2020年7月

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2020年7月の海外旅客船情報

Carnival UK、職員の3分の1を解雇(英国)

Carnival UKは、大幅な雇用削減を発表した。

「Covid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)は、弊社のお客様の休暇に影響を与えただけではなく、弊社事業のあらゆる側面にも影響を与えております。弊社の将来の展開、お客様の体験、弊社のサプライ・チェーン、そして船上及び陸上の弊社の人々に、であります。」とPresident(=社長)のSimon Palethorpeは、予め準備した声明文の中で述べた。

「この影響のため、弊社では、将来に向けて弊社事業を守り、維持することを可能にすることを確実にするための、なにがしかの、間違いなく厳しい決断を取らざるを得ないことになりました。団体協議の期間を経て、弊社陸上職員の3分の1近くは、6月30日をもって、大変に悲しいことに、弊社事業から離れることになり、更に相当の割合が、サバティカル(注、長期有給休暇)を取ることになりました。」とPalethorpeは述べた。

「非常に多くの、才能ある献身的な同僚に影響を与えることになったこの行動を取らざるを得なくなったことで、弊社は打ちのめされております。」

「全員にとって、大変に困難で、不安な時であることを理解しておりますが、明確かつ公正な協議手続きに弊社は従っており、新しい働き方に向けて、全ての個人への提案を検討いたしました。」

「現時点においては、弊社の運航が一時休止となっていることから、弊社船を運航に復帰させるための総合再開計画を進展させるべく、全員が健康に乗船し、弊社のお客様に素晴らしい休日を提供することになる、強化され承認された手順により、弊社は全力を挙げているところであります。」(Cruise Industry News: July 01, 2020)

フェリー会社のDFDS、650人のCovid関連失業を発表するも、ドーバーの影響は確認できず(英国・デンマーク)

フェリー組合のRMT(=全英鉄道海事交運労組)は、ドーバー発着のデンマークのフェリー運航事業者のDFDSによる余剰人員の削減を、「another kick in the teeth for port communities(=港湾共同体に対するもう1つの酷い仕打ち)」だと見なしている。

650人の雇用が無くなるというニュースに対し、RMT senior assistant general secretary(=総書記上席補佐)のMick Lynchは、次のように話した。「DFDSは、Critical Freight Grant(=緊急貨物助成金)と解雇資金を納税者から受け取っていますが、英国のフェリー収容力の縮小を試みており、組合員にとっては残酷な話になっているのです。」

DFDSは、ヨーロッパの20か所を含む全運航において減便中だ。昨日の発表は、この再編は「commercial focus of freight strengthened by change of business structure(=経営構造の変化により強化された貨物への商業的集中)」と「passenger concepts and operations will be adapted to new market conditions(=乗客の概念と運営は、新たな市場状況に合わせたものとなる)」ために取られるものだと述べていた。3040万ポンドの節約が、この対策からは見込まれている。

同社は、グループ全体で8,600人以上を雇用しており、英国のドーバー、ニューカッスル、ニューヘブン、イミンガムで、2,200人を雇用している。同社には、ドーバー港でどれだけ多くの雇用が失われることになるのか、論評と概要を提供するよう求めている。

DFDSの広報担当者(注、女性)は、次のように話した。「局地的に影響があるのかどうかについては、まだニュースはありません。」

DFDSのCEO(=最高経営責任者)のTorben Carlsenは、次のように話した。「3月中旬にCovid-19のアウトブレイク(=勃発)があって、運航を適正化するための初期行動が取られて以来、より長期的な視野を持った計画が、今後数か月間に実行するために進められているところです。」「Covid-19に対する弊社の初期対応は、成功してきました。今や、長期的な成長と効率性を回復するため、更なる段階に進んでおります。同時に、弊社では発生するかもしれない新たな機会を監視し続けているところです。」

これは、P&O Ferriesが1,100人を余剰人員として解雇することを計画し、ドーバーで614人の雇用が失われることになる中で出てきたものだ。

Lynch氏は付け加えた。「出来るだけ早期に安全に旅行規制が解除されることになるに違いないですが、政府が責任をもって英国の将来の格付けを守るか、あるいは沿岸の町や都市が、Covid-19による経済低迷の衝撃に耐えるのを見るに違いありません。」(KentOnline: 10:13, 01 July 2020)

Royal Caribbean、38,000人の船員を本国送還(米国)

Royal Caribbean Internationalは、合計約40,000人になる船員の約95パーセントを本国に送還した、とsenior vice president, sales, trade support and service(=営業・取引支援・業務・上席部長)のVicki Freedは話した。

Freedは、同社では、船員を保有船、あるいはチャーター機経由で、帰国させたと話した。できれば7月15日までに、同社では、船員の97パーセントを帰国させる見込みだ。

「後に残す船員はいません。」とFreedは、旅行代理店とのwebinar(=ウェビナー、注、ネットを使ったセミナー)において話した。これにより、26隻の船に乗船していた約1,200人の船員が、Royal Caribbeanを去ることになる。1隻当たり、平均46人の船員ということになる。

現代のクルーズ船のcold lay-up(注、船員を乗せない状態での係船)の筋書きでは、必要な装備品を維持し動かすために、ざっと40人の船員を乗船させておく必要がある。(Cruise Industry News: July 02, 2020)

Celestyal、2020年末までのクルーズ休止を発表(ギリシャ)

ヨーロッパが、現在進行中のCOVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、アメリカ人観光客を認めることに乗り気ではないことから、地中海のクルーズ市場を含むヨーロッパの観光市場にとって、深刻な影響が生じている。ギリシャのクルーズ運航事業者であるCelestyal Cruisesは、火曜日、旅行に関する制限が継続していることを引き合いに出して、今年はクルーズには復帰しないと発表した。

「弊社では、今年の夏の終わりには、クルーズの再開をすることができるようになると楽観視しておりました。」Celestyal chief commercial officer(=最高商務責任者)のLeslie Pedenは、声明文の中で語った。

「しかしながら、弊社最大の国際ソース市場からの運航シーズンの残余全体に、旅行制限に関して不確実性が広がっていることから、EUのクルーズ運航に適用されることになる強化された健康手続きに関し、European Union(=ヨーロッパ連合)水準での議論を続けていることと相まって、弊社では、予定されていた来年の通常の春シーズンの開始まで、クルーズ運航の再開を延期するという、困難ではあるものの、慎重な決定を行いました。」

3月13日、Celestyalは、5月1日までのクルーズの全運航を中止すると発表して、世界的なクルーズ中止に加わっていた。4月10日、この病気の拡大が続いていることを引き合いに出して、6月29日まで中止を延長していた。(後略)(The Maritime Executive: 07-02-2020 02:15:00)

Stena Line、Harland and Wolffに250万ポンドの修理作業を依頼(英国・スウェーデン)

STENA Lineは、Harland and Wolffに250万ポンドの修理作業を依頼した。このフェリー運航事業者は、6隻の船が、修理から刷新の範囲で、この夏中、ベルファストの造船所の乾船渠に入渠することになると話した。

ロンドンに本拠を置くエネルギー会社のInfrastrataは、2019年暮れに600万ポンドの取引で、Harland and Wolffを買収していた。

ロスレア―フィッシュガード便を運航しているStena Europeが現在、ベルファストで入渠中で、9月末には、Superfast VIII(ベルファスト―ケアンライアン便)の最終作業が終わることになる。このスウェーデンのグループは、2020年は、Harland and Wolff造船所を利用する自社船40周年を記念することになると話した。Stena Lineは最近、2隻の新しい中国建造船をアイリッシュ海に送り出しており、2021年の初めまでに3番船が後に続くことになっている。

Stena Lineのtrade director(=通商主任)のPaul Grantは、次のように話した。「弊社事業に対するコロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)の劇的な影響にも拘らず、定期的な船舶刷新と保守作業は、弊社船の管理運営においては、大変に重要な要素です。」「彼らは、弊社が優れた信頼性記録を維持し、弊社のアイリッシュ海の船隊がフェリー部門の最前線を維持することを支援してくれています。」

Harland and Wolffのmanaging director(=代表取締役)のJohn Petticrewは、次のように話した。「InfraStrataがHarland amd Wolff造船所を買収して以来、当造船所で4隻の船を見ることになった反復仕事を通じて示したように、Stena Lineとの間で強固な仕事上の関係を築いてきました。」

この造船会社は最近、Ministry of Defence(=国防省)の仕事を含むより大きな契約に入札すべく、スペインの造船所であるNavantiaとの提携を強化している。(The Irish News: 02 July, 2020 01:00)

社歴49年のBirka Cruisesが廃業して500人以上が失業、Tallink Siljaも何百人も削減(スウェーデン)

海運会社のEckeroは、子会社のBirka Cruisesを廃業する。半世紀近くに亘って、スウェーデンのストックホルムと、同社が本拠地とする自治領のオーランド諸島のマリエハムンの間で航海してきた。

500人以上が、余剰となる。Alands Radio(=オーランド・ラジオ)によると、約半数がフィンランド人だという。Birka Cruisesは金曜日、顧客は予約の支払いの返金を受けることになると話した。

「予見できる将来の採算性なし」

CEO(=最高経営責任者)のBjorn Blomqvistは、Alands Radioに、予見できる将来において、この客船会社を利益を出して経営する方法はないと語った。

Birkaは、49年間に亘ってマリエハムン―ストックホルム航路を定期運航してきたもので、2007年以来、Eckeroに保有されている。

余剰人員解雇の協議が、509人の従業員との間で始まり、うち466人が、その唯一の船であるBirka Stockholmで働いている。この船は、未だに多くの命が犠牲になっているフィンランドとスウェーデンで、Covid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)が始まった3月以来、港に留まっている。同社はこのパンデミックを、この決定の主要理由として引き合いに出している。

Silja、船員を追い出す

一方、競合する海運会社のSilja Lineも、金曜日に雇用削減を発表した。エストニア人の保有する会社であるTallinkのスウェーデンの子会社で、Tallink Silja Sverigeとして知られるこの会社は、299人の従業員を解雇する。うち69人が、フィンランド人だ。

解雇されることになった者の大半は、旅客フェリーのSilja GalaxyとSilja Symphonyに乗務していた者で、この船は、フィンランドとスウェーデンの間を航海してきた。(Yle: 3.7.2020 16:33 updated 3.7.2020 16:37)

Costa、8月までクルーズ中止(イタリア・米国)

Costaは、声明文によると、2020年8月15日まで全てのクルーズを更に中止し、2020年夏シーズンの残りの北欧クルーズの全ての中止を発表した。

「この決定は、クルーズ船に対して徐々に進んでいる港湾再開の不確実性と、世界的なCOIVD-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)のために、人々の移動に対する制限がなおも続くかもしれないことと関連しております。加えて当社では、Costa Victoriaの将来の全クルーズの中止の連絡を取っているところです。」と同社は話した。

一方Costaは、出来るだけ早くクルーズを再開させるために、健康手続きを策定すべく、全ての関連機関と共同作業をしているところだと話した。(Cruise Industry News: July 03, 2020)

Pullmanturの船隊は解体になりそう(スペイン・米国)

Monarch、Sovereign、そしてHorizonの終焉が迫っているのかもしれない。このPullmanturの船だった3隻は、この件に詳しい筋によると、トルコでの解体に向かうことになる可能性があるという。

Pullmanturは、6月にスペインの破産法の下で、会社更生を申請した。同時にRoyal Caribbean Cruisesは、基本的にこのスペイン商標からこの船を取り戻すことになっており、Cruise Industry Newsには、これらの船はcold lay-up(=注、船員を乗せないままでの係船)のために移動することになると話していた。

この船隊に乗務している船員は、船からは価値のある重要品目が撤去されており、今や、船舶解体事業で知られている海辺の町である、トルコのアリアガで終わりになると話した。Royal Caribbean Cruisesに更なる情報を求めているが、返事はない。

Pullmantur船隊:

Horizon(=ホライズン、注、「水平線」の意)
建造:1990年
収容力:1,828人
注記:Celebrity Horizonとして進水。Island CruisesとCDF傘下でも時を過ごした。

Monarch(=モナク、注、「君主」の意)
建造:1991年
収容力:2,850人
注記:1988年にRoyal Caribbean International向けのMonarch of the Seasとして進水。2013年にPullmanturに移籍。

Sovereign(=ソブリン、注、「君主」の意)
建造:1988年
収容力:2,850人
注記:1988年にRoyal Caribbean International向けのSovereign of the Seaとして進水し、当時、世界最大のクルーズ船となった。2008年にPullmanturに移籍。(Cruise Industry News: July 03, 2020)

China International Cruise Summit(中国)

The 8th China International Cruise Summit(=第8回中国国際クルーズ・サミット)が、中国のQingdao International Convention Center(=青島国際コンベンション・センター)で2020年8月3日に開催される。Covid-19のパンデミック(注、国境を越えた世界的大流行)後のアジア初のクルーズ業界会議であり、政府当局者、業界団体、クルーズ客船会社、国際的なクルーズ都市観光当局、クルーズ港、旅行代理店、クルーズ船設計・製造会社、そしてその他クルーズ業界関連施設が、一堂に会することになる。代表団は、パンデミック後の新しい環境の下でのクルーズ産業の回復を議論し、アジアにおけるクルーズ産業の発展における交流と連携のための枠組みを築くことになる。

China International Cruise Summitは、過去7年間に亘って成功裏に開催されてきたもので、全ての側から来た者が連携し、共に作業すべく、クルーズ産業にとって重要な機会を提供してきた。これは、クルーズ観光の融合と発展に向けた効率的な手段を提供し、国際的クルーズ産業の健全かつ持続可能な発展を推進するものだ。(Cruise and Ferry:03 July 2020)

クルーズ船のシェフ、今や道端の食堂経営(インド)

アラップーザ発。パンデミック(注、国境を越えた大流行)による世界的なロックダウン(=封鎖)は、チェ―サラ近くのカニチュクランガラの2人の若者の気力を挫くことはできなかった。2人は、合衆国とカナダでクルーズ船のシェフとして働いていた。復職するために待っていたが、異常に遅れたことから、2人はこの危機に打ち勝つために何か違ったことをやってみることに決めた。National Highway 66(=国道66号線)のカニチュクランガラ・ジャンクションで、仮設のフード・コート(注、屋台)を開業し、今や活発に商売している。

K B BiboshとSonu Somanは、家計をやりくりすべく、この店を経営している。

Bibosh, son of Babu(=バブーの息子), Kaduthanathu, Kanichukulangaraは、過去6年間、合衆国に本店のあるPrinces Cruiseで、senior chef(=上級調理師)をしていた。年次有給休暇で1月に帰国した。ところが世界的なロックダウンのために飛行機の運航が中止になったままとなり、合衆国に向けて国を離れることができなかった。

「航空便再開の遅延で、私の計画は狂いました。財政問題も起こり始めました。そこで、一時しのぎの軽食堂(thattukada)を始めることに決めたのです。友人のSonuは、カナダでクルーズ船のシェフとして働いていたのですが、同じような問題に直面していました。そこで力を合わせてこの店を経営することに決心して、1週間前に始めました。多くの人々が店に来てくれて、Covid指令に従って、食べ物を提供しています。」とBiboshは話した。(The New Indian Express: 05th July 2020 06:31 AM)

乗客が船外に転落し、救助でフェリーのKaleetanは遅延(米国)

日曜日の朝、66歳の女性がフェリーM/V Kaleetanに乗船中に船外に転落した、とWashington State Ferriesの広報担当者は話した。

このフェリーは、シアトルからブレマートンに向かっていた。当局者は、船員が女性を救助して、フェリーに連れ戻したと話した。フェリーはシアトルに戻り、そこで医療班が待機していた。当局者は、女性がどのように転落したのか、あるいは女性の容体については情報を提供しなかった。

この事故で、このフェリーのブレマートンやシアトルからの出発が、遅延した。(KIRO 7: July 5, 2020 - 9:45 PM)

Costa Cruises、3隻による2021年中国プログラムを開始(中国)

Costa Cruises Asiaの2021年プログラムには、天津、上海、そして中国南部初のCosta Venezia、Costa Serena、Costa Mediterraneaで行く旅程が含まれている。

Costa Serenaは、福岡、長崎、佐世保、鹿児島、北九州、沖縄、その他の日本の港に向かう4泊と5泊のクルーズと共に上海に戻って来る。一方、Costa Veneziaは、天津を初の通年母港化することになる。

Costa Mediterraneaは、中国でお目見えし、同国南部で運航する。

中国市場向けの伝統的な短期旅程の他、Costa Veneziaは、中国の正月(注、旧正月、春節)の期間中に長期クルーズを提供することになる。

「Costa Cruisesは、いつも中国クルーズ市場において自信に満ちていました。今や弊社では、クルーズの再開に向けて、活発に準備しています。環境が許せば、常に弊社がして来たような、安全で快適な、イタリア化したクルーズ休暇をお客様に提供することができることを望んでおります。」とCosta Group Asiaのpresident(=社長)のMario Zanettiは語った。

Costaは、旅行前審査を強化するための詳細な健康対策と、COVID-19に対処するための船上運営に関し、中国当局と共同作業しているところだ。この客船会社も、early bird discounts(=早期割引)と組み合わせた、柔軟な予約方針を導入している。(Seatrade: Jul 06, 2020)

アラスカ州の2020年の最後の残りの大型船クルーズは中止(米国)

Norwegian Cruise Lineは、アラスカ州の2020年のクルーズ船シーズンの最後の残りの大型船航海を中止した。声明書において、9月末までの全てのクルーズと、更にアラスカ州に航海する10月の航海3本も、中止すると述べた。

Carnival Cruise Lineは5月初めに航海を中止しており、Holland America LineやPrincess Cruisesも同様。Royal Caribbeanの一部門であるCelebrity Cruisesは、1か月後にアラスカ航海を中止し、Disneyも、同様に中止した。

「これは事実上、2020年に計画された…大型クルーズ旅客船の全てを中止するものです。」とHolland AmericaとPrincessのhead of government and community relations in Alaska(=政府および共同体アラスカ関係長)のKirby Dayは、月曜日に電子メールで書いてきた。

中止で100万人の観光客が、今年の夏、予定されたようにアラスカ州を訪れることはないと、Dayは見積もった。そうした旅行を失ったことで、アラスカ州経済に大きな影響が及ぶことになる。ジュノーだけで、調査会社のMcDowell Groupの推定を利用してDayは、2億2500万ドルの経済的打撃を受けるものと見積もった。

一握りの小型クルーズ運航事業者が、カナダと合衆国の公衆衛生当局による航海禁止命令の影響を受けずに夏の予定に留まっているが、その航海は不確実だ。

National Geographic cruisesを運航しているLindblad Expeditionsは、8月中旬までの航海を中止している。6月の航海をする意向だと話していたAmerican Cruise Linesは、その後、撤回し、今や6月23日までの航海を中止していた。ジュノーで、そのうちの船の1隻を係船してきたUnCruise Adventuresは、7月25日までの航海を中止している。

「小型船の運航を保留にしても、2020年には、約2,500人のクルーズ客が来る可能性が未だにあり、我々の経済の健康にとっては、利益となるものとなり続けているのです。」とDayはメールに書いてきた。(Anchorage Daily News: Published July 7, 2020)

Carnival Corporation、AntorchaにHolland America Lineを率いらせ、PalombaをCarnival Cruise LineのCOOに指名

2020年7月9日、マイアミ発。Carnival Corporation & plc (NYSE/LSE: CCL;NYSE: CUK)は本日、経営強化と最終的なクルーズ再開に向けた組織を最高に準備すべく、同社の広範な努力の一環として、その国際首脳部の中での2つの重要な動きを発表した。

Carnival Cruise Lineの現chief operations officer(=最高業務責任者)のGus Antorchaは、Holland America Lineのpresident(=社長)に指名され、即時に発効した。Antorchaは、Holland America GroupとCarnival UKのgroup CEO(=グループ最高経営責任者)であるStein Kruseの直属の部下となる。

同社のイタリアに本拠を置くCosta Cruisesの現president(=社長)であるNeil Palombaは、Carnival Cruise Lineのexecutive vice president and chief operations officer(=上席部長兼最高業務責任者)に指名され、即時に発効した。このブランド(=商標)のpresident(=社長)であるChristine Duffyの直属の部下となる。Palombの異動中、Costa Cruisesの首脳部は、Costa GroupとCarnival AsiaのCEOであるMichael Thammの直属の部下となる。(後略)(PRNewswire: Jul 09, 2020, 09:00 ET)

Royal Caribbean、Silversea Cruisesの全所有権取得(米国・モナコ)

Royal Caribbean Groupは、Silversea Cruisesの全所有権を取得した。2年前に、この超豪華客船会社の3分の2の株式を買収していた。

Royal Caribbean Groupは、Royal Caribbean Cruises Ltd,の最近導入された新名称で、Royal Caribbean International、Celebrity Cruises、Azamara、Silversea、その他の客船会社の親会社だ。

Royal Caribbean Groupのchief executive(=最高責任者)のRichard Fainは、次のように話した。「Silverseaは、正に最初から弊社にとって、非常に適したものでした。この2つの組織の文化は、調和の取れたものであることが判明し、お客様は、この提携に好意的な反応を見せております。」

亡くなった父親から会社を引き継いだManfredi Lefebvre d’Ovidioは、Silverseaのchairman(=会長)を務めることになる。Roberto Martinoliは、この商標のpresident and chief executive(=社長兼最高責任者)に留まることになる。

Fainは、次のように付け加えた。「ManfrediとRobertoは、同商標の特有の信奉者についての深い知識の他、弊社に新鮮な視点をもたらしました。2人の手腕と、そしてManfrediの比類なきやり方は、将来に向け、Silverseaが成長していく中で、重要な役割を果たし続けていくことになります。」(中略)

Heritage Cruise Holding Ltdが保有しているSilverseaの残りの持分は、Royal Caribbean Groupの5200万株の普通株の形で支払われた。これは、普通株合計の約2.5%に当たる。(Travel Weekly: Jul 10th 2020, 13:21)

なぜCarnival (CCL) は金曜日に10.8%急騰したのか(米国)

クルーズ運航事業者のCarnival Corp. CCL株は、同社が事業の最新情報を投資家に提供したのを受けて、金曜日の商いで急騰した。CCLは11%近く上昇して、1株当たり16.16ドルで取引を終えた。

Carnivalは、2021年の新たな予約需要を見続けていると繰り返し言っており、予約の蓄積は、歴史的な範囲で残っているという。Carnivalは、2020年の暮れまで1か月当たりざっと6億5000万ドルを燃やす(注、溶かす)ものと未だに予想されている一方、burn rate(=燃焼率、注、資金の回転率)を減少させて、これを乗り切るための十分な現金を増やすため、対策を講じている。

Carnivalは、必要な設備投資を減らすため、船隊内の13隻を更に売却する計画をしているとも話した。同社は、全収容力の約9%を、最終的には売り払いたがっている。

今日のニュースは、Royal Caribbean RCLとNorwegian NCLHといったクルーズ客船会社の株式も急騰させた。

年初来、S&P 500(=スタンダード・アンド・プアーズ総合500種株価指数)が1.4%の下落であったのに対し、CCLは70%近くも落ち込んでいる。(後略)(Zacks: July 11, 2020)

海上タクシー、カーディフからブリストル行きの環境に優しいフェリーを計画(英国)

グリーン・エナジー(注、環境に優しいエネルギー)により駆動する海上タクシーが、カーディフとブリストルの間で、間もなく運航開始になる可能性がある。

プリマスに本拠を置く豪華船会社のPatriot Yachtsは、2隻の水素駆動の旅客フェリーを、この航路で運航すべく開発中だ。この船は、合計100万ポンドの費用が掛かるが、両都市間をBristol Channel(=ブリストル水道)を横断して約100人を輸送できるものとなる。ソーラー・パネル(注、太陽電池パネル)と風力タービンを使用して、自給自足するものとなる。

Patriot Yachts director(=取締役)のConnor Johnsoは、トルコに船を発注した。ここで、この技術を装着し、今年の後半にトルコ海域で試運転が行われることになる。

この船に装着される水素推進技術について、Johnson氏は次のように話した。「水素燃料電池を使うと、純粋で環境に優しい電力が充電できることになります。そういうことです。」(後略)(BBC News: 11 July 2020)

キー・ウェスト、バー・ハーバーが2020年のクルーズを禁止したことから、大型クルーズ船禁止投票へ(米国)

フロリダ州キー・ウェストは、Key West Citizens for Safer Cleaner Ships(注、「より安全で清浄な船に賛成するキー・ウェスト市民」の意)と呼ばれる団体が、この観光業に依拠する州の変化を呼び掛けたのを受け、コロナウイルスを理由にする2021年のクルーズ船下船制限について投票する。

一方、メーン州のバー・ハーバーのtown council(=町議会)は最近、2020年の残りは、クルーズ船を立ち入り禁止にする投票を行った、とNews Center Maine紙は報じた。

クルーズ船に対する地元の抵抗は、航海延期を繰り返しているクルーズ客船会社にとっては、もう1つの障害となっている。

「弊社では、バー・ハーバーの決定には失望しております。」とNews Center Maine紙によると、American Cruise LinesのVice President(=部長)のPaul Taicletは語ったという。「弊社では、メーン州の市民の安全が維持できないと感じたならば、運航するために努力をすることはありません。」

Key West Citizens for Safer Cleaner Shipsは、下船に関する11月のレファレンダム(=住民投票)を首尾よく推し進めた、とCruise Industry Newsは報じた。

この団体は、次のような呼びかけを行っている。

●クルーズ船から下船する乗客を、1日当たり、合計1,500人に制限
●1,300人以上の乗客を収容するクルーズ船の上陸禁止
●最良の環境・健康の記録を有するクルーズ客船会社に、優先権を付与

Miami Herald紙によると、120万人の乗客を乗せた400隻近いクルーズ船が、2019年にキー・ウェストを訪問したという。(FOXBusiness: July 12, 2020)

Holland America Lineの船、4隻売却(米国)

Holland America Lineは、Amsterdam、Maasdam、Rotterdam、そしてVeendamが売却されて、非公表の買い手に移籍されると発表した。

これらの船は、2隻1組で売却されたもので、MaasdamとVeendamは、2020年8月にある会社に移籍し、AmsterdamとRotterdamは、2020年秋に別の会社に移動することになる。

業界筋によると、1つの対の2隻は、新しいクルーズ・ブランド(注、商標)に行くことになるという。(後略)(Cruise Industry News: July 15, 2020)

Holland America、Fred. Olsenに船舶売却;Celestyal、Costaの船を買収(米国・英国・ギリシャ)

「down market(=流行らない、時代遅れとなった)」状況において、大手クルーズ会社が収容力の削減と現金の確保を模索し、小さな客船会社が収容力を急騰させて、「reach(=勢力圏)」の拡大を求めている。クルーズ船は、新所有者の下に向かうことになった。

木曜日遅く、Holland America Lineは、2つの異なる買い手に2隻づつ、4隻の船を売却する契約に署名したと発表した。その1社が、Fred. Olsen Cruisesであり、記者声明において、この売却を確認してもいる。これとは別に、Celestyal Cruisesは、元Costa neoRomanticaを購入したことを発表した。

Holland America、船を4隻売る

Holland America Lineは木曜日、4隻の船であるAmsterdam、Maasdam、Rotterdam、そしてVeendamを、2つの異なる買い手に2隻づつ売却したと発表した。S-ClassのMaasdamとVeendamは、2020年8月に非公表の会社に移籍する。R-ClassのAmsterdamとRotterdamは、2020年秋に別の会社に移動となる、とHolland Americaの声明文にはあった。別の記者発表において、英国に本拠を置くFred. Olsen Cruise Linesが、これら2隻の船を購入したことを明らかにした。

Holland America Lineは、この4隻の船を展開するクルーズを中止する。選択された旅程は、船隊内の別の船が引き継ぐことになる。

Amsterdamで行く2021年「Grand World Voyage(注、「豪華世界航海」の意)」は2022年まで延期になり、今やZaandamに乗船して航海することになった。元々はRotterdam向けに予定されていた2021年10月10日出発の「Grand Africa Voyage(注、「豪華アフリカ航海」の意)」は、同一日程でZaandamにより運航されることになる。

1993年に同船隊に加わった乗客1,258人乗りのMaasdamは、Holland Americaの4隻のS-Class船の2番船だった。Maasdamの名前をいただいた4代目のHolland Americaの船。最近、この55,575トンの船は、より長期の南太平洋とアラスカ航海を行っていた。乗客1,350人乗りのVeendamは、S-Classの最終船で、1996年に引き渡された。この57,092トンの船は、Veendamの名前をいただいた4代目のHolland Americaの船。

R Classの1番船で、61,849トンのRotterdamは、1997年に投入された。1,404人の客を乗せ、Rotterdamと命名された6代目のHolland Americaの船。Amsterdamは、4隻のR-Class船の最終船として、2000年に加わった。1,380人の客を乗せ、Amsterdamと命名された3代目のHolland Americaの船。最近、この62,735トンの船は、この客船会社の「Grand World Voyage」を運航した。(中略)

Fred. Olsen Cruisesは拡大

Fred. Olsen Cruise Linesは、AmsterdamとRotterdamは、BoletteとBorealis(過去において同社が運航していた船の名前に因む)に改名されることになっており、9月にこの客船会社の船隊に加わることになると話した。(中略)

Fred. Olsenの他の4隻の外洋船は、799人から1,325人の客を収容するものだ。Balmoral、Braemar、Boudicca、そしてBlack Watchは、現在、スコットランドのBabcockのRosyth Facilitiesにいる。ここに2隻の新船も向かい、クルーズに復帰するのを待つことになる。

Costaの船はCelestyalに向かう

ギリシャ島嶼と東地中海への航海に特化しているCelestyal Cruisesは、木曜日の朝、乗客1,800人乗りのCosta neoRomanticaを、Costa Cruisesから購入したと発表した。1993年建造で、2012年に広範に改装した同船は、789室の船室を有し、うち132室にはバルコニーが付いている。その他、複数の食堂、娯楽開催地、酒場、休憩室、プール2つ、体育館、そしてパノラマ(=展望)スパがある。(中略)

同船の引渡と配船の詳細は、後日、発表されることになっている。最近発表されたCelestyal Cruisesの既存の2021年と2022年の旅程には、変更はない。(Travel Agent Central: Jul 16, 2020 12:00pm)

なぜNorwegian Cruise Line、Carnival、そしてRoyal Caribbeanの株が今日、沈没したのか(米国)

何が起きたのか

Norwegian Cruise Line Holdings (NASDAQ:NCLH)が、COVID-19の危機に耐えるため、12億ドル近くにまで借入金を引き上げることを模索していると話したのを受けて、木曜日、クルーズ株は下落した。

取引終了までに、Norwegianの株式は15.6%下落した。Royal Caribbean (NYSE:RCL) と、Carnivalの2つの株式であるCarnival Corporation (NYSE:CCL) とCarnival Plc (NYSE:CUK)も、ぞれぞれ7.6%、9.7%、6.3%下落した。

だからどうなんだ

Norwegianは、借金の申し出を通じて、9億2500万ドルに引き上げようと試みており、少なくとも株式のうち、2億5000万ドルを売却する意向だ。この窮地に陥ったクルーズ船会社は、運転資金に充てるための現金が必要となっており、一方、保健当局により課せられた航海制限のため、ここの船は港で立ち往生したままになっている。

Norwegianの資本引き上げは、Carnivalのそれに引き続くもので、Carnivalは最近、13億ドル近い社債を発行している。Carnivalの負債は費用の掛かるものであり、10%以上の成功報酬率(注、金利)で振り出された手形だ。Norwegianの手形も、同様の費用が掛かるものかもしれない。

で、今やどうなんだ

船は航海することができず、Royal Caribbean、Norwegian、そしてCarnivalは現金を垂れ流している。Carnivalだけでも、1か月当たり、ざっと6億5000万ドルが失われている。

そうした厳しい損失に耐えるため、大手クルーズ客船会社は、この数か月間、多額の負債を負うしか選択の余地がなくなっている。問題というのは、この借金がべらぼうに高い金利が付いていることで、Royal Caribbean、Norwegian、そしてCarnivalにとって、黒字転換が更に難しいものにしている。とりわけCOVID-19危機によるクルーズ休暇の需要の落ち込みが、2021年にも継続した場合がそうなる。(The Motley Fool: Jul 16, 2020 at 6:13PM)

CDC、9月までクルーズ船航海禁止命令延長(米国)

合衆国の港からのクルーズは、直ぐには始まらない。US Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)は、木曜日にクルーズ船に対するNo Sail Order(=航海禁止命令)の延長を発表した。

延長された命令は、9月30日まで、あるいはCDC director(=長官)が同命令を撤回または修正、もしくはDepartment of Health and Human Services(=保健福祉省)により宣言されたCovid-19のpublic health emergency(=公衆衛生緊急事態)が失効するまで、有効となる。

この航海禁止命令は、元々はコロナウイルスの症例が合衆国で急増し始めたのを受けて、3月14日に発効したものだ。

ここの事業計画概要によると、この命令はCDC(=疾病対策予防センター)の資料が、3月1日から7月10日までの間に、クルーズ船でCovid-19、あるいはCovid様の症例が合計で2,973人で、加えて34人が死亡したことを示していることを指摘している。

「これらの資料は、123隻の異なるクルーズ船において、合計99件のアウトブレイク(=勃発)があったことを明らかにしており、これは合衆国の司法管轄内における船舶の80%が、この期間内にCovid-19による影響を受けたことを意味することになる。」とこの概要にはあった。

CDCの以前の「航海禁止命令」は、7月24日に失効することになっていた。世界的に50社以上のクルーズ客船会社を代表する業界団体のCruise Lines International Association(注、「クルーズ客船会社国際協会」の意)(CLIA)は、合衆国の港でのクルーズの運航中止を、既に自発的に9月15日まで延長していた。この延長は、6月19日に発表されていた。

「将来のクルーズが、健康的で安全なものであることを確信しておりますが、最新の保護対策を完全に反映させて、お客様と船員の最高の利益を確実なものとするため、慎重すぎる位慎重に対処したいのです。」と6月の発表において、同協会は述べていた。

CDCの航海禁止命令により影響を受ける船舶運航事業者の全てがCLIAの会員ではないことから、同機関(注、CDC)は、独自の命令を延長した。(CNN: Published 17th July 2020)

Carnival Cruise、パンデミックの結果、船隊縮小(米国)

フロリダ州ポート・カナベラル発。世界最大のクルーズ客船会社で、セントラル・フロリダ(注、フロリダ州中部)において多くの雇用を抱えている会社が、パンデミック(注、国境を越えた大流行)の結果、船隊を削減することになった。

Carnival Cruisesは、業界の巨人には留まるが、縮小しなければならなくなっている。Carnivalは、ポート・カナベラルを3隻の船の本拠地としており、今年、更に大型のものを1隻持ち込もうと計画していたが、今やこのクルーズ客船会社は、より小さなものになることになった。

「今日見ているようなのと同じ船隊水準を見ることは、なくなりますよ。」とPort Canaveral CEO(=ポート・カナベラル最高経営責任者)のCapt. John Murrayは話した。

Murrayは、最近のクルーズ業界を予測していたが、今やCarnivalが、それを確認した。この世界最大のクルーズ法人は、13隻の船を処分することにしている。Carnivalは、ポート・カナベラルで3隻の船を有する、単なるCarnival Cruise Lineなのではない。この法人は、9社のクルーズ客船会社も保有しているのであり、これにはHolland AmericaやPrincess Cruisesも含まれ、合計で104隻の船を有している。しかし他の全てのクルーズ客船会社と同様、Carnivalは3月以来、休業している。

「現金を溶かしているのです。だから復帰するとしても、違った構成で復帰することになるのかもしれないのです。」とMurrayは話した。

この業界は全体として、大型船への方向で動いてきたかもしれず、これはソーシャル・ディスタンシング(注、社会距離戦略)の時代にあっては、より効率的に運航することが可能だ。換言すれば、より大型の船は、旅客数を半数にしても、いつクルーズを再開しようと、赤字にはならないのかもしれない。これは、小型船は、解体するか、売り払うことになる可能性があることを意味することになる。

Carnivalは、どの船を船隊から取り除くことになるのかは、話していない。ここの史上最大の新船で、乗客5,000人乗りのMardi Grasは、今年、ポート・カナベラルから、クルーズを始めるつもりだった。しかし今や、そうはなりそうもない。というのは、この業界は、新船の導入を減速させてもいるからだ。目下の目標は、9月中旬に再びクルーズを再開することだが、その目標に向けた確かな進展は殆どない。(WESH: 4:19 PM EDT Jul 17, 2020)

パンデミック、ドイツのクルーズ船建造業者の一時休業を余儀なくさせる(ドイツ)

ドイツの造船業者のMeyer Werftは、月曜日から6週間、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた再流行)のために受注が落ち込んだことから、生産を休止し、操業を一時中止する。

同社は、豪華なクルーズ船を建造していることで最も知られているが、この動きを、一種の企業休暇の延長だと描写しており、8月30日まで続くことになる。同造船所の広報担当者は、2隻の船の引き渡しについては、未だに作業中だと話した。

今後5年間に、Meyer Werftは、クルーズ会社の新しい定期船の取消と注文延期のため、12億ユーロ(13億ドル)を節約する必要がある。北海に注ぐエムス川にあるパーペンブルクというドイツ北西の町に位置する同社は、Lower Saxony(=ニーダー・ザクセン)州政府や連邦政府からの支援を受けることを希望している。

Meyer Werftの社長であるBernard Meyerは、この状況を「precarious(=不安定なものだ)」と描写し、同社は、その225周年に生き残るために戦わなければならなくなったと話した。

クルーズ船部門、浮き続けるため四苦八苦

3,000人以上の労働者は、未だに休暇手当を待っている。この請求は、既に1400万ユーロに達していて、今年の後半に支払われるだけとなっている。同社は、年末までパートタイム労働時間に移行すべく、職員代表と合意に達する予定だとも話した。

世界的なパンデミックは、広範に世界的な観光業を足踏み状態にさせているが、クルーズ会社は、とりわけこの危機により酷い打撃を受けており、いつ休暇(注、クルーズ営業)を再開することができるのか、言えないでいる。

パーペンブルク、ロストク、そしてフィンランドのトゥルクにあるMeyer Werftは、このパンデミックに先立って、3隻のクルーズ定期船を引き渡す予定だったが、今や注文を先延ばしにするよう顧客と交渉中だ。

そうしたクルーズ船の1隻である「Iona」は、5月に英国の海運会社であるP&Oに引き渡されるものと思われていた。3月、この船は既にエムス川を移動したが、コロナウイルス関連の衛生要件から、北部の港町であるブレマーハーフェンでの同船の内装に関する作業が遅れた。Meyer Werftの広報担当者によると、同社は今や、8月末に首尾よく引き渡すことを望んでいるという。(Deutsche Welle: Date 19.07.2020)

SpectrumとVoyager、2021年に中国発の111本のクルーズ航海へ(米国・中国)

Quantum of the Seasがアラスカに再配船されたことから、中国は、2021年にRoyal Caribbean Internationalの2隻の船を準備することになる。

最も注目されるのはSpectrum of the Seasであり、1月から11月まで、上海に本拠を置くことになる。この2019年建造船は、日本の12か所の異なる港を訪問する4泊から8泊の範囲でのクルーズを提供することになる。2021年12月から2022年1月まで、Spectrumは香港に本拠を置いて、ベトナム、日本、その他の目的地に向かう4泊から9泊のクルーズを運航する。

Royal Caribbeanによると、このQuantum級の船は、中国市場で評判が高いという。2019年6月に上海に初めて到来して以来、95%の満足度を得ているという。

アジアでの9回目のシーズンに復帰するVoyager of the Seasは、5月から10月まで天津に本拠を置くことになる。この1999年建造船は、日本の10か所の異なる目的に向かう、4泊から7泊のクルーズを提供する。声明においてRoyal Caribbeanは、同船をこの市場の「old friend(=旧友)」であると呼び、最近の1億ドル掛けた改造を強調している。

SpectrumとVoyagerを合わせて、合計111本のクルーズを、2021年に中国の港から提供する。4泊から9泊の範囲のクルーズにより、これらの船は、26か所のアジアの目的地を訪問する35本の異なる旅程を提供する。(Cruise Industry News: July 19, 2020)

英国の旅客フェリーに衝突するところだった潜水艦は「原子力だった」(英国)

最後の瞬間に衝突が回避されなかったら、英国はHMS Vengeanceと考えられる僅か3隻しかない戦略Trident(=トライデント)搭載艦の1隻の使用ができなくなったかもしれない。Marine Accident Investigation Board(=海難事故調査委員会)(MAIB)の2018年の事故報告書が今週、発行され、当時200人以上の乗客と船員を乗せていたフェリーが、17,500トンの巨大艦に、僅か数ヤードで衝突するところだったことを明らかにした。

報告書には、次のようにあった。「この事故は、潜水艦の指令室チームが、フェリーとの距離を過大評価し、その速力を少なく見積もったことにより発生したものである。」

MAIB(=海難事故調査委員会)の報告書は、この潜水艦はスコットランドのファスレーン海軍基地に本拠を置くものであったことは確認したが、この艦の身元を明らかにしなかった。しかしフェリーの乗客により撮影された写真の分析から、Vanguard級の潜水艦であることが明らかになっている。独特の光電子工学マストが写っており、専門家の目には、特殊レーダー、攻撃スコープ、伝達ノード、排気システムであることも一目瞭然であり、全てがVanguardに独特のものだった。

Royal Navy(=英国海軍)は、4隻のVanguard級潜水艦を当時、数か月間、洋上に留めており、それにより、如何なる核の脅威にも即応できる態勢だった。HMS Vanguardは2015年以来、プリマスで修理していた。それぞれ130人の船員を乗せており、16発までのTrident-II D5大陸間弾道ミサイルが搭載可能だ。

残りの3隻のうち、HMS Vigilantは、事故当日の2018年11月6日、ファスレーンで小規模な保守作業を行っており、HMS Victoriousは作戦中だった。

しかしHMS Vengeanceは、新たな服務機関の準備のため、アイリッシュ海にいた。本艦は、スコットランドのケアンライアンとベルファストの間でアイリッシュ海を横断していたStena Superfast VIIを新路上に発見した時、そこにいたのだった。

惨事は、フェリーの船橋にいた眼力の鋭い見張りが、この潜水艦のマストを発見し、この見張り士官が、直ちに衝突を回避する行動に出たことから、危うく避けることができたのだった。

海難事故調査委員会のchief inspector(=調査責任者)は、報告書において次のように語った。「これは、この4年間に潜水中の英国海軍潜水艦と海面上の船舶との間であった3度目の事故あるいは事象であり、深刻な懸案問題であります。」

昨夜、ある上級英国海軍筋は、次のように話した。「これは、衝突したならば、かなり恐ろしいことになったことは、疑いがありません。Vanguardの船体は氷を突き破るように設計されており、フェリーを貫通する穴を開けたはずだからです。」(Express: 10:53, Sun, Jul 19, 2020)

もう1隻のCarnival Cruiseの船が解体工場に送られたと報じられる(米国・トルコ)

どう見ても、Carnival Cruise Lineの昔ながらの船の別の1隻が、COVID-19を原因とする経済危機の犠牲者となった、とThe Points Guy (TPG)は報じた。

カリフォルニア州ロング・ビーチを本拠とする乗客2,056人乗りのCarnival Inspirationは、伝えられるところによると、トルコのイズミルに向かっているという。ここは、多くの有名な船が最後に座礁する所で、船舶解体事業で悪名高い。Carnival Inspirationは、キュラソー島経由でイズミルに向かった。同客船会社の別のFantasy Classの船であるCarnival Fantasyが、同一の目的地に、同一の残忍な運命に向け、この島を出発した、とCruise Radioは報じた。両船は、キュラソー島のコンテナ港で重機を取り外し、同島の港湾当局者は公表しなかったが、運航から外す準備をしている明らかな兆候があった。

7月10日、Carnival Corporation CEO(=最高経営責任者)のArnold Donaldは、同社は、今後数か月間に、9つの世界的な商標の船隊から、13隻を取り除くことを明らかにしていた。そうした削減が行われるのは、様々な商標の老朽船となることを示していたが、どの船がそうなるのかは明らかにしなかった。(後略)(TravelPulse: 08:19 PM ET, Sun July 19 2020)

コロナウイルスで世界最大のクルーズ船、Royal CaribbeanのWonder of the Seasのお披露目が遅れる(米国・フランス)

Royal CaribbeanのWonder of the Seasは、世界最大のクルーズ船として来年お目見えするものと思われていた。しかしコロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、同船の到来は、無期限保留となった。

Wonder of the Seasは、フランスのサン・ナゼールで工事中。上海を本拠地とすることになっていた。この船は、旅客6,000人と船員2,200人を運ぶことが可能だ。

5月、Royal Caribbeanは投資家に、コロナウイルスがこの造船所の操業に影響を与えており、その結果、船の2020年と2021年の引き渡し予定が遅れると話していた。

「Royal Caribbeanは、中国からのWonderの配船が遅れることになります。」とこのクルーズ客船会社の広報担当者であるJonathon Fishmanは、月曜日、USA TODAY紙に語った。「弊社ではWonderの到着を心待ちにしており、航海復帰が待てません。」

先月、Royal Caribbeanは、11月にお目見えするものと思われていたOdyssey of the Seasの初航海が遅れると発表した。Royal Caribbeanは、他のクルーズ運航事業者のように、パンデミックのために、3月に航海を中止した。同社の目標は、10月1日に航海を再開することだ。

Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)は、3月にクルーズ船に対する航海禁止命令を発表した。この命令は、7月24日に失効することになっていたが、先週、CDC(=疾病対策予防センター)は9月30日に延長した。

5月、カナダはカナダの港を出発する大型クルーズ船を、10月31日まで禁止していた。

Royal CaribbeanのSymphony of the Seasが、現在、世界最大のクルーズ船で、228,081トンある。(USA TODAY: Jul. 20, 2020)

Cruise & Maritime Voyages、管理下に置かれる(英国・ドイツ)

Cruise & Maritime Voyages (CMV)は、連合王国(注、英国)において管理下に置かれ、(CMVが保有する)TransOcean Toursは、ドイツで同一のシナリオに直面している。

CMVとTransOceanの全ての出発は、中止になっている。同社は先週、最後の救済融資協議がなされたものの、不調に終わったと報じられていた。所有船と賃借船が入り混じっている同社の船隊に何が起こるのかは、不明。

同社は、P&O AustraliaのPacific AriaとPacific Dawnが移籍することになっていたことから、2021年に、2隻のCarnival Corp.の船を入手することになっていた。

現在のCMVの船隊:Astoria(550床、1948年建造)、Astor(590床、1987年建造)、Vasco da Gama(1,266床、1992年建造)、Columbus(1,400床、1988年建造、Magallen(1,250床、1985年建造)、Marco Polo(800床、1965年建造)。(Cruise Industry News: July 20, 2020)

Swan Hellenic、文化探検客船会社として復活(英国)

社歴70年の英国の発見クルーズ商標であるSwan Hellenicは今日、営業を滑らかに開始した文化探検客船会社として復活した。

キプロス、モナコ、英国に事務所を有する新しい独立系会社が、前の所有者であるG Adventuresから、総額非公表で、Swan Hellenicという商標とデータベースを買収した。

フィンランドで2隻の「state-of-the-art(=最新鋭の)」探検船を建造しており、これはそれぞれ76室の船室を有し、「elegant, intimate and personal onboard experience, delivered by 120 warm, friendly and knowledgeable staff(=120人の温かくて友好的な、知識の精通した職員による、優雅で親密な個人的船上体験)」を152人の客に提供することを狙っている。

Swan Hellenicは「inquisitive minds who want to discover incredible destinations, reconnect with nature and locals, all the while sharing unique experiences(=独特の体験を共有する一方で、途方もない目的地を見つけ、自然と地元を再び結び付けたがる探求心)」のある旅行者を標的にする。

1番船は、2021年11月にロンドンでの行事で就航することになっており、その後、南極に向けて航海することになっている。2番船は、2022年4月に就航して、サンクト・ペテルブルクから英国諸島(注、英国本土)に向かい、2022年夏の北極を探検することになる。

極地シーズンを終えた後は、両船は世界一周を続け、ニュー・ジーランドからブラジル、そしてパプア・ニュー・ギニアからフィリピンといった範囲の諸国を訪問する。

Swan Hellenicのgeneral manager(=総支配人)のJohn Warnerは、最近、英国の旅行代理店を通じて販売を開始したロシアの河川クルーズ事業のVodohodのmanaging director(=代表取締役)でもあるが、この新しい客船会社は「British in heritage and pioneering spirit, but international in its outlook(=伝統と開拓者精神においては英国だが、前途においては国際的だ)」と語った。(中略)

Swan Hellenicのchief executive(=最高責任者)のAndrea Zitoは、Silverseaのmarine operations and new building(=海洋運航及び新造部門)の元senior vice president(=上席部長)だが、次のように語った。「文化探検クルーズの指導者になるという使命により、開拓者の象徴的な旅行商標であるSwan Hellenicが生まれ変わることを発表するのは、誇りに思います。」

Covid-19のパンデミックが、開業計画に影響を与えたのか、あるいはクルーズの将来について懸念を持っているのか、とりわけ現在、Foreign Office(=外務省)の指針で、英国人にクルーズをしないように勧告していることを問われ、Warnerは語った。「少しばかり早く市場に参入しようとしていたのですが、世界はCovidとの取り組みで圧倒されており、それで弊社では、僅かに遅らせたのです。」「しかし物事は、復帰し始めております。この商標に対する人々の関心を再び確立できるようにするには、長期の導入時間が必要です。」(中略)

Warnerは、Vodohodと傘下のSwan Hellenicに加わる前、G Adventuresでvice president of global sales(=世界販売部長)をしていたが、元MSC CruisesとSilverseaにいたsenior vice president, sales and marketing(=販売・営業・上席部長)のAlfredo Spadonと、元Royal Caribbean Internationalのvice president of marketing(=営業部長)のMario Bounasに支えられることになる。

自分と同僚は「straddle and represent both Vodohod and now Swan Hellenic(=Vodohodと、今やSwan Hellenicの両社を股にかけて代表することになる)」が、両社は別々の独立した会社だと説明した。(Travel Weekly: Jul 22nd 2020, 09:02)

Brittany Ferries:今年の夏は徒歩客お断り(フランス・英国)

Brittany Ferriesは、徒歩客と自転車乗りは、今年の夏は、反コロナウイルス対策を導入しなければならなくなったことから、ここのフェリーで旅行することはできなくなることを確認した。

このフェリー会社の広報担当者(注、男性)はConnexionに対し、Brittany Ferriesとその他の運航事業者が、今年、車両に乗って到着した乗客のみを取り扱うことができる実際的な理由があり、同社では、直ちに通常運航を再開することが、残念ながらできないとと話した。

この広報担当者は、徒歩客の乗船・下船は、ターミナルやバスを利用するもので、船員による個別の注意を要求されるものであるので、かなり異なるものだと説明した。

コロナウイルスのパンデミック下でのフェリーの旅

DFDSはConnexionに対し、徒歩客は扱っていないので、問題は生じておらず、フランスへの全旅客航路は運航しており、既存の予定で運航中だと話した。

P&O Ferriesも現在、徒歩客を乗せていないが、ウェブサイト上でドーバーとカレー間では、「optimised service(=最適化された運航)」を行っているとしている。

Brittany Ferriesの航路の大半は、現在、プールとシェルブール間での運航はないものの、稼働中だ。Brittany Ferriesは、8月の予約は、ソーシャル・ディスタンシング(=社会距離戦略)の要求に合わせて船上収容力を減らしていることを考えると、「encouraging(=明るい材料となる)」と話した。8月の乗客の大半は、今年これまでに取り消してから、横断することにした人達だ。

フェリーでのソーシャル・ディスタンシング

乗客は、全フェリーの公的区画において、マスクを着用しなければならない。全ての会社は、数か所の手指衛生所、定期的に消毒する区画を設けており、十分な換気をして、乗客数を減らしているので、ソーシャル・ディスタンシングは容易に達成できると話している。

Brittany Ferriesは、コロナウイルスのパンデミック中の安全な航海のための12点の指針を作っており、これには交互に乗船させることや、座席や船室の義務的予約も含まれている。

P&Oのコロナウイルスの変更対策は、こちらに一覧にしており(注、省略)、DFDSのは、こちらで入手可能だ(注、リンク先省略)。

連合王国(注、英国)に向かう者は、旅行の48時間以内に、Public Health Passenger Locatorという用紙に全てを記入しないといけない。詳細を提供することを拒否した場合は、100ポンドの罰金刑が科せられる。(The Connexion: Thu 23 Jul 2020 10h28)

Princess Cruises、パンデミックのため12月中旬まで航海中止(米国・オーストラリア)

Covid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)は旅行産業に大打撃を与え続けており、とりわけクルーズ船の運航に打撃を与えている。その典型例のPrincess Cruisesは、唯一の明らかな例外を除き、12月中旬までの世界中での航海を全て中止すると発表した。

アジア、カリブ海、カリフォルニア、ハワイ、メキシコ、パナマ運河、南米、南極、日本、そしてタヒチ・南太平洋の全ての航海は、中止のままとなる、と同社は、月曜日に新聞発表で話した。

「これらのクルーズの中止によるお客様の失望を、弊社は共有いたします。」とPrincess Cruises president(=社長)のJan Swartzは、この新聞発表で語った。「旅行が再開でき、クルーズをする人々に幸せがもたらされる日を心待ちにしております。」

最近は、US Centers of Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)の発令した航海禁止命令が継続中であり、これは9月30日に失効することになっている。この命令は、7月16日に延長されたが、「passenger operations on cruise ships with the capacity to carry at least 250 passengers in waters subject to US jurisdiction(=合衆国の司法管轄が及ぶ水域で少なくとも250人以上の旅客を乗せることのできる収容力のあるクルーズ船の旅客運航)」を一時中止している。元々は、金曜日に失効することになっていた。

Princessが、先に猶予することにしたものとして並べていた国が1国ある。オーストラリアだ。このクルーズ客船会社は、自社船であるMajestic Princess、Regal Princess、Sapphire Princess、Sea Princess、そしてSun Princessでオーストラリアを出入りする全ての旅行は、10月31日に再開することが可能だと話していた。

Princessは、クルーズを既に予約している人々に対し、返金方針を発表した。

全額の返金を受けるか、一部、預り金としておくかは、選択次第。Princessは後日、再予約のための報奨金を提供する。あるいはこのリンク(注、リンク先省略)で、全額返金を要求することも可能だ。

8月31日までに全額返金を要求しなければならず、そうしないと自動的に「Future Cruise Credit(=将来のクルーズ・クレジット)」とPrincessが呼んでいる選択で登録されることになる。(CNN: Published 24th July 2020)

Incat、新しいSpirit船の90%はタスマニアで建造可能と話す(オーストラリア)

オーストラリアの造船業者のIncatは、State Government(=州政府)はオーストラリアで新しいSpirit of Tasmaniaという船を建造することが可能か否かを調査するため、3か月から6か月の期間を割り当てる必要はないと言っている。

IncatのFounder and Chair(=創業者兼会長)のRobert Cliffordは、自分の会社は、タスマニア島の南部にある造船所で、地元製品を使って、この新フェリーの90%を建造することが可能だと言っている。

RobertがAaron Stevensと、この船の建造で、州政府とIncatが作業する可能性を議論している様子を聞いてみてください(注、リンク先省略)。双胴船や、鋼板の代わりにアルミニウムを使用することにまつわる懸念を明らかにしています。(Tasmania Talks: 24 July 2020)

フェリーSewolの船主の次男、ニューヨークで拘束(米国・韓国)

Semo Groupの元会長で故人のYoo Byung-eunの次男、Yoo Hyuk-keeが、合衆国の自宅で、犯人引渡令状により逮捕された、とNew York Times紙が金曜日に報じた。

朝鮮(注、韓国)検察は、当地で横領により起訴されているYooの令状を請求していた。U.S. Justice Department(=合衆国司法省)の報道官(注、女性)は、本件逮捕は、犯人引渡請求に応じたものだと話した。

Yooは、父親のYoo Byung-eunの2人の息子や2人の娘の中で、当地(注、韓国)の検察が居場所を突き止められなかった唯一の子供だ。

Yooは、大半が高校生であった300人以上が死亡した2014年のSewolというフェリーの沈没を巡る醜聞において、鍵を握る人物の1人であると考えられている。Yoo Hyuk-keeはまた、Semo Groupと故人である会長のYooの子会社の事実上の継承者であったと報じられており、Sewolの「paper(=書類上の)」運航事業者であったChonghajin Marine(=清海鎮海運)の支配株主だった。

Yooとその他の家族は、父親が設立した教会から1億6900万ドルを横領しており、様々な会社を設立するために、この金を使ったと申し立てられている。これには、後にこの教会の資金で営業されていたこの海運会社が含まれている。

横領が船の安全でない状態を生み出すことにつながったと申し立てられており、朝鮮(注、韓国)検察によると、この一家は、安全措置を取るために使われることになっていた資金を使ったという。

また検察は、このフェリーの運航事業者は、Sewolを含むここの船舶で、日常的に過積載を行っていたと話しており、横領によって生じた損失を埋め合わせることに役立っていたという。最後の航海において、Sewolは、許可された2倍もの貨物を積載しており、承認されていない重心を上方に移動させることになった構造で、本質的に不安定なものにしていた。

「Yooは、家族によって支配されていた会社の最高責任者と共謀したと告発されており、詐欺的な商標登録や経営相談契約といった、偽の計画を通じて、2300万ドルの事業で詐欺を働いたものだ。」とニューヨーク州南部地区の合衆国検事のDerek Wikstromは、New York Times紙に語ったのが引用されていた。

2014年7月、父親のYooは、明らかに自殺しているのが発見された。長男のDae-kyunは、横領やその他の告発により、2年の禁固刑が言い渡され、長女のSum-naも、同様に横領で有罪判決を受けたが、3年間、フランスを逃げ回り、2017年にフランスから送還されていた。(The Korea Times: 2020-07-24 17:10)

コロナウイルス・クルーズ観光、台湾で再開、しかし国内港湾行きのみ(台湾)

7月26日、台北発。1,200人の旅客を乗せたクルーズ船が日曜日、基隆(=キールン)港から出航した。COVID-19のため、台湾が旅行制限を課して以来、初めての商業的な船旅だ、とMaritime and Port Bureau(=交通部航港局)は話した。

しかし運航事業者によると、「Explorer Dream」は、国内港湾しか訪問しないという。すなわち、澎湖(=ポンフー)諸島と馬祖(=マーツー)島だ。

1,200人の観光客を乗せたこのクルーズ定期船は、澎湖諸島と馬祖島に寄港して、7月29日に台湾北部の基隆に戻って来る、と運航会社のDream Cruisesは話した。Dream Cruisesは、今後3か月間に亘って、30本の同様の旅行を提供し、4日から5日間の旅行で、乗客は台湾東部の花蓮(=ホワリエン)や金門(=ジンメン)県に行くことになる。

3,630人の乗客を乗せることができるExplorer Dreamが、全ての旅行で使用されるが、COVID-19の危険を軽減するため、それぞれの旅行では、1,815人以下の乗客を乗せることになる、と同社は話した。更に乗客は、換気をより良くするため、全て舷窓(注、丸窓)のある船室を割り当てられる。

Explorer Dreamは、国が国際クルーズ船を禁止した2月初旬以来、台湾の港に入ることを許された最初のクルーズ定期船。4か月後の6月9日、台湾のCOVID-19の感染が減速し始めたことから、交通部航港局は、Explorer Dream、SuperStar Aquarius、その他6隻のクルーズ定期船が、台湾の港に再び寄港申請をすることができることを発表していた。しかし国の国際クルーズに対する禁止は、少なくとも8月末まで延長され、これは、クルーズ船が国内旅行しか提供できないことを意味している。(Focus Taiwan: 07/26/2020 06:33 PM)

ドイツのクルーズ船、パンデミックの最中、海上試運転(ドイツ)

ドイツのクルーズ船が、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)の最中に海上試運転を行い、この業界が数か月前に休業して以来、初めて航海に出ることになった。

TUIのクルーズ船、Mein Schiff 2は、文字通り「My Ship 2(=私の船2号)」というものだが、金曜日の夜遅く、北海での週末クルーズに出航する、と通信社のdpaが報じた。

この船は、乗客と船員の安全を可能な限り維持するため、厳格な予防措置を取っている。占有率は、乗客がお互いに距離を保てるようにするために60%に制限されているが、この水準には達していない(注、実際の乗客の数は少ない)。

本船は、通常は2,900人の収容力があるのに対して、1,200人の乗客を乗せて出航した。船員が何人乗船しているのかは、報じられなかった。船は、北にあるハンブルク港からノルウェーに向けて出港し、乗客は陸上には寄らずに洋上で週末を過ごし、月曜日にドイツに戻って来ることになっている。

船上では、乗客と船員は、お互いに1.5メートル(5フィート)離れていること、あるいは防護マスクを着用することを要求されており、同船のビュッフェ(注、「自給式食堂」の意)は利用できないことになる。乗客は全員、乗船前に健康質問票に記入し、検温されることになる。

数か月間の休業を経て、ドイツのクルーズ船会社は、より短期の、厳格に制御された旅行が、パンデミックによって打撃を受けた事業の再開につながることを期待している。8月5日から、AIDAというクルーズ運航事業者は、数か月前にこのパンデミックにより運航を中止して以来、初めての旅行を、ハンブルクから出航する。2本目は、8月12日にロストクから、3本目は、8月16日にキールを出発する、とdpaは報じた。

ドイツは、コロナウイルスのアウトブレイク(=勃発)を封じ込めるための努力で、広く賞賛されている。206,000人以上の感染が報告されたが、死者数は9,124人を維持しており、英国の死者数の僅か5分の1に過ぎない。ドイツは今や、経済再開の過程にある。ソーシャル・ディスタンシング(=社会距離戦略)に関する厳格な指針、マスクの使用、そして個人衛生対策が取られている。

先週、合衆国の保健当局者は、コロナウイルスの感染が、カリブ海クルーズで人気の出発地であるフロリダ州を含む主として合衆国諸州で増加していることから、9月末まで、クルーズ船に対するアメリカの禁止を延長した。

Centres for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)のchief(=長)であるDr Robert Redfieldは、この命令において、クルーズ産業は、その船において、このウイルスの感染を未だ制御できていないと話した。

何ダースものコロナウイルスのアウトブレイクがクルーズ船を襲っており、これには、日本の沖であった、大々的に報道されたDiamond Princessのアウトブレイクが含まれており、この時は712人が感染して、13人が死亡した。(Isle of Wight County Press: 26th July, 2020)

ニュー・オールバニに本拠を置くAmerican Queen Steamboat、レイオフ発表(米国)

ニュー・オールバニ発。ニュー・オールバニに本拠を置くAmerican Queen Steamboat Companyは、州政府に提出した事前通告に基づき、250人の従業員を恒久的にレイ・オフ(=解雇)する。

Indiana Department of Workforce Development(=インディアナ州労働開発局)に7月22日に提出された書簡において、同社は、正式にAmerican EmpressとAmerican Queenに乗務する「who have no fixed workplace(=固定した職場を有しない)」が、ルーイビルを含む数か所の港町で仕事をするために呼ばれる資格のある労働者に影響を与えることになるレイオフ(=解雇)を正式に述べた。レイオフは、同書簡によると、9月24日頃に始まるものとみられるという。(中略)

このリバー・クルーズ事業は、ニュー・オールバニのPearl Street(=パール通り)沿いに本拠を置いている。

この書簡では、何人の南部インディアナ州の住民が、レイオフの影響を受けるのかは明らかにしていない。レイオフの影響を受ける他の港には、オハイオ州シンシナティ、シカゴ、セント・ルイス、テネシー州メンフィスが含まれる。

The News and Tribune紙では、レイオフの影響を受ける地元従業員の数を確認しようとしたものの、締め切り時点において、情報は得られなかった。(News and Tribune: Jul 28, 2020)

クルーズ船は8月1日から航海再開(ギリシャ)

8月1日から、ギリシャのクルーズ部門が再開することが、International Cruise Association (CLIA)と、ギリシャで運航している3大クルーズ会社(MSC Cruises、Costa、TUI Cruises)に宛てた書簡の中で、Tourism Minister(=観光大臣)のHaris Theoharisによって確認された。

Theoharisは正式に、8月1日からクルーズ船は、ギリシャに入国時にピレウス、ロードス、ヘラクリオン、ボロス、コルフ、カタコロの6港に寄港することが許されることになると発表した。最初に係留してから、クルーズ船は旅程において、ギリシャの港湾に接近することが可能となった。

「乗客に独特の体験を提供する全てのクルーズ船を、ギリシャでは歓迎致します。」と同相は書簡において述べ、同時に「ギリシャは、クルーズ産業に応え、この観光形態に特化した健康手続きを導入した最初の国である」ことを強調した。「この健康手続きは、クルーズ船では、ギリシャ当局の管理下に置くことになるもので、European Union(=ヨーロッパ連合)(EU Healthy Gateways)の発令した水準に依拠するものであり、ギリシャの法律や国内統計に適合したものとなります。」

同相は、この体制は、新たな疫学的検討が生じた場合にのみ、変更されることを明確にした。また大手の国際クルーズ代理店に対し、夏季シーズンを越えて、顧客をギリシャに旅行させるように要請した。「現在のシーズンは、年末まで延長されます。」と強調した。(Greek City Times: July 29, 2020)

Norwegian、Regent、Oceaniaクルーズ客船会社は運休延長、11月1日まで航海せず(米国)

Norwegian Cruise Line、Regent Seven Seas Cruises、そしてOceania Cruisesは、10月31日まで世界中での航海中止を延長した、とこの3つの客船会社の親会社であるNorwegian Cruise Line Holdings Ltd.が水曜日に発表した。

Carnival Corp.のPrincess Cruisesのように、この3つの客船会社は、9月30日に失効することになっているCenter for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)の「no-sail(=航海禁止)」命令を越えて運休を延長した。(中略)

船を安全にする「not one silver bullet(=(狼男を殺せる)銀の銃弾はありません、注、「確実な方法はありません」の意)とNorwegian Cruise Line HoldingsのCEO(=最高経営責任者)のFrank Del Rioは話した。「This is layers on top of layers on top of layers.(=これは慎重の上にも慎重に、ということです)。」

USA TODAY紙では、この運休延長に関する論評を得るため、Norwegianに接触している。(USA TODAY: Jul.29, 2020)

CarnivalがCunardとSeabournを売却する可能性があると報じられる(米国・英国)

Carnival Corpが、Cunard LineとSeabourn Cruisesという2つのクルーズ商標の売却を検討中であると報じられている。

この困難な時にあって、クルーズ客船会社は慌てて世界的な健康危機と運航の停止を乗り切ろうとしているところだ。Carnival Corporationは、クルーズ船を売却することにより、この悪い時期を乗り越えようと努力している会社の1社だが、今やクルーズ客船会社の売却の可能性も出てきた。

Tradewindsによると、Carnivalが連合王国(注、英国)に本拠を置く象徴的なクルーズ客船会社のCunardと、豪華運航事業者のSeabourn Cruisesを売却する可能性があるという消息筋や噂があるという。両クルーズ客船会社は、主として古いクルーズ市場向けのものであり、更に多くの利益が必要となっていたもので、これらの客船会社を手放す可能性はある。

注意すべきは、まだ正式には何もなく、過去において正しいものであることが判明してきた単なる内部者の話に過ぎないということだ。いつクルーズが再開できるのか、そして、とりわけ問題となっている2つの客船会社に、どれだけの財務運用益の衝撃があるのかということに、全てはかかっている。

この業界に課せられた新しい健康対策により、クルーズ船は収容力を、大体半分にして航海することになる。船上での活動は制限され、いかなる航海でも、前・中・後の手続きがある。既にRoyal Caribbeanは、他のクルーズ客船会社と提携して、新たな仮想避難訓練を導入しているが、これは多くのクルーズ会社に、どうか始めてもらいたいものだ!

Cunard Lineは、現在、2020年11月1日まで、Queen Mary 2の運航を休止している。Queen VictoriaとQueen Elizabethの航海は、11月23日まで中止となっている。ここの船隊は、英国南部海岸沖で投錨しており、クルーズの再開を待っている。

Seabourn Cruisesは、2020年10月と11月まで運航を休止している。Seabourn Sojournは、10月13日から航海を再開する最初の船であり、その後、船隊の残りが、段階的に運航再開を開始することになっている。

Carnival Corpは、今後数か月間に亘って、合計15隻のクルーズ船を処分することになっており、そのうちのあるものは、既に新たな船隊に加わるためにここを離れたか、悲しいことに、トルコで解体されることになっている。(Cruise Hive: Jul 29, 2020)

NYC、47回目のSSEAYPの2021年延期を発表(フィリピン・日本)

7月28日、ケソン市発。National Youth Commission(=国家青年委員会) (NYC)は、今年のThe 47th Ship for Southeast Asian and Japanese Youth Program(=第47回東南アジア青年の船)(SSEAYP)が、参加国がCOVID-19のパンディミックと取り組んでいることから、2021年に延期になったと発表した。

最近、Conference of the Representatives of the Ten Southeast Asian Countries and Japan(注、「東南アジア諸国10か国と日本の代議員会」の意)によって決定されたことから、最終勧告が日本政府によってなされるや、 NYC(=国家青年委員会) では、応募者は来年、再応募するよう勧告した。 (中略)

28人の選抜された若者は、この事業のフィリピン代表団を代表するPhilippine Youth Ambassadors of Goodwill(注、「フィリピン若者親善使節」の意)と呼ばれている。

こうしたAmbassadors of Goodwill(=親善使節)は、52日間の航海のため、日本の豪華定期船であるMS Nippon Maru(=にっぽん丸)に乗船し、船上と寄 港地の双方で、参加国から来た他の若い使節と議論し、文化活動交流を行う。 (Philippine Information Agency: 29 Jul 2020, 04:38 GMT+10)

「ブレイク・フリー」夏シーズン、サウジの紅海で提供する初めてのレジャー・クルーズ導入へ(サウジ・アラビア)

2020年7月29日、サウジ・アラビア、リヤド発。「Break Free(注、「解放」の意)」という国内観光運動の一環として、サウジ・アラビアの紅海で初めて航海することになるレジャー・クルーズが予定されている。

Saudi Tourism Authority(=サウジ観光局)(STA)は、紅海での例外的なレジャー観光サービスを提供する王国の努力の一環の第一歩が、サウジ紅海沿岸にある多くの自然や文化的な宝物に対する認知を高め、幅広い選択を提供することになると発表した。

この「Break Free」という運動は、9月末まで行われているもので、国内における多様な旅行体験を楽しみたい国内旅行者により温かく歓迎されている。この運動は、サウジ・アラビア中の10の目的地を網羅するものであり、とりわけ紅海沿岸に力が入っている。

STA(=サウジ観光局)は、紅海のサウジ沿岸に沿った数種の旅程の選択を市民や住民に提供することになる、新クルーズ・プログラムを運航するため、一流のクルーズ会社を招いた。乗客は、世界一流の体験を楽しむことになり、最高級水準の豪華さや、幅広い船上娯楽、食事、そして娯楽選択が提供される。

STAは、Ministry of Health(=保険省)、旅行業者、その他と足並みを揃え、最も厳格な手続きを設けて、乗客の健康を保護するための是正措置を取り、楽しくて安全な旅行体験を提供する。

サウジ観光局は、王国における観光業の再生と推進のための公的商標であるVisit Saudiを後ろ盾にした組織。同局は、観光客の体験の監視と開発の他、開発、市場調査、王国における旅行製品、一括旅行、目的地の推進の責任を負っている。(PR Newswire: Jul 29, 2020, 09:44 ET)