2021年9月

HOME > 海外旅客船情報 > 2021年9月

2021年9月の海外旅客船情報

200隻以上のクルーズ船が9月に航海することに(米国)

クルーズ産業の再開で、Cruise Industry NewsによるCruise Ships in Service Report(注、「運航中のクルーズ船報告」)の2021年9月版では、9月に200隻以上のクルーズ船が、乗客を乗せて航海するのを見ることになるという。

205隻の船が運航するものと見られることから、Cruise Industry Newsの資料によれば、世界の外洋クルーズ船隊の約50パーセントになるという。

9月の大ニュースは、合衆国港湾発のメガシップ(注、特大船)の再投入が継続することで、これには、ニュー・ジャージー州のベイヨン発のRoyal CaribbeanのOasis of the Seasと、ポート・カナベラル発のMSCのDivinaとDisney Fantasyが含まれる。Royal Caribbean Internationalは、9月には収容力の点で最大の運航事業者となり、MSC CruisesとCarnival Cruise Lineがこれに続く。

運航を再開する他の主要な船には、NorwegianのEpic、GetawayそしてBreakawayの他、Carnival Glory、Pride、そしてDreamが含まれている。

更に2隻のCostaの船がヨーロッパでも加わり、DiademaとFascinosaがサボナから出航することになっている。(Cruise Industry News: September 01, 2021)

2021年9月クルーズ船注文簿、更新(米国)

Cruise Industry Newsが追跡している世界クルーズ船注文簿が、2027年までに引き渡されることになっている92隻のクルーズ船により、更新された。

お目見えすることになっている92隻により、この未来の注文簿は570億ドル以上相当のものとなり、200,000床以上が新たに参入することになる。

The Ritz-Carlton Yacht CollectionのEvrimaと、Seabourn Ventureが2022年にお目見えすることになって、9月の主要な変更には、多くの船の引き渡し日の調整が含まれている。AIDA Cruises向けの2023年の新造船は、Carnival Corporationにより、Carnival Cruise Line商標に移動となった。注文船は、平均収容力が客が2,156人で、平均費用は6億2200万ドル。

2021年の注文簿では、COVID関連の造船変更により、そのうち何隻かが遅延するかもしれないものの、11隻がなおもお目見えすることになっている。また、2022年の注文簿にある29隻のどの追加船も、先送りになっていることから、翌年は業界のブロックバスター(注、大当たり)の年となる。(Cruise Industry News: September 02, 2021)

Fincantieri、Princess Cruisesの初のLNG船の鋼板切断(起工)(イタリア・米国)

175,000総トンのSphere級の船が、イタリアで建造された最大のものとなる。それぞれの2人使用の場合の収容力は、乗客約4,300人だ。引渡しは、2023年と2025年に予定されている。

Royal級より進歩

この船は、下寝台に3,660人乗船させる143,700総トンの大きさの現在のRoyal級の船よりは大きなものとなる。この一連の最終船であるDiscovery Princessは、2022年春に就航することになっている。

鋼板は、サン・ジョルジョ・ディ・ノガーロ(ウディネ)のCentro Servizi Navaliで切断された(注、起工した)。このCentro Servizi Navaliという会社は、北東イタリアにあるFincantieriの造船所向けに、物流と板金製造に特化している。(Seatrade Cruise News: Sep 03, 2021)

Bidenがデルタ変異株に関する軟調な労働統計を責め、クルーズ株にとり悪い日(米国)

クルーズ客船株のCarnival (CCL -4.9%)、Royal Caribbean (RCL -4.3%)、そしてNorwegian Cruises (NCLH -3.3%)が今日、president Biden(=Biden大統領)がCOVID-19のデルタ変異株のためだとする軟調な労働統計が出てきて、下降線をたどった。

8月、560万人が、パンデミック(注、国境を越えた大流行)のために働くことができないと話し、パンデミック前の520万人から増えた。1050万人分が現在提供されているとIndeedが見積もっていることから、雇用需要が問題ではない。

7日間平均の新たなCOVID-19の症例は、最近、150,000人の記録を突破した。この数字は、2021年1月に260,000人という頂点に達し、2021年6月に15,000人未満に下がっていた。デルタ変異株は、合衆国での新症例の99%以上を占めている。

新しいCOVID-19「Mu(=ミュー)」という変異株は、ワクチンに対する更なる耐性を持つことになる可能性があり、WHO(=世界保健機関)によっても調査されているところだ。Dr. Fauci(=Fauci博士)は、合衆国での症例は、2,000例に過ぎず、「immediate threat right now(=現在の差し迫った脅威)」にはなっていないと語った。

Carnivalは、同社船のうち6隻を追加的に再開する計画を明らかにしたものの、昨日は利益を失った。(Seeking Alpha: Sep. 03, 2021 1:49 PM ET)

Zhao Shang Yi Dun(旧Viking Sun)、中国発処女航海の準備完了(中国)

以前のViking Sunは、China Merchants Shekou(=招商蛇口)とVikingの合弁事業における第1船だ。

Zhao Shang Yi Dun(=招商伊敦)は、中国沿岸の目的地に向かう一連の7泊クルーズを提供する。13本の航海が、2021年に予定されている。

上海と深セン(=シンチェン)発の航海は旅程3本で、国内少数民族の伝統文化と現代文化を体験する機会を結合させたもの。3本の旅程は、上海から、舟山(=チョウシャン)、洞頭島(温州(=ウェンジョウ))、厦門(=シアムン、アモイ)、深センに行くものと、深セン―三亜(=サンヤー)間、そして深セン、海口(=ハイコウ)、三亜、Fenjiezhou島(海南(=ハイナン))だ。

最初の航海は、深センの蛇口クルーズ母港から10月1日に出発の予定で、海南省の三亜を訪問する。(Seatrade Cruise News: Sep 03, 2021)

不安神経症のクルーズ客、救命艇で退避(英国)

ワイト島の東海岸沖のクルーズ船から退避させる必要のある乗客が、(日曜日の)今夜早く、Bembridge RNLI(=ベンブリッジ王立救命艇協会)のAll Weather Lifeboat(=全天候救命艇)の出動を促すことになった。

Tamar級救命艇である「Alfred Albert Williams」は、Nab Anchorage(注、「ナブ停泊地」の意)に位置するRegal Princessから男性乗客1人を救護するというSolent Coastguard(=ソレント沿岸警備隊)の要請により、20時17分に出動した。

病気は正に始まったばかりで、Regal Princessに志願救命艇隊員が到達するのに長くはかからなかった。2人の隊員が状況を評価すべく、同船に乗船した。

その病人は不安神経症にかかっており、体調が悪かったことから、その妻と、手荷物と共に、Alfred Albert Williamsに移送し、Offshore Boathouseに連れてきた。1泊の宿泊施設が、2人のためにライドに手配された。

Bembridge Lifeboatは、21時15分までに正常状態に回復した。(The Island Echo: 5th September 2021 22:08)

クルーズ船、Hurricane Idaの救援活動の支援のためニュー・オリンズに向かう(米国)

フロリダ州ウェスト・パーム・ビーチ発。Hurricane Ida(=ハリケーン・アイダ)が上陸して1週間以上経過し、地元クルーズ客船会社が、救援活動の支援のため、ルイジアナ州に船を出した。

公共施設作業員が、なおも多くの最も被害を受けた地域で、電力の復旧のために奮闘しており、Bahamas Paradise CEO(=最高経営責任者)のOneil Khosaは、Grand Classicaという船を、この地域の救援作業員のための「floating hotel(=洋上ホテル)」として活用すると話している。同船には、約1か月間、この地域の作業員を支援すべく、何千本もの水、食料、衛星通信機器、その他の供給品が積まれている。

Khosaはこのクルーズ客船会社では、9月に予定された約15本の旅客クルーズを支援のために中止しなければならなかったと話している。そうしたクルーズ客には、既に連絡が取られている。(abc3340.com: Tuesday, September 7th 2021)

強風で離島フェリーの連絡が大混乱(ギリシャ)

強風で何ダースものフェリーが火曜日の朝早くから港に係留されたままとなっており、エーゲ海の島々は、洋上で、風速がビューフォート階級の8から9に達したことから、本土と分断されている。

首都の主要港であるピレウスのフェリーは、キクラデス諸島、すなわちドデカネス諸島に向けて航海していなかったが、Argonsanicのみには運航している。 状況は、アテネの東にあるラフィナでも同様であり、キクラデス諸島やマルマリ行きのフェリーは係留されたままになっているが、近隣のキトノス島やケア島には、南東アッテカのラブリオからは、いずれも到達することはできない。ギリシャの北部では、港湾局がカバラ―プリノス間の連絡を閉鎖した。

旅客は、フェリー運航事業者や港湾当局者に連絡することを勧告されている。前もって出発時刻の変更を調べてから、旅行することとされている。(ekathimerini.com: 07.09.2021 08:33)

Crystal Esprit、Crystal Cruises船隊離脱へ(米国)

旅客62人乗りのCrystal Esprit(=クリスタル・エスプリ、注、フランス語で「精神」の意)は、Crystal Cruisesの船隊を離脱する、と同社は今日発表した。

「Crystal Espritは、2015年のお目見え以来、この業界において比類なき小型ヨットの体験を提供し、見識ある旅行者の献身を獲得して、受賞歴のあるCrystal船隊の素晴らしい一部でした。」と同社は声明文の中で述べた。「しかしながら、パンデミック(注、国境を越えた大流行)後の弊社の焦点を評価した結果、この単独の小型ヨット構想は、弊社の将来計画には合わないものでした。弊社は、拡大に向けた新船建造の探索の他、Crystal Ocean(=大洋)、River(=河川)、そしてExpedition(=探検)船隊の成功した展開に専念し続けることにいたします。」

Gentingの同ブランド(=商標)買収後、Espritは改装されて、2015年にCrystal船隊に加わった。2015年以前は、原則としてGenting Hong KongやStar Cruisesからの傭船という形で利用可能だった。ドイツのFlender Werftで、1991年に建造された。

Crystalはこの情報を、全ての影響を受ける客と旅行提携者に通告し、予約済みの客には、どんな航海においても選択可能なCrystal Experienceを全額支払い予約で支払い済みのクルーズ料金の115パーセント相当の将来のクルーズ・クレジットを提供するか、全額返金する。(Cruise Industry News: September 07, 2021)

ムンバイ:週8000人の乗客を運ぶRo-Ro(インド)

ムンバイ発。マンドワとムンバイ間を走っているRo Roフェリー運航は、週に8,000人の乗客を乗せている。Ganeshotsav(=ガネーシュ祭り)が間近で、ロックダウン(=封鎖)基準が緩和され、今やライガド地区の数か所の行楽地やホテルが再開され、ムンバイの水上輸送便は、約束された反応を目の当たりにしているところだ。患者を乗せた数台の救急車が途切れない接続をするために、この運航を利用している。事実、病院が制限されているライガド地区という辺鄙な地域に滞在する人にとって、これは朗報となっている。

ムンバイからマンドワへの旅行時間は、ガネーシュ祭り期間中は約1時間で、主として人々が、ムンバイからライガド地区に向かうことから、この運航は水路を利用して自家用車で旅行できることから、重要な気晴らしを提供している。

Ro-pax船運航代理店のdirector(=取締役)であるDevika Saigalは、M2Mというフェリーが、ムンバイ市とライガド地区を結んでいると話した。

「これは単に娯楽や観光業のためのものではなく、医療施設に向かうムンバイへの素早い接続と雇用の利点のための大きな役割も果たしています。最近、国のShipping Minister(=海運大臣)のSarbananda Sonowalが、Ro-pax施設を訪問し、運航の様子を視察しました。400人と乗用車100台が乗船しているのを見て、大臣は喜び、この地方の沿岸都市にこうした施設を作りたいという希望を表明しつつ、世界一流の施設に繋がる公共と自家用の円滑な協働を賞賛しました。」と話した。

現在、週末に4便、平日に3便だ。週に8,000人以上の乗客と1500台の乗用車、350台の自動二輪車を運んでいる。Ro-Roで旅行するためには、切符に350ルピーの他、同行のペットには300ルピー、自転車には100ルピー、二輪車には200ルピー、4輪車には1,000ルピー、バスには3,300ルピーが、それぞれ追加となる。(Free Press Journal: Wednesday, September 08, 2021, 08:42 AM IST)

Carnival Gloryというクルーズ船、ハリケーンIda復旧作業支援の必須作業員の宿舎に(米国)

Carnival Glory(=カーニバル・グローリー、注、「栄光」の意)というクルーズ船が、Hurricane Ida(=ハリケーン・アイダ)の復旧作業を支援するニュー・オーリンズの病院職員、第一対応者(注、警察官、消防隊員等)、その他の緊急作業員の宿舎となる。

このクルーズ客船会社は月曜日、同市とFederal Emergency Management Agency(=連邦緊急事態管理局)との間で、9月18日まで同船を提供することで合意したと発表した。

Gloryは、金曜日にニュー・オーリンズ港に到着し、必須のUS Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)の検査を受けて、2,600人に必要な食料や水、その他の供給品を積み込み始めた、とCarnivalは、ニュース・リリースにおいて述べた。同船は、同市内のIda対応作業員の緊急宿舎を提供するため、同港に留まる。(中略)

Carnival Gloryは、9月19日にニュー・オーリンズを出発す予定の東カリブ海に向かうクルーズで、旅客運航を再開する計画だ。(CNN: Updated 9th September 2021)

インドのフェリー衝突事故で、当局が82人救助(インド)

インド、ガウハーティ発。北東インドの河川で2隻の旅客フェリーが衝突し、一晩中作業した当局者が82人を救助した、と警察が木曜日に話した。

この水曜日の正面衝突で、この船のうち1隻がブラマプトラ川に沈没し、1人が死亡した。当初、数人が行方不明になったものと心配されたが、乗客の大半は救助されるか無事に泳ぎ着いた、とアッサム州警察の長であるBhaskar Mahantaは話した。

救助された乗客4人は病院に搬送され、そこで1人が死亡した、とジョルハート市のdeputy commissioner(=副長官)のAshok Barmanは話した。

推定120人が、2隻の船に乗船していた。衝突は、アッサム州の州都、ガウハーティから約350キロメートル(220マイル)離れたジョルハートの河港であるNimati Ghat近郊で起きた。衝突原因は、直ちには明らかとならなかった。2隻目の船はその後、岸に引き上げられた。

同州のchief minister(=州首相)のHimanta Biswa Sarmaは、事故を聞いて胸が痛むとし、木曜日に現場を訪問するとツィートした。(ABC News: 9 September 2021, 19:31)

「航海に戻ろう」Heinekenが提携クルーズ客船会社向けパッケージ商品支援表明(オランダ)

Heineken(=ハイネケン)は、クルーズ業界の提携者向けの「Back to Sailing(=航海に戻ろう)」パッケージ商品支援を明らかにした。このプログラムは、「The first round is on us(=第1回戦が接近中)」と呼ばれる構想によって支援されているもので、HeinekenとHeineken 0.0という無料製品をクルーズ提携者に寄付するものだ。

Heineken Global Account Manager Cruises(=世界クルーズ顧客担当者)のChristian Klimpkeは、次のように語った。「Heinekenの野心は、ビール、サイダー(注、リンゴ酒)、セルツァー(注、炭酸水)の範疇における指導的な提携者となることであり、弊社の提携クルーズ客船会社が、2021年シーズンに収入機会を最大限にすることを支援するという目標を持って行っております。」

「航海への最も想定される復帰を祝い、弊社では、可能な限り、新時代における船内酒場や食堂の運営の原動力を調和させることになる、最も役立つやり方で、安全に健康規制の舵取りをすることができるよう、弊社の提携者を支援いたします。」

「弊社チームは、とりわけ衛生状態とソーシャル・ディスタンシング(=社会距離戦略)により、新しいやり方で実行することを支援するため、あらゆることを行っており、また客が非常に長期間切望してきたクルーズの全ての楽しみを保証する最も可能性のある雰囲気を作り上げます。」(後略)(The Moodie Davitt Report: 10 September 2021)

Samsung Heavy、中国工場の1つを閉鎖へ(中国・韓国)

9月14日、ソウル発。南朝鮮(注、韓国)の造船業者、Samsung Heavy Industries Co.は火曜日、老朽化した施設に起因する生産性低下を理由に、中国の工場の1つを閉鎖すると述べた。

Samsung Heavyは、中国政府との間で、来年早々、Samsung Heavy Industries Ningbo Co.が、土地とその他の資産を引き渡すことで話し合ってきた、と同社は、電子メールによる声明文の中で述べた。

Samsung Heavyは、中国に2つの工場を持っている。150,000トンの生産能力のあるSamsung Heavy Industries Ningbo Co.(注、寧波工場)と、船舶ブロックの製造で200,000トンの生産能力のあるSamsung Heavy Industries Rongcheng Co.(注、栄成工場)だ。Samsung Heavyは、寧波(=ニンポー)施設から撤退した後は、栄成(=ロンチェン)施設の操業に集中すると話した。

Samsung Heavyは、新株発行と、ソウルの南約400キロメートルにある巨済(=コジェ)造船所近くの労働者向け集合住宅を売却することによって、環境に優しい造船技術開発のための資金を調達する計画だ。(Korea Bizwire: Posted on September 14, 2021)

Harding、Princess Cruisesの小売業務、継承へ(米国)

Hardingは、14隻のPrincess Cruisesの全船に加え、この客船会社の来るべき3隻の船の小売業務を管理することになる。現在のPrincessの小売りチームは、Hardingに加わる。

Princess CruisesのCOO(=最高執行責任者)のNatalya Leahyは、次のように話した。「数か月前にHardingが弊社に接触してきたとき、弊社は、彼らが真の洞察力、強固な文化的同盟、そして成長し続ける弊社の小売の証明済みの能力を有する提携者となることが判っておりました。」「本日の発表は、弊社のお客様、チームメイト、弊社商標の提携者…にとって、最良のものは何かということについての、広範かつ詳細な議論を経てなされたものです。」

「a landmark day(=画期的な日)」となるこの発表に関して、Harding president(=社長)のNeil Hardingは、「grateful for the trust and confidence they [Princess] have placed in us(=Princessが弊社を信頼し信用してくれて感謝している)」と語った。

この発言に続き、Harding Travel RetailのMD(=専務取締役)であるJames Prescottは、次のように話した。「PrincessのチームにHardingが迎えられて、これ以上嬉しいことはありません。」「私は、この冒険的事業を手を携えて作業してきた中で、Princessのチームの職業気質、能力、意欲、一途な決意の水準に、非常に感銘を受けておりました。」「両社の価値観は、大変に似ております。これは、お互いに足並みを揃えた目標を有する、組織全体の完全な献身と約束のある真の長期提携であり、データによる、中心において顧客中心の行動を取るものです。」(Seatrade Cruise News: Sep 14, 2021)

CMA CGMがBrittany FerriesのCovidの崩壊からの回復支援に2500万ユーロ投資(フランス)

CMA CGMは、フランスの海峡横断フェリー運航事業者のBrittany Ferriesの「quasi equity(=準株式)」持ち分を引き継ぐことになった。

この2社の運輸業者は、「unlock synergies between the two companies in passenger and freight transport(=旅客・貨物輸送における2社の相乗作用解放)」のためのletter of intent(=基本合意書)に署名した。

CMA CGMは、Brittany Ferriesに2500万ユーロ(2950万ドル)を投資する。Brittany Ferriesは、ロックダウン(=封鎖)の余波において劇的に旅客数が落ち込んで、危険な程に財政破綻に近づいていたことから、干上がったパンデミック(注、国境を越えた大流行)を体験している。

2020年度の収益は、2019年度が4億6900万ユーロだったのに対して、半減以下の2億240万ユーロで、旅客数は、2019年の250万人から、750,000人に減少していた。

この投資には、「quasi equity(=準株式)」の1000万ユーロが含まれており、CMA CGMの幹部の1人が、このフェリー運航事業者の取締役会の1席を獲得することになり、この合意には、このコンテナ海運会社のために、Brittany Ferriesの船に、海峡を横断する貨物の収容力を確保することも含まれている。

両社は次のように付け加えた。「Brittany Ferriesのロール・オン、ロール・オフ船での商品輸送は、大西洋と、フランス北部沿岸から英国の目的地に向かうro-ro部門でのCMA CGMグループの提供を拡張することに役立ちます。」

同時にCMA CGMは、Brittanyが戦略的にその経営を、別送トレーラー輸送(注、ヘッドレス航送)という新しい方向に向かうことに役立つものと見られている。別送トレーラー輸送は、パンデミックと、英国が単一市場から離脱(注、英国のEU離脱)して以来、海峡横断便においては高い成長率を見せているものだ。

「CMA CGMとの提携はまた、Brittany Ferriesに、貨物と物流における更なる専門性獲得の道を開くものです。同社がCovid-19後(注、コロナ後)の別送トレーラー輸送といった商品輸送の傾向と、顧客の必要性により合致することができる新たな輸送サービスを提供することに、より容易く適応できることに役立ちます。」と声明文にはあった。

Brittany Ferriesは2022年末までに、バイヨンヌとシェルブール間のフランスの大西洋沿岸鉄道網において、別送トレーラー輸送を開始する計画を立案している。

この運送会社2社は、代替舶用燃料としてのLNG(=液化天然ガス)への希望も共有している。CMA CGMはコンテナ部門において先導しているが、Brittany Ferriesは、スペインと英国間の航路網において、2隻の新しいLNG駆動のフェリーを導入することにしている。SalamancaとSantonaは、来年と2023年にそれぞれ配船されることになっている。

両社は、新航路の開発を共同して行う見込みだと付け加えた。(The Load Star: 14/09/2021)

建造史上最大のクルーズ船、もはやアジアでお目見えせず、代わりにこちらで航海(米国)

Royal Caribbeanの最新かつ最大のクルーズ船、Wonder of the Seasは、2022年初めに中国の上海から航海を始めることになっていたが、今やカリブ海と地中海の旅程を航海することになった。

Royal Caribbeanは、Quantum of the Seasを使って2020年末にシンガポール発の航海を再開していたが、未だにアジアでは存在感を有している。

しかしCOVID-19により、中国は現在、クルーズを許可しておらず、そのため同客船会社は、同社の最も愛されている Oasis級の最新かつ最大のWonder of the Seasを、フォート・ローダーデールに再配置することになり、そこから2022年3月4日に、一連の春のカリブ海航海を開始する。寄港地には、コスメル、サン・マルタン島、プエルト・リコのサン・ファン、その他が含まれる。そこから、同船はスペインのバルセロナに再配置され、夏季シーズンの7泊の地中海クルーズを提供し、カプリ島、パルマ・デ・マリョルカのような港に寄港する。(Wonder of the Seasは、地中海のAllure of the Seasと置き換えになり、続いてAllureのフォート・ローダーデールへの再配置がなされ、今や同船は、そこで6泊と8泊のカリブ海航海を提供する。)

Wonder of the Seasは、同期の新船、Odyssey of the Seasに、2022年にこうした地域で加わることになる。(中略)

Wonder of the Seasの元々の中国旅程を予約していた乗客は、Royal Caribbeanが連絡を取っており、いかなるお金で支払われたものでも、全額返金される。

Wonder of the Seasのカリブ海旅程は、現在、予約受付中だ。地中海の予約は、9月22日に始まる。(THE POINTS GUY: September 15, 2021)

横浜のIR撤退、Genting Singaporeに悪影響へ(日本・シンガポール)

IR(=統合リゾート)入札から撤退するという横浜の決定は、この提携行楽地への挑戦者の1社であるGenting Singapore Ltdに悪影響を与え得るものだ。

Brokerage Morgan Stanley Asia Ltd.は、この事業は、同社に1株当たり0.13シンガポール・ドル(0.10ドル)の純現在価値をもたらし得るものだと述べた、とGGRAsiaは報じた。

Genting Singaporeは、30億シンガポール・ドルの手元資金を保有しているが、分析者は、同社には追加金融債務があると述べている。Genting Singaporeは、シンガポールでResorts World Sentosaというカジノ複合施設を運営しており、2019年には、同社は政府に、同資産の拡張のため、45億シンガポール・ドル近い投資を約束していた。

この拡張には、2軒のホテルと、ここのS.E.A. Aquariumを新しいSingapore Oceanariumに刷新することが含まれている。「Resorts World Sentosa 2.0は、新しいガラス張りの床区画を約50%拡張するもので、新しいワクワクするような呼び物、娯楽、生活様式の提供物を、164,000平方メートル以上追加するものです。」とGenting Singaporeは、当時、話していた。

もう1社の分析会社のPublicInvest Researchは、Genting Singaporeのより楽観的な見通しを発表し、同社はシンガポールが近隣地域より、Covid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)の扱いが良かったことから、同国において業績を向上するかもしれないと述べていた。しかし同社は、ここの利益は、長引くロックダウン(=封鎖)のため、とにかく打撃を受けるかもしれないことを警告した。

横浜のIRの免許を狙っていたもう1社は、Melco Resorts & Entertainmentで、Morgan Stanleyは、今回の撤退は、6月に48億ドルの負債を記録していた同社にとっては良かったのかもしれないと述べた。Melco ResortsのChairman and Chief Executive(=会長兼最高責任者)のLawrence Ho Yau Lungは、同社は横浜事務所を閉鎖するが、東京の代表事務所は維持すると述べた。(Gambling Insider: 15 Sep 2021)

貨客フェリーPavel Leonov、同船の母港であるコルサコフに到着(ロシア)

Nevsky Shipbuilding and Ship Repair Yard(United Shipbuilding Corporationの一部であるNevsky Shipyard)によって建造された貨客フェリーのPavel Leonov (Project PV22) が、同船の母港であるコルサコフに到着した、と同造船所はプレス・リリースにおいて述べた。

PV22事業の第2船であるPavel Leonovは、サハリン島に到着した。Project PV22の前船と違って、Pavel Leonovというフェリーは、Northern Sea Route(=北極海航路)というロシアのヨーロッパ地方と極東間の最短海路に沿って航海してサハリン島に来た。この船は、10,690キロメートル以上を、30日間を少し超えてやって来た。

Pavel Leonovは、今年の秋、コルサコフ―クリルスク(注、択捉島の町)―ユジノ・クリリスク(注、国後島の町)―マロクリリスク(注、色丹島の村)―コルサコフ航路で運航開始する計画で、前船のAdmiral Nevelskoyは、既に配船されている。この新船により、クリル航路の貨物と旅客の取扱数は3倍になるものと見られている、と声明文にはあった。

PV22事業船の工事は、「Social and economic development of the Kuril Islands for 2016 - 2025(=2016年―2025年クリル諸島社会経済開発)」という事業の枠組み内にあるSakhalinleasingflot JSCの発注によって実施された。

ロシアに本拠を置くNevsky Shipyard (NSSZ)であるSchliesselburgは、ロシアの北西地域における最古の水上輸送企業の1つであり、1952年から船舶の建造と修理を行ってきた。Nevsky Shipyardの生産設備は、ネバ川の左岸にある。この造船所は、遠洋船と内陸船を建造し、如何なる船種の修理や保守も行う。保有する船舶昇降機により、Nevsky Shipyardは、乾船渠の長さ150メートル、4,800トンの船舶を進水させて吊り上げることが可能だ。

United Shipbuilding Corporation (USC OJSC) は、ロシア最大の造船会社。2007年に100%連邦政府の所有により立ち上げられた。この会社は、40社の会社と組織(指導的な設計局の他、大手造船と船舶修理の会社)から構成されている。現在、USCは、国内造船複合企業の大半を占めている。ロシア市場は、世界20か国に製品を輸出してもいるが、国営企業に主な焦点が当てられている。(Port News: 2021 September 16 11:02)

南西中国で旅客船が転覆、10人死亡、5人行方不明(中国)

南西中国の貴州(=コイチョウ)省であった旅客船の転覆事故の死者総数は10人に上った、と地元当局者はChina Media Group(=中央広播電視総台)に語った。地元当局者によると、5人が行方不明のままだ。

事故は六盤水(=リューパンシュイ)市の六盤水地区にある北盤江で、土曜日の午後4時50分に発生した。日曜日の午前8時10分現在、39人が川から救助された、その後、8人が死亡し、残る31人が、命にかかわらない怪我の治療を受けているところだ。

船は、40人までの乗客を積載できるように設計されていた。当局者は、未だに事故当時に乗船していた乗客の正確な人数を調べている。救助作業と事故原因の調査が、行われている。(ECNS: 2021-09-19 20:26:09)

Costa、もう1隻が中国を離れ、Veneziaをヨーロッパに配船へ(イタリア)

Costa Cruisesは、プレス・リリースによると、Costa Venezia(=コスタ・ベネチア)が中国外に移動し、来年の5月からイスタンブール発のトルコへのクルーズを提供すると発表した。

別のニュースでは、この客船会社は、Costa Toscana(=コスタ・トスカーナ)が、来年3月から地中海に就航すると発表した。

「アジア行きのクルーズの再開を待っておりますが、弊社では、Costaでのみ利用可能となる、本当に独特な、未だかって見たことのないことのないクルーズ番組を提供すべく、Costa Veneziaを地中海に戻す決定を行いました。この新商品の中心は、世界で最も美しい年の1つであるイスタンブールのあるトルコです。段階的に運航再開するという弊社の計画に合わせ、弊社では新たなフラグ・シップ(注、旗艦)であるCosta Toscanaの就航を、2022年3月に移動させる決定も行いました。」とCosta CruisesのChief Commercial Officer(=最高商務責任者)のRoberto Albertiは述べた。

Costa Veneziaのトルコでの新番組には、3か所の異なる旅程が含まれ、全てはトルコから出航する。

2022年11月13日から、Costa Veneziaは、交互にトルコとギリシャに専念することとなる2本の1週間旅程を提供する。それぞれ10時間以上、8か所の港に寄港する1本の15日間「super tour(=特上周遊)」と組み合わせることも可能だ。

1本目の旅程には、イスタンブールに1泊寄港する2日間が含まれており、トルコの目的地はイズミルとボドルムで、ギリシャはミコノス島とアテネとなる。

2本目の旅程には、トルコのイスタンブールとクサダシに1泊寄港する1日が2回含まれており、その後、ギリシャのロードス島とヘラクリオンへの探検に向かう。

2022年から2023年は、Costa Veneziaはトルコ、エジプト、イスラエルでの3本の12日間旅程を提供し、1泊2日の寄港でイスタンブール、エジプトのアレクサンドリアに1泊し、ボドルム、リマソル、ハイファ、そしてクサダシを訪問する。

新しいCosta Toscanaは、予定された2021年12月に引き渡され、2022年3月5日に就航する。本船は西地中海で1週間クルーズを航海し、サボナ、マルセイユ、バルセロナ、バレンシア、パレルモ、チビタベッキア(ローマ)を訪問する。Costa Toscanaのクルーズは、元々は2021年12月18日から2022年3月まで予定されていたが、Costa Luminosa(=コスタ・ルミノーサ、注、「明るい」の意)と交替となり、それ故、現在、イスラエルで規制があることから、Costa Luminosaの地中海での長距離冬季クルーズは中止となる。(Cruise Industry News: September 20, 2021)

フレデリックスハウン―ヨーテボリ間、2030年までに無公害フェリー航路に(デンマーク・スウェーデン)

9月20日、スウェーデンの海運会社でフェリー運航事業者であるStena Lineは、デンマークで、Frederikshavn Municipality(=フレデリックスハウン市当局)とPort of Frederikshavn(=フレデリックスハウン港)との間で、歴史的な合意に署名した。署名当事者らは、フレデリックスハウン―ヨーテボリ間のフェリー航路を、この種の最初の無公害フェリー航路にすることで合意した。

この目標達成のため、当事者らは、2030年までに、前述の航路に排ガス・化石燃料なしのStena Elektraという2隻のフェリーを配船することを模索している。このフェリーは、約1,200人の旅客と700台の乗用車を積載できる大きさの、世界最初の化石燃料なしのRoPax船になると報じられている。(後略)(TheMayor.EU: 2021-09-21 16:46:16 (Last edit 2021-09-21 17:01:08))

Princess Cruises、オーストラリアでのクルーズ休止延長(オーストラリア・米国)

Princess Cruisesは、オーストラリアとニュー・ジーランド発のクルーズの運航休止を、2022年1月27日まで延長した。

その結果、同社は、1月17日までのCoral Princessの航海を休止した。同様にRoyal PrincessとSapphire Princessのシーズンは、2022年3月まで休止した。

「これで弊社が、発表されている北半球での航海を開始することになる前に、オーストラリアでRoyal PrincessとSapphire Princessの予定された配船を行うことができないことになることが明らかになりました。」とPrincess Cruises CCO(=最高商務責任者)のDeanna Austinは語った。

「人気の夏と新年の休日期間中のクルーズを予定されていたお客様が、とりわけこの変更に失望されることは承知しておりますが、確実に休日の計画を立てることができるよう、お客様には出来るだけ多くの注意を喚起したいのでございます。」

Princessは、全額支払った予約について「in recognition of the critical role they play in the cruise line’s business and success(=当クルーズ客船会社の事業と成功において決定的な役割を果たしていることを認識している)」ことから、旅行代理店の手数料を保護することになると話した。(TTG Asia: Posted on 22 September, 2021 14:10)

中国船撤去で、地中海の収容力に14,000床のクルーズ寝台追加(中国・米国)

地中海は、2022年に中国で航海することになっていた3隻の船が配置換えになったおかげで、追加クルーズ収容力のかなりの増加がみられることになる。

Carnival CorporationのCosta商標は、Firenze(=フィレンツェ)とVenezia(=ベネチア)により、地中海に2隻の追加姉妹船を有することになる。元々の計画では、両船はアジアで通年、中国市場に尽力することになっていた。この配置換えは、2022年の南ヨーロッパに、Costaが8,464床追加することを意味することになる。Firenzeは、2021年にヨーロッパに配置換えとなったが、その後、今週になって、2022年には、Veneziaが東地中海に移動となり、イスタンブール発の周遊クルーズを始めるというニュースが続いた。

Royal Caribbean Internationalも、新しいWonder of the Seasは2022年に中国で航海しないが、代わりに3月にポート・エバグレイズで船歴を開始し、その後、夏の西地中海クルーズのため、ヨーロッパに移動となることから、変更することになっている。ヨーロッパでは、この5,448床の船は、夏シーズンはバルセロナとローマから出航することになる。Royal Caribbeanは、同船の2022年~2023年の冬の予定をまだ発表していないが、カリブ海か中東のいずれかに再配置されるものと見られている。(Cruise Industry News: September 22, 2021)

クルーズ船を運べる巨大船(米国)

人工可動構造物で、現代のクルーズ船よりも大きなものは殆どないが、時折、そうした洋上の巨大船であっても、港に向かう際に誰かが貸す必要が出てくることがある。そこで、洋上のこうした巨大なもの(注、クルーズ船)が、自力で動かない場合、どうするか?

船舶輸送船、より正確には「semi-submersible heavy transport vessel(=半潜水型重量輸送船)」であるBoka Vanguardのようなものを呼ぶことになる。

2012年建造の長さ275メートルのBoka Vanguardは、この種の最大の船だ。典型的には、大きな洋上石油ガス構造物を輸送しているが、時には、他の船舶を運ぶためにお呼びがかかることがある。パンデミック前にCarnival Vistaが帰還した時のような場合だ。

Carnival Vistaは、Carnival船隊において2番目に大きく、乗客4,000人と船員1,500人を収容できるもので、2019年7月に、カリブ海水域で機能不全に陥った際には救援が必要となった。133,500トン(注、総トン数を重量の単位であると誤解している模様)の船を海面から吊り上げる必要がある際には、クレーンは実に選択肢にはならない(世界最大のクレーンは、約20,000トンを吊り上げる)ことから、Boka Vanguardが、むしろ異なる方法として使用されることになる。(後略)(CNN: Updated 23rd September 2021)

なぜCarnivalは市場が沈む中で値を上げているのか(米国)

何が起きた

Carnival (NYSE:CCL)(NYSE:CUK) の株式が、市場全体が値を下げているにも拘らず、金曜日朝の取引で、興奮の波に乗って4%上昇した。このクルーズ運航事業者は、2022年のクルーズの予約がパンデミック前の水準を越えているとする第3四半期の最新取引高を公表した。

だからどうした

クルーズ産業は、ほぼ間違いなく、パンデミックにより最大の打撃を受けた。というのは、残りの経済が再開を許されたときであっても、クルーズ運航事業者は、港に留まることを強いられたためだ。フロリダ州からのU.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)に対する訴訟の恐れがあったが、同機関は折れ、船が再び航海することを許可した。

Carnival、Norwegian Cruise Line Holdings (NYSE:NCLH)、そしてRoyal Caribbean (NYSE:RCL) が収入を糧を失って、事実上、休業していた18か月間、船舶の保守と船員のための費用は継続し、かなりの負債を負うことを強いられることになった。第2四半期、Carnivalは貸借対照表上において、260億ドルの負債を負っていた。大局的には、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)発生前の2019年末において、この指導的なクルーズ客船会社の負債は、100万ドル未満だった。

さて、どうなる

Carnivalは、2022年下期は、累計予約が非常に堅調だった2019年を超えていることから、とりわけ明かるいものとなっていると話している。このことは、航海需要が底流において強固なままであること示している。しかしこの旅行・観光株式の第3四半期の予約量は、コロナウイルスの変異株の勃発の影響のため、第1四半期を越えてはいるものの、第2四半期を下回っている。

更に、ここの9社のクルーズ商標が航海を再開したことから、当四半期のCarnivalのキャッシュ・フロー(注、現金勘定)は肯定的であり、これが継続するものと見られている。(後略)(The Motley Fool: Sep 24, 2021 at 11:40AM)

マラガ港、旅客クルーズ定期船、MSC Virtuosaを歓迎(スペイン・スイス)

MSC Virtuosaというクルーズ船が、9月24日金曜日の本日、マラガ水域を訪問した。ジェノバから到着して、カディスに向かうMSC Cruisesのフラグシップ(=旗艦)は、今年2月に洋上での活動を開始し、マラガ港に史上初の寄港を行い、Levante maritime station(=レバンテ海洋駅)の北端に接岸した。

この海運会社は、マラガと密接な結びつきがあり、Virtuosaの到着は、2020年2月19日にパンデミックによって混乱させられて以来、マラガ水域に同社が戻って来る兆しとなるものだ。

MSC Cruisesは今年、マラガに合計14回停泊する予定で、厳格な衛生処理対策・手順を維持しつつ、クルーズ船産業にとっては正常化への復旧となる。マラガ港への訪問は、5隻の異なる船によって実施され、12月までにMSC Splendidaが6回訪問する予定。

今日、同港へのMSC Virtuosaの初訪問を、異なる当局者が祝う伝統的な歓迎行事を終え、マラガ水域へのMSCの復帰は、2022年のかなりの予定を手に携えてやって来たものだ。同社では来年、合計27回停泊する予定。MSCというクルーズ客船会社は、1996年以来、マラガ港において運航してきた。来年に提案された数字によれば、マラガでの活動は、42%まで増加することになる。この数字は、コスタ・デル・ソルの首都で最も忙しいクルーズ会社の1社となるものだ。(The Euro Weekly News: 24 September 2021 22:20)

家族が3歳児が船上で性的虐待されたと申し立ててDisneyクルーズを訴える(米国)

バーモント州の一家が木曜日、3歳の子供が2020年1月に船の団体活動に参加した際に性的虐待を受けたと申し立て、Disney Cruise Linesに対して訴訟を提起した。今やDisneyのMagical Cruise Companyに対して、2000万ドルに上る損害賠償を求めている。

この海事訴訟は、Lipcon, Margulies, and Winkleman, P.A.(注、法律事務所)により提起されたもので、本件子供は、フロリダ州ケープ・カナベラルで乗船し、暴行時にはDisney Fantasyという定期船に乗船していたと申し立てている。この子供は、同船のOceaneer Youth Activities Clubに参加していたものと伝えられており、ここでは本件3歳児に対し、別の未成年者が暴行したと申し立てられている。原告はJohn and Jane Doe(注、匿名時に使用される男女名)とされているが、この暴行は、このDisney船に乗船中の数日間に亘って行われたと主張している。

一例において本件訴訟では、この未成年者が1月9日にchild care center(=子供介護センター)にやって来て、そこでCCTV(=閉回路テレビ、監視カメラ)の動画に、この約10歳の年長児が、3歳児と一種に横になっている様子が捉えられている。この接触時において、本件訴訟においては、当該10歳児は「excessively gropes and does not allow the minor to move nor maintain any distance whatsoever.(=過度に体をまさぐり、本件未成年者が、動いたり、少しも離れたりすることができないようにした)」と主張している。

接触が進行するにつれ、本件訴訟が主張するには、この同じCCTVの動画では、年長児が性器を触って、3歳児を性的に暴行している様が記録されているとしている。被害者は、攻撃中は押さえつけられていたと申し立てられている。申し立てられた暴行時に、この年長児は、人気のStar Wars(=スターウォーズ)という映画のシリーズのPrincess Leia(=レイア姫)の衣装を着ていた。この一家は、幼い子供は精神的危害の他、肉体的危害を受けたと話している。

この訴訟では、2人の船員がこの暴行があったと主張されている時に同室に入室しており、介入しなかったと主張して、更にDisney Corporationの過失も告発している。(中略)The Hillは、Disneyからの論評を得られなかった。(The Hill: 09/24/21 03:16 PM EDT)

巨大クルーズ定期船、MS Silja EuropaがCOP26首脳会議でグラスゴーのクライド川に接岸する(英国・エストニア)

巨大なMS Silja Europaが、グラスゴーであるCOP26(=第26回気候変動枠組条約締約国会議)に出席する代表団を迎えることになる。

この豪華船は、10月21日から11月14日までクライド川に停泊する予定だ。通常は、タリンとヘルシンキ間でのクルーズを行っている。間もなく約1,500人の客に、地元に代わり、宿泊設備と仕出しサービスを提供することなる。Silja Europaは、傭船期間中、全員がTallink Gruppの技術・サービス船員を使い、専門会社のLandry & Kling Global Cruise Servicesの仲介で傭船されている。

Silja Europaの全船室は、スィート(=続き部屋)で、空調と衣装空間(=箪笥)を備えており、浴室には床暖房もあり、ラジオと国際通話用の電話もある。また同船には、食堂、テクノジム(=技術体育室)、サウナ、マッサージ、美容施設、美容院、クラブ、そして免税売店空間がある。2020年の保守工事で、同船はより環境に優しいものになっている。船上には、陸上電力システムの設備もある。

Tallink GruppのCEO(=最高経営責任者)のPaavo Nogeneは、次のように語った。「弊社チームは、今年6月に偉大な業績を達成したチームを組織して、G7 Cornwall首脳会談を支援いたしました。弊社船の2隻と技術船員が現在、地中海で首尾よくやっており、私はスコットランドでのCOP26でも、困難に首尾よく対処するものと確信しております。」「この傭船合意で、乗客数が未だに十分に速く増加していない時期に、こうした手腕を試されることが続き、弊社事業は急騰しており、弊社船での短期及び長期の機会を特定するための作業を続けて参ります。」

グラスゴーは、10月31日から11月12日まで、the 26th UN Climate Change Conference of the Parties(=第26回気候変動枠組条約締約国会議)を主催する。世界の指導者と環境活動家らは、同市のSECビルに押し掛けて、法律による気象変動の取り組みに向けて作業することになる。(The Scottish Sun: 15:58, 25 Sep 2021)

クルーズ幹部:安定運航が予約シーズン成功の鍵(米国)

クルーズ幹部らは、クルーズ客と旅行助言者(注、クルーズ切符販売業者)にとって、安定性が必須であることを引き合いに出して、船が2022年初めのWave season(=ウェイブ・シーズン、注、「予約の書き入れ時」)に安定した運航を行うことが重要だと語った。

パンデミック(注、国境を越えた大流行)が始まって以来、最初の生出演のSeatrade Cruise Globalという会議での演説で、Royal Caribbean GroupのCEO(=最高経営責任者)のRichard Fainは、この業界の全員にとって困難な1年であって、クルーズの中止と、その後の返金と将来のクルーズ・クレジットの扱いで混乱したと話した。

「大変な混乱でした。」と語った。「来年の正に初めのウェイブ期間(注、予約の書き入れ時)は、鍵を握る予約期間です。鍵を握る予約期間が始まった時に、我々が本当に行いたいことは、弊社船を運航しており、船が運航している様が見えることであり、手順が機能していることが見えることなんです。人々がクルーズをしている様を見ることができ、中止になる心配をすることがない、といったことなんです。」

「安定の期間に本当に復帰する必要があり、私が思うに、運航している船が段々と増えて行くことは、そうなるための良い方法の1つです。この弾み車が重要な効果を持つのです。」と語った。「口コミ、つまり人々がクルーズをして、帰って来て、クルーズについて激賞してくれることです。自分がいかに偉大なのかということについては、不愉快に感じられるものです。私は、それに大賛成です。」

Carnival Corp.のCEO(=最高経営責任者)のDonaldとFainの両氏は、記録的に高い顧客満足点数が助けになると話した。

「弊社の技術革新や新船については自信がありますが、それを本当に違ったものにするのは、船上の船員です。」とFainは話した。「弊社の顧客満足点数は、我々が決して想像しなかった水準のものなんです…。船員は戻って来れてワクワクしており、それが人から人に広がっています。私が受け取るどの手紙にも、例えそれが苦情の手紙だったとしても、どれだけ船員が並外れていたかについて言及しているのです。」

Donaldは、客からの肯定的な証言は、クルーズが初めての客を励ますことによって業界の成長に役立つものだと話した。過去のクルーズ客は、Donaldが言うには、クルーズ客船会社が以前のアウトブレイク(=勃発)に対処しているのを見ていて「are comfortable(=安心している)」という。

「クルーズをしたことがない人は、これまでにクルーズをしていない理由があり、浸透するのがより困難になって来ているのです。」とDonaldは話した。「しかし我々は、船上でクルーズが初めての客を見ているところです。しかし一般集団として、それをコツコツと削りとって行かなければならないのですね。最も強力な市場開拓の道具は、口コミです。それで、安全に成功裏に航海を続けて、人々が時を過ごし、一生の記憶を作る中で、それを共有することになるのであって、我々がこれまでに体験した業界の成長を、もう1度見ることになるのです。」

Fainは、Royal Caribbeanでは今、船上で多くの(クルーズが)最初の客が航海していることに驚いている、と語った。

「このパンデミックに突入した時、全ての世論調査には、酷い偏向がありました。」とFainは語った。「クルーズをしたことのある人は、クルーズ客船会社に現実的な信頼があるのですが、クルーズをしたことがない人は、疑い深いのです。」

その結果、その思い込みというのは、Royalの本拠地が復活して「it would take years to penetrate into the rest of the market(=残りの市場に浸透するに、何年もかかるだろう)」というものになっていたのだった。

「そうはなっていないのです。」と話した。「(クルーズが)初めての客はやって来ているのですよ。」(Travel Weekly: Sep 28, 2021)

CGR、2隻目の新しい鉄道連絡船の引渡しを受ける(米国・中国)

2隻の新しい鉄道連絡船の2番船が、1番船のアラバマ州とメキシコのベラクルス州間での成功裏の処女航海に引き続き、CG Railway (CGR)に引き渡された、とこの短距離海運業者は9月28日に報告した。

中国のCSSC Huangpu Wenchong Shipbuilding Companyが、Genesee & Wyoming Inc. (G&W) とSEACOR Holdings Inc.の合弁企業であるCGR向けの両船を建造した。CGRは3月に、この発注を発表していた。

Cherokee(=チェロキー、注、アメリカン・インディアンの部族名)は、今年これまでに到着していた。鉄道車両122両を積載したこの鉄道連絡船の初就航はモービル港からの9月12日で、9月15日にベラクルス州のコアツァコアルコス港に到着した。9月18日、Cherokeeは、130両の鉄道車両を乗せて帰路に就き、3日後にはモービルに接岸していた。

9月22日、CGRは2隻目の新船、Mayan(=マヤン、注、マヤ人)の引渡しを受けた。12月に就航するものと見られている。

両鉄道連絡船は、長さ590フィートで、135両までの鉄道車両を積載できるように設計されており、代替されるフェリー(注、連絡船)との比較で、(115両の車両から)17%、収容力が増加している。最高速力は、7ノットから14ノットになった。

CGRは、U.S. Class III貨物鉄道として運航しており、現在は、モービル港とコアツァコアルコス港の専用鉄道連絡船ターミナルを運営する長期契約に基づき、メキシコ湾を横断して、年間約10,000両の多種多様の日用品を輸送している。

CGRは合衆国に、G&Wの子会社であるAlabama & Gulf Coast Railway、CN、CSX、Norfolk Southern、(BNSF、Kansas City Southern、Union Pacific及びMississippi Export Railroadと連絡する)Alabama State Port Authority’s Terminal Railway、更にはメキシコの(FCCM/FIT、Ferromex、TFVM、そしてKansas City Southern de Mexicoと連絡する)Ferrosurと共に、直行インターチェンジ(=立体交差)を保有している(後略)(Railway Age: September 28, 2021)

ニュー・ウェストミンスター、駒形丸事件での役割を謝罪(カナダ)

ニュー・ウェストミンスター発。ニュー・ウェストミンスターの市長は、Komagata Maru(=駒形丸)事件において同市が「discriminatory and exclusionary(=差別的で排他的であった)」と市長が呼ぶものについて、南アジアの共同体に対し謝罪した。

Mayor(=市長)のJonathan Coteは、当市は「regrettable views and actions of the past(=過去の残念な見解や行動)」を取り消すことはできないとしつつ、今や、より良く行動することに取り組んでおり、全ての民族及び文化的少数派との関係を強化していると話している。謝罪の中で、Coteは共同体、家族、そしてこの事件の影響を受けた子孫に対して直接話しかけた。

「私達の謝罪を聞いて下さった南アジアの共同体に対し、感謝します。将来、全員にとって、繋がった、どんな人でも受け入れようとする共同体を建設するため、皆さんと作業することを心待ちにしております。」

2019年の評議会で、この謝罪が起草され承認された時、Descendants of the Komagata Maru Society(=駒形丸子孫協会)の広報担当者であるRaj Singh Toorは、議会に対し、通りや公園、その他の私有財産を、駒形丸に因んで命名することを検討するよう求めた。(中略)

1914年、376人のインド人移民が、日本の汽船、駒形丸に乗ってブリティッシュ・コロンビア州の沿岸沖に到着したが、バンクーバーに入ることは拒絶されることになった。ここは当時、国内で最も多様性のある都市だった。

当時の移民規制は、移民は出身国から直接にカナダに到着することを要求するものだった。この旅行は、当時、現実には不可能なものだった。

以前、カナダに居住していたことのある20人の乗客を除いて、たとえ当時の他のカナダ人のように英国臣民であったとしても、当局はこの移民の入国許可を拒絶した。同船はインドに引き返し、乗客のうち19人が、英国当局との小競り合いの中で殺害され、他の多数は、投獄されるか、隠遁を強要された。(NEWS 1130: Posted Sep 28, 2021 4:44 pm PDT)