2017年5月

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2017年5月

2017年5月の海外旅客船情報

Dorena-Hickman Ferry、約2週間運休(米国)

ケンタッキー州ヒックマン発。Dorena-Hickman Ferryは、ミシシッピ川の水位が高いために運休している。このフェリーは、今日4月30日日曜日の最終運航で運休した。

今日遅く、水位がヒックマンのランディング・ランプ(注、上陸用傾斜路)を超えていた。フェリーは、5月1日月曜日に運航を再開することができなくなった。河川予報によると、Dorena-Hickman Ferryは、約2週間運休することになりそうだ。

今日の午後4時に、カイロのオハイオ川は44.9フィートで、予想では、5月7日に最高水位が約51フィートになるという。フェリーの運航を再開できる程、川の水位が下がるには、5月12日頃までかかりそうだ。

こちら(注、地元テレビ局)では、Dorena-Hickman Ferryが運航を再開できるようになった時に、時宜にかなった案内を提供するように努めることにする。

Dorena-Hickman Ferryは、ケンタッキー州ヒックマンのKY 1354と、ミズーリ州ドレナに近いMissouri Route AとRoute 77を連絡している。(後略)(KFVS: Monday, May 1st 2017, 9:47 am JST)

最初のクルーズ船が拡張されたパナマ運河を通過(パナマ・米国)

パナマ運河が歓迎する初の旅客船、Disney Wonderが、拡張された、より大きくなった新水門を通過した。

この画期的な出来事は、2016年に拡張パナマ運河が開通して以来、「first(=最初)」のことだ。Disney Wonderの4月29日土曜日の通過で、この新水門を利用した最初の旅客船となった。5月に終わる2016年―2017年クルーズ・シーズンでは、Princess Cruises、Holland America Line、Royal Caribbean Cruises、そしてNorwegian Cruise Lineのような他の客船会社は全て、元の水門の方に客船を送っていた。

「元のパナマ運河は、長年に亘りクルーズの目的地の1つでした。」とPanama Canal Deputy Administrator(=パナマ運河副監理官)のManuel Benitezは語った。

「(土曜日の)歴史的な通過で、クルーズ客船会社が、新水門を旅程の1つに含めることが可能になったのです。そしてそれは、ここの通過の選択肢を広げ、クルーズ客が現代工学技術の偉業を直に目撃することを可能にしたのです。」

9月30日締めの2017年会計年度の終わりまでに、パナマ運河は233隻の旅客船を見込んでおり、合計237,298人の乗客が、元のと新しい水門の双方を通過することとなる。

4月1日、パナマ運河は、この新水門での旅客船の予約依頼を受け付け始めた。これまでに、2017年―2018年シーズンに拡張運河を旅客船が通過すべく、既に18件の予約がなされている。数字は今後数か月間に増えるものと見られている。

Panama Canal Expansion(=拡大パナマ運河)は、2016年7月に商業通過に門戸を開き、より大型の船舶がこの水路を利用することを可能にしており、LNG(=液化天然ガス)運搬船のような新しい船舶部門にまで門戸を広げている。(gCaptain: May 1, 2017)

NYC Ferry、ロッカウェイから交通の「新時代」始まる

Mayor(=市長)のBill de Blasioは、NYC Ferryの運航は、当市にとっては「new era(=新時代)」だとして歓迎した。

道路と地下鉄の混雑の増加が、ニューヨーク市民にとっては標準的なことになって来ていることから、この市長は解決策として、フェリーと当市の比較的活用されていない水路に注目した。

4月30日日曜日、クィーンズで市長は船の命名式を行い、非公式に運航を開始した。翌朝の午前5時30分に、ブルックリンとマンハッタン南端部に寄港する運航が、半島から開始された。

「明日、ニューヨーク市において新時代が始まります。明日の朝、私たちは海に復帰するのです。」と市長は、Beach 108th Street(注、「108番通り浜」の意)とBeach Channel Drive(注、「チャンネル大通り浜」の意)に近いロッカウェイ埠頭で語った。

「私たちは海に復帰し続ける必要があるのです、と言うのは……街中で段々と悩みの種が増えてきているためです。」と市長は付け加えた。

ロッカウェイ航路が運航を開始した後で、更にアストリア航路とサウス・ブルックリン航路という2つの航路が今年の夏に始まる。2018年の終わりまでに、他に3本の航路が運航開始となる。(中略)

当市は、毎年3000万ドルの運航費用に加え、この運航開始に3億2500万ドルを費やしている。Hornblowerが運航を行い、当市のEconomic Development Corporation(注、「経済発展法人」の意)が監督する。全部で20隻の船は、それぞれ150人乗りで、2018年までにニューヨーク港中を走り回ることになる。

フェリーには、フェリー埠頭近くで暮らすcity second-graders(=当市の小学2年生)によって選ばれたLunchbox(=弁当箱)、McShiny、そしてFriendship Express(=友情急行)のような風変わりな名前が付けられることになる。

片道運賃は2.75ドルで、これはMetroCard(=メトロカード、注、ニューヨーク市の交通プリペイド・カード)の価格。しかしこのフェリーの支払いシステムは、MTA(=首都交通局)の支払いシステムとは統合されない。このことは、利用者はNYC Ferryに乗船するか、地下鉄やバスに無料乗り換えを利用する際には、メトロカードが使えないことを意味する。(後略)(amNY: May 1, 2017)

ロシア、北朝鮮とのフェリー運航開始を遅らせる(ロシア・北朝鮮)

モスクワ発。北朝鮮とロシアの都市ウラジオストクとの間の定期フェリー運航の開始は、少なくとも10日間延期となった。朝鮮半島における高まりつつある緊張に対するクレムリンの反応のようだ。

ウラジオストク港の当局者は、北朝鮮のMangyongbong-92(=万景峰92、注、「万景峰」の誤り)というクルーズ貨物船に対して、月曜日に北朝鮮の羅先(=ラソン)経済特区を出発して、翌朝、このロシアの港に入港する暫定承認を与えたようだったが、技術的困難を引き合いに出して、最終承認を与えることを拒否した。

この航路を経営している会社であるロシアのInvestStroiTrestは、今や5月17日に運航開始する準備をしている。火曜日の発表では、港湾当局と話をした後、今週末までに日付を確定させると話した。

国際フェリー運航の開始が直前になって延期になるのは、極めて異例なことだ。しかし批判者は、北朝鮮とロシアとの経済的な結び付きを強化することに繋がるこの航路は、平壌(注、北朝鮮政府)の挑発行為を説得して中止させることを意図している制裁を弱体化させることになると論じている。

合衆国と中国は、このならず者国家がミサイル実験を強行するにつれ、北朝鮮に対して圧力を加えている。ロシアのPresident(=大統領)、 Vladimir Putinは、北朝鮮を抑え込もうとしている合衆国、中国、日本を含む諸国からの批判をかわすために、就航を延期したのかもしれない。

今月中国のXi Jinping(=習近平、シー・チンピン)国家主席との首脳会談が予定されている他、合衆国President(=大統領)Donald Trumpとの火曜日の電話会談に先立って「Putin大統領は、外交カードを切った」と外交筋は話した。

しかしPutinは、完全にこのフェリー運航を取り消すものとは見られていない。平壌とのより強固な経済的な結び付きと、朝鮮半島における影響力を強化することに関心があるためだ。来春、大統領選挙戦があることから、西側の圧力に屈するようには思えない。

万景峰92は、日本の港湾から締め出されているが、羅先とウラジオストク間で毎月6往復するための準備として、広範な改装を行った。初便では、北朝鮮製の衣料品やその他の貨物の他、中国人観光客や北朝鮮の実業家を含むざっと200人の乗客を運ぶものと見られていた。この北朝鮮の乗客は、第二次世界大戦のロシアの勝利を記念するウラジオストクでの式典に出席する予定だった。(Nikkei Asian Review: May 3, 2017 2:00 am JST)

AIDAperla、長崎から出航(日本・ドイツ)

AIDAperlaがAIDA Cruisesに引き渡され、今週、この新船は日本の長崎にあるMitsubishi Heavy Industries(=三菱重工業)を出発して、地中海での最初の夏季シーズン向けにヨーロッパに向かっているところだ。

AIDAperlaは、日本で実施された成功した一連の海上試運転を終えた。本船は2017年6月30日にパルマ(注、パルマ・デ・マリョルカ)で、モデル兼司会者のLena Gerckeによって命名される。Boris Beckerが、本船就航の船長。

2017年7月1日から、AIDAperlaは西地中海で航海する。パルマ・デ・マリョルカとバルセロナが、ローマ(チビタベッキア)、コルシカ、フィレンツェ(リボルノ)に寄港する7日間クルーズでの入れ替え港となる。

AIDAperlaは来年の夏、北ヨーロッパに移動する。(Cruise Industry News: May 04, 2017)

Costa Victoria、ウラジオストクのクルーズ・シーズンを開幕(ロシア)

ロシア太平洋岸の港であるウラジオストクは、Costa Victoriaが2,000人以上の乗客を乗せて寄港した火曜日に、2017年のクルーズ・シーズンを開幕した。

ウラジオストクは、今までで記録となる今年13回の寄港を見込んでいる。2016年に訪問した6隻の船の倍以上となっている。

13回の内の9回は、Costa CruisesのCosta VictoriaとCosta neoRomanticaという2隻の船によるもので、4回は、日本のクルーズ会社であるMitsui OSK(=商船三井客船)、NYK Cruises(=郵船クルーズ)、Peace Boat(=ピースボート)、そしてVenus Cruises(=日本クルーズ客船)が運航する船によるものだ。

今週訪問した船に乗船していた乗客の大半は、南朝鮮(注、韓国)から来た人で、Primorsky Territory Government(=沿海州政府)が後援するクルーズ・ターミナル運営者であるVladivostok Sea Terminal, LLC、地元船舶代理店、shorexという旅行会社の代表団によって、陸上で歓迎した。沿海州政府のhead of the department of tourism(=観光局長)のKonstantin Schestakovは、乗客と船員に対して歓迎演説を行った。(中略)

Costa Victoriaの次の訪問は、5月7日を予定しており、Lotte Tourが企画する。(Seatrade Cruise News: Posted 04 May 2017)

Norwegian、Alibabaと提携(米国・中国)

Norwegian Cruise Line Holdings Ltd.は今週、中国クルーズ市場における市場占有率を拡大する努力の一環として、電子商取引の大手Alibaba Groupとの提携を発表した。

このマイアミに本拠を置くクルーズ会社は、来るべき中国を本拠とする船隊を独特のものとする船上技術を作り上げるため、Alibabaと共同する。Norwegianは、Carnival Corp. & plc.やRoyal Caribbean Cruises Ltd.のようなところと、世界第2のクルーズ客を生み出す源泉になるものと期待されている東アジアの市場占有率を獲得しようと競争している。Norwegianは、2017年6月に就航する乗客3,850人乗りのNorwegian Joyを使って中国船隊を始める。

「弊社のAlibabaとの提携で、Norwegianのクルーズ産業における技術革新の歴史と、Alibabaの中国人消費者についての幅広い知見や新しいかってない位広範な方法で消費者に到達し続けている独特の収益活動協調体制を結合させることになります。」とNorwegian Cruise Line HoldingsのCEO(=最高経営責任者)であるFrank Del Rioは話した。

Alibaba Groupのpresident(=社長)であるMichael Evansは、次のように語った。「弊社の拡大関係は、如何にAlibabaが、国際商標が弊社の強固なデータ、マーケティング、そして技術に基づいて、中国人消費者に到達することができるよう支援するかという、もう一つの例示となります。弊社は、将来、Norwegianとの協力を強化することを楽しみにしております。」

Norwegian Cruise Line Holdings Ltd.は、25隻の連合船隊を使って、Norwegian Cruise Lines、Oceania Cruises、そしてRegent Seven Seas Cruisesを経営している。(South Florida Business Journal: May 5, 2017, 7:13am EDT)

Meyer Turku、2隻のLNG駆動クルーズ船という大量受注確認(フィンランド・米国・ドイツ)

Royal Caribbean Cruisesは、Meyer Turkuに2隻の大型クルーズ船を発注したことを確認した、とTalouselama紙が報じた。

Meyer TurkuとRoyal Caribbean Cruisesは、昨年の秋に、2隻の大型液化天然ガス駆動のクルーズ船の工事のmemorandum of agreement(=基本合意書)に署名したと発表していた。この合意は、20億ユーロ相当のものだと噂されていた。

この第4世代クルーズ船は、多くの新機軸を呼び物としており、これには燃料電池発電システムが含まれており、温室効果ガスの排出を劇的に逓減させるよう設計されている。船は、2020年と2014年に引き渡される予定。この船は、世界最大のクルーズ船の1隻になることになっている。

建造計画では、同造船所での人員を百単位で増やす必要があるものと見られている。この造船所だけで新たに500人の従業員が必要となる、とOlli Rehn (Centre)という旧Minister of Economic Affairs(=経済省)は、2016年の下期に見積もっていた。一方、Meyer Turkuは、個別の受注による雇用への影響の見積もりは控えていたが、世界最大のクルーズ船運航事業者であるRoyal Caribbean CruisesとCarnival Corporationの2社からの最近の受注で、雇用は7,000人から20,000人位に増加するものと見積もっていた。

「雇用への貢献は、かなりのものです。」とMeyer Turkuのhead of public relations(=広報部長)のTapani Myllyは、Talouselama紙に語った。「弊社の分だけでも、2,000人以上の雇用となります。」

Meyer Werftは昨年9月に、Carnival Corporation向けに3隻の液化天然ガス駆動のクルーズ船を建造すると発表していた。この次世代クルーズ船のうち2隻は、トゥルクの造船所で建造される。(Helsinki Times: 07 May 2017)

船員が新しいクルーズ船の準備で到着(フィンランド・ドイツ)

船員が、TUI Cruises向けに就航することになっている最新のクルーズ船に到着し始めた。

ドイツに本拠を置くTUI Cruises向けの新しいクルーズ船の準備で、船員の全員が到着し始めている。Mein Shiff 6 は最終段階にあり、処女航海の準備のために船員らが出発準備する中、全ての内部空間は形になりつつある。

部門長や必須の船員の多くは、既に週数間にも亘って乗船しているが、現在は残りの船員が到着している。過去数日間に亘って船員用船室に移って来ており、以前のTUIの船で契約していたことから、70%以上が既に顔見知りになっている。

この船は現在、フィンランドのMeyer Turku造船所におり、万一のために51,000枚以上のタオル、12,200枚のピローケース(=枕カバー)やベッドスプレッド(=ベッドカバー)が積み込まれたのは、興味深い。船員らは仕事に本腰を入れる前に、プール・パーティー(注、プールを囲んでの宴会)を楽しむ機会もある。50の異なる国籍の者が乗船しているのは、驚きだ。

Mein Schiff 6は99,300総トンの船であり、Mein Schiff 3、4、そして5と同型。2017年5月13日から就航するや、2,500人の乗客と1,030人の船員を乗せることができるものとなる。2隻の更に大型のクルーズ船が発注されており、この同じ造船で建造され、2018年と2019年に就航する。(Cruise Hive: May 8, 2017)

バンクーバーに接岸したクルーズ船の船員が薬物で逮捕(カナダ)

今週、バンクーバー中心部からのPrincess Cruiseの出発が数時間遅れたが、これは警察が未公表の大量の薬物を所持した数人の船員を発見したためだと言われていることを、CTV Newsでは知った。

水曜日、Island Princessがアラスカを離れることになっていた時に、Canada Border Services Agency(=カナダ国境サービス庁)の係官とVancouver Police Department's Canine Unit(=バンクーバー警察の麻薬犬部隊)の隊員が同船に乗船し、捜索を行った。

当局者は詳細については固く口を閉ざしているが、Princess Cruisesは木曜日、この事件で3人の従業員が警察に逮捕されたことを確認した。

「上陸して船に戻って来た3人の船員が、麻薬を所持しているのが見つかり、逮捕されました。」とvice-president of public relations(=広報活動部長)のBrian O'Connorが電子メールで答えた。「この出発の遅れで旅程が混乱することはありません。」

O'Connorによると、このクルーズ船の客で、巻き込まれた者はいなかったという。

係官が発見したのがどのような種類の薬物で、どれくらいの量であったのかについてはハッキリしない。VPD(=バンクーバー警察)は、CBSA(=カナダ国境サービス庁)に対し、この捜査に関して質問したが、CBSAは更に情報を提供することを拒んだ。(後略)(CTV Vancouver: Published Thursday, May 11, 2017 5:20PM PDT)

Costa Concordiaの船長、イタリアが有罪判決を維持したため刑務所行き(イタリア)

5月12日、ローマ発。Costa Concordiaというクルーズ定期船の元船長が、金曜日、トスカナのジリオという行楽の島の沖合で32人が死亡した2012年の海難事故での責任が問われ、イタリアの最高裁判所により16年の禁錮刑を言い渡された。

Francesco Schettinoは、過失致死罪、難破、乗客を遺棄した容疑で、2015年に有罪判決を受けていた。金曜日の判決で、この下級審の判断が維持され、上訴手続きに終止符が打たれた。

長引く法廷闘争から解放されたSchettino(56)は、判決が言い渡されるや、ローマの刑務所で、自己の刑期を開始することになったと伝えられている、と弁護人のSaverio Seneseは語った。

「いつものように、イタリアはスケープゴート(注、生贄)を探す必要があるのです。」とSeneseは記者団に語り、更にこの自分の依頼人は、イタリア南部の自宅で家族と共に過ごすよりは、むしろ刑務所の外で自分の運命の言葉を独りで待っていたと付け加えた。

Costa Concordiaは、肌寒い1月の夜、ジリオ島沖の岩礁に衝突し、側面に穴を開けて、最終的に横転した際、4,200人以上の乗客と船員を乗せていた。

Schettinoは、イタリアのメディアによって厳しく批判され、大混乱の夜間救助活動の最中に、この難破船を離れて、「Captain Coward(=臆病船長)」の烙印を押されていた。批判者は、この行動によって国全体の名を汚したと船長を批判した。

第1審では、検察官は26年の刑期を要求した。Schettinoは、何がしかの責任は認めたが、避難の際に生じた死者に対する責任は否認し、自分1人が責任を負うべきものではないと供述した。

弁護人は、European Court of Human Rights(=欧州人権裁判所)に提訴するかもしれないと語った。「当地では深刻な虐待が行われていたと考えます。」とSeneseは語った。「私は決して諦めません。」

捜査官は、同島の出身である同船のヘッド・ウェイター(注、給仕長)のために、ジリオ島に目を見張らせるような「salute(=ご挨拶)」をするため陸地に近づき過ぎて航海したことを非難し、この大惨事でのSchettinoの対処について厳しく批判した。

Schettinoはまた、避難が遅れ、早めに退船させなかった点についても批判された。船が傾いて同船から投げ出され、救命艇の屋根の上に落ちたと話していた。

屈辱的なことに、激怒した沿岸警備隊当局者が、船長に船に戻って救助活動を引く受けるよう命令したのだった。

Carnival Corpの子会社である同船の船主であるCosta Cruisesが100万ユーロ(当時130万ドル)の罰金を支払い、検察官が他の5人の上級船長らの司法取引を受け入れてからは、この元船長は、大惨事に応えるべく、証人席に独り残されていた。

Costa Concordiaの巨大な錆びついた廃船は、2年半の間、横転したままで放置され、その後、歴史上最も金のかかった難破船回収作業において曳航された。最後の遺体は、2014年まで収容されなかった。

Schettinoの弁護団は、沈没時において島の近くに同船の舵を切ったことで、更に惨事を悪化させることを防いだと強く主張していた。(Reuters: May 12, 2017)

フェリーの残骸の中で別の人骨の断片が見つかる(韓国)

別の人骨の断片と見られるものが、先月乾船渠に引き上げられたフェリーSewolの残骸の中で、木曜日に発見された。これに先だち、作業員は船尾の4階の左舷の泥の中で2個の骨片を発見していた。

この最新の骨片は同じ区画で発見されたもので、ここは2014年4月にこのフェリーが沈没した際に、Danwon High School(=壇園高等学校)の8人の女生徒が寝ていた船室があったところだ。この骨は、今やNational Forensic Service(=国立科学捜査研究院)で綿密に調べている。

DNA検査には、恐らく1か月はかかる。遺体がまだ発見されていない犠牲者の家族の要請を受けて、同部(注、海洋水産部)では、この骨の部位や大きさについては開示しない決定を行った。(The Chosun Ilbo: May 12, 2017 10:39)

Peace Boat、先駆的なEcoshipで革新的持続可能性をNor-Shippingで推進(ノルウェー・日本)

Peace Boat(=ピースボート)は、将来古くなることのない独特の概念のクルーズ船であるEcoship計画を、Nor-Shipping 2017に出展すると発表した。この日本に本拠を置く機関は、平和、人権、持続可能開発、そして環境保護を推進すべく作業しているが、指導的な海事行事ウィークのHall Aでの展示で、Disruptive Sustainability(=革新的持続可能性)という新しい業界概念に捧げた最も広い空間を確保することになる。

Peace Boatは、先駆的な国際非政府・非営利組織。34年間に亘って運営して来ており、教育的事業、協力事業、支援活動を行い、責任を負える旅行を推進すべく、世界中で航海を行うためクルーズ船を傭船して来た。ところが今や、2020年までに自前の船であるEcoshipを建造することを約束している。先端の環境保全技術を活用して、従来の設計に挑戦し、クルーズや広く海事産業に向けて新しい可能性を描いて見せている。

「Peace Boatは、本当の破壊者(注、革新的なことを行う人)です。」とNor-Shipping Projectの支配人であるSofia Furstenbergは論評した。Disruptive Sustainability(=破壊的(革新的)持続可能性)だという。

「アジアにおける地域の平和と理解を推進する1983年の最初の航海から、来年の100回目の旅行、そして2020年のEcoshipの就航と、この機関は、高遠な目標に向けた急進的で革新的な針路を選択してきました。彼らの野心は大きなもので、その言質は確かなものです。本当にDisruptive Sustainability(=革新的持続可能性)の擁護者なのです。」

「この新船は、多くの世界的な支援者の他、DNV GLと提携して開発中のもので、驚くような成果となるものです。ザトウクジラの空気力学に則った自然の形状を意匠化した船体を用いて、LNG(=液化天然ガス)焚きで、生物燃料の準備ができている55,000トンの船は、従来の船よりもCO2(=二酸化炭素)の排出量が40%も少ないのです。このようにして、クルーズの新たな水準を設定し、海運全体の好ましい変化の触媒になることは疑いがありません。」

「この計画と国際的な協力過程が、今、どのように発展しつつあるのかが判明することは、極めて興奮させられるものとなります。私と、それから海事業界全体は、興味を持ってこの事業を見守ることとなります。」(中略)

Nor-Shipping 2017は、2017年5月30日から6月2日まで、ノルウェーのオスロとリルレストレムで開催される。(PortNews IAA: 2017 May 15 13:36)

ギリシャの緊縮財政反対ストライキがメディア、フェリーを直撃(ギリシャ)

ギリシャのフェリー労働者とジャーナリストは、今週、議会で投票されることになっている新たな緊縮財政一括提案に抗議するストライキ(注、同盟罷業)を始めた。空港のない島嶼は、本土と事実上絶たれることとなる。

ギリシャは一日中、情報が絶たれることに直面しており、一方、多くの観光の島では、事実上交通が遮断されることになる。ジャーナリストとフェリー労働者が、木曜日の議会投票に先立って、別の緊縮財政一括政策に抗議するため、火曜日にストライキを始めたためだ。

ジャーナリストは、24時間ストライキを決行中だ。ラジオとテレビのニュースの放送は中断されており、新聞は、2日間に亘り発行しないものと見られている。一方、沿岸警備隊の情報によると、イオニア海とエーゲ海では、フェリーの運航はないという。

この48時間フェリー労働者ストライキは、多くのギリシャの島々に影響を与えることになり、このいくつかは同国の主要な観光目的地になっており、運休が続く間、空港のない島では、事実上接近不能となる。(中略)

同国では、今や第3回目の国際緊急援助が行われている。一連の救済融資と引き換えに、政府は度重なる緊縮財政包括政策を実行しなければならない。同国の財政は改善されているものの、貧困と失業は未だにはびこっており、失業率は27パーセントから下がって、現在は23パーセント位になっている。

しかしギリシャ経済は、最近、安全性の懸念からトルコやエジプトを多くの人が避けたために、観光客数が増加し急騰している。同国は、2016年に観光客が記録的なシーズンを経験しており、来るべき夏は、更に人数が増えるものと期待されている。(Deutsche Welle: Date 16.05.2017)

フェリー沈没現場近くで発見された骨は行方不明の教師であることが確認(韓国)

5月17日、南朝鮮、木浦発。死者の出たフェリー沈没現場近くで発見された骨片は、2014年の大惨事以来行方不明になっている教師のものであることが確認された、と当局者は水曜日に述べた。

この34センチメートルの骨は、今月、同国南西海岸の珍島(=ジンド)近くで発見された後、DNA(=デオキシリボ核酸)検査が行われていた。

6,800トンのSewolというフェリーは、2014年4月に同島近くの沖合で沈没し、304人の命を奪った。大半は修学旅行中の高等学校の生徒だった。

先月、船体は海底から引き揚げられ、ソウルの南、400キロメートル程のところにある木浦(=モクポ)にある地方港の乾船渠に入渠した。生徒4人と教師2人を含む9人の遺体は、見つかっていなかった。(Yonhap News: 2017/05/17 15:06)

Irish Ferriesの親会社、輸送量低下にも拘わらず収益は記録的上昇(アイルランド)

Irish Ferriesの所有者は、輸送量が僅かに落ち込んだにも拘わらず、今年これまでに収益の増加を見ている。Irish Continental Groupの収益は、2016年の同時期と比較して、今年4月30日までに4パーセント増加して、9,510万ユーロに達している。

これは、今年の5月13日までに乗用車の輸送が0.7パーセント落ち込んで、103,200台になっていることから、同社は「seasonally less significant period for tourism(=季節柄、観光業にとってはあまり重要でない時期)」であったためだとしている。同グループは、次のように付け加えた。

「ICGの事業は、通常最初の6か月間よりも、グループの高い営業利益を生み出す下期にかなり偏っていることに注目すべきです。」

新しいフェリーは、2018年6月に引き渡される方向にある。

また同社は、以前、アイリッシュ海航路のIsle of Innisfree(=イニスフリー島)で以前運航していた古いフェリーを450万ユーロで売却することで合意している。この船は1995年に就航したが、2001年にクルーズ・フェリーのUlyssesが投入されて、運航上の要請から予備船になっていた。ニュー・ジーランドでKaitakiという名前でKiwiRailに傭船されていたが、ここがこの船を買うことで合意している。(Travel Weekly UK: May 17th 2017, 09:09)

南朝鮮は台湾経由の新たなクルーズ航路開設へ(韓国)

5月17日、世宗(=セジョン)発。南朝鮮(注、韓国)は、地元観光部門が中国との政治的な緊張により損害を受けていることからアジア諸国からより多くのクルーズ船客を惹きつけるべく、台湾経由の新たな航路を開設する、とソウル政府(注、韓国政府)は水曜日に語った。

Ministry of Oceans and Fisheries(=海洋水産部)によると、両者の当局者は木曜日に台北(=タイペイ)で開催されるソウルが調整した広報宣伝行事の傍らにおいて、2017年に南朝鮮(注、韓国)、台湾、日本を経由する新たなクルーズ航路の試験運航のための日程を議論するという。同部では、既に南朝鮮(注、韓国)、ロシア、日本を通過する別のクルーズ・パッケージ(注、団体旅行)を開発したという。

南朝鮮(注、韓国)に向かうクルーズ客数は、THAADと呼ばれる合衆国の対ミサイル防衛システムを南朝鮮(注、韓国)に配備する決定に対する中国の報復措置の影響を大いに受けて、この数か月間に急落している。昨年、クルーズ船で南朝鮮(注、韓国)に195万人余の外国人がやって来たが、うち91パーセントが中国人だった。今年の最初の4か月間に、約280,000人のクルーズ観光客が南朝鮮(注、韓国)の海港に到着したが、昨年同時期の340,000人から減少していた。(Yonhap News: 2017/05/17 15:13)

北朝鮮とロシアのウラジオストク間でフェリー便が開設(北朝鮮・ロシア)

観光フェリーが、北朝鮮の羅先(=ラソン)からロシアのウラジオストク市までの最初のクルーズを終えた。この航路の開設は、朝鮮半島で緊張が高まる中、平壌(注、北朝鮮政府)とロシアとの貿易と観光業の発展の努力を記すものだ。

中国とロシアの観光会社の代表が、木曜日にウラジオストクに到着したこのフェリーに乗船していた、とRIA Novostiは、この航路の運航事業者を引用して報じた。両国を史上初めて結ぶ旅客船の最初の観光客は、来週になるものと見られる、と付け加えていた。

この航路の開設は、「contribute to the development of regional tourism and bilateral trade(=地域の観光業と二国間貿易の発展に寄与する)」と清津(=チョンジン)市のロシアconsul general(=総領事)のYuriy Bochkarevは、TASS(=タス通信)に語った。

旅客フェリーは、月に4回運航する。Mangyongbong(=万景峰)というフェリーは、TASSによると、乗客200人と約1,500トンの貨物も輸送するとも言われているという。

羅先(=ラソン)―ウラジオストク間のクルーズに参加したい者は全て、船室の等級に応じて、600元から750元(87ドルから101ドル)を支払わないといけない。万景峰を運航するロシアの会社は、食堂、2つの酒場、スロット・マシン(注、自動販売機の意もある)、売店、そして1つのサウナを提供する。

「羅先(=ラソン)―ウラジオストク間の国際観光定期船としての万景峰の運航は、両国間の海運、経済協力、観光業を発展させることになる」とReutersは北朝鮮のKCNA(=朝鮮中央通信)を引用していた。

万景峰は、2006年の平壌のミサイル試験を受けて、日本が全ての北朝鮮船舶を日本領海内で禁止するまで、北朝鮮と日本との間での旅行に利用されていた。

月曜日、北京での演説で、ロシアのPresident(=大統領)Vladimir Putinは、世界の指導者に外交的解決を模索するよう呼びかけて、「to return to dialogue with North Korea(=北朝鮮との話し合いに復帰する)」必要性を強調した。その後、大統領は、朝鮮半島における核保有国倶楽部の拡大には、ロシアはきっぱりと反対したままであることを強調した。

土曜日にあった平壌の最新のミサイル打ち上げの1つに引き続き、UN Security Council(=国連安全保障理事会)は、核と弾道ミサイルの活動を一時停止することを促す新たな大量の制裁を用いて、北朝鮮を威嚇した。新しい南朝鮮(注、韓国)の指導者であるMoon Jae-in(=文在寅、ムン・ジェイン)も、北朝鮮の最新の実験は、国家間の軍事衝突の「high possibility(=可能性が高い)」と述べた。(RT: 18 May, 2017 00:25)

事故動画:サント・ドミンゴでフェリーが埠頭に激突(ドミニカ共和国)

木曜日の朝に、フェリーが埠頭に激突して、ドミニカ共和国のサント・ドミンゴ港で何がしかの大損害が発生した。

動画は、Kydon(注、旧へるめす)という名前のフェリーが、埠頭とDon Diegoターミナルのいくつかのコンテナに激突する瞬間が写っている。驚くべきことに、怪我人は報告されていない。

報道によると、このフェリーは、サント・ドミンゴに到着したばかりで、事故発生当時、既に前方の荷役用ランプは、一部係留されていたという。

オンライン上に投稿されたもう一本の動画では、同船が前方に移動する中、作業員が安全を求めて逃げ出している様子が写っている。

このフェリーは、Ferries Del Caribeが運航しているもので、サン・ファン、プエルト・リコ、サント・ドミンゴ間で運航している。昨年8月にCaribbean Fantasy(注、旧びくとり)で火災があって運休していたが、最近の5月3日に運航を再開したばかりだった。(gCaptain: May 18, 2017)

リトアニアのDFDS Seaways、デンマーク人に何がしかの航路を手放して2016年の低売上高を計上(リトアニア)

ビィリニュス発。デンマークの海運グループDFDSの一部門であるリトアニアのフェリー運航業者、DFDS Seawaysは、9587万4000ユーロだった前年より20.7パーセント減の7599万5000ユーロの2016年の連結収益を計上した。同社は、この現象は、デンマークのDFDSに航路の何本かを手放したことによるものだと述べた、とLETA/BNSは報じている。

同社の連結純利益は、ある要因により、昨年、2015年との比較で、240万ユーロから149万1000ユーロに減少した、とDFDS Seawaysは、Center of Registers(注、「登記センター」の意)に提出した報告書において述べた。

5月と9月に、同社はドイツの造船業者Flensburgerから2隻の新しいro-ro船を受け取ることになっている。この2隻の船は、リトアニア船籍の下で航海することになる。

2016年1月から、DFDS Seawaysは、リトアニアの港町クライペダとキール(ドイツ)間、クライペダとカルルスハムン(スウェーデン)、パルジスキ(エストニア)、カペルシャー(スウェーデン)間の航路の経営を移譲した。このリトアニアの会社は、コペンハーゲン(デンマーク)とオスロ(ノルウェー)間の他、カレー(フランス)とドーバー(イングランド)間、ダンケルク(フランス)とドーバー(イングランド)間、アムステルダム(オランダ)とドーバー(イングランド)間の航路を未だに経営している。

昨年末現在、デンマークのDFDSは、DFDS Seawaysの97.9パーセントの持分を保有している。(The Baltic Course: 18.05.2017.)

Fincantieri、 STX Franceの大半の持分を買収する契約に署名(イタリア・フランス)

イタリアの造船グループのFincantieriは金曜日、フランスのサン・ナゼールで150年の歴史のある造船所を経営しているSTX Franceの大半の持分を買収する合意に署名した。このイタリアの造船業者は、大型クルーズ船市場において既に大きなものとなっている足跡を更に拡大することを目指している。Fincantieriは金曜日、現在の株主であるSTX Europeに、STX Franceの株式の66.66%に当る7950万ユーロを支払うと語った。

STX FranceのSaint-Nazaire造船所は、幅広い船種の設計と工学に特化した近代的な造船所だが、とりわけ大型クルーズ船を建造する能力があることでよく知られている。事実、この造船所は、2016年にはRoyal CaribbeanのOasis級第3船であるHarmony of the Seasという世界最大のクルーズ船を引き渡している。同造船所は現在、2018年に引き渡されることと見られているOasis級の第4船の工事中だ。

「この産業協力を通じて、FincantieriとSTX Franceは、ハイテク(=先端技術)造船業の分野における世界的指導者を作り上げることになります。FincantieriとSTX Franceのクルーズ活動と製品の完璧な相補性により、両社はあらゆる顧客と末端市場に供給し、株主ばかりではなく従業員や個別の協力会社のネットワークに対しても、価値を生み出すことになるのです。」とFincantieri は金曜日に声明文のおいて述べた。

STX Franceは、約2,600人の従業員を擁し、500社以上の協力会社からなるネットワークを有している。2016年、約14億ユーロの収益を上げていた。フランス政府は、STX Franceにおける阻止権を保有するため、33パーセントの持分を持ち続けることを狙っている。(gCaptain: May 19, 2017)

中国のクルーズ市場は2016年に成長(中国)

天津発。中国の主要な港湾都市では、2016年にクルーズ船の入国及び出国数が増加し、China Cruise and Yacht Industry Association(注、「中国クルーズ・ヨット産業協会」の意)によると、合計1,040隻だったという。

2016年、出国中国人クルーズ客は、初めて200万人を超え、今年は260万人に達する見込みだとみられる、と同協会では話している。

専門家は、中国人は2020年までに年間350万人がクルーズ旅行を行い、アジア太平洋地域における最も劇的なクルーズ市場になるものと予測している。

中国は、世界8位のクルーズ市場になっている。2016年現在、中国の主要港湾都市では、18隻のクルーズ船が運航しており、中国がクルーズ産業の開発を元気に始めた2006年の僅か1隻から急上昇している。

「中国のクルーズ市場は、巨大な発展の可能性を有している。」とTianjin Dongjiang Maritime Safety Administration(注、「天津・東江海上安全局」の意)のdirector(=局長)であるLi Qinggangは語った。

天津国際クルーズ母港は、アジア最大であり、2016年に138回の航海を受け入れ、2017年には150回の航海を受け入れるものと見られている。(China Daily: 2017-05-19 13:18)

Brittany Ferries、ポーツマスと10年契約締結(フランス・英国)

Brexit(=英国のEU離脱)後にPortsmouth International Port(=ポーツマス国際港)を使用し続けるため、Brittany Ferriesにより10年契約が締結された。この契約は2027年まで有効だが、同港はその最大の顧客とより緊密に作業することとなる。

同港は最近、このフランスのフェリー会社によって使用されているバース(注、停泊地)の1つにおいて、900万ポンドの投資を発表していた。既存の2段重ねのリンクスパン(注、可動橋)は、車両をフェリーに積み込むための跳ね橋としての役目を果たすものだが、25年間供用したことから代替される。

Brittany Ferriesは、Liquid Natural Gas(=液化天然ガス)(LNG)によって駆動する新しい特大フェリーを建造する計画を立てており、クルーズ・フェリーのMont St Michelと並んで、ポーツマスを本拠とすることにしている。同社は、1976年に初めてこの地方議会所有の港を使用しており、最も初期の顧客の1社となっている。

Brittany Ferriesのchief executive(=最高責任者)のChristophe Mathieuは、次のように話した。「Brexitにも拘わらず、観光業は、この美しい南イングランドと北フランスという地方を結び続けることになります。」

「それ故、この契約の署名において、数十年に亘って国際的な中心地となってきた都市と長期契約を締結して、私たちの結び付きを強化することを私は喜んで行ったのです。」「もちろん、前途には挑戦が待ち構えているかもしれません。しかし英国とフランスとの間の貿易と輸送の将来については、非常に楽観的なままでおります。」

Port director(=港湾監督)のMike Sellersは、次のように語った。「この契約は、お互いの実行能力を証明するものであり、フランスとスペインの貿易におけるPortsmouth International PortとBrittany Ferriesの果たす極めて重要な役割を強調するものです。」

「最終的なBrexit取引の詳細がどのようなものとなろうとも、今や私たちは、フランスとスペインとの間を行き交う事業や行楽客のための、かってなく強固な結び付きを保障することができます。」(Travel Weekly UK: May 19th 2017, 12:49)

ジャワ海でインドネシアのフェリーが出火し、5人死亡(インドネシア)

インドネシア、ジャカルタ発。5人死亡したジャワ海であったフェリー火災の生存者の捜索は、夜間は一時中止になった、とインドネシアの捜索・救助当局は土曜日に語った。

国家捜索救助隊のoperations director(=作戦指揮官)のIvan Ahmad Riskiは、193人が救助されたと話した。行方不明者の人数は不明。

同機関の乗船者の当初の人数は、一見、同船の乗船名簿に基づいたもののようで、178人だった。インドネシアの群島においていつもの輸送形態となっているフェリーで、申告された人数よりも多くの乗客で混雑するのは、珍しいことではない。

この事故は、Masalembo島から約2キロメートル(2マイル)で、金曜日の夜に発生した。近くの船が、この事故に遭ったフェリーを救助するために向かった。フェリーには、多くの乗用車やトラックも積載されていた。

Riskiは、生存者は当局に対し、火災はフェリーの車両甲板から出火したもので、手に負えない勢いで広がり、船長は乗船していた者全員に退船を命令せざるを得なかったと話したと語った。Riskiによると、パニックになって救命胴衣を身に着けたり、救命艇を待ったりせずに、海に飛び込んだ者もいた、と生存者は話したという。

2機のヘリコプターと数隻の船が、土曜日の朝から晩まで生存者の捜索を行った。(ABC News: May 20, 2017, 7:50 AM ET)

インドネシアのフェリーであった火災で5人死亡(インドネシア)

金曜日、ジャワ海で乗用車と乗客が乗っていた船で火災があり、少なくとも5人が死亡したことを、インドネシア当局は週末に確認した。

この火災は、インドネシアのフェリー、Mutiara Sentosa 1(注、元べにりあ)の車両甲板から出火したものと伝えられており、同船の他の区画に素早く広がり、船長は退船を命じることになったという。Indonesian Search And Rescue Agency(=インドネシア捜索・救助隊)は土曜日、192人が近くの船舶の支援や、捜索救助隊によって救助されたと語った。

火災は金曜日、このフェリーがジャワ海のMasalembo島の約2マイルにいた時に発生した。正確に何人乗船していたのかは、不明。仮に行方不明者がいたとしても、乗船していた本当の人数は、同船の乗船名簿とは一致していなかった。(gCaptain: May 22, 2017)

「コカイン・クルーズ船」の密輸者、ハッシュとコカインの大西洋横断貿易で裁判(フランス)

Costaのクルーズ船で観光客のふりをしていた34人が、モナコからブラジルへのハッシュ(注、ハシシとも、大麻から作った麻薬)と、南米からヨーロッパへのコカインを運んでいる巨大な麻薬密輸ネットワークの一部であったとして裁判に掛けられている。

被告人らは、2012年初めから2年近くの間、この企みで観光船に上下船するため、体に薬物を巻き付けていたと申し立てられている、とマルセイユの裁判所で供述された。捜査は、モロッコの大麻をブラジルに大量に運搬するために使われた13回のクルーズ旅行に集中した。ブラジルでは、大麻を純度97パーセントのコカインと交換していた。

「我々は、クルーズ船を利用した3か国間で行われた国際密輸団を裁判しているところです。これは新たなもので、これは初公判です。」とjudge(=判事)のPatrick Ardidは話した。「これを持ち込んだ者は、革新的で大胆であり、コカインの新たなルートを作り出すことができたのです。」と、3週間続くものと見られる公判初日に判事は語った。

被告人の大半は、末端の「mules(=運び屋)」であり、ニース市の同じ労働者階級地域の出身で、クルーズ船を上下船して薬物を運んでいたのだった。「Supervisors(=監督者)」が飛行機で移動し、モロッコのカサブランカで「mules(=運び屋)」を待ち、行動を監視していた。

捜査は、2013年の殺人捜査から分派して開始されたもので、警察は、覆面のフランスとスペインの捜査官を、2014年3月にブラジルからイタリアのベニスに向かったクルーズ船のCosta Fascinosaに乗船させていた。船がカナリア諸島に接近した際に、捜査官らは密輸団の大半を逮捕し、コカイン25キログラムを差し押さえた。

このクルーズ会社も、捜査において警察を支援した、とArdid判事は語った。判事によると、船の職員らは「wondered what these young people were doing on cruises with pensioners if they were not accompanying their grandparents(=この若者らは、祖父母に同行しているわけではないのならば、年金生活者と一緒にクルーズで何をしているのかと疑問に思った)」という。しかし、違法薬物を輸入するためにクルーズ船を利用することは、珍しいことではない、とこの判事は考えている。

警察は、クルーズ船観光客に対する比較的緩和された検査がなされているのに乗じて、持ち込めると期待する下船客を捜索しており、近年、ヨーロッパの多くの港で、薬物が差し押さえられている。命運の尽きたCosta Concordiaは、2012年1月にイタリア海域で沈没し、32人の命が奪われたが、マフィアの所有する大量のコカインの積み荷を沈没時に運んでいたと報じられた。(The Local: 22 May 2017 16:51 CEST+02:00)

英国クルーズ市場、世界ランキングで4位に落ちて中国に抜かれる(英国・中国)

Cliaが発表した数字が、英国クルーズ市場が、2016年の世界旅客ランキングで4位に滑り落ちたことを明らかにした。

英国の旅客数は、179万人から189万人に上昇したものの、中国は210万人に成長して第3位となった。ドイツのクルーズ市場は、202万人の顧客を有して第2位に留まり、第1位は合衆国で、1,152万人だった。Cliaのpresident and chief executive(=社長兼最高責任者)のCindy D’Aoustは、次のように語った。

「クルーズ産業が繁栄し続ける多くの理由の1つが個性化であり、世界中からやって来たお客様に提供できるものです。」「顧客が欲するものをよく聞き、反応するということは、かって業界では見られなかったことで、これが業界が成長し続ける理由なのです。」

世界クルーズ市場は2,470万人に達しており、2016年に2,420万人になるという予想を超えている。2017年については、Cliaは世界的に旅客数が2,580万人に達するものと予測しており、もう1つの素晴らしい年になるものと予測している。カリブ海は35%で最高の目的地であり、地中海が18%、ヨーロッパの残りが11%となっていた。Cliaの調査結果において、この業界の成長はアジア市場の発展が継続していることによるものであり、とりわけ中国であり、この地域の海洋収容力は、2016年に9.2%に上昇しており、2015年に比べ、全体で38%増以上となっている。

世界的には、2016年のCLIAの船隊は458隻からなっており、9隻の新しい外洋船と17隻の新しい川船という、全体で26隻の新船を迎えた。(Travel Weekly UK: May 23rd 2017, 16:29)

クルーズ船はタコマに観光客をもたらすことに(米国)

ワシントン州タコマ発。タコマ周辺に住んでいる者ですら、この都市がクルーズ船の目的地になることを考えたことは決してなかったと恐らく言うだろう。

「決して、決してありません。」とピュアラップのJames DuBoseは言った。「多くの物を得るには、シアトルに行かなければならないといつも考えていました。」

しかしAmerican Cruise Linesは、数カ所の寄港と並んで、このCity of Destiny(=運命の都市)に、船と観光客をもたらす計画を立てている。Grand Puget Sound(=偉大なるピュジェット湾)パッケージ旅行には、タコマ、オリンピア、ポールズボを含み、サン・ファン諸島やファン・デ・フカ海峡にも寄港する。シアトルからオリンピアに乗客をまず運び、それからタコマに向かい、北上する。(中略)

コネチカット州に本拠を置くAmerican Cruise Linesは、ミシシッピー州の東部沿岸港湾やオハイオ州、テネシー州、その他数カ所の目的地でも、同様のパッケージ旅行を行っている。American Cruise Lines spokeswoman(=広報担当者)のKatherine Otisは、このGrand Puget Soundクルーズは、同社最新船である乗客175人乗りのAmerican Constellationで行うと話した。(中略)

またAmerican Cruise Linesは、コロンビア川や、ポートランドやコロンビア・ジョージの同種の町に寄港するスネーク川でも、外輪川船クルーズを提供している。

Grand Puget Soundクルーズは、2018年9月に始める予定。11日間クルーズの客室1室の費用は、5,890ドルから。(KIRO Seattle: May 25, 2017 - 5:55 PM)

Carnival Cruise Line、洋上最大のバーガーを作る(米国)

Carnival Cruise Lineは、5月28日にあるNational Burger Day(注、「全国ハンバーガーの日」の意)のモードになって来ている。

National Burger Dayは、1年でお気に入りの日の1つになっている。Carnivalは、船の1隻において乗客と祝うべく参入している。

Carnivalは、Carnival Libertyにおいて、巨大なGuys Burgerでお祝いした。このクルーズ客船会社は、Guys Burger Joint Restaurantの最大の洋上バーガーについて、ツィートを数回、投稿していた。(後略)(Cruise Hive: May 25, 2017)

ヘイシャムからフェリーで旅行する際、乗客は身分証明書が必要になるかも(英国)

マンチェスターでのテロ攻撃を受けて治安対策が強化されたことから、ヘイシャム港でフェリーに乗船する乗客は、身分証明書を携行し、航海に先立って検査を受けることとなる。

Isle of Man Steam Packet Companyは、そのFacebookページで、英国のテロの脅威水準が「critical(=危機的)」にまで引き上げられたことから、警察は港で追加の保安検査を要請するようになっており、これには乗客全員に対する強制的な身元検査や更なる車両捜索が含まれると述べている。

これらの対策は、水曜日の午後にヘイシャムで導入された。Isle of Man Steam Packet Company Chief Executive(=最高責任者)のMark Woodwardは、次のように語った。

「ヘイシャムでは、実施に先立って新たな警察からの要請に対する通告は、殆どありませんでした。もちろん、弊社は新しい要請に完全に協力しており、Lancashire Constabulary(=ランカシャー州警察)と共同作業をしてきており、強化された保安検査が実施される際の乗客の皆様への混乱は最小限に留めております。(後略)」(The Visitor: May 25, 2017)

これぞ正にカップル専用ヌード・クルーズの内幕のようなもの

世界はヌード・ビーチやスインガーズ(注、「性的に奔放な人」の意)リゾートで満たされているが、ヌーディスト(注、裸体主義者)は最近、ヌード・クルーズで一歩進んだ着衣選択休暇を取り始めている。

人気だった第1回の航海の後、この成人専用のDesire Cruise(注、「性的欲望クルーズ」の意)は、第2ラウンドに戻る決定を行った。

2018年4月乗船のクルーズは、バルセロナからローマへ、フランスのプロバンス、モナコのコンテ・カルロ、イタリアのポルトフィノといったヨーロッパの諸都市を経由して旅行することになる。

このクルーズは、メキシコで2カ所のスインガーズ・リゾートを経営している同じ会社が運航するもので、「深い付き合いのカップルの勉強会、特徴的なテーマの夜、そして日中のきわどい活動や行事を通じて、禁じられた空想を実現し、貴方の恋愛関係を次の段階に進ませること」を約束する成人演芸が含まれている。全ては、社会的に洗練された経験豊富な遊び人のために考案されている。(中略)

この船の4つのタイプの部屋が残っているが、多くは既に売り切れている。残りの部屋は、7泊旅行で、1人当たり2,700ドル(2,083ポンド)から、10,996ドル(8,484ポンド)。(Daily Star: Published 25th May 2017)

Holland America、フォート・ローダーデールからキューバ・クルーズ開始(米国・キューバ)

キューバ・クルーズ熱は、何ら崩壊の兆候を示していない。今週、Holland America Lineは、この島に航海することに青信号を得た最新のアメリカのクルーズ客船会社となった。

ドラルに本拠を置く親会社、Carnival Corp.の一部であるHolland Americaは、ハバナとこの島の南の中部海岸の都市であるシエンフエゴスへの寄港を含む航海について、今週、承認を得て、金曜日に予約を受け付けた。

乗客1,350人乗りのms Veendamでの航海は、12月22日に始まり、2018年4月まで行う。シアトルに本拠を置くHolland Americaは、フォート・ローダーデールのポート・エバグレイズから、7日間、11日間、12日間の様々な旅行を提供する。

この旅行は、他のカリブ海の港湾への寄港も組み合わされており、ドミニカ共和国のアンバー・コーブ、ベリーズのベリーズ市、メキシコのコスタ・マヤやコスメル、グランド・ケイマン島のジョージ・タウン、タークス諸島及びカイコス諸島のグランド・ターク、キーウェスト、ジャマイカのモンテゴ・ベイが含まれる。

船上では、この高級客船会社は、そのExplorations Central(注、「中央探検」の意)プログラムを通じて、キューバの歴史についての説明や講演を行う。旅行は、1人899ドルから。

Holland Americaは、50年間で初めて合衆国から2026年5月に就航航海を行った Carnival Corp.のFathomに続いて、キューバへの航海が承認された9社目のアメリカのクルーズ客船会社。以来、クルーズ客船会社は、更に航海を追加し続けており、Royal Caribbean Internationalは、キューバへの航海を強化すると発表した最新の客船会社となっている。

この島への旅行で需要が上向きになっているホテルと航空会社は、価格や飛行頻度を調整している。クルーズ客船会社は、アメリカの旅行者の中での成功を支えることで連携し、自前の宿泊設備(注、クルーズ船)や食糧を持ち込み、より短期間のキューバの港湾への訪問を提供している。(Miami Herald: May 26, 2017 2:10 PM)

今週の取引:Rolls-Royce、Samsung Heavy Industries、Eco Marine Power

オーストラリアの造船所であるIncat Tasmaniaは、4基の20気筒Series 8V 2000 M51A gensets(=ディーゼル発電機)の供給で、Rolls-Royceと契約を締結した。この9,100kW機関は、Virtu Ferriesの新しい高速RoPax船の動力に使われるもので、来年引渡しの予定。

Samsung Heavy Industries (SHI)は、新たな1億ドル契約で、Korea Gas (KOGAS)向けに2隻の新しい7,500立方メートルのliquefied natural gas carriers(=液化天然ガス運搬船)(LNGCs)を建造する。この運搬船は、朝鮮の造船業者と提携してKOGASが開発したKC-1貨物封じ込めシステムを備えることになる。この船の1隻には、LNG燃料補給能力も含まれる。このLNGCs(=液化天然ガス運搬船)は、2019年5月と12月までに引き渡される見込みで、南朝鮮(注、韓国)の慶尚南道(=キョンサンナムド)の統営(=トンヨン)から済州(=チェジュ)島にLNG(=液化天然ガス)を輸送するために使用される。

日本に本拠を置く技術グループ、Eco Marine Power(=エコマリンパワー)(EMP)は、Aquariusというmanagement and automation (MAS)+ Solar solution(注、「管理・自動化・太陽熱解決策」の意)供給のため、シンガポールに本拠を置く海運会社との間でmemorandum of understanding(=覚書)(MoU)に署名した。

「Wartsilaは、31,000トンのRoPaxフェリー向けに排気ガス清浄化システムの供給契約を受け取ったことを発表した。」

この太陽熱技術は、船舶がリアル・タイムで(=即時に)燃料油消費を監視することを可能にするもので、自動的に nitrogen oxides(=窒素酸化物)(NOx)、sulphur oxides(=硫黄酸化物)(SOx)、そしてcarbon dioxide(=二酸化炭素)(CO2) の排気物を計算する。また海洋太陽光発電システムとも整合できるものだ。このMoU(=覚書)は、最初の試用として、この海運会社の船舶の1隻に、この技術を備える計画の要点を示している。この解決策の成果は、両社によって、その後評価されることになる。EMPは、この取引の一環としてUB-50-12 Valve Regulated Lead Acid(注、「弁調整統制酸」といった意) (VRLA)という電池の供給も行う。

Wartsilaは、31,000トンのRoPaxフェリー向けに排気ガス清浄化システムの供給契約を受け取ったことを発表した。このフェリーは、南朝鮮(注、韓国)に本拠を置くWeidong Ferryによって運航されることになっている。この排気ガス清浄化システムは、7月に引き渡される予定と見られ、この新しいフェリーに特に最適化された2基の13MW Open Loop V-SOxというスクラバー(注、気体洗浄装置)が含まれることになる。Weidong Ferryの新船は、竣工するや、朝鮮と中国間を運航することになっているが、南朝鮮(注、韓国)のHyundai Mipo Dockyardで建造中だ。(Ship Technology: May 26 2017)

ル・アーブル500年:アイルランド―フランス間フェリーの過去と現在(フランス・アイルランド)

LeHavre500、この祭りは今朝始まり、フランス第5の港であるUNESCO(=国際連合教育科学文化機関)に登録された都市であるル・アーブル500年記念を祝って5ヶ月間続く。

セーヌ川の河口にあるル・アーブル港は、King Francis I(=国王フランシス1世)によって、1517年に基礎が築かれた。この歴史的な節目を認めて、ノルマンディー最大の都市中で、行事が行われる。これには、この港の歴史的埠頭、漕艇競技、浜辺、商店街、美術展、通りでのパレード、そして演劇が含まれる。

ル・アーブルは、イギリス海峡のフェリー港でもあり、Brittany Ferriesがポーツマスを使用して英国から航海している。アイルランドから旅行する者は、ロスレアから旅行することが可能だが、シェルブールに運航しているので直接は行けない。このロスレア―シェルブール航路には、Stena LineとIrish Ferriesという2つの運航事業者が競合しており、後者は、20年前に閉鎖するまでは、アイルランドとル・アーブルを結ぶ最後の直行フェリー航路を運航していた。

大陸航路は、21時間かかるロスレア―ル・アーブル航路と、コーク―ル・アーブル航路だった。マンスターとノルマンディーを結ぶこの独特な航路は21時間30分で、少しばかり長かった。歴史的にこの横断時間は、アイルランドとの間を行き交うカー・フェリー航路の中では最長のものとなっている。この航路は、1982年に「stretched(=延長した)」Saint Killian IIと、Saint Patrick IIによって運航されていた。いずれも1973年に遡る船で、元々はスカンジナビアの運航事業者であるStena LineとViking Lineでそれぞれ使用すべく建造されたものだった。

Irish Ferriesは現在、今月初めに運航再開したブルターニュ地方行きの季節運航であるロスレア―ロスコフ航路も運航している。代替航路はBrittany Ferriesのコーク―ロスコフ航路で、11月初めまでのより長期の季節運航を行っている。

以前のル・アーブル便が閉鎖になったにも関わらず、先月、Neptune Linesが、このフランスの港とロスレアを結ぶ車両のみを輸送する毎週1回の新たな定期運航を開始した。この運航便は、ロスレア・ユーロポートに最後に到達する前に、サンタンデル、ル・アーブル、サウサンプトンに寄港する「liner(=定期便)」の一環として、Renault(=ルノー)とPeugeot(=プジョー)」の車両を輸入する。ウェックスフォード港への寄港は、土曜日の朝で、午後には出発する。

今晩、ロスレアを出発したNeptune Dynamisは、サンタンデル行きだ。この車両運搬船の船尾には、いずれもシェルブール行きの競合するフェリー、Stena HorizonとOscar Wildeがいる。執筆時点において、両船はケルト海で並んでいた。

アイルランド―ル・アーブル便が運航されるようになったのは、10年程前。その後、フランスの巨大海運会社のLouis Dreyfus Armateursの事件となる。この事件では、LDAは、子会社のフェリー会社であるLD Linesを使って、2008年11月にropax(注、RORO式の貨客船、カー・フェリー)Norman Voyagerを使用してル・アーブルとロスレアを結び始めたのだった。平日のル・アーブル―ポーツマス間の運航の間に、週末、ル・アーブル―ロスレア間の往復運航を押し込んだのだった。

いずれの航路も短命で、Norman Voyagerは、2009年9月に後継のCeltic Link Ferriesに傭船された。ウェックスフォードに本拠を置くCeltic Linkは、Irish Ferriesと直接競合するロスレア―シェルブール航路を続けた。主たる競争相手のStena Lineは、2014年春にCLFの運航を買収して引き継いでいる。

アイルランド行きのLD Linesの運航閉鎖は、2014年1月にこのフランスの運航事業者がロスレアに戻って来たことから、完全な終焉ではなかったのだった。新たにアイルランド―フランス―スペイン運航を開始し、間接的にアイルランドとイベリア半島を結ぶものではあったものの、歴史的なものだった。この「landbridge(=陸を結ぶ橋)」運航は、ロスレア、サン・ナゼール、そしてヒホンを結んだ。

再びLDのアイルランドとの連結の関係は、短期の散発的なものであることが証明された。ropaxのNorman Atlanticは、繁忙期を前に、驚くべきことに運航から撤退した。このropaxは、その夏、横断運航を再開しなかったが、8月末まで運航して9月に運休したのだった。(Afloat: 27th May 2017)

Meyer Werft、パーペンブルクの造船所でクルーズ船Norwegian Blissを起工(ドイツ)

ドイツの造船業者、Meyer Werftは、パーペンブルクの造船所であった公式式典において、クルーズ船Norwegian Blissのキール(注、竜骨)を設置した(注、起工した)。この167,000総トンの船は、2018年4月に竣工する予定で、Norwegian Cruise Lineに引き渡される。屋根付きの工場で行われるこの船の90個のブロックの最初のものの建造が、このBreakaway-Plus級の船の工事の開始となる。Norwegian Blissは、アラスカ海域での運航に特化した独自注文により建造される最初のクルーズ船となる。これは、Meyer Werftの造船所でNorwegian Cruise Lineというクルーズ運航事業者向けに建造される12隻目のものである他、乗客4,000人の収容力のあるBreakaway-Plus級の既に3番船であることが注目される。

Breakaway-Plus級の2隻の船の1番船は、既にNorwegian Cruise Lineの船隊に加わっている。Norwegian EscapeとNorwegian Joyは、全長が325.90メートルで、幅が46.50メートル、喫水が8.62メートルであることを呼び物としている。これらの船には20層の甲板があり、4,200人の乗客を収容できる。

パーペンブルクにある造船所のMeyer Werftは、1795年の設立で、Meyer家の7代目(Managing Director(=代表取締役)のBernard Meyer)によって所有されている。同社は、大型の現代的なクルーズ船の建造に特化している。今日までにMeyer Werftは、37隻のクルーズ船を建造して来た。同造船所は、乗用車や乗客を輸送するRo-Ro船や、液化石油ガスを輸送する油槽船も建造している。ロストクの子会社、Neptun Werft GmbHは、ガス輸送船の他、リバー・クルーズ船の建造にも携わっている。Meyer Werftの職員は、3,000人以上の従業員から構成されている。同社は、2019年までの受注を確保している。(Maritime Herald: May 28, 2017)

Peace Boat、EcoshipでArctechとの基本合意書に動き出す(日本・フィンランド)

日本のPeace Boat(=ピースボート)は、世界で最も環境に優しいクルーズ船であるEcoshipの建造で、フィンランドの造船会社のArctech Helsinki Shipyard Inc,との間でletter of intent(=基本合意書)(LOI)に署名した。

Peace Boat director and founder(=代表兼創立者)のYoshioka Tatsuya(=吉岡達也)、Arctech chief executive(=最高責任者)のEsko Mustamaki、そして船級協会のDNV GLのregional manager North Europe(=北欧地域支配人)のJon Rysstが、海事見本市のNor-Shippingの期間中に発表した。(中略)

この乗客2,000人乗りの750船室ある60,000総トンの船の最終契約は、間もなく署名される見込み。この新船は、2020年春に引き渡される予定だ。(Passenger Ship Technology: Tue 30 May 2017)

Costa Group、4,500人のイタリア人船員を雇用へ(イタリア・ドイツ・米国)

Costa GroupとCarnival Corporationは、既存のものと、主として現在発注している新船を支援すべく、2020年までに、約4,500人のイタリア人船員を雇用すると発表した。

現在、Carnival Corporationの船では、5,000人以上の船員が雇用されており、声明文によると、雇用の機会は合計で殆ど2倍になっているという。

AIDA Cruisesの新しいフラグシップであるAIDAperlaは、今日、初めてジェノバに到着した。

Costa Groupは、イタリアの商標であるCosta Cruisesとドイツの商標であるAIDA Cruises、そしてCosta Asiaが含まれるが、27隻に76,000床を擁し、イタリア国旗をなびかせているクルーズ船最大の船隊となっている、と同社は話した。

「Carnival Corporationは、イタリアにおける最大の外国投資家の1つであり、ここは弊社の成長にとって戦略的な国の1つです。」とCarnival CorporationのCEO(=最高経営責任者)のArnold Donaldは、語った。同社は、年間1200万人近いお客を運んでいる10社の世界的なクルーズ会社商標を有している。

「1990年以来、弊社の10社ある世界を代表するクルーズ客船会社の様々な商標向けに、イタリアの造船所で68隻の船を建造してきました。そして他に10隻が、現在、発注あるいは建造中で、投資額合計は約320万ユーロになります。」

Costa GroupとCarnival Corporationは、1つ以上のイタリアの海事機関と共同作業をすることを検討中だ。これはItalian Merchant Marine Academy、アレンツァーノのAcademy for Italian Cruise Hospitalityの最近の開校により、甲板員と機関士、ホテル側の双方で、既に成功したものとなっている。(Cruise Industry News: May 30, 2017)

クルーズ船Costa NeoRomanticaが5月30日にウラジオストク港に初寄港(ロシア)

イタリアのクルーズ船、Costa NeoRomanticaが、今日2017年5月30日にウラジオストク港に初寄港した、とIAA PortNewsの通信員が報告している。

Costa NeoRomanticaは、日本と南朝鮮(注、韓国)から1000人の観光客を運んできた。伝統的な歓迎式典が、旅客ターミナルで行われた。ウラジオストク港で9時間滞在して、この船は、朝鮮の港湾である束草(=ソクチョ)と釜山(=プサン)に向け出発し、この航路の終点は、日本の福岡港となる。

ウラジオストク旅客ターミナルの経営陣によると、Costa NeoRomanticaは今シーズン、ウラジオストクに3回以上寄港することになるという。6月26日、8月19日、そして9月20日だ。全体では、大型クルーズ船は2017年に13回、ウラジオストク港を訪問することになる。次の寄港(Costa Victoria)は、5月31日の予定。

Costa NeoRomantica(イタリア船籍)は1993年建造で、Costa Romanticaと命名された。本船は、14隻目のクルーズ定期船として、Costa Cruisesの船隊に加わった。本船は、長さ219メートルで、1,894の乗客を789室の船室に収容する。船員と職員の人数は、650人。2011年にT. Mariotti造船所での広範な現代化を経て、本船はCosta NeoRomanticaに改名した。(PortNews IAA: 2017 May 30 17:27)

MSC Cruises、そのLNG World級新造船の奇抜な外観を公開(スイス・フランス)

最初に発表して1年経って、MSC Cruisesは200,000総トンの最大4隻のLNG駆動クルーズ船をSTX Franceに発注したことを確認し、その奇抜な設計の最初の完成予想図を公表した。

MSC CruisesとSTX Franceは、MSC Meravigliaの本日の引き渡しで、new French President(=フランスの新大統領)であるEmmanuel MacronとMinister of the Economy(=経済大臣)のBruno Le Maireが出席する中、これらWorld級の船を確認した。注文合計は、45億ユーロ相当。

引渡し予定には変更はない。2022年と2024年で、2025年と2028年の選択権が付いている。各船には2,760室の旅客室があり、6,850人までの乗客を収容できるもので、クルーズ船収容力の最大のものとなる。各船は、長さ1,083フィートで、幅は154フィートとなる。

MSC Cruisesは、このY字型の外観は、パノラマのような海の景色を見ることを可能にし、バルコニー付きの船室の割合を増やせるものとなると話した。この船の90度の角度で垂直になっているG船首は、乗客の快適さのための復原力と、燃料効率の高い流体力学を向上させるべく設計されている。

他の乗客中心の新機軸には、家族連れに適した「villages(=村)」というパノラマの船尾と、ガラス張りのプール・ラウンジ(注、休憩室)がある。(Seatrade Cruise News: Posted 31 May 2017)