2021年11月

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2021年11月の海外旅客船情報

クルーズ船Viking Orion、セント・トーマスに寄港(米領バージン諸島)

米領バージン諸島、セント・トーマス発。クルーズ船Viking Orion(=バイキング・オライアン、注、星座になったとされるギリシャ神話のオリオン)が日曜日にセント・トーマスに寄港する予定だ。Orionは午前7時30分に、9か所の目的地に寄港する15日間「West Indies Treasures(=西インド諸島の財宝)」クルーズの一環として、The West Indian Company Limited (WICO)港に寄港する。

「Viking Orionを米領バージン諸島に喜んで歓迎いたします。」とWICO Interim President & CEO(=暫定社長兼最高経営責任者)Anthony Ottleyは話した。「乗客に、安全で胸躍る、優れた入港体験を提供いたします。また、関係強化を楽しみにしております。」と付け加えた。

この745フィートの小型等級船は、930人までの乗客を乗せるもので、全員にCOVID-19のワクチン接種を要求している。セント・トーマスの到着は、COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)による15か月間の休止を経て、このTerritory(=統治領)にクルーズ船の帰還が継続していることを示すものだ。クルーズ客船会社は、2021年7月に戻り始めた。

USVI Commissioner of Tourism(=米領バージン諸島観光長官)のJoseph Boschulteは、当統治領にクルーズ船が最終的には帰還する長期的な予想については、楽観視し続けている。「ゆっくりと、しかし着実に、パンデミック前の数字に戻ります。そうなれるよう、クルーズ提携社と作業することは大変にありがたいことです。セント・トーマスが、未だにクルーズ客にとっては最高の目的地であることが判り、うれしく思います。クルーズ商品の改善を努力し続けたいです。」と述べた。

同長官は最近、マイアミであった35th edition of Seatrade Cruise Global(=第35回Seatrade Cruise Global)に出席し、そこで健康・安全手順を確保するための幅広い協力の必要性は、どのクルーズ旅程における寄港地にも適合したものだと語った。「one destination does not make an itinerary(=一つの目的地が旅程を作るものではない)」ことを説明して、同長官は、カリブ海のクルーズ目的地と提携クルーズ客船会社が、より緊密に作業することを促した。

クルーズ産業の利害関係者、U.S. Virgin Islands Port Authority(=米領バージン諸島港湾局)(VIPA)の代表団、そしてRoyal Caribbean Groupは、当統治領におけるクルーズ産業の発展に向けたMemorandum of Understanding(=覚書)に署名している。(South Florida Caribbean News: November 1, 2021)

運送業者、ホリーヘッド航路を避け、北ウェールズとアイルランド間の貨物輸送低下(アイルランド・英国)

北ウェールズとイングランド北西部からアイルランド共和国に向かう貨物輸送が、連合王国(注、英国)が正式にEuropean Union(=ヨーロッパ連合)を離脱して以来、5分の1以上に低下した。

ブレグジット(注、英国のEU離脱)が原因で、アイルランド最大の港であるダブリンから英国に向かう貨物量が急減していることが、この報告で明らかとなった。

ホリーヘッド、リバプール、そしてヘイシャムからダブリンに向かう貨物は、21%の落ち込みで、一方、アイルランドからヨーロッパ本土に向かう直行便は、36%増となっている。アイルランドの運送業者は、過去9か月間、ホリーヘッド―ドーバー―カレー航路を避けており、このため、今年1月以降に開設されたヨーロッパ本土に向かう多くの新しいフェリー航路を利用するようになっている。

North Wales Liveでは、アイルランドからフランス、ベルギー、スペイン、そしてオランダに向かう直行フェリー航路が、今や44本となったことを報じていた。以前は12本だった。運送業者は、ブレグジット関連のお役所仕事を回避するため、北アイルランド経由で英国に入る経路も見つけ出している。

Dublin Port(=ダブリン港)による報告では、今や英国の港湾からやって来るコンテナは僅か半分で、ブレグジット以前の64%になっていることを明らかにしている。全体として同港は、今年初めの9か月間の英国の港湾との貿易は21%減で、EUとの間の事業は36%増だったと報告した。

Dublin Port chief executive(=ダブリン港最高責任者)のEamonn O’Reillyは、これは英国とアイルランド間の貿易の「permanent feature(=不変の特徴)」となると強く考えていると話した。(中略)

Stena LineとIrish Ferriesは、ホリーヘッドからダブリンに向かう航路で4隻の船を運航しており、それぞれの船は、毎日、2往復している。ブレグジット以来、Stenaは、同航路を行きかう船を移動させており、夏の間は、週末にベルファストに向かう新たな便を投入していた。

Irish Ferriesは、小型船のEpsilonの支援を受けている同航路で、ここのクルーズ・フェリーであるUlyssesの使用を継続している。同社では、2隻の船を使ってドーバーからカレーに向かう独自の海峡横断便を始め、この混雑している航路を運航している。(North Wales Live: 13:29, 1 NOV 2021)

合衆国判事、2014年の南朝鮮のフェリー沈没に関連する身柄引渡を阻止せず(米国・韓国)

ニューヨーク発。月曜日、合衆国判事は、304人が死亡した2014年のフェリー沈没に関連する横領罪容疑で指名手配中の男の、南朝鮮(注、韓国)からの引き渡し請求に対する阻止を棄却した。

ニューヨーク州ホワイト・プレーンズのU.S. District Judge(=合衆国地方判事)のCathy Seibelは、直面している7件の起訴に基づく引き渡しを裏付ける相当の理由がないとするYoo Hyuk-Keeの主張を棄却した。判事はまた、U.S. Department of State(=合衆国国務省)を支持し、合衆国との1998年の条約に基づくYooの身柄の引き渡しを、南朝鮮(注、韓国)が待ち過ぎたのか否かを判断するための審判は行わないと述べた。

40代後半のYooは、Keith Yooとしても知られているが、ニューヨーク市郊外のニューヨーク州ポンド・リッジの自宅で、2020年7月に逮捕されるまでの6年間、逃亡していた。南朝鮮(注、韓国)の検事は、Yooが事業・宗教指導者としての権力を用いて、様々な企業から290億ウォン(2460万ドル)を詐取したと述べた。これには、当該フェリーを安全するために役立てることができた金が含まれているという。

「我々は南朝鮮(注、韓国)が提出した証拠は、身柄引き渡しを裏付けるものではなく、仮に身柄が引き渡された場合、Keith Yooが公正な裁判が受けられないと強く考え続けております。」とYooの弁護人のPaul Shechtmanは、電話でのインタビューで答えた。Shechtmanは、Yooは不服申し立てを行う予定だと話した。

The office of U.S. Attorney(=連邦検事局)のDamian Williamsは、Yooは送還されるべきだと話していたが、論評を拒否した。

Yooは、Evangelical Baptist Church in South Korea(=韓国福音主義バプテスト教会)を設立した実業家のYoo Byung-unの次男で、この一家は、2014年4月に同国南西海岸沖で転覆したSewolというフェリーの運航事業者の持ち分を保有していた。捜査官は、フェリーは過積載で、構造的欠陥があり、余りにも速く走っていたと話した。死亡者の多くは、高等学校の生徒だった。Yoo Byung-unは、沈没の2か月後に、果樹園で原因不明の理由で死亡しているのが発見された。

合衆国法廷文書において、Yooの弁護人は、Yooは家族に対する南朝鮮政府の「animus(=敵意)」が反映した「scapegoat for tragedy(=悲劇の身代わり)」になっていると述べた。Seibelの決定は、U.S. Magistrate Judge(=合衆国判事)のJudith McCarthyにより、7月2日の決定で支持された。(The Mighty 790 KFGO: Nov 1, 2021 1:57 PM)

Lindblad Expeditions、ガラパゴス船代替のため、Crystal Espritを買う(米国)

Lindblad Expeditionsは、1300万ドルを支払ってCrystal Espritを購入した。同社が、今日の第3四半期の業績発表で開示した。Crystal Espritの売却は先月発表されていたが、買い手は今まで開示されていなかった。

ガラパゴス船の代替のため

この乗客62人乗り、全室スィートのヨットは、来年、ガラパゴスの乗客48人乗りのNational Geographic Islanderと交替する。このStar Cruisesの元MegaStar Taurusは、2015年12月にCrystalの船隊に投入されるに先立ち、シンガポールのSembawang Shipyardで改装工事を受けていた。

「手頃な価格で船を買う機会を狙う」

「弊社は古いものと交替させるために手ごろな価格で買うことができる船を世界中で探しており、機会をかなり狙っているのです。」とLindblad CEO(=最高経営責任者)のDolf Berleは木曜日に話した。しかしCrystal Espritの買収を越えるものは「今のところはありません。」(Seatrade Cruise News: Nov 02, 2021)

Adventures by Disney、北極圏行きの探検クルーズを発表(米国・フランス)

本日、Adventures by Disney(注、「Disneyによる冒険」の意)は、探検クルーズ市場に向けた全く新しい提供というものである、Le Borealで2023年に北極海を航海すると発表した。

2023年から始まる航海では、客は自然主義者とAdventure Guide(=冒険案内人)のチームと共に、同船に乗船することになり、この商品は全ての家族の全員に合わせて作られたものとなる。

同社は、選択航海が、特別の客の冒険に向けた特別のちょっとした魔法に付け加わると話した。これには、来るべきArctic Expedition Cruise(=北極探検クルーズ)でスケッチ授業を率いることになる元Disney Imagineer(注、「夢を形に変える人(意匠担当者)」の意)のJoe Rohdeが含まれている。

また2023年には、旅行者は、南極とガラパゴス諸島の探検の機会が増えることにもなる。いずれの目的地にも航海が加わる。予約は、2021年11月12日に一般公開される。(Cruise Industry News: November 03, 2021)

Irish Continental Group PLC、「Calais Seaways」買収(アイルランド)

Irish Continental Group PLC ("ICG") は、旅客ro-roクルーズ・フェリーの「Calais Seaways(=カレー・シーウェイズ)」を購入したことを喜んで発表いたします。購入契約条件に基づき、本船の権利は、昨日の引渡しにおいて、ICGに移転いたしました。

本船は、当社の他船と同一になるよう商標を変更し、Irish Ferriesにより経営されているドーバー―カレー航路に就航します。本船は、Isle of Innisfree(=アイル・オブ・イニスフリー、注、「イニスフリー島」の意)に改名することになっております。

本船は、ベルギーのBoelwerfにより1992年に建造されました。総トン数は28,833総トンで、旅客収容力は1,140人、83個の貨物ユニット(注、コンテナ)を積載できる能力があります。(GlobeNewswire: November 04, 2021 07:00 ET)

Cruise SaudiがMedCruiseに参加(サウジ・アラビア)

サウジ・アラビアのクルーズ産業の発展のために設立された会社であるCruise Saudiは、プレス・リリースによると、Association of Mediterranean Cruise Ports(注、「地中海クルーズ港協会」の意) (MedCruise)に参加したという。

同社は、スペインのバルセロナであった59th MedCruise General Assembly(=第59回MedCruise総会)で今日、会員になったことを発表した。ここで正式にMedCruise Associationに迎えられた。

この行事には、Cruise SaudiのChief Development and Asset Management Officer(=開発・資産管理最高責任者)のMiguel Reynaを含む、MedCruiseの会員が出席した。

Future Investment Initiative (FII)で2021年1月に開業したCruise Saudiは、世界のクルーズ産業をサウジ・アラビアに誘致することを使命として、Vision 2030(注、「構想2030年」の意)という事業で概要を示した同国観光業計画の新たな要素を急速に発展させている。

MedCruiseの会員であることを通じ、Cruise Saudiは、MedCruiseが会員に対して行う講座や訓練を通じて地平線を広げるばかりではなく、主要な業界行事での存在感を増大させることができることになる。更に、同協会の半年に1回のGeneral Assembly(=総会)は、声明文によると、業界利害関係者との人脈作りに向けた理想的な枠組みを提供するという。

Cruise SaudiのManaging Director(=代表取締役)であるFawaz Farooquiは次のように語った。「Cruise Saudiは、地中海で経営している最も名高いクルーズ産業利害関係者の階級に参加でき、MedCruiseの会員の海域と隣接することになり、誇らしく思います。我々の旅程を拡張し続ける中で、我々の足跡を拡大させることが可能となる新たな提携関係を築き、紅海とサウジのアラビア湾(注、ペルシャ湾)で寄港することとなる新たな機会を探求することを心待ちにしております。」(Cruise Industry News: November 04, 2021)

Royal Caribbean、世界最大のクルーズ船の引渡しを受ける(フランス・米国)

世界最大のクルーズ船は、先週、密かに船主に引き渡され、明日、11月5日に造船所を出発する予定だ。鳴り物入りの行事が開催された過去とは違い、この新しいクルーズ船、すなわちRoyal Caribbean InternationalのWonder of the Seas(=ワンダー・オブ・ザ・シーズ、注、「海の驚嘆」の意)は、クルーズ業界が運航を長らく休止してから、手はずを整え続けていることから、処女航海まで4か月間、待つことになる。

236,857総トンのこの新しいクルーズ船は、10年以上も前にRoyal Caribbeanが投入した最初のOasis級のクルーズ船より大型の5隻の最近のものに近く、3年前に投入された同船級の4番船よりも僅かに大きくさえもある。Wonder of the Seasは、長さが1,188フィートで、最大で6,988人の乗客に加え、2,300人の船員を収容する増加した収容力も有する。

全ての現代的なクルーズ船のように、この新船は、乗客向けの幅広い快適設備を有することになる。この船級の以前の船と同じく、本船には、水滑り台、屋外劇場、そしてジップ・ライン(=ロープを人が滑車でぶら下がって移動できるようにした遊戯設備)などの呼び物のある娯楽、宿泊設備、そして食堂の異なる区画がある。Wonder of the Seasにとって新しいものは、片持ち梁になっているプール・バーであり、その他、休憩室、食堂、そして専用屋外甲板空間を備えた、スィート客向け特別区画がある。

Wonder of the Seasの工事は、Chantiers de l’Atlantique造船所で、2019年4月に最初の鋼板により開始され、2019年10月に最初のブロックが乾船渠に設置された。しかし本船の引渡しは遅れ、同造船所はパンデミック(注、国境を越えた大流行)のため、2020年に閉鎖された。2020年9月に進水を完了し、海上試運転は2021年8月に行われた。

このパンデミックで、Royal Caribbeanは本船の配船の改訂も余儀なくされた。元々、このクルーズ船は、上海を母港とする計画だったが、その後、Royal Caribbeanは、本船は、上海発で夏の航海をし、冬季間は香港発で時を過ごすと言って予定を改訂していた。ところが、依然として中国が国際クルーズ船の再開をしないことから、今やWonder of the Seasは、フロリダ発の航海で2022年3月に運航を開始する予定で、その後、スペインのバルセロナ、イタリアのチビタベッキアから航海するため、2022年夏に移動する予定となっている。

造船所によると、明日、フランスのサン・ナゼールを出発してから、この新しいクルーズ船は、マルセイユに向かうという。そこで本船は最後の仕上げを行い、春にある処女航海まで待機することになる。

Wonder of the Seasは、Royal CaribbeanのOasis級の5番目のクルーズ船だ。同社は、2024年第2四半期に引き渡し予定で、Chantiers de l’Atlantiqueに同船級の6番船を発注している。Royal Caribbean向けのクルーズ船と同様の大きさの新たな船級の1番船向けの作業も、ドイツとフィンランドのMeyerで始まっている。(The Maritime Executive: Published Nov 4, 2021 2:31 PM)

Scandlines、プットガルデン―ロービュ航路向け排ガス・ゼロのフェリー発注(ドイツ・デンマーク)

Scandlinesは、プットガルデン―ロービュ航路向け排ガス・ゼロの貨物フェリーの建造契約を、トルコのCemre Shipyardと締結した。このフェリーは、2024年に投入され、同航路の次世代フェリーが始まることになる。

本船は、貨物ユニット(注、コンテナ)66個の収容力を有し、現在の収容力よりも23パーセント増となる。

1時間で横断するこのフェリーは、排ガス・ゼロだ。またドイツとデンマーク間のScandlinesの航路における現在の旅客フェリーのように、ハイブリッド・フェリーとしても運航可能。ハイブリッド・フェリーとしての横断時間は、45分。このフェリーは、現在、プットガルデン―ロービュ航路を運航している4隻の両頭船の1隻が造船所に入った場合に、予備のフェリーとして使用することも可能となる。

ロストク―ゲザ―航路を運航しているフェリーから知られているように、上流と下流の埠頭の双方で、ローリー(注、大型トラック)を輸送することが可能となる。それ故、ロービュのberth 3(=第3停泊地)とプットガルデンのberth 1(=第1停泊地)は、上甲板にローリーを積載できるようにもするために改装しなければならない。同時に、新たなローリーの駐車場が、プットガルデンのターミナルに作られることになる。

こうしてScandlinesは、その船隊内の2隻の最古船、すなわちHOLGER DANSKEとKRONPRINS FREDERIKを代替することになる。(後略)(SHIPPAX: Nov 08 2021)

クルーズ運航事業者のRoyal Caribbeanの長年のCEO、Richard Fainが辞任へ(米国)

Royal CaribbeanのChief Executive Officer(=最高経営責任者)のRichard Fainが、コロナウイルス危機による低迷から未だに回復中の合衆国のクルーズ運航事業者で30年以上も過ごしてから、辞任することになった。

Finance chief(=財務責任者)のJason Libertyが、CEO(=最高経営責任者)として後を引き継ぐ、とRoyal Caribbeanは火曜日に話し、運航を休止してから1年以上、ゆっくりと航海事業を再開して、パンデミック前の水準に会社を戻す仕事に取り組むことになる。Fainは、2020年にRoyal Caribbeanの市場評価の半分を消し去ったパンデミック(注、国境を越えた大流行)の間、航海の安全な再開を推し進めてきた、鍵を握る指導者の1人だった。

同社は、競合他社のNorwegian Cruise Line Holdingsと一緒になって、同業界の再開に向けた安全基準の開発を支援する作業部会を作っていた。Royal Caribbeanは、6月に合衆国の港から出発する運航を再開した最初の大手クルーズ運航事業者となり、同社では、旅行者の累積需要により、2022年の予約傾向は歴史的なものに達していると話していた。

Fainは2022年1月に辞任するが、同社の大半の船舶運航と同グループが、クルーズの完全復帰に近くなっている中で「it was the right time to step down(=辞任する好機だ)」と語った。在職中、Fainは、Royal Caribbean InternationalやCelebrity Cruisesを含む数社のクルーズ客船会社の商標に跨る60隻近い船を有するグループに同社を拡張すべく、陣頭指揮を執った。Fainは、取締役会のchairman(=会長)に留まり、Libertyと共に働くことになるが、2005年にRoyal Caribbeanに加わり、2013年にchief financial officer(=最高財務責任者)の任務を引き継いでいた。

Royal Caribbeanは、そのsenior vice-president(=上席副部長)のNaftali Holtzが、CFO(=最高財務責任者)の任務を担うことも話した。(CNBC: Published Tue, Nov 9 202110:11 AM EST)

賃金を巡るストライキで、ギリシャのフェリー便、2日間に亘り混乱(ギリシャ)

ギリシャのフェリーは、水曜日に労働組合が48時間ストライキを宣言したことから、2日間に亘って港に係留されたままとなる。

Panhellenic Maritime Union(=全ギリシャ海事組合)(PNO)の出した声明文によると、このストライキは6時に始まり、金曜日の朝まで続くという。各組合は、団体賃金協約、賃金引上、その他の要求を求めてストライキを宣言した。

アテネに近いピレウス港での大きな横断幕には、「All out to fight, abolish laws against workers' (rights)(=労働者(の権利)に反する法律と全面的に戦い、破棄しよう)」とあった。各組合は、COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)中、フェリーに配置された職員が殆どいない貧弱な労働条件も批判していた。

この争議行為で、本土とギリシャの島嶼間を結ぶ船が無くなり、全国で多くのフェリー便が混乱した。国内の島嶼の多くは、空港を持つには小さ過ぎ、商品、市民、そして旅行者を輸送するフェリーに頼っている。(euronews; Updated: 10/11/2021)

新しいCarnivalのクルーズ船、ガルベストンにやって来る(米国)

テキサス州、ガルベストン発。Carnival Cruise Lineは木曜日、新船がガルベストンにやって来ることを発表した。

2023年、Carnivalは、Carnival Jubileeと呼ばれる新しいExcel級の船が、島(注、ガルベストン島)に引き渡される。Excel級の船というのは、液化天然ガスにより駆動する船であることを意味する。

Carnivalによると、Jubilee(=ジュビリー、注、祝宴、ヨベルの年の意)は、5,400人以上の客と1,700人の船員を収容することができるという。この船は、ガルベストンを本拠として、西カリブ海に7日間航海を行うことになる。この船は、船上ローラー・コースター(注、ジェット・コースター)さえも有する。

「ガルベストンは、弊社の最も人気のある母港の1つであり、合衆国の中西部、南西部、そして西部…から、テキサス州に客を引き寄せてきました。」とCarnival Cruise Lineのpresident(=社長)であるChristine Duffyは話した。

Carnivalは、ここの合衆国に本拠を置く22隻の船の全てを、2022年3月までに運航に復帰させる計画だ。2月以来、19隻がクルーズを行ってきた。(KHOU 11: 4:07 PM CST November 11, 2021)

Silversea、Silver Dawnの引渡しを受ける(イタリア・米国)

豪華クルーズ客船会社のSilversea Cruisesは、イタリアのアンコナにあるFincantieriの造船所で、Silver Dawn(=シルバー・ドーン、注、夜明け、黎明の意)の引き渡しを受けた。

Silversea CruisesとFincantieriの幹部らが、10番船をこのクルーズ客船会社の船隊に迎える式典に出席した。Silverseaのpresident and chief executive(=社長兼最高責任者)であるRoberto Martinoliが、正式にSilver Dawnの引渡しを受けた。

親会社のRoyal Caribbean Groupのchairman and chief executive(=会長兼最高責任者)のRichard Fain、そしてRoyal Caribbean Groupのexecutive vice-president and chief financial officer(=上級副社長兼最高財務責任者)のJason Libertyは、ビデオ演説で参加した。

Silver Dawnは、2020年に入ってからSilverseaの船隊に加わった3隻目の船で、2022年春に航海をし始める。Muse級の一連のものの3番船で、Silver MuseとSilver Moonの姉妹船だ。本船は、298室の海の見えるスィートに、596人の乗客を乗せることができ、古代ローマの生活様式から着想を得た新しい健康推進番組であるOtiumがお目見えする。(Travel Weekly: November 12, 2021, 15:58)

最初の船が到着し、ブエノス・アイレスのクルーズ・シーズン始まる(アルゼンチン)

合衆国船籍のWorld Navigator(=ワールド・ナビゲーター)が、ヨーロッパ、合衆国、カナダからの100人余りの乗客を乗せて、アルゼンチンの首都の河港に到着し、ブエノス・アイレスのクルーズ・シーズンが始まった。

今年これからのシーズンに予定されている21回のクルーズの最初のもの。COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)前の最後のシーズンには、元々予定されていた合計132回のうち、118回の到着があった。最後の14回は、コロナウイルスのアウトブレイク(=勃発)の観点から、初めて中止となったものだった。

ブエノス・アイレスの観光業当局者は、今後数か月間の今年の夏に、30,000人余の観光客を見込んでいる。旅行者は、プエルト・マドリンやウスアイアにも寄港する予定だ。その中には、南極に向かって南進し続ける者もいる。(中略)

アルゼンチン当局は、2021年―2022年シーズン中、港湾税や料金を100%割り引くような一連の観光優遇策も設けている。(MercoPress: Saturday, November 13th 2021 - 09:30 UTC)

14隻のクルーズ船がアランで解体されることに。次はCarnival Fascinationの可能性(インド)

AIS(=船舶自動識別装置)信号上のCarnival Fascinationの名称が、アランに到着するに先立って、最近、Century Harmonyから、より短いY Harmonyに変更となった。

インドのアランの船舶解体工場は、過去12か月間に記録的な数のクルーズ船や旅客船を受け取っている。大手クルーズ商標で、自船を直接にインドに送ったところはないが、2020年11月以来、数隻が解体のために送られている。

「平均して、アランでは1隻か2隻の旅客船が、毎年、(注、解体のために)座礁させられているものです。」とアランの港湾係官のCommander Rakesh Mishraは、Indian Expressという新聞に語った。「この数字が過去12か月間にかなり増加し、以前には決して達したことがなかった水準に到達しました。」

合計14隻の旅客船が、過去12か月間に(注、解体のために)浜に乗り上げさせられているが、港湾当局者は、少なくとも1隻以上が、11月中旬に浜に乗り上げるものと見ている。Commander Mishraによると、過去12か月間に、旅客船は、インドの解体工場に送られた約150隻のうちの10%近くになるという。

これまでに到着した最大の船はKarnikaで、パンデミック中に破産したインドの会社、Jaleshによって運航されていた唯一のクルーズ船だ。このFincantieri建造の69,845総トンのクルーズ船は、1990年にPrincess CruisesのCrown Princessとして投入された。ジェノバの建築家、Renzo Pianoによって設計され、90年代においては、イルカに触発された意匠により建造された、史上最大のクルーズ船の1隻だった。経歴の最後の10年間を、P&OのPacific Jewelとして、オーストラリア発のクルーズを行って過ごし、2019年にJalesh Cruisesに売却された。

運航事業者の失敗のために、昨年、アランで最期を迎えることになったその他の有名なクルーズ船の中には、Columbusがあり、これはStar PrincessとしてPrincess Cruises向けに1989年に投入された。本船は、業界開拓者であるSitmar Cruises向けに建造された最後のクルーズ船であるが、最近は、連合王国(注、英国)に本拠を置くCruise & Maritime Voyages向けに運航していた。ここは、パンデミック中に破産した。

CMV船隊の他の2隻のクルーズ船も、競落後にアランに到着している。Marco Poloは、ソビエト船隊の旗艦であるAlexandr Pushkinとして、1965年に建造された。Magellanは、Carnival Cruise LineのHolidayとして1985年に就航した際には、「superliner(=超定期船)」として市場で売り出された。

日本のPeace Boat(=ピース・ボート)は、1982年建造のOcean Dreamを、アランの解体業者に売却した。この船はCosta Tropicalとして、その経歴を始めたもので、Carnival Cruise Line向けに初めて新造されたクルーズ船だった。1973年にRoyal Viking Seaとして建造されたドイツのクルーズ船、Albatrosも、7月にアランで立ち止まった。

鋼鉄に対する根強い需要が、古いクルーズ船解体の要因の1つとなっている。しかしShip Recycling Industries Association(注、「船舶再生利用産業協会」の意)のHaresh Parmarは、「cruise ships contain less steel than merchant ships and oil tankers arriving in Alang. Therefore, passenger ships generally receive lower prices, but as many of the ships arriving this year are from bankruptcy, they still arrive stocked with valuable spare parts.(=クルーズ船は、アランに到着している商船や油槽船よりも鋼鉄が少ないですが、今年到着した船の多くは破産によるもので、価値ある予備部品を備えて、なおも到着しています。)」と説明した。

解体予定の他の船は?

中国の買い手が、Fantasy級の1部として1994年に建造されたCarnival Cruise Lineの船隊のCarnival Fascinationを、宿泊船として使用するために購入した。この船は最近、スリランカのコロンボに投錨するために再移動し、アラン到着前に、しばしば最後の寄港を行った。AIS信号の本船の名称は、最近、Century Harmonyから、より短いY Harmonyに変更になった。

Carnival船隊が売却したもう1隻の船が、Costa neoRomanticaで、ここの新たな船主であるLouis GroupのCelestyal Cruises下で就航することは決してない。この新しい船主が資本を増強する必要のあったこの夏に、売却された。最近、中国に向けてギリシャを出発し、ドバイに途中寄港したが、仲介業者らは、1993年建造の本船も、解体のために売却されたと信じていると報告している。現在の名称は、Antares Experience。

ギリシャのフェリー運航事業者であるSeajetが買ったクルーズ船船隊についても、憶測がある。ここは現在、FincantieriがHolland America Line向けに建造した3隻の90年代の年代物の船、Princess Cruises向けに、やはり90年代に建造された大型クルーズ船1隻、そしてRoyal Caribbeanが買収した元Majesty of the Seaを保有している。これら全ての船は、ギリシャで止まったままだが、同社では、傭船か売却の可能性を探っている。(Cruises-Info.com: November 13, 2021)

日本のクルーズ船、COVID安全対策を伴い復帰(日本)

日本、水戸発。日本におけるクルーズ事業は、パンデミック(注、国境を越えた大流行)のために多くの旅行が中止になった後で、COVID-19安全対策を伴い、船が徐々に航海を再開し、復帰しつつある。

主要クルーズ船のAsuka II(=飛鳥II)とNippon Maru(=にっぽん丸)は、東京と他の数県を網羅したコロナウイルス緊急事態宣言を9月に政府が終了した前後から間もなくして運航を再開し、月曜日までに合計21回、旅行を催行している。11月の初め、50,444トンの飛鳥IIは、約300人を乗せて、茨城県常陸那珂港に入港し、この約2年間で東日本に寄港した最初のクルーズ船となった。

「最近はどこへも旅行ができませんでしたが、近くを航海すると聞いたので、このクルーズに参加しました。」と、この旅行に妻と出かけた長野県鈴鹿からやって来た70代の男性は話した。男性は、コロナウイルスが心配であることを認めたが、乗客は乗船が認められるためには、コロナウイルスの検査で陰性である等、厳格な手順に従わなければならないと話した。

感染拡大を防ぐため、茨城県も、人々が埠頭から同船を歓迎することを制限した。「コロナウイルスの防衛手段と経済活動を上手く両立させることは、本当に難しいです。遂にここまで来ました。」と県幹部のHiroetsu Aoyamaは話した。

10月に運航を再開して以来、飛鳥IIは、東京に近い横浜から、南西部の長崎まで行く旅行を含む数回の航海を行った。飛鳥の職員の1人は、そうした旅行の需要は増加していると話した。

運航事業者により実施された反ウイルス手順には、収容力の減少も含まれていた。約870人の乗客を乗せることができる飛鳥IIの運航事業者は、同船の収容力の半数しか許さず、にっぽん丸も、530人余の収容力の約65パーセントしか許さなかった。運航事業者は、船の乗船日とそれ以前に、乗客にCOVID-19の検査を行う。

今年5月、飛鳥IIは、乗客1人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったのを受けて、内航クルーズに出発したものの、横浜港に戻るだけとなった。

COVID-19のアウトブレイク(=勃発)初期の昨年2月、Diamond Princessというクルーズ船は、56か国の国と地域からやって来た、乗船していた3,700人余の乗客と船員の中で感染が見つかり、横浜港で隔離された。(KYODO NEWS: Nov 16, 2021)

Amadeus River Cruises、2022年に新船追加(ドイツ)

Amadeus River Cruisesの新船、Amadeus Cara(=アマデウス・キャラ)が来年、就航する。

この乗客163人乗りの船は、ダニューブ川(注、ドナウ川)、ライン川、そして支流を運航することになる。本船の導入で、船隊がヨーロッパで最も若く、最も近代的なものの1つになる、と同社では主張した。

この客船会社によると、呼び物には、「proven to achieve excellent results, even with Covid-19 virus particles and bacteria(=Covid-19のウイルス粒子や細菌にさえも優れた結果を達成していることが証明されている)」二段階洗浄を行う新たに開発された空気ろ過システムが含まれているという。

この長さ135メートルの船の初航海は、2022年6月10日出発のバーゼルとアムステルダム間の8日間ライン川クルーズで、価格は1,686.40ポンドからとなる。

UK product and sale manager(=連合王国(注、英国)製品・販売支配人)のKirsty Reidは、次のように話した。「この2022年の新船は、弊社の高品質のリバー・クルーズに対する大変な需要に、追加収容力を増加させる必要があるばかりではなく、弊社のお客様に対し、5つ星分野における最も現代的な船隊の1つを提供し続けることを約束するものでもあります。」(Travel Weekly: November 16, 2021, 09:32)

Celebrity Cruises、4隻目のEdgeシリーズ船の鋼板切断(注、起工)(フランス・米国)

Celebrity Cruisesは、この客船会社の4隻目のEdgeシリーズ船、Celebrity Ascent(=セレブリティ・アセント、注、「向上」の意)の鋼板切断式(注、起工式)を開催した。

同船の最初の鋼板が、水曜日(11月17日)にフランスのサン・ナゼールにあるChantiers de l’Atlantique造船所で切断された。Celebrity Ascentは、2023年初めに進水(注、就航)する予定。

この造船所での演説で、Royal Caribbean Groupのchairman and chief executive(=会長兼最高責任者)のRichard Fainは、次のように話した。「この新船の名称は、業界が立ち直る中で、大変に適切なものであります。」「Celebrity Ascentは、人々が船上で体験できるものの限界を後押しするものであることから、業界を新たな高みに連れて行くことでしょう。」

Celebrity Cruisesのpresident and chief executive(=社長兼最高責任者)のLisa Lutoff-Perloは、次のように話した。「弊社商標、弊社、そして我が業界にとってのもう一つの素晴らしい瞬間は、この驚くべき造船所が、この壮大な船の伝統的な最初の鋼板切断を行ったことであり、前方に横たわる輝かしい未来の信号を送るものであります。」「この船のために用意しているものを共有したい一方で、弊社のアセント(注、本船の名称であると同時に「向上」の意もある)が、あらゆる点でCelebrity Beyondの姉妹船となり、それ以上のものとなると言うことができます。」(Travel Weekly: November 17, 2021, 20:03)

沈没フェリー調査:正式報告書、未だに保留(フィンランド・エストニア・スウェーデン)

ヘルシンキ発。エストニア及びスウェーデン事故調査委員会は、火曜日、今年これまでに、27年前にバルト海に沈没したフェリーの残骸の調査団は、正式事故調査報告書と矛盾する新証拠をもたらさなかったと述べた。

ヨーロッパで平時に最も死者を出したこの海難事故は、M/S Estoniaが1994年9月28日に荒海に沈没したもので、852人が死亡した。その大半が、スウェーデン人とエストニア人だった。このフェリーは、エストニアの首都、タリンからストックホルムに向かう途中、当初の遭難信号から約30分で沈没した。

船上の僅か137人しか助からなかった。本船の最期については、数種の陰謀論が生まれ、その中には、潜水艦と衝突したかもしれないとか、機密の軍事貨物を輸送していたと申し立てるものもあった。

エストニア、フィンランド、そしてスウェーデンによる1997年の正式共同調査では、このフェリーは嵐の中、船首扉の鍵が外れて沈没したというものだった。これは、本船から船首扉が外れ、車両甲板に繋がるランプが開放し、甲板の大量の浸水を引き起こしたというものだった。しかし、このフェリーには大穴が開いていたという証拠が増える中で、疑問を呈する者もいた。

7月に水中ロボットを使った潜水の予備段階の結果を示して、Estonian Safety Investigation Bureau(=エストニア安全調査局)の局長であるRene Arikasは、この残骸には長さ約22メートル、高さ4メートルの穴が1つ開いていたことが、潜水で明らかになったと語った。残骸は、海底の傾斜地の上に横たわっており、海底の変化のために、長年に亘って元の場所から移動したことから、この穴やその他の損傷がより目立つものとなった、と語った。

それにも拘らず、タリンでの記者会見では、調査員が沈没についての正式報告書が間違いであることを証明する証拠を有していないことを強調した。新たな水中調査は、視界が最良となるものと考えられる3月から4月に予定されている、とArikasは語った。

スウェーデンのAccident Investigation Board(=事故調査委員会)のdeputy director general(=副委員長)のJonas Backstrandは、海底が相当に岩の多いところであることが判って、調査員は驚いたと話し、このことは、この穴の開いた理由となった可能性が高いと語った。

「(本船に対する)この損傷が、どのように生じたものかは判りません。」とBackstrandは話したが、本船が岩の多い海底に沈んでいった際に生じたもののように思われると語った。更なる調査が必要だ、と語った。

これとは別に、M/S Estoniaの遺族による個人資金に基づく遠征隊が、9月に潜水を行った。この潜水の初期成果は、来年早々に公表されるものと見られている。

残骸は、フィンランドのある島の沖の公海上の海面下、80メートル(265フィート)余の海底にあり、墓地と見なされており、法律により、保護区画とされている。(Claims Journal: November 17, 2021)

最初のクルーズ客船会社が、5歳児が航海するには完全にワクチンを打っていないといけないと発表(米国)

Disney Cruisesは、5歳以上の子供がここの船で旅行するには、COVID-19のワクチンを完全に接種していなければならないと発表した最初の船隊となった。

4歳以下の客は、航海に先立って、3日から24時間前に行われたCOVID-19検査で、陰性であることの証明が必要だ。この新しい方針は、4隻のDisney船の全てで、2022年1月13日に発効する。(中略)

Disneyが、特定年齢方針を発表した最初のクルーズ客船会社となったが、全ての客が完全にワクチンを接種していなければならないと述べた最初のところではない。Norwegian Cruise Lineは、客と職員の全員に、出発の少なくとも14日前に、完全にワクチンを接種していることを要求している。ここのウェブサイトは、ソーシャル・ディスタンシング(=社会距離戦略)不要とマスク無しの環境などの100パーセント・ワクチン接種クルーズの利点を述べている。

FDA(=食品医薬品局)、World Health Organization(=世界保健機関)(WHO)、あるいはEuropean Medicines Agency(=ヨーロッパ医薬品庁)(EMA)によると、ワクチンを接種するには若過ぎる子供は、クルーズ客船会社を使った旅行を許可していない。他のクルーズ客船会社も、間もなくDisneyの例に続き、同様の方針を適用することになる。(euronews: 19/11/2021 - 16:51)

ガザ船隊の船、Mavi Marmara、346,200ドルから競売に付される(イスラエル)

ガザの軍事封鎖を破る目的の2010年の船隊で、IDF(=イスラエル国防軍)に襲撃された船であるMavi Marmaraが、財政難のため、346,200の価格から競売に付されている、とTRT Haberが、土曜日に報じた。

この船は、Anatolian(=アナトリアン、注、アナトリア人の意)にその名称を変更しているが、同船の先取特権のため、競売に付されたものだ。この船の保険価格は200万ドルであり、ソマリアのモガデシュ港からトルコに移動させるのに、320,222ドルかかることになる。航海・通信装置は、その他の安全装置も含め、未だに動作している。この報道によると、同船に対する攻撃の痕跡があるという。

2010年のMavi Marmara襲撃では、(準政府のTurkel Commission ReportがMuslim Brotherhood(=ムスリム同胞団)と提携していると確認している)IHH活動家の小集団と結びついた右翼活動家の一団が、ガザのHamas(=ハマス、注、パレスチナのイスラム原理主義組織)のイスラエルの封鎖を破ろうとした数隻の船に乗船していた。

イスラエルが、何事もなくこれらの船の大半を奪い取り、停船させたが、Israel Navy commandos(=イスラエル海軍特殊部隊)がMavi Marmaraに乗船する一方で、IHH活動家の攻撃を受け、何がしかの特殊部隊隊員が負傷し、10人のIHHの活動家が最終的に死亡する結果となった。

トルコと国際社会の多くの国は、イスラエルの戦争犯罪を非難したが、International Criminal Court(=国際刑事裁判所)(ICC)は、ハーグにおいて、本件を裁こうとするあらゆる試みを却下した。

Yonah Jeremy Bobが、この報道に貢献した。(The Jerusalem Post: NOVEMBER 21, 2021 18:14)

沿岸警備隊、クルーズ船客を空輸(米国)

ニュー・オーリンズ発。Coast Guard(=沿岸警備隊)は土曜日、ルイジアナ州のサウスウェスト・パスの南約72マイルから、クルーズ船客1名を空輸した。

Coast Guard Sector New Orleans(=沿岸警備隊ニュー・オーリンズ管区)の見張り員は、午前8時48分頃、クルーズ船Carnival Gloryで、内出血のような症状を見せている女性がいるという通報を受けた。

見張り員らは、Coast Guard Air Station New Orleans(=沿岸警備隊ニュー・オーリンズ航空基地)のMH-65 Dolphinというヘリコプター隊員と、Coast Guard Aviation Training Center Mobile(=沿岸警備隊モービル航空訓練センター)のHC-144 Ocean Sentryの航空機乗組員の出動を調整した。ヘリコプター隊員は現場に到着して、怪我をした乗客とCarnival Gloryの看護師1人を吊り上げ、ルイジアナ州ニュー・オーリンズにあるUniversity Medical Center(=大学医療センター)に2人を輸送した。

「通年訓練していることから、この救援の効率的かつ適切な調整が確保されました。」とSector New Orleans command duty officer(ニュー・オーリンズ管区指令当直士官)のChief Warrant Officer(=兵曹長)のTricia Elderedgeは話した。「この患者を、医療の高水準のところに無事移送でき、うれしく思います。」

女性は安定した容体だ、と最終的には報告された。(WDSU: 2:58 PM CST Nov 21, 2021)

Swan Hellenic、復活以来の第1船を命名(フィンランド・英国・ロシア)

探検クルーズ客船会社として復活以来、Swan Hellenicの第1船、Minerva(=ミネルバ、注、ギリシャ神話のアテナ)が、来週の進水(注、就航)を前に洗礼を受けた(注、命名された)。

フィンランドの最初の食品文化の教授であるGodmother(=名付け親)であるJohanna Makelaは、Helsinki Shipyardであったこの乗客152人乗りの船の行事に、Swan Hellenic chief executive(=最高責任者)のAndrea Zitoと共に出席した。

本船は来週、同造船所を出発する予定で、南のアルゼンチンに向かい、そこで2021年12月22日から南極航海を運航することになる。Swan Hellenicは最近、Minervaの最初の2本のクルーズを、世界的なサプライ・チェーン問題とフィンランドでのCovid-19症例の急増を理由に、中止していた。(中略)

北極圏のNorthwest Passage(=北西航路)を航行した最初の船に因んで命名された姉妹船のVega(=ベガ、ビーガ)は、来年4月に進水(注、就航)する予定。3番船は現在、Vega 3と呼ばれているが、2022年暮れに進水(注、就航)する予定だ。(Travel Weekly: November 23, 2021, 18:25)

スリ・ランカ:フェリー転覆で少なくとも6人死亡、うち4人が子供(スリ・ランカ)

スリ・ランカ東海岸沖でフェリーが転覆し、子供4人を含む少なくとも6人が死亡した。

子供7人を含む合計14人が救助され、近隣の病院に搬送された、と警察報道官のNihal Thalduwaは確認した。8人の海軍のチームが行方不明になっている者の捜索を続けている、と付け加えた。

このフェリーは、事故当時、スリ・ランカの東海岸沿いにKurinchakeniからKinnayaの町に向かっていたもので、同国の首都であるコロンボの北東約160マイルにいた。匿名を希望する警察官と病院労働者は、死亡者を確認した。

Thalduwa氏は、フェリーは転覆当時、主として生徒と教師を、潟を横断して、学校に運んでいたと話した。写真には、現場で警察と海軍兵士が写っており、海岸には群衆が立ち並んでいる。事故当時、フェリーにどれだけ多くの人が乗船していたのか、あるいは転覆の原因が何だったのかは不明。

フェリー事故は、多くの場所が橋によって結ばれているため、スリ・ランカでは比較的稀だ。しかし社会活動家のNaazik Majeedによると、KurinchakeniとKinnayaを結ぶ橋が、修理のために閉鎖されており、人々は川を原始的な船で横断することが強いられていたという。

住民の中には、当局者に事故の責任があるとし、タイヤを燃やして、政府事務所を取り囲んで報復している者もいる。(sky news: Tuesday 23 November 2021 09:17, UK)

フランスの漁師、金曜日にフェリー、海峡トンネルの物流を阻止すること誓う(フランス・英国)

フランスの漁師は金曜日に、ブレグジット後の権利を巡る抗議で、英仏海峡の3つの港に入るフェリーの運航と、フランスと連合王国(注、英国)間のトンネルを通過する物品の動きを阻止する、と組合は話した。

この行為を「warning shot(=威嚇射撃)」と描写し、フランス国家漁業委員会 (CNPMEM)のchairman(=委員長)のGerard Romitiは、数時間に亘ってChannel Tunnel(=英仏海峡トンネル)に入る貨物輸送の他、サン・マロ港、ウェストレアム港、そしてカレー港で、フェリーの運航が阻止されることになると語った。英仏間のフランス船に交付される免許数を巡る数か月に亘る紛争は、未解決のままであり、本格的な貿易戦争になる恐れが出てきた。

「我々は補助金は要らない。単に免許を取り戻したいだけだ。」とRomitiは話した。「英国は、ブレグジット後の取引に従わないといけない。余りにも多くの漁師が、未だに暗闇の中にいる。」「我々は、息を押し殺して11か月間待ってきた。忍耐にも限度がある。この威嚇射撃が聞こえることを望む。」と話し、将来、これ以上の行動に出ることを排除しなかった。

フランスは、英国船がフランスの港で漁獲物を陸揚げすることを禁止し、全ての英国の輸入品を検査することになると脅している。当時、President(=大統領)のEmmanuel Macronは、話し合いの機会を与えることになる対策を課すことについては、フランスは撥ねつけることになると話したが、フランス当局者は、全ての選択肢はテーブルの上にあることを強調していた。フランスのEurope Minister(=欧州大臣)のClement Beauneと、英国のBrexit minister(=EU離脱担当大臣)のDavid Frostの話し合いでは、未だに突破口を見出していない。

英国政府は、封鎖の脅しに「disappointed(=失望した)」と話した。「違法行為がないようにして、貿易が影響を受けないように確保することは、フランスの側の事柄だ。」とPrime Minister(=首相)のBoris Johnsonの報道官は、木曜日に話した。

ロンドン―パリ間の緊張高まる

昨年暮れの英国とEU(=ヨーロッパ連合)により合意された取引により、ヨーロッパの漁船は、過去に運航したことを証明できたならば、英国水域を定期運航し続けることが可能というものだった。

ところがパリ(注、フランス政府)は、何隻ものフランス船が、英国の豊かな水域で漁をするための申請を拒絶され、数(注、免許数)がロンドン(注、英国政府)により大変な紛争になっていると言っている。

影響を受けた合計数は、フランス―英国間の双務貿易全体からすると、小さなものだ。しかしこの問題は、英仏間でのブレグジット後の緊張を高めており、両国関係は今や、英仏海峡で27人の命が奪われた水曜日の移民惨事に対する対応によっても試されている。(France 24: 25/11/2021 - 17:26)

クルーズ客船会社株、新たなCOVID変異株の恐れで金曜日に急落(米国)

クルーズ客船会社株が11月26日、Black Friday(=ブラック・フライデー、注、感謝祭の翌日の金曜日で、収支が黒字になる日)の朝であることを忘れて、新たな旅行規制に結び付く可能性のある南アフリカからやって来た新たなコロナウイルスの変異株の恐れで、すっかり赤字になった。

株式取引開始の鐘から15分で、Carnival Corporationの株式は10パーセント以上下落して、18.00ドルを下回った。Royal Caribbean Cruisesも約10パーセントの下げで、70.20ドルに落ち込み、Norwegian Cruise Line Holdingsは8パーセント以上値を下げて、20.62ドルだった。

Lindblad Expeditionsは打撃は少なく、かろうじて5パーセント以上の下げで、15.31ドルだった。(Cruise Industry News: November 26, 2021)

Condor、ウェイマスへのフェリー便運航再開で「喜んで調査」(英国)

チャンネル諸島とウェイマス間の新たなフェリー便で、期待が高まっている。

Condor CEO(=最高経営責任者)のJohn Naptonは最近、実現可能性の研究を実施している海辺の町の当局者との会合に出席した。

同社は、ウェイマス港が、ここの新しいLiberation(=リベラシオン)という船には適さないと思われたことから、2015年に同港から移動する決定を行っていた。今ではプールから航海している。この動きは、(注、ウェイマスの)町の観光部門に損害を与える結果となり、年間750,000ポンドの港湾使用料の他、ジャージー島とガーンジー島からの訪問者を失った。

Condorの広報担当者は、次のように話した。「弊社は喜んで提携者との機会を調査しております。ですから、当初の実現可能性の研究結果を見るのが楽しみです。」(itv: Saturday 27 November 2021, 8:42am)

Norwegian Cruise Line、南アフリカ航海を中止(米国・南アフリカ)

Norwegian Cruise Lineは、Covid-19のomicron variant(=オミクロン変異株)に対応して、5本の航海を中止した。一方、他の商標は、状況を注視していると話している。

NCLの広報担当者は、この客船会社は、12月3日から1月26日までの、南アフリカから出発、あるいは下船する予定の5本のNorwegian Jadeのクルーズを中止したと話した。合衆国を含む数か国は、アフリカ南部の南アフリカ、その他の諸国に対する渡航制限の程度を変更している。このオミクロン変異株は、科学者によって最初に発見された南アフリカにおける症例を急増させていると報じられている。

「弊社のお客様、船員、そして訪問先の安全は、弊社の最優先事項でございます。」と広報担当者は話した。「その結果、弊社では展開しつつある世界の公衆衛生環境を綿密に監視し続けており、必要に応じて対処する準備をしております。」

このオミクロン変異株による渡航制限は、クルーズ旅程に影響を与えていない。というのは、大半の客船会社は、早くとも1月まで、アフリカ南部で航海する予定はなかったためだ。

MSC Cruisesは、住民に対してのみ開かれているので、ここの南アフリカ航海は影響を受けていないと話した。「弊社の健康・安全保護手順の下で、その国における全ての活動が住民に適用されているように、地元当局が出した健康指針に合致して運航することになっております。」とこの客船会社は声明文において述べた。

Azamaraは、1月にアフリカ南部航海を始める予定だが、次のように話した。「弊社では、南アフリカに対する新たな渡航制限に関してなされた発表を再調査しているところです。変更することがあれば、直ちに予約済のお客様や旅行提携者に連絡いたします。」

Crystal CruisesとSilverseaは、2月からアフリカ航海を開始するが、状況を監視しているが、如何なる旅程の変更もしていないと話した。(Travel Weekly: Nov 29, 2021)

仁川―済州フェリー、12月10日に再開(韓国)

仁川(=インチョン)と済州(=チェジュ)間のフェリー便が、2014年の死者を出したフェリー惨事の後7年を経て、より安全で最新の旅客船で、遂に再開される。

新運航事業者のHydex Storageは日曜日、27,000トンのBeyond Trust(=ビヨンド・トラスト、注、「超信頼」の意)が、12月10日に仁川から出発することになると話した。

この新しいフェリーは、長さ170m、幅26m、高さ28mで、乗客854人、乗用車487台、10フィート・コンテナ65個を積載し、最高速力約24ノットを出すことが可能だ。90室の船室、WiFi(=ワイ・ファイ、注、無線LAN)付のビジネス・ラウンジ、コンビニエンス・ストア(=日用雑貨食料品店)、コーヒー・ショップ(=軽食堂、喫茶店)、そして食堂がある。ペットと共に旅行する家族のための船室さえもある。

「Beyond Trustは、様々な救命設備を備え、緊急事態時にちょうど30分で全ての乗客が船から避難することができるものです。」と運航事業者は話した。「乗客は、旅客機で使用されているものと同様の実時間航海情報システムを使って、現在位置、船の速力、そして到着時間を確認することができます。」(Chosunilbo: November 29, 2021 12:55)

破産したTianjin Xingang Heavy Industry、CSSC (Tianjin) Shipbuildingとして生まれ変わる(中国)

再編されたDSIC、CSSC (Tianjin) Shipbuildingは、Tianjin Lingang economy zone(=天津港経済区)で始動している。

Tianjin Xingangは、今年10月に、DSICの財政難のために閉鎖となった。生まれ変わったCSSC (Tianjin) Shipbuildingは、DSICの新たな生産拠点となり、DSICによって100%支配されている。同造船所は、大型船の建造に特化することになる。

CSSC (Tianjin) Shipbuildingの開業日に、同造船所は、最初の造船事業である、Taizhou Jiahang Shippingが運航する85,000 dwt(=重量トン)のばら積み船の工事を開始した。

Tianjin Xingangは1940年の設立で、以前にも2000年に破産宣告を受け、2001年に再建していた。2017年、同造船所は、200万トンの造船能力と、220隻の船舶修理能力のある施設に移転していた。(Seatrade Maritime News: Nov 30, 2021)