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2016年12月

2016年12月の海外旅客船情報

2日間フェリーなし、海員は仕事放棄(ギリシャ)

金曜日と土曜日、海員が、最近の一連の年金削減と雇用の不安定に抗議して48時間ストライキを実施することから、ギリシャ中の港でフェリーは接岸したままとなる。

ギリシャ海員を代表する組合であるPNOは、極左が率いる連立政権が、この分野の労働者に関連する特別税法の予定された改正について懸念を表明しなければ、行為を激化させると警告している。

この海員組合は、12月8日木曜日にも、24時間ストライキを計画している。

ギリシャの民間部門労働者を代表する傘下組合のGSEEも、政府が行っている緊縮財政の動きに抗議すべく、12月8日にストライキを行うよう組合員に呼びかけている。(Kathimerini: 01.12.2016 : 19:54)

中国は海から745マイル離れたところにTitanicの実物大複製品を建造中(中国)

香港発。少なくとも、これは沈没することはありそうもない。中国は、海から1,200キロメートル(745マイル)以上離れた内陸地に、命運の尽きたRMS Titanicの実物大複製品を建造している。

中国国営の通信社Xinhua(=新華社)によると、完成すると、この複製船は長さ269メートル(882フィート)で、幅28メートル(92フィート)になり、元のTitanicの特色を再現することになる。これには、舞踏室、劇場、プール、そして部屋が含まれる。事業の総費用は約10億元、つまり1憶4500万ドルになるものと見られている。この複製品は、中国の四川(=スーチョワン)省の大英県政府により一部資金援助された観光開発の一環として建造されている。

大英は、省都、成都(=チョントゥ)から約130キロメートル離れており、海からは数百マイル離れている。この複製Titanicは、Qijiang(=チャーチャン)川の溜池に恒久的に停泊することとなる。事業計画は2年以上も進行中だが、国営のChina Dailyによると、建造作業は今週始まったばかりだという。

「RMS Titanicの沈没後、誰も完全な設計図を見て来なかったのです。」と同事業の投資家の1人であるSu Shaojunは同紙に語った。「多くの設計図の断片が収集家の手に渡っているか、行方不明になっているのが判っています。我々は世界の多くの場所で設計図を集めることに長年を費やし、何とかその大半を入手することが出来ました。」

成都のTitanicは、この沈没した遠洋定期船を再建しようとする最近の試みの唯一のものではない。オーストラリアの大物、Clive Palmerは、同船の動く複製品であるTitanic IIを今年就航させることを目標にしていたが、この計画は少なくとも2年の延期を余儀なくされており、オーストラリアのメディアは、同社は建造作業を中止していると報じていた。(CNN: Updated 0821 GMT (1621 HKT) December 1, 2016)

アメリカ人2人がサン・ファンに接岸したクルーズ船で不審死(プエルト・リコ)

Royal Caribbeanのクルーズ船、Anthem of the Seasに乗船していた2人のアメリカ人観光客が、Old San Juan Pier(=オールド・サン・ファン埠頭)に接岸後、水曜日の午後に死んでいるのが発見された。当局は、遺体には暴行の痕跡はなく、自然死のように思われると話した。

この2人の男性は、62歳の退職者であるJoseph M. Ambrussiと、薬剤師のWilliam Alan Forsytte(55)であることが判明している。2人はそれぞれ妻と共に旅行しており、プエルト・リコのホテルに泊まる予定だった。El Nuevo Dia紙は、2人のうちの1人が船が洋上にいる間に死亡し、もう1人は同船が港に到着した際に亡くなったと報じている。

発見された同じ日、プエルト・リコには6隻のクルーズ船で合計24,117人の乗客がやって来て、1日に到着した観光客の新記録を祝っていた。水曜日に接岸した船は、Carnival Glory、Carnival Magic、Anthem of the Seas、Navigator of the Seas、Norwegian Breakaway、そしてBalmoralだった。

プエルト・リコのPort Authority(=港湾局)のexecutive director(=事務局長)であるIngrid Colberg Rodriguezは、El Nuevo Dia紙に、クルーズ船交通量の増加は、島の埠頭に接岸させるためのAlejandro Garcia Padilla政権による大幅な改良のおかげだと語った。とりわけ1050万ドルかかったPier 3(=第3埠頭)の改良によるものだと語った。

「クルーズ産業における信用の回復が、財政当局の安定過程における鍵となっており、プエルト・リコの経済発展に繋がるものなのです。」と語った。(Fox News Latino: Published December 01, 2016)

Princess Cruise Lines、英国の内部告発で、ごみ投棄で4000万ドルの罰金刑(米国・英国)

合衆国のクルーズ定期船が、油に汚染されたごみの投棄で4000万ドル(3100万ポンド)の記録的な罰金を支払うこととなった、とUS Department of Justice(=合衆国司法省)は話した。

Princess Cruise Linesに対する捜査は、2013年にイングランド沿岸沖で同社が違法に油廃棄物を投棄しているという内部告発を受けて始まった。同省は、同社はそのごみ投棄を隠蔽しようとしていたとも述べている。合衆国の9つの州と、2つの準州の港湾に寄港したことに関連する、7件の告発に対し、有罪を認めることで合意している。

告発は、Caribbean Princessというクルーズ船に関連しており、この船は、運航を開始した1年後の2005年以来、違法に投棄を行ってきたと同省は話している。

これは装置を使って行われたもので、これには所謂「magic pipe(=魔法のパイプ)」と呼ばれるものが含まれており、油を分離し、同船の水の油量を監視して汚染防止のための器具を回避するものだった、と同省は話している。合衆国の捜査官は、2013年8月にイングランド沿岸沖で不法投棄を機関士が報告したのを受け、同船の行動を綿密に調べ始めた。この機関士は、同船がサウサンプトンに到着した時に、仕事を辞めている。

この告発に関連している港は、米領バージン諸島とプエルト・リコの他、フロリダ州、メーン州、マサチューセッツ州、ニュー・ジャージー州、ニュー・ヨーク州、ロード・アイランド州、サウス・カロライナ州、テキサス州、そしてバージニア州の港だと同省は話した。

Maritime and Coastguard Agency(=海事・沿岸警備隊庁)のhead of enforcement(=執行官長)であるJeremy Smartは、本件は「業界に対して、この種の汚染行為は、世界のどこでも大目に見てもらえないことを示す明確なメッセージ」を発していると語った。

Princess Cruise Linesは、世界最大のクルーズ会社であるCarnival Corporationの子会社。合衆国司法省は、この罰金刑は、意図的な船舶による汚染を伴うものとしては、史上最高の刑事罰だったと話している。(BBC News: 1 December 2016)

フェリーはテロの標的となり得る、当局者語る(米国)

ニュー・ジャージー州に運航している通勤フェリーでテロリスト攻撃を受けたものはないが、州の公安専門家は脆弱な標的であると警告し、大衆による警戒を続けるよう要請している。

州のOffice of Homeland Security and Preparedness(=国土安全保障局)は、「フェリーは大量の人を輸送しており、警備が限られており、そうした事件が発生した場合には、最小限の避難手段しかないことから、テロ攻撃の影響を受け易い」と結論付けた。この報告では、フェリー・ターミナルでの警備と、空港での警備を対比させていた。

「空港と違い、フェリー・ターミナルでは身元照会が要請されておらず、手荷物を持って乗船することが許されており、車両は同様の検査過程を実施していない場合がある」と報告書には書いてある。

しかし、この比較は正確に同一条件で比較したものではなく、少なくとも自社船が短距離の人の移動のためのものであると指摘しているフェリー運航事業者によれば、通勤バスや通勤列車のようなものであり、長距離ジェット機とは違うという。既に厳格な安全対策を行っていると話した。

「どの役所も、どの政府機関も、フェリーがあらゆる可能性ある安全基準に準拠していることを認証しています。」と、ニュー・ジャージー州とニュー・ヨーク州間で、1日30,000人の通勤者を運んでいるNY Waterwayの広報担当者のPat Smithは話した。

Smith、そしてニュー・ジャージー州とニューヨーク地域間で数隻のフェリーと、ロード・アイランド州で1隻を運航しているSeastreakのmarketing director(=マーケティング担当重役)のBrett Chamberlainによると、U.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)は、通勤フェリーの警備を監督しているという。フェリー、あるいはターミナルで更に警備が必要になった場合は、ChamberlainとSmithによると、地元、郡、州の警察が介入するという。

「NY Waterwayは、土曜日で30年になります。30年間、2億5000万人の乗客で重傷を負った方はおりません。」とSmithは話した。「首都圏で最も安全な大量輸送システムなのです。」

昨年の夏、ISIS(=イスラム国)によるテロリスト攻撃の懸念が高まる中、フランスのsea marshals(=海上保安官)が、イギリス海峡を横断して休暇でどんちゃん騒ぎをする人やトラック運転手を乗せているフェリーに乗船して、巡回を始めた。フィリピンでは2004年に爆弾によるフェリー火災があり、100人以上が殺害されている。New Jersey Homeland Security Office(=ニュー・ジャージー州国土安全保障局)の係官は、通勤者による警戒を継続するよう要請している。(Asbury Park Press: 5:32 p.m. EST December 1, 2016)

Fincantieri、Seabourn Ovationを起工(イタリア・米国)

「Seabourn Ovation」、すなわちFincantieriがCarnival Corporation (CCL)の商標であるSeabourn Cruise Line向けに建造している2隻の超豪華クルーズ船の2番船の起工式が、今日、Sestri Ponente (Genoa)造船所でイタリアのMinister of Defence(=国防大臣)、Roberta Pinottiが出席して執り行われた。

式典には、船主の代理としてCaptain Stig Betten(=Stig Betten船長)が出席し、一方、Fincantieri側はGeneral Manager(=総支配人)のAlberto Maestriniが代表した。

「Seabourn Ovation」は、2018年春にSeabourn船隊に加わることになっているが、現代デザインの要素と革新が特徴であり、超豪華部門における最も誉れ高い商標の1つであるSeabournを作り上げている水準と最先端の技術的解決策に準拠して建造されることとなる。2009年に開始された船隊近代化を継続している。

本船は、40,350総トン、長さ210メートル、幅28メートルで、巡行速力は18.6ノットに達することが可能だ。2人使用で、600人ちょうどまでの客を乗せることが可能。それぞれのスィートには、個人用ベランダが呼び物とされることになる。

姉妹船としての「Seabourn Ovation」は、とりわけ革新的な事業であり、エネルギー最適化と環境影響を最小限することに特化している。本船は、関連規則の要求を超える水準の、正に最新の技術を使って建造される。

Fincantieriは、1990年から今日まで75隻のクルーズ船を建造しており、うち62隻はCarnivalの異なる商標向けのもので、26隻は現在、同グループの造船所で設計、あるいは建造中であり、うち9隻はアメリカのグループの船主向けのものだ。(MarineLink: December 2, 2016)

Daewoo Shipbuilding、別の再建計画で従業員の22%削減へ(韓国)

南朝鮮(注、韓国)のDaewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co. は、国営のKorea Development Bank(=韓国産業銀行)とExport-Import Bank of Korea(=韓国輸出入銀行)による追加の資本増強に先立ち、別の人員削減計画を実施する。

木曜日、この造船業者は来年、従業員の22パーセントを削減するという追加再建計画を発表した。ここは昨年、既に従業員の3分の1を削減している。

この造船業者は、追加再建計画の下で55人の部長を解雇にする一方で、17人を新たに任命すると述べた。同社の部局の数は、昨年初めの285から、今や159に減少している。

この人員削減計画の後、この造船業者の年間収入は、従業員12,000人で15兆ウォンから、2018年には、従業員8,000人で7兆ウォン(59億6000万ドル)に低下するものと見られている。(Hellenic Shipping News Worldwide: 02/12/2016)

フェリーSewolの大惨事が長編映画に(韓国)

300人以上が死亡した朝鮮半島の南部海岸沖であったフェリー事故が、長編映画になる、と業界筋は日曜日に話した。

この映画は、仮題が「Sea Tiger」というもので、命運の尽きたフェリー、Sewolで2014年の救助作業に関わった潜水夫についてのKim Tak-hwanが書いた小説に基づく。Kimは、故人である潜水夫、Kim Kwan-hongの証言を基にこの本を書いた。Kim Kwan-hongは、海中での過酷な作業の影響で精神的・肉体的な病にかかり、自殺した。

「災害現場を訪問した際に、私は潜水夫のKimに(この悲劇に関する)話を書いて映画にすると約束したのです。」とこの作家は語った。「この映画は、私にしか務まらないものです。」

映画は、2015年に、1948年のJeju Massacre(=済州大虐殺)についての映画「Jiseul」で、Sundance Film Festival(=サンダンス映画祭)でGrand Prize(=大賞)を受賞して著名になったO Muelが監督する。Oは、脚本を書くために海外に滞在していると言われている。

これは、国内最大の海難事故の1つが長編映画になる初めてのものだ。これに先立って数本のドキュメンタリー映画が、この事故に関して制作されている。映画は、来年夏にも制作される見込み。(The Korea Herald: 2016-12-03 16:07)

ホバート、反捕鯨船Ocean Warriorでの生活を垣間見る(オーストラリア・日本)

1000人以上の好奇心旺盛な訪問者が、最新鋭の反捕鯨船での生活がどのようなものかを垣間見る機会を得た。

海洋保護団体、Sea Shepherdの最新船であるOcean Warrior(注、「海洋の闘士」の意)が金曜日の夜にホバートに接岸し、今日、一般公開された。

本船は、南洋の日本人に対するOperation Nemesis(=ネメシス作戦)の異名をもつ、Sea Shepherdの最新の反捕鯨活動の最終準備を、ホバートで行っているところだ。

シーズンの「scientific(=科学的な)」捕鯨事業を日本に中止させる結果となったInternational Court of Justice(=国際司法裁判所)の判決により促進された2年間の中断を経て、Sea Shepherdは、日本の捕鯨船より高速で走行でき、より多くの武器を持っていると主張している船を使って戦闘に復帰した。

Sea Shepherdの広報担当者のAdam Burlingは、訪問者は、多くのお馴染みになっている話題により、同船を15分間で案内されていると話した。

人気者の1つは、鯨と銛の間に水の盾を作るために使用される、分間20,000リットルの放水銃だった。

「人々は、状況はどうなのかと尋ね、子供達は、鯨や野生生物について質問しました。」とBurling氏は話した。「本船の船橋や技術についても(人気)でした。」

Burling氏は、ホバートの人々からの支援には絶大なものがあり、食料や援助品の寄付で溢れていると付け加えた。

「人々は我々乗組員が2か月から4か月間、家族や友人と別れて献身していることを称賛しています。」と語った。

Ocean Warriorには、ヘリコプター1機とゾディアック補給船を搭載することが可能だ。オランダ、英国、スペインの宝くじからの寄付により建造された。

明朝、本船は出発し、仲間のSea Shepherd船、Steve Irwinとマッコリ―島沖で落ち合い、反捕鯨活動を開始する。(The Mercury: December 3, 2016 2:33pm)

自分の日本の輸送船が雷撃受けたWal Williams、戦争捕虜に対するPittwater RSL盾の栄誉を受ける(オーストラリア)

72年前、連合軍捕虜を日本に輸送していた2隻の日本船がアメリカの潜水艦により撃沈され、1600人近いオーストラリア人と英国人の命を奪った。

Rakuyo Maru(=楽洋丸)とKachidori Maru(=勝鬨丸)は、1944年9月12日にアメリカの魚雷により沈没した。これは、最初に起きたものではなかった。

1942年7月、Montevideo Maru(=もんてびでを丸)がアメリカの潜水艦によって沈められ、1000人以上のPOWs(=戦争捕虜)が死亡したが、アメリカ人は戦争捕虜が乗船していることを知る由もなかった。

最悪の出来事は、1944年9月のJun’yo Maru(=順陽丸)が沈没した時で、大半がインドネシア人である6520人の捕虜が殺害された。

合計1800人以上のオーストラリア人戦争捕虜と抑留者が、日本の輸送船が沈没した際に死亡した。

楽洋丸の沈没の生き残りの1人が、Wal Williamsだ。彼は、昨日あった洋上で死亡したオーストラリア人戦争捕虜対するPittwater RSL Club(=Returned and Services League, Australia Club、注、「オーストラリア帰還兵連盟倶楽部」の意)の戦争記念館の盾の除幕式には出席することができなかった。

1942年2月にシンガポールが陥落して、楽洋丸が沈没してWilliams氏とその他の生存者が筏に掴まり、その後、救命艇で南シナ海で漂流した数日間を除いては、戦争の残りを捕虜として過ごした。

通りかかった日本船に救助されて日本に連行され、そこでアメリカ軍の横浜空襲を生き延び、最終的には解放された。1945年10月23日にオーストラリアに帰国した。23回目の誕生日だった。

今や94歳になり、Warriewoodで生活しているWilliams氏は、Thai-Burma Railway(=泰緬鉄道)での強制労働と楽洋丸の沈没を自分は幸運にも生き残ったことを知っている。

「私は、楽洋丸の沈没については、アメリカ人のせいだとは本当に思っていません。」と語った。「あの船は、戦争捕虜が乗船していることを示す塗装をしていなかったのです。」

「私はただ、あの沈没での他の生存者のようにアメリカの潜水艦に救助されたかったのです。」「私の戦争は10か月以上も早く終わっていたでしょうに。」

昨日のRSL clubで除幕されたもう1つの盾は、1951年から1972年までの間に国に貢献した人々に対するもので、3つ目の盾は、前Pittwater RSL Sub-Branch(=支部)Women’s Auxiliary(=女性援護者)に対するもので、今や90代になっている4人の会員の立会いの下で除幕された。

この援護者は、同時にRSLのMona Vale支部でもあった。この施設はVillage Parkの小さなクリケット分館であったが、その後、Huxley Stのクラブ会館となり、Pittwater RSL Clubが82 Mona Vale Rdに建てられるまでは、1室が利用可能とされていた。(dailytelegraph.com.au: December 5, 2016 12:44pm)

奴隷、スラム、そして帝国:どのように英国の資本主義が発達したか(英国)

今年初め、世論調査で、英国の大衆は、植民地主義における自国の役割とBritish Empire(=大英帝国)について、徐々に誇りを持ち始めていることが判明した。1月から始まったこのYouGovの世論調査では、44%が英国の植民地主義の歴史を誇りに思い、僅か21%しか遺憾に思っていないことが判明した。この同じ世論調査では、大英帝国は良いものだったのか、悪いものだったのかについても質問した。43%が良いものだったとし、僅か19%しか悪いものだったと答えなかった。

以下では、Ken Cotterillが、植民地主義の役割と、英国資本主義の発展における帝国、すなわち盗みと搾取、そして奴隷制度の醜い歴史について考察する。程度の差こそあれ、他のヨーロッパ諸国の富は、似たようなものから得られてきた。

初期の英国資本主義の残忍性は、奴隷貿易、スラム、綿工業、児童労働、そしてBritish India(=英領インド)の綿工業の壊滅を見ることで例証することが可能だ。全ては、初期の英国資本主義を極端に豊かなものにする役割を演じていた。

奴隷貿易が金になるものとされていた。1770年代、それが、大量の奴隷を南北アメリカに輸送した英国船だった。リバプールを出発した船は、約150万人のアフリカ人をNew World(=新世界)に運んだが、そこでは絶え間なく拡張する大農場で働くための労働力として奴隷が必要とされていた。

リバプール、ブリストル、そしてロンドンの商人は、船、船長、そして頼りになる船員を雇うために大金を支払った。そして生地、生糸、ガラス玉、ラム、ブランデー、斧、道具、ナイフ、小火器、弾薬などの商品が、奴隷と交換する貿易のために購入された。

そして満載した船が、西アフリカに向けて航海に出た。そこでは、この商品が奴隷と交換された。奴隷制度は、ヨーロッパ人が関わる前から西アフリカにも存在していたが、ヨーロッパ人の励ましによって強化されることとなった。奴隷は、主として部族によって捕らえられた部族間紛争の犠牲者であり、そのため、英国からやって来た船によって運ばれた多くの商品と交換され得るものだった。

奴隷はその船に乗せられて、主甲板の下に鎖でつながれ、図書館の本のように並べられた。奴隷は、途切れ途切れに甲板に上がることしか許されなかった。すし詰めの不潔な環境のために多くが死に、他の者は早い段階で船外に飛び降りた。

これら恐ろしい船の目的地は、西インド諸島、北米のバージニア州、南北カロライナ州だった。船が港に近づくや、奴隷達は綺麗にされて、奴隷市場向けの準備をした。清浄水で洗われて、蜜蝋、ライム・ジュース、そして油を擦りこまれた。優秀な船の男と女の奴隷販売からの利益は、大きなものだった。

1807年、英国国会の法律が奴隷貿易を廃止した。しかし英国の奴隷商人は、外国船籍の下で奴隷貿易を続けた。1833年、英国植民地における奴隷所有権が廃止された。信じられないことに、奴隷所有者らには、約170億ポンド相当の補償がなされ、「loss of property(=財産の喪失)」として、約3000軒の奴隷を所有していた家族に支払われたのだった。

英国の作家のGeorge OrwellやGraham Greene、元英国首相のWilliam GladstoneやDavid Cameron(そして妻のSamantha)、更に俳優のBenedict Cumberbatchの先祖達が、この巨額の補償金の支払いを分け合った。

奴隷自身は、内国職員からは引き離されて、西インド諸島の拡大する砂糖農園や、北米南部の州の綿花、煙草、砂糖、米の農場での労働のために主として使用された。イングランドの綿工業は、奴隷労働から大いに利益を得た。

1870年までに、ランカシャー州の選り抜きの家族の20%以上が、綿工業からその富を得ていた。リバプールの商人は、1861年から65年までのAmerican Civil War(=アメリカ南北戦争)の間、Confederate States of America(=南部連合国)の強固な支援者であった。

南部の州の奴隷によって摘み取られた綿花は、英国に輸送された。この原材料はリバプールで売られ、ランカシャー州の様々な紡織工場に輸送された。

ランカシャー州の湿気の多い天候は、紡績を容易くしたため、綿織物の製造には適していた。James HargreavesのSpinning-Jenny(=ジェニー紡績機)、Richard ArkwrightのWater Frame(=水力紡績機)、そしてSamuel CromptonのSpinning Mule(=ミュール紡績機)のような新しい機械を使って、綿花は心地の良くて人気の、そして流行の衣服に変身したのだった。

紡織工場での労働者を見つけるため、支配階級は他所の土地の人々を誘惑する方法を考案しなければならなかった。

1800年代、英国はまだ概して農村社会であった。村には人口の大半が暮らしており、農作業、単純労働、あるいは小規模な伝統工芸職人として生計を立てていた。また入会地の家畜を食べる権利も持っていた。

様々なEnclosure Acts(=囲い込み法令)(多くが1795年から1812年までの間に成立した)が、入会地への接近を減少させることとなった。つまり、紡織工場での労働からの賃金の誘惑と相まって、何千という人々が都市に流入することを余儀なくされたのだった。

小規模綿生産者も、新しい設備や原材料は、田舎の小規模紡績工や機織り師には高価過ぎたため、価格が高くて市場から締め出された。そこで、ポーン(注、チェスの「歩」に当る駒)がチェス盤で動かされるように、田舎の労働者は、新しい工場で働くために都市に誘い込まれたのだった。

都市では、労働者らには不潔な、無頓着な大家が利益のために作った倒れそうな長屋を住居としてあてがわれていた。マンチェスターのLittle Ireland(=リトル・アイルランド)というスラムは、ランカシャー州の最悪のスラムの1つだった。紡織工場も、綿埃で一杯だった。そのため肺や胸部疾患になった。

統制は厳しいもので、労働者らは革ひもで叩かれ、子供は重しで留め置かれて、耳をテーブルに釘で打ち付けられていた。様々な救貧院出身の孤児達には、工場所有者による大きな需要があった。子供達は工場付属のバラックで眠り、連続12時間交代で働き、子供が寝台を明け渡すと、その後、交代時間を終えたばかりの子供達で寝台は一杯になった。

マンチェスターの紡織工場の1つは、yeomanry(=ヨーマン、注、自作農民階級)の60人の屈強な部隊(注、義勇農騎兵団)の司令官、Hugh Birleyが所有していた。Birleyによって率いられたこの部隊は、1819年のPeterloo Massacre(=ピータールー大虐殺)として良く知られているSt Peter’s Field(=セント・ピターズ・フィールド)でのMassacre(=大虐殺)に責任がある。

ここの織物工は、工場主によって賃金が削減されていることを知っており、セント・ピターズ・フィールドに集まって、このことや、その他の不平の元となるものに抗議した。15人の抗議者が殺害され、何百人も怪我をした。

作られるや綿製品は市場を必要とした。資本主義が、絶え間なく拡大する市場を必要とし、より大きな市場を英国に提供すべく、見つけ出さなければならなくなった。綿花男爵にとっては幸運にも、英国は偶々大きな潜在市場をもつことになった。それがインドだった。大量生産、機械製のランカシャー州の工場製の織物が、インドの手織りの織物を圧倒した。

インドの綿花製品の英国への輸入に対して、規制が導入された。安い大量生産の綿花製品でインド市場が溢れ、インドの商品が英国に輸出されることが規制されたことにより、英国はインドの綿工業を廃人にした。

1860年代までに、インドは綿織物製造国というよりは、むしろ綿花の輸出国になっていた。徐々にこの国は、綿織物の輸出を脇に置き、食料となる農産物のための土地を減らし、かくしてこの時期、亜大陸に影響を与えた飢饉や食糧不足に繋がったのだった。

このように、奴隷制度、綿花、低賃金労働者、児童労働、そしてインドの綿織物製造業の壊滅のおかげで、英国の資本家は富を築いた。奴隷船の船主も、歴史に強い影響を与えた。

それが、記憶に長く留まる讃美歌であるAmazing Graceを書いた奴隷船船長のJohn Newtonであり、その仲間の奴隷船船主であるリバプールのJames Pennyであり、リバプールの彼に因んで命名されたlane(=レイン、注、小道)は、後に大変に人気のある歌の題材となったのだった(注、The Beatlesのナンバーの1つであるPenny Lane(=ペニー・レイン)のこと)。(Green Left Weekly: Monday, December 5, 2016)

大統領府、2014年のフェリー惨事の際の朴の調髪に関する報道を否定(韓国)

12月6日、ソウル発。大統領府であるCheong Wa Dae(=青瓦台)は火曜日、President Park Geun-hye(=朴槿恵大統領)が2014年のフェリー惨事に際に、調髪のため90分以上も欲していたとするニュース報道を否定した。

このニュース報道は、大半が若い生徒であった300人以上が死亡、あるいは行方不明となる大惨事となった、フェリーSewolの沈没に対する政府の無能な対応ぶりに対する非難が絶えない中で出て来たもの。

地元日刊紙のHankyoreh(=ハンギョレ新聞)は、2014年4月16日午後1時から午後3時までの間、Park(=朴)は、自分の特徴となっている髪型である巻き髪にするため、大統領府である青瓦台に美容師を迎えたと報じている。

ある情報筋を引用して、この日刊紙は、調髪には90分程かかり、この調髪は、南西部の珍島(=チンド)沖の大惨事で救助隊が生存者を必死に捜索していた時間と一致していると報じた。

青瓦台は、朴の調髪と化粧を任されている2人の契約労働者がおり、この2人は、この日の午後3時20分頃、大統領府に入り、朴の調髪には僅か20分しかかからなかったと述べた。

大統領府の青瓦台は、フェリーが沈没した際には、合計15回の状況説明を受け、関連大統領命令を発していたとして、朴は公務を遂行していたと繰り返し主張している。(Yonhap News: 2016/12/06 21:24)

改造で、世界最大の排気ゼロのフェリーを作り出す(スウェーデン)

2016年12月6日、スウェーデンのHH Ferries Group向けの2隻の238メートルのフェリーのABBの電化が進行中だ。

HH Ferriesは、ヘルシングボリ(デンマーク)とヘルシンゲル(スウェーデン)間のフェリー航路を経営しているが、この事業のための造船所に、Oresund Dry Docksを選択した。ここでM/F Tycho BraheとM/F Auroraを世界最大の排気ゼロのフェリーに改造することとなる。これらの船には、いずれも4.16 MWの電池と電池棚のついたコンテナが、2017年2月に装着されることとなる。

1番船のTycho Braheの乾船渠入りは4月に始まり、作業が終わった時には直ちに完全電動フェリーとして運航を開始することになる。Auroraは、2017年10月に同じ過程を経験することになる。

この事業には、4基の全自動陸側充電装置の導入も含まれており、現在、ABBの工場で工事が行われている。土木工事は、ヘルシングボリとヘルシンゲルの波止場で来年初めに竣工する。(後略)(Marine Log: DECEMBER 6, 2016)

オーストラリアの会社がクック海峡のフェリーを買収(ニュージーランド・オーストラリア)

Bluebridgeというクック海峡フェリーのサービスを保有する一家が、オーストラリアの衡平法上の会社に、その運輸事業の大半を売却した。

Champ Private Equityは、Bluebridgeを保有するStrait ShippingとFreight LinesをBarker家から買収することで合意した、と火曜日に発表した。発表では、価格については言及されなかった。

この売却はBarker家の時代の終わりを象徴するものだが、創業者のJim Barkerの希望に沿ったものだ、とStrait Shipping managing director spokeswoman(=代表取締役の女性広報担当者)で、Barker氏の娘であるSheryl Ellisonは話している。(後略)(Otago Daily Times: Tuesday, 6 December 2016)

イエメン沖で沈没したフェリーから35人救助(イエメン)

イエメン沖で沈没したフェリーに乗船していた64人のうち、少なくとも35人が救助された、とイエメンの大臣は水曜日に語った。

救助隊は、イエメン本土のハドラマウトからソコトラ島に向かう途中の船の生存者を探し続けている、とFisheries Minister(=水産大臣)のFahad Kaffenは、自分のFacebook(=フェイスブック)(FB) ページで述べた。

ソコトラ島とハドラマウトは、イエメン北部の大半を支配しているHouthis(=フーシ派)と戦争をしているPresident Abd-Rabbu Mansour Hadi(=Abd-Rabbu Mansour Hadi大統領)の支配下にある。

The Aden al-Ghadというニュース・ウェブサイトは、同船は事故に遭ったものと考えられており、ハドラマウトのムカッラー港の当局者とは、火曜日の晩に連絡が途絶えたと伝えている。

船は、イエメン本土の南380キロメートル余にある群島であるソコトラ島の北西40キロメートル(25マイル)で沈没した。

政府は、この地域で海軍を駐留させているサウジが率いる軍事提携の同盟国からの援助を訴えている。(MarineLink: December 7, 2016)

クルーズ会社のRoyal CaribbeanとNorwegianはキューバに前進(米国・キューバ)

12月7日(ロイター)、合衆国のクルーズ運航事業者であるRoyal Caribbean Cruises LtdとNorwegian Cruise Line Holdings Ltdは水曜日、キューバへの運航開始についてキューバ当局からの承認を得たと述べた。

Norwegian Cruise Lineは、第1船が来年の3月7日にマイアミからハバナに航海することになると話す一方、Royal Caribbeanは日時を明確にしなかった。

この承認は、乗客700人を乗せた小型船のCarnival CorpのAdoniaが、承認を得てキューバの首都に到着してから7か月近く経ってからなされたものだ。

Adoniaは、Fidel Castroの1959年革命以来、合衆国からキューバに航海した最初の合衆国所有船。

キューバは4月に、キューバ生まれの市民が商船で出入国することを解禁すると述べ、クルーズ運航事業者が合衆国発の旅程を提供し始めるための道を切り開いていた。(gCaptain: December 7, 2016)

新しいフェリー複合施設がカザフスタンに建設(カザフスタン)

新しいフェリー複合施設がカスピ海のKuryk港に建設された、と Kazakhstan Temir Zholy国営会社は報告した。この複合施設の第一期の正式開業は、12月6日に始まった。

Kuryk港は、カスピ海横断国際輸送回廊の重要な部分であり、今や鉄道と港湾社会基盤に貨物積み替えの準備ができている。「Kurykは、コーカサスとヨーロッパに行く道である」とカザフ大統領のNursultan Nazarbayevは開所式典で語った。

カザフスタンからその他のカスピ海沿岸諸国に向かうフェリー輸送は、以前はアクタウ港を通過することしかできなかった。しかしこの港のフェリー・ターミナルは、この数年、収容力一杯にまで稼働させている。

Kurykのフェリー複合施設が、カザフスタンの既存のフェリー輸送能力を3倍にし、中国―ヨーロッパ輸送回廊のカザフ区間の強化を可能にする。カザフスタンは、現在の1800万トンの貨物の通過輸送を、2020年には3300万トン、2030年には5000万トンに増加させる計画だ。(AzerNews: 7 December 2016 13:39 (UTC+04:00))

Cunard Line、P&O Cruises、2017年のトルコ寄港を全部取消(トルコ・米国)

トルコの観光業界は、死者の出たテロリスト攻撃と、今年の夏のクーデター未遂の結果、大打撃を受けている。

Cruise Criticによると、Carnival CorporationのCunard LineとP&O Cruisesは、いずれも来年のトルコへの全ての寄港を取り消したことを確認した。

「熟慮の結果、弊社は、英国のForeign and Commonwealth Office(=外務連邦省)を含む様々な情報筋を基に、CunardとP&O Cruises双方の2017年の全ての旅程から、トルコを外す決定を行いました。」とこのクルーズ客船会社は声明において述べた。

予定されていたトルコへの寄港は、ギリシャとアルバニアへの寄港に振り替えられることになる。

このニュースは、トルコの史跡を楽しみにしていた旅行者を失望させるかもしれない。CunardとP&Oは、問題を抱えた目的地から引き上げる最初のクルーズ客船会社ではない。

Disney Cruise Line、Crystal Cruises、MSC Cruises、その他といったクルーズ客船会社の中には、一連の人目を惹くような出来事の後、今年、トルコへの寄港を中止していたところがある。

U.S. State Department(=合衆国国務省)は、アメリカ人に「increased threats from terrorist groups throughout Turkey(=トルコ中のテロリスト団体からの脅迫が増大していること)」を警告し続けている。

「合衆国市民は、トルコの南東部への渡航を避けるべきであり、同国内を旅行する際には、注意深く旅行の危険を考慮すべきである。」と10月29日に発令した渡航勧告の中で、同省は述べていた。(Fox News: Published December 07, 2016)

クリミアとロシア本土を結ぶケルチ海峡フェリーの運航は中断(ロシア)

モスクワ発(スプートニク)。声明によると、「好ましくない気象状況(風)のため、ケルチのフェリー運航は一時的に中断している」という。

ケルチ海峡は、黒海とアゾフ海を結んでいる。ケルチ海峡を横断して、クリミア半島とロシア本土を結ぶ橋がロシア政府により提案されており、2018年から2020年までには建設される見込み。

ロシアの歴史ある南部地域であるクリミアは、住民投票でこの半島の住民の圧倒的多数が賛成した2014年3月にウクライナから離脱し、ロシアに再編入した。

2014年8月、ロシア政府はこの地域や運輸、社会基盤を劇的に開発することを急騰させ、人民の生活水準を改善することを狙った連邦政府事業を承認している。(Sputnik International: 02:05 09.12.2016)

アビジャンは旅客フェリー16隻発注(コート・ジボアール)

象牙海岸(注、コート・ジボアール)の都市、アビジャン都市の過密化と温室効果ガス(注、二酸化炭素)の排出を削減するための大統領の計画の一環として、16隻の新しい旅客フェリーが、Societe de Transport Lagunaire (STL)により発注された。

象牙海岸の経済上の首都として知られるアビジャンは、アフリカ西海岸の長さ100キロメールのEbrie Lagoonの近くに位置する。したがって海上交通が、この地域の毎日の生活において重要な地位を占めている。更に急速な人口の増加と既存のフェリー運航の悪化により、交通渋滞がこの都市の主要問題となっている。

そこで象牙海岸(注、コート・ジボアール)政府が社会基盤の改善に注目するようになってきており、Damen Shipyards Groupは、増加している都市人口向けに、費用効率が高くて、信頼できる公共交通機関の選択肢を提供すべく、16隻の浅喫水の旅客フェリーを建造する契約を締結した。(後略)(MarineLink: December 9, 2016)

Seaspan Ferriesの最初のLNG焚きの船が到着(カナダ・トルコ)

Seaspan Ferries Corporation (SFC) は、2隻の新しい2元燃料/ハイブリッド・ディーゼル・液化天然ガス (LNG) ・電動フェリーの1番船であるSeaspan Swiftが、同船隊に到着したことを発表した。

この新しい最新船は、現在、デルタのSFC Tilbury Terminalに接岸しているが、トルコのイスタンブールにあるSedef Shipyardでの工事を経て、合計10,661浬の8週間の旅を終えて到着した。

今週、SFCであったもう一つの最初の出来事は、Seaspan Swiftが、船にLNGを配達するタンカー・トラック(注、タンク・ローリー)を使って燃料補給した際に、VARD、FortisBC、そしてRedwiseの支援を受けたことだった。この種の燃料補給作業は、北米におけるこの種の最初のものだと報じられている。

148.9メートルのフェリーは、59台までのトレーラーを収容することができるが、12月中に、一連の法定検査を経て、船員の訓練を行い、2017年1月2日に就航する。(後略)(MarineLink: December 9, 2016)

新しいクルーズ船が南シナ海での旅行を提供(中国)

12月9日、海口発。Nanhai Zhi Mengと命名された新しいクルーズ船が、12月下旬から三亜(=サンヤー)から永楽諸島に処女航海を始める。永楽諸島は中国南端の海南(=ハイナン)省の三紗市によって管理されている、と同市観光局は金曜日に話した。

このクルーズ船は試験航海を終え、11月下旬に予約を開始してから人気の切符販売となっている。

最大搭載人員893人の本船は、Nanhai Cruises Companyの所有。この旅行には4日かかり、主として西沙諸島の銀嶼島、全富島 、鴨公島を訪問する。船は、月に4回から6回の航海を行う予定。

西沙諸島は、海南諸島の南東にある一群の小島、砂洲、礁で、独特の景観と生態系で有名だ。

西沙諸島の1つである永興島にある三紗市は、2012年7月に設立された。同市では観光業を経済の原動力と考えており、南シナ海の周辺海域にある3つの群島、すなわち西沙、中沙、南沙を管理している。

Hainan Strait Shipping Co. Ltd.に保有される別のクルーズ船は、2013年4月に開業して以来、この航路でクルーズを提供して来た。これまでに23,000人の観光客がこの旅行をした。新船は、更に観光客を三紗に惹きつけるものと見られている。(Xinhua: 2016-12-09 20:58:16)

ドーバーとカレー間のフェリー船員の10パーセントが薬物検査で不合格、海峡で史上最大の人数(英国)

13人の船員が抜き打ち検査で不合格となり、海峡横断フェリーで史上最大の薬物使用者数となった。

P&OのPride of Canterburyの104人の優秀な船員の10パーセント以上が、木曜日に2往復した洋上で検査された際に、「non-negative(=非陰性)」の尿検体を出した。

この結果にP&O幹部は衝撃を受けて警察に通報し、ゼロ・トレランス薬物政策(注、薬物使用について例外を認めず禁止する政策)を破ったことが判明した者は解雇することを誓約した。P&Oの広報担当者は昨日、次のように話した。

「これ程多くの職員が関与した薬物事件は、これまで決してありませんでした。」

この巨大フェリー会社は、乗務しているどの職員が規制薬物の検査で不合格になったのかを漏らすことを拒否したが、上級船員が含まれていないことは確認した。

ある消息筋は、The Sun紙(注、英国で発行部数最大の大衆紙)に対して、この30,000トンのカー・フェリーの甲板部で働いている者の中で捕まったのがいると語った。また13人のうち数人は、この巨大な船でドーバーからカレーに向かう毎日の横断の際に、2,000人もの乗客と定期的に接触する職種だった。(後略)(The Sun: 10th December 2016, 1:47 am)

フェリーのRomantikaはリガ―ストックホルム航路に復帰(ラトビア・エストニア)

リガ発。クルーズ・フェリーのRomantikaは、今日からリガ―ストックホルム航路での運航を再開する、とLETAは報じた。

エストニアのフェリー会社、Tallink Gruppは、この動きは、Romantikaが既に同航路を走っているIsabelleに加わることとなることから、リガ―ストックホルム航路の収容力を十分に増やすものであり、今まで隔日だったリガからストックホルムへのフェリーが、毎日運航になると話した。

しかし2017年初めに、両フェリーは予定された保守整備を受けることとなる。Romantikaは、1月21日から2月1日まで同航路から外れ、またIsabelleの保守期間は2月6日から2月16日までを予定している。一方のフェリーが保守整備中、他方はリガとストックホルム間を隔日運航することとなる。

2014年夏、Tallink Gruppは、リガ―ストックホルム航路からRomantikaを撤退させて、タリン―ストックホルム航路に配船し、リガとストックホルム間を走るのは、Isabelleだけになっていた。

リガは、貨物と旅客双方からの粗利益でラトビア最大の港。リガ港は、今年の最初の11か月間において530,745人の旅客を扱い、昨年の同時期と比べて8%増だった。(The Baltic Course: 12.12.2016.)

Dawn Princessの新推進制御(米国・オーストラリア)

1994年に遡ると、GEの技術は、長さ856フィート、77,441トンのDawn Princessというクルーズ船の動力を支援した。今や20年が経過し、GEは再びCarnival Corporation (CCL) と提携して、 P&O Cruises Australiaが運航するPacific Explorerへの過渡期に、Dawn Princessの推進力を最新のものにする。この新システムの分散制御の更新は、本船の代理機能性と運行安全性を向上させ、システムの設置費を逓減させることとなる。

1993年に最初のデジタル制御(Syconum range)を供給して、GEのMarine Solutionsは、デジタル制御装置(PECe Range)の最新世代により、クルーズ船を最新のものにしている。

GEは、本船のデジタル模型を作り出すことのできるリアル・タイム・シミュレイター(注、「即時模擬実験装置」の意)を使って、そのBelfort Center of Excellence (CoE)での工場試運転を終える。このおかげで、予定された更新は、12日間の乾船渠への入渠期間中に申し分なく実施することが容易になり、運航上の長所の検証を可能にした。

更新中、Visorという遠隔制御装置も、より良い診断システムに更新され、遠隔故障点検や、予期せぬダウンタイム(注、コンピュータの休止時間)の減少に役立つこととなる。

GEも、乾船渠への入渠後の最初のクルーズ中に技術支援を行う。(MarineLink: December 12, 2016)

RoRo船がムンバイとナム間の移動時間を短縮するかも(インド)

この長らく懸案となっていた輸送システムは、Maharashtra Maritime Board (MMB)、Cidco、そしてMumbai Port Trust (MbPt)が共同して実現するかもしれない。

大交通渋滞とその結果生じる遅延を忘れろ。南ムンバイ及び中央ムンバイからナビー・ムンバイに向かう乗用車の利用者は、海上を行くよりも速い通勤を楽しみに待つことが可能だ。州政府は、旅客の他、車両も扱うRoRo船の運航に対処できるナビー・ムンバイのネルールにある埠頭とターミナルを確保することとなる東海岸海上輸送事業案を改訂した。

「以前は、この設備(ネルールのRoRo船運航)はありませんでした。しかし今や、政府はこれをやるように我々に要請しているのです……。これは、この新しい計画案においてなされることとなります。」とCity and Industrial Development Corporation(注、「都市・産業育成企業」の意)(Cidco)のmanaging director(=代表取締役)のBhushan Gagraniは確認し、この施設は以前は単に旅客用のもので、乗用車用(RoRo船)のものではなかったと付け加えた。

この長らく懸案となっていた輸送システムは、Maharashtra Maritime Board (MMB)、Cidco、そしてMumbai Port Trust (MbPt)が共同して実現する。MMBはこの延長につき、船舶運航事業者を指名することとなる。ムンバイからコンカン、ナビー・ムンバイ、レイガッド、更にはゴアさえにも向かう利用者の行政区画故に、通勤者はこの延長で、道路を移動するのに比べ、時間やお金を節約できるようになる。

MMB幹部は、ナビー・ムンバイとムンバイ間を移動する自動車運転者にとって、ネルールでRoRo船の運航を許可するという決定は、代替路を作ることを意味する、と語った。

快適設備や防波堤の他、埠頭やターミナルの建設は、2018年半ばまでに竣工しそうだとみられている。(Daily News & Analysis: Mon, 12 Dec 2016-07:15am)

Carnival Cruise Lineは解雇された従業員に後任の外国人の訓練を強要:報道(米国)

Carnival Cruise Lineの標語は「Fun for all, all for fun(=皆が楽しく、楽しいの大好き)」だが、そこの従業員は、外国人労働者と交代になり、その外国人労働者を訓練することに責任を持つことになると告げられていることから、楽しい時を過ごしてはいない。

休暇では、多くの労働者が使用者から僅かな報酬しか期待できないが、Carnivalでの仕事が直ぐに無くなると言い渡された200人から300人のIT(=情報技術)作業員の場合は、その場合ではない。

「厳しいものでした。」とCarnivalのIT部門で働いて来た従業員のMatthew Culverは、CBS Miami(注、テレビ局)に語った。

「20年以上になる人は、信じられないといった様子です。これから何が起きるのかと驚嘆し、泣いている人を見ています。つまり本当に見るのが辛いことでした。大変に厳しいものでした。」と付け加えた。

この一時解雇は、Carnivalが「shoreside IT operations, maintenance, and support in North America to an outside firm(=陸上のIT運営、保守整備、北米での支援を(Capgeminiという名前の)外部の会社に)外注することから生じたものだ、とCBS Miamiは報じた。

Carnivalは以前、影響を受ける労働者は、6か月間の雇用保障の下で、Capgeminiの従業員になると話していたが、CBS Miamiが入手した約定書には、如何なる仕事も全く従業員に保障してはいなかった。その代り、如何なる理由によっても「at-will(=任意に)」従業員を解雇できるとしていた。

「我々はクリスマスの6日前の12月19日までに、Capgeminiの契約条件に同意するかしないかを強いられることになります。」とCulverは話した。

IT従業員は、自分と同僚は「stressed and worried(=圧力を受け、悩んでいる)」と言って、Breitbartにこの状況を詳しく話している。

「私の同僚は、家族と家族の健康保険、そして外国人の後任者を訓練した後で仕事を見つけることができるだろうかと心配しています。職場の雰囲気は、極端なまでに重苦しいものです。私は圧迫され、悩んでいますが、同僚も同じことを感じています。」

恐らく仕事を失うことよりも悪いことは、ここの従業員らが、自分達の後任者に新しい仕事の仕方を教育するという「knowledge transfer activities(=知識移転活動)」に参加することになることだ。

「つまり知識移転とは、他の誰かに自分の仕事をするように訓練することなのです。」とCulverは話した。「それが知識移転というものです。その結果、我々の仕事は、インドに消えることになるです。我々は外国人の後任者を訓練しなければならず、6か月後には失業なのです。」

ところがCarnivalは、広報担当者のRoger Frizzellは「そんな計画は聞いていない」と言って、仕事を外国人労働者に外部委託することになることを否定した。

しかしCarnivalの従業員に助言している労働弁護士であるSara BlackwellはCBS Miamiに対し、Capgeminiは「あるタウン・ホール・ミーティング(=対話集会)において、解雇されたアメリカ人に対し、Carnivalから支払われることになる額でITサービスを同社に供給できる唯一の方法であることから、Capgeminiは、この作業をインドに外部委託すると明言した」と話した。

更にCarnivalの労働者が、Capgeminiに任意従業員として送られるのは、「従業員を非常に大切にしているからではなく、後任の外国人を訓練するために必要な従業員であるから」だと話を続けた。

Blackwellは、もしCarnivalが物事を正当化したいのならば、「guarantee the public that the job duties of the 200 terminated Americans will be done by Americans in America(=200人の解雇されたアメリカ人の職務は、アメリカにおいて、アメリカ人によってなされることを、大衆に対して約束)」すべきだと語った。

Capgeminiが、出稼ぎ労働者計画を通じて外国人労働者を導入する計画を立てており、この構想は、President-elect(=次期大統領の)Donald TrumpがWhite House(=ホワイトハウス)入りのための運動中(注、大統領選の期間中)に終わらせると誓ったものだと主張している。

「私は、低賃金労働事業としてH-1B [visa] (=査証)を使うことは永遠に止めさせます。そして、どの査証事業や移民事業においても、アメリカの労働者をまず雇用することを絶対条件とします。」と3月の報道発表の中で話していた。「例外はありません。」(RT: 14 Dec, 2016 13:08)

Stena Line、フェリー保守契約を延長(スウェーデン)

スウェーデンのフェリー運航事業者のStena Lineは、Cargotecの一部であるMacGregorとの予定された保守協定を更新した。Stena Lineは2008年以来、MacGregor Onboard Care (MOC) 協定を維持しており、最新の契約では、網羅されるRoRo船の数が39隻になった。(中略)

この契約は Stena Line、Scandinavia AB、Stena Line BV、そしてNorthern Marine Ferries Ltd向けに運航しているフェリーを網羅し、バルト海、北海、イギリス海峡、そしてアイリッシュ海の22航路を運航している。

それぞれのMOC協定は、それぞれの運航社の必要性に適合するように合わせてある。MacGregorは新しいサービス協定の構想を開発中であり、顧客に対するサービス義務を更にもっと簡素化するものとなる。来年早々、利用できるようになる。(MarineLink: December 14, 2016)

クルーズ船が中国から2000人の観光客をもたらす(フィジー・中国)

中国から2000人以上の観光客が、昨日、スバに停泊したクルーズ船Costa Atlanticaに乗って到着した。

Costa Atlanticaは、中国の天津(=テンチン)を出発して、南太平洋への中国最初の46日間クルーズを始めた。Zhao Yunxia(31)は夫と共に旅行中で、友好的なフィジー人の生活様式を喜んで体験した。

「Sawaniの村人を訪問して戻ってきたところで、フィジー人の友好的な気質が判ってとても良かったと思いました。」と語った。「今日は面白い探検もして、フィジーの女性がとても美しいことが判ったのです。」

Zhao夫人は、太平洋に向かうこのクルーズに参加するために、中国での仕事を辞めた。というのは、彼女の使用者が46日間休むことを許さなかったためだ。

更に、生涯またとない体験であるので、気兼ねすることなくこのクルーズに参加したと付け加えた。

Costa Atlanticaは、2つの大陸の間を乗客を乗せていく計画で、9か国の12の島を訪問する。この旅程には、地球上で最も魅惑的な場所が含まれており、北マリアナ諸島連邦のサイパン、スバ、タヒチのパペーテとボラボラ島、米領サモアのパゴ・パゴ、パプア・ニュー・ギニアのラバウルが含まれる。(Fiji Times: Thursday, December 15, 2016)

オーストラリアのLNG焚きRO/RO船が就航(オーストラリア・ドイツ)

真新しい液化天然ガス(LNG)焚きのロール・オン、ロール・オフ貨物船、Searoad Mersey IIが、母港のオーストラリアのタスマニア島北部にあるデボン港から就航した。

バス海峡の海運物流会社、SeaRoadにより「cleanest, greenest freight ship ever to trade in Australian waters(=オーストラリア海域で運航する史上最高に清潔で環境に優しい貨物船)」だと大袈裟に宣伝されたSearoad Mersey IIは、LNG燃料及び動力技術を使用するオーストラリア最初の沿岸船であり、ロール・オン、ロール・オフLNG供給システムを使用する世界初の純乾貨物船だ。

この新しい長さ182メートルの船は、ドイツの造船業者のFlensburger Schiffbau-Gesellschaft Shipyardを11月初めに出発し、カナリア諸島のラス・パルマス、南アフリカのケープ・タウン、ウェスタン・オーストラリア州のフリマントルに燃料と食料補給のための寄港をしてオーストラリアに航海し、12月12日に母港に到着。12月14日にメルボルンからデボンポートへの最初の商業航海を行った。

本船の主機関は、全て二元燃料機関であり、LNGを一次エネルギー源として燃焼させて、排気をかなり減少させ、油による汚染の危険を最小化し、運航効率を最大化して、持続可能な将来の環境保全上の利点を提供する。定期運航においてSearoad Mersey IIは、船舶運用に1パーセントもディーゼル油を使用しないことになる。

この新船に加え、独特の燃料補給社会基盤、停泊地の改善、荷役機械の追加にかかった投資総額は、1憶1000万ドルを超える。この事業は、SeaRoad Holdingsのchairman(=会長)でデボンポートのChas Kellyにより推進されたが、次にように語っている。

「タスマニアは過去数年間、この船を必要として来たのであり、本船の到来でSeaRoadは、タスマニア島と本土間で貨物を移動させるための余力が通年に亘って50パーセント増加することになったのです。」(後略)(MarineLink: December 15, 2016)

造船業者のEcovixがブラジルで破産申請(ブラジル)

Ecovix Engevix Construcoes Oceanicas SAと子会社5社が、80億レアル(24億ドル)の債務負担と造船業の急落に耐えかね、連邦商業裁判所に破産申請を行った。

金曜日の声明において、Ecovixは、Banco Brasil Plural SAと法律事務所のFelsberg Advogadosが、リオ・グランデ・ド・スル州というブラジル南部の州に本拠を置く裁判所でなされる破産申請手続きに関して助言することになると話した。この造船業者の現金は、現時点では枯渇している、と声明文にはあった。(1ドル=3.3845レアル)(MarineLink: December 16, 2016)

来年、ギリシャの港を訪問するクルーズ船は減少へ(ギリシャ)

2017年のギリシャの港湾に寄港予定のクルーズ船に関する数字によると、ギリシャのクルーズ市場は来年、深刻な縮小に備えることになる。

Cruise Lines International Association(=クルーズ客船会社国際協会)のヨーロッパ部長で、Celestyal Cruisesのchief executive officer(=最高経営責任者)のKyriakos Anastasiadisは、今年との比較では、2017年のギリシャの港湾のクルーズ客船会社による寄港は、30パーセント減少するものと見積もっている。

この広範な地域における地政学的な不確実性が、乗客、主として北米からの乗客が来年のクルーズ休暇に別の航路を選択する結果となっているが、地中海の状況が改善すれば変わりそうだ。(Kathimerini: 16.12.2016 : 20:53)

国連、北朝鮮船制裁解除(北朝鮮)

United Nations Security Council(=国連安全保障理事会)は、北朝鮮の武器輸出に関連して、3月にブラックリストに掲載した5隻の船に対する制裁を解除した。

この船は、秘密主義国家に武器、その他の違法商品を輸出する北朝鮮の海運会社として知られているOcean Maritime Management (OMM)に関係しているとして、3月2日の15か国会議により制裁を受けた31隻に含まれていた。

15か国Security Council(=安全保障理事会)の北朝鮮制裁委員会は、この5隻の船は「Ocean Maritime Management Company, Limitedにより支配、あるいは運航されている経済資源ではないことから、資産凍結は及ばない」と決定した。

ブラックリストから外された船は、Dawnlight、Every Bright、Gold Star 3、Orion Starm、そしてSouth Hill 5。

安全保障理事会は、1月の北朝鮮の4回目の核実験の後、3月に導入した全面制裁の一環として、これらの船をリストに載せた。数週間後、同理事会は、中国の要求で4隻をリストから外した。

安全保障理事会は先月、9月の平壌(注、北朝鮮政府)による5回目の最大の核実験に応えて、このアジア国家の年間輸出収入を4分の1以上に削減することを狙って、新たな制裁を北朝鮮に科していた。(Sky News Australia: 1:07 pm, Sunday, 18 December 2016)

政府、モンバサ海港にクルーズ船ターミナルの工事開始(ケニア)

金曜日、東アフリカ国家にしっかりとした外国為替収入をもたらす観光業の急騰を期待して、ケニアはインド洋の海港、モンバサで最初のクルーズ船ターミナルの工事を開始した。

現在、クルーズ船は、モンバサの主要貨物ターミナルを利用している。新しい施設は、豪華船に特化したこの海港の最初のターミナルとなる。

この3億5000万ケニア・シリング(340万ドル)のターミナルは、ケニア政府と民間企業のTrade Mark East Africaが出資した共同事業体の下で工事が行われている。

モンバサ海港のmanaging director(=代表取締役)Catherine Mturiは、このターミナルで、更に年間140,000人までの訪問者により、この施設のクルーズ観光客を急騰させることになり、年間5200万ドルを生み出すものと期待していると語った。

昨年、6,000人の観光客を乗せた10隻のクルーズ船が同港に寄港しており、この数は今年増加するものと期待している、とMturiは話した。

「より多くの旅客船を惹きつけて、このBlue Economy(=陰気な経済)における大きな可能性を完全に生かすべく、この地域における我が港を改善することを大変一生懸命やっております。」と語った。

アデン湾とインド洋の海賊行為は、この地域のクルーズ観光を減速させたが、近年、海軍の哨戒と、船舶に武装衛兵を配置させたことから、徐々に上向いている。(Citizen TV: Published on 18 December 2016)

武装英国海上保安官、テロとの戦いの中、海峡横断フェリーの巡回を直ぐに始めることが可能(英国・フランス)

武装British Sea Marshals(=英国海上保安官)が、テロとの戦いにおいて海峡横断フェリーの巡回の準備を行っていることが明らかになった。

この武装警官は、新しい計画の下では、フランス領海の船の上に留まる権限さえも有することになる。

これは、英国とフランスの当局が、英国海域における「gendarmes maritimes(=海上憲兵)」に法的権限を付与する協定に署名したことから始まったもの。

最近まで、部隊の展開は、英国領海外で、空からフランスの精鋭部隊をフェリーに送る方法で行われてきた。

詳細は、フェリーの警備調整を行っているHome Secretary(=内務大臣)のAmber Ruddの公式文書において明らかになった。現在、実現できるかもしれない協定に関し、係官らと作業中だ。(中略)

協定は、2017年3月に終わる試用期間まで存続する。(The Sun: 18th December 2016, 3:47 am)

Rolls-Royce、新しいデンマークのフェリー推進へ(デンマーク・フィンランド・英国)

デンマークのフェリー運航事業者であるMols-Linienは、新しい旅客フェリーを、フィンランドのラウマにあるRauma Marine Constructionsという造船所に発注した。Rolls-Royceが、主要プロペラと新進制御システムをこの新船に供給する。新船は、デンマーク本土と、バルト海の陽光の島としても知られているボルンホルム島の間で運航することになる予定。

Rolls-Royceは、可変ピッチプロペラ、プロペラ・ハブ・キャップ、球のある舵、捻じられた最先端の水力を動的に最適化する設備を統合するPromasシステムの2基の装置を納品することになる。ギアボックス、操舵装置、船首の2基のトンネル・スラスター、制御システムも、この納品に含まれる。(中略)

Rolls-Royce Hydrodynamic Research Centerは、世界の指導的な海事調査施設の1つであり、プロペラやウォーター・ジェットの設計や試験を含む海洋推進システムの開発に特化している。

Mols-Linien向けのこの新しい旅客フェリーは、600人乗りで、乗用車やトレーラーの輸送用に、レーン長合計1,500メートルになる2層の甲板を有するものとなる。2018年9月に就航予定。(MarineLink: December 19, 2016)

29隻のクルーズ船が2016年CDCの点数で満点を獲得(米国)

Holland AmericaのEurodamは、2016年、10回連続して100点を獲得し、Centers for Disease Control(=疾病対策センター)の完璧な衛生格付けを維持した。

他のHolland Americaの船であるWesterdam、Veendam、Noordam、そしてMaasdamも、今年は満点を獲得し、汚点なく無通告検査を合格した合計29隻の船の仲間入りをした。

CDC(=疾病対策センター)は、年に2回、合衆国の港湾を出入りする全ての船舶を検査している。船は86点以上の点数を獲得すなければならない。2015年、32隻のクルーズ船が満点を獲得した。

Celebrityは最も完璧な点数を獲得し、Celebrity Reflection、Celebrity Solstice、Celebrity Eclipse、Celebrity Millennium、Celebrity Silhouette、そしてCelebrity Equinoxの6隻の船が100点だった。

Royal Caribbeanは、Grandeur of the Seas、Allure of the Seas、Radiance of the Seas、そしてFreedom of the Seasの4隻が満点だった。Carnival Cruisesは、Carnival Elation、Carnival Victory、そしてCarnival Breezeの3隻で、Princess Cruisesは、Emerald Princess、Regal Princess、そしてRoyal Princessが満点だった。

Norwegian Cruise LineとDisney Cruisesは、いずれも2隻の船が100点を獲得した。それぞれNorwegian GetawayとNorwegian Spirit、そしてDisney FantasyとMagicだった。

豪華範疇では、Sea Dream II、Crystal Serenity、OceaniaのRegatta、そしてSilver Shadowが最高点を獲得した。

反対に次の船は、2016年の検査では不合格だった。Royal CaribbeanのEmpress of the Seas、PonantのLe Soleal、そしてP&OのOceana。

船が85点以下の点数を貰った場合は、合衆国海域を運航する場合は、通常、30日から45日以内に再検査を受ける。切迫した健康危険のある違反がなければ、その船は航海を継続することが許可されることとなる。

Empress of the Seasは、6月3日に80点の不合格点を貰ったが、その後、7月9日の追跡検査で97点を獲得した。7月28日に85点を貰ったLe Solealと、3月1日に82点だったOceanaは、再検査を受けていない。(Cruise Critic: December 20, 2016)

Brittany Ferriesが新船を建造、メタン駆動(フランス・英国・ドイツ)

プリマスのフェリー会社、Brittany Ferriesは、天然ガスで駆動する新船の建造に何百万ポンドも投資する。

今日、同社は、ドイツのFlensburger Schiffbauとの間で、液化天然ガス(LNG) 駆動の新船建造の同意書に署名した。新船は、同社の乗客の約70パーセントを輸送し、毎日3往復しているポーツマス―カン航路に、2019年に就航するものと見られる。

幹部らは、英国海域で運航する最も清浄で、最も環境に優しい船の1隻になると話している。というのは、LNGは主としてメタンとエタンからなるものだが、舶用燃料油よりも燃焼時において二酸化炭素の排出が少なく、煤煙を出すことなく燃焼するからだという。また硫黄も出さず、窒素酸化物の排出も大変に少ない。Brittany Ferries chief executive(=最高責任者)のChristophe Mathieuは、次のように語った。

「Flensburger造船所との間でこの同意書に署名したことは、Brittany Ferriesの新世代船の建造に向けた明確な第1歩となりました。」

「Brexit(=ブレグジット、注、英国のEU離脱)にも関わらず、弊社は西ヨーロッパ地域における観光業と貿易の双方を支える弊社航路網を成長させ、近代化し続ける弊社の能力に対し、強気の姿勢を取っております。」

このフランスの会社の船で旅行する5人に4人以上が英国人であり、2016年に240万人以上の乗客が乗船している。乗客1,680人乗り、船室257室の船の最終契約は、2017年春に署名されるものと見られており、その後、工事が始まる。新船は、2002年に就航した人気のクルーズ・フェリー、Mont St Michelと二頭立てで運航することになる。

今日の発表では、新技術を使って運航により環境影響を逓減させるというBrittany Ferriesの関与を強調していた。これは、同社の10隻からなる船隊の6隻のクルーズ・フェリーに遡及的に設置した排気逓減「scrubber(=スクラバー、注、「気体洗浄装置」の意)」システムに対する6500万ポンドの投資を完了させたことに引き続くもの。(Plymouth Herald: December 21, 2016)

北東アジアの造船業者、世界造船市場での優勢を失う(韓国)

朝鮮(注、韓国)ソウル発。Clarksons Researchによると、イタリアの造船業者が、今年1月から11月までに、合計124万CGT相当の契約を確保したという。同時期、中国、南朝鮮(注、韓国)、そして日本の造船業者は、それぞれ375万CGT、163万CGT、112万CGTだった。

北東アジア3か国以外の国が、上位3か国に入るのは、約20年間において初めてのことだ。1998年に遡ると、ドイツの造船業者が3位だったことがある。

イタリアの造船業者が、北東アジアの3か国が優勢な市場において素晴らしい業績を上げたのは、ヨーロッパでクルーズ船の注文が相次いだためだ。今年の第3四半期において、この種の注文が新船の注文合計の26%に上っており、空前の好記録となっている。

一方、南朝鮮(注、韓国)の造船業者は、そうした契約で失注している。クルーズ船は造船技術のみならず、様々な備品、材料、内装設計、その他多くのものと関連する。しかし南朝鮮(注、韓国)の造船業者は、一般にコンテナ船や油槽船などの商船に特化している。クルーズ船向けの内装材をヨーロッパから購入することはできるものの、その場合、費用がかさむことになる。(BusinessKorea: 21 December 2016 - 3:45pm)

海運業、EUの一方的な炭素放出への課税脅迫に直面(英国)

ロンドン発。海運業界は、連合の議員らが、二酸化炭素ガスの放出問題に取り組む世界的努力により進展が遅れていることに次第に業を煮やしていることから、この問題に関してEuropean Union(=ヨーロッパ連合)に支払う課税脅迫に直面している。

同業界は、世界の商品輸送の約90パーセントを占めているが、これは世界貿易を歪曲するものであり、むしろUnited Nation(=国際連合)の海運機関であるInternational Maritime Organization(=国際海事機関)(IMO)が担当する問題にしたいと論じ、EUによる一方的な動きを拒絶して来た。

先週、EUの議員は、同業界の二酸化炭素排出量を補償するための基金設立となる同連合の炭素emissions trading system(=排出権取引制度)(ETS)の改革案に対し、賛成投票を行った。

この提案は、2月に全員出席の上での投票を行うもので、EUの3つある立法府、すなわちmember states(=加盟国)、Commission(=委員会)そしてParliament(=議会)が、改革案を徹底的に議論するための話し合いを、来年、始めることとなる。

International Chamber of Shipping(=国際海運会議所)(ICS) という業界団体のSimon Bennettは、とりわけ電力、鉄鋼、セメント部門向けに発展してきたEUのETS(=排出権取引制度)市場は、「an abject failure(=惨めな失敗の1つ)」であり、海運業には適していないと語った。

「世界の海運業に対する一方的な適用は、市場を捻じ曲げるものであり、中国やその他のアジア諸国との間の通商摩擦を生み出すものです。」とBennettは語った。

「我々は、EU諸国政府とEuropean Commission(=欧州委員会)が、この意味が分かることを望むものです。」

欧州委員会の広報官(注、女性)は、European Parliament(=欧州議会)とCouncil of member governments(=加盟諸国の議会)の双方における議論に密接に従うと話したが、現在のところ、明確な論評は得られなかった。

海運業は現在、二酸化炭素(CO2)の世界排出量の約2.2パーセントを占めており、これを抑制するために何もしなければ、この割合は劇的に上昇するものと予測されている。

ICS(=国際海運会議所)のBennettは、海運業はIMO経由でCO2に対する責任を完全に受け入れており、先月、2013年の最終的なCO2削減義務の受け容れに向けての「road map(=指針)」を明らかにしたと話した。

しかしながらヨーロッパの主要港であるロッテルダム港のchief executive(=最高責任者)であるAllard Casteleinは、EUは同機関(注、国際海事機関)に「keep up the pressure(=圧力をかけ続ける)」べきだとして、IMOの計画は「not challenging enough(=取り組み不十分)」であり、「far too late(=遥かに遅すぎる)」と語った。

これに対してIMO Secretary-General(=事務局長)のKitack Limは、この問題への取り組みは「urgency(=緊急性)」を要する問題であり、「by working together and not leaving anyone behind(=どの国も置いてきぼりにすることなく、共に作業することにより)」温室効果ガスの排出を制御するための地球的解決策を見つけ出すべく、作業を続けていると語った。(Reuters: Wed Dec 21, 2016 | 6:48am EST)

輸送用コンテナがシリコン・バレーでホームレスの住み家となる可能性(米国)

カリフォルニア州、サンタ・クララ発。シリコン・バレーの不動産開発業者が、この地域で増加しているホームレス問題に対する新たな解決策を持っている。すなわち輸送用コンテナだ。

億万長者の大立者、John Sobratoは、ホームレスや低所得世帯向けに、カリフォルニア州サンタ・クララの市有地の2.5エーカー構想で、200戸の極小アパートを建設することを望んでいる。ここはNFL(注、米国フットボール・リーグ)のSan Francisco 49ersの本拠地であるLevi's Stadium(=リーバイス・スタジアム)の3マイル南にある。

Sobratoは、輸送用コンテナから作る240フィートと160フィートのユニットは、キッチネット(=簡易台所)とシャワー付きの浴室がある住まいには広すぎると考えている。

Sobratoは論評を避けた。しかしビデオテープに録画されたSanta Clara City Council(=サンタ・クララ市議会)で12月6日に行った発表では、Sobratoは「ホームレスやかなり低所得の人々を住まわせるための、非常に費用対効率の高い解決策を作り上げることに私の関心を向ける時」だと話していた。

Innovation Place(注、「革新地域」の意)と呼ばれるこの事業において、Sobrato Organizationは、住宅を建てて所有し、サンタ・クララ郡に賃貸することになる。郡がホームレスに対するサービスを提供し、財産管理を行う。この施設は、早ければ2018年に開所可能。(中略)

California Department of Finance(=カリフォルニア州財務局)と地域計画機関であるMetropolitan Transportation Commission(=首都運輸委員会)によると、2010年以来、同時期に500,000人分の雇用が創設されたにも関わらず、当州では、僅か55,588戸の住宅ユニットしか建築されなかったという。(USA TODAY: 9:21 p.m. EST December 21, 2016)

沿岸警備隊、キー・ラーゴ沖で行方不明のクルーズ船客を捜索(米国)

フロリダ州、フォート・ローデーダール発。U.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)は、フロリダ・キーズ(注、フロリダ州南端の諸島)沖のクルーズ船から船外に転落した男性を捜索している。

沿岸警備隊の新聞発表によると、22歳の男性が木曜日の朝、キー・ラーゴ沖約33マイルで、Independence of the Seasというクルーズ船の第12甲板から転落したようだという。

Royal Caribbean spokesman(=広報担当者)のOwen Torresは、この男性は午前1時45分頃、「intentionally going overboard(=故意に船外に転落した)」ように見えると話した。Torresは、同船の職員が当局に通報し、造船はこの乗客を捜索するのを支援すべく方向転換したと話した。(中略)

Independence of the Seasは、メキシコへの4泊クルーズから戻って来る途中だった。Torresは、ポート・エバグレーズへの帰路を午前6時15分頃に再開したと話した。(Local 10: 11:03 AM, December 22, 2016)

チャンネル諸島のCondorフェリーがプールで故障(英国)

2015年の就航以来、機械的故障で障害が生じていたフェリーが、再び故障して乗客が立ち往生した。

Condor Liberationの乗客は、ガーンジー島とジャージー島行きのこの高速トライマラン(=三胴船)がプールで故障したことから、2時間の遅延に直面した。

このフェリーは、グリニッジ標準時間の9時15分に出発することになっていたが、機関士が電気故障を発見したことから航海が不可能となった。

Condor Ferriesでは、機関士が現在、同船の中枢部と言われるその「marine link(=海事関連)」内において、この問題を修理していると話した。

このトライマランは、11時15分少し過ぎに3時間横断に出発した。16時25分に出発して19時25分に到着することになっていたガーンジー島からプールへの帰りの航海は、今や18時10分発で21時15分着となっている。

この5000万ポンドのフェリー運航は、2015年3月に就航以来、諸問題により障害を抱えて来た。

Condor FerriesのCEO(=最高経営責任者)であるPaul Luxonは、この1年は「very few issues(=ほとんど問題なく)」過ごしてきたのに、Liberationが抱えている技術的な問題は「annoying(=悩ましい)」ものだと語った。(後略)(BBC News: 22 December 2016)

乗客がマイアミ・ビーチ沖のクルーズ船から救助(米国)

フロリダ州、マイアミ・ビーチ発。乗客1人が、マイアミ・ビーチ沖のクルーズ船から木曜日の晩に救助された。

Royal CaribbeanのNavigator of the Seasというクルーズ船は、55歳の女性が即時救護を要する病状を体験し始めた時、マイアミ・ビーチ沖約4マイルにいた。マイアミの消防士が招集され、この女性を救助した。

このノース・カロライナ州の女性は、Bayside marina(=ベイサイド・マリーナ)に搬送され、そこで救急医療隊員が近隣の病院に搬送した。

「これは、決して忘れることのない船旅になりました。」と女性は話した。

女性は病院に搬送される前に、救助隊員らの写真を撮った。(Local 10: 7:22 AM, December 23, 2016)

ニュース速報:英国人女性(74)が定期船Queen Mary 2でのカリブ海クルーズで「船外に転落」して行方不明(米国)

遠洋定期船Queen Mary 2でのクルーズ中に船外に転落したものと考えられている英国人女性の捜索は終了した。

女性は74歳であると理解されているが、木曜日にニューヨークを出発したカリブ海旅行に参加していた。このクルーズ船は、Cunardという会社の旗艦である遠洋定期船だが、捜索を支援すべく引き返していた。同社の広報担当者(注、女性)は、次のように話した。

「残念なことに、あらゆる関係機関と共同して包括的な捜索を行い、作業をした後で、Queen Mary 2が船外に転落したものと推測される行方不明のお客様の捜索を終了したことを確認できます。」

「本船は、12月22日の昨日、ニューヨークを出発し、12泊のカリブ海旅程の途上にありました。CunardのCare team(=介護班)が、ご家族を全面的に支援しているところでございます。」

「本船は現在、予定通り12月26日にサンマルタン島に到達すべく、元の針路に復帰しております。」

連れの乗客によると、この74歳は、昨夜午後10時頃に行方不明になったという。女性は常連のクルーズ客であると理解されており、船長により乗客には状況の説明がなされているところだ。(後略)(Daily Mail: 20:59 GMT, 23 December 2016)

Sea Shepherd、南洋で日本の捕鯨船団発見(日本・オーストラリア)

物議を醸しているSea Shepherd Conservation Societyの活動家らは、南洋にいる日本の捕鯨船団の位置を突き止めた。外洋ドラマの新たなシーズンとなることが確実で、恐らくは遠く離れた南極海域での暴力的衝突になるもののお膳立てが出来上がった。

Sea Shepherdは、新しいOcean Warriorを含む船舶が、South Ocean Whale Sanctuary(=南洋鯨保護区)内において、木曜日の夜に日本の捕鯨船団の一部に対して迎撃したと話した。

「Ocean WarriorとThe MV Steve Irwinの乗組員は、オーストラリアの鯨保護区内の鯨を保護するため、濃霧と氷の中で戦ってきました。」とOcean WarriorのCaptain(=船長)であるCaptain Adam Meyersonは話した。「この(Yushin(=勇新)という捕鯨船)は、氷山の陰に隠れていて、衝突針路上に出て来たのです。」

この組織は、この日本の捕鯨船は、オーストラリアの鯨保護区内にあるオーストラリアのCasey(=ケーシー)基地の北東約165マイルにいたと話した。

「Sea Shepherdの船舶は、今や違法な日本捕鯨船団の中心を捜索中であり、それはNisshin Maru(=日新丸)として知られている洋上スローターハウス(=大虐殺の場)である。」とSea Shepherdは声明文において述べた。

「濃霧の中で、氷山の裏側に隠れていた殺害狩人船の1隻を発見したことは、船団の残りが近くにいることを意味するものです。我々は皆、クリスマスまでに、南洋での捕鯨を終わらせることを望んでいます。」とMeyersonは話した。

Sea Shepherdは現在、Operation Nemesis(=ネメシス作戦)と命名された11th Antarctic Whale Defense Campaign(=第11回南極鯨防衛活動)を行っているところだ。今年、この組織は、Sea Shepherdがこれまでその船隊に保有していた如何なる船よりも高速で、より性能のある真新しい数百万の監視船を備えている。

Sea Shepherdは、今年、日本の捕鯨船団は333頭のミンククジラを割り当てていると話している。日本の捕鯨は Institute of Cetacean Research(=財団法人日本鯨類研究所)によって行われており、ここは科学的調査目的のみに捕鯨を許している条項の下で、商業捕鯨に関する国際的な一時停止を回避している。(gCaptain: December 23, 2016)

イタリアのFincantieriがSTX France唯一の入札者:消息筋(フランス・イタリア・韓国)

12月27日。イタリアの造船・建設グループのFincantieri SpAが、海運グループのSTX Franceの唯一の入札者だった、と本件に近い筋が火曜日に話した。

サン・ナゼールというフランス西部の都市でクルーズ船の建造に特化し、収益性の高いSTX Franceの売却は、崩壊したSTXという造船グループの広範な事業売却の一部を形成するもの。

この過程を監督している朝鮮(注、韓国)の裁判所の報道官は、火曜日、これに先立ち、STX Franceの事業に対して入札が1件あったと、名称を明らかにすることなく話した。

STX Offshoreの破産管財人の管理を監督しているソウルの裁判所の報道官は、11月、4者が南朝鮮(注、韓国)のSTX Offshore & Shipbuilding Co LtdとSTX Franceの企業支配権の一方、あるいは双方に関心があることを表明したと話していた。

STX Franceに関心を有している会社の1社である国有フランス海軍請負人であるDCNSの広報担当者は、過去において同社は、Fincantieriとオランダ企業のDamenとの間で会談しており、この買い手との間での話し合いを継続していると話した。

フランス政府は、STX Franceの33パーセントという少数持分を保有している。10月、フランス政府は、STX Franceの持分の大半を取得する計画はないが、阻止し得るだけの少数の持分を保有し続け、如何なる所有者の変更があっても発言権は確保するとしていた。(Reuters: Tue Dec 27, 2016 | 10:56am EST)

台風でRoRo船2隻沈没、船員8人行方不明(フィリピン)

ロール・オン、ロール・オフ(RoRo)船の8人の船員が、月曜日、台風「Nina」(国際名称「Nock-Ten」)の最盛期に、バタンガス州沖で自船が沈没し、行方不明になった、とPhilippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)(PCG)は話した。

船員22人が乗り組んでいたMV Starlite Atlanticは、強い波に襲われた後、マリカバン島に近いバタンガス州ティングロイ沖の海域で沈没した。PCG(=フィリピン沿岸警備隊)によると、船員14人は救助されたという。救助隊は、未だに行方不明となっている8人の船員を捜索している。

この事故は、PCGが月曜日の朝、バタンガス州マビニの海域で漂流していた別のRoRo船、MV Shuttle Roro 5の船員の救助作戦を行っている最中に発生した。MV Shuttle Roro 5は、台風のため、この地域に避難していたが、荒海により船員らは退船を余儀なくされた。25人の船員全員が救助された。

一方、主要な人気観光地であるオリエンタル・ミンドロ州のプエルト・ガレラで、7隻の船が座礁した。これらの船は、OceanJet 10、OceanJet 11、Baleno 5、Baleno 7、Baleno 8、Starlite Polaris、そしてStarlite Bluesea。

月曜日の正午現在、合計8,732人の乗客が、台風「Nina」の影響を受けた異なる海港で立ち往生していた。ビコル地方は立ち往生した乗客数が最多で、5,618人。南タガログが2,846人、東ビサヤが1,855人、中部ビサヤが100人、西ビサヤが313人だった。

当局では、1,025隻の定期貨物船、30隻の船、5隻のmotor bancasも港で立ち往生したと話している。(The Manila Times: December 27, 2016)

2隻の船がカタールに来る(カタール)

ドーハ発。2隻のクルーズ船、MSC FantasiaとCrystal Espritが、水曜日にドーハ港に同時接岸するものと見られる、とQatar Tourism Authority(=カタール観光局)(QTA)が発表した。

3,000人以上の乗客が同港から上陸し、この2隻のクルーズ船の接岸で、カタールが史上初めて超大型クルーズ船を迎えて間もなく、大量のクルーズ観光客を円滑に移動させるためのカタールの準備が示されることとなる。

「これは、カタールのクルーズ産業が今シーズンに目撃する多くの初めてのことの1つになります。これまでで最大級のものがやって来たことで、カタールは50,000人もの多くのクルーズ客を受け入れることとなります。」とQTA chief tourism development office(=カタール観光局観光開発事務所長)Hassan al-Ibrahimは語った。

この下位分野の急速な成長は、クルーズ客船会社の他、QTA、政府関係者、そして民間部門の間に存在する有意義な提携関係の証であると述べた。al-Ibrahimによると、これら提携者は、クルーズ訪問者が暖かい歓迎を受けて、円滑な訪問体験をするための道を開いたという。

「今日は、カタールがこの地域を網羅する全てのクルーズ旅程において、重要な寄港地となることを確実にする道に向けた更なる別の第一歩となりました。」と強調した。

MSC Fantasiaは、12月7日にカタールに初めて接岸し、3,000人以上の乗客と1,300人以上の船員をもたらした。2016年―17年のクルーズ・シーズンの残りに、ドーハに4回寄港する予定。

乗客62人乗りの豪華ヨットである長さ100メートルのCrystal Espritも、今月初めにカタールに初めて寄港していた。(Gulf Times: December 27 2016 08:23 PM)

アメリカ人が働くことがないもう一つの仕事:クルーズ船で働くこと(米国)

クルーズ船の旅は人気を得続けていて、乗客需要から船隊拡大が大っぴらに続いている。世界的なクルーズ産業は、2014年に371億ドルの収入を生み出し、輸送乗客数が2500万人を超えることになる2018年の終わりまでには、500億ドル近くになるものと予想されている。

この需要の無限急騰は、接客係、料理人、バーテンダー、客室係、受付係のような大量の新たな雇用を意味することになる。しかしそうした雇用は、アメリカ人労働者の元には行くことはない。クルーズ船で働くことは、「Love Boat」(注、米国製のクルーズ船を舞台にしたテレビ番組)を連想するような、夢の仕事のように見えるかもしれない。しかし長時間を要求され、無情にも安い賃金は、運航社が、とりわけフィリピン人のような国際的な従業員に頼らなければならないことを意味することになる。

クルーズ定期船のRoyal Salesbbeanは最近、今後5年間に30,000人のフィリピン人船員を雇用すると発表した。フィリピン人には、法的権利が殆どない。調停同意書に従い、使用者に対して要求するためには、マニラに戻ることを義務付けられており、それ故、搾取ためのいいカモになっている。

私は最初で(そして最後の)クルーズから帰って来たばかりだが、雇用慣行を間近に目撃する機会を得たものだった。私はその船でアメリカ人だけが働いているわけではないことに直ぐに気が付いたが、最近卒業したばかりの、あるいは1年か2年休学した学生にとっては、条件が準奴隷労働でなかったならば、クルーズの仕事は完璧なものだった。ある接客係は、私にこう話した。「もしあなたがお目覚めならば、私は働いています。」

Center for Seafarers Rights(注、「船員権利のための施設」の意)を1981年に設立したバプテスト派の牧師であるPaul Chapmanは、典型的な旅客船は「a sweatshop at sea(=洋上の搾取工場)」であり、「ocean-going maquiladora(=外航マキラドーラ、注、マキラドーラとは、アメリカとメキシコの国境付近にある雇用促進のための工場地域)」であると呼び、もし船主が人件費を利用して最大限利益を得たいのならば、「it's a piece of cake(=容易いことだ)」と主張した。

Columbia School of Journalism(=コロンビア大学ジャーナリズム大学院)は「Vacations in No Man's Seas(注、「誰もいない海での休暇」の意)」と題する4か月間の調査報告書においてUnivision Noticiasに加わった。この報告での発見の中には、数百億ドルのクルーズ事業は、海外のタックス・ヘイブン(=租税回避地)の法律の下で経営しており、その船舶は、合衆国の最小の法規制の事業の1つとなるために正式に登録されていること等がある。

この産業は、合衆国の港湾の社会基盤、U.S. Navy(=合衆国海軍)、Coast Guard(=沿岸警備隊)、Homeland Security, Customs & Border Protection(=国土防衛、税関、国境警備隊)、U.S. Public Health(=合衆国公衆衛生局)、Centers for Disease Control and Protection(=疾病対策予防センター)、その他20の合衆国機関の人的資源を無料で利用しているにも関わらず、クルーズ客船会社は、実質的には合衆国の税金を支払っていないのだ。

更に「Sweatshops on the High Seas(=外洋の搾取工場)」の章では、ジャーナリストらが、クルーズ船の従業員はしばしば週70時間以上も働いており、休憩は殆どなく、有給休暇はないと書いていた。更に与えられる食事に関しては、ある従業員は高等学校のカフェテリア(注、セルフ・サービス式食堂)で食べるのと比較していた。

他のどの大企業と同様、クルーズ産業は(自分たちに)都合の良いものになるようにCongress(=連邦議会)へのロビー活動(注、陳情活動)にたっぷりと金を使っている。1997年から2014年まで、Cruise Line International Organizationと個別の運航事業者は、連邦議会のロビー活動に5200万ドル以上も割り当てていた。

顧客需要の急騰を理解することは、難しくない。魅惑的なテレビ広告は、プールの周りのラウンジや、良質な料理での食事や、あるいは舞踏室をグルグルと回って、旅行者の気まぐれな思い付きに応じている様を描いている。しかしこの業界の搾取的な恥部は、醜いものだ。公正な報酬と、まともな労働条件があれば、アメリカ人はクルーズ船の仕事をするだろう。しかし旅行者や労働者の最高の利害の中で行動するのは連邦議会次第であり、今日までそうしたことに関心を見せたことが殆どないようなのだ。(The BaxterBulletin: 11:51 p.m. CST December 29, 2016)

十代の若者が魅惑のクリスマス休暇中の強姦を巡りクルーズ船会社を訴える(米国)

4大陸で高級リバー・クルーズを提供しているリトルトンの会社が、昨年、東南アジアのクリスマス時の小旅行中に、この少女に狙いを定めたバーテンダーによって強姦されたと申し立てている17歳の少女の母親によって訴えられた。

このAvalon Waterwaysに対する訴訟では、同社がこのカリフォルニア州の少女を適切に保護しなかったことを非難している。その理由の1つとして、同社はクルーズ業界において報告されている性的暴行から学ぶことを怠っていたことを挙げている。

Colorado secretary of state(=コロラド州務長官)に届け出た事業記録によると、AvalonはGroup Voyagers Inc.の登録商号の1つであり、同社もリトルトンにある。記録によると、この商号登録は失効している。

Group Voyagersは、Globus一家の商標として知られており、年間約500,000人の乗客を擁する最大の世界的旅行業者として売り込んでいる。記録によると、元々はニューヨーク州の会社で、1997年以降、コロラド州になっている。ここの所有者のKevin Fordは、Denver Post紙が接触を試みたものの、直ちには応答しなかった。

訴訟では、当時16歳だったこの身元不明の少女が母親と共に旅行しており、この暴行により、未公表の恒久的な肉体的精神的傷害を負ったと主張している。この家族又は弁護士に対する接触の試みは、成功しなかった。

このクルーズは、タイの真北のベンガル湾に沿って位置する国であるミャンマーを二分するイラワジ川の上流を行くもので、訴訟によると、2015年12月20日から12月30日にかけて催行されたという。

Louieとのみ身元が判明している船員の1人であるバーテンダーが、船内でこの少女を継続的につけ回し、陸上での小旅行中、少女とその母親と一緒だった。暴行は便所で、このクルーズの最終日になされたと、訴訟では申し立てられている。

クルーズ契約では、如何なる紛争もまずは和解により解決するものとしており、この訴訟では、2016年8月から10月まで和解しようと試みたものの不調に終わったと主張している。この連邦裁判所管轄事件は、12月3日にデンバーの U.S District Court(=合衆国地方裁判所)に提起された。

クルーズ船における性的暴行の問題は、この休暇産業においては長年続いている話題であり、暴行の多くが公海上で発生していることから、訴追手続きがあいまいなことを巡って多くの懸念がある。最近の入手し得る資料である2010年から2014年までのFBI(=連邦捜査局)やU.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)の統計によると、合衆国の港湾に寄港したクルーズ船での強姦又は性的暴行は、150件以上も報告されている。

合衆国法令では、乗客は船上で、医学的配慮(注、治療)の他、性的暴行試験キットに接近できることが要求されているが、非アメリカ船が他国をクルーズする場合には適用がない。(The Denver Post: December 29, 2016 at 1:02 pm)

サン・フランシスコ湾のフェリー乗船客数が急騰(米国)

サン・フランシスコ発。サン・フランシスコ湾のフェリー乗船客数が、より多くの通勤客が交通渋滞の道路を避けて船に乗る選択をするようになったことから、過去4年間に100万人以上も急騰した。

San Francisco Chronicle紙は、大手2社のGolden Gate FerryとSan Francisco Bay Ferryが、1年間に乗船客数が500万人以上に急騰していると報じている。

この増加は、ベイ・エリア(注、「湾岸地域」の意)の経済急騰と裏腹の関係にある。Water Emergency Transportation Authority(=水上緊急輸送庁)のExecutive Director(=長官)Nina Rannellsは、交通渋滞と BART(注、サン・フランシスコの高速通勤鉄道)の超満員が、より多くの人々がフェリーを乗るようになったことの理由の一つだと話している。観光業の急騰も、影響を与えている。何よりも、フェリーでの通勤は楽しい、と乗船客は話している。

「朝夕の通勤は、私の1日の最高のひと時です。」とソーサリトの自宅からサン・フランシスコの職場までGolden Gate ferryを利用しているDonna BrennanはChronicle紙に話した。

フェリーの多くには、無料Wi-Fi(=ワイ・ファイ、注、無線LAN)と本格的なバーがあり、通勤者が帰宅時にサン・フランシスコの街並みやその象徴的な橋を眺めながら、1杯のワインやカクテルを飲むことが可能だ。

フェリー事業は、時折、乗客を積み残すことがある程、好調だ。しかし近い将来、解決される。運輸当局は、今後4年間に亘って7隻の新船を追加する。この新船のそれぞれは、乗客400人を乗せることが可能で、時速35マイルで巡行し、2100万ドルかかることになる。

最も混雑しているフェリーは、Golden Gateのサン・フランシスコ―ラークスパー航路であり、平日1日当り8,200人の乗客を輸送している。

通勤運航の他、民間運航者が、アルカトラズ島、エンジェル島へのフェリー運航や、ソーサリトやチバロン行きの日中の観光運航を行っている。(OCRegister: Dec. 30, 2016)

日本人観光客が台湾に到着して1時間半で交通事故で死亡(台湾・日本)

台北発。日本人観光客が、台湾の台中(=タイチュン)に上陸して僅か1時間半で、交通事故で死亡した。

この死亡事故は、59歳の日本人観光客のTanaka(=田中)が、台中港のPacific Venus(=ぱしふぃっく びいなす)というクルーズ船から下船して、Taichung High Speed Rail Station(=台中高速鉄道駅)に向かうタクシーに乗車中の土曜日の早朝に発生した。タクシー運転手は、現場で死亡した。

死亡交通事故は台湾ではしばしば耳にするもので、渡航勧告が多くの国から発せられている。台湾に渡航する際には、道路の安全に対し、より注意を払うよう自国民に警告している。

警察の捜査では、このタクシーは、運転手が赤信号を突き切ろうとしてトラックと衝突したことが判明した。

台湾のメディアは、台湾の道路網は自動車とスクーターにより共用されており、そのため、無秩序な交通状況になっていると報じている。

交通地獄に関する渡航勧告は、日本、カナダ、アメリカから発せられており、自国民に対し、地元歩行者はしばしば間抜けな歩き方をし、加えて自動車とスクーターの双方が道路を共用しており、それが道路上での闘争や事故の原因になっていると注記している。

ネチズン(注、ネット市民)も、酷い運転マナーが交通事故に繋がり得ると言って、台湾の好戦的なタクシー運転手の問題を取り上げている。(Taiwan News: 2016/12/31 17:28)