2021年10月

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2021年10月の海外旅客船情報

Ponant、新しいLe Commandant Charcotを正式に進水(フランス)

今週これまでにPonant(=ポナー、注、「西」の意)は、その新しいLe Commandant Charcot(=ル・コマンダン・シャルコー、注、「シャルコー船長」の意)を正式に進水させた。

就航式が、フランスの探検家、Jean-Baptiste Charcot(=ジャン・バティスト・シャルコー)が南極への旅行に出発したフランスのル・アーブルで執り行われた。

PONANT船隊の13番船は、この探検家のひ孫娘のAnne Manipoud-Charcot、PONANTのCEO(=最高経営責任者)、そしてCaptains(=船長)のEtienne GarciaとPatrick Marchesseauが出席した式典において、就航した。

「この事業の大胆さは、単に乗客を北極や南極の遠く離れたところに連れて行くだけのものではなく、安全に行うもので、それから我々を移動させることになる汽船と同一の価値と続きます。弊社の方針は、第一に自然に対する敬意であります。弊社が旅行している大洋と、脆弱な生態系に、どれほど恩恵を受けているかを知っております。とりわけ極地は、最大限の敬意と注意を払うに値するものであります。弊社は毎日、この使命に尽力しているのです。」とPONANTのCEOであるHerve Gastinelは語った。

バイオリン奏者のNamanja RadulovicとピアニストのLaure Favre-Kahnによる音楽が、エトルタの崖の沖のノルマンディーの空に鳴り響いた。料理人のAlain Ducasse、造船技師のJean-Michel Wilmotte、監督のLuc Jacquet、設計者のJean-Philippe Nuelが、Vard造船所、Stirling Design International、そしてAker Arcticといった同社の他の提携者と並ぶ来賓客の中にいた。French Ambassador for the Poles(=フランス極地大使)であるOlivier Poivre d’Arvor、Paul Emile Victor Institute(=ポール・エミール・ビクター極地研究所)のDirector(=所長)であるJerome Chappellazも出席した。(Cruise Industry News: October 01, 2021)

会社、2022年にメーン州―ノバ・スコシア州間フェリー再開の意向(カナダ・米国)

メーン州バー・ハーバー発。カナダの会社が来年、バー・ハーバーへのフェリー便を再開させ、メーン州―ノバ・スコシア州間の運航を再開する計画を立てている。

Bay Ferriesは、バー・ハーバーからノバ・スコシア州ヤーマスに向かうフェリー便を10年以上も前に開設し、その後、ポートランドに移し、2009年に運航は終了した。Bay Ferriesは、2019年シーズンに復活させようとしたが、フェリー・ターミナルの刷新と承認を間に合わせることができなかった。

その後、パンデミック(注、国境を超えた大流行)が到来し、2020年と2021年の運航を断念した。(13 WGME: Sunday, October 3rd 2021)

第二次世界大戦中に船が沈められて死亡した英国人戦争捕虜の記念碑が除幕(英国・日本)

第二次世界大戦中に船が雷撃されて死亡した何百人もの英国軍人の記念碑が、除幕された。

Lisbon Maru(=りすぼん丸)は、合衆国の潜水艦によって沈められた時、日本兵と1,800人以上の英国人戦争捕虜を乗せていた。乗船していた英国人軍人のうち、828人が、この事件で死亡した。

新しい記念碑の奉献式が、National Memorial Arboretum(=国立記念植物園)で執り行われ、退役軍人やArmed Forces(=国防軍)関係者の他、りすぼん丸に乗船していた者の子孫が出席した。(後略)(Lichfield Live; 4th October, 2021)

国際クルーズ船が来年、仁川港訪問へ(韓国)

10月4日、仁川発。南朝鮮(注、韓国)の港湾運営者であるIncheon Port Authority(=仁川港湾公社)は月曜日、国際クルーズ船が、クルーズ船の入港が禁止されて2年以上になる来年、仁川(=インチョン)港にやって来ることになっていると語った。

南朝鮮(注、韓国)政府は、横浜近くの日本沿岸沖のクルーズ船で、130件の確認症例が報告されたのを受け、コロナウイルスが広がるのを抑えるために、2020年2月、豪華定期船に対し入港禁止を課した。

仁川港湾公社は来年、ソウルの西約40キロメートルにあるIncheon Port(=仁川港)に、3隻の国際クルーズ船が寄港する予定だと話した。MS Artaniaが3月に同港にやって来ることになっており、Hanseatic Inspirationは5月、MS Regattaは10月に同港に錨を下ろすことが予定されている。とりわけHanseatic Inspirationは、仁川港を母港として使用する計画で、これは、クルーズ船の乗客が、Incheon International Airport(=仁川国際空港)経由で南朝鮮(注、韓国)に入国後、地方旅行を開始することを意味するものだ。

2020年2月以来、国内の港湾に到着した国際クルーズ船はない。(Yonhap: 13:05 October 04, 2021)

NCB、クルーズ船薬物事件で更に2人逮捕(インド)

麻薬取締機関は、10月2日のゴア行きの船への急襲に引き続き、これまでに9人逮捕し、これにはボリウッド(注、インド映画産業)の大スター、Shah Rukh Khanの息子のAryan Khanが含まれていた。

Narcotics Control Bureau(=麻薬取締局)は、ムンバイ沿岸沖のクルーズ船での禁止薬物の押収事件に関連し、更に2人逮捕した、と2021年10月5日火曜日にNCB(=麻薬取締局)の係官は話した。この麻薬取締機関は、土曜日のゴア行きの船への急襲に引き続き、これまでに9人逮捕しており、これにはボリウッドの大スター、Shah Rukh Khanの息子のAryan Khanが含まれていた。

この急襲の後、NCBのムンバイ方面隊は、逮捕者と繋がりのある麻薬密売人の一斉検挙を開始した。麻薬取締局の刑事は取り調べのため、当地のNCBの事務所に、当地の何人かの容疑者も連行し、これにはクルーズ船から連行された者もいた。容疑者に対する取り調べで、逮捕後、更に2人の人物の役割が明らかとなった、と身分を明らかにすることなく係官は話した。これまでに11人が、このクルーズ船での禁止薬物を押収に関連して、逮捕されている。

10月4日にNCBは、国際的麻薬密売取引が明らかになった事件との関連で逮捕された他の2人とAryan KhanとのWhatsApp(=ワッツアップ)のチャットにおいて「shocking and incriminating(=衝撃的で有罪になるような)」ものが回収された、と市裁判所の面前で主張した。

この麻薬取締局は、Aryan Khan(23)と他の8人を、裁判所の許可を得て木曜日まで再勾留し、またWhatsAppのチャットにおいて、彼が(薬物の)調達に対する支払方法を議論し、数人の暗号名が使用されていたことも主張した。Aryan Khanの弁護人は、依頼人の所有物からは、薬物は回収されなかった、と主張した。(The Hindu: October 05, 2021 09:34 IST)

新たな生命線のCalMacのフェリーが「100,000ポンド以上」注ぎ込んだ半分の船となって、憤慨(英国)

大臣らは、グラスゴー港の造船所を沈滞させている例の2隻の船の1隻にかける費用のほんの一部で、1隻の中古船を購入する動きは、「sticking plaster(=絆創膏)」に過ぎず、島の混雑問題を解消するものではないと話している。

MV Utneは、45隻のカー・フェリーを運航するノルウェーの海運会社であるNorledから購入したが、来年まで動かない。(The Herald: 6th October)

多くの航海が金曜日に再び運休、従業員が「麻痺した」Washingtonフェリー網から逃げ出すことも(米国)

ワシントン州フライデー・ハーバー発。約250人のWashington State Ferries (WSF) の従業員は、Ferry Advisory Committee(=フェリー諮問委員会)の構成員経由の情報によると、Gov. Jay Insle(=Jay Insle知事)のワクチン義務の締め切りまで2週間も無くなってきているのに、COVID-19のワクチンを未だに接種していないという。

州政府の従業員は、10月18日までにワクチンを接種するか、失業の危険を負うことになる。専門家らは、かなりの従業員の喪失が、WSFにとって大問題となり得ると懸念している。船員不足、機械的な問題、そして運休が、パンデミック(注、国境を越えた大流行)中には当たり前になっている。

「lack of Coast Guard documented crew(=沿岸警備隊に確認された船員の不足)」のため、少なくとも30回の横断が木曜日には運休となり、100航海以上が金曜日に運休あるいは遅延となった。最新のWSF運航警報は、ここをクリック(注、リンク先省略)(後略)(king5.com: 5:08 PM PDT October 7, 2021)

フェリーのPlaquemine、職員不足で今週末、運休(米国)

バトン・ルージュ発。Plaquemineというフェリーは、労働者不足のため、今週末は川を横断する通常の運航を行わない。

Department of Transportation and Development(=運輸開発局)は金曜日に、同フェリーは月曜日まで運航に復帰しないという発表を行った。このフェリーは、午前4時30分から午後9時まで、通常の平日運航は維持する。(WBRZ: October 08, 2021 3:33 PM)

モービルのクルーズ船は少なくとも2022年3月まで復帰せず、遅延はモービルの増税者の負担となる(米国)

アラバマ州モービル発。Alabama Cruise Terminalの埠頭は、18か月以上も船無しの状態だ。

今やCarnivalは、2022年3月に再びお馴染みの哀愁のある汽笛をこの最古のPort City(=港湾都市)は聞くことになると話している。「本当にガッカリです。」とCustomCruiseWear.com.の社主は話した。「発表を聞く度に息が止まります。」

CustomCruiseWear.comは、クルーズ・シャツ、横断幕、そしてお土産を作っている。Grayの会社はモービルにあり、名称から分かるように、クルーズは彼女の生活の糧だ。同業界の遅い再開が、彼女を害している。「全ての船が運航に復帰して、パンデミック前に戻ることを本当に願っています。」と話した。(中略)

現在のところ、Carnivalのウェブサイトには、Sensation(=センセーション、注、「お騒がせ」の意)の最初の航海は、3月5日であるとしている。Grayは、再び母港での商売再開ができるよう、事実であることを望んでいる。

「これが最後の中止であることを、祈っています。」と話した。「私個人としては、なぜ遅延しているのか理由が判りませんし、戻って来れない訳が判りません。」

この最新の発表では、Carnivalの船隊の90%が、2月までに運航に復帰するという。Sensationは、未だに止まっている3隻の船の1隻となる。(FOX 10 News: Posted on Oct 8, 2021)

コンゴ川で船が沈没、50人以上が死亡、更に行方不明(コンゴ)

Democratic Republic of the Congo(=コンゴ民主共和国)(DRC)の州当局者によると、今週これまでに、コンゴ川で間に合わせの船が転覆し、50人以上が死亡し、更に多くが行方不明になっているものと考えられているという。

月曜日から火曜日にかけての夜間に沈没した船から、金曜日遅く、51体の遺体が収容され、70人近くが行方不明になっているものと考えられている、と北西のモンガラ州知事の報道官、Nestor Magbadoは土曜日、通信社のAFP(=フランス通信)に語った。生存者は39人だという。乗船していた乗客の乗船名簿はなく、行方不明者数は、同船の収容力を基にした見積もりだ、と語った。

同船は、pirogues(=ピローグ)として知られている9隻の伝統的な木製カヌーを全てを結び付けたものだ、とMagbadoは話したまた、事故は夜間の「overcrowding aggravated by bad weather(=悪天候によって激化した過積載)」によるものかもしれないと付け加えた

事故の規模は、金曜日の夜のメディア報道と、州当局者が土曜日に確認するまでは、明らかになっていなかった。Magbadoは、モンガラ州当局者は、DRC(=コンゴ民主共和国)の首都キンシャサの当局者に、発生直後に沈没した事実だけを通報したが、犠牲者の人数についての更なる情報を待っていた。

捜索・救助活動が続けられているが、更なる生存者発見の希望は消えつつある、と話した。州当局者は、月曜日から3日間、喪に服すことを宣言した。

船舶事故は、この広大な鉱物資源の豊富な国では一般的だ。というのは、船舶はしばしば、乗客と貨物を積み過ぎているためだ。船で旅をする乗客の大半も、しばしば救命胴衣を身に着けていない。

2月にマイヌドンベ州のLongola Ekoti村近くのコンゴ川で700人を乗せた船が転覆し、少なくとも60人が死亡している。1月には、キブ湖で旅客船が沈没し、少なくとも3人、すなわち子供2人と女性1人が溺死している。

2020年5月には、キブ湖で旅行中の娯楽船が転覆して、8歳の少女を含む10人が死亡している。2010年7月には、西部のバンドゥンドゥ州で船が転覆して135人以上が死亡した。(Al Jazeera: 9 Oct 2021)

沿岸警備隊、クルーズ船Carnival Gloryの乗客を病院に搬送(米国)

ニュー・オーリンズ発。土曜日、US Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)は、ニュー・オーリンズからざっと87マイル南西のクルーズ船からの乗客1人に対応した。

Coast Guard Sector New Orleans(=ニュー・オーリンズ管区沿岸警備隊)のWatchstanders(=見張り)は、クルーズ船Carnival Gloryから、午後9時30分頃、45歳の男性1人が内部合併症により更なる医療を要すると報告する通報を受信した。

Coast Guard Air Station New Orleans(=沿岸警備隊ニュー・オーリンズ航空基地)のMH-65 Dolphinというヘリコプターの隊員が、発進の指示を受けた。この航空機乗組員は、現場に到着して乗客を吊り上げ、更なる医療のためにUniversity Medical Center New Orleansに搬送した。(klfy.com: Oct 10, 2021 / 05:17 PM CDT)

Stena Line、ホリーヘッド―ダブリン間のスーパーフェリーの舵を取る最初の女性船長、Lynette Brysonを発表(英国等)

Stena Lineは、ブレグジット(注、英国のEU離脱)とパンデミック(注、国境を越えた大流行)で空き部屋を満たすために必要な人が不足しており、この分野の不足を巨大な技量で対処する、と話している。

海運業において熟練労働者が不足していることから、現在、その才能を巡っては熾烈な競争がある。Stena Lineは、もし海運業がこの雇用危機を解決することになるのならば、より多くの女性が、しばしばなおも男性のためのものと見られている洋上での職歴で働くことを勇気づけることになるに違いない、と考えている。

同社は、アイリッシュ海のStena Adventurer(=ステナ・アドベンチャー、注、「冒険」の意)のMaster(=船長)になった33歳のLynette Brysonを最初の女性Captain(=船長)に任命したと発表した。彼女は、全員が女性上級船員によるBridge(=船橋)チームも有している。

Stena Adventurerは、Stena Lineの船隊における最大船の1隻だ。鍵を握るダブリンからホーリーヘッドに向かう航路に就航しており、1日4便の運航、Night Master(=夜間船長)のLynette Brysonと彼女のチームが、うち2便の責任を負っている。

2017年にStena Lineに加わって以来、Lynetteは、同船における鍵となる指導力に対する専門性、献身、そして勤勉な取り組みの結果として、4回昇進して、それらの階級を通じて働いてきた。Captain(=船長)のBrysonは、次のように話した。「Stena AdventurerでMasterとして、そして会社初の女性Masterとして航海していることで、私は大変、誇りに思っております。このことは、Stena Lineの同僚の支援失くしてはなしえなかったことです。」

「1人の若い女として、私は常に洋上での職歴を夢見てきましたが、Captainとなることができるとは、決して考えたことはありませんでした。私の地位が、更に多くの若い女性が私の道の後に続くことを勇気づけ、海上での職歴で成功することを望んでいます。」

このスウェーデン企業は、2022年末までに女性船長を30%指名することを、その目標にしている。この分野では、120万人の海員のうち、女性は僅か2%であり、これは、他の会社が成し遂げようとする挑戦を課すことになる野心的な目標の1つだ。(Business Live: 13:35, 11 OCT 2021)

Attica Group、ANEK吸収を計画(ギリシャ)

クレタ島沿岸海運会社のANEKとAttica Groupの経営陣は、ギリシャ・フェリー市場に関わるAtticaによる、ANEKの吸収合併について、貸方銀行と話し合った。

対象となるのは、1つの経営によって運航されているBlue Star、Superfast、Hellenic Seaways、そしてANEKのフェリー船隊。来年の夏が目標とされている。

ANEKの財政問題を解決し、このハニアに本拠を置く沿岸海運会社を救済することになることから、こうした合併は、一度に数件の対象物に出会うことになる。ここの企業価値は、3年以内に10億ユーロ以上に達するかもしれない。また混乱することなく、諸島が本土との連絡を続けることが確保されることにもなる。

決定的なことは、新しい環境基準に合致して、その船隊を変容させる包括的な財政の挑戦に適合させるために要求される規模と輪郭が、Attica Groupには更に与えられることだ。

ANEKは、2億5000万ユーロの借金を抱えており、更に納入業者、その他の第3者に対する追加的債務が、総額5000万ユーロに上っている。この机上の取り引きでは、銀行融資、納入業者に対する支払い保証を、かなり刈り込むことになる。(ekathimerini.com: 12.10.2021 06:43)

Tallink:業界は「別の非常に困難な冬」に直面(エストニア)

Tallink Groupは、渡航制限によってこれまでに業績が悪化していることから、乗客数が第3四半期に前年比で落ち込んでいるのを見ている。

パンデミックに引き続き、旅行回復が世界的に語られているにも拘わらず、当期、このフェリー会社が運んだ1,144,092人の乗客は、2020年の人数との比較で13%の減少だった。

9月の数字は、2020年との比較で、乗客数において27.6%の増加で期待が持てたが、Tallink CEO(=最高経営責任者)のPaavo Nogeneは、同業界は今後、予約が期待よりも不振であることから、深刻な減少に直面すると考えている。

「数字が未だに、Covid以前の時代の当四半期に考えていたものからは遥かに下回るもので、弊社では、来年の春か夏になるまで、乗客数が大いに増えるとは予想していません。」と語った。「これが直面している現実で、旅行業界がもう1つの非常に困難な沈滞の秋冬シーズンを迎えることになるのは明らかです。」(中略)

乗客数がなおも減少していることから、Tallinkは1月にBaltic Queen、Silja Europa、そしてSilja Serenadeの3隻の運航を一時休止している。同社の通勤船であるStarとMegastarも、10月16日から冬季運航予定を開始する。(後略)(DFNI-Frontier: October 12, 2021)

アジアでは香港、日本、シンガポール、台湾で再開、しかし中国と朝鮮は不透明(米国)

「我々は、将来については大変に楽観的です。乗客の多くはクルーズが初めてで、クルーズ産業が安全であることが証明されて、満足度が高いのです。」とSingapore Tourism Board(=シンガポール観光局)のdirector cruise(=クルーズ主任)のAnnie Changは、Seatrade Cruise Global 2.0 Power Weekでの、今日のAsia Pacific Demand部会で語った。

危険解消

「クルーズ再開は、全ては危険緩和次第であって、危険解消ではありません。」 とChangは付け加えた。彼女は、COVID以前の水準の処理量には、2024年か2025年までに達成し得ると予測した。2019年には、アジア広域で2,000本弱のクルーズを運航する79隻の船があった。

Gentingは、2020年にアジアでクルーズを再開した最初のクルーズ客船会社であり、昨年7月に台湾の基隆(=キールン)からExplorer Dreamで開始し、11 月にはシンガポール、香港からは2021年7月にGenting Dreamと続いた。Genting Cruise LinesのSVP planning & port management(=計画・港湾管理上席副社長)のRaymond Limは、再開への道を「great learning journey(=偉大なる学習の旅)」と呼び、この最初の作業をおこなったSTBと地元利害関係者、そして「whose model we also used to kick start sailings from Hong Kong(=香港発の航海開始にも弾みをつけた様式)」を賞賛した。

中国本土

中国本土では「after 19 months of no cruising there is still no clarity from the government on when international operations might begin(=19か月間クルーズがなく、いつ国際運航が開始できるのかについては、未だに政府はハッキリしない)」とRoyal Caribbean Cruise Asiaのchairman(=会長)であるZinan Liuは述べた。

国内市場には、何がしかの制限された動きがある、と話した。「Viking Sun (Zhao Shang Yi Dunと改名)を使用したViking Cruises and China Merchants Shekou jvが沿岸クルーズを開始し、他方において、Astro OceanのPiano LandがHainan Free Zoneの支援を受けて、どこにも行かないクルーズの運航許可を受けたものの、まだ始めていないのです。」

Costa CruisesのSVP Commercial(=商業上席副社長)のBernie Yeは、同意した。「国際クルーズが中国で再開されるという兆しは、まだ見えません。一方で、2隻のCosta船(Costa AtlanticaとCosta Mediterranea) は、CSSC Carnival Cruise Shipping jvに移籍となり、ドバイで船員を乗せて係船しており、もしクルーズに青信号が出れば、中国に再配船することが可能です。」と述べた。

Yeは(予定された中国の代わりに)ヨーロッパへのCosta VeneziaとCosta Firenzeの配船は、「intermediate solution(=中間解)」であると呼び、中国と日本の再開時期が明らかになれば、「We can bring the ships to Asia plus we have the first newbuild of the jv CSSC Carnival Cruise Shipping delivering in 2023.(=この船に加えて、2023年に引き渡す合弁企業のCSSC Carnival Cruise Shippingの最初の新造船も持ち込むことが可能だ)」という。

南朝鮮(注、韓国

Liuは、中国が再開されるや、南朝鮮(注、韓国)が献立の上に戻って来るだろうかと聞かれた。「我々は、両国間のクルーズ再開について、港湾や、地方・中央政府と連絡を取り合っておりますが、現在、南朝鮮(注、韓国)はパンデミック(注、国境を越えた大流行)の制御に専念しており、返事がありません。」と回答した。Liuは続けた。

「中国政府のCOVIDゼロの立場は、最優先事項の1つですが、私は、この手法は、徐々に西側の手法に近づき、危険解消よりはむしろ、危険緩和を受け入れることになると思います。しかし現在よりも危険を逓減することが必要となることが判るまでは、政府が手法を変更するには、しばらく時間がかかるでしょう。」

しかし彼とYeは、状況はもはや、2019年と同じではないと指摘した。Liuは、次のように説明した。「今や5隻の船を所有する4社の国内クルーズ客船会社があります。すなわち、2隻保有のCSSC Carnival Cruise Shipping? jv、Astro Ocean CruisesのPiano Land、建設集団のSanya International Cruise Developmentが所有するCharming、そしてBlue Dream Starを運航する民間部門です。」

台湾

台湾は、Dream Cruisesが基隆(=キールン)発のExplorer Dreamを配船したことから、パンデミック中、東アジアにおける最速成長中の市場になった、とChart Consultantsのprincipal(=社長)である司会者のTed Blameyは指摘した。

東南アジアの可能性

パネリスト(注、公開討論会の出席者)は、フィリピン、インドネシア、マレーシア、そしてベトナムといった諸国を、国際旅行が再開されたならば、クルーズ客船会社が複数の旅程を再導入することを便利にするための調和の取れた安全手順の適合を確実にするための作業をしている中で、東南アジアが、短期間に成長する最大の可能性を有していることで合意した。「地域母港と寄港地の間で、標準的な手順を有することは大変に重要です。」とChangは話した。

Liuは、中国の消費者のクルーズに対する欲求は「has not changed(=変わっていない)」と信じており、国際企業の同市場に対する関与は「will not change but it will take time to rebuild to 2019 levels.(=変わらないが、2019年の水準を再建するのには時間がかかる)」と考えている。

輝かしい未来

パネリスト全員は、アジア太平洋のクルーズ産業の将来に対しては、大変に期待しており、この地域が共に作業することの必要性が、これまで以上のものとなっていることに賛成した。「私の最高の推測というのは、2024年までにパンデミック以前の活動に復帰していることを見るというものです。」とYeは話した。(Seatrade Cruise News: Oct 12, 2021)

ムンバイ:税関、Cordelia Cruiseの船の仮免許に2日間供与(インド)

Customs department(=税関局)は、Cordelia Cruiseの船に、免許が取消にはならないものとするMerchant Shipping Act(=商船法)のSections 406 or 407(=406節又は407節)の下で仮免許を得るため、2日間の時間を与えた。

9月15日、仮免許がCordelia Cruiseに付与され、これは9月19日まで延長になっていた。規定された25日間を越える期間にも拘わらず、ここのクルーズ経営陣は、商船法の下で、DG Shippingから、未だに同船の免許を得ていない。

この経営陣が規定された期間内に、DG Shippingからの免許証の写しを提出することができなかった場合、税関は、以前はMV Empressとして知られていた Cordelia Cruiseの船に対する免許を拒否することになる。というのは、本船は「foreign going vessel(=外国行船舶)」から「coastal vessel(=沿岸船)」として運航することが許可されていたためだ。

Cordelia CruiselinerのEmpressという船は、ボリウッド(注、インド映画界)のスーパースター、Shahrukh Khaの息子であるAryan Khanを含む、注目を引く有名人が関与した麻薬の押収事件の中心地となっている。

間もなくして、NCB(=麻薬取締局)の麻薬の押収を受け、Waterways Leisure Private LimitedのCEO and President(=最高経営責任者兼社長)のJurgen Bailomが、Cordelia Cruisesを代理して正式声明を行った。これには次のようにあった。

「私は、Cordelia Cruisesが、直接的又は間接的に、この事件に全く関係していないことを表明したいと思います。Cruisesは、私的な行事のために、デリーに本拠置く会社に船を傭船したものです。弊社は、こうした行為の全てを糾弾するものであり、将来、弊社船が同種の行事に使われることを厳しく忌避いたします(原文のまま)。」(India Today: October 13, 2021)

COP26:クルーズ船MS Romantika、COP26を前にグラスゴーに到着(英国・エストニア)

COP26(=第26回気候変動枠組条約締約国会議)の代表団が宿泊することになっている2隻の巨大なクルーズ船の1隻目が、今日、クライド川に到着した。

クルーズ定期船、MS Romantikaは、Braehead Shopping Centreに隣接するグラスゴーのKing George V(=ジョージ5世国王)埠頭に接岸した。この豪華船は、COP26の全期間中、クライドに接岸するが、大体、乗客2,500人、乗用車300台を収容する能力がある。今や本船は、無事に接岸し、今後数日内にエストニアから到着するMS Silja Europaが、これに加わることになる。

MS Silja Europaは、この首脳会談の間、代表団を宿泊させる意図でグラスゴーに接岸するものと見られていたが、宿泊設備の予約や価格の懸念から、2隻目の船を持ち込む決定がなされていた。両船は、Tallink Gruppが所有している。同社のchief executive(=最高責任者)のPaavo Nogeneは、次のように語った。「Tallink Gruppは、非常に素早く、柔軟かつ専門的に、この最も複雑な行事の必要性と要求に適合させることができます。」(中略)

グラスゴーは、気候危機に取り組むため、11月に世界中の国々から来た120人の国家首脳と20,000人の代表団を迎えることになっている。この2週間の行事の間の同市の道路封鎖については、旅行時には同市を回避することとされていることから、懸念されてきた。

COP26は、正式には10月31日に始まり、11月12日に閉幕する。こちらで、会談中のグラスゴーの全ての道路封鎖について知ることが可能だ(注、リンク先省略)。(The Herald: 14th October)

イタリアの造船業者、ユカタン州の1億5000万ドルの造船所を発表(メキシコ・イタリア)

イタリアの造船業者が、プログレソ港の拡張と近代化の一環として、ユカタン州の造船所に対する1億5000万ドルの投資を発表した。

この新造船所は、ヨーロッパ、ラテン・アメリカ、合衆国、そしてアジアに会社を持つ多国籍企業のFincantieriにより建設されることになり、大型船の修理、改造、保守の基地として使われる。この事業には、2基の巨大石造船台を建設する計画が含まれており、これはラテン・アメリカ最大のものとなる、とEl Universalという新聞は報じた。

Fincantieriという会社の重役は、Yucatan Governor(=ユカタン州知事)のMauricio Vila Dosalが、イタリアのモンファルコネにある既存の造船所のいくつかを視察したことを確認した。同知事は現在、ヨーロッパの経済宣伝旅行を行っているところで、同国への投資を惹きつけ、経済を復活させることを狙っている。

Vilaは、他の海事産業会社も視察しており、これにはANPAとMarine Interiorsが含まれ、両社は船舶工事で使用される資材や部品を製造しており、プログレソにおいて存在感があるともいえる。Marine Interiorsは、クルーズ船用の船室や便所の指導的な製造業者の1社。(Mexico News Daily: Published on Thursday, October 14, 2021)

家族、船上で幼児が性的ないたずらをされたと話す、Disneyは主張否定(米国)

フロリダ州ケープ・カナベラル発。バーモント州のある家族が、Disney Cruise Linesに訴訟を提起した。その3歳の娘が船内の託児所内で、人手不足と従業員の不十分な訓練のために、年長の子供によって性的ないたずらを受けたと話している。

先月、オーランドの連邦裁判所に提起されたこの訴訟では、Disney Fantasyの託児所で働いている従業員は、2020年1月の旅行中に、このいたずらを家族に教えてくれることはなく、十分な訓練を受けておらず、あるいは子供を扱う仕事をする免許を得ていなかったとしている。訴訟では、従業員らは年齢別に子供を分けるべきだったとしている。

Disney Cruise Lineの広報担当者は、この家族の申し立ては「wholly without merit(=全く評価に値しない)」と話している。(cbs12.com: Friday, October 15th 2021)

「クビになった」:Washingtonのフェリー労働者、ワクチン例外の便宜欠如で退職強要と話す(米国)

ワシントン州エドモンズ発。Washington State Ferries (WSF)の約200人の従業員が、州政府の労働者がCOVID-19のワクチンを完全接種するか、失業の危険を負うかの期限となる月曜日、ワクチン未接種のままだ。

「クビになった。」とフェリー甲板員のChristopher Andersonは言った。「本当に最悪です。心変わりしてもらいたいものです。」

機関長のCraig Henriksenは、この州フェリー網で23年になる。退職する予定だったが、早めに切り上げることとなる。「超現実的です。」と話した。「どうやらショックを受けています。」

Henriksenには、妻と5人の子供がいる。宗教的理由による義務免除を受けていたが、フェリー網は、彼が働き続けることを許すことになる便宜を図ることを拒否したという。「除雪車か何かを運転するようなことになるかもしれないもののような、他のものに応募しました。」とHenriksenは話した。「そうした便宜は図ろうともしてくれないのです。」

WSFは、パンデミック(注、国境を越えた大流行)中に問題、とりわけ何度も同フェリー網を麻痺させたことになった人員不足に苦しめられていた。フェリー幹部は、配乗の手腕を試されることになった世界的な海事労働者不足の他、COVID-19の症例と隔離のためだとしていた。しかしHenriksenとAndersonは、それは本当の問題ではないと話した。

「連中は、船を走らせ続けるよりは、むしろ州フェリー網を機能不全にしていたのです。」とAndersonは話した。Andersonは、多くの人が職に留まることを求めていたので、単に便宜を図れば、州政府は船員不足を解決することができたはずだと信じていると話した。

今やAndersonが言うには、大衆がツケを払うことになった。「乗客は、病院の予約に間に合わない。延々と何時間もフェリー・ターミナルで立ち往生。仕事にも遅刻です。これが大きな波及的な影響です。」とAndersonは話した。

フェリー幹部らは、乗客数は、パンデミック以前の水準の80%に戻っていると話した。ちょうど数週間前、1,400人の船員のうち、28人のフェリー労働者が病気で呼び出され、150便以上のフェリー横断の中止を余儀なくされた。それ以来、フェリー幹部らは、船員不足に対処するため、航海数を減少させた。幹部らは、例え約200人の船員が失業することになると見込まれても、状況を制御できていると話した。

「今現在の予定を維持できることにかなりの確信を持っており、いつものように、当フェリー便に頼ることができます。」とWSF spokesman(=広報担当者)のIan Sterlingは話した。「ちょうど2車線の高速道路の1本が閉鎖になったようなものです。物事は減速しますが、それに直面することになります。これは、プランA(=従来案)でも、B(=代替案)でも、C(=更なる代替案)でもありません。そういうわけで、この予定を進めているのであり、維持できることに確信を持っているのです。」(king5.com: 5:35 PM PDT October 18, 2021)

Shanghai Waigaoqiao、CSSC Carnival向け新造船の船体、竣工(中国)

China State Shipbuilding Corp.とCarnival Corp. & plcの合弁企業であるCSSC Carnival Cruise Shippingに、2023年に引き渡されることになっている。

設計と購入作業は殆ど完了しており、建造進捗は、2年前に行われた鋼板切断式(注、起工式)以来、45%に達している。今やこの造船所は、機器の取り付けや内装の艤装工事を含む、工事の第二段階に進むことになっている、とWaigaoqiaoのvice general manager(=副総支配人)であるZhou Qiは話した。

本船は、長さ323.6メートル/1,062フィートで、幅は37.2メートル/122フィート。合計5,248人の客を収容する2,125室の客室を有する。姉妹船も、後に続く予定だ。

一方、Costa Atlanticaは、2020年初めにCSSC Carnival Cruise Shippingに移籍しており、Costa Mediterraneaがこれに続いている。(Seatrade Cruise News: Oct 19, 2021)

賢いフェリー:スコットランド政府所有会社、風を使う帆のない船に力を与える(英国)

スコットランド政府所有会社が、風力発電から得た電力を使用するフェリーに取り組んでいる。

図面では、この船は再生可能エネルギー源を使用するもので、オークニー諸島間で乗客と車両を運ぶものだ。この船は水素燃料電池駆動で、旅客160人、乗用車16台又は大型トラック2台を積載できる。

この計画では、この船はカークウォールから近隣のシェイピンゼイ島に旅客と車両を乗せることになる。水素燃料は、シェイピンゼイ島の風力発電により生産される。他の港には、水素燃料が利用できるようになれば、到達できるようになる。

この構想は、EUが出資しているHYSEAS III事業の一部で、スコットランド政府所有フェリー会社のCaledonian Maritime Assets Limited (CMAL)が関与している。St Andrew’s University(=セント・アンドリューズ大学)、Orkney Islands Council(=オークニー諸島議会)、そして数社のヨーロッパの機関も、この事業に関わっている。

AqualisBraemar LOC Groupによる設計では、船は、純粋に再生可能エネルギーにより駆動するように見え、排気ガス無しのフェリー旅行の更なる発展に向けた青写真を提供することになる。

この事業の次の段階では、共同事業体は、原則的にDNV Classification Society(注、船級教会)の設計承認の実現可能性を求めることになる。試験も現在、ノルウェーのベルゲンで実施されており、完全な燃料電池・蓄電池・複数動作・推進を実証する。(後略)(Deadline News: October 19, 2021)

南朝鮮で、初の高性能電動旅客船の鋼板切断(韓国)

南朝鮮(注、韓国)のHyundai Mipo Dockyardは、初の環境に優しい設計と高性能技術を組み合わせた電気推進旅客船の工事を開始する。この船は、環境に優しい市場における一里塚と呼ばれ、情報統合と通信が、高性能の運航が可能な船に提供される。

10月19日、蔚山(=ウルサン)市、南朝鮮(注、韓国)、そしてUlsan Information Industry Promotion Agencyとの提携で、技術実証事業として、建造されるこの新船の鋼板が切断された(注、起工した)。本船は、長さが292フィートで、幅42フィート、高さが18フィートとなる。旅客300人を輸送することが可能。船は最高16ノットで運転可能な二元燃料LNG機関で駆動する。

本船に組み込まれる技術の中には、燃料効率を最大化できるDC Gridに基盤を置く電子推進システムがある。この推進システムは、この船のために輸入されるものだが、Hyundai Mipoでは、この導入は、国内市場における電気推進の急速な商業化に繋がるものと見ている。

高性能技術には、衝突回避と停泊案内支援システムがある。4つの中核となるITC集合技術が含まれることになる、朝鮮で建造された初の環境に優しい高性能船となる。これには、最適航路を推薦する機能を提供する統合制御システムや、監視と運航を支援する遠隔操作も含まれている。また、船内の老朽設備の自己診断を行う高性能保守機能も組み込まれる。

この新船は、2022年10月に引き渡される。当初の計画では、南朝鮮(注、韓国)の蔚山沿岸沖で運航することが求められていた。運航の詳細は。後日、発表される。

この船は、Hyundaiと、技術設計、建造、朝鮮の高性能電動船の認証に特化したUlsan Information Industry Promotion Agencyの広範な提携の一部だ。(The Maritime Executive: Published Oct 20, 2021 5:12 PM)

ジュノーの短く、落ちぶれたシーズン最後のクルーズ船がやって来て去る(米国)

水曜日、乗客4,000人乗りのNorwegian Encoreが、今年、ジュノーに接岸した最後の大型クルーズ船となった。

真夏まで、南西アラスカを訪問する大型船があるのかどうかは、不透明だった。カナダ国境は、7月には未だに閉鎖されており、Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)は、クルーズ船と乗客に対する制限をなおも課していた。

しかしクルーズは、7月末に再開され、ジュノーの繁華街は、事実上存在しなかった2020年シーズンを経て、息を吹き返した。大半のクルーズ船客は、旅行を始めるに先立って、COVID-19のワクチンを接種することが要請されていた。

70隻以上の大型船と20隻の小型船が、この短縮されたシーズン中に接岸し、123,000人以上を町にもたらした。これは、COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)前の最後のシーズンだった2019年にやって来た乗客数の10%にも満たなかった。(Alaska Public Media: October 21, 2021)

中国の民間フェリーは台湾侵略で任務を果たし得るのか?(中国)

中国は、軍事作戦使用向けに改良し高耐久化した大型民間フェリーを使用して、軍隊、武器、供給品、重武装戦闘車両を輸送する能力を強化しているように見える。

最近の軍民海上横断部隊機動訓練において、Chinese People’s Liberation Army(=中国人民解放軍)(PLA) は、Chinese Rejuvenationというフェリーを、千人以上の人員や車両を千マイル以上も輸送するために使用した。

この訓練が、ざっと台湾と中国本土の距離である千マイルも遠くに、これら攻撃資産を輸送することに特化していたことは、意味深いもののように思える。当該民間フェリーは、45,000トンという大型排水量であり、大半の中国海軍の艦船よりは大きい。このフェリーは、中国が、台湾に対する強襲を支援する大量の重戦闘装備を移動させることを可能にするものだ。

しかし、千マイルの距離を多くの戦闘資産を運ぶ輸送船は、宇宙、水上艦、あるいは陸上からのレーダー・システムや監視技術によって容易く捕捉される。それ故、大幅な戦術優位性又は侵入優位性を真に獲得する能力は、空や水上戦闘艦からの攻撃、更には陸上から発射されたミサイル攻撃によってさえも、大いに手腕を試されるものになるのかもしれない。要するに、この大きさの中国輸送船は、その大きな足跡や、速力が遅いことから、空、水上、あるいは潜水からの破壊には、全く脆弱になりそうだということだ。

同時に、中国政府後援のGlobal Times(=環球時報)という新聞の記事は、このフェリーは、Type 96という主要戦闘戦車、Type 04という歩兵輸送車、そして「Dongfeng Menghshi」という攻撃車両を輸送する能力があると言っている。大量の戦車を輸送する能力は、如何なる水陸先遣部隊、とりわけ台湾が合衆国から受け取ったAbramsという戦車にとっては欠かせないものだ。しかしこの種の大型で動きの遅いフェリーは、迅速な探知にとって脆弱なばかりか、連合武器プラットフォームによって破壊される大きな危険に晒されている。

確かに、海からの上陸作戦を飛躍的に強化する如何なる能力も、浜辺を占領するか、攻撃進入路となる上陸地点の確立を成功させなければならない中国が台湾に侵攻する機会にとっては、大いに好都合ということになる。このフェリーは、十分に速くそこに辿り着けそうもないが、これは合衆国、日本、オーストラリアの軍隊が、好位置について見ることができ、同フェリーを空から破壊することになるか、あるいは、台湾の連合軍が防御攻撃により仲介することを可能にするに十分な程、到着を遅らせることになる。この大きさのフェリーが、容易に捕捉することが可能に思えるのならば、その時は、確かにこの中国のフェリーが、雷撃位置についた合衆国あるいは台湾の潜水艦からの破壊に対して、極端に脆弱なことになるのかもしれない。(The National Interest: October 21, 2021)

Silverseaの「Evolution(=進化)」、港内で100%燃料電池発電、推進はLNG利用へ(米国・ドイツ)

この燃料電池技術を使用するハイブリッド(=混血)解決策は、船が港内にいる間、排気ガスの排出なしを可能にするものだ。Meyer Werftで工事中の1番船は、2023年夏に就航することになっているが、本日まで日時は発表されていない。

「かなりの躍進」

「Silverseaの最新船級は、弊社の環境に与えている負荷評価の指標を引き下 げるための持続可能性のある船舶設計と旅行に献身する中で、かなりの躍進と なるものです。」とRoyal Caribbean Group Chairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)のRichard Fainは話した。「数年前に、初めて弊社の燃料電池の野心を発表しました。献身と粘り強さを通じ、弊社は港内運航で排ガス無しを達成することができる大規模な燃料電池技術を使った最初の船を導入することになり、誇りに思います。」「弊社船への燃料電池の導入は、非炭素に基づく未来に動く中で、今やRoyal Caribbean Groupが新技術を利用する準備をどれだけしているかを示す一例で あります。」とFainは続けた。(中略)

水素に基盤を置く燃料電池システム

水素に基盤を置く燃料電池システムは、主電源を補うもので、同船の全ホテル 設備に最大4メガワット発電する。LNG(=液化天然ガス)推進は、CO2(=二酸化炭素)の排出を減らし、船舶で 使用されている通常の燃料油に比べ、微粒子が97%少ない。一揃いの電池は、船舶電力システム全体の最適化を支援し、燃料を節約する。

加えて、新たに開発されたMicro Auto Gasification System(注、「極小自動 気化システム」の意)が船内の廃棄量を逓減し、結果として、焼却廃棄物を減 らすことになる。(Seatrade Cruise News: Oct 22, 2021)

Royal Caribbean、9か月間世界一周クルーズ発表(米国)

クルーズ産業がCovidの影響で動揺していたことから、12か月前には考えられなかったことだが、ある運航事業者が、今や9か月間続き、旅行者が150か所以上の目的地に向かうという壮大な新航海を提供することになった。

Royal Caribbean Cruise LineのSerenade of the Seasは、マイアミから2023年12月に航海を開始することになっており、274泊して2024年9月にフロリダ州に戻って来る。

声明文において、Royal Caribbean Internationalのpresident(=社長)のMichael Bayleyは、この旅行は「The Ultimate World Cruise(=究極世界一周クルーズ)」とも呼ばれるもので、旅行に飢えていたクルーズ客に「make up for lost time(=失われた時を埋め合わせる)」ことに役立つよう設計されていると話した。

地球を航海する

Serenade of the Seasは、2003年以来、RCCL船隊の強固な1隻だ。 Royal Caribbeanのウェブサイトによると、この長さ965フィートの船は、13層の甲板を有し、2,476人までの客を宿泊させることが可能だという。

2023年末に、この世界一周クルーズでマイアミを出発するや、本船は、カリブ海を旅行することになっており、その後、中米と南米に寄港する予定で、これには、ブラジルの都市のリオ・デ・ジャネイロと、アルゼンチンのイグアスの滝に行く旅行が含まれている。また、この地球を股にかける旅程には、中国の万里の長城、タージ・マハール、そしてギザのピラミッドといった名所もある。

旅行者は、この9か月間体験の全てを予約することや、旅行の特定の一部を予定したり、例えば、南北アメリカと南極だけに参加することも可能だ。Royal CaribbeanはCNN Travelに対し、完全周遊旅行の価格幅は、1人当たり66,000ドルから112,000ドルで、税と料金は別だと話した。

世界一周クルーズは、パンデミック(注、国境を越えた大流行)以前のクルーズの世界の主要商品だったが、通常は、最高で150日かそこらとなっている。Viking Cruisesは、Viking Sunに乗船する2019年8月から2020年5月までの245日間旅行を予定したが、この航海は2020年春に、Covid-19でクルーズ産業が休業となった時に、短縮された。パンデミックの中、世界一周クルーズの中で、数か月、航海を継続することを選択するところもあった。これは、港が閉鎖され、Covidを巡る懸念が高まっていたことから、乗客の下船がないものだった。

クルーズは、多くの市場において再開されている。クルーズ会社は、洋上休暇が安全で、実行可能な休日の選択であることを証明したがっている。

Serenade of the Seasが、地球を跨る旅行に出かけるまでは、まだ2年以上もあるが、旅行者は今、船室を予約することが可能だ。(CNN: Published 23rd October 2021)

良い旅行を。新しい豪華クルーズ船がボストンから進水(米国)

Vantage Deluxe World Travelは、木曜日にシーポートで新しいクルーズ船を命名した。Ocean Explorerという162人乗りの船で、南北アメリカの港と南極を旅行することになっている。

ボストンに本拠を置くVantageは、客を引き付けることを願っている。中にはパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、クルーズ船での旅行を懸念している人もいるかもしれず、大手クルーズ客船会社で見られるよりは人数は遥かに少ないが、高級快適設備一式を備えている。すなわち、講演、スパ、サウナ2か所、郷土料理、そして船上案内人だ。この船には医師も乗船しており、乗客はこうしたサービスや医療を受けるには、別に支払う必要がある。

Ocean Explorerの航海は、長距離でもあり、15日間から41日間洋上におり、価格は南米航海が4,399ドルからで、ペルーのリマからアマゾン川を遡り、カリブ海を横断して、東海岸を北上してボストンに来る旅が、41,000ドル近くする。

この7000万ドルの船は、中国の揚子江(=ヤンツーチアン、長江)のYantongで建造された、とVantage Deluxe World Travelのvice president of worldwide operations(=世界運航部長)の(そしてOcean Explorerを命名した2人の名付け親の1人でもある)Deirdre Dirkmanは話した。もう1隻のOcean Odysseyは来年、就航する予定。(Boston Globe: Updated October 25, 2021, 5:41 p.m.)

CDC、クルーズ船業界に対する規制を1月まで延長(米国)

Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)は、来週失効することになっていたクルーズ船業界に対する規制を、強い感染力のあるデルタ変異株に対する懸念と、ワクチンを接種済みの旅行者の間でブレイクスルー症例があることを引き合いに出して、1月まで延長した。

CDC(=疾病対策予防センター)は、クルーズ船が2020年10月以来、安全予防措置の他、船内ではマスクをして、乗客と船員のワクチン接種か検査を要求し、条件付きで運航することを許していた。同機関は、この命令を11月1日までに解除する予定だったが、月曜日の延長で、クルーズ運航事業者にとっては、1月15日に任意の対策になることになった。

「旅客運航を再開するために取られる手続きは、船内医療施設に対する過大な負担と、陸上の病院資源に負担をかけることを首尾よく回避しています。」とCDCは月曜日に声明文において述べた。「しかしながらCDCでは、デルタ変異株の感染拡大が継続していることから、この命令を当面延長する決定を行いました。」

少なくとも250人の乗客を乗せる全ての外国船籍のクルーズ船は、この命令に従い、CDCの船への接近と、乗客の健康記録を、法令順守を確実にするために提供しなければならない。CDCのCovid-19 Conditional Sailing Certificate(=Covid-19条件付き航海認証)を守ることのできなかったクルーズ客船会社は、合衆国水域で運航することが禁止されることになる。

この命令によると、認証を確実にするため、クルーズ運航事業者は、自社の船員をCovid回避について訓練することが要請され、独自の検査や隔離水準の実施が要請される。また、人工呼吸器を船に備蓄することによって「provide a hospital level of care(=病院の医療水準を提供)」しなければならず、Covidの患者には、「without the immediate need to rely on shoreside hospitalization(=陸上での入院に直ちに頼る必要なく)」、マスクやその他の保護具も提供しなければならないという。

このCDCの条件付きクルーズ命令は、クルーズ運航事業者に、乗船前の乗客と人員のCovid検査も要求しており、いかなるCovidの患者の疑いのある者も乗船を禁止され、他の旅行者や職員から、感染者を隔離することが要請されている。クルーズ船は、夕食や娯楽の時間には、適切なソーシャル・ディスタンシングを取り、マスクの着用と公衆衛生の全ての連邦衛生基準に適合しなければならないものとされている。(CNBC: Published Tue, Oct 26 202110:05 AM EDT)

Crystal、保有の航空機、Boeing 787-8を売却(米国)

この売却は、非中核資産の処分と、COVID-19期間中の流動性資産(注、手持ち資金、現金)改善のための努力の一環。この航空機の維持に関連する費用を節約することにもなる。純利益は、一般運転資金のために利用される。

損失3700万ドル

提出文書によると、約2490万ドル(100,000ドルの取引費用を除く)の純利益と、約6190万ドルの同航空機の簿価を考慮に入れると、この処分で、約3700万ドルの損失が生じる結果となるものと見られている。当該航空機は、Boeingにより2017年に製造された。

就航前でも、Crystal AirCruises向けに計画された世界一周旅行のために、この特別誂えの787を使用する決定はなされていなかった。その代わりに、Crystal Skyeと命名された大型のB777-200LRが導入された。両機は、チャーター用に利用可能だった。

6月下旬、Crystalは、12座席のBombardier Global Express XRSという航空機を、Gentingの一社であるResorts World Las Vegasに、400万ドルで売却することで合意に達していた。Bombardierは、Crystal Luxury Airという大洋、河川またはヨット航海に旅行者を輸送する自家用飛行機チャーター・サービスの一部分だった。(Seatrade Cruise News: Oct 27, 2021)

巨大なArcadiaという船、ノース・シールズのタイン港に接岸した写真(英国・米国)

写真が、ノース・イーストの地平線を支配している様子を映し出しているように、当地域は、今後数か月間、もう1隻の大型クルーズ船の母港となる。

印象的なArcadia(=アーケーディア、注、「理想郷」の意)は、10月16日土曜日、ノース・タインサイドのノース・シールズのタイン港に初めて入港した。

同船はP&O Cruisesが所有するが、クルーズ業界がパンデミック(注、国境を越えた大流行)により休業したのを受け、サウス・デボン沿岸沖で数か月間、過ごしていた。姉妹船のAzura(=アズーラ)は、今年これまでに、同じ場所で6か月間停泊し、僅かしか観光客を惹き付けなかった。

約2,000人の旅客と更に900人の船員を収容する能力のあるArcadiaは、先例にならい、クリスマス過ぎまで同地に留まるものと見られている。タイン港によると、同船は、12月31日の真夜中(注、午前零時)まで停泊するものと一覧に記載されており、本船のクルーズは、2022年3月まで再開されないものとされているという。

このクルーズ客船会社に近い筋によると、AzuraのようにArcadiaは、その日(注、大晦日)にクルーズを再開させる準備として、必須の保守工事を行うものと理解されている。(後略)(The Northern Echo: 30th October)