2022年10月

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2022年10月の海外旅客船情報

スリ・ランカ海軍、転覆したフェリーから35人救助(スリ・ランカ)

Sri Lankan Navy(=スリ・ランカ海軍)は土曜日、スリ・ランカ北西沖の海で転覆したフェリーに乗船していた35人を救助した。

このフェリーは、一連の諸島間を航海していた。警察は、フェリーは古く、岸を離れて直ぐに浸水が始まったと話した。乗客の大半は、季節漁民や水産業に従事する実業家だった。重傷を負った者はいない。

海軍と警察では、このフェリーで浸水した原因について捜査している。(MNA: October 1, 2022)

香港、何がしかのCOVIDクルーズ規制緩和、しかし船を惹きつけるには不十分かも(中国)

Hong Kong Health Bureau(=香港衛生局)は、クルーズ船に関する規制の小規模緩和を発表した。

同局は陽性症例が船内で見つかった場合に、数週間に亘ってクルーズ船が運休することになるかもしれない「suspension mechanism(=運休機構)」を廃止した。

どこにも行かないクルーズのみ、収容力75%制限、ワクチンと検査必要

しかし未だにcruises to nowhere(=どこにも行かないクルーズ)のみが許可されており、収容力の75%制限があり、完全ワクチン接種は強制的で、なおも指定されていない検査要請もある。

変更は歓迎、しかし…

「改善は歓迎ですが、私の考えは、この新方針は、地元の供給源市場に復帰する船舶を惹きつけるという現在の国際的な状況からは、未だにかなり離れたものだというものです。」とKai Tak Cruise Terminalを経営しているWorldwide Cruise Terminalsのmanaging director(=代表取締役)であるJeff Bentは、Seatrade Cruise Newsに話した。

「我々は、来春訪問する予定の国際的に収益を得ている客船会社が、不合理な規制なしで寄港を再開できるよう、当局が、船で香港にやって来る観光客に対する規制を早く緩和することを希望しています。」

1月上旬以来、クルーズ無し

地元住民のみを乗せた、どこにも行かないクルーズは、2021年7月30日から今年の1月5日まで半年間運航し、その後、オミクロン変異株を食い止めるための厳格な対策の一環として、中止になっていた。(Seatrade Cruise News: Oct 03, 2022)

Four Seasons、豪華ヨット船隊参入へ(イタリア)

香港発。Four Seasonsは、Four Seasons Yachtsの開始で、Nadim AshiとPhilip Levineと連携した。

今後5年間に亘って、Four Seasons Yachtsの船隊となるものの第1船は、現在、指導的な造船業者であるFincantieriにより、イタリアのトリエステで設計中だ。

最初のヨットは、2隻の追加ヨットの選択権も含まれる発注の一環として、2025年末までに引き渡される予定。この取引は、おおよそ12億ユーロ相当だ。

「Four Seasons Yachtsは、弊社の業界を指導する革新の長い歴史の次章を象徴するものであり、Four Seasonsの世界を拡大する、新たな機会に投資し続ける弊社にとっての一里塚となる瞬間であります。」とFour Seasons Hotels and ResortsのPresident(=社長)であるChristian Clercは語った。「真の構想は、可能性を想像する能力の結果である一方、常に弊社の価値観に忠実であり続けるものです。この新しい冒険事業に対する弊社の構想は、まさしくそういうものです。Marc-Henry Cruise Holdingsで、弊社の提携者と共に、私たちはFour Seasonsの最良のもの、つまり美しいサービス活動と弊社お客様への愛に取り囲まれた他に類を見ない品質と体験と彼らの知見を結び付けた、何だか途方もないものを創造しているところなのです。」

就航旅行は、2025年下旬が予想され、Four Seasonsヨットの1番船は、長さ207メートル、幅27メートルで、14層の甲板を持つものとなる。そしてスィートには420万ドルの建造費を掛け、注文設計の点での費用は含まれていない。(中略)

スウェーデンのTillberg Designが、外観や旅客用スィートの設計に対して責任を負う指導設計者に指名されている一方、ロンドンに本拠を置くMartin Brudnizki Design Studioが、このヨットの顧客区画の多くの設計を担当する。これら設計提携者は、Prosper Assoulineの創造的な指示と組むことになる。(Japan Today: October 6, 2022 06:00 am JST)

Norwegian Cruiseの移民のための契約はありそうもない、市当局はより安い選択を求める(米国)

移民をスタテン島沖に停泊したNorwegian Cruise Lineの船に住まわせるというEric Adams市長の計画は失敗に終わった。というのは、費用が掛かり過ぎるからであり、市当局は「cheaper option(=より安い選択)」を希望している、とCity Hall(=市役所)高官は金曜日に語った。

Adams政権は先週、NCLとの最終取引に近づいていた。これはPost紙が以前報じたが、Norwegian Cruiseの幹部らが、すっと高い料金を要求したことから話し合いは物別れとなった。

「我々はより良い取引をしたので、連中は恐らく最も可能性はないです。」とNorwegian Cruise Lineとの交渉を担当してきたCity Hall chief of staff(=市役所首席補佐官)のFrank Caroneは語った。

しかし市役所は、今やCarnival Cruise Lineや、ロシアの侵略を受け、自国から逃れてきたウクライナ難民を収容するためにエストニア政府によって賃借されたエストニアの会社、Tallink & Siljaを含む4社と話し合っているところだ。(New York Post: October 7, 2022 1:09pm)

マニスチーの幽霊船の呼び物、今週末、開催(米国)

ミシガン州マニスチー発。マニスチーの毎年恒例のHalloween(=ハロウィーン)の歴史的なカー・フェリーでの2022年シーズンの幽霊祭りが、今夜、開催される。

S.S. City of MilwaukeeのGhost Ship(=幽霊船)は、10月一杯、金曜日と土曜日の午後7時30分から10時30分まで開催される。この呼び物は、同船の第5甲板から第6甲板で開催され、閲覧には25分から45分かかる。費用は1人当たり12ドル。6歳以下の子供は無料だが、Ghost Shipに6歳以下の子供を連れて行くことは推奨されていない。

本船はNational Historic Landmark(=国定歴史建造物)であり、Manistee Township(=マニスチー街区)の99 Arthur St.(=アーサー通り99番)のManistee Lake(=マニスチー湖)に接岸している。

この幽霊の「house(=小屋)」は、大きな音、まぶしい光、視界不良、急な階段、傾斜や坂道、点滅光、特殊効果、そして俳優による突然の動作が含まれている、とウェブサイトは警告している。心臓の異常や発作、その他の健康問題を抱えている人は、入場すべきではない。薬物やアルコールの影響下にある人は、入場を拒否される。喫煙、(注、麻薬などの)吸引、飲酒、そして走ることは、この集客施設内では禁止されている。(Mlive.com: Oct. 07, 2022, 2:07 p.m.)

クルーズ船、低水位のため運航途中で中止を余儀なくされる(米国)

ミシシッピー川を遡っていたVikingのリバー・クルーズ船は、低水位により同船が予想よりも早く運航終了を余儀なくされて、木曜日に停船した。

「ミシシッピー川の異常な低水位のために、この川は部分的に閉鎖され、北行きと南行きの水運の全てが影響を受けています。」と同社がCNNに出した声明にはあった。「この閉鎖で、Viking Mississippiが、催行中の運航を終えて、10月15日の次に予定されている出発のためにセント・ポール(ミネソタ州)に到達することができないことになります。」

影響を受けた船はViking Mississippiで、386人までの客を収容する193室の客室を自慢としており、「first truly modern cruise ship in the region(=この地域初の真に現代的なクルーズ船)」であると主張している。

この川の低水位は、8月以来、この地域の低降水量に起因するものだ。Drought. govによると、ミシシッピー州の84%以上が、異常な乾燥状態を経験しているところだという。

Vikingは、顧客には通知しているが、払い戻しがあるのか、別の船に振り替えるのかどうかについては明らかにしていないと話した。同社は現在、ミシシッピー川の5本の異なるクルーズ航路の切符を売っており、価格は3,999ドルから12,999ドルまで。(Entrepreneur: October 7, 2022)

Ruby Princessの集団訴訟、今週、オーストラリアの連邦裁判所で開始へ(オーストラリア)

2020年3月のPrincess CruisesのRuby Princessに乗船していた乗客を代表する集団訴訟の裁判が、水曜日にFederal Court of Australia(=オーストラリア連邦裁判所)で開始される予定だ。こちらで報じられているように、昨年12月の Carnival Corp. & plcとShine Lawyers(注、法律事務所)との間の調停は不調に終わり、今月、本件は裁判に送られた。

訴状

弁護士らは、パンデミックの初期段階であった2年前の3月19日にシドニーに接岸した同船でのCOVID-19のアウトブレイク(=勃発)では、乗客がこのウイルスの感染から安全に保護されることを確実にするための適切な対策を取ることに失敗する結果に終わった、と申し立てることになるものと理解されている。(Seatrade Cruise News: Oct 10, 2022)

Carnival Ecstasy、最後のクルーズに出航(米国)

31年間の経歴を締めくくって、Carnival Ecstasyは、月曜日、Carnival Cruise Lineの下での最後の航海に出航した。

残存するFantasy級のクルーズ船の1隻である、この1991年建造船は、メキシコ行きの5泊クルーズを提供して、この合衆国に本拠を置く会社の船隊を去ることになる。さよならクルーズは、モービルからの往復旅行で、洋上での2日間を目玉とする他、プエルト・プログレソやコスメルへの訪問が含まれている。

パンデミックのため2年間運休してから、Ecstasyは最後のシーズンのために、3月に客を迎えていた。アラバマの母港から出航する、この客を2,040人乗せる船は、メキシコと西カリブ海に向かう4泊と5泊の一連の航海を行った。この運航は、24か月ぶりのCarnivalのアラバマ復帰を記すものでもあった。

この70,367トン船は、現在、Carnivalの船隊の中では最古の船であり、2019年に最後の改装を行っていた。(後略)(Cruise Industry News: Oct 10, 2022)

カタール、ワードルド・カップ用洋上ホテルとして3隻目のクルーズ船を賃借(カタール・スイス)

ジュネーブ発。3隻目のクルーズ船が月曜日、カタールのWorld Cup(=ワールド・カップ)機関により賃借された。このトーナメント用の待望の部屋を追加すべく、ドーハ港に接岸したサッカー・ファンのホテルとして運用されることになる。

ジュネーブを本拠地とするMSC Cruiseは、11月20日に始まるものと予定されているワールド・カップまで僅か6週間前に、この合意を発表した。1,075室の船室があるMSC Operaが、11月19日から12月19日まで利用可能となる。Operaの料金は、MSCのウェブサイトに月曜日に掲載され、グループ・ステージ期間中は、最短でも2泊で、1泊1人当たり470スイス・フラン(470ドル)から。

カタールには、ワールド・カップの全てのチーム、作業員、ボランティア、そしてファンのためのホテル収容力がなく、野営地を作り、クルーズ船を賃借し、ファンは近隣国に滞在して、試合には飛行機で来ることを推奨していた。MSCはこれに先立って、見込まれる120万人の国際的な訪問者を収容することに役立てるための洋上ホテルとして、約4,000室の船室がある2隻の船を提供すべく、2019年にカタール政府との間で取引に署名していた。

高所得者向けの旗艦、MSC World Europaは、フランスでの建造を経て、ワールド・カップで稼働開始する。クルーズ船の価格は、半数のチームが帰国するトーナメント期間中に下落する。16ラウンドと準々決勝の期間中は、MSC Operaの最も安い部屋は、320スイス・フラン(320ドル)、その後、最終週には220スイス・フラン(220ドル)となる。

基本料金には、船上での朝食が含まれているが、全食事のための1日当たりの追加額、90ユーロ(87ドル)を支払うという選択肢がついている。アルコールは、船上で利用可能と見られており、MSCは、ワインとドラフト・ビールを提供する。カタールは、イスラム教徒が多数を占める国家であって、典型的には豪華ホテルでのアルコールの消費には制限があるが、FIFA(=国際サッカー連盟)の商業提携者である、スタジアムの接客企業で、ワールド・カップの提供者でBudweiser(=バドワイザー)の醸造者であるAB InBevのために、その規則を緩和している。(Japan Today: October 11, 2022, 06:00 am JST)

Disney、Gentingの未完成特大船買収で交渉中と報道(ドイツ・米国)

Disney Cruise Lineは、未完成のGlobal Dreamという特大クルーズ船の買収を熱望していると報じられている。

Global Dreamは、ドイツの造船所であるMV Werftenで、Genting Hong Kong向けに建造中だった。今やGenting HKの崩壊により、宙ぶらりんの状態になっている。以前の報道では、直接、解体工場に向かう可能性があるというものだった。今やドイツのニュース報道機関のNDRは、Disney Cruise Lineが、insolvency administrator(=破産管財人)のChristoph Morgenによると買いたがっている、と示唆している。

208,000総トンのGlobal Dreamの建造費用は、16億ユーロ。Global Dreamはアジア市場向けで、とりわけアジア人クルーズ客向けに設計されていた。

State Economic Minister(=州経済大臣)のReinhard Meyerは、確認を拒否したが、Disney Cruise Lineとの話し合いが行われていると語った。工事は、約3四半期で竣工すると考えられている。(Travel Mole: Tuesday, 11 Oct, 2022)

85%下落、Carnivalは買いか?(米国)

クルーズ船運航事業者は、パンデミックの嵐の潮流に逆らって航海して来た。

Carnival (CCL 0.42%) (CUK 0.47%) は、最大のクルーズ客船運航事業者であり、9つの異なる商標にまたがる100隻以上の船を保有しており、クルーズ客船会社程、パンデミックにより酷い被害を受けたところはないと公に取引されてきた。この1年に亘り、価値の4分の3を失い、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)前からだと、85%以上を失っている。 Carnivalの株式は、史上最安値で取引されているところだ。

投資家は、これは急落する機会なのか、大幅値引きで株式を買うべきなのかと疑問に思うことになるだろう。以下は、投資家はCarnivalを見たときに最初に考慮すべきことだ。このクルーズ船株式が、日没に向けて航海することになるのか、あるいは、海の墓場に沈むことになるのかを見て行こう。

乗客のクルーズ需要

乗客がいなかったら、どのクルーズ客船運航事業者も、難破するのを待つことになる。驚くべきことに、これはCarnivalはあんまり心配する必要がなかったことの1つなのだ。パンデミックが酷かった時でさえも、かなりの抑圧されたクルーズ需要があったのであり、これは今日でも続いている。

Carnivalは最終的には、ここの船が客を扱えることのできる95%という殆ど完全収容力にまで回復しており、9つの商標のうちの8つは、第4四半期の期末までには、完全収容力になることになっている。将来のクルーズの4分の3の予約は加速し続けており、これにより、パンデミック前の水準との「close the gap(=差を縮めつつある)」。

しかし過去2年間に亘って、最初はCOVID、その後は変異株の勃発により、全てのクルーズが運休したことから、第4四半期の予約は歴史的水準を下回っており、同社がクレジットを支給しなければならなかったことから、より安い価格で予約されているところだ。

一方、2023年向けの予約は、この歴史的な傾向よりは僅かに上回っており、より高い価格で埋まっている。このことは、消費者のクルーズ需要故に、Carnivalは未だに価格決定力を支配していることを示している。

錨を降ろして

Carnivalは昨年末、収益性に向けて戻り始めたように思われた。新しく、より大きな、費用削減のためお金を節約することになる、より効率性の高い船からなる船隊の半分を準備していた。ところが第3四半期の業績は、Carnivalが、予想よりもずっと長期に亘って、大幅な損失を見ることを示していた。

このクルーズ客船会社は、43億1000万ドルの収益を計上していたが、これは前年比で大幅な上昇だった(1年前は5億4600万ドルだった)が、この数字は、49億ドルとする分析者の予想には達しないものだった。1株当たり0.58ドルの調整損失は、1年前の1.75ドルの調整損失からは顕著な改善がみられたが、ウォール街は、1株当たり僅か0.15ドルの損失を見込んでいたのだった。

Carnivalは、現金と短期投資で71億ドル近くを有しているが、昨年よりは7億5000万ドル近く減少している。同時に、貸借対照表上のCarnivalの負債額は、28億ドルから350億ドルに膨れ上がっている。パンデミック開始前からは、その額は4倍近いものとなっている。

Federal Reserve(=連邦準備銀行)が、今や金利を積極的に引き上げていることから、つまり前例のない3回に亘って75ベーシス・ポイント(注、1%の100分の1)まで利率を上げて、来月も同様のパーセンテージまで引き上げる可能性が非常に高いことから、Carnivalの借り入れ費用が上昇する可能性がある。2022年の最初の9か月間の同社の支払利息は、12億ドル近い。2019年は、僅か1億5700万ドルだった。

前途に広がる荒海

Carnivalは、目の前に何がしかの難航があるように見え、避難港を望んでも、更に遠くに押しやられることになる。激しいインフレーションと、深刻な長引く不況が、クルーズに対する消費者の需要を水没させることになり得るローグ・ウェイブ(注、巨大波)となる可能性がある。

1株6ドル少し上で、Carnivalの株式が安いのは理にかなっているが、私は完全に見捨てはしない。このクルーズ運航事業者は、利用できる流動資産(注、現金等)が74億ドルある。だから破産の可能性はないのだ。株式取引は、同社の販売と簿価の僅かなものであることから、投資家は大幅値引きをしているのだ。私はこれに入ろうと示唆することはしないが、危険回避型で、請求書や緊急事態に払う金が必要ない投資家は、Carnival株の僅かな量を、こうした水準で買うことを考えるのかもしれない。(The Motley Fool: Oct 12, 2022 at 5:45AM)

RMT、海員らにP&O Ferriesと戦う法律制定を呼びかけ(英国)

RMT広報部:海員労働組合のRMTは今日、政府のSeafarers Wages Bill(注、「海員賃金法」の意)が昨日、Houses of Parliament(=国会議事堂)を回り始めたことを受けて、P&O Ferriesに対する有意義な行動を取ることを呼びかけた。

政府は、3月に800人の直接雇用の海員がP&Oによって解雇され、低賃金の代理店経由の労働者と代替したのを受け、このBill(=法律)を上程した。同法は連合王国(注、英国)水域で働く海員に対する助成金による保護を与えるものと考えられているが、同社は既にこの夏にInsolvency Service(注、「支払不能局」の意)から起訴されることを回避していた。

同法案は現在、House of Lords(=貴族院)で審議されているところで、今後数週間にHouse of Commons(=庶民院、下院)に送られる。(後略)(RMT: 13 October 2022)

セサロニキ、イズミル間で新フェリー運航開始(トルコ・ギリシャ)

ギリシャとトルコの間で緊張が高まっているにも拘らず、セサロニキ(注、テッサロニキとも)港とイズミル港は、10月12日現在、フェリーによって連結された。

処女航海は「Smyrna di Levante」により、セサロニキからイズミルに向かった。船は、長さ160メートル、幅23メートルで、ギリシャに本拠を置く海運会社、Levante Ferriesが所有するもの。車両300台と旅客948人を収容できるこのフェリーは、10月10日午後5時に、このギリシャの港を出発し、10月11日午前8時にイズミル港に接岸した。合計119人の乗客、車両5台、ローリー(注、大型トラック)2台と自動二輪車1台が、このフェリーには積載されていた。

フェリーは、火曜日、木曜日、そして日曜日の午後7時に、セサロニキに戻って来る。両国間の航海は13時間かかるものと見られ、切符価格は1人当たり81ユーロから。復路の切符は、10パーセント引きとなる。

トルコがシェンゲン地域の一部ではないために、旅客と物品に通関の必要があることから、セサロニキ港湾当局者は、必要とされる管理のための施設を立ち上げた。エーゲ海の両岸から共にもたらされる航海によって、相互貿易と観光の分野で利益を得ることを狙っている。(中略)

この事業は2011年以来、テーブルの上に載っていた。同社はこれまでに、ギリシャのレスボス島も、このフェリー航路に加わることを宣言していた。地元ギリシャ・メディアは、このフェリー便の開始により、今や観光パッケージ(注、パッケージ旅行)が、両国から観光客に提供されるものと見ていた。(Hurriyet Daily News: October 13 2022 07:00:09)

B.C. Ferries、11月1日に料金値上げ(カナダ)

来月から、ブリティッシュ・コロンビア州沿岸の旅行者は、B.C. Ferriesを利用するのに、より多く支払うことになる。燃料費の高騰のためだ。

ニュース・リリースによると、B.C. Ferriesは、現行の燃料割増料金は、11月1日に1.5パーセント引き上げるという。このことは、徒歩客は、航路にもよるが、一回の旅行につき、0.40ドルから0.70ドル支払うことになることを意味する。バンクーバーとバンクーバー島の間の車両旅行は、1回の旅行につき3.15ドルの追加となり、島嶼間航路では、1.70ドル余計にかかることになる。

B.C. Ferriesのexecutive director(=業務執行取締役)のDeborah Marshallは、この値上げは、燃料価格の高騰を埋め合わせるためだと話している。18か月前は、燃料費は今日の約半分だったと見積もった。「言うまでもなく、より多く支払うことを望む人はいません。」とMarshallはCBC(=カナダ放送協会)に話した。「非常に注意深く、燃料価格を監視しております。願わくば、価格が下がった時には、この燃料割増金を廃止することになります。」

B.C. Ferriesは、今年の6月1日に料金価格を引き上げており、当時、燃料割増金は2倍以上になっていた。Marshallは、今回の値上げは、以前のものに追加するもので、これにより合計の燃料割増金は4パーセントの増加となる、と語った。Marshallは、B.C. Ferriesでは、乗客に対する割増金や充電手数料は、多かれ少なかれ、燃料費次第としていると話している。

「B.C. Ferriesは、燃料割増金からは何も得ていません。単に燃料費を負担しているだけです。」(CBC News: Oct 17, 2022 3:17 PM PT)

「弊社にとって偉大な船」:売りに出された去り行くBC Ferriesの船(カナダ)

BC Ferriesは、ある幸運な買い手に、同社が2隻体制運航の先駆けとしてきた、去り行くBC Ferriesの船の1隻を購入する稀な機会を提供している。

MV Powell River Queenは、カンベル・リバーとクアドラ島の間で航海しているが、現在、売りに出されており、17件の入札の最高値が200,000ドルとなっている。

IronPlanetの目録によると、この両頭船は、1965年の建造で、5層甲板を呼び物とし、旅客400人、車両61台まで積載可能だという。3,598馬力で、長さは84メートルある。

BC Ferriesの広報担当者であるDeb Marshallは月曜日、CHEK Newsに、Powell River Queenは、この人気航路向けにハイブリッド電動運航の大革命があるまで、運航に留まると話した。

「新年に、カンベル・リバーとクアドラ島の間で、2隻運航を実施することになります。ですから、これで弊社の新しいIsland級は2隻となり、こうした船を就航させることになり、大変に興奮しているところです。」とMarshallは話した。「これは、Powell River Queenを売り払う必要があるということになり、この船は現在、売りに出されております。新船就航時に、新たな所有者が利用可能となります。」

Marshallは過去において、同社はここの船を木材切り出し事業者か、その他の運輸会社に売却したと話していた。次のように述べていた。「あの船を運航継続したいという世界の別のフェリー運航事業者がいるかもしれないです。」「継続企業に売却することを望んでおり、弊社にとっては偉大な船でした。」と語っていた。(CHEK News: Oct. 17, 2022 5:18PM)

Stena、フィッシュガードからロスレアへの航路、継続運航(英国・アイルランド)

Stenaがフィッシュガードからのフェリー運航を止めることになったというソーシャル・メディア上の最近の噂は、同社により鎮められた。

Pembroke Dockというソーシャル・メディア・グループは、Stenaはフィッシュガードからの運航を中止すると言って、今週末、同港を通過する貨物輸送に警告を発していた。この投稿は後に削除された。

同社による声明は、この主張を憶測であるとして退けた。「There is no truth in this rumour and Stena Line remains fully committed to its services in Fishguard.(=この噂には真実はありません。Stena Lineは、フィッシュガードでの運航に全力で尽力し続けます。)」と、同社の広報担当者は話した。

Stenaは、フィッシュガードとロスレア間で毎日4航海しており、ウェールズ南部とアイルランド間の最速かつ最短の横断となっている。フェリーは、午後1時と午後11時45分にフィッシュガードを出発し、この横断は3時間半から4時間かかる。ロスレアからフィッシュガードへの帰りの便は、午前7時30分発と午後6時15分発。(WesternTelegraph: 17th October)

Antigua Cruise Port、600,000人以上の旅客を迎える見込み(アンティグア・バーブーダ)

Antigua Cruise Portは、プレス・リリースによると、2022年10月から12月の間に182,120人の旅客を見込んでおり、2022年から23年のクルーズ・シーズンの最盛期の終わりまでに、合計で616,419人の旅客となるという。

同港によると、本シーズンの残りは、新たな高みに達するものと見られており、2023年1月は、79回の寄港で135,810人の旅客という、最も忙しい月になるという。

「2022年の地味だった夏の数か月との比較では、2023年5月から9月は、合計18回のクルーズ船寄港があるので、アンティグアのクルーズ産業の成長と発展だと言えるでしょう。」とAntigua Cruise Portのgeneral manager(=総支配人)であるDona Regis-Prosperは話した。

加えて、同港は2022年12月に、Royal Clipper CruisesのStar Clipperが始める母港化運航にかかわることになっており、P&O Arviaがこれに続く。

Arviaの母港化運航では、毎回約800人の旅客を引き受けるものとみられており、この2つの島からなる国は、タクシー運転手、ホテル労働者、海運代理人、食堂といった産業に関連する全ての分野に対し、一貫した事業を供給することになる。Arviaの母港化運航は、2023年11月に再び再開するものと見られており、同時にEmerald Cruisesの完全週1回運航が始まる。

それに先立って、同港では2022年12月と2023年1月に5隻入港する日があり、1月には2隻入港する日もある。2023年2月には、同一日に7隻の船が接岸するものと見られいる。

現在、同港では、タクシー運転手、行商人、ツアー・ガイド、警備員、食堂経営者、そして小売業者などの全ての港湾利用者に対する無料保安訓練を行っている。

「港湾共同体や業界利害関係者の成功のために投資し続けております。正真正銘の遠慮のない話し合いを信じており、それを同僚から賃借人、港湾共同体の構成員である皆さんが成功を達成するために支援するのが、我々の義務であると見ております。」とRegis-Prosperは付け加えた。(Cruise Industry News: Oct 19, 2022)

南朝鮮、クルーズ船受け入れ(韓国)

南朝鮮(注、韓国)は、The Ministry of Oceans and Fisheries(=海洋水産部)の声明によると、10月24日から国際クルーズ船に港湾を開放するという。

Minister(=長官)の Seung-hwan Cho(=趙承煥)は今週、外国人観光客の朝鮮(注、韓国)入国と、クルーズ船を使った上陸観光が、10月24日から正常に再開されると発表した。

「クルーズ産業と港湾は(経済的影響のために)、これまでに例がないCOVID-19による困難を体験しているところです。この方策の開始により、海洋水産部は、クルーズ産業と地元商業地区の復興のための積極的なクルーズ船誘致活動を推進することになります。」と語った。

今月中に当局者は、アジアにおけるクルーズ産業再開推進のための努力の一環として、アジアの他国の当局者を含む近隣諸国との間で、クルーズ活動を議論するための状況説明会を開催する。これは、パンデミックのため2020年2月にクルーズ船が禁止された後、同国へのクルーズ船寄港の可能性の再開を記すものとなる。

しかし10月24日から、南朝鮮(注、韓国)を出入りするクルーズ船に乗船する船員と乗客を含む全ての個人は、国内隔離規則に準拠して、コンサート・ホールや食堂のような屋内公共空間でマスクを着用しなければならず、入国前隔離情報システムが健康状態を検査するために使用すべきものとされ、その後、隔離指針に従うことになる、と同長官は声明において語った。

更にCOVID-19を確認された、あるいは発熱などの疑わしい症状を見せた国際乗客は、下船することができず、船上で隔離されなければならない。(Cruise Industry News: Oct 19, 2022)

The Ritz-Carlton Cruiseの旅行、1人当たり6,400ドルで1週間旅行が可能(米国)

The Ritz-Carltonのクルーズは、同社からのプレス・リリースによると、遂に出航するという。Evrimaは、Ritz-Carlton Yacht Collection向けに設計・建造された3隻のスーパーヨットの1番船で、10月15日に処女航海を開始し、スペインのバルセロナからフランスのニースへ、7日間旅行を航海している。この船の就航は、長らく待たれていたもので、現在進行中のサプライ・チェーン問題が、3年以上に亘って、同船の工事を遅延させ、何がしかを意気消沈させてきた。「The Ritz-Carltonは、革新とサービスの優秀さに長年根ざして来たのであり、斬新な旅行体験実現の最前線に立つという約束によって導かれてきました。」とMarriott Internationalの豪華商標のsenior vice president(=上席副社長)のChris Gabaldonは、声明文の中で述べた。「弊社の伝説的な商標を展開し続けていることから、新たなやり方で、Ritz-Carltonを体験できる機会を弊社お客様に提供でき、これ以上興奮させられるものはございません。」

この豪華ホテル商標は、Ritz-Carltonリゾートの生活様式と、ヨットの「casual freedom(=形式張らない自由)」を結び付けることを望んでいる。このクルーズ船が、その他の快適設備の中で、ユーバーラックス体験(注、超豪華体験)、船上Ritz-Carltonスパの完備、ナイトクラブ、無限プール、そしてワイン貯蔵室という焼き印をつけることは、驚くべきことではない。149室のスィートは、全て専用テラスと、大洋の素晴らしい景観を楽しめる床から天井まである窓でおめかししている。各部屋には、特大の寝台があり、2つのシンクがある便所、贅沢なリネン(注、敷布などのリンネル製品)もある。更に偉大な体験のために、旅行者は、2階建てか、専用浴槽がある1,091平方フィートのオーナーのスィートが広がる、ロフト形式のスィートを予約することが可能だ。

それでも、Ritzでの旅行には、お金はさほどかからない。CNNによると、カリブ海航海は1人当たり、1週間当たり、5,100ドルからであり、地中海航海は、1人当たり6,400ドルからだという。べらぼうに高い価格用には、この商標は、体験価値のある切符を提供することに専念している。船上では、客は複数の正餐会場(注、食堂)、ジム(注、体育室)、ヨットのマリーナから水上スポーツへの接近、音楽家による公演、そして専門家による話や講義に接近することになる。

623フィートの本船は、他の同様の提供をしているものよりは小型だ。例えばCarnival Cruise Lineの大半の船は、900フィートを越えている。しかしRitz-Carltonクルーズは、これが好意的に働くと信じている。同社は、最大の空間対顧客比率と職員対顧客比率の何がしかを有すると主張し、この船は、同時に298人の旅客を収容することが可能だという。

季節にもよるが、Evrimaは、地中海、カリブ海、中米、そして南米を旅することになる。本船は、親密かつ特徴的な寄港地に寄港し、この商標は、これまでに同じものが2つとない旅程となることを約束している。(AD: October 20, 2022)

世界最大のクルーズ船、月曜日にパルマに接岸(スペイン・米国)

236,000トンで、US Navy(=合衆国海軍)の特大航空母艦のほぼ2倍の大きさで、Royal Navy(=英国海軍)の史上最大の航空母艦であるQueen Elizabethの4倍近い。Wonder of the Seasは、世界最大の船であり、最大7,000人の旅客を乗せて、月曜日にパルマに投錨する。

Wonder of the Seasは、長さ1,188フィート(362メートル)で、18層甲板、236,857総トンを有する。この船は、2人使用で5,734人の旅客を収容し、最大搭載人員は、船員2,300人の他、旅客6,988人だ。客が利用する16層の甲板、20の食堂、4つのプール、そして2,867室の船室がある。

Wonder of the Seasには8つの異なる「neighbourhoods(=地区)」があり、これには、全く新しいスィート地区が含まれる。

設備には、子供の親水公園、子供の遊び場、実物大のバスケット・ボールのコート、アイス・スケート・リンク、サーフ模擬装置、10層甲板の高さがあるジップ・ライン(注、滑車にぶら下がって、傾斜をつけたロープを移動する遊戯設備)、1400席の劇場、高さ30フィート(9.1メートル)の舞台のある屋外水上劇場、そして2つある43フィート(13メートル)の岩登り用の壁が含まれる。

全てのOasis級の船のように、船上の特別の目玉となっているものの1つは、Central Park(=セントラル・パーク、注、「中央公園」の意)であり、10,000以上の本物の植物から構成されている。(Majorca Daily Bulletin: 21/10/2022 16:14)

船舶衝突で行方不明の2人の捜索打ち切り;テルスヘリング島、事故について会合開催(オランダ)

船舶衝突で行方不明になった2人に対するテルスヘリング島の浜辺での大捜索は、暗闇の中では余りにも見通しが効かないことから、金曜日の晩に打ち切られた。この警戒区では、土曜日の朝に別の大規模捜索を行わないよう指示された。

「海で何が起きているのか判りません。遺体は岸辺のどこにでも打ち上げられる可能性があります。」とFryslan Security Region(=フリースラント警戒区)の報道官は語った。

金曜日、救助隊は、金曜日の朝の衝突以来、行方不明になっていた12歳の子供1人と大人1人について、浜辺で捜索を行った。Coast Guard(=沿岸警備隊)はこれまでに、行方不明者が未だに生きている可能性は大変に小さいと発表していた。

この衝突は、フェリーと水上タクシーの間のものだった。水上タクシーには8人乗船しており、うち2人が死亡した。遺体は収容されている。4人が怪我をし、2人が行方不明。数時間後、海上での捜索は縮小された。「それは、そこの救助隊にとっては最も酷い瞬間です。」とテルスヘリング島のMayor(=市長)のCaroline van de Polは、金曜日の午後に話した。「救助がもはや現実的なものではないことが判るのです。」

同警戒区は、遺体が岸辺のどこに打ち上げられるのか、それがいつになるのか予想することはできないと話した。「土曜日になる可能性はありますが、数日の内かもしれません。どこで見ることになるのかも分かりません。」

テルスヘリング島の市長は、既に犠牲者、親族、そしてテルスヘリング島の住民にとって、酷い日について話している。島民に対するアフターケアに関する作業は行われている。Deputy Mayor(=副市長)のErik de Groot van Harlingenも、犠牲者、親族、そしてここの自治体の住民に対する哀悼の意を表明した。

テルスヘリング島の地方自治体は、この船舶事故に対処するため、土曜日の午前10時から正午まで、市役所で会合を開催する。この会合は、この事故に疑問を持っている人、あるいは何かを共有したい人のために開催される、とこの地方自治体はTwitter(=ツィッター)で報告した。あらゆる人が歓迎される。衝突についての捜査は、未だに続行中だ。(NLTIMES; Saturday, 22 October 2022 - 08:36)

世界:LNG駆動のMSC World Europa引渡し;「World」級の2番船命名(フランス・スイス)

MSC Cruisesは、LNG(=液化天然ガス)駆動のMSC World Europaの引渡しを、今日(10月24日)フランスのサン・ナゼールにあるChantiers de l’Atlantiqueでの式典で祝った。そしてこのクルーズ客船会社は、2隻目の「World」級の船の名前も明らかにした。

これまでに報道したように、MSC World Europaは、世界最大のLNG駆動のクルーズ船となると言われており、燃料電池技術を組み込んだ最初のものの1隻だという。フランスで建造される初のLNG駆動クルーズ船でもある。

長さ333メートルのMSC World Europaは、LNGとlow sulphur marine gasoil (=低硫黄舶用ガスオイル)(LSMGO)で走ることができる5台のWartsila 14V 46DF機関を特徴とし、デモ用の150-kW個体電解質型燃料電池を備えている。本船は、選択的触媒還元システムを有しており、MSC Cruisesが言うには、(LNGで運転する場合と同様の結果が得られた)MGOで同船が走る際には、窒素酸化物の排出が90%まで逓減され、陸対船の電力接続で、船は陸対船の電力社会基盤が利用可能な港で、機関を停止することが可能となっているという。

「弊社船隊に、弊社20番船で、初のLNG駆動となる、MSC World Europaを迎え、光栄であります。」とMSC GroupのCruise Division(=クルーズ部門)のExecutive Chairman(=会長)であるPierfrancesco Vagoは述べた。「この画期的な船は、ネット・ゼロ(注、正味ゼロ)で、かつ持続可能な(注、地球環境に優しい)クルーズに向けた弊社の旅における次の局面を代表するものであり、その両方に対する弊社の揺るぎない決意の象徴であります。」

Vagoは、こう付け加えた。「今やこれまで以上に、弊社の継続的な投資を補完し、我々の全員が望んでいる排ガス・ゼロの未来に向けた更なる一歩に踏み出すために、納入業者、政府、そしてその他とのより緊密な協力が必要であります。ここで我々が創造している弊社船に利用される革新的技術は、単にクルーズ産業や海運部門全体ではなく、全ての社会の利益になるものなのであります。」

更にMSC Cruisesは、最初の鋼板切断(注、起工)を発表し、「World」級の2番船の名前を明らかにした。MSC World Americaは、2025年に就航する際には、北米市場に仕えることになる。この船は、この地域に展開されることになる同社の4隻目の新しい旗艦となる。(Bunkerspot: 24 October 2022)

Carnival、中国のCovidゼロ政策に噛みつかれ、アジア・クルーズ中止(中国。イタリア・米国)

クルーズ巨大会社、Carnival Corp.の1部門で、萌芽期の中国市場を対象にしているCosta Cruisesは、今にも北京(注、中国政府)が、如何なる違反も許さないCovid政策と国境規制を緩和するという期待がしぼんでいく中、将来の全てのアジア出発便を中止することになった。

中国、香港、台湾、シンガポール、日本、そして南朝鮮(注、韓国)への寄港は、こうした目的地での国際クルーズが、未だに再開されていないことから中止となる、とイタリアのジェノバに本拠を置くこの会社は声明文において述べ、この地域の事業を再編すると付け加えた。

「パンデミックのため課せられた休止を経て、全地域の国際観光業の再開が継続的に遅れていることが記録されており、弊社では、いつ、どうやってこの地域で、国際クルーズが再開されるのか判りません。」と同社は述べた。「不確実性が継続していることから、弊社はこの決定をせざるを得ませんでした。」

Costaは、中国には言及しなかったが、同社はここの消費者に働きかける大きな計画を有していたのであり、2006年に同国に参入した最初のクルーズ商標だった。同市場向けに2隻の巨大船を建造したが、Costa Firenzeをアジアで2021年にお目見えさせるという計画は、決して実現することはなく、中国の指導者がパンデミックに対処するに当たり、厳格なCovid Zero政策を採用したことから、同船はヨーロッパに再配船された。同産業は、中国が最終的には世界最大のクルーズ市場になるものと広く期待している。

5年に1回のCommunist Party(=共産党)大会で、週末に指導部が入れ替わり、中国がそのCovid規制を緩和するという期待はかすんでしまった。President(=主席)のXi Jinping(=習近平、シー・チンピン)は、ロックダウン(注、都市封鎖)、強制隔離、なおも正に盛んに実施されている出入国規制により、中国を益々孤立させたままにするパンデミックの取り組みから離れることを考えているという兆候を示さなかった。Bloomberg Newsが先週、当局者が中国にやって来る者に対する強制隔離を緩和することを検討していると報じた後であっても、中国の観光株は、アジアの普通株と並んで、月曜日に急落した。

中国、入国旅行者に対するCovid隔離削減を議論

中国はCovidの始まり以来、制限されたクルーズ運航を、国内的では本国の住民に対して許容し、多くは内陸河川や地元沿岸の何がしかで催行されたものだった。最近では、国内運航事業者が、係争中のパラセル諸島(注、西沙諸島)へのクルーズを再開することを許している。ここは南シナ海でベトナムも主張しているところだ。

Costa Cruisesは、アジア・クルーズの再編と中止によって影響を受ける従業員と地元利害関係者には通知していると話した。アジア市場向けの同社のウェブサイトでは、今週、誤った声明がなされていた。2月に同社は、今年、この地域においてクルーズを再開する計画を大げさに宣伝していたのだった。

Carnivalの合弁事業

世界最大のクルーズ会社であるCarnivalは、国有のChina State Shipbuilding Corp.と合弁事業においては少数派の利害関係者であり、中国人客をもてなすクルーズを運航していた。この合弁事業は、Costaのニュースによって影響を受けていない、とCarnivalの代表者の1人は語った。このクルーズを運航するために、Costaからこの合弁事業が購入した2隻の豪華な定期船は、パンデミック以来、運休しており、今やキプロス沖に投錨している。

最初期のCovidの集団アウトブレイク(=勃発)の何がしかはクルーズ船で発生し、この産業に対する人目を惹く世界的な疑いをもたらした。クルーズは、未だに何がしかの地域で予防接種やウイルス検査が要求されているものの、世界の他の部分では復帰し始めているが、アジアは、この地域のずっと多くが、合衆国で見られたような多数の死者が出ることを回避することに役立っているパンデミック障壁の解消に手間取っているところだ。

とりわけ中国は、Covidの死者を回避することに関して政治的信頼の危険をはらんでおり、現在の戦略から抜け出ることを困難にしている。(Bloomberg: October 25, 2022)

海事局、国際クルーズに対する禁止を解除(台湾)

台湾は、COVID-19が国内で広がるのを防ぐために、2020年2月に導入した国際クルーズに対する禁止を解除した、とMaritime and Port Bureau(=海事港湾局)は月曜日に述べた。

台湾は、10月13日に全ての海外からの到着者に対する強制隔離を終了させ、クルーズは世界中で徐々に再開してきているため、禁止は解除され、月曜日に発効した、と同局は話した。台湾は、国際クルーズ便の即時再開を楽しみに待っており、これは同産業が成長を再開することに役立つものであり、COVID-19のパンデミックが始まる前は発展に努力していた、と声明文にはあった。

Princess Cruisesの新しいクルーズ船「Sun Princess」は、日付のない完成予想図が描かれている。この船は2024年に引き渡すものと見られているが、この運航事業者の史上最大のクルーズ船となることになっている。

月曜日、これまでにCentral Epidemic Command Center(=中央流行疫情指揮中心)は、Ministry of Transportation and Communications(=交通部)が草稿を書いたクルーズ向けの新たな手順を承認し、クルーズ運航事業者に送付した、と同局は話した。

この新たな手順は、EU(=ヨーロッパ連合)、合衆国、そしてオーストラリアで導入された同様の規則を基に起草されたもので、クルーズ客が台湾到着日、あるいはその前日に行ったCOVID-19迅速試験で陰性であることを示すことを要請するものだ、と同局は話した。しかし到着日にCOVID-19の症状を呈した乗客は、入国を許可される前に別の迅速試験で、陰性結果を出さなければならない。2歳未満の子供は、この迅速試験要請の例外となっている、と同局は話した。

予防接種と保険の推奨もある。乗客全員には、クルーズ開始前、少なくとも14日前に直近のCOVID-19ワクチンの追加接種を受けていることが勧告されており、台湾への訪問者は、海外医療を保証する旅行保険制度を買うことを勧告されている、と同局は話した。台湾に本拠を置くクルーズ船で働いている船員は、船上で働き始める少なくとも14日前に追加接種を受けていることが要請されており、全てのクルーズ定期船は、台湾の港湾に到着する前に、健康申告用紙を提出しなければならない。

COVID-19を有する乗客は、その船内で隔離されなければならず、重症感染症となった場合は、病院に搬送されることになるという。クルーズ船は、船内でクラスター(=集団)感染が発見された場合は、台湾当局の指示に応じなければならない。可能性ある対応は、より厳格な疾病予防規則に適合しているが、乗客による陸上訪問と船の進路を変更することは制限されている、と同局は話した。

この禁止は、Diamond Princessというクルーズ定期船で旅行中の台湾人女性が、COVID-19に感染した10人の乗客の1人であることが確認された2020年2月6日に導入された。同船での感染の第2波は、1月31日に基隆(=キールン)港に10時間寄港したことを含む周遊クルーズで、日本に到着した時だった。

国際クルーズ船は、パンデミック中、台湾で運航されてきたが、今まで台湾を周遊する国内クルーズ旅行、あるいは金門(=チンメン)島、澎湖(=ポンフー)諸島、馬祖(=マーツー)島といった離島に向かうものに利用されていた。(Taipei Times: Wed, Oct 26, 2022 page3)

福岡から釜山への高速フェリー便、11月に再開へ(日本・韓国)

福岡発。2年以上経って西日本の博多地区と南朝鮮(注、韓国)の釜山(=プサン)を結ぶ高速フェリーが、11月4日から運航再開する、とJR Kyushu Jet Ferry Inc.(=JR九州高速船)は発表した。

両国を結ぶ定期航路は、新型コロナウイルスのパンデミックのため、2020年3月以来、運休していた。同社は10月26日に、11月のみ週末に運航再開すると発表した。

「Queen Beetle」と呼ばれる新型のフェリーは、旅客502人収容できるが、オーストラリアで建造され、2020年秋に博多港に引き渡された。博多―釜山間の運航が休止になっている一方で、同社はこの船を、地元水域で走らせていた。このフェリーは、福岡湾と、博多と北九州の門司の間で、遊覧船として使用されてきた。同社はこの内航運航を中止し、釜山航路の状況を見守る意向だ。

博多から釜山への便は、11月4日、5日、12日、19日、26日に運航する。フェリーは午前9時に博多を出発して、午後12時40分に釜山に到着する予定。釜山から博多への便は、11月4日、6日、13日、20日、27日に運航する。フェリーは午後3時に釜山を出発して、午後6時40分に博多に到着する。

スタンダード・クラスの片道切符は、16,000円(109ドル)。しかし11月中は特別料金として、8,000円で切符を提供すると同社は話した。当面、予約は午前9時から午後5時まで、Reservation Information Center(=予約情報センター)(092-281-2315番)で、電話でのみ可能。

博多から出発する旅客は、座席が利用可能な場合は、予約なしで乗船可能だが、釜山からの出発では、予約は出発日の2日前の午後5時までにしなければならない。12月の運航予定は11月中旬以降に発表されるが、このフェリーは、12月上旬に入渠が予定されている。

パンデミック前は、数隻のBeetlesが、1日2回か3回、往復していた。同社では、全てが上手く行ったならば、年末や新年の休日期間中には毎日運航を提供することを検討すると話した。(The Asahi Shimbun: October 27, 2022 at 19:09 JST)

Brittany Ferries、「青ざめる」Covid期間後、より良い年を報告(フランス)

来年で50周年を迎えるBrittany Fer-riesは、2019-20年と2020-21年の2億2200万ユーロの累積赤字を経て、2021-2022年はずっと良い年であったと報告している。

フランスのCovid規制解除が遅かったことによる影響を受ける

このロスコフに本拠を置く会社は、大半が英国人乗客だが、Covid前の運航頻度と航路に殆ど戻っているが、出来るだけ効率的に運航できるようにするため、調整は未だに行われている。ポーツマス―ル・アーブル間は、旅客需要があると評価しているものの、未だに貨物のみだ。

広報担当のNigel Wonnacottは、2021-22年は1年前(ここの会計年度は11月1日から10月31日まで)よりはずっと良かったが、2018-19年との比較では、英国―フランス航路の稼働は20%以上落ち込んでおり、これは部分的にはフランスの比較的遅いCovid規制のためであり、恐らくは、Covidと新たな規制が戻って来るのか迷っている何がしかの顧客の現在進行中の「travel anxiety(=旅行懸念)」ためでもあると話した。

これは、「performed extremely well(=極めて好業績の)」英国―スペイン航路の急騰により穴埋めされている、と話した。Brittany Ferriesは最近、フランス―アイルランド間の稼働は、Covid前との比較で増加しているとも報告した。(後略)(The Connexion: 28 October 2022 09:13)

男性がフェリーから行方不明になったのを受け、ベルファスト入り江で捜索活動(英国)

土曜日の夜遅く、ベルファスト入り江で大規模捜索・救助作戦が開始された。

複数の緊急サービスが夜を徹して作業して休止し、その後、日曜日の午前8時に捜索を再開した。フェリー会社のStena Lineは、自社のフェリーの1隻から、男性が船外に転落したことを確認した。

ソーシャル・メディアでは、Lagan Search & Rescue(注、「ラガン捜索・救助」の意)のチームが、午後10時30分頃の投稿で、召集を受けたことを確認した。

オンラインの船舶・航空機追跡サイトでは、RNLIの救命艇1隻、Pilot Boat(=水先案内船)1隻、Lagan Search and Rescueという船、そして港湾警察船が、グリーン島近くの捜索海域に姿を見せたことを示している。スコットランドのプレスとウィックのRescue 199というヘリコプター1機も、この活動に加わっている模様。

日曜日の朝、午前2時少し前に出された短い声明では、Police Service of Northern Ireland(=北アイルランド警視庁)(PSNI) は、次のように話した。「警察とその他の緊急サービスは、現在、ベルファスト入り江海域での進行中の捜索に関わっている。現時点におけるこれ以上の詳細はなく、一般人には、この海域を避けるようお願いしている。」(BelfastLive: Updated18:19, 30 OCT 2022)

イスタンブール、アジアとヨーロッパ間に更に7本のフェリー航路獲得(トルコ)

イスタンブール発。この都市では海上輸送網を拡大していることから、火曜日からより多くのフェリーが、イスタンブールのマルマラ海とボスポラス海峡に就航する。

1500万人以上の同市のアジア側とヨーロッパ側の間で、旅客を運ぶ7本の新しいフェリー便が、運航を開始する。Istanbul Metropolitan Municipality (注、「イスタンブール首都自治体」の意)(IBB)は、先月、新たな航路の開設を承認していた。

この航路は、アジア側のカドキョイとヨーロッパ側のEyupsultan間、Avcilarとカドキョイ間、Avcilarとボスタンジュ間、マルテペ地区とプリンセス諸島(ブユカダ島、ハルキ島、プロティ島、そしてブルガズアダ島)間、チェンゲルキョイとカバタシュ間、ベシクタシュ―カバタシュ―カラキョイ―カスムパシャ―Sutluce―Eyupsultan間、ボスタンジュ―Caddebostan―モダ―カドキョイ―カバタシュ間で、旅客が利用可能となる。

料金は航路により異なり、最も高額なのは、Avcilar―ボスタンジュ間で、1.7ドル(31.8トルコ・リラ)。最も安い運賃は、チェンゲルキョイとカバタシュ間で、9.4トルコ・リラとなる。

カドキョイ―カスムパシャ―フェネル―Sutluce―Eyupsultan航路は、約50分かかるが、旅客400人の収容力を有するフェリー1隻を使って、8時間毎に運航する。ベシクタシュ―カバタシュ―カドキョイ―カスムパシャ―Sutluce―Eyupsultan航路は、1日12回運航。

同自治体が運航するフェリーでの往来、その他の公共交通機関での全ての移動では、旅客は50%の返金を受けられる。(後略)(Daily Sabah: Oct 31, 2022 - 3:15 pm GMT+3)