2020年6月

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2020年6月の海外旅客船情報

Crystal Endeavorは2021年に延期(ドイツ)

MV WerftenでのCOVID-19のパンデミック(=国境を越えた大流行)のために作業が止まったことを引き合いに出して、今やCrystal Endeavorは、2021年まで営業航海を行わないことになった。

この新しい乗客200人乗りのEndeavorは、元々はOlympics(=オリンピック大会)に合わせて、日本で今年の夏に就航することになっていた。同船は、Crystalが6星船により探検船市場に参入することを示すものでもある。

「加えて、オーストラリア、ニュー・ジーランドを含む世界中のクルーズ港が、一時的に閉鎖されたままになっております。こうした要素から、Crystalは、Crystal Endeavorの投入を更に延期して、同船の2020年の旅程の残りを中止する決定を行いました。」と、同社は声明文において述べた。

同船の11月と10月の航海を予約している客は、2023年までのCrystalでの体験用のクルーズ料金、あるいは支払った手付金の125パーセント相当のクレジットを受け取ることになる。

Crystalでは、将来の理想的クルーズを予約し直すよう、客に勧めている。2022年の展開は利用可能であり、2023年の展開は、7月上旬にも発表されることになっている。(Cruise Industry News: June 02, 2020)

KiwiRail、鉄道連絡船、2隻発注へ(ニュー・ジーランド)

ニュー・ジーランド発。KiwiRailは、北島と南島の道路と鉄道のネットワークを結ぶウェリントンとピクトンを結ぶ航路向けの次世代鉄道連絡船の提案要求を出した。

この2隻の新船は、「represent a once-in-a-generation opportunity to transform the Cook Strait crossing(=クック海峡を変容させることになる一世代に一度しかないもの)」だとGroup Chief Executive(=グループの最高責任者)であるGreg Millerは語った。

3隻のロール・オン、ロール・オフ方式のフェリーからなる現在のInterislanderの船隊は、年間800 000人の乗客と、140億ニュー・ジーランド・ドルの道路・鉄道の貨物を輸送している。

新船は、2024年と2025年に到来するものと見られているが、現在の船より40メートルほど長く、5メートルほど幅が広いもので、現在の3隻の船の2倍もの乗客を乗せることのできるものとなる。同様に鉄道車両は300%、自動車は2倍近い台数となる。より効率の良い機関と電池推進の利用で、排気ガスをかなり逓減させることになり、設計は、将来の新燃料の利用を可能にすることに備えたものとなる。

今回の投資には、ピクトンとウェリントンの新ターミナル、リンクスパン(注、可動橋)、そしてmarshalling yard infrastructure(注、操車場)も含まれている。(Railway Gazette: 2 June 2020)

CarnivalのPrincess Cruises、なにがしかの航海一時休止を延長(米国)

6月4日。Carnival CorpのPrincess Cruisesは、木曜日、コロナウイルスの危機のため、世界中のクルーズ港が閉鎖されたままになっていることから、オーストラリア、カナダ、台湾での航海のなにがしかの一時休止を延長した。

同社は、Sea Princess、Majestic Princess、Sun Princess、そしてSapphire Princessでのオーストラリア発着の全てのクルーズの運航遅延を、9月中旬まで延長したと話した。(Reuters: June 4, 2020 / 3:43 PM)

Fincantieri、新クルーズ船のValiant Ladyの進水完了(イタリア)

Fincantieriは最近、新しいクルーズ船の進水を完了した。これはイタリアがコロナウイルスと戦っている間、長らく中断した後で作業を再開した同社にとっては、一里塚となることだった。Fincantieriは、5月に生産規模を拡大し始めており、一方、従業員の安全を維持するための対策を取っている。

Virgin Voyages向けに工事中であるValiant Ladyは、5月20日に造船台を離れ、ジェノバ近郊にあるFincantieriのSestri Ponte造船所の艤装停泊地に移動した。Valiant Ladyの組み立ては2019年3月に始まり、元々は2020年3月に進水する予定だった。作業の一時中断とウイルス緩和のため、作業は現在、予定より約2か月遅れている。

Virgin Voyagesは、コロナウイルスの混乱が起きる前は、Valiant Ladyを2021年5月に地中海に投入する予定だった。艤装工事は、船が竣工して引き渡し準備をする前に約1年間を要するのが典型的だ。しかし本船の投入については、何の更新も発表されていない。

本船は、Virgin GroupからFincantieriに発注された約30億ユーロ相当の4隻のクルーズ船の2番船。この110,000総トンの船は、FincantieriがVirgin Voyagesに2020年2月に引き渡したScarlet Ladyの姉妹船でもある。この新しいクルーズ客船会社にとっての一番船であるScarlet Ladyは、イングランドでの内覧会を終えて、3月にニューヨークで人目を惹く一連の行事をする予定になっていた。しかしこうした行事は、コロナウイルスが広がり始めたために延期になっていた。

Scarlet Ladyは、旅程変更してマイアミに向かい、5月に到着した。フロリダ州で予定されていた紹介行事も延期となり、Scarlet Ladyは最初の有料乗客が乗船するに先立って、PortMiami(注、マイアミ港)とバハマの係留地の間を移動しながら休業している。

Virgin Voyagesは、紹介行事を7月中旬に再開することを狙っていたが、最近、10月中旬に投入するよう予定変更した。Scarlet Ladyは、マイアミ港からバハマとカリブ海に通年航海することになっており、地中海で夏を過ごし、冬にはマイアミから航海するため、再配置をValiant Ladyに求めることを計画している。

この新しいクルーズ客船会社は、2022年と2023年に引き渡し予定で、更に2隻の新しいクルーズ船も、Fincantieriに発注している。

Valiant Ladyが進水して何日か経過して、コロナウイルスのために辺獄(注、天国と地獄の中間の中途半端な場所)にいる新しいクルーズ船の別の1隻が、工事の重要な次の段階に入った。Meyer WerftがP&O Cruises向けに建造しているIonaが、ロッテルダムに到着したのだ。本船は、遅れて引き渡されるに先立ち、その最終段階となるものと考えられている検査のため、乾船渠に入渠している。

Ionaは、P&Oと英国市場向けの初のLNG駆動のクルーズ船であるが、2020年5月に処女航海を行う予定になっていた。3月、ドイツのパーペンブルグにあるMeyer Werftの建造ホール(注、屋根付きの造船工場)を出発して、エムス川からブレマーハーフェンに移動した。コロナウイルス関連の予防策のために僅かに遅延したが、Ionaの艤装は竣工した。Meyerは最近、ロッテルダムへの旅行中に簡単な試運転をするため、ブレマーハーフェンを出発すると発表していた。

これまでのところ、Ionaの引き渡し日は発表されていない。(The Maritime Executive: 06-04-2020 05:22:11)

AIDA Cruises、2020年のアメリカ合衆国とカナダの港湾を使うクルーズ中止(ドイツ)

2020年6月5日、ドイツ、ロストク発。過去数か月間に亘って、コロナウイルスの拡大を食い止めるため、世界中で多大なる努力がなされて来ました。ヨーロッパでの旅行は、ゆっくりと再開しております。観光業の正常化を見越して、AIDA Cruisesでは、素早い再開のための詳細な計画について集中的に作業して参りました。

しかしコロナウイルスの影響が継続している結果、アメリカ合衆国とカナダへの国際旅行の状況は、現在、環境が整っておりません。例えばカナダでは、10月末まで、クルーズ寄港は不可能となっており、アメリカ合衆国では、追って通知があるまで、ヨーロッパ人が入国することは止められております。AIDA Cruisesは、お客様に休暇に必要な計画保障を与えたいと考えています。それ故、AIDA Cruisesでは、残念ながら今年、アメリカ合衆国とカナダの港湾を使う全てのクルーズを中止せざるを得ないことになりました。AIDAのこうしたクルーズの1本を予約した全てのお客様には、通知がなされることになります。予約は、出発日に従って日付順に処理されます。(中略)

お客様は、ウェブサイト(注、URL省略)上で旅行クレジット、AIDA Expinetというウェブサイト上で販売提携者に関する詳細な情報を探し出すことが可能です。(PR Newswire: Jun 05, 2020, 05:15 ET)

クルーズ注文簿更新:2020年の新船について知っていること

COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)によりクルーズ船の新造工程が減速していることで、2020年のクルーズ船の新等級は、引き渡されたものや、複数の遅延が見られ、クルーズ船注文簿上では、進水日時に何がしかの変更が出ている。

Silver Origin

Silversea初の目的地に特化した船であるSilver Originは、先週、De Hoopから引き渡され、今年の夏にガラパゴス諸島で運航開始の予定だ。

Mardi Gras

Carnival Cruise Lineは、既にMardi Grasの引き渡し予定を先送りしているが、未だに今年の暮れのポート・カナベラルからの就航に備えている。本稿締め切り時点において、Carnivalは、10月下旬に同船の引き渡しを受ける予定になっており、最初の営業航海は、2020年11月14日、ポート・カナベラル発となっている。

Regent Splendor

Seven Seas Splendorは、1月末にFincantieriのアンコナ造船所からRegentに引き渡された。2016年にセストリ・ポネンテ(ジェノバ)造船所でFincantieriから引き渡された姉妹船のSeven Seas Explorerのように、Seven Seas Splendorは、55,000総トン、長さ224メートルで、全て専用バルコニーのある375室の広いスィートに、750人の乗客を収容することが可能。もう1隻の姉妹船は、2023年に後を追う。

Silver Moon

5月、Silverseaの幹部は、Silver Moon(上の写真のMuseの姉妹船)の正確な日取りはまだ決定していないとし、同船の8月の就航クルーズは中止になったと話した。同社では、10月にこの新しい乗客596人乗りの船の航海を始めることを希望している。

Celebrity Apex

Celebrityの幹部は、仮想式典において、新しいCelebrity Apexの引き渡しを受けたが、同社では、7月まで運航を中止している。この新船は、元々は今年の夏にヨーロッパで運航する予定だった。

Saga Spirit of Adventure

Sagaの新しいSpirit of Adventureは、このMeyer Werft建造船が、8月に引き渡されないことになったことから、遅延している。このクルーズ客船会社は、新たな引き渡し日程について詳しいことは述べなかった。

Scarlet Lady

Virgin Voyagesは、今年これまでにScarlet Ladyの引き渡しを受け、連合王国(注、英国)では、就航前航海や内覧会さえも行っている。ニューヨークやマイアミでの就航は、その後、延期となり、本船は今や、10月に営業航海を開始することになっている。

Crystal Endeavor

MV WerftenでのCOVID-19のパンデミックのために作業が止まったことから、Crystal Endeavorは、2021年まで営業航海には入らないことになった。この新しい乗客200人乗りのEndeavorは、元々はオリンピック大会に合わせて、日本で今年の夏に就航することになっていた。この船は、Crystalが6星船を使った探検市場への参入を記すものでもある。本船は今や、2021年初めに航海を開始することになっている。

P&O Iona

P&O Ionaは、元々はMeyer WerftからP&O Cruises UKに4月に引き渡される予定だった。この日取は、同船が最近、引き渡しに先立って最終検査のためにロッテルダムのDamenに入渠したことから、現実のものになりつつあるように見える。

最新のクルーズ船の注文簿はこちら(注、リンク先省略)。(Cruise Industry News: June 08, 2020)

女性がフェリーから船外に転落、遺体を収容(英国)

女性の遺体が、フェリーから船外に転落後に、海から回収された。

Solent Coastguard(=ソレント沿岸警備隊)からの要請を受け、Weymouth RNLIという全天候型救命艇が、海峡中央の航路上のロール・オン、ロール・オフ式のフェリー、Stena Horizonから船外に転落した女性の捜索に加わるため、日曜日の午後5時18分に出動した。

Weymouth Lifeboat(注、「ウェイマス救命艇」の意)の広報官は、次のように話した。「救命艇がポートランド・ビルの南南西26海里の現場に到着する直前に、この女性の遺体が見つかったというニュースが飛び込んできました。」「女性の捜索を開始していたStena Horizonの救命艇が、遺体を見つけて同船に搬送し、その後、航海を継続しました。」「救命艇は解放されて、午後7時38分にウェイマスに帰還し、次の声がかかることに備え、燃料を補給しました。」(Dorset Echo: 8th June)

Disney Cruise Line、航海中止追加、秋まで(米国)

フロリダ州オーランド発。Disney Cruise Lineは、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、月曜日に追加して航海を中止した。

ニュース・リリースによると、旅行を中止する決定は、U.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)からの指示によってなされたものだという。このクルーズ客船会社は、次のものを中止した。

10月2日までのDisney Magicの航海
9月14日までのDisney Wonderの航海
7月27日までのDisney DreamとDisney Fantasyの航海

この影響を受けた航海の1本を現在予約している顧客は、元々の航海日から15か月以内の将来の航海のために利用できるクルーズ・クレジットか、全額返金を選択することができる。顧客と旅行代理店は、詳細と次の措置の概要を記したDisney Cruise Lineからの電子メールを受け取ることになる。(後略)(ClickOrlando.com: June 8, 2020, 2:06 pm)

Cunard、11月までクルーズ船航海中止(米国・英国)

Cunardはコロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)のために、11月まで全てのクルーズ船航海を中止した。

このクルーズ客船会社は以前、8月に航海を再開する希望だとしていた。しかしこうした計画は、人々が自由に旅行することを禁止する続行中の渡航制限のために沈没した。

今や全ての航海は、Queen Mary 2とQueen Victoriaが11月1日まで、Queen Elizabethが11月23日まで中止となった。同社のpresident(=社長)、Simon Palethorpeは、旅行再開に先立って、同社ではもっと時間が必要だと語った。

この豪華客船会社は「better understand the implications Covid-19 will have on board our ships(=弊社船でCovid-19が起こることがより理解される)」必要があり、「the most trusted and informed sources(=最も信頼され情報豊富な筋)」により強化された健康安全管理体制が開発されたときにのみ、運航を再開することになると語った。

旅行を取り消した顧客は、元の旅行の費用の125%相当の将来の航海のためのクレジットを自動的に受け取ることになる。このクルーズ会社は、要求されたならば返金にも応じる一方で、現在、手続きには60日かかることを警告している。

Palethorpe氏は、同社は「to review every aspect of a holiday with us(=弊社での休日のあらゆる側面を見直すべく)」Public Health Englandや合衆国の同格機関と共に作業しているところだと語った。

コロナウイルスのパンデミックのため、約450人が、事業の「ensure the future sustainability(=将来の持続可能性を確保するために)」Cunardやその他のクルーズ客船会社であるP&Oでは削減されることになっている。(Mirror: 11:11, 9 JUN 2020)

106年経過して、バンクーバーは駒形丸事件を正式に謝罪するかも(カナダ)

バンクーバーが何百人もの移民の入国を拒否して106年経ったが、この都市は今や謝罪するかもしれない。

連邦政府と州政府は以前、Komagata Maru(=駒形丸)事件に対し公式に謝罪したことがあったが、今回はバンクーバーの番だ。

1914年、376人の人々が、インドから船で同市に到着した。ところが到着するや、この都市は入国を拒否し、2か月間に亘って彼らを船上に留めたのだった。大半は、武装護衛付きで戻ることを余儀なくされ、19人の乗客は、英国兵士によって射殺されたのだった。

ところがcouncillor(=審議官)のJean Swansonは、火曜日に正式謝罪のための動議を提出した。「本当に人種差別的な出来事でした。」とSwansonは、The Vancouver Sun紙に語った。「当市はそれに加担したのです。それで私は、こうしたことをより知ってもらい、前進させ、簡単に言えば、再び繰り返させないようにすべきだと思うのです。」Swansonは、駒形丸の航海で上陸した5月23日を、Komagata Maru Remembrance Day(=駒形丸記念日)として宣言すべきことも希望している。

当時、約2,000人が到着時に、反アジア人集会を開いて同船を迎えた。バンクーバーの当時のmayor(=市長)であるTruman Baxterは、この行事を組織した。Prime Minister(=首相)のJustin Trudeauは、2016年5月に正式に謝罪している。(604NOW: June 9, 2020)

コロナウイルス:Brittany Ferries、航海中止を延長(フランス・英国)

全てのBrittany Ferriesの旅客運航の中止は、6月末まで延長となった。

同社社長のChristophe Mathieuは、英国の「enormously frustrating(=とてつもなくイライラさせられる)」新たな渡航隔離規則で、「no choice(=選択の余地がなくなった)」と話した。

月曜日以来、英国に到着した者は、コロナウイルスの拡大を遅らせるため、14日間、自己隔離することが要求されている。全ての航海は、6月28日まで中止になっている。(後略)(BBC News: 10 June 2020)

フィリピン人クルーズ船労働者、本国送還を待つ中、自殺(フィリピン・バルバドス・米国)

フィリピン、マニラ発。フィリピンへの本国送還を待っていた女性クルーズ船労働者が、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)の最中、自殺した、とForeign Affairs Secretary(=外務大臣)のTeodoro Locsin Jrは木曜日に話した。

「28歳の女性船員が、フィリピンに戻る本国送還機が再び取り止めになる中、滞在しなければならなかった船内の船室で自殺したことを報告するのは、悲しい任務であります。」とLocsinは、Twitter(=ツイッター)に書いた。「我が国の隔離施設が超満員になっているのを承知していますが、どうしてこうなったのかは知りません。」と付け加えた。

様々な国際報道が、クルーズ船Harmony of the Seasが現在、バルバドス沖で投錨していると述べている。この外務省の長は、コロナウイルスのパンデミックの最中に海外のフィリピン人の中であった2度目の自殺事件だったと話した。

「フィリピン人の復活力が限界に達していることに言い訳ができないことは、よく分かっています。Di sila goma; tao sila(注、「ゴムではなく、彼らは人間だ」の意)」と別のツィートの中で述べた。

Department of Foreign Affairs(=外務省)は、この事件に関する更なる情報を提供しなければならない。(INQUIRER.net: 12:32 PM June 11, 2020)

Irish Ferriesの所有者、新しいダブリン―ホリーヘッド間のフェリーの取り消し確認(アイルランド・ドイツ)

Irish Continental Group (ICG) は、ダブリン―ホリーヘッド航路の、Irish Ferries向けの新しいフェリーのFlensburger Schiffbau-Gesellschaft (FSG) との契約の終了を確認した。この終了は、今年これまでにこの造船所が任意破産を申請したことに引き続くもの。

ドイツでの報道によると、これにより、ICGの注文から手を引くことになったようだという。この注文は、赤字になるものと考えられていた。

現在の同造船所での生産は、COVID-19により停止しているが、造船所では、今月末には再開を希望している。Brittany FerriesのHONFLEURが現在、FSGの注文簿上の唯一の注文となっており、かなり遅延しており、未だに艤装工事中。(後略)(NI Ferry Site: June 11, 2020 07:19)

キプロス、今年の暮れまでクルーズ船訪問の見込みなし:報道(キプロス)

6月13日、ニコシア発。キプロスは今年の暮れまでクルーズ船訪問の見込みはない、と国営ラジオのCyprus Broadcasting Corporationが、南部沿岸にある島の主要港であるリマソル港の支配人の話を引用して、土曜日に報じた。

7月9日からキプロスは、空港と、この島の港湾のクルーズの扱いを再開した。これは、3月中旬以来の封鎖に引き続く、3回目の規制緩和の最も重要な段階の一部だ。

リマソル港長のPanayiotis Agathocleousによると、乗客を乗せた最初のクルーズ船は、最も最初のものは、今年の暮れになるものとみられるという。(中略)

リマソル港は、キプロスの主要商業港であり、旅客の約80パーセントを扱い、キプロスを通過する船舶の約70パーセントを扱っている。今年、リマソル港に接岸する見込みの72隻のクルーズ定期船のうち、55隻は、10月と11月に予定されていたが、中止となっている、とCyprus Mailという新聞は報じている。(Xinhua: 2020-06-14 02:16:00)

黒煙、横浜停泊中のクルーズ船からうねる(日本)

東京発。船員や大勢の消防隊員、海上保安官らが制御しようと戦っている中、黒煙が横浜港に停泊中のクルーズ船からうねっていた。

この煙の原因は直ちには判らなかったが、海上保安庁は、怪我人はいないと報告した。地元海上保安庁支所は、この煙は、日本最大のクルーズ船の1隻であるAsuka II(=飛鳥II)の最上甲板から出たものだと話した。

同船には乗客はいなかった、と運航事業者であるNYK Line(=日本郵船、注、正確には郵船クルーズ)は話した。同社は、必須の義務のために153人の船員が乗船しており、この火災と戦っているところだと話した。

このクルーズ船は、保守作業(注、改装工事の間違い)がなされたシンガポールから戻ってきた後の4月初め以来、横浜港に接岸してきた。

横浜港は、今年これまでに、Diamond Princessというクルーズ船がコロナウイルスのアウトブレイク(=勃発)を起こしたところで、700人以上が感染した。この船はその後、出発していた。(Japan Today: June 16, 2020, 05:05 pm JST)

コロナウイルス:クルーズ客船会社のCMV、浮かび続けるため資金を大至急要求(英国)

4,000人を雇用する英国に本拠を置くクルーズ客船会社が、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)によって運航が休止したのを受け、浮かび続けるための資金を、大至急確保しようとしている。

Sky Newsでは、Cruise & Maritime Voyages (CMV) が、可能性のあった救済取引が土壇場で崩壊した後、貸し手や可能性ある投資家らと緊急の話し合いをしているとの情報を得ている。

水曜日、消息筋は、エセックス州に本拠を置き、船隊にColumbusとMarco Poloを有するCMVが、今週末までに新たな資金調達を試みていると話した。消息筋は、未公開株式投資会社のNovalpina Capitalが、CMVの既存の債権者らと共に、数週間かけて取引を構築しようとしてきたと付け加えた。

この話し合いは、BarclaysがCoronavirus Large Business Interruption Loan Scheme(=コロナウイルス大規模事業中断貸付構想)の下での2500万ポンドの政府保証融資を提供しないことを決定し、今週、決裂したと言われている。

クルーズ客船会社は今年これまでに、当初のアウトブレイク(=勃発)が広がった時に同業界を直撃した消極的な風評の集中攻撃により、回復の見通しが不明確になっており、このパンデミックにより、その事業が台無しになっているのが見られてきた。(後略)(Sky News: Wednesday 17 June 2020 12:17, UK)

Carnival、予約が干上がり、クルーズ船6隻売却へ(米国・英国)

Carnivalは、このクルーズ会社の事業がCovid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)により殆ど沈没したことから、3か月間で44億ドル(36億ポンド)の損失を被った。

予約は干上がり、この法人のクルーズ客船会社が、同社船内での深刻なアウトブレイク(=勃発)を受けて、航海を一時中止したことから、収益は2019年の同じ3月~5月期の48億ドルから7億ドルにまで落ち込んだ。

英国子会社であるP&OやCunardを含む多くの客船会社は、少なくとも秋まで運航を中止することになると話しており、Carnivalでは、2020年の航海で4億7500万ドルの予約を確保していることから、何某かの事業を、夏の終わりから再開することを希望している。ここでは、2021年の将来の航海に向けたバウチャー(=割引券)を受け入れた多くの顧客の現金を、合計26億ドル確保している。

船員が乗ったままの多くの船は、沖に留められており、政府による規制のために接岸は不可能だ。Carnivalは、21,000人の従業員が自社船に未だに乗っており、これは船員の約4分の1だが、6月末までに大半が帰国する見込みだ。

同社は、全ての船が「paused status(=休止状態)」になるや、1か月当たり約2億5000万ドルの運航管理費用に直面することになったと警告していた。船隊の100隻以上の僅か61隻が、これまでに港に何とか到達しただけだ。

同グループでは、6隻のクルーズ船の売却を計画しており、これは典型的には5億ドルから10億ドルの費用が新たにかかるもので、不確実な将来に対処することを模索している。

Carnivalは、通常の事業が再開されるのが何時になるのかは予測できないと話した。しかし「expects to resume guest operations, after collaboration with both government and health authorities, in a phased manner, with specific ships and brands returning to service over time(=段階的に政府と保健当局と協力して、特定の船舶や商標を徐々に運航に復帰させることによって、旅客運航を再開するつもりだ。)」

復帰させることになる最初のクルーズ休暇は、フライ・クルーズ(注、飛行機と船を組み合わせた旅行形態)市場よりはむしろ、「will be from a select number of easily accessible homeports(=容易に接近できる選択された母港からのものとなり)」その船隊は、より小規模なものとなると見ている。

Carnivalは、その流動性を急騰させるため、今年、66億ドル以上の社債と株式の発行を行うと述べていた。

今年これまでに、パンデミックの初期の段階で注目の的となったのを受けて、この分野は決して完全には回復しないかもしれないと話していた。Diamond Princessの乗客は、2月に日本の沖で船室内に閉じ込められ、一方、Ruby Princessは、オーストラリアにCovid-19を持ち込んだ主要輸入者だとされたのだった。

このクルーズ運航事業者は、巨額の費用をかけて乗客を本国に送還することを余儀なくされ、コロナウイルスに襲われた船の乗客からの訴訟に直面している。

同業界の苦闘の別の兆候として、英国のクルーズ客船会社のCruise and Maritime Voyagesが水曜日、融資取引が崩壊する可能性があるのを受けて、投資家や貸し手の候補との緊急の話し合いを行ったと話している。(The Guardian: Thu 18 Jun 2020 17.07 BST)

Grimaldiのフェリー、サルディニア島で火災、動画(イタリア)

6月18日夕方、リボルノからサルディニア島のオルビアに到着した際、フェリーのCRUISE BONARIAの貨物甲板から出火した。冷蔵トラックが、短絡のために出火した。激しい黒煙が、貨物甲板から上甲板に大きくうねり、空中に高く舞上がった。同船は接近を続け、消防・緊急隊員がフェリーに乗船して、船員らと共に消火作業に加わった。火は消火され、150人余の乗客は、6月18日の協定世界時18時30分頃、無事、下船した。怪我人は報告されていない。6月19日の朝現在、CRUISE BONARIAは、オルビアに停泊したままとなっており、損傷に関するニュースはなく、恐らくは無傷。

旅客ro-ro船、CRUISE BONARIA、IMO番号 9220330、総トン数 36825、2001年建造、イタリア船籍、運航事業者 Grimaldi。(Maritime Bulletin: June 19, 2020 5:27 am)

クルーズ客船会社株、コロナウイルスで業界団体が9月15日まで合衆国での運航を中止し、沈没(米国)

大手クルーズ客船会社株は、Cruise Lines International Association(=クルーズ客船会社国際協会)(CLIA)が、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)のため、合衆国の港湾からの運航を9月15日まで自主的に中止すると発表したのを受けて、金曜日の取引で沈没した。現在の航海禁止命令は、7月24日に失効することになっていた。

「合衆国内での再開への障壁を解決するためには、更に時間がかかることが明らかになってきました。」と同協会は声明文において述べた。

このニュースで、金曜日の取引でNorwegian Cruise Line Holdings Ltd. NCLH, -5.64%株は、7.5%下落となった。Carnival Corp. CCL,-5.26%(注、NY上場株)、CUK, -6.16%(注、ロンドン上場株)は、6.4%の下落。また、Royal Caribbean Cruises Ltd. RCL, -6.87%株は、7.3%下落した。これらの全ては、CLIA会員企業。

クルーズ客船会社株は、2020年に打撃を受けており、Norwegianは今年、今日までに69.3%の下落、Carnivalは65.2%の下落、Royal Caribbeanは58.6%の下落となっている。S&P 500 index SPX(=スタンダード・アンド・プアーズ総合500種株価指数), -0.56%は、2020年、現在までに4.5%下落している。(MarketWatch: June 19, 2020 at 2:22 p.m. ET)

Astoriaという船、船員の福祉の懸念から抑留(英国・インド)

クルーズ船が、船員の福祉に対する「serious concerns(=深刻な懸念)」から、Maritime and Coastguard Agency(=海事・沿岸警備庁)により抑留されている。

Astoriaは、「preventative measure(=予防措置)」と全面検査を実施することから、Tilbury Docks(=チルベリー埠頭)に抑留されている。同一会社であるGlobal Cruise Lines Ltdのこのエセックス州の港の他の4隻の船とブリストルの1隻も、検査を受けている。

海事・沿岸警備庁は、「duty of care to investigate a number of serious concerns(=多くの深刻な懸念を検査する注意義務)」があると話した。

これらの船を運航するCruise and Maritime Voyages (CMV)の広報担当者(注、男性)は、検査には「cooperating fully(=全面協力)」していると話した。「乗客と船員全員の健康と安全、福祉は、CMVの最優先事項でございます。」と話した。

All India Seafarers Union(=全インド海員組合)は、火曜日、船上で「164 crew members stranded(=立ち往生している164人の船員)」の援助を求める手紙をインド政府に書いた。コロナウイルスの規制のために、インド市民は90日間「stuck in foreign waters(=外国水域で立ち往生)」していると同組合は話した。

書簡において、船員の中にはハンガー・ストライキを行った者もおり、「returned home to their families(=家族の元に帰国すること)」を求めて「staged a peaceful protest(=平和的な抗議を行った)」と述べていた。

CMVの広報担当者は、船員がコロナウイルスの旅行規制のため「became stranded on cruise ships(=クルーズ船で立ち往生している)」ことから、同社は「faced an unprecedented emerging humanitarian issue(=前例のない、新たに出現した人権問題に直面している)」と話した。

同社のchief executive(=最高責任者)のChristian Verhounigは、船員を無事に帰還させることを「help facilitate(=容易にすべく)」インド政府と「high level talks(=高官との話し合い)」と行っていると話した。(後略)(BBC News: 19 June 2020)

Queen Victoriaという船、ボーンマス沖でAuroraとArcadiaに加わる(英国・米国)

Queen Victoriaというクルーズ船がプール湾に到着した。1,000フィート程の船が、AuroraやArcadiaと並んでいる。

Queen Victoriaは、Cunardにより運航されているもので、2,061人の客と981人の船員を乗せる大きさがある。サウサンプトンに十分な余裕がないことから、これら3隻は、全てボーンマス沿岸沖で投錨している。クルーズ産業は、コロナウイルスのパンデミックの期間中、痛手を受けてきている。

先週、AuroraとArcadiaを運航しているP&O Cruisesは、次のように話した。「弊社母港のサウサンプトンは、残念ながら現在の状態では、弊社船の全てが利用できる停泊地がないのです。」「現在、ボーンマス沿岸沖に投錨している弊社船のArcadiaとAuroraを最終的に停泊・係留するための作業を、他の英国の港や当局としているところです。」

一方、P&O CruisesとCunardの双方を有し、アメリカ合衆国に本拠を置くCarnival Corporationは、3か月間で44億ドルの損失を被ったと報じられている。収益は、2019年の同じ3月~5月期の48億ドルから7億ドルに急落したと言われている。世界的な健康危機のため、予約が干上がったのだ。

P&OとCunardは、少なくとも秋まで運航を休止すると発表した。しかしCarnivalは、何某かの事業は、夏の終わりには再開することを希望している。同グループは、「seeks to adjust to an uncertain future(=不確実な将来に適応すべく)」新たに5億ドルから10億ドルの費用が掛かるものと考えられている6隻のクルーズ船を売却する計画だと報じられている。

以前報じられたように、Carnivalは、余剰人員や長期有給休暇の大波を計画している。どれだけ多くの雇用が失われたのかは明らかになっていないが、同社president(=社長)のJosh Weinsteinは、「large number(=多数)」であることを明らかにしている。ある筋は、450人の雇用が危機に晒されていると話した。

この間引きを生き残ることができた職員は、11月まで、賃金と労働時間の20パーセントが削減されることになる。(Daily Echo: 20th June)

Wartsila、2隻の無公害電池駆動フェリーの設計と装備へ(フィンランド・ノルウェー)

技術グループのWartsilaは、2隻の無公害電池駆動フェリーの設計と装備の契約を獲得した。この船はノルウェーの運航事業者であるBoreal Sjo向けにオランダのHolland Shipyardsで建造されることになる。設計と装備品のためのWartsilaへの注文は、2020年4月になされた。

Wartsilaの船舶設計は、この2隻の両頭通勤フェリーの運航と航路事情に合わせたものとなる。設計構想には、エネルギー消費の最適化が含まれている。

設計に加え、Wartsilaが、スラスター・モーター、電池、そして船上と陸上の電池充電設備、予備発電機、そして様々な電気システムを、それぞれのフェリーに供給することになる。この装備品は、2021年の初めに同造船所に引き渡される予定で、船は、2021年秋に商業運航を開始する見込みだ。(中略)

単独の供給者からの装備品契約を締結することは、船の運航中、顧客に利益を与えるものでもある。というのは、保守、予備部品、装備品の支援が、単一の窓口となるので、多くの異なる会社と取引するよりは便利だからだ。

2隻のフェリーの設計は、同一のものではない。一方は、乗用車10台と約100人の旅客を積載可能な30mの船で、他方は、乗用車35台と船員を含めて149人の旅客を乗せる50mの船だ。

フェリーは、ノルウェーのLaunes―Kvellandstrand―Launes航路と、Abelnes―Andabeloy―Abelnes航路に就航する。(Green Car Congress: 20 June 2020)

Royal Caribbeanの合弁事業、Pullmanturクルーズ客船会社が会社更生申請(スペイン・米国)

Royal Caribbean Cruises Ltd.により一部所有されているスペインのクルーズ客船会社のPullmantur Crucerosが、会社更生を申請した。

マイアミに本拠を置くRoyal Caribbeanは、Cruises Investment Holdingsとの合弁事業で、マドリッドに本拠を置くPullmanturの49%を保有している。このクルーズ客船会社は、Horizon、Monarch、Sovereignの3隻の船から構成されており、スペインと南米の顧客に特化している。同社は、4隻目のZenithを2020年1月に処分している。

「当社が2019年に経営立て直しを達成し、献身的な従業員の莫大な関与と最高の努力という多大なる進展にも関わらず、パンデミックによる逆風はPullmanturが会社更生なしで打ち勝つには余りにも強すぎました。」とPullmanturの取締役会は、声明文の中で述べた。

これに先立って、Pullmanturは、COVID-19のパンデミックのため、2020年11月までのクルーズを中止していた。将来の日時のクルーズを予約している顧客は、他のRoyal Caribbean Cruisesの客船会社の再予約を行うことが可能だ。

Royal Caribbean Cruisesは、2020年第1四半期に14億ドルの損失、つまり1株当たり6.91ドルの損失を計上し、昨年同時期の2億4970万ドル、1株当たり1.19ドルの利益から急落している。同社は月曜日に、合弁事業のPullmanturに関連する全資産には、2020年第1四半期に報告した、現金以外の資産価値の減損費用が含まれていると話した。

財務報告書によると、Royal Caribbeanは、Royal Caribbean Internationalの船舶の1隻であるGrandeur of the Seasを、2021年第2四半期に、Pullmanturに移籍させる予定だった。(Miami Herald: June 22, 2020 10:19 AM)

運輸:NorthLinkのフェリー、通常ダイヤに戻る(英国)

NORTHLINKの旅客フェリーは、今晩(月曜日)から通常ダイヤでの運航に復帰する。

フェリーでの旅行が、家族を訪ねることにも解禁されることになった。フェリーは、必須の旅行だけに予約が制限されていたロックダウン(=封鎖)中、週に片道3便の制限された時間割に減便になっていた。

今や旅行は、必須の旅行、鍵となる労働者、そして家族訪問に制限されており、NorthLinkでは「all travellers consider whether they are adhering to the spirit of government guidelines(=全旅行者が、政府指針の精神を忠実に守っているのかどうかを検討するよう)」要請している。(後略)(Shetland News: 22 June 2020 09:49)

探検クルーズ船、報道によるとたったの600,000ドルで競落(キュラソー島)

RCGS Resoluteが、月曜日にキュラソー島であった競売で、この競売結果に詳しい筋によると、僅か600,000ドルで売れたという。

これは、ちょうど数年前とは著しい違いだ。強固な耐氷級船体と184人までの客を乗せることのできるこの元Hapag-Lloyd Cruisesの探検船を傭船しようと、複数の運航事業者が並んでいたものだからだ。本船の簿価は以前、この元Hanseaticは、2500万ドル台だと言われていた。

競売人を代理する広報担当者は、Cruise Industry Newsに対し、本船は確かに売却されたことは確認したが、競落価格や競落人に関しては説明しなかった。この競売が本船の債務を清算するための手段として利用され、競落人が本船の既存の船主である可能性もある。

本船にとっては、2019―2020年は変化に富んだシーズンで、まずOne Ocean Expeditionsの倒産に引き続いてブエノス・アイレスで抑留された。本船がヨーロッパへ戻るための航海では、ベネズエラの海軍艦船と衝突した。この海軍艦船は沈没し、Resoluteは損傷してキュラソー島に向かい、それ以来、そこに留まっていた。

ベネズエラ当局が、本船をキュラソー島から出発させることになるのかどうかは不透明。(Cruise Industry News: June 23, 2020)

S&P、Carnival Cruiseの格付けをジャンク等級に格下げ(米国)

クルーズ船運航事業者のCarnival Corp. (NYSE:CCL) (NYSE:CUK) は、COVID-19による影響で大打撃を受けている。Reuters(=ロイター通信)の報道によると、今や、そうした影響のために、格付け機関のStandard & Poor's (S&P)が、Carnivalの信用格付けをジャンクに引き下げ、別の衝撃を与えることになったという。

S&Pは、クルーズ運航事業者の担保付社債に関し、ここの格付けを、BBB-からBB+に引き下げた。BBB-より下の水準はどれも、投資等級よりも下と考えられており、「junk bond(=ジャンク債、注、高利回り高リスクの債券)」としても知られている。この報道によると、格付け機関のMoody's (NYSE:MCO)は、これより前の先月、Carnivalをジャンクに格下げにしていたという。

これは、この3か月余りの間で、S&PがCarnivalに関する格付けを引き下げた2回目のこととなる。2020年4月1日、S&Pは「expectation that the cruise ship operator will likely generate minimal, if any, EBITDA in 2020 as a result of sailing suspensions due to the coronavirus outbreak(=このクルーズ船運航事業者は、最小限しか稼げないことになりそうだと見込まれる。仮に何かがあったとしても、2020年のEBITDA(=金利・税金・償却前利益)は、コロナウイルスのアウトブレイク(=勃発)による運航中止の結果となる)」と述べた。その後、Carnivalは資金調達に成功していたが、べらぼうに高い価格でだった。

同社は4月初めに、11.5%の年間利率で3年物優先担保権付き債券を発行し、更に5.75%の支払いの転換社債から17億5000万ドルを確保することで、40億ドルに引き上げていた。

2020年6月22日、Carnivalは、運航中止を2020年9月30日まで延長した。Carnivalは、追加のキャッシュ・フロー(注、現金の流出入)の欠缺と戦わなければならないばかりではなく、顧客には、将来の旅行用のインセンティブ(注、割増金)を提供することになっている。進んで再予約をする乗客には、将来のクルーズ・クレジットと船上消費クレジットを、600ドルまで提供している。(The Motley Fool: Jun 24, 2020 at 3:09PM)

なぜCarnival、Royal Caribbean、そしてNorwegian Cruise Line株が、今日、下落したのか(米国)

何が起きたのか

COVID-19の症例が急増し、諸州の再開計画が中止となり、更には逆行することさえなったため、金曜日、クルーズ船株は下落した。

取引終了までに、Norwegian Cruise Line Holdings (NASDAQ:NCLH)とRoyal Caribbean (NYSE:RCL)の株式は、ぞれぞれ5%、4.5%下落し、一方、Carnivalの2つの株式であるCarnival Plc (NYSE:CUK) (注、NY上場分)とCarnival Corp (NYSE:CCL)(注、ロンドン上場分)は、6.4%と1.4%下落した。

だから、どうなんだ

合衆国は、ぞっとするコロナウイルス症例の新記録が続いている。フロリダ州やアリゾナ州のような被害の大きな州は、再開計画を遅らせることを余儀なくされる一方、テキサス州はこれまでに、酒場やその他のアルコールを提供する施設を閉鎖している。

一方、分析者は、コロナウイルス感染の第2波が秋に襲う可能性があることを警告しており、正にその頃に、大手クルーズ船運航事業者は運航再開を希望している。分析者が正しければ、保健当局は、航海禁止命令を再び延長することを余儀なくされるのかもしれない。

今や、どうなる

Carnival、Royal Caribbean、そしてNorwegian Cruise Line Holdingsは、自社船を港で数か月間、立ち往生させ、何百万ドルも溶かしており、既に弱い立場にある。そう、浮かばせるために借金を集め、相当額の資本を調達している。しかし利払いが、借金を返済できるようになるまで収益性にのしかかることになる。

更にクルーズ客船会社は、航海に出る権限が得られるや、ソーシャル・ディスタンシング(注、社会距離戦略)指令を遵守するため、完全収容力よりも少なくして運航することを余儀なくされることになる。乗客を保護するため、清掃や、その他の安全対策にも、更なる支出が必要となる。

恐らく最も懸念されることは、クルーズが許されたとしても、十分な人々が、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)が起きがちなクルーズ船に乗船したがることになることが確信できないということだ。

以上の理由から、Carnival、Royal Caribbean、そしてNorwegian Cruise Line Holdingsは、危険度の高い投資であると見なされることとなる。そして、その株式の金曜日の下落は、これから数週間、数か月と続く、更なる下落の動きの一部分に過ぎないことになる可能性がある。(後略)(The Motley Fool: Jun 26, 2020 at 6:00PM)

もう1隻のクルーズ船がイーストポートに接岸、当局が話す(米国)

メーン州イーストポート発。コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)によって脇に追いやられているもう1隻のクルーズ船が、イーストポートに接岸する。

Eastport City Councilors(=イーストポート市議会)は、4対1の投票で、Norwegian Sunが防波堤に係留することを許可した。これは、クルーズ船のOceania Riveriaがそこに接岸して、ちょうど10日目のことだ。

Eastport Port Authority(=イーストポート港湾局)によると、Norwegian Sunは、7月6日にもイーストポートにやって来るという。

Norwegian Cruise Linesは、両船を保有している。このクルーズ客船会社が、この船の接岸でどれだけ金を支払うのかは、未だに不明。

当局は、約1か月間かそこら、そこにいる可能性があると話している。(WABI: Posted: Fri 10:33 PM, Jun 26, 2020)

フェリーのThe Cat、2020年はバー・ハーバーを訪問せず(米国・カナダ)

季節運航フェリーの高速双胴船のThe Catは、金曜日にメーン州とノバ・スコシア州の間で運航開始することになっていたが、Bay Ferries Ltdによると、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、2020年は走らないという。

同社のchairman and chief executive officer(=会長兼最高経営責任者)のMark MacDonaldは、この決定に対し、遺憾の意を表明した。(中略)

住民は、350万ドルで購入する投票を2018年6月に行った。町では、2019年1月に購入を完了して、ざっと資産の半分を占めるBay Ferriesのメーン州での沿岸運航を経営することになるAtlantic Fleet Servicesとの間で、5年間の賃貸契約に署名した。この賃貸契約は、5年間の賃貸期間中、総額100万ドルを最低支払うことを保証するもので、これより高い支払いは、このフェリーが輸送する乗客や車両の数によることとされていた。

運航するカナダの会社は、ノバ・スコシア州政府により助成されており、Bay Ferriesは、バー・ハーバーを去ってから11年近く経って、今年、この町に戻って来ることになっていた。2016年から2018年まで、ポートランドとノバ・スコシア州間で、The Catを運航していた。Bay Ferriesは、ポートランドのOcean Gatewayで更に1年間、本船を賃借する選択権を有していたが、この選択権を行使しない決定を行った。同社のポートランドでの賃借権は、2018年12月末に失効していた。(Bangor Daily News: June 26, 2020)

主要クルーズ船、COVID-19危機の最中に解体予定(イタリア・米国)

僅か約24年しか運航しなかった主要クルーズ船が、解体が予定されている。COVID-19のパンデミックの業界変化の影響の兆候だ。

先週、クルーズ巨人のCarnival Corporationは、費用削減の方法の1つとして、6隻の船を処分する仮契約を発表した。同社が、これらの船をまだ名指ししていない一方で、イタリアの主要都市であるピオンビノが、この問題に光を投げかけた(注、手掛かりを与えた)。

今週これまでに、Francesco Ferrariは、Facebook(=フェイスブック)で、Carnival所有船のCosta Victoriaが、解体準備のためにピオンビノに到着したと発表した。

「今朝、私はこの海のコロッサス(注、「巨像」の意)(Costa Victoria)と船長のGianfranco La Fauciを、この都市に出迎えに行き、それから同船は解体準備の手続きに着手しました。」とイタリア語で書いた。「ピオンビノ港とその産業は、当市の経済を発展させ、再開させる巨大な可能性を有しており、この船の到着は、もう1つの重要な確認となるものです。」と付け加えていた。

今月これまでに、旅行ニュース・サイトのThe Points Guyとのインタビューにおいて、Carnival Corporation CEO(=最高経営責任者)のArnold Donaldは、同社船の何がしかの将来を、言外にほのめかしていた。「これまでに、第2あるいは第3の市場に単に向かうのとは正反対に、実際に解体されることになる船を見ることになることが、ほぼ確実だと申し上げたい。」と語ったのだった。

Costa Victoriaは乗客2,394人乗りで、パノラマの(注、全景の見える)Concorde Plaza、屋内プール、超現代的なPompei Spa、そして7層のPlanetarium Atriumを呼び物とする船だ。1996年に竣工したCosta Victoriaは、なおも若い船であると考えられている。「旅客船の設計寿命は、通常は30年だ。」と造船技師で船舶専門家のAtle Ellefsenは、旅行ガイドのFrommer’sに解説していた。しかし適切な手当てや保守により、もっと長く存続できるものもある。

Costa Victoriaが解体されることになるという事実は、COVID-19を原因とする金融危機が、どれだけクルーズ船産業に大きな影響を与えているかを示すものとなる。またこの数か月間、海上で非常に厄介なことになっていたことを終わらせることにもなる。

今年これまでに、この船はイタリアのクルーズ客船会社のCosta Grociereにより運航されてきたが、63歳の女性客がコロナウイルスの検査で陽性だった時、ちょうどドバイを出発したところだった。この女性がギリシャで船から降ろされた後、726人の乗客は、船室内でロックダウン(=封鎖)されなければならなかった。

もう1人の乗客である69歳の女性は、オーストラリアの自宅に到着してから、コロナウイルスで死亡した。

市長は「will be allowed in my town(=私の町で許されることになる)」同船の乗客はいないと言っていたにも拘らず、乗客は、3月25日にローマに近いチビタベッキアに同船が接岸した約4週間後に、下船することが許された、と当時、Agence France-Presse(=フランス通信)は報じていた。(New York Daily News: Jun 27, 2020 at 5:38 PM)

マルセイユ、イタリアのフェリー火災(フランス・イタリア)

フランスのマルセイユで旅客ro-roフェリーのFANTASTICから、現地時間6月28日の0時30分頃、客室あるいは喫水線上の客室から出火し、大量の煙が出た。

本船は修理中だったと理解されており、恐らくは乾船渠に入渠していた。35人の技師と105人の消防士が火災に対処し、現地時間の5時までに鎮火した。怪我人は報告されていない。損害の程度は、今のところ不明。

旅客ro-ro貨物船 FANTASTIC、IMO番号 9100267、総トン数 35222、1996年建造、船籍 イタリア、運航事業者 GRANDI NAVI VELOCI SPA。(Maritime Bulletin: June 28, 2020 2:40 pm)

Dream Cruises、コロナウイルスの最中の7月に運航再開する「世界初のクルーズ客船会社」になる(中国・台湾)

アジアのクルーズ客船会社のDream Cruisesは月曜日、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)の最中、そのクルーズ運航の何がしかを7月に再開すると発表した。

親会社のGenting Cruise Linesのプレス・リリースによると、再開は2泊と3泊の「Taiwan Island-Hopping(=台湾島巡り)」で、7月26日からDream CruisesのExplorer Dreamで行く旅程だという。

「お客様と船員の安全と健康を確保すべく、当局と数か月にわたる綿密な計画を行い、弊社では、台湾でのExplorer Dreamのクルーズ運航再開の承認を得ました。」とGenting Hong Kongのchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)のTan Sri KT Limは、声明文の中で語った。

Dream Cruisesが「the first cruise line in the world to begin sailing after the global cruise industry was shut down due to the pandemic(=世界のクルーズ産業がパンデミックによって休業した後で、航海を開始する世界初のクルーズ客船会社))」であると付け加えた。

このリリースでは、台湾を、運航再開の「ideal destination(=理想的な目的地)」であるとし、この島との同社の25年間の歴史や、旅行者の中でのこの島の人気を引き合いに出していた。

2月、別の同社船であるWorld Dreamが、同船に乗船していたコロナウイルスの検査で陽性だった3人の台湾への入国が拒否されていた。3,700人近くが検査のために船内に留め置かれ、最終的には香港に戻ることを余儀なくされた。

このリリースでは、この島のCOVID-19症例の数が少ないことや、パンデミックに対する効果的な対応が「lauded by experts(=専門家らによって賞賛されている)」ことも述べられていた。このリリースは、Explorer Dreamでは徹底した清掃がなされており、船員らは「strict quarantine procedures(=厳格な隔離手続)」を遵守しているとしている。(後略)(USA TODAY: June 29, 2020)

COVID-19時代初の新大型クルーズ船が起工(フランス・スイス)

この式典は、世界的なパンデミック(注、国境を越えた大流行)の到来と、クルーズ運航の中止以来、初の大型クルーズ船の工事開始を記念するものともなった。この式典のニュースは、大半の新しいクルーズ船の工事が遅延し、クルーズ客船会社が、引き渡しや将来の注文に関して予定の変更か先送りを求めている中で到来したものだ。

Meyer Werftは最近、Carnival CorporationとそのP&O Cruisesというブランド(=商標)が、Ionaの引き渡しを遅らせ続けていると報告した。この船は、ドイツのパーペンブルクで建造され、今や竣工している。Ionaは詳細不明の引き渡し日まで、ロッテルダムで入渠し、最終検査を受けていたが、最近になって、ブレマーハーフェンに送り返された。

MSCは、2017年5月にmemorandum of understanding(=覚書)に署名し、2隻の追加船の選択権付きで、2隻の200,000総トンのLNG駆動の特大クルーズ船の注文を固めていた。この4隻は、MSC CruisesのWorld Classとなることになっていた。これらの船の1番船の鋼板切断は2019年10月末に始まり、2022年5月引き渡し予定になっていた。姉妹船は、2024年、2025年、2027年に引き渡される予定だった。(中略)

MSC Cruisesは現在、2020年8月まで、世界中でクルーズ運航を中止している。(The Maritime Executive: 06-29-2020 09:24:04)

バングラデシュのフェリー衝突:船は転覆、少なくとも32人死亡(バングラデシュ)

バングラデシュの首都ダッカ近郊でフェリーが転覆し、少なくとも32人が死亡し、更に多くが行方不明になっている。

救助当局は、Morning Birdという船が、ブリゴンガ川の同国の最大の河港であるショドルガット付近で、他の船と衝突して転覆した、と話した。地元メディアは、このフェリーは、同国中部にある村から来たもので、約50人の乗客が乗船していたと話した。

フェリー事故は、過積載のため、バングラデシュでは頻繁に発生している。また同国の多くの造船所では貧弱な安全基準であり、フェリーはしばしば悪天候の中で沈没している。

目撃者は地元テレビ局に対し、多くの乗客が衝突後、このフェリーの船室内に閉じ込められたと話した。現場からの映像には、白い袋に入れられた大量の遺体が、この難破船から回収されている様子が写っていた。

報道では、このフェリーは、同国の南部に向かう何百隻もの船が利用しているダッカの主要河港であるショドルガットに係留しようとしている中で、沈没した言っている。

消防隊の潜水夫の1人であるAbul KhairはAFP通信に対し、救助隊は少なくとも30体の遺体を回収し、その中には7人の子供が含まれていたと話した。他に20人の乗客が、未だに行方不明になっているものと考えられている。(BBC News: 29 June 2020)

Tradewind Voyagesが世界最大の横帆式帆船を進水(英国)

クルーズ業界にとって何がしかの朗報だ。新しいクルーズ客船会社のTradewind Voyagesが、初めて市場に投入するクルーズ船、Golden Horizonの進水を発表した。

しかし、これはどこかの老朽クルーズ船ではない。Golden Horizonは、世界最大のsquare-rigged sailing ship(=横帆式帆船)となることになっており、2021年5月から、イギリス諸島(注、英国本土)から航海に出ることになる。

大きな白く膨らんだ帆と、懐古に満ちた外装を塗装された本船は、連合王国(注、英国)の周りで合計9本の異なる航海を行い、272人までの乗客を乗せることになる。

2本の航海はハリッジ発で、2本はグラスゴー発。旅程は、デンマーク、アイスランド、ノルウェーのフィヨルド、そしてバルト海を呼び物としている。

愛国者やイギリス諸島の愛好家にとって魅力的な本船は、ブリテン島周遊航海も行い、名高いレガッタの花火を見せるため、ワイト島のカウズ沖で投錨する。船内では、乗客は2階建ての食堂、3つの酒場、3つのプール、そしてスパさえも利用することが可能だ。

航海は、2021年9月には些か大胆不敵なものとなって、Golden Horizonはスエズ運河を通過して東に行き、Maritime Silk Route(=海のシルク・ロード)をジャカルタに向かい、それから絵のようなバリ島に進路を取ることになる。

その年の後半と2022年にかけての別の航海では、オーストラリア、インド洋、日本、アラスカ、そして南北アメリカと太平洋諸島での航海が含まれている。

「チームは、この素晴らしい船を運航する機会に大いに胸を躍らせているところです。」とTradewind Voyages CEO(=最高経営責任者)のStuart McQuakerは語った。(後略)(World of Cruising: 30 June 2020)