲撃が Transocean Toursの乗客492人が乗船するAstorに対してあったが、ドイツ海軍の艦船が海賊を蹴散らすために威嚇射撃を行い、退散させている。(USA Today: May 4, 2009)

スコットランドのフェリー網の将来は不透明(英国)

スコットランドの国有のフェリー網、CalMacは、不透明な将来に直面している。船隊内の老朽船の代替費用が、現在の経済情勢によっ て厳しくなっていると政府が考えていることから、今後5年間についてはとりわけ不透明になっている。

指導的な運輸顧問の共同経営者であるPaul Finchは、Scottish Government(=スコットランド政府)は、耐用期限を迎えた船舶の代替に、およそ2億4000万ポンドかかると語った。

Finchは、代替計画のための資金を用意できないならば、来るべきフェリーの見直しの際に、国内の島嶼に重要な輸送サービスを減らす こ とについて、大臣らは「difficult decisions(=苦渋の決断)」に直面することになりそうだと警告した。

この顧問は、政府と国有フェリー運航事業者であるCalMacの依頼を受けて、スコットランドのフェリー航路を調査してきた。The Heraldに対し、最も不安定な航路は、多額の資金を調達するという公約がない限り、島の小さな共同体を結ぶ航路だと語った。 Finchは次のように語った。

「スコットランドのフェリー船隊の船齢を見れば、本格的な投資が必要なことが判ります。」

多くの島民が島の共同体を維持し現在の人口減少を食い止めるために、交通連絡を改善することを希望していることから、現在の経済実態か ら、このフェリー調査の結果には失望することとなるだろうと指摘した。(Car Rentals: May 4th, 2009)

Austalは3億ドルの合衆国海軍の入札を確保(オーストラリア・米国)

ウェスト・オーストラリア州の造船会社Austalは、3億ドル相当以上になるUnited States Navy(=合衆国海軍)向けの新しい2隻目の戦闘艦1隻の設計と建造の入札を勝ち取った。

同社は既に、16億米ドル相当以上になるUS Navy(=合衆国海軍)のJoint High-Speed Vessel(=連合高速船)計画の主契約者となっている。

新しいLittoral Combat Ship(=沿海戦闘艦) (LCS)は、同社のアラバマ造船所で建造される。

Austalの代表取締役、Bob Browningは、20年前にパースで開業したこの会社にとっては、巨大な成果であると話している。

「弊社が関与している55隻からなるLCS(=沿海戦闘艦)計画をご覧になっていただくと、弊社が独占しているJoint High- Speed Vessel(=連合高速船)計画は、US Navy(=合衆国海軍)の艦隊の20パーセント近くを占めることとなることが判るかと思います。」と語った。LCSは、一連の沿岸作戦向けに設計されている、と話してい る。

「異なる兵器を艦船に搭載可能で、対潜水艦戦から機雷探知・除去、艦船防衛に至るまで、異なる作戦用に変換できるのです。」と語った。

「弊社ではこの2番船(注、1番船はIndependence)に関わることができて大変に興奮しております。というのは、この計画全 体 の予告となるものだからです。」(ABC Online: Posted Mon May 4, 2009 2:00pm AEST)

フェリー運航事業者のTallinkは、2009年4月に25%増の旅客を輸送(エストニア)

Tallinkという会社は、Tallinn Stock Exchange(=タリン証券取引所)に対し、次のような報告を行った。すなわちバルト海地域最大のフェリー運航事業者のTallink Gruppは、2009年4月に621,674人の旅客を輸送したが、これは2008年4月との比較において25%の増加だったと LETAに報告した。

同社の主要航路の全てにおいて、旅客輸送市場占有率は増加したという。人気のEaster(=感謝祭)の休日期間中、より一層のクルー ズ 人気により、旅客数が増加した。Tallinkが輸送した貨物自動車の台数は、33%の増加だった。

報道されているように、Tallinkの子会社のTallink High Speed Lineは、新船のBaltic Queenの引渡しを受けて、4月24日よりタリン―マリエハムン―ストックホルム航路に就航させており、Tallinkが最初に就航させたクルーズ船の Romantikaと代替している。(The Baltic Course: 05.05.2009)

アラスカの港はクルーズの削減で打撃(米国)

今度の夏は、約30,000人少ないクルーズ船客が、アラスカ州スワードを訪れることとなる。

最近、Holland America Lines(注、正確にはHolland America Line)は、スワードから、そのクルーズ船の1隻を撤退させる決定を発表した。

同社はアラスカに留まるものの、今、スワードに寄港しているMS Veendamを、MS Amsterdamと代替する。

Amsterdamはシアトルを離れて、ケチカン、スカグウェイ、シトカ、ホーマー、その他を運航する。スワードはこの旅程には入って い ない。

Holland America LinesのRalph Samuelsによると、寄港時間を少なくして、クルーズを長くするという方針を変更しているので、同社がそれほど多くここから撤退することにはならないという。この変化 は、部分的には経済に基づくものだ。

アラスカでの7日間クルーズを購入する客は、今でも帰宅するためには航空券を買わなければならない。しかし14日間クルーズだと、シア ト ルを出発して戻る場合、アンカレジから48ヶ所の南部の目的地に行くよりは、航空運賃は安い。

それもクルーズ船の経済学であり、Samuelsは、国中で感じているのと同じ危機感を、業界も感じていることを直ちに認めた。填補す べ く、Holland Americaは座席を埋め合わせるため、料金を引き下げている。「どの寝台も埋めることを確実にしたいと思うでしょう。」と語った。「カリブ海では10―15パーセント の値引きです。アラスカでは、30―40パーセントになります。」

アラスカ州の大げさな規則もまた、費用を増加させている、と語った。それから例の人頭税だ。

「クルーズ経済は、人頭税ではなく、合衆国経済の表れだと聞いていますが、どうやって両者を区別できるのか判りませんね。」と語った。

この人頭税は、2006年8月にアラスカ州の有権者によって成立し、同州を通過する全てのクルーズ船客に税金を課すものだ。税は合計 50 ドルで、港を訪問した乗客1人当たり5ドルを市が受け取ることになっている。

「2人で100ドルです。4人家族だと200ドルがポケットから消えるので、ここの共同体での消費には回せないことになるのです。」と Samuelsは語った。

スワード市の課長、Phillip Oatesは、人頭税が業界に影響を与えていることに同意した。

「私がクルーズ業界幹部と話し合ったところでは、クルーズ船が訪れた港で利用している社会基盤の改修のために使われたり、影響を与えて い る共同体に支払われたりする税金に対しては、反対はしていませんでした。」と語った。(Houston Chronicle: May 6, 2009, 3:43PM)

警察:パラワン州沖でフェリーが立往生し、87人救助(フィリピン)

フィリピン、マニラ発。月曜日、当局がパラワン州沖で立往生したフェリーの87人の乗客を救助した、と警察官は語った。

ミンドロ島、マリンドーケ島、ロンブロン島、パラワン(ミマロパ)島警察を指揮するChief Superintendent(=警視長)のLuisito Palmeraは、このフェリーM/L Ric-Ricは、ドゥマラン島近くで、日曜日の晩の午後6時53分頃、機関不調となったと語った。

Bombo Radyoのある記事は、Coast Guard Public Information Office(=沿岸警備隊広報事務所)の情報よると、このフェリーはプロペラ軸が損傷を受け、12時間も立往生したと報じた。

M/L Ric-Ricは、日曜日の午後、カガヤンシロに向けてプエルト・プリンセサ市を出発していた。

Palawan Coast Guard(=パラワン州沿岸警備隊)司令官、Joel Garcia大佐は、捜索救助船のIlocos Norteを現場に派遣した。

Palmeraは月曜日の朝、乗客はカガヤンシロに全員無事到着したと語った。(GMA news.tv: 05/11/2009 10:33 PM)

豚インフルがRoyal Caribbeanのクルーズ船に感染しているかもしれない(米国)

ワシントン州発。報道によると、Royal Caribbeanのクルーズ船で豚インフルに感染したかもしれない事例の可能性があるという。この事件の唯一の良い兆しというのは、2人の船員以外に発病した者はおら ず、Royal Caribbeanが的確で有効な対策を講じて、明らかに対処しているということだ。

現在、Royal CaribbeanのSerenade of the Seasで、2人の船員が豚インフルに罹患しているかもしれない。

印象としては、2,000人以上の乗客を乗せているこのクルーズ船が、潜在的に致死性のあるウイルスに感染している可能性がある。

この船はアラスカ州で航海していたもので、この時点では、この2人の船員は明らかに完治していた。

2人ともクルーズ船上での検査では、インフルエンザA型の陽性反応を示していた。しかし豚インフルであるH1N1株かどうかは、まだ確 認 されていない。

Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)(CDC) では、この事例の肯否を判定すべく検査を実施中だ。2人の船員は数日間隔離され、回復している。

これは、Royal Caribbeanがメキシコへの寄港を一時中止した後で発生したもの。(dBTechno: May 11, 2009)

新しいマン島の高速船が接岸(英国)

Isle of Man Steam Packet Companyの新しい1800万ポンドの高速船、Manannanはダグラス港に到着した。

この長さ96m(314フィート)の双胴船は、月曜日の朝、ポーツマスからやって来た。厳しい天候のため、土曜日の到着予定が遅れた。

Manannanは、最終試験と地元での最終作業を終えて、5月22日に就航する予定。

この船は完全な改修工事を終えて、800人以上の乗客を収容できる船となった。約200台の乗用車を積載できる車輌甲板も擁する。

Steam Packet Companyの幹部らは、マン島の遺産に因んだ名称を選んだ。すなわち、マン島の神話に出てくるManannanは、海の神であり、マン島の守護神である。

このフェリーはリバプールからダグラスへの航海を行い、Vikingというフェリーと代替する。フェリーのVikingは、同航路で7 年 間に3,000航海以上も行い、100万人以上の乗客を輸送した。

Manannaは、他船よりも巡航速力が速いこうした型のアイリッシュ海最大の船となる。(BBC News: Page last updated at 09:40 GMT, Monday, 11 May 2009 10:40 UK)

ANEK LINESはHELLENIC SEAWAYSの持分取得の取引を発表へ(ギリシャ)

ANEK Linesは、Hellenic Seawaysの33.35パーセントの持分をMinoan Linesから譲受ける旨の取引の発表を本日中に行う見込みだ、と日刊経済紙のImerisiaは報じた。この取引は、1億2600万ユーロにも達する見込みで、1株当た り4.85ユーロと同紙は報じていた。(Forbes: 05.12.09, 04:31 AM EDT)

フェリーから飛び降りた男性は死亡(ニュー・ジーランド)

今週末、デボンポート・ワーフ(注、埠頭)で、動いているフェリーから飛び降りた男性は、死亡した。

オークランドの新聞記者、Simon Val Johnston(53)は、日曜日の午後4時30分頃、オークランド行きのフェリーから海に飛び込み、頭部に怪我をして死亡した。

警察では、明らかにアルコールが接岸時に非常扉を開けてフェリーから埠頭に飛び移ろうとしたJohnston氏の行動の一要因となって い たと話している。

海から引き上げられ、蘇生術を施され、North Shore Hospital(注、病院)に搬送されたが、昨日まで危篤状態が続いていた。

FullersとMaritime NZは、この事故を防ぐことができなかったかどうかを調べている、とFullersの運航管理者、Ian Greensladeは話している。

Johnston氏は、Waiheke Gulf Newsの前編集長だった。事件は検視官の下に送致された。(Stuff.co.nz: Last updated 11:26 12/05/2009)

アラスカ州の当局者は豚インフルの事例が確認されたと話す(米国)

アラスカ州アンカレッジ発。アラスカ州防疫官は、検査により、クルーズ船の船員が豚インフルに罹患したことが確認されたと話している。

この検査はWashington State Public Laboratory(=ワシントン州公衆研究所)で実施されたもので、結果は日曜日に明らかになっていたが、火曜日まで、アトランタのCenters for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)は、この研究所に確認を発表する旨の正式な許可を与えていなかった。

Serenade of the Seasに乗務していた女性船員は、5月2日に発病し、その後、一連の治療を受けて回復し、CDCが推奨する7日間の隔離がなされていた。

この船では、豚インフルであると認められる症状を報告した者は、他にはいない。

アラスカ州防疫官は、この事例は、女性が州の領海に入る前に発病していたことなどの幾つかの理由により、アラスカ州の最初の事例と考え る ことはできないと話している。(KTUU: May 12, 2009 11:04 PM ET)

Queen of Scandinaviaは売却(デンマーク)

旅客船の「Queen of Scandinavia」は、デンマークのDFDSから外国の権益に売却され、2009年6月に引き渡される。この合意は、2009年5月15日金曜日までに手付金が支払 われることを条件としている。

「Queen of Scandinavia」は、2008年9月にベルゲン航路が廃止となった後は係船していた。2009年2月から、本船はスウェーデンでホテル船として使われていた。

売却価格は、約1億7500万デンマーク・クローネで、この売却代金は債務の弁済に充てられ、DFDSの貸借対照表は強化されることと な る。

この売却により、通年の純投資額は、13億デンマーク・クローネから11億デンマーク・クローネに減るものと見られている。 (Boarding.no: 13.05.09 09:52)

運休のTheBoatは6月で運航終了(米国)

TheBoatという旅客フェリー運航は、来月、休止となる。

Mufi Hannemann市長は、水曜日、6月30日以降でこの事業は終わりにすると発表した。

この運航は、ホノルル市と郡が運航していたもので、2007年9月に開始した。カラエロア・ハーバーからアロハ・タワーに通勤者を輸送 す るもので、平日に3往復するものだった。

この運航は、連邦資金の400万ドルと、市からの100万ドルを使って始めたものだった。(中略)市によると、TheBoatは開始以 来、約110,000人の乗客を運び、Rachel MarieとMelissa Annという2隻の船に1日平均270人が乗船したという。(Bizjournals.com: Wednesday, May 13, 2009, 12:21pm HAST)

ミシガン湖のフェリーは7月1日まで子供の乗船無料(米国)

ミシガン州、マスキーゴン発。Lake Expressの初期シーズンの営業は落ち込んだが、このミシガン湖を結ぶ高速フェリーの所有者は、無駄に時を過ごすことを望んではいない。

18歳未満の子供は、7月1日まで、マスキーゴンからミルウォーキーに向うフェリーに無料で乗船できることとなる。The Muskegon Chronicle(注、地元紙)は、この割引で両親が2人に子供2人の4人家族の場合、片道で115米ドル、往復で196米ドルを節約することができることになると伝え ている。

競合するラジントンとウィスコンシン州マニトウォク間を走るSS Badgerでは、そのウェブサイトによると、16歳未満の乗客は、子供運賃を片道29ドル、往復49ドルにしている。

Lake Expressの社長、Ken Szallaiは、景気の低迷により、家族が旅行をしなくなることを望まないと話している。同社幹部は、国内最高の失業率と自動車産業の低迷のために、ミシガン州からの予 約が少なくなって来ていると話している。(The Canadian Press: May 13, 2009)

ロシアの査証なし観光、あのフェリーに飛び乗ろう!(ロシア)

ロシアの首相、Vladimir Putinが、昨日、フェリーで到着した観光客が、査証なしでロシアに入国することを許す決定に署名した、と通信社のRegions.ruが報じた。この決定は、金融危機 対策の1つとして考えられている。クルーズ船の乗客にも、同様に適用されることとなる。

観光客が査証なしでロシアに滞在できる最大時間は、3日間。毎年、サンクト・ペテルブルクとカリーニングラードに、船で500,000 人 以上が訪れており、来年は倍増するかもしれない。

この新政策は、ロシアのフェリー会社の発展を勇気付けることともなり、新たに雇用も生み出すことになる、とState Duma Committee on Economic Policy(=経済政策下院委員会)の会長で、United Russia(=ロシア連合)という派閥に属するEvgeny Fedorovは、記者会見で述べた。(MOSNEWS: 13 May, 01:54 PM)

豚インフルの懸念がカリブ海の乗客2,750人乗りの2隻目のクルーズ船を襲う(バルバドス)

アラスカ州を周遊するクルーズ船で豚インフルの事例が2例確認された数日後、今度はカリブ海で船員が発病し、このウイルスが乗船客に感 染する懸念にカリブ海の定期船が襲われている。

乗客2,758人乗りの102,000トンの船であるCarnival Victoryで休暇を過ごしている行楽客は、女性従業員1人が具合が悪くなったことから、船がバルバドスに接岸後、検査された。

インフルエンザ様の症状を見せた女性は、隔離されている。H1N1ウイルスに感染しているかどうかは不明だが、バルバドスの当局者は、 乗 客全員に対し質問表を通じ、症状が出ていないかどうか点検している。

Carnival Cruise Linesの広報担当者(注、女性)のVance Gulliksenは、クルーズのウェブサイトであるCruiseCritic.co.ukに、次のように答えている。

「この手続きのため、上陸がいくぶん遅れております。しかし本船は、港で時間に余裕を作るため、午後7時30分まで延長してバルバドス に 寄港いたします。」

今週始めにRoyal CaribbeanのSerenade of the Seasの2人の船員(注、2名か1名かは、情報が混乱している)が、このウイルスに感染したことが確認された。この2人の従業員は、現在は完全に回復している。 (Daily Mail: Last updated at 1:47 PM on 14th May 2009)

ソマリアのフェリー事故で15人死亡(ソマリア)

5月15日、モガディシュ発。木曜日、ソマリア南部海岸沖でフェリーが転覆し、少なくとも15人が死亡した、と地元老人らが語った。

この船は、キスマヨという南部の港湾都市とラス・カンボニという漁業の町の間で、小さな離島に乗客と生活必需品を輸送していたもので、 午 後に転覆した。

「乗船していた40人のうち、15人の死亡が確認されていて、残りを捜索しているところです。」と地元漁業組合の組合長、 Abdullahi Jamaa Madodeは語った。「3人が生きて見つかりました。」とAFPに語った。

キスマヨのもう1人の老人であるMohamed Ade Yusufは、同じ死者数を語り、15体の遺体は、陸に収容されているという。

「他の乗客の運命については、良く判りません。」と語った。(Capital FM: May 15)

三笠、バローの強力な日本の英雄(英国・日本)

世界の歴史の流れを変えた戦争で、バロー建造船のMikasa(=三笠)が一翼を担って104年近くなる。CLAIRE CRISPは、日本に本拠を置くこの船の保存会の会員であるウォルニーのJane Hadleyから多くのことを聞いた。

退職した社会介護支援専門員であるJane Hadleyが、4年前にバローに引っ越して来た時、地元不動産業者から一握りの小冊子を受け取った。その中にMikasa Street(=ミカサ通り)にある家のものがあった。結局は、Blackbutts Laneにある素敵な2戸建て住宅を選び、現在はそこで暮らしているのだが。

しかしFurnessに引っ越して以来、JaneはMikasa Streetに引っ越すことを選択する運命にあった。2年前に友人を訪ねに日本を旅行してから、ウォルニーの通りに名付けられたバロー建造船に取り付かれることとなったの だった。次のように語った。

「主人の家族が、元々ここの出身であることから、4年前にバローに引っ越しました。今では3人の娘も、ここで暮らしています。そうした こ ともあって、ウォルニーの道の多くが、バローで建造された船に因んで命名されていることが判ったのです。」

しかし日本の友人を訪ねるまでは、Mikasaの日本人に対する重要性を十分に理解してはいなかった、と付け加えた。次のように説明し た。

「Mikasaという船は、京都周辺の地域にある山の名前に因んだものなんです。」

「2年前に、Mikasaという船が、日本と大変に大きな繋がりがあることを発見したのです。」

「偶々、Kamikuraと呼ばれる日本のある地域に住む友人を訪ねていたときに、Mikasaという船が保存されている場所が、横須 賀 であることを知ったのです。ちょうど1時間ほどのところです。」

バローに関係する船だったので、JaneはMikasaを訪ねてみることにしたのだった。今では年間、多くの訪問者を惹き付けている博 物 館として保存されている。

その博物館でJaneは、このMikasaが、19世紀の変わり目に締結されたAnglo-Japanese alliance(=日英同盟)において発注された艦船の1隻であり、日本の全ての戦艦の中で、最も有名なものであることを発見したのだった。

「1902年に就役し、1904年から1905年にかけてのロシアとの戦争で、日本の艦隊の旗艦になったのです。」

「この船にとって最も重要な日付は、1905年5月27日です。この日、日本を侵略する意図を持っていたロシア人を敗北させる中で、大 き な役割を果たしたのです。」

「この戦いは歴史の流れを変え、その後、日本は世界列強の1国になったのです。」

この船の豊かな歴史を知って、Janeは、この有名な艦船のあらゆる場所を、何時間もかけて探索したという。

「甲板を上がったり下がったりして、下甲板や船室を何時間も歩き回りました。」

「この優秀な船がバローで建造されたものであることを思って、感激したものです。あらゆる物の写真を撮りました。擦り切れた床板の果て ま で!」と話した。また思いがけない感動的な体験も付け加えた。

「下甲板でロシア艦隊の司令官が降伏署名をした巨大な木製のテーブルを見たのですが、私が思うには、あのテーブルは、恐らくはカンブリ ア 州製のものです。」

Janeにとって、最も印象的な光景の1つは、装甲の施された艦橋だった。

「100年も前にバローで建造されたものだと知れば、とにかく堂々たるもので、素晴らしいものです。今日、我が国は原子力潜水艦を建造 す る技術を持っているわけですが、当時持っていた専門技術は本当に驚くべきものです。」

Janeによると、この船は日本人にとって大変に重要なものであることから、1926年に同国はMikasa Preservation Society(=三笠保存会)を設立したという。

日本でこの保存会が唯一勤勉であったことから、この船は今や、後世のために保存されている。Janeは次のように説明した。

「第二次世界大戦の終わりに、アメリカ軍がこの船の兵器を取り外し、1955年まで保存会が主導してかっての栄光をこの船に取り戻すこ と はなかったのです。Prince Philipも関与していたと思います。」

修復工事は1961年に竣工し、その時以来、Mikasaは博物館船となっている。この船の重要な遺産を発見した日本への旅行以来、 Janeは保存会の会員になっている。

「バローの会員は私の他にはいないと思います。」

「この会は、バローや造船所と結び付きを持つことに大変に乗り気です。」

「今日、バローからは美しい潜水艦が生まれていますが、この日本にある船は100年以上も前に建造されたものです。当時の巨大な偉業で す。」

「日本人は後世に伝えるために保存を望み、私が知る限りではDreadnought(=ドレッドノート級戦艦)以前のバロー建造船で生 き 残っている唯一のものです。」

「その歴史上の位置づけから、私はバローの人々は、この船のことを知るべきだと本当に思っています。」更に付け加えた。

「私達は英国海軍向けに建造された船については知っていますが、これは語るに値するそうした重要な物語を持つ船です。」

「Mikasaは、我が国でVictoryが持つのと同じ影響力を、日本では持っているのです。」

Janeは下甲板の壁の全部は、バローとそこの造船所の歴史に捧げられていると話す。

「私は、私達はこの船との結び付きを進展させることをせずに、多くの日本人観光客を取り逃がしていると本当に思います。」

「私にとって最も重要なことは、何らかの結び付きを作り上げることです。横須賀の学校と姉妹提携することは、恐らくできるのでは?」

もっと多くのバローの住民が、日本におけるMikasaの歴史的重要性に気がついて欲しいという。

「バローの人々が、このことに誇りも持てると思います。私が暮らすこの町で建造されたあの船の甲板の上に立つのは、本当に素晴らしいこ と でした。」(NW Evening Mail: 12:36, Friday, 15 May 2009)

戦争捕虜の展覧会で檻の中の生活を明らかに(英国)

戦争捕虜の勇敢な、そして悲惨な話が、Imperial War Museum North(=北帝国戦争博物館)の主要展示において語れることとなる。

Captured: The Extraordinary Life of Prisoners of War(=囚われの身:戦争捕虜の驚くべき生活)では、第二次世界大戦中のヨーロッパと極東における英連邦の捕虜と民間人抑留者の体験を明らかにする。また、英国における イタリア人とドイツ人の捕虜の話も特集する。これには、伝説的なマンチェスター市のゴールキーパー、Bert Trautmannの話も含まれる。

この展示会では、The Great Escape(=大脱走)、Colditz(=コルディッツ)、Bridge Over the River Kwai(=戦場に架ける橋)といった伝説的な戦争の話の裏側にある事実を明らかにする。

グレーター・マンチェスター州中の元捕虜が体験を語った様子が撮影されており、博物館の広報担当者は次のように話した。

「私達の多くは映画を通じて、命知らずの脱走を美化して捕虜のことを知っています。しかし勇気、友情、思い遣りから、飢え、倦怠、窮 乏、 残酷行為、怠慢に至るまでの強烈な別の話もあるのです。囚われた人々は、無類の収集物から、物、芸術、文書、写真、映画、音を使って、監 禁から何年も経ってから信じられないような個人的な話を明らかにすることになります。」

何百万もの兵士、水兵、空軍兵が有刺鉄線の内側にいて、何時、何処で囚われたかによって、そしてしばしば自分の人種によって、何が自分 の 身に降りかかるのかを知ることになった。

オルトリナムのGunner Ernest Prestonは、シンガポールが陥落したときに捕虜となり、日本人によって台湾に移動させられた。「hell ship(=地獄船)」のMelbourne Maru(=めるぼるん丸)での旅と、その後、労働した鉱山での事故を記録した日記が展示されている。

展示品は、子供も大人も、収容所の規則の実相を知り、逃亡用トンネルを這い、変装してみることができるようになっている。

訪問者全員は、到着時に戦争捕虜の身分証明書を受け取るが、展示会とその趣旨を巡って交渉することの助けとなる捕虜の現実の生活につい て も書かれている。

この展示会は5月23日に始まり、Trafford Quays(=トラフォード埠頭)にある博物館への入場は、無料。詳しくはウェブサイトへ。(Manchester Evening News: MAY 16, 2009)

タインに接岸した船のばい菌で豚インフル警報発令(英国)

乗客が嘔吐性のばい菌に襲われ、このクルーズ船内で豚インフル勃発の懸念が広がったことをSunday Sunが明らかにした。

Thomson Spiritに乗船していた約150人の乗客は、接触伝染病のノロウイルスに罹患したものと考えられている。これは、冬の嘔吐性ばい菌としても知られており、直ぐにヨー ロッパのクルーズにも入り込んで来たもの。

この船は昨日の朝、ノース・タインサイドのノース・シールズにあるタイン港に接岸したが、3人の乗客が未だにウイルスに罹患していたこ と から、環境衛生監視官が下船客に対し、健康のための忠告を行った。

旅行者がバレアレス諸島のイビサ島に着いた、Iberian Delights(=イベリアの歓喜)と名付けられた16日間の旅行の最初の日に入ったばかりの時、職員らは下痢と嘔吐の病気が通常よりも多いことに気がついたのだった。

それからこの豪華定期船は南スペインのマラガとジブラルタル、それからカサブランカとモロッコに寄港したが、この間、患者は船室に押し 込 められ、このよくあるが未だに不快なウイルスと戦っていた。乗客の多くは当初、船上で豚インフルの症例が生じたものと考えたが、全ての船 室に投函された船長の手紙では、このウイルスは、実はノロウイルスであったと確認されていた。

昨夜出発予定の新たな1週間航海、Myths of the Fjords(=フィヨルドの神話)に先立って、昨日、白い防護服を着た清掃員が、この1250人乗りの船を徹底的に清掃する様子が見られた。(Sunday Sun: May 17 2009)

Carnivalは豚インフルで第2四半期の収益は減少と話す(米国)

Carnival Corp. & PLCは、豚インフルが第2四半期の収益に影響を与えることになる見込みだと語った。

月曜日、このクルーズ客船会社は、来るべき四半期は、Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)がメキシコへの不要不急の旅行を控えるよう勧告したことを受けてクルーズの旅程を変更したことから、1株当たり5セントに まで減少する見込みだと語った。CDC(=疾病対策予防センター)はこうした制限を、5月15日現在、解除しており、Carnival (NYSE: CCL 及び NYSE: CUK)は、6月中旬にメキシコへの寄港を再開する見込みだと話している。

同社商標のうち3社は、27隻のクルーズ船の旅程を変更している。すなわち媒体向け発表によると、Carnival Cruise Linesが16隻、Princess Cruisesが6隻、Holland America Lineが5隻である。多くの例においては、変更は単に別の港に置き換えただけだが、新たな旅程を作り出すことを必要とするものもあった。

Carnival Corp.はマイアミに本拠を置くが、タンパから出発する船も保有している。

「CCL」株は、午後の取引で1.25ドル値上がりして、26.25ドル。52週間の最高値は、9月19日の42.39ドル。52週間 の 最安値は、11月21日の14.85ドルだった。

「CUK」株は、午後の取引で1.63ドル値上がりして、27.16ドル。52週間の最高値は、2008年5月16日の39.78ド ル。 52週間の最安値は、11月20日の15.24ドルだった。(Bizjournals.com: Monday, May 18, 2009, 2:45pm EDT)

Tallinkは協定賃金の引上げ延期を模索(エストニア)

エストニア最大のフェリー運航事業者であるTallinkは、賃金引上げを延期することを合意するよう労働組合に求めている、と Aripaevが伝えている。

Tallink Groupでは、上期の3億5400万クローンの赤字を発表した後の4月16日に、労働組合に対してこの要請を行ったと話している。労働組合の代表が、同社の代表との団体 交渉に合意しなかったことから、今やTallinkは、国の調停員に対し、労働組合との団体交渉を支援してくれるよう要請している。

Tallink Gruppの人材開発部長のTaavi Tiivelは、会社としては、現在の水準で賃金を維持することで労働組合と合意に達することができることを望んでいるという。

「そうならないと、解雇することを余儀なくされるのです。現在のところ、労働組合は、昇給延期には興味を示していません。」と Tiivelは語った。

9月、Tallink Groupは、エストニア船籍の船で働く船員に対し、15パーセント増の賃金を支払っている。(Baltic Business News: 19.05.2009 15:44)

削減されたフェリー運航が再開(英国)

削減されて1年も経たずに大陸と結ぶフェリーが再開され(注、Norfolklineのフェリー)、スコットランドに最初の乗客が到着 した。

火曜日の午後早くに処女航海でゼーブルッへから来たScottish Vikingが、ファイフ州のロサイスに入港した。First MinisterのAlex Salmondが、午後2時15分頃、フェリーから下船してきた乗客を出迎えた。

「主要なヨーロッパ市場との結びつきを維持することは、世界的な経済問題を抱えている今日のスコットランドにとっては、極めて重要なこ と であります。」と語った。(The Press Association: 20 May 2009)

コーカサス―ポティ間の鉄道連絡船運航事業者の51パーセントがRussian Railwaysに帰属へ(アルメニア・ロシア)

Russian Railwaysは、コーカサス―ポティ間の鉄道連絡船を運航するBlack Sea Ferry Investment (BFI)の株式の51パーセントを取得した、とRBCがRussian Railwaysの代表者の発言を引用して伝えている。

「この買収は、コーカサス―ポティ間の鉄道連絡船の運航周辺における通し運賃を確立することに狙いがあります。」とRussian Railwaysの代表者は、この地域の鉄道と海外輸送の共通関税が議論されていることを説明しつつ語った。

コーカサス―ポティ間の鉄道連絡船についての覚書は、2007年2月13日に、エレバンで、アルメニア政府とSwiss Reserve Capital Corporation間で署名された。1番船のSmatという連絡船の収容力は、車輌50両。

この鉄道連絡船は、2007年4月に試験的に開始した。2港の海港間の315マイルを、船によって31時間以内で行くことができる。ロ シ アからアルメニアへの連絡船では、主として穀物、食料品を輸送し、アルメニアからロシアへは建設資材を輸送することとなる。 (PanARMENIAN.Net: 20.05.2009 13:37 GMT+04:00)

クルーズ船客はデッキチェアで海賊を退治(ソマリア)

ノッテンガムシャー州マンスフィールドのIan MoakesとJessie Moakes夫妻は、乗っ取り犯人に襲われたとき、MSC Melodyで結婚40周年を祝っていた。しかし海賊らは、テーブルや椅子を投げつけた他の船客によって撃退され、船に戻ることを余儀なくされた。この船に乗船していたイ スラエル人の警備員が、海賊のうち2人を殺害した。

「船長がソマリアの海賊から攻撃を受けていると話してくれた時、赤道から約80マイルか90マイルのところにいました。」と Moakes 氏(62)は話した。「船室に戻って、ドアに鍵をかけ、誰に対しても応答しないよう言われました。そして何が起きていているのか伝えると 言われました。」

「船員の多くが年配で、どうなるのか判らず、とても怖がっていましたね。船室で身動きができず、何の知らせもなかったので、私は大変イ ラ イラしました。」

船長は警備員に対し、攻撃者を威嚇すべく2発の警告射撃をするよう命じた。

「Kalashnikov(=カラシニコフ)のライフル銃による弾痕が、船の側面ありました。」とMoakes氏は話した。

バーンズリーのMaureen Gawthrop(66)も、攻撃時に夫のRoy(66)と共に、このクルーズに乗船していた。

「物が割れるような音が聞こえてきた時、プール甲板でクラシックのコンチェルトを楽しんでいました。音楽家達への拍手が突然消え、誰か が 無蓋甲板に走って行って、「Pirates(=海賊だ)」と叫んだのです。」

「船室に戻りましたが、弾丸がヒューヒューと飛び、船に当たってガチャンと音を立てるのが聞こえました。窓から外を見て、カーテンを開 け ました。」

「15ヤード程離れたところに航跡を立てながら1隻の白い高速船が並んでいるのが見えたのです。緑の迷彩柄の服を着た8人の男がいて、 そ れがこちらを見て、私達に発砲したのです。当たったので、Royが私を窓のところから引きずり出しました。起こっていることが信じられな かったです。現実とは思えないことでした。」

この攻撃は、4月25日にセイシェルから180海里離れたインド洋で発生した。(Telegraph.co.uk: 8:05AM BST 22 May 2009)

フィリピンのフェリー事故で12人死亡(フィリピン)

マニラ発。土曜日、フィリピンの首都の南部の海域でフェリーが沈没し、日本人を含む12人が死亡、57人が救助された、と沿岸警備隊は 話した。

このMV Commander 6という船は、バタンガスからミンドロ島の行楽地となっている浜辺に人々を運んでいたが、大波の直撃を受けて船体にひびが入り、沈没の原因となった、と沿岸警備隊の報告書 にはあった。

死者の中には日本人1人がおり、生存者によってShoji Hosotani(=細谷正治)であることが確認された、と地元警察警視長のLuisito Palmeraは語った。しかし、この犠牲者のこれ以上の詳細については判らないと語った。

沿岸警備隊の救助艇と民間の船舶が、船の沈没後に現場に急行し、人々を救助した。この船に乗船していた人で、未だに行方不明になってい る 人がいるかどうかについての緊急報告はない。

この船は、乗客名簿上では42人しか載っていない。このことは多くの人々が名簿に記載されずに乗船していたことを示すものだ、と沿岸警 備 隊の当局者は語った。

小型の手入れの悪いフェリーは、この島嶼国における島嶼間旅行の基幹となってり、多くのフェリーの船主は、船に過積載させており、度々 起 きている海難事故の原因になっている。(AFP: May 23, 2009)

Marinaは転覆したフェリーの船主を運航停止へ(フィリピン)

フィリピン、マニラ発。Maritime Industry Authority(注、「海運業当局」の意) (Marina)は、先週の土曜日に、バタンガス州のベルデ島沖で転覆したフェリーを所有する海運会社を1年間運航停止処分にした。

Marina長官のMaria Elena Bautistaは、日曜日、プエルト・ガレラに向けて出港したM/B Commando 6が、過積載であったことが初期捜査で判明したことから、Renato Ilaganが所有するIlagan Shipping Lines and Water Transport Inc.に対し、運航停止を言い渡した。

Bautistaはまた、船舶の旅客の過積載を容認している海運会社の公共利便性証明書(CPC)に対しても1年間の差し止めを課す、 Memorandum Circular 2009-013(注、「2009年度13号覚書案内」の意)を発布した。

このバタンガス州の海難事故を受けて、海難事故に関わった海運会社は、3年間事業を営む資格を剥奪することとしたという。

「運航が一時停止された全ての船舶は、Marinaによる命令があるまで、Philippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)の管理下に置かれます。」とPhilippine Daily Inquirer(INQUIRER.netの親会社)に宛てた声明文の中で長官は述べた。

転覆した船の他、Ilaganの会社は7隻の船を保有している。すなわちM/B Commando 4、7、8、9、の他、M/BLady Rhealine、M/B Lady Rhelaine Express、そしてM/B After Darkである。

Philippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)のCommandant Rear Admiral(=海軍少将司令官)Wifredo Tamayoは、これらの船はプエルト・ガレラのミノロ港に連行すると語った。

Bautistaは、Ilaganの海運会社の公共利便性証明書は、2006年1月に発行されたもので、5年間有効だと語った。

長官はIlaganに対し、死亡者の家族に対して、賠償金として200,000ペソを支払うように命じた。この過失ある海運会社には、 乗 客に救命胴衣を提供しなかった過失と過積載のかどで、同様に13,000ペソの罰金も科せられた。

Bautistaは、Special Board of Marine Inquiry(=海事調査特別委員会)が5月27日から事故の調査を開始すると語った。

「Marinaは、過失ある船主に対しては適切な懲罰を与え、これ以上、洋上で死者が出ないよう権力をためらわずに行使することを間違 い なく致します。」と語った。

このMarinaの長官は、事故後に姿をくらませたIlaganと船長のMeliton Anilao、その他4人の船員の居所を突き止めるため、大衆に協力を求めている。

「安全性は、政府と船主ばかりではなく、乗船している人にとっても1つの機能というべきものです。」と語った。 (Inquirer.net: First Posted 21:02:00 05/24/2009)

豚インフルの船に子供が足止め(オーストラリア)

シドニー港は、クルーズ船Pacific Dawnに2人の子供を足止めしているが、豚インフルの検査結果は陽性と考えられている。

この2人の乗客は、子供と思われているが、ダーリング港に接岸しているよう命じられているこの超定期船の船室に隔離されている。

The Daily Telegraph onlineでは、4件の疑わしい例の検査結果が、2人の乗客がH1N1ウイルスに感染していることが判明し、午後6時に陽性という結果で戻って来たことが判った。

この船は現在、Health Department(=保健省)の下にあり、当局がこの事例をどのように扱うか検討する一方、Hickson Road(注、「通り」)のWharf 8(=第8埠頭)に足止めされている。

この船に航海することを許すか、それとも約2000人の乗客を更に隔離するかの決定は、間もなくState(=州政府)と Federal Health(=連邦保健省)の当局者が行う。本船に乗船している職員の数人も、症状を見せていると考えられている。

この新たな確認事例により、ニュー・サウス・ウェールズ州での感染者は、4人となった。これは、最近の豚インフルのクルーズ船の2回目 の 騒ぎとなった。

土曜日に到着したDawn Princessに乗船している約2000人の乗客と900人の船員は、豚インフルの騒ぎの後、7時間余りシドニー港に隔離された。

Dawn Princessは、土曜日の早朝、Wharf 8に接岸したが、健康カードにより、2人が最近、豚インフルの可能性があるインフルエンザA型から回復したばかりであることが判り、船上に留まることを余儀なくされた。

オーストラリアの豚インフル感染者は、ウェスタン・オーストラリア州も最初の事例を報告し、22人に増えた。

ロサンゼルスから飛行機で遭ってきた8歳児の30歳の父親が、この週末、パースに到着して発病している。(Daily Telegraph: May 25, 2009 06:45pm)

昨年、より多くの英国人がクルーズを選択(英国)

旅行業界に対する銀行の貸し渋りの衝撃にも関わらず、クルーズに出かける英国人の数を示す最新の数字は、増えている。

Passenger Shipping Association(=旅客海運協会)(PSA)では、クルーズ休暇を取った英国の行楽客は、昨年、11パーセント上昇したという数字を示す資料を発表した。

2008年度は150万人近い英国人が、安価なThomsonの提供するクルーズから、Royal Caribbeanの特大定期船でのクルーズ、更にCunardでの豪華版に至るまでの海上での休暇を選択した。

昨年は、クルーズの印象が吟味されたことから人気が上昇し、3年連続して英国のクルーズ人口が二桁台の成長を見せた。

クルーズはもはやonce-in-a-lifetime(=一生に一度)のご馳走ではなく、多くの船が家族連れに焦点を合わせており、 よ り略式の食事、ミニ・ゴルフからアイス・スケーティング、ロック・クライミングといった船上での多くのスポーツ活動を提供している。

しかしPSA会長のWilliam Gibbonsは、景気の悪化により成長率は減速することになりそうだと警告している。更に昨年のクルーズの平均費用は1000ポンド未満だったと言及し、競争価格の設定 により、クルーズ休暇は「even better value in 2009(=2009年度においても、お得)」なものとなると付け加えた。

Gibbonsは、新しいクルーズ船が数多く就航することで、提供される選択の幅が更に広くなると論評した。(Car Rentals: Posted on: May 25th, 2009)

豚インフルがクルーズ船客を襲う(オーストラリア)

定期船に乗船していた2人のオーストラリア人の子供が、豚インフルの検査で陽性だったことから、2,000人以上のクルーズ船客が1週 間隔離することを要請されている。

「この船に乗船している方、全員に対して、7日間、隔離のために船に留まるよう要請しているところです。」とニュー・サウス・ウェール ズ 州の検疫長、Kerry Chantは、Pacific Dawnがシドニーに到着後、記者らに語った。

月曜日に南太平洋クルーズを終え、この船に乗船してシドニーに到着した2人の5歳児は、A(H1N1)ウイルスについて陽性の検査結果 と なり、これでオーストラリアの報告症例は、23件となった。乗客は、自宅かホテルに留まるよう要請されている。

新たな乗客を乗せたこの船の次のクルーズの出発は、保健機関が出発を許すまで遅れていた。乗客らは、風邪を引くより迷惑なことだと話し て いた。

「もし全員が病気になったり、空調設備の再利用で風邪を引くことにならなかったりしなかったら、皆、文句を言いますよ。」とある乗客 は、 Australian Broadcasting Corporation(=オーストラリア放送協会)に語った。

Pacific Dawnを保有するCarnival Australiaの広報担当者(注、女性)は、本船は月曜日の晩、ニュー・サウス・ウェールズ州の防疫官から警報解除を受けて出港したと話した。

「弊社船に、大変に十分な訓練を受けた医師と、大変に設備の良い医療センターがあることに注目することは、重要なことかと思います。」 と 語った。

「場合によっては、弊社の方が、恐らくは多くの休暇旅行先よりは、接触伝染病拡大に対処するための設備が整っているでしょう。」

オーストラリアのHealth Minister(=保健大臣)Nicola Roxonは、国内で豚インフルと確認された人の数は23人に増え、5つの学校が拡大を防ぐため、休校となっていると語った。

「ここオーストラリアでは、新たな段階に移行つつあります。この病気は急速に広まります。」と記者会見で語った。(AFP: Tuesday, 26 May, 2009)

オーストラリアの豚インフルの症例は倍増(オーストラリア)

豚インフルの国内総数は、僅か1日で倍増し、50人になった。

この死亡する可能性のあるウイルスの25件の新しい症例が、昨日確認された。ビクトリア州とニュー・サウス・ウェールズ州がそれぞれ 10 件、それにクィーンズランド州の5件。

ニュー・サウス・ウェールズ州における最も直近の6件には、日曜日にロサンゼルスからシドニーに到着したQantasのQF12便の乗 客 1人と、P&Oのクルーズ船、Pacific Dawnの5人が含まれている。この船は、月曜日にシドニー港に停泊し、2000人近い乗客を降ろした。

Pacific Dawnから下船した者のうち、少なくとも172人が、この船の到着時に、風邪のような症状を訴えるか、そうした人と接触していた。

ニュー・サウス・ウェールズ州のChief Health Officer(=検疫長)Kerry Chant博士は、昨日のQF12便の乗客の「follow-up(=再検査)」で、もう1人の乗客が豚インフルエンザに罹患していたことが判明したと語った。

「昨日(月曜日)、クルーズ船のPacific Dawnから下船した人の中にも、5件の豚インフルエンザの症例を確認しているところです。」と語った。

「これらの症例のうち1人は船員で、他の4例は乗客です。現在、こうした症例を呈した方はこのクルーズ船にはおらず、全員が隔離されて い ます。」

今朝、更に検査結果が出ることとなっている、と語った。(中略)

172人のPacific Dawnの乗客には、Tamiflu(=タミフル)1回分が無料で提供しており、うち50人の検査結果が、昨夜遅くに出ることとなっていた。

Chant博士は、Federal Government(=連邦政府)は、症状を訴えていない1800人の乗客と連絡を取っており、下船してから7日間は外に出ないことを要請していると話した。

この船は、豚インフルに感染しているいかなる国にも寄港しておらず、乗客の下船後の午後6時(オーストラリア東部標準時間)に、この船 で 豚インフルが確認されたことを当局は連絡を受けたと言って、博士は、乗客が船から下りることを許した決定を擁護した。

Pacific Dawnは、新たな2000人の乗客を乗せてグレート・バリア・リーフに向う別のクルーズを始めている。明日、ホィットサンディー島に到着する。

P&Oの広報担当者は、風邪のような症状を訴えた14人の職員はこの船に乗船しておらず、現在の船員には、Tamiflu(= タ ミフル)が与えられていると話した。

一方、Queensland Health(=クィーンズランド州保健省)は、月曜日に20歳の女性に豚インフルが確認され、クィーンズランド州の2例目となったことから、土曜日に合衆国からブリズベ ンに飛行機でやって来た乗客の追跡を行っているところだ。(NEWS.com.au: May 27, 2009 04:59am)

クルーズ船Pacific Dawnは、豚インフルでケアンズの近くで検疫(オーストラリア)

P&Oのクルーズ船Pacific Dawnは、3人の船員が風邪のような症状を見せたことから、明日、ケアンズの東にあるウィリス島沖で検疫することとなった。

この船員は隔離されており、医療検体が検査のため、ブリズベーンの研究所に送られる。

Pacific Dawnは、予定されていたホィットサンデー島には、寄港しなかった。

このニュースは、保健機関が国内で61人のオーストラリア人が感染し、船上では少なくとも4人以上が感染しているウイルスに対する衛生 活 動のため、今夜から国営テレビで通知を大衆に直接放送する準備をしていた時に入ってきた。

Pacific Dawnで豚インフルが広まっているが、月曜日にシドニーで降りた1800人の乗客が帰宅することを許された後で拡大している。これには風邪の症状を呈する多くの者が含ま れていた。

この船は、ニュー・サウス・ウェールズ州保健省により、予定されていたクィーンズランド州への10泊のクルーズを再び催行することを許 可 された。

今日、ニュー・サウス・ウェールズ州は、ニュー・サウス・ウェールズ州領海に到着する全てのクルーズ船は、船上に豚インフルがいるもの と して取扱うと発表した。

ニュー・サウス・ウェールズ州検疫長のKerry Chantは、如何なる対策を医療当局が採るかは、状況次第だと語った。

「新たな情報があれば、我々の実務に反映させる必要があります。全てのクルーズ船は、船上に豚インフルがいるものとして取扱い、適切な 対 応を致します。」と語った。

「(これには)…我々が豚インフルについて完全に消えたと考えない限り、恐らくは人々を船から降ろさないことも含まれます。」

Chant博士は、現在、クルーズ船で18の感染例が記録されており、それには帰宅を許されたクィーンズランド州の住民も含まれている と 語った。

Federal Health Minister(=連邦保健大臣)のNicola Roxonは、24時間前の31人から倍近くになっていることから、この風邪の取扱件数が、今後、48時間でかなり増えると警告した。

この急激な増加は、カナダ、日本、英国といった国であったことと「consistent(=一致)」すると語った。これらの国では、昨 日 現在で、H1N1株が陽性の検査結果だった者が、それぞれ921人、350人、137人だった。

オーストラリアの豚インフルの症例数の急激な増加で、Roxon女史は、毎日の状況説明を取り止めることとなった。

「簡単に言いますと、変化が急激過ぎるのです。」と語った。

正午現在、ビクトリア州は最も感染者が多く、33人になっており、続いてニュー・サウス・ウェールズ州の18人、クィーンズランド州の 5 人、サウス・オーストラリア州の3人、ウェスタン・オーストラリア州の1人、そしてオーストラリア首都圏の1人となっている。

10日ほど前は、豚インフルの感染者は1人だった。(The Australian: May 27, 2009)

クルーズ船がウイルスで108人発病と報告(米国)

アラスカを旅行中のPrincessのクルーズ船が、日曜日に胃腸病が勃発し、2,000人の乗客のうち108人と船員7人が発病した と報告した。

この船はCoral Princessで、月曜日の正午過ぎにホイッティアに到着した、と州防疫官は語った。

本船、ターミナル地区、更にPrincessのバスは、今晩、新たな乗客を乗せるに先立って洗浄された、と同社広報担当者は語った。

ノロウイルスは、合衆国では通常、毎年、何百万人もの人々が罹患する感染力の高いウイルス。症状の多くは下痢と嘔吐であり、通常、2日 間 続く。クルーズ客船会社、高齢者福祉施設、その他の施設では、大規模な勃発時に連邦政府のCenters for Disease Control(=疾病対策センター)に報告することが義務付けられている。(中略)

これは今年、Coral Princessであった少なくとも2回目の勃発だ。本船では2月にも勃発があり、CDC(=疾病対策予防センター)によると、カリブ海旅行中に252人の乗客が発病した という。(Anchorage Daily News: May 27th, 2009 09:47 PM)

日本の豪華クルーズ船がリガ・フリーポートに到着(リトアニア)

今日の午前10時に、日本の豪華クルーズ船「Asuka II(=飛鳥II)」が、リガのフリーポートに到着した。LETAがリガ市議会から情報を得た。

この船には、日本から来た約780人の観光客が乗船しており、到着後、リガ周遊に出かけることとなっている。

船は長さ241メートルで、合計1,020人の乗客を収容でき、本船の船員は460人。(The Baltic Course: 29.05.2009.)

Carnivalは豚インフルに乗客・船員が感染したことから返金を申し出る(オーストラリア・米国)

5月29日。Carnival Corp.は、豪華船のPacific Dawnで多くの人々が豚インフルに感染したことから、オーストラリアのグレート・バリア・リーフを巡航している乗客に返金する予定だ。

この11層の船での2回の航海で、53人の乗客と船員が、検査でH1N1ウイルスに陽性反応を示した。大半の者は5月25日にシドニー で 下船してから、「mild illness(=病状は軽い)」ものと診断されている、と防疫官は語った。隔離された3人の感染した船員を乗せたPacific Dawnは、未だに航海しており、明日、クィーンズランド州の州都、ブリズベンに到着することとなっている。

この旅行者らの風邪の症例は、キャンベラ、ニュー・サウス・ウェールズ州、クィーンズランド州、サウス・オーストラリア州、ビクトリア 州 でも見つかっている、と同国保健省は今日、電子メールで回答してきた。オーストラリアの豚インフルの感染者数は、昨日の朝から倍増し、 168人に及んでいる。

「弊社では、お望み通りの休暇を過ごせなかったお客様に大変、同情しております。」とCarnival Australiaの最高経営責任者、Ann Sherryは今日、声明文の中で述べた。「弊社では、全ての乗客と船員の健康確保のため、大変慎重な取り組みを致しております。」

声明文によると、マイアミに本拠を置くCarnivalでは、全ての乗客に対して、支払った料金の75パーセントの返金と、将来のク ルー ズで利用できる25パーセント割引を申し出るという。乗客は既に、100オーストラリア・ドル(79ドル)の船上割引を受け取っている。

この行楽客らは、Renzo Pianoが設計した船での10泊旅行に、1,000オーストラリア・ドルから5,000オーストラリア・ドルを支払っており、シドニーからホィットサンデー島、ケアン ズ、ポート・ダグラス、ブリズベンに向かい、シドニーに戻って来ることとなっていた、とCarnival Australiaの広報担当者、Anthony Fiskは語った。(後略)(Bloomberg: May 29, 2009 05:04 EDT)

火災でイタリアのフェリーで避難を余儀なくされる(イタリア)

5月29日、イタリア、パレルモ発。金曜日の早朝、イタリアのパレルモ沖でフェリーの車輌甲板から出火し、526人の乗客の全員は安全 にフェリーから避難した。

別のフェリーと、沿岸警備隊の艦船1隻が乗客の全員を救助した。一方、船員の多くは、消防士の応援のため船に残った、とイタリアの通信 社 ANSAは報じた。

妊婦を含む5人がショックのため病院に搬送されたが、怪我をした者はいなかった。

ANSAは、ナポリからシチリア島のパレルモに向っていたVincenzo Florio della Tirreniaでの火災は、乗客が就寝中に発生したと伝えている。

「午前4時頃に起こされて、火事なので甲板に出るように言われたんです。」と乗客のSergio Frisciaは話した。「あたり一面煙が立ち込めていて、呼吸困難でした。それで船長は、全員に救命艇に乗るよう命じたのです。」

ロンドンの火災の専門家が、火災原因を調べるため、イタリアに飛行機で向っている。消防士はフェリーが輸送していた車輌の1台から火事 が 起きたかもしれないと話している。(United Press International: May 29, 2009 at 11:04 AM)

もう1人のタイ人女性がH1N1インフルエンザ・ウイルスと診断(タイ)

5月30日、バンコク発。Permanent Secretary for Public Health(=公衆衛生省事務次官)のPraj Boonyawongvirot博士によると、今週初めに合衆国とカナダから帰国した52歳のタイ人女性が、潜在的に致死性のあるインフルエンザA型(H1N1)に感染し ていたことが判明したという。

Praj博士は、この犠牲者は、5月13日に息子と他に8人と共に合衆国とカナダに行ったと語った。アラスカで豪華クルーズ定期船に乗 船 し、その船で8泊過ごしたという。

この一行は、火曜日にバンコクに帰って来たという。翌日、女性は熱と喉の痛みを訴え、バンコク市内の病院で医師の診察を受け、この病気 に 感染していたことが判明した。

この女性は、メキシコでこの病気が勃発した後の、タイにおけるインフルエンザA型ウイルスの3人目の犠牲者となったが、医師から抗ウイ ル ス薬のTamiflu(=タミフル)を処方され、現在は回復しつつある、とPraj博士は語った。

一方、バンコク副市長のMalinee Sukvejvorakij博士は、Bangkok Metropolitan Administration(=バンコク首都市役所)は、この女性が治療のために病院に搬送されてきた当初から、Ministry of Public Health(=公衆衛生省)と協力して、女性に対処していると語った。

この患者は、今は奥地にある自宅に戻っている、とMalinee博士は語った。(Thai News Agency MCOT: 16:15:06 30 May 2009 (GMT+7:00))

Hawaii Superferryは破産の申立て(米国)

ホノルル発。ハワイ最初の島嶼間の旅客・カーフェリーを運航していた会社が、州最高裁の判決により事実上廃業に追い込まれ、2ヵ月後に 破産の申立てを行った。

Hawaii Superferryから出された声明文によると、収益を上げていないことから、2隻の船の維持費が同社の重荷になったという。

このフェリー会社は世界中で傭船の機会を模索してきたが、そうした努力は同社の金融債務の返済には間に合わない結果となった。

Hawaii Superferryは、Chapter 11(=連邦破産法第11章)の破産申立ては、不可避の次の段階だったと話している。

The Hawaii Supreme Court(=ハワイ州最高裁判所)は3月16日、環境調査を実施している間に同社の運航を許す州法は違憲であると判決した。同裁判所は、まず調査が完了している必要があ ると述べた。(The Associated Press: May 30, 2009)

オーストラリア軍は日本のシドニー港攻撃を忘れない(オーストラリア・日本)

今朝、第二次世界大戦中にあったシドニー港攻撃67周年を記念する慰霊祭が、オーストラリアで執り行われる。

1942年6月1日、3隻の日本の小型潜水艇がHMAS Kuttabulを撃沈し、21人が死亡した。

この攻撃の生き残りの他、Minister for Veterans Affairs(=退役軍人省大臣)のAlan Griffiths、英国、米国、日本の代表者が、ガーデン島での花輪献呈式に出席する。(Radio Australia News: Sun, 31 May 2009 09:39:00 +1000)

一風変わった海賊映画(米国)

ソマリアの海賊に拉致されたアメリカ船の船長であるRichard Phillipsの現実の外洋での冒険物語が、ハリウッドで取り上げられそうだ、とReutersが報じた。船員を救うために海賊に投降した貨物船、Maersk Alabamaの船長、Phillips氏(53)の話の映画化権を、Columbia Picturesが取得したという。狙撃兵が海賊のうち3人を射殺した海軍による劇的な救出までの5日間、船長は拘束された。(New York Times: May 31, 2009)

Titanic:Millvina Deanは船上の最も幼い乗客だった(英国)

Millvina Deanは、Titanicに乗船していた最も幼い乗客だった。この定期船が沈没したとき、生後僅か9週間だった。

家族はアメリカのカンザス州に移民して、そこで父親のBertramは、タバコ屋を開業する予定だった。

ところが父親は1912年の惨事で、1,500人の人々と共に死亡し、残りの家族であるDeanさん、母親のGeorgetta、兄の Bertramは、イングランドに戻った。

愛好家のウェブサイト、Encyclopedia Titanica (ET)によると、旅行中、本国の乗客らは、こんなに小さな子供が助かったことに驚き、彼女を抱きしめるために列を成したという。

1912年2月2日生まれで、本名はElizabeth Gladys Deanだったが、Millvinaとして知られていた。

サウサンプトンのThe Gregg Schoolに進学し、8歳のときにTitanicに乗船していたことを聞かされた、とETは書いている。

Deanさんは第二次世界大戦中、地図製作者として政府のために働き、その後、工学技術会社で働いた。

このTitanicの生き残りがドキュメンタリーに関わり、メディアのインタビューに答えるようになったのは、晩年のことだった。

記者らには、1985年にこの難破船の残骸が発見され、突然、有名人になったと答えている。

1997年、父親の不運な航海を完結させるために、QE2でアメリカに渡る航海に招待され、勇敢にもそれを果たしている。

それ以外の経験は、A Night to Remember(=タイタニックの最期)という惨事についての映画を見るという悪夢に直面するなど、あまり愉快なものではなかった。

雑誌のPick Me Upに、その映画を見たとき、父親のことを思って涙を堪えたと話している。

後にDeanさんは、余りにも動揺するとして、映画Titanicの初公開の出席を断っている。

しかしアメリカを含め、集会では人気者の来賓であり、British Titanic Society(=英国タイタニック協会)の Honorary President(=名誉会長)を務めていた。

サウサンプトンの高齢者福祉施設、Woodlands Ridgeで、晩年を送った。(Telegraph.co.uk: 9:36PM BST 31 May 2009)