2014年11月
2014年11月の海外旅客船情報
クルーズ船「Marco Polo」がノルウェー海岸沖で座礁(ノルウェー・英国)
デンマーク、コペンハーゲン発。数ヶ月前にノルウェー北部で座礁したバハマ船籍のクルーズ定期船が、土曜日に係留していた埠頭が見える ところでまた座礁した。
ノルウェーの救助隊は、クルーズ船「Marco Polo(=マルコ・ポーロ、注、イタリアの旅行家)」から乗客が離れることを許されていると話している。土曜日の朝にローフォテン諸島で座礁した際には、1000人以上 を乗せていた。
ノルウェーの水先案内人が「Marco Polo」には乗船しており、一方、2隻の曳船がこの船を右舷から押して離礁させようと試みていた。ノルウェーの沿岸警備隊の艦船も支援のために到着した。救助隊は、怪我 人はなく、船の損傷も見つかっていないと話している。
「Marco Polo」は、英国に本拠を置くCruise & Maritime Voyagesが傭船したもので、座礁当時、ノルウェーのフィヨルドに沿ってクルーズしていた。乗客は主として英国から来たものだが、船員の国籍は直ちには判らなかった、 と救助隊は話した。乗客は、予定された陸上での観光に参加するため、このクルーズ船から下船した。
住民のKarl Roger Johnsenは、ノルウェーの放送局NRKに対し、この船は埠頭に行く途中で、岩の多い海岸に接近して航海することを一か八か遣ってみたのだと思うと語った。
ノルウェーのメディアによると、この同じ定期船は、3月に近くの群島でも一時的に座礁したという。事故原因は、不明のままになってい る。(Washington Times: Saturday, November 1, 2014)
クルーズ船の事故で乗客はグランド・バハマ島に1日足止め(バハマ・米国)
11月2日、バハマ、グランド・バハマ島発。バハマのCelebrationのクルーズ船が、金曜日にフロリダ州沖の未知の物体に突っ 込み、960人の乗客は余計に1日、グランド・バハマ島に足止めとなった。
このクルーズ船は、土曜日の朝、島からパーム・ビーチ港に行楽客を連れて来る見込みだったが、金曜日の午後9時頃、船が海中の何かと衝 突して、引き返すことを余儀なくされた。
乗客には救命胴衣が配布されて、島に連れ戻され、そこのリゾートに宿泊した。怪我人は報告されていない。
「乗客は、如何なる危険な状況にも置かれたことはなく、全ては系統だった効果的な方法で扱われております。」と、このクルーズ客船会社 の新聞発表にはあった。
Bimini SuperFastというフェリーは、土曜日の晩、島からマイアミに乗客を輸送していた。(UPI.com: Nov. 2, 2014 at 5:51 PM)
Concordia:行方不明のウェイターの遺体が見つかる(イタリア)
イタリアのメディアの報道によると、行方不明になっていたウェイターの遺体が、Costa Concordiaの残骸の中から発見されたという。
インド出身33歳のRussel Rebelloの遺体は、同船の第8甲板の船室内で発見された、とAnsaは報じた。
遺体は、伝えられるところによると、難破時にひっくり返った家具の裏に隠れていたというが、ジェノバに本拠を置くSaipem-San Giorgio共同事業体のShip Recyclingの作業員らによって発見された、と同通信社は伝えた。
Rebelloは、2012年1月にトスカーナ州ジリオ島の沖で、船が沈没した際に死亡した32人のうちの1人。
ミラノで暮らす弟のKevinは、La Repubblica紙とのインタビューで、遺体の発見は、今朝、知らされたと話した。
「母に電話しました。母は泣き出しました。」と話した。
この難破船は解体のため、7月中旬にジェノバに運ばれた。8月始めに、サルベージ作業員が、Rebelloの捜索中に難破船の内部で骨 片を発見していた。
10月、この遺骸がRebelloのものか、昨年10月に頭部のない遺体が収容されたシシリー島の乗客、Maria Grazia Trecharichiのものかを決定するための分析が行われた。
本船の船長であるFrancesco Schettinoは、過失致死罪、難破させて、全ての乗客が避難する前に船を遺棄した罪で公判中だ。(The Local.it: 03 Nov 2014 14:50 GMT+01:00)
Kenya Ferry Services、2隻の新船購入へ(ケニア)
11月3日、ケニア、モンバサ発。Kenya Ferry Servicesは、先週の一般入札に引き続いて、2隻の新しいフェリー購入手続きを開始した。
同社は2014年9月4日に、2隻の新しい旅客・車両フェリーの設計、建造、供給、試運転について、企業に封印入札を案内した。
リコニのペレレザの同社本店で手続きが開始されたことについて、Kenya Ferry Services Procurement Manager(=調達責任者)Jenifer Cirindiは、次のように話した。
「反応は良いもので、弊社では調達チームが規定時間内にこの手続きについて資金を調達できるものと考えています。」(中略)
契約は年内に裁定されるものと見られ、新しいフェリーの引渡しは、2016年半ばまでになされる。
Kenya Ferry Servicesは、政府によって1989年に設立され、島とモンバサ南部の本土とを結ぶ極めて重要な役割を果たしてきた。Nyali、Mtwapa Kilifi、Sabakiの橋によって結ばれているモンバサの北側とは違って、南部海岸はフェリーに依存している。
フェリーの運航は、政府の社会的義務として、旅客は無料、自動車運転者は最小限の料金を支払うものとして運営されている。 (Capital FM Kenya: November 3, 2014)
CMVはCostaの船を取得(英国)
英国に本拠を置くCruise & Maritime Voyages (CMV)は、Carnivalグループからクルーズ船1隻を傭船して、その船隊を急騰させている。
同社は、2015年春にCosta Cruisesから46,000総トンのGrand Holiday(1985年建造)を導入する取引を発表した。
Magellanに改名し、CMV船隊の「proud new flagship(=誇りとする新たなフラグシップ)」として、1,250人の人々を乗せることとなる、と付け加えた。
同社は、既に他に3隻保有している。(後略)(TradeWinds: 04 November 2014, 08:05 GMT)
クルーズ船の救命艇の事故で、船員1人死亡、1人入院(米国)
Princess Cruisesのクルーズ船で救命艇の事故があり、船員1人が死亡、もう1人は入院した。
事故は10月24日金曜日にCoral Princessで起きたことを、客船会社は声明文において確認した。2人の船員が、船体上で保守作業を行うために救命艇に乗って下に降ろされていた。この救命艇を同船の 定位置に戻そうと引き上げた際にケーブルが壊れ、2人の船員が内部にいたままの状態で、救命艇は海に転落した。
救助作業が行われ、2人の船員は治療のために陸上の病院に搬送され、そこで1人の船員が怪我のために最終的には死亡した。
声明文において、客船会社は次のように述べている。「これは、Princess Cruisesという組織全体の全員に衝撃を与えています。弊社は、この困難な時にあるご遺族を支援し、支援し続けて参ります。」
Coral Princessは、船員を救命艇に乗せて上下する際に死亡事故を起こした唯一の船ではない。
2013年2月、スペインのカナリア諸島で防災訓練の際に、Thomson Majestyの救命艇の1隻が海に転落し、5人の船員が死亡し、3人が怪我をしている。(Cruise Critic: November 4, 2014)
SNCM、破産手続きへ(フランス)
問題を抱えたフランスのro-paxグループのSNCMは、破産申請を行うが、買手を探す間は運航を継続すると話した。この赤字垂れ流 しの船主は、債権者に対する支払いを一時停止しており、火曜日に裁判所に申請すると声明文において述べた。
裁判所による保護は、European Union(=ヨーロッパ連合)に対して違法な国庫補助金の4億4000万ユーロ(5億5100万ドル)を返金しないが、8隻からなる船隊を徐々に売却することになり得る ものであり、マルセイユからの主要な国庫補助航路を除いて、航路を閉鎖することも意味することとなる。
北アフリカへの2航路も助かるかもしれないが、ニースやツーロンから、コルシカ島やサルディニア島に行く他の航路は、恐らくは廃止にな る。
同社の労働組合は、裁判所による保護を求める動きに対して戦ってきたが、ストライキ(注、同盟罷業)に出る差し迫った計画はないと述べ た。
「確かにその他の行動や反応をすることにはなりますが、現時点では、我々はストライキを考えていません。」とCFE-CGC労働組合委 員長のMaurice PerrinはReuters(=ロイター通信)に話した。
この会社は、Veoliaと、国が後援している銀行であるフランスのCDCの合弁事業であるTransdevに支配されている。
先週、破産申請を促されているSNCMに対する融資を、Transdevが求められていると報道された。SNCMは、国からの小口融資 の外、Transdevから1億300万ユーロ、Veoliaから1400万ユーロの融資を受けている、とReutersは報じた。経営 陣は以前、新たな運航では現在の1,900人より少ない、800人から1,200人を雇用することが可能だと話していた。
ノルウェーの投資家であるKristian SiemのSiem Shippingは、同社を買うと今年の初めに話していたが、この取引は実現していない。その後、メキシコのBaja Ferriesが、可能性のある買収を巡って交渉している。(TradeWinds: 04 November 2014, 10:52 GMT)
タンザニアの運輸省は新しい旅客船受領へ(タンザニア・バングラデシュ)
バングラデシュの造船会社、Western Marine Shipyardは、新しいアルミニウム船体の双胴型旅客船をタンザニアに輸送した。
この新造のMV Dar Es Salaamは、輸送のため別の重量輸送母船に載せられた。
300人の旅客を輸送する能力を有する本船は、タンザニアのMinistry of Transportation(=運輸省)により、同国の内陸水路で運航されることになる。
この造船会社は、デンマークの会社JGH Marineから、この船の建造契約を受注した。
長さ38メートルの船は、20ノットの速力で運航する能力がある。対になった船体があるので、こうした双胴船型の船舶は安全に航海で き、他の船型の船舶よりも遥かに安定性があると言われている、とWestern Marineは述べた。
この造船所は、2013年9月にこの船の建造を開始し、同事業の費用は2億5000万バングラデシュ・タカ(310万ドル)だった。
タンザニアの代表団がWestern Marine Shipyardを訪問した際、chairman(=会長)のSaiful Islamは、アフリカはバングラデシュの造船業にとっては大きな市場だと述べた。
これに先立ち、同社はChittagong Boat Club向けに同種の双胴船を建造しており、現在は、ケニア向けのオフショア警備艇を建造中で、2016年に引き渡す見込み。(Ship Technology: 5 November 2014)
SAL Heavy Lift GmbH、ミャンマーのヤンゴンで運航する3隻のフェリーを輸送(ミャンマー・日本)
“K” Line(=川崎汽船)の100%子会社で、ドイツに本拠を置く重量物運搬海運会社であるSAL Heavy Lift GmbH (SAL)は、Official Development Assistance(=政府開発援助)(ODA)の財政援助の下、3隻の新造フェリーを輸送した、と同社は新聞発表で述べた。
ヤンゴンでは、ヤンゴン中央部とヤンゴン川が横切るダラ地域との間の航路で、フェリーは最大搭載人員以上の乗客を輸送してきた。そし て、現在運航中のそうしたフェリーは、大変長期間運航して来たために損傷している。それ故に、これらフェリーは新しいものと代替する必要 があった。新造のフェリー(それぞれ長さ270メートル)は、広島県江田島にあるNakatani Shipbuilding Co., Ltd.(=中谷造船株式会社)で建造された。10月中旬に、SALのM/V PAULA(クレーンの合計能力700メガトン)が、広島でこの3隻のフェリーを積み込み、10月31日に、ヤンゴンでこのフェリーの陸揚げ作業を完了した。
この新しいフェリーの就航でヤンゴン市民の輸送環境の質が大幅に改善されると共に、ヤンゴンの河川輸送の安全性も大幅に改善されるもの と期待されている。
ミャンマーは最近、「post-China(=中国後)」として注目を集めており、日本政府は、Thilawa Industrial Park(シラワ工業団地)の開発に関しミャンマーに協力しており、日本企業はミャンマーでの業務を開始している。(PortNews IAA: 2014 November 5 14:33)
MHI、クルーズ船の遅延で苦しみ続く(日本・ドイツ)
東京発。日本の造船業者、Mitsubishi Heavy Industries(=三菱重工業)(MHI)は、同社のクルーズ船事業が、2隻の豪華クルーズ船建造の遅延のために、今年の第2四半期において3億6400万ドルとい う巨額の損失を出したと発表した。
2011年11月にMHIは、ドイツのAIDA Cruises向けの2隻の大型クルーズ船の建造を受注したが、建造と設計の困難さにより同事業に遅延が生じ、多額の追加費用が生じることとなった。
同社は、1番船の建造予定を改訂することを強いられ、引渡日は2015年の第1四半期から2015年9月に遅れ、2016年に竣工する ものと見られている2番船の工事予定の遅延も引き起こすこととなった。
MHIのクルーズ船建造への問題を抱えた復帰により、AIDAのこの2隻の後、同部門を止めることとなるとの推測が生まれている。 (Asia Cruise News: 05/11/14)
フェリー部門は費用の高騰と需要の減少に苦しむ(ギリシャ)
Foundation for Economic and Industrial Research(注、「経済産業調査財団」の意) (IOBE) が火曜日にピレウスで公開した調査報告によると、近年、深刻な財政問題に各企業が直面していることから、ギリシャの沿岸海運は危険状態にあるという。
日刊紙のKathimerini紙によると、この調査報告は、同部門が経済にかなり貢献していることも示しており、2013年には15 億ユーロと見積もられ、21,400人の雇用を占めており、これには同業界企業の5,000人近い事務職が含まれている。観光業の成長 と、離島の第一次産業と第二次産業を支えるギリシャ経済において、沿岸海運の間接的影響は非常に大きなものがある。というのは、沿岸海運 の貢献総額は、昨年の同国のGDP(=国内総生産)において8.5パーセント、154億ユーロに達しているためだ。
経済危機は、近年累積している財政問題を生み出しており、最大の沿岸海運会社でさえも、深刻な脅威となっている。このIOBEの報告書 は、2010年以来、持続的な船便は、ギリシャにおいて持続的に衰退していることを示している。2009年から2012年までに、旅客総 数は、年間1680万人から1280万人に落ち込んでおり、この3年間で24パーセント落ち込んでいる。同様に船積みされた自家用車数 は、29パーセント減の170万台になり、トラックも20パーセント減少して、618,000台に減少している。
需要の落ち込みと並んで、運航費用は、近年の燃料価格の持続的な上昇により急騰しており、沿岸海運会社の損失を産み出している。
目下のところ、同部門は深刻なキャッシュ・フロー問題(=資金難)を抱えており、同時に債権者は、融資に圧力を加えている。この IOBEの報告書は、人数を減らしてより質の高い職員を使うことにより、あるいは定期航路においてフェリーを義務的に傭船することを減ら して、フェリー運航の費用を直ちに引き下げる必要があることを強調している。(Greek Reporter: Nov 5, 2014)
聖戦者は「クルーズ船を使って」中東の交戦地帯に到着(イラク・シリア・トルコ)
ジハーディスト(注、聖戦者)になりたい者は、中東の紛争地域に到着するためにクルーズ船に乗って旅行をしている、と Interpol(=国際刑事警察機構)は話した。
国際刑事警察機構は、イラクとシリアの過激派組織に加わろうとした者の中で、トルコを含む国々にたどり着くためにクルーズ定期船を利用 している者がいると語った。この問題がより大きな問題になる前に、乗客名簿の照合を航空会社からクルーズ船運航事業者にまで拡大すべきだ と語った。この方法で何人の過激派が旅行したのかについての数字は、表には出ていない。
国際刑事警察機構を退職することになっている局長のRonald Nobleからモナコで話を聞いたところ、諸国は空港を利用する全ての乗客を照合すべきであり、「and, more and more, cruise lines(=更に、クルーズ客船会社をどんどん)」調べるべきだと語った。
トルコ当局者は、ここ数ヶ月間に空港やバス停留所で数百人の疑わしい外国人聖戦者を捕らえて国外追放している、と話している。
国際刑事警察機構のdirector of counterterrorism(=反テロリズム責任者)であるPierre St Hilaireは、AP通信社に対し、これにより戦闘員になろうとする者は、国外追放を避けるために努力して、代替的な旅行を手配をするようになったと話した。
「現在、空港ではより綿密に監視されていることを連中は知っているので、そうした地域に向うためにクルーズ船を利用しているのです。」 と話した。
この地域の港に定期寄港していることから、戦闘員になろうとする者は気付かれないように下船し、保安当局に追跡されずにシリアかイラク へ旅をすることが可能になっている。
「とりわけヨーロッパの特定人が、この種の活動に加わるために、主に(トルコの沿岸の町である)イズミットやその他の土地に旅行してい る証拠があるのです。」とSt Hilaire氏は話した。
国際刑事警察機構関係者は、過激派のクルーズ船利用は、ほんの「past three months or so(=過去3ヶ月間かそこら)」の間に表面化したと話した。
最近のUnited Nations(=国際連合)の報告では、Islamic State(=イスラム国) (IS)やその他のシリアやイラクの過激派グループと共に戦っている80ヵ国以上から来た15,000人の外国人聖戦者がいると見積もっている。
「連中の旅行を防ぎ、連中の身元を明らかにするため、この地域間や国家安全保障当局間で、幅広い情報の共有化が必要とされているので す。」とSt Hilaire氏は語った。(BBC News: 6 November 2014 Last updated at 21:40)
OW Bunkerが破産申請(デンマーク・シンガポール)
世界最大の舶用燃料供給者であるOW Bunkerは、デンマーク北部のオールボルグの遺言検認裁判所に対して、できるだけ早く破産申請を行うと話した。
木曜日、OW Bunkerは、シンガポールの子会社で、上級従業員による詐欺が発覚したと話していた。
「内部調査結果、シンガポールに本拠を置く子会社、Dynamic Oil Tradingの鍵を握る2人の従業員を公表することに決定した、と同社は声明文において述べていた。(MarineLink.com: Friday, November 07, 2014, 1:37 PM)
行方不明のノバ・スコシア州の男性はニューファンドランド州行きのフェリーから投身:警察(カナダ)
ハリファックス発。2週間近く行方不明になっている71歳の男性は、ニューファンドランド州に向うフェリーから船外に投身したものと考 えられている、と警察は土曜日に話した。
警察は、James Cuthbertは10月26日にノバ・スコシア州ノース・シドニーでフェリーに乗船したが、ニューファンドランド州ポルトー・バスクで下船しなかったと話した。
Staff Sgt.(=曹長)のReid McCoombsは、犯罪行為は疑われておらず、警察は捜索を終了したと話した。
「男性は船外に投身したものと考えています。」と語った。「ビデオに乗船しているのが写っておりますが、この船からは下船しなかったの です。」
Cuthbertの乗用車は、木曜日にケープ・ブレトン島フェリー・ターミナルの近くで見つかっており、警察がビデオ映像を見て、この 船の夜間便に乗船したものと考えるに至った。
Marine AtlanticのDarrell Mercerは、同社は警察に、乗船名簿の他、大量の監視カメラ映像を提供していると話した。どんな録画映像を見せたのかは、話そうとはしなかった。
「弊社では、本船上におけるかなりの量の監視映像を保有しており、警察の捜査のために提供いたしました。」と話した。
Cuthbertは、10月26日の朝、ハリファックス郊外の自宅で、家族に目撃されていたのが最後だった。(CTV News: Saturday, November 8, 2014 4:21PM EST)
クルーズ船、地元世帯に家具を寄付(米国)
クルーズ船Seabourn Questは、最近、チャールストン港に寄港し、寄港中にラウンジのスツール(注、肘掛のない椅子)、テーブル、チェアー(注、肘掛のある椅子)等615点の家具を、 Mount Pleasant Habitat for Humanity(注、「マウント・プレザント博愛居住地」の意)に寄付した。
この家具は、この共同体における恵まれない市民向けの、お手頃価格の住宅の備え付け家具として、将来、使用されることになる。 (Moultrie News: Sunday, November 9, 2014)
フェリーがドーバー港の岸壁に衝突して4人怪我(英国)
海峡横断フェリーがドーバーを出発する際に、岸壁に衝突して4人が怪我をした。
Dover Seawaysという船は、グリニッジ標準時間8時にダンケルクに出発した際、埠頭に突っ込んだ。乗客と船員は避難した。
Paramedics(=救急医療隊員)は、「bumps and bruises(=瘤と打撲)」で4人を病院に搬送したと話した。このフェリー会社の広報担当者(注、女性)は、次のように話した。
「乗客の安全が、弊社にとって最も重要であることを強調したいと思います。」「弊社は事故に巻き込まれた方に支援すべく、全ての乗客と 関係当局に全力を尽くしているところです。」と付け加えた。このフェリーは現在、修理のために検証中だという。
Port of Dover(=ドーバー港)では、このDFDS Seawaysのフェリーは、現在はEastern Docks(=東埠頭)に安全に係留していると話した。(後略)(BBC News: 9 November 2014 Last updated at 13:56)
STX Dalianは10,000人の従業員を一時解雇へ(中国・韓国)
大連(ターリエン)発。朝鮮(注、韓国)のSTX Corporationの破産した子会社造船所STX Dalian Groupは、今月末に約10,000人の従業員を一時解雇する。
内部での通知によると、同造船所は今月、従業員に支払義務のある保険料を弁済し、一方、未払いになっている全ての賃金と住宅建設資金 は、2015年6月まで従業員には支払わないという。
STX Dalianは2013年4月に操業を中断したが、従業員の大半はこの造船所と未だに契約を結んでいる。
Dalian Intermediate People’s Court(=大連仲裁人民裁判所)は、同造船所の再編を処理しているところだ。近時の債権者集会では、同造船所は、未払いの賃金、住宅建設資金が、総額で4億8000万 人民元であることが明らかにされた。同造船所の債務の総額は、約200億人民元になる。(SinoShip News: 10/11/14)
クルーズ船から悲惨にも転落した女子生徒の父親が自殺(アイルランド)
クルーズ船から悲惨にも転落して死亡したダブリンの女子生徒の父親が自殺した。審問が行われた。
ダブリン南部のテレニュアのBushy Park HouseのPaul O’Brien (49)が、昨年の7月8日にDublin 10のClondalkin Industrial Estate(注、工業団地)内で共同所有している工場で発見された。Tallaght Hospital(注、病院)に到着次第、死亡が宣言された。
O’Brien氏は、2006年1月にカリブ海に家族旅行に出掛け、フロリダ州フォート・ローダーデールから出港したクルーズ船 Costa Magicaから転落して死亡したLynsey O’Brien (15) の父親だった。
死亡前の数時間、Lynseyは友人と少なくとも10杯のアルコール飲料を飲んでいた。両親は友人グループと夕食を摂っており、娘が酒 場にいることは知らなかった。
夕食後に娘を見つけ、直ちに上級仕官に抗議し、娘を船室に連れて行った。両親が隣の船室に引き下がるや、この娘は船外に転落した。遺体 が収容されることはなかった。
この娘の死後、O’Brien氏はクルーズ船の安全性の向上を求めて活動していた。
Dublin Coroner’s Court(=ダブリン検視法廷)において、この父親の死についての審問が行われ、若い時に双極性障害(注、躁鬱病)と診断されたことがあるが、22歳の時から感情を抑え てきたことが明らかになった。しかし妻のSandra O’Brienは、Lynseyの死後、夫は精神的健康に苦しんできたと話し、St Patrick’s Hospital(注、病院)に7ヶ月間入院していたこともあると語った。
「Lynseyの死後、夫は何度も自殺を試みました。今回が10回目です。普段から自殺を試みる意思があることを誰かに話していました が、今回は話しませんでした。」と語った。
O’Brien氏は、娘のKelley O’Brienに発見された。娘は近所の体育館に助けを求めて走って行き、救急医療隊員が到着するまで、多くの人々が助けに来て、CPR(=心肺機能蘇生)を行った。終 始、無反応のままであり、Tallaght Hospital(注、病院)に到着するや、死亡が宣言された。
毒物報告書によると、体内から処方薬剤の他、少量のアルコールが検出された。
Coroner(=検視官)のDr Brian Farrellは、自殺によるものと裁決した。(Irish Times: Mon, Nov 10, 2014, 17:22)
Sewolの船長は懲役36年、殺人罪は無罪(韓国)
11月11日、光州(クァンジュ)発。火曜日、地方裁判所は沈没したフェリーSewolの船長に、この死者の出た沈没時に乗客を遺棄し たとして、懲役36年の刑を言い渡した。
しかしLee Joon-seokは、この不運な船が4月16日に南朝鮮(注、韓国)南部海岸沖で沈没した際に、304人の乗客をを見捨てて、真っ先に救助されて乗客を殺害した容疑につ いては無罪となった。
南部の都市にあるGwangju District Court(=光州地方裁判所)は、この68歳の船長に対し、大半が修学旅行中の高校生である乗客を船内に閉じ込めたまま自船を遺棄する等したことについて、重過失と任務 懈怠で有罪判決を下した。
「Lee船長は、警備艇が現場に到着しようとしていた際に、二等航海士に対し、乗客に本船から降りるよう話すよう命じた。」とLim Jung-yeob判事は判決文において述べた。「検察側が提出した証拠だけを根拠に、本件船長の行為が乗客の死を最終的に導くもので あったと結論付けることは困難である。」
Leeに対して死刑を求刑していた検察側は、直ちに上訴すると述べた。
同じ判決において、光州地方裁判所は、姓がParkとだけ判明している同船の機関長に対して、殺人罪で有罪であるとして、懲役30年の 刑を言い渡した。13人の他の船員に対しては、刑期が5年から20年までの範囲で言い渡され、この中には、遺棄罪と船舶安全法違反で起訴 された姓がSohnである一等機関士が含まれている。
検察側は、船長と船員が沈没しつつあるフェリーから急いで離れた際に、犠牲者らにその場に留まるように言い渡したと言って、Leeと 14人の船員に主として責任があると主張していた。
出廷した遺族らは、殺人罪が無罪とされたことに対して怒り狂う反応を示した。
「非常に多くの子供たちが死んだのです。」と遺族の1人は法廷内で叫んだ。「これが私たちの子供たちの命の代償なのですか。」
Leeは、殺人罪で死刑判決を受ける可能性が高いと見られていた。裁判所は時折、死刑判決を下すものの、国内では1997年以来、死刑 を執行したことはない。
判決は、政府が内部の崩壊と海上状況の悪化に言及し、9人の乗客が未だに行方不明となっている沈没船の7ヶ月近い捜索を終了して、ほん の数時間後に下された。
6,825トンのフェリーSewolは、南部の行楽地、済州(=チェジュ)島に向う途中、南西の珍島(=ジンド)の港近くの海域で沈没 した。大半が校外学習旅行中の十代の学生である合計295人の死亡が確認され、9人が行方不明のままとなっている。(Yonhap News: 2014/11/11 17:50)
Tallinkの新社長(エストニア)
バルト海のro-roグループであるTallinkは、新しいchief executive officer(=最高経営責任者)にJanek Stalmeisterを任命し、1月から舵を取ることになる。18年間その地位にあり、辞任したEnn Pantの跡を引き継ぐ。
Stalmeisterは1999年以来、Tallinkと共に過ごしてきており、financial advisor(=財務顧問)、treasurer and financial director(=会計・財務担当取締役)として同社に仕えてきた。2009年以降、取締役会の一員となり、chief financial officer(=最高財務責任者)をしていた。(中略)
Enn Pantの最近の辞任は、Tallinkから一般に手を引くことを意味するものではない。supervisory board(=監督会議)の一員として、事業戦略の発展に参加し続けることとなる。
1996年にTallinkに加わる前は、Pantはエストニア財務省のgeneral secretary(=総書記)だった。(TradeWinds: 11 November 2014, 15:28 GMT)
StenaとMann Linesはバルト海航路で協力(スウェーデン・英国)
スウェーデンのフェリー運航事業者のStena Lineと、英国の物流会社のMann Linesは、北海とバルト海地方に集中している航路で協力することとなった。
Stenaによると、この協力は11月1日に始まっており、この提携は次の3つの構成要素から成り立つものだという。つまりMann Lineの船舶におけるStena Lineの固定スペース・チャーター、Mann LinesがStenaの航路網での販売代理店として行動すること、そしてStenaがRoRo船のStena ForetellerをMann Linesにチャーター(=傭船)することからなっている。
Stena Foretellerは2015年1月にMannと共同して運航を開始する、と同社は付け加えた。
「Mann Linesは、弊社が強くない事業分野と物流における優秀なプレーヤー(注、企業)です。」とStena Lineのbusiness development manager(=事業開発支配人)のAnders Petersonは話した。「Stena Lineは、その他の地域で補完しています。」
Mann Linesは現在、ロッテルダムとバルト海諸国間のコンテナー便に加えて、ハリッジ、クックスハーフェン、タリン、トゥルク、そしてブレマーハーフェン各港の間の定期 RoRo便を行っている。更に、内陸での物流も提供している。
「弊社では、この協力の成果を見るのを本当に楽しみにしております。というのは、現在及び将来可能性のある顧客の双方にとって、大変に 有益なものであり、両社に流入する貨物が増加することになるからです。」とMann Linesのmanaging director(=常務取締役)のBill Binksは語った。
「Stena Lineは、ベネルクス諸国を出入りする貨物流入に関し、弊社にとって協力するに完璧な提携者であります。」
Stenaは9月初旬に、英国―オランダ航路の1つに3隻目のRoRo船を加える旨の発表もしていた。(Ship & Bunker: Wednesday November 12, 2014)
キューバは今から2015年4月までの間に200隻以上のクルーズ船を予想(キューバ)
キューバは、今月から2015年4月まで続く冬シーズンの間に、本島(注、キューバ)の様々な港湾に、200隻以上のクルーズ船が到来 するものと予想している、と観光部門の当局者が木曜日に話した。
Cubaturという旅行代理店が提供する資料と、キューバのテレビ局の報道によると、当シーズンは、大半がヨーロッパ人の約 2,000人のクルーズ船客がハバナ港に到着して、正式には11月21日に始まるという。
当シーズンに到着するクルーズ船の75パーセント以上を計上している国営通信社は、大半の乗客が入国する港は、ハバナ、本島中央部にあ るシエンフェゴス、そして東部のサンチャゴ・デ・クーパだと付け加えた。
クルーズ船観光は、文化、自然、健康、沿岸、ゴルフ旅行と並んで、キューバが観光客に提供するものを多様化させようとしている主要領域 の1つ。
本島へのクルーズ船の到来は、89パーセント急落して2006年に始まったが、この年、スペインの会社、Pullmanturが、合衆 国の会社であるRoyal Caribbean Cruisesに買収されて、キューバでの営業を停止したのだった。
この部門は、その後数年間は事実上、休眠状態のままだったが、2009年に上向き始め、2010年に10,000人余のクルーズ客が到 来して、新たな急騰を経験した。
近年、キューバ政府は、この部門を活性化させるため、国際企業と安定的な運営を確立している。
観光業はキューバにおいて第2の経済活動であり、技術や専門的なサービスの輸出に次ぐものとなっている。
2013年、本島は約285万人の外国人観光客を歓迎した。カナダが主たる送り込み国で、連合王国(注、英国)とドイツがこれに続い た。(Fox News Latino: Published November 13, 2014)
ドーバーのフェリー客はカレーのストライキによる混乱に直面(英国・フランス)
フェリー運航事業者は、フランスで争議行為がある見込みであることから、ドーバーとカレー間を旅行する乗客が金曜日に遅延することが予 想されると警告している。
P&0 Ferriesは日帰り客に対し、3つの労働組合に所属する職員らがリールで雇用の将来について集会を開くことから、別の日に予約し直すことを検討するよう勧めている。
カレー港が何がしかのバース(注、係留場所)を営業し続ける計画であるため、どれだけの運航が影響を受けることになるのかは不透明だと 言われている。運航が正常に復帰するのは、金曜日深夜からの見込み。
P&O Ferriesは、手に負えないこの状況を残念に思うと述べ、遅延を最小限に食い止めるよう努力すると述べた。(BBC News: 13 November 2014 Last updated at 22:40)
クルーズ船観光客が100万人を越える(韓国)
クルーズで南朝鮮(注、韓国)を訪問する外国人の数は、Ministry of Oceans and Fisheries(=海洋水産部)によると、今年末までに105万人を越えるものと予想されるという。
水曜日、同部は、釜山のInternational Cruise Terminal(=国際クルーズ・ターミナル)で100万人を迎えたと語った。
2012年にクルーズ船で入国した者は約280,000人しかいなかったが、昨年はこの人数が790,000人に急騰し、今年は100 万人を越えた。
業界観測者は、済州島(=チェジュド)訪問に関心を高めている中国人観光客の増加によるものと見ている。(The Korea Herald: 2014-11-13 21:29)
Tallinkの利益悪化(エストニア)
数航路で変化があり、Tallinkは売上高が落ち込んだことから第3四半期の利益を減らした。
このバルト海のro-roグループは、2013年の同時期が4400万ユーロの売り上げであったのに対して、3620万ユーロ (4510万ドル)の売り上げだった。
これはJanek StalmeisterがEnn Pantに代わって同社のchief executive(=最高責任者)に任命され、僅か2日後に判明したことだった。収入は、5.7%減の2億6270万ユーロだった。
Tallinkは、ロシア市場からの旅客数は25%減少し、これが前年比で全体で5.8%の減少に繋がったと語った。
同社の四半期業績も、来るべき硫黄規制に適合させようとする船隊最適化のための航路に対するいくつかの修正による影響を受けている。
Tallinkは、1993年建造のフェリー、Silja Europaをオーストラリアに傭船しており、そこでは少なくとも14ヶ月間、宿舎船(注、作業員宿舎)として使用されることになっている。
このエストニアの会社は、1972年から2009年までの間に建造された18隻の所有船からなる船隊を支配している。 (TradeWinds: 13 November 2014, 11:25 GMT)
Gotland、新しいLNGフェリーに署名(スウェーデン)
スウェーデンのRederi AB Gotlandは、新しいLNG(=液化天然ガス)燃料焚きro-pax船1隻について、中国のGuangzhou Shipyard International (GSI)との契約に署名した。
このフェリーは、貨物と1,650人の乗客を乗せるもので、Destination Gotlandの航路の収容力を拡大することとなる。2017年に引き渡されることになっており、LNGを使用する最初のスウェーデン船籍の旅客船となる。
設計過程において、両者はエネルギー消費と環境影響を逓減するための最善の船型を作り出す作業をした。
Gotlandは、同船は10億スウェーデン・クローナ(1億3475万ドル)の投資であり、ここの150年の歴史上、単一の投資では 最高の額になると語った。「社会基盤の整備を含む作業で、引渡の際にLNGを燃料補給できるよう整備している。
同社では、GSIは既に2006年から2012年までの間に、Gotland向けに6隻のproducts carriers(=製品輸送船)を建造していると語った。(TradeWinds: 14 November 2014, 10:33 GMT)
新フェリーは通勤ラッシュを緩和するかも(ノルウェー)
新しい旅客フェリーは、遂に今週、オスロ中心部と、かってはオスロの空港があった場所で、今では主要な商業・住宅地区として開発されて いるノルウェーの首都の西にある半島であるフォルネブの間で運航を始めた。新しい高速鉄道が開設される前に開発が始まったので、バスは超 満員で、交通渋滞が生じていた。
フォルネブで生活し、オスロで働く住民、あるいはその逆の住民は、広々としたフィヨルドを利用できる通勤フェリーを長らく求めていた。 今や乗客147人乗りのフェリー、MS Tidevindは、この航路を定期運航し始めており、平日の午前中と午後、30分毎にアケル駅からフォルネブに直接往復運航している。
約20,000人が、Statoil、Telenor、Aker Solutionsといった主要企業があるフォルネブで働いている。今や別に6,000人がそこで暮らしており、そのため双方向において通勤需要がある。この2つの場所を 移動するのに、新しい高速フェリーでは12分しかかからない。
これは、オスロとNesodden半島、そして郊外のアスケルを結ぶ長距離通勤フェリーに加わることとなった。交通量の多いオスロの西 のE-18号幹線道路における渋滞を緩和するため、オスロ・フィヨルドをより良く利用することが叫ばれてきた。地元自治体は、T- banenとして知られている地下鉄路線をフォルネブまで延長する計画を立てているが、恐らくは長年に亘って営業できるものにはならな い。(Views and News from Norway: November 14, 2014)
ノロウイルスで太平洋のクルーズ船の172人が発病(米国)
太平洋の合衆国のクルーズ船の170人以上の乗客と船員がノロウイルスに罹患した、とCenters for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)が日曜日に報告した。
この感染力の強い胃腸ウイルスが、3,009人の乗客のうちの158人、1,160人の船員のうちの14人に感染した、とCDC(=疾 病対策予防センター)は調査報告書において述べた。
これは、Princess Cruisesの乗客3,080人乗りの「Crown Princess」であった今年2度目のノロウイルスの勃発。4月のクルーズでは150人以上の乗客が、このウイルスに感染した。
同船はロサンゼルス近郊に接岸し、このクルーズ客船会社は同船の清掃を行い、公衆衛生手続きについてCDCに助言を求めている、と報告 書は述べている。
CDCのhealth officer(=保健衛生官)が日曜日、この勃発と対応を評価するために、同船に乗船する。
この休暇クルーズ船は、ロサンゼルスを出発して、ハワイ、タヒチを巡る28日間の旅行を終えようとしている。
Princess CruisesはAFP(=フランス通信社)に対し、次の旅行を催行する前に「extensive deep cleaning(=大規模で徹底した清掃)」を実施すると語った。
Crown Princessは、11月29日にメキシコに出発する予定。(Medical Xpress: November 16, 2014)
セシウム134がカリフォルニア沖で観測(米国・日本)
ロサンゼルス発。合衆国の研究所は、Tokyo Electric Power Co.(=東京電力)の福島第一原子力発電所から放出された微量の放射性セシウム134が、カリフォルニア州北部海岸沖の太平洋海域で観測されたと話した。
この放射性物質は、Woods Hole Oceanographic Institution(=ウッズ・ホール海洋学研究所)によると、今年8月にカリフォルニア州ユリーカ沖、約150キロメートルの地点で採取された海水の中から見つかっ たという。
この機能不能となった原発から出た放射性物質が、合衆国沖の海水の中から検出されたのは初めてのこと。(The Japan News: 1:29 am, November 17, 2014)
控訴審は船医とクルーズ客船会社の関係につき、破棄差戻し(米国)
U.S. federal appeals court(=合衆国連邦高等裁判所)は、クルーズ船の医師に対して提起された医療過誤訴訟において、クルーズ客船会社は責任を負わないとする主要論点を破棄した。
11th Circuit Court of Appeals(=第11巡回控訴裁判所)の3人の判事団は、クルーズ客船会社は船上の医師の行為について責任を負わないとする下級審判決を覆した。
この判断は、U.S. District Court for the Southern District of Florida(=フロリダ州南部地区合衆国地方裁判所)において、Patricia FranzaによりRoyal Caribbean Cruises Ltd.に対して提起された訴訟において示されたものだ。
Franzaの父親のPasquale Vaglioは、Explorer of the Seasで頭部を負傷し、後に死亡した。Franzaは、同船で提供された診療に過失があったと主張して訴えた。
同地裁は、RCCLに対するFranzaの訴えを、 1988 Barbetta vs. Bermuda Star(=1988年Barbetta対Bermuda Star事件)において確立した、クルーズ客船会社は自船の医療職員の行為には責任を負わないという、長年の基準を適用して退けた。
しかし控訴審では、Barbetta事件の論理を退け、本件を審理不尽として第一審裁判所に差し戻した。
同裁判所の意見は、クルーズ客船会社は医師の職業的専門家としての判断を評価する資格又は地位がないが故に、従業員としての医師を支配 できないとする論理的根拠は、正当なものではないと述べた。
この意見を書いたFederal judge(=連邦判事)のStanley Marcusは、Barbetta事件の根拠は「全く異なる世界に遡るものである。19世紀の汽船とは違い、今や我々は、何千人もの人々を収容し、備えの十分な現代的な診 療所と応急手当センターを完備した洋上都市として運航されている最新鋭のクルーズ船を目の当たりしているのである。」と書いた。
「真に独立した医師や看護師ではなく、我々は今や、医療専門家は日常的に企業所有者のために労働しているものと認識しなければならな い。」とMarcusは書いた。
現代の通信技術は、過去における船舶よりもずっと密接な監督を可能にしているものであると付け加えた。「要するに、Barbetta法 理は著名ではあるものの、今や論拠の強さよりは、硬直性の強さの方が勝っているように思われるのである。」(Travel Weekly: November 17, 2014)
内閣、フェリー事故を受けて一括法案を通過させる(韓国)
11月18日、ソウル発。火曜日、内閣は、7ヶ月前に南西海岸沖でフェリーが沈没した死亡事故の影響に対処する一括新法案を承認した。
この3本の法案は、Prime Minister(=首相)のChung Hong-wonが出席した閣議で承認されたが、犠牲者に対する補償方法や大変な批判を受けた政府の救助活動システムの再編の他、4月のフェリー事故に本来責任を負う者を 捜査して処罰するための取り組みに焦点を合わせている。(Yonhap News: 2014/11/18 13:32)
Crystal、Crystal Serenityで新たなBilly Joelをテーマにしたコンサート初上演(米国)
最新の舞台上演においてCrystal Cruisesは、11月19日のマイアミ発カルデラ行きの航海で、「My Life: The Music of Billy Joel」と題して、Billy JoelのヒットソングをCrystal Serenityで紹介する。この先行クルーズのお客は、航海の最後に観賞することとなる。Piano Man(注、Billy Joelの初期の代表作ピアノマンから)に敬意を払い、Joelの音楽を元にしたMovin’Outという出し物で、ブローウェー、ウェスト・エンド、全米ツアーで、 Billy Joelにより「The Piano Man」の主役に抜擢されたJames Foxが、このショーの主役を務める。
Galaxy Loungeの舞台にコンサート用グランド・ピアノを準備して、Foxは「New York State of Mind」「Uptown Girl」「She’s Always a Woman to Me」そして「Piano Man」を含む12曲の永遠のヒットソングを公演する。Galaxy Orchestra、更にCrystalの自前の音楽家、歌手、踊り子が、Foxと一緒に加わることになる。
この「My Life: The Music of Billy Joel」は、Elton Johnに捧げられたショーである「Rocket Man」に引き続いて上演される。「Rocket Man」は、同客船会社の別の船であるCrystal Symphonyで、2月24日のシンガポール周遊クルーズで上演される。これらのショーは、CrystalのConcert Production(=音楽会上演)シリーズの始まりを告げるものであり、音楽や人気が、数十年、数世代に亘る世界的に著名な芸術家の作品に光を当てるものだ。
Crystalの船上国際一座は、10人の歌手、踊り子からなるもので、これにはブロードウェーやロンドンのウエスト・エンドの出し物 の他、国内旅回り一座の演奏者が含まれている。高級なGalaxy Loungeは、受賞歴のあるブルーウェー流の出し物やトップを飾る芸能人向きの、豪華で現代的な雰囲気がある。
1月2日まで、全て込みの適正価格の「Book Now(=今すぐ予約)」料金は、1人当たり1,785ドルちょうどから。詳しい情報は、ウェブサイトへ。(Travel Agent: November 18, 2014)
MAN Diesel & Turbo、中国のフェリーに機関を提供(ドイツ・中国)
MAN Diesel & Turboは、2隻の中国の旅客フェリー向けに、ディーゼル機関推進の4基の9L48/60CR機関を引き渡す内容の注文を受注した。
フェリーは、中国のHuadong FerryとDadong Ferry向けに、中国の山東(=シャントン)省のHuanghai Shipyard(注、造船所)で建造されている。この契約の下、それぞれの船は、合計出力21,600kWの2基の9L48/60CR 機関、2基のRenk歯車装置、2基の5枚羽根・直径5mのMAN Alpha CPプロペラを搭載する。
MANのAlphatronic 3000推進システムは、駆動方式の効率性を改善するものであり、燃料消費や保守経費を逓減する。加えて5枚羽根プロペラの設計は、低水準の圧力振動や騒音を提供すること となる。
旅客定員1,500人のフェリーは、南朝鮮(注、韓国)と中国本土間を連絡するために使用されることとなる。
MAN Diesel & Turboのbusiness unit marine medium speed sales manager cruise and ferry(=クルーズ・フェリー海洋中速事業部門営業部長)のHenning Bullwinkeは、次のように話した。
「東アジア地域における安全で環境に優しいフェリー運航に、弊社MAN推進機関一式が貢献できて喜んでおります。」
China Shipowners' Association(=中国船主協会)が、船舶の最高船齢を28年に制限する提案をしていることから、この新造フェリーは、船隊内における老朽船と代替することとな る。2隻のフェリーは、2016年秋に就航する。この結果、同社は将来のこうした新造の機会を得て、東アジア市場における大きな潜在的可 能性を見ているところだ。(Ship Technology: 18 November 2014)
Merrimac ferryは氷のため一時運休(米国)
ウィスコンシン州メリマック発。Wisconsin Department of Transportation(=ウィスコンシン州運輸局)の発表によると、Merrimac ferryはウィスコンシン川の氷のため、一時的に運休している。
同フェリーは、コロンビア郡とソーク郡間のHighway 113(=幹線113号線)として運航している。
当局者は、今後3日から5日の間に予想されている温暖化傾向の後、同フェリーは運航が再開されるものと見ている。
発表によると、この地域では、旅行者に一時閉鎖を告知すべく点滅光(注、警告信号)が点灯している。点灯しているのは、Highway 60(=幹線60号線)、Interstate 90/94(=州間高速道90号線・94号線)、highways 19 and 113(=幹線19号線と113号線)、highways 78 and 113(=幹線78号線と113号線)、Highway 78(=幹線78号線)、Interstate 39/94(=州間高速道39号線・94号線)、Highway 12(=幹線12号線)、そしてCounty Road K(=郡道K)。(WISC Madison: Nov 19 2014 02:56:12 PM CST)
Sewol運航社社長に懲役10年(韓国)
木曜日、地方裁判所は沈没フェリーSewolの運航事業者社長に対して、300人以上が死亡した過失致死罪について、10年の懲役刑を 言い渡した。
Chonghaejin Marine Co.(=清海鎮海運)のchief executive officer(=最高経営責任者)であるKim Han-sikは、4月16日の大惨事に関連し、安全航法に関する法律にも違反して有 罪であることが判明した。
南部の都市にあるGwangju District Court(=光州地方裁判所)は、この71歳の社長に対して、200万ウォン(1,900米ドル)の罰金刑も科した。Kimはまた、数百億ウォン相当の会社の資金を横領 し、下請け業者から数千万ウォン相当の見返りを受け取っていたことでも有罪となった。先に検察側は、Kimに対して15年の懲役刑を求刑 していた。
木曜日の同じ公判において、同裁判所は、他の清海鎮海運の幹部に対して3年から6年の幅で刑を言い渡した。検察側は、清海鎮は利益優先 で、改造後、船の安定性が大幅に信頼できないものになっていたにも拘わらず、旅客や貨物を日常的に過積載していたと主張した。
6,825トンのフェリーSewolは、南部の行楽の島である済州(=チェジュ)島に向う途中だった4月16日に、南西の珍島(=ジン ド)沖の海域で沈没した。乗船者のうち僅か174人が救助されただけで、大半が修学旅行中だった高校生は死亡した。(The Korea Times: 2014-11-20 15:17)
Westminster、3億ドルのフェリー契約に署名(英国・シエラレオネ)
警備業者のWestminster Groupは、3億ドルの売上げを上げ得ることとなる西アフリカに新築されたフェリー・ターミナルを21年間経営する契約を獲得した。
このベンバリーに本拠を置く会社は、火災・警備・保安・防衛市場に特化しているが、長期契約の手始めとして、8月にアフリカの匿名の国 家(注、シエラ・レオネ)との間でmemorandum of understanding(=覚書)(MoU)に署名していた。
フェリー運航は、Sovereign Ferriesという名称の合弁企業の下で運航されることとなるが、「key national facilities and the main conurbations(=主要国立施設と主要大都市圏)」の間で、旅客を輸送する安全なフェリー便を提供することとなる。水上タクシーの運航も含まれる可能性がある。
Westminsterの合弁事業提携者のCWindとその関連会社のCTrukは製造業者であり、あらゆる天候の下で運航できるフェ リーの運航事業者の経験を有している。Westminsterのchief executive(=最高責任者)であるPeter Fowlerは、次のように話した。
「本契約は、Westminsterが確立した最高の名声を裏付けるものであり、諸サービスの提供ばかりではなく、困難な時において、 政府や地元共同体を支援するものでもあるのです。」
「弊社の既存の空港経営サービス契約よりは相当に大規模なものであり、Westminsterが良質のサービスを提供できる能力をこの 政府が確信していることの現れなのです。」(Insider Media: 20 Nov 2014)
Atticaの利益急騰(ギリシャ)
ギリシャのAttica Holdingsは、第3四半期に売り上げを伸ばして利益を押し上げた。
2,720万ユーロ(3,400万ドル)の利益を計上し、同期よりも200万ユーロ以上高い。売上高は、1億800万ユーロから、僅か に1億950万ユーロに増加した。
このギリシャ人所有のフェリー会社は、1年前は323万人であったのに対し、今年の最初の9ヶ月間に346万人の旅客を輸送した。
8月にTradeWindsが報道したように、Atticaは投資グループのFortressと合意に達しており、ここは7500万 ユーロの債務を引き受けることとなる。この取引により、9月に5,000万ユーロの転換社債を発行しており、これはFortressが全 て引き受けた。これはAtticaが子会社の1社の社債と交換できるよう、一括して買い戻された。
同社はまた、同国のAnek Linesとの間で、アドリア海とクレタ島で共同して配船することで合意している。この契約は11月初めに発効した。
Atticaは、2000年建造のBlue Star Ithakiを3,120万ユーロで最近売却しており、これにより、最終四半期の同社の収益を急騰させることとなると話した。(TradeWinds: 20 November 2014, 10:56 GM)
EXPLORERはCelestyalへ(キプロス・ギリシャ)
新しいLouis Cruisesの事業部門であるCelestyalの第3船、CELESTYAL ODYSSEYが公開された。本船は、世界最速のクルーズ船の1隻だったOLYMPIC EXPLORER。
新しいCelestyal部門の正式開業で、Louis Cruisesは、CELESTYAL ODYSSEYになるMV
EXPLORERを3年間傭船すると発表した。本船は現在、Semester At
Seaにより運航されており、元々は、2001年にBlohm and VossがRoyal Olympic Cruises
向けにOLYMPIC(後にOLYMPIA)EXPLORERとして建造したものだ。この24,319総トンの船は、7泊の「three
continent(=3大陸)」地中海旅程向けに設計されたもので、したがって真のギリシャ体験、地元料理、そしてギリシャの娯楽を提
供するCelestyal商標には最適のものだった。Celestyalは、CELESTYAL OLYMPIA(旧SONG OF
AMERICA、SUNBIRD等)とCELESTYAL
CRISTAL(旧LEEWARD、OPERA等)も運航する。この420船室の船は、836人までのお客を収容できて、28ノットの速力を達成することができるもので、
世界で最速のクルーズ船の1隻となっている。
Celestyal Cruisesの船隊に第3船が加わることについて、Louis CruisesのCEO(=最高経営責任者)のKyriakos Anastassiadisは、満足の意を表明して、次のように述べた。
「弊社船隊に第3船が追加されることは、継続している需要増の結果であり、これは、弊社製品の再配置と再設計によるものでございます。 弊社では、優れてお金を出す価値のある真のギリシャ体験の最高の大使としてCelestyal Cruisesを確立することに集中し続けております。」(Maritime Matters: Posted on Friday, November 21, 2014)
Irish Ferries、クリスマス用に収容力を増加へ(アイルランド・英国)
Irish Ferriesは、アイリッシュ海南部からホリーヘッド―ダブリン航路にIsle of Inishmoreを転配し、クリスマス中のアイルランド間の大量の収容力を確保する。
Afloat.ie紙は、これはペンブロークシャー港に就航しているフェリーをウェールズとアイランドの首都の間を結ぶ、混雑している 核となっている中央アイリッシュ海航路に再配置する2度目の祝祭日期間となると付け加えた。
「アイルランド人の祖父母や近親者を持つ人々がブリテン島には600万人おり、そのためクリスマスが、弊社の一年で最も混雑する時期で あることは驚きではありません。」とこの運航社のhead of passenger sales(=旅客営業部長)のDermot Merriganは話している。
この運航事業者のフラグシップ、アイリッシュ海最大のフェリー、50,938トンのUlyssesは、クリスマス・イブ(注、12月 24日)の14時10分に、ホリーヘッドからダブリンに最終航海を行う。
ペンブロークからロスレアへの最終航海は、Oscar Wildeが12月24日水曜日8時45分に出発する。
クリスマス・デー(注、12月25日)やボクシング・デー(注、12月26日)の運航はなく、最初の英国行きのフェリーは、12月27 日土曜日のダブリン発、8時5分発の便となる。引き続いて、その日は臨時便が5便ある。(Afloat: Saturday, 22 November 2014)
ドバイのDP Worldと中国の港湾がクルーズ航路を計画(アラブ首長国連邦・中国)
DP Worldと中国のQingdao Port Group(=青島(=チンタオ)港集団)が、黄海の産業中心地とドバイの間でのクルーズ運航を発展させるために作業することとなった。
この、昨年それぞれ第9位と第7位のコンテナ・ターミナルの経営者は、貿易量も強化し、青島港とジェベル・アリ港及びミナ・ラシード港 間の「stimulate business growth(=事業の成長を刺激する)」。
「ミナ・ラシードと青島の間でのクルーズ運航の発展の可能性に興奮しています。これは、偉大なる可能性を秘めた地域なのです。」とDP World chairman(=会長)のSultan(=サルタン)bin Sulayemは語った。
この取引には、クルーズ航路開設の実現可能性のための調査が含まれている。DP WorldとQingdao Port Groupは、既に中国で共同事業提携者となっている。
Qingdao Port Internationalは、今年、香港に保管されていた主として銅である商品を巡る詐欺事件の捜査が行われているというニュースの最中に、Hong Kong exchange(=香港証券取引所)に上場した。この銅は、地元貿易会社により複数回に亘り、融資のための担保として使われていた。
今後7ヶ月間に、ドバイに381,000人以上の乗客と110隻のクルーズ船が寄港するものと見られている、とDubai Tourism(=ドバイ観光局)は昨日、話した。今年のドバイのクルーズ・シーズンは、10月下旬から6月末まで続く。
この期間中の旅客数は、シーズンが4月に終わった1年前と比較して、19パーセント増になるものとなっており、ミナ・ラシードで乗下 船、通過する者は、60,000人増となる。
Dubai Tourismでは、「今シーズンの後半にミナ・ラシードに更に27,000平方メートルのターミナルが開所することと、クルーズ観光客向けの新たな費用効率の高いアラブ 首長国連邦複数回入国査証により拍車が掛かったクルーズ部門の成長が更に維持されるものと予測している。」
ドバイでは2016年までに、新たな市場からの需要に助けられて、昨年の386,000人から増加して、年間450,000人のクルー ズ観光客が訪れることを望んでいる。
「伝統的な市場である北米や西ヨーロッパからのクルーズ旅行者の数を増やすことを積極的に模索するばかりではなく、インドや亜大陸の 他、中国や極東からの初めての世界的なクルーズ旅行者を惹き付けることも検討しているのです。」とDubai Tourismのexecutive director(=事務局長)Hamad bin Mejrenは話した。
「我々は、我がGCC(=湾岸アラブ諸国協力理事会)近隣諸国の域内地域クルーズ観光を成長させる真の機会があるものとも考えておりま す。」(The National: November 23, 2014)
ベルギーの港湾労働者がストライキ(ベルギー)
ベルギーの港湾労働者が、今日11月24日に24時間ストライキを始め、深夜に終了する、とInchcape Shipping Services (ISS)が報告した。2014年12月15日の全国ゼネストに引き続き、24時間ストライキが実施されるものとも予想されている。
港湾労働者による今回のストライキは、物価スライド制の賃金引き上げ幅の減少と増税に抗議している3つの全国組合によって呼びかけられ たものだ。
このストライキは、とりわけ影響を受けるゼーブルージュ港、ヘント港、アントワープ港といった地域の出荷作業に大きな影響が出ている。 未処理となっている65隻がアントワープ港入港を停泊地で待機しており、更に12隻が出発を待っている、とISS Belgiumは報告している。(MarineLink.com: Monday, November 24, 2014, 9:43 AM)
DFDSの利益はロシアへの制裁、航路の閉鎖に拘わらず増加(デンマーク)
DFDSの第3四半期の利益は、この北欧で指導的な近海海運・物流会社が航路を閉鎖し、ロシアへの制裁が鍵となるバルト海貿易に打撃与 えているために航路網を再編しているにも拘わらず、17パーセント急騰した。
このデンマークの海運・物流会社の営業利益は、2013年の同時期が3億5200万クローネであったのに対して、9月までの3ヶ月間で 4億2300万クローネ(7050万ドル)にまで増加した。売上高は、7パーセント増の6億ドルだった。
「貨物の扱いは、総じて予想通りでした。」とchief executive(=最高責任者)のNiels Smedegaardは語った。「ヨーロッパ市場の成長は、弊社の重要な市場である英国を除いては、未だに控えめです。」
同社は、バルト海航路網の再編はロシアとウクライナの間の紛争の影響を部分的に和らげていると話した。
DFDSは2014年の末に、過去数年間に閉鎖してきた多くの航路の中で最新のものとなる赤字のル・アーブル―ポーツマス航路から撤退 する計画だ。ドイツとリトアニア間の運航は、EU(=ヨーロッパ連合)による報復制裁措置がなされ、ロシアの貨物量が崩壊してちょうど 3ヵ月後の8月に運休となった。(JOC.com: Nov 24, 2014 8:11AM EST)
Corvus、Fannefjord向けLNGハイブリッド・フェリーにリチウムポリマー電池引渡へ(カナダ・ドイツ・ノルウェー)
カナダの舶用電池製造業者のCorvus EnergyとドイツのSiemensは、ノルウェーのFjord1が運航するLNGハイブリッド・フェリー、Fannefjordにenergy storage system(=エネルギー貯蔵システム)(ESS)を導入する契約を落札した。
本船は63個のCorvus Energy AT6500という先進のリチウムポリマー電池から構成される1,050V、410kWh ESSを使用する。2基のLNG発電機によって駆動し、ESSは既存のSiemens drive systems(=駆動方式)と統合したものとなる。
Corvus Energy business development vice-president(=事業開発部長)のSean Puchalskiは、次のように語った。
「Corvusのエネルギー貯蔵システムがこの革新的な船のために選ばれて、大変に喜んでおります。」
「弊社の調査に基づくと、Fannefjordは稼動している世界初のLNG・電池ハイブリッド・フェリーとなります。」
長さ123mのフェリーFannefjordは、390人の旅客と、125台の乗用車あるいは12台のトレーラーと55台の乗用車を積 載する能力がある。このLNG・ディーゼル・エレクトリック・フェリーは、ディーゼル機関1基とLNG焚きの主機関2基を特色としてい る。(後略)(Ship Technology: 24 November 2014)
クルーズ船で乗客が行方不明(オーストラリア)
シドニー沖のクルーズ船から夜間、高齢の男性が転落し、大変に心配されている。
Australian Maritime Safety Authority(=オーストラリア海上安全局)は、クルーズ定期船のSun Princessから月曜日の夜9時少し過ぎに行方不明になったと報告されている84歳を捜索するため、シドニー沖175海里に航空機1機を派遣した。
AMSA(=オーストラリア海上安全局)の広報官、Mal Larsonは、男性は2メートルから3メートルのうねりのある時化の状況において、船外に投身したものと考えられると語った。
「男性の年齢と状況からすると、生存の可能性は低いと考えています。」と話した。
航空機が同海域を捜索しており、このクルーズ定期船も近くにいるものと理解されている。Larson氏は、この航空機は40分後に燃料 補給を受けるものと思われると話した。「その時に再検討いたします。」と話した。
Sun Princessは声明文において、船員が船内を調べた後、船は方向転換して、オーストラリア沿岸沖の針路を引き返したと述べた。このクルーズ定期船は、今朝、シドニーに 到着する予定だった。
「Sun Princess」のシドニー到着は遅延し、次のクルーズは影響を受けることになる、とPrincess Cruisesは声明文において述べた。(Sky News Australia: 10:56 am, Tuesday, 25 November 2014)
Norwegian Cruise Line、新たに買収したOceania Cruisesの船隊向けに新船購入へ(米国)
Norwegian Cruise Line Holdingsは、同社のOceania Cruisesの船隊向けにPrincess Cruisesから船を1隻買収することで合意に達した、と同社は火曜日に発表した。
NorwegianはOcean Princessを購入し、この乗客684人乗りの船を、Sirena (Mermaid(=マーメード、人魚)の意)に改名する。本船はその後、フランスのマルセイユで35日間、4000万ドルの改装工事を経て、2016年4月に航海を再開 する。Princess Cruisesは、マイアミに本拠を置くCarnival Corp. & plcの子会社。
Oceania Cruisesは、最近、親会社のPrestige CruisesからNorwegian Cruise Lineに30億ドルで買収されたもので、この買収は11月19日に完了した。
「Sirenaが加わることで、Oceania Cruisesにとって弊社が考える展開戦略である新たな旅程選択がずらりと並ぶこととなります。」とOceania Cruisesのpresident and chief operating officer(=社長兼最高執行責任者)のKunal Kamlaniは新聞発表で述べた。
Norwegian Cruise Lineは、Oceania CruisesとRegent Seven Seas Cruises商標の親会社。(South Florida Business Journal: Nov 25, 2014, 12:21pm EST)
中国の諸都市がクルーズ同盟形成へ(中国)
大連発:8つのクルーズ港を有する7つの中国の諸都市が、共同でクルーズ・ターミナルを開発・運営・経営するために、中国クルーズ港湾 同盟を立ち上げることを提案した。
この7都市は、上海、天津(=ティエンチン)、厦門(=シアメン)、三亜(=サンヤー)、舟山(=チョウシャン)、青島(=チンタ オ)、香港で、中国クルーズ市場の発展を推進するための協力基盤を立ち上げ、クルーズ・ネットワークを形成する。
7都市は世界の指導的なクルーズ客船会社と話し合いをしているところで、これにはCosta Cruises、Royal Caribbean Cruises、Princess Cruises、Star Cruises、MSC Cruisesと、国内クルーズ運航事業者のBohai FerryとHNA Cruisesが含まれている。
2020年までに中国クルーズ産業は、450万人の乗客を擁する世界最大のクルーズ市場の1つになるものと見られている。(Asia Cruise News: 25/11/14)
BC FerriesのLNGの動きは2隻のシュワルツ湾―Tsawwassen航路の船に認可(カナダ)
BC Ferriesは、昨年、舶用ディーゼル燃料に1億2600万ドルを注ぎ込んだことから、燃料費を節約する取り組みの一環として、その最大の2隻の船を液化天然ガスで走る ことができるよう改造する計画を進める。
同社は火曜日、シュワルツ湾―Tsawwassen航路の船を改修して、「dual fuel(=二元燃料)」に改造することを前進させるBC Ferries委員会の承認があったことを発表した。
BC Ferriesは、2隻のSpirit級の船舶をLNG(=液化天然ガス)で運航するよう改造することにより、船隊の合計燃料消費の15パーセントとなる年間約920万ド ルを節約できる見込みだと話している。
また南部のガルフ諸島とパウエル川―コモックス航路向けの3隻の二元燃料船を建造する計画も立てている。完成は2017年の予定。
同社は、Spirit of British Columbiaの改修前にSpirit of Vancouver Islandの改修を終える見込みで、5隻の船の全てを2018年までに運転可能なものにする予定だと話している。
BC Ferriesの広報担当者(注、女性)のDeborah Marshallは、この事業の費用はまだ判らないが、契約は来年締結される見込みだと話している。(CBC.ca: Nov 25, 2014 10:14 PM PT)
Fincantieri、STX Franceの買収について「ノー・コメント」(イタリア・フランス)
イタリアの造船業者Fincantieriは、指導的なフランスの造船業者STX Franceの大部分の持分を取得することを模索しているとの報道を、確認することも否定することも拒否した。
イタリアのIl Sole 24 Oreという新聞は、FincantieriがSTX Europeとの間で、朝鮮(注、韓国)のSTXがこのフランスの会社に有する66.6%の持分を買収することを視野に入れて交渉中であると報じた。
この売却についての合意はフランス政府次第であると言われており、フランス政府は、国が後援する戦略投資資金を通じてSTX Franceの資本の残り33.4%を保有している。
IHS Maritimeの接触を受け、Fincantieriはこの報道を議論したくないと話した。「当時の弊社の立場は「no comment(=論評せず)」というものです。」と広報担当者は話した。
STX Franceは、サン・ナゼールにあるフランス唯一の造船所とロリアン港の小さな工場を経営しているが、IHS Maritimeに対し、株主に関する如何なる意思決定にも関与していないと語った。
Fincantieriが、夏の初めにSTXのフランス事業に関心を示していたと強く考えられると言われているが、しかしこう付け加え た。
「弊社では続報があったとは聞いておりませんし、とりわけ弊社は、取材を受けてもいないのです。」(IHS Maritime 360: 27 November 2014)
沿岸警備隊がカミギン州沖で被災したフェリーの船員を救助(フィリピン)
水曜日、Philippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)は、カミギン州バルバゴン沖で沈没した貨客船の船員を救助した。
沿岸警備隊は木曜日、MV Super Shuttle Ferry 11は、傾き始めた姉妹船で座礁したMV Super Shuttle Ferry 15から海水を汲み上げていたと話した。船が傾いたため、上級船員と船員は退船した。
Coast Guard Special Operations Unit(=沿岸警備隊特殊作戦部隊)が、この船の上級船員と船員の全員を救助した。沿岸警備隊は、油が広がらないよう被災船の周りにオイルフェンスも張った。
また本船の船主であるAsian Marine Transport Corp.に対して、水没したSuper Shuttle Ferry 11(注、15の誤りか)を引き上げるため、登録されたサルベージ会社を選択するよう命じた。
沿岸警備隊は本船の船長に対し、この事故に関する海難事故報告書を提出するよう勧告もした。(GMA News: November 27, 2014 9:04pm)
日本の白髪市場はクルーズ産業にとっては黄金(日本)
先週のCruise Shipping Asia-Pacificでの講演で、業界専門家は日本を、香港の2倍の1500万人強の高齢者市場を有する巨大市場であるとして褒めちぎった。
Celebrity Cruisesのアジア・太平洋commercial director(=商業取締役)のKelvin Tanは、次のように話した。
「(ベビーブーマー、注、団塊世代)は退職基金という素敵な貯蓄を持っているハズであることから、注目すべきなんです。彼らは、我々の 閑散期のクルーズを満員にしてくれることができ、我々が販売促進したい、より長期のクルーズをすることができるのです。」
ヨーロッパ、南米、オーストラリアに航海することは、日本では人気があると語り、更にCelebrity Cruisesがアジアからより多く航海をし始めていることから事業、それに貸切の傭船でさえも非常に拡大していると付け加えた。しかしながら障害も残っている。Tanは 次のように語った。
「厳格な消費者保護法令が、消費者を保護しているのです。それが高容量事業を必要とするクルーズ運航事業者にとっては、手腕を試される ものとなっているのです。また、日本以外のクルーズ客船会社を規制するカボタージュ法(注、自国内の輸送を自国の船舶に限定する法令)の ために、短期クルーズを行うことが難しいのです。」
Royal Caribbean International、Celebrity Cruises、Azamara Club Cruisesのsenior vice president international(=国際上席部長)で、RCL Cruisesのmanaging director(=代表取締役)のDominic Paulは、次のように付け加えた。
「日本は、何だか決して、誰もが期待するようなものが適うようなところではないのですよ。過去数年間の経済闘争にも拘わらず、未だに大 変に裕福な人々なのですが、クルーズは決して上手く行ったことがないのです。」
それにも拘わらず、Paulは次のように予言した。
「今後、5年間で、おそらく我々は、日本を注目することになるでしょう。」
NYK Cruises(=郵船クルーズ)のmanaging director(=代表取締役)Masami
Masuyama(=増山正己)によると、約238,000人の日本人旅行者が、2013年にクルーズで休暇を過ごし、そのうち122,800人が国際的なクルーズに乗船
したとい
う。次のように語った。
「日本人クルーズ客は、夏に家族向けの短期旅程を行うことを好みます。というのは、長期休暇を取ることが難しいからです。一方、退職者 は、冬に長いクルーズを選択します。2013年に1700万人以上の日本人旅行者が外国に行きましたが、成長の余地はたっぷりとありま す。高齢者を忘れてはいません。4人に1人は、65歳を超えているのです。」(TTG Asia: November 27, 2014)
フーナで新しいクルーズ埠頭が始まることに(米国)
フーナ近郊で新しいクルーズ船埠頭の建設が来年、始まる見込みだ。
Capital City Weekly紙は、アンカレッジに本拠を置くTurnagain Marine construction(注、建設会社)が月曜日、南東アラスカのクルーズ船の目的地であるIcy Strait Point(=アイシー・ストレイト・ポイント、注、「氷の多い海峡岬」の意)に400フィートの浮きドックを設計・建設する2370万ドルの契約を獲得したと報じた。
Icy Strait Pointは、約765人の大規模なTlingit(=トリンギト、注、先住民族の1つ)の共同体であるフーナの村の先住民系会社のHuna Totem Corp.が保有している。
この法人のpresident and CEO(=社長兼最高経営責任者)であるLarry Gaffaneyは、建設は2015年第1四半期に始まりそうだと話している。
この動きは、Icy Strait Pointか近隣のShaman Point(注、「シャーマン(=宗教指導者)岬」の意)のどちらに埠頭を作るかという長年の論争を経て始まったものだ。
本事業は、1440万ドルの州政府補助金により資金供給され、残りは同法人が負担する。(Alaska Public Radio Network: November 28, 2014)
SNCMは管理下へ(フランス)
フランス発。フランスの地中海におけるフェリー運航事業者のSNCMは、今日、Marseilles court of commerce(=マルセイユ商事裁判所)により正式に管理下に置かれた。
同裁判所はこの会社を、入札希望者が事業の一部または全部に入札する前に会計を調べることのできる期間である6ヶ月間 「observation(=監視)」する。
フランスの新聞は、2人の入札希望者が、同裁判所に自らを明らかにしていると報じている。
メキシコに本拠を置くBaja Ferriesの社長、Daniel Berrebiは、Le Marinというウェブサイトに対して、昨日、裁判所に、この会社に対して同社が入札する旨の手紙を書いたと語った。
未確認の投資家グループと行動を共にしているマルセイユ港湾局の元会長で、元船主のマルセイユの実業家、Christian Garinは、入札準備を視野に入れ、この会社の財務資料に接近することを模索していると語った。
BerrebiはLe Marinに対し、この会社の1,800人の常勤者のうち800人と恒久的な契約の締結を申し出る用意をしていると語った。そして事業が上手く行っているのならば、来年は 更に職員を雇うことができるだろうと語った。
今日の裁判所の決定は、この会社の筆頭株主であるVeolia groupが、管理下に置くことが、European Commission(=ヨーロッパ委員会)により違法であると判断された総額4億4000万ユーロ(5億5000万ドル)の公的支援を返金しなければならない会社の唯一 の進む道であると話していたことから、予期されていたものだった。
IHS Maritimeが入手した声明文において、SNCMは、裁判所の決定は即時清算を回避することになるものであり、買い手を見つけることに役立つと語っていた。
SNCMは、どのようにして同社が黒字であり続けることができるのかを示すことになる準備された事業計画を、入札者が評価するものと期 待していると語っていた。(IHS Maritime 360: 29 November 2014)