2023年2月

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2023年2月の海外旅客船情報

カナダの駒形丸記念碑、3回目のいたずら(カナダ)

2月1日、バンクーバー発。カナダのバンクーバーのKomagata Maru Memorial(=駒形丸記念碑)が、奇妙なビットコインのメッセージを使って、2021年から2023年の騒動に間で3回目のいたずらをされた。この記念碑は、1914年にインドからカナダに航海してきたシーク教徒、ムスリム(注、イスラム教徒)、ヒンズー教徒を含む376人のインド人を称えたものだが、カナダによって拒絶され、悲惨な状況の下で2か月間、船の上で立ち往生させられた。

「駒形丸記念碑は再び傷つけられ、人糞も近くに見られた。これは酷過ぎます!」とNational Director of Khalsa Aid, CanadaのJindi Singhは、ツィートした。Singhは、この事件は、Coal Harbour(=コール・ハーバー、注、「石炭港」の意)にある記念碑を見に、英国から来た訪問者に教えられたものだと話した。

「当方は積極的にこの事件を捜査しています。」とVancouver Police Department(=バンクーバー警察)は、Singhのツィートに返信した。

「このことを教えて下さり、とても感謝致します。適切な部署に報告しています。」とSinghのツィートにフラグを立てた(City of Vancouver(=バンクーバー市)は返答した。

この記念碑を改ざんしたメッセージにはこうあった。「No more Fiat build on Bitcoin.(注、「ビットコインにこれ以上の認可は不要」の意)Daily Hiveによると、このメッセージの一部は、記念碑の壁から消されていたという。(The Tribune: Feb 01, 2023 01:47 PM (IST))

船主、世界最古のクルーズ船が再生利用向けに売却されたことを否定(プエルト・リコ)

世界最古の遠洋クルーズ船の所有者は、この船が75年の船歴を終えることになることを否定している。

プエルト・リコに本拠を置くThe Roundtable LLCの広報担当者は、16,144総トンのAstoria(1948年建造)が、European Union(=ヨーロッパ連合)の承認の下、再生利用のために売却されたという、今週の仲介業者による報道は不正確であると主張している。

この否定は、S&P GlobalのInternational Ships Registerが最近、この船の地位を「to be broken up(=将来解体)」に変更したにも関わず出てきたものだ。しかしThe Roundtableの広報担当者はTradeWindsに対して水曜日、本船売却取引が現在、交渉中である一方、買い手が、本船が更なる取引に向けて利用されることになることを示唆した、と話した。

Astoriaは、議論の余地はあるかもしれないが、あらゆる船の中で最も色とりどりの船歴を有するものの1隻だ。本船は、Swedish American Lineが、1944年にAB Gotaverkenに旅客船1隻を発注したWorld War II(=第二次世界大戦)の不遇の時代に始まった。通年大西洋横断定期船運航向けに建造された耐氷強化船首を有する本船は、Stockholmとして1948年2月に初航海を行い、世界で初の戦後再建旅客船となった。

大西洋横断に従事していた他の旅客船との比較では小型のStockholmは、平凡な船歴を送っていたが、イタリア政府の旅客船船隊の旗艦である29,000総トンのAndrea Doria(1953年建造)と、1956年7月の霧の夜に、ニューヨーク沖で衝突した。Andrea Doriaは、沈没した。Stockholmは、船首が潰れて生き残った。この衝突で、両船で51人の旅客と船員の命が奪われた。

Swedish American Lineは、Stockholmを、東ドイツのVEB Deutsche Seereedereiに、1960年に売却した。Volkerfreundschaftに改名して、Communist Party(=共産党)と労働組合員向けのクルーズ船に改造された。Volkerfreundschaftは、1985年にパナマに登記された企業であるNeptunus Rex Enterprisesに売却され、ここがノルウェー政府に傭船し、難民向けにオスロで仮宿舎船として使用された。この時期、本船はノルウェーの探検家、Fridtjof Nansenに因んで命名されていた。

イタリアのStarlauroが次の所有者で、クルーズ船、Sorrentoとして、更なる利用に向けて再建する意図で、1989年に買収した。本船はNina di Navigazioneに売却され、様々な作業がなされ、直ぐに造船所に移動となり、そこで完全にはらわたを抜かれて、580人の乗客を乗せることができる現代のクルーズ船、Italia Primaに再建された。Ninaは、Italia Primaを主として他のクルーズ運航事業者に傭船に出し、次の所有者であるClassic International Cruisesもそうで、Athenaとして航海した。

次に本船は、ポルトガルの新興企業であるPortuscale Cruisesに売却され、ここがAzoresに改名して、傭船に出していた。連合王国(注、英国)に本拠を置くCruise & Maritime Voyages (CMV)がそうした傭船主の1社だった。本船はAstoriaに改名され、2015年にPortuscaleが崩壊した後は、抵当権者のMontepio Bankが傭船を継続した。

CMVは2020年に管理下に入り、Astoriaは、UK Maritime & Coastguard Agency(=英国海上・沿岸警備隊)によって差し押さえられた。Montepioは本船の再生利用に介入し、ロッテルダムに移動させて、そこで買い手を見つけようと試みた。

暗号通貨の億万長者Brock Pierceの系列企業、The Roundtableが、クルーズ船として利用する意図で、Astoriaを2021年中庸に買収した。同社は、後にこの計画を撤回し、同船は販売市場に逆戻りになった。「本船が鉄屑として売却されることが無いよう、弊社ではできる限りのことをしております。」とThe Roundtableの広報担当者は話した。

この記事は、The Roundtableの論評を含めるために更新された。(Trade Winds: Updated 1 February 2023 9:39 GMT)

Costa、6月にSerenaを使ってアジアでのクルーズ、再開へ(韓国・台湾。日本)

Costa Cruisesは 、Costa Serenaのアジアでの運航復帰を発表した。

2023年6月から9月まで、同船は、地元のアジアの提携者と協働して、チャーター・クルーズ番組を運航する。この商業協定の署名は、Costa Toscana船上のドバイで行われた。

式典にはCosta CruisesのPresident(=社長)Mario Zanetti、Costa CruisesのSVP & Chief Commercial Officer(=上席副社長兼最高商務責任者)、Costa Serenaのアジアでの新番組を支援する地元提携社10社の代表が出席した。(中略)

Serenaは6月に南朝鮮(注、韓国)発のクルーズを開始し、その後、夏本番の台湾に移動して、30本のクルーズを航海する。旅程は4日から7日間のもので、佐世保、鹿児島、小樽、函館、那覇、宮古島、そして石垣島といった日本の港湾を訪問する。出発は、南朝鮮(注、韓国)の釜山(=プサン)、束草(=ソクチョ)、そして浦項(=ポハン)、更に台湾の基隆(=キールン)からが予定されている。(Cruise Industry News: February 2, 2023)

MSCのクルーズ船、リオ・デ・ジャネイロで係留索が切れる 動画(ブラジル・スイス)

クルーズ船MSC MUSICAが、突風に襲われた2月3日午後、リオ・デ・ジャネイロで係留索が切れた。この船は曳船の支援を受けたものと理解されているが、直ちに係留地に戻った。損傷はなく、怪我人もいないと報告されている。(FleetMon: Feb 04, 2023 at 01:27)

電動フェリーは2年以内に就航する可能性(米国)

ワシントン州発。ワシントン州が、新しいガソリン車を驚かすには10年以上かかるかもしれないが、別の輸送形態が、ディーゼルを捨てることにずっと近づくことになるのかもしれない。

ゲムズ島からアナコルテスに5分で走る最初の電動フェリーを、州では見ることになる可能性がある。スカジット郡は、船齢40年のディーゼル船を運航しており、これを代替すべく「Move Ahead Washington(注、「ワシントン州前進」の意)という運輸一括提案からの資金を確保した。新船は、Washington State Ferriesが、ここの最初の真新しいハイブリッド電動フェリーを就航させる可能性がある2年も前である2025年までに就航する可能性がある。

現在、Washington State Ferriesは、5隻のハイブリッド電動フェリーを建造して、4隻以上を改造する資金を持っている。しかし予定は遅れている。現在、WSFでは、作業の何がしかに対する入札を求めており、更にWenatcheeを改造して、来年、就航させる希望を未だに持っている。

先週、Sen.(=上院議員)のMaria Cantwellは、このフェリー網は、ターミナルの改善と船の更新向けの、総額1150万ドルの3件の連邦補助金を受け取ることになると発表した。500万ドル近くが、2028年までに引き渡されるものと見られる2隻の電動フェリーの電力を供給する、ホィットピー島のクリントン・ターミナルの充電所に充てられることになっている。同様の充電所が、シアトル―ベーンブリッジ航路向けにも建造される。

別の500万ドルは、サウスワースの新しい旅客ターミナルの支払いに役立てることになっており、170万ドルは、WSFが新しい自動発券機の購入と、オンライン支払選択の更新に役立てることになっている。既存のカード・リーダー(注、カード読み取り装置)は8年前のもので、チップ(注、集積回路を収めた半導体の小片)を読み取ることができない。

全体として、これらの更新は、平日の大半に56,000人以上を賄うシステムの改善を図ることを狙っている。(KOMO News: Sunday, February 5th 2023)

クルーズ船で働いています、こちらが船上の最も魅力的でない部分

あるクルーズ船労働者が、彼女の仕事の魅力的でない側をこっそり覗いたものを共有している。

TikTok(注、中国のSNSの一種)で@meliesctravelとして知られているMelissaは、クルーズ船で働く自分の毎日の生活についての動画を投稿している。しかし、これって船上での魅力的でない部分では?

こちらは洗濯室。海面下の2層の甲板で、洗濯機、乾燥機、そしてアイロン台を備えた船員の洗濯室を見ることができる。洗濯用品や職員向けの未使用の下着もあるが、客はそこに降りて行くことはない。

Melissaが清掃して電気掃除機をかけているのを見ることが可能だ。船の上で働くという、一見、魅力的な仕事の全然高級ではない部分を明らかにしている。この動画には、印象的な11,400件のlikes(=いいね)と100件以上のコメントが付いている。このクルーズ船労働者は、焼却炉への見学さえも、貴方をお連れする。ここでは船員が、気に入らないガラクタを処分している。

Melissaは次のように話した。「これが船員のように見える私の生活の典型的な午後です。」「1日中浜辺にいる日はありません。不幸なことに、なおもやるべき雑用があるのです。何がしかの空き時間があっても、予定に合わせようとするのです。」

しかしそんなに悪いわけでもない。職員食堂は、船員が自分の食事を食べるところだが、「elegant(=優雅)」で十分に装飾されている。食べ物も、そんなに悪くはなさそうだ。ファンは直ぐにこの動画にコメントし、ある者はこの内部情報に驚いていた。

ある視聴者は次のように書いた。「自分の船室も掃除しないといけないの??!!」

またこのTikTokを気に入った者は、次のように言っていた。「ありがとう。あなたの動画は気に入った。間もなくまたクルーズに出かけます。」

他の者は次のように付け加えた。「この手の舞台裏動画は大好きです!どんどんやって下さい!」

3人目は次のように話した。「舞台裏の生活を共有してくれてありがとう。これまで、あるクルーズに参加しましたが、船員がどうやって、いつもとても良くて、笑顔を浮かべているだろうかと驚いているところです。」

Melissaは、クルーズ船での生活がどんなものかを共有した最初のクルーズ船の従業員ではない。TikTokで@cruisingwithkayとして知られているKookieは、客が禁止されている船内区画をこっそり覗いたものを共有した。

クルーズ船のエンターテイナーのKarissaは、無料洗濯サービスや食事の他、職員に与えられた偉大なパーコレーター(注、コーヒー沸かし器)を暴露した。別の職員は、パーコレーターと、船内で接近できる秘密を暴露した。(The Sun: 12:30, 5 Feb 2023)

Royal Caribbean、中国クルーズの再開についてかなり楽観的(中国・米国)

Royal Caribbeanの幹部は、中国クルーズ市場は今年後半に再開すると考え、2024年が市場復帰の現実的な日時と見ている。

「中国クルーズ市場の開始に対して、現在、2つの障害があります。」とRoyal Caribbean Internationalのpresident and CEO(=社長兼最高経営責任者)のMichael Bayleyは語った。「1つは、中国でクルーズと団体旅行が未だに禁止されていることです。」

Bayleyは、同社の年末兼第4四半期のテレビ業績発表で演説し、日本を訪問する中国人観光客に対し、未だに隔離にもつながる可能性のあるCOVID-19の検査が要求されている、とも語った。パンデミック以前は、大半の中国を本拠とする航海は、独占的に日本の港湾に寄港する短距離クルーズだった。

「こうした状況の双方は、ある時点で少しずつ無くなっていくものと理解しています。」とBayleyは語り、今年上期にそうなると付け加えた。その次に、今年後半に運航が再開し、2024年に完全に復帰することになる。

Royal Caribbean Groupのpresident and CEO(=社長兼最高経営責任者)のJason Libertyは、中国については、同社にとって大変に高利回りで、高利益の市場であったことから、かなり楽観視していると語った。(Cruise Industry News: February 7, 2023)

Carnival Corp、Costa商標のクルーズ船をギリシャのSeajetsに売却(米国・イタリア・ギリシャ)

Carnival Corpは、船齢17年のクルーズ船をギリシャの買い手に送り出す。ピレウスの海運市場筋は、Marios Iliopoulosの会社、Seajetsに関連付けて、102,700総トンのCosta Magica(2004年建造)の契約を行うことになったとしている。

このFincantieri建造船の持ち主が変わることに関する価格についての情報はないが、Carnivalは水曜日に、この売却を確認した。「Costa Magicaが売却され、この船は新しい買い手に引き渡されたことを確認いたします。」と広報担当者(注、女性)のJody Venturoniは、TradeWindsに話した。「現時点では、いかなる追加的詳細も提供することはできません。」

しかし、このニューヨーク市場に上場しているクルーズ船の巨人が、この船をもはや使用することがないことは、秘密ではない。1月27日に提出された最新の年次報告書で、Carnivalは、Costa Magicaをここの船隊概要から除外していたのであり、「not resume guest cruise operations(=営業クルーズ運航は再開せず)」と注記していた。

2022年6月、TradeWindsは、Costa Magicaを、コロナウイルスの大混乱の後、未だに稼働していないCarnivalのCosta Cruises商標の5隻の船の1隻として、報道していた。

Carnivalは当初、主としてヨーロッパで運航していた同船を、Costaから、主として南北アメリカで運航しているCarnival Cruise Line (CCL) 商標に再配船することを考えていた。しかしこの計画は断念し、Carnivalは代わりに、小型で若い92,700総トンのCosta Luminosa(2009年建造)をCCLに入れた。

ギリシャの大手企業

Costa Magicaは、最大4,000人の乗客と約1,000人の船員を収容できる1,359室の船室を擁する。Seajetsの管理の下、Costa Magicaは、地中海水域に堂々と復帰することになりそうだ。入手可能な資料によると、Marios Iliopoulosが率いるSeajetsのクルーズ船隊において史上最大かつ最も若い船となるという。

このギリシャ企業は、同業界を揺り動かしたコロナウイルス危機の間、熟練した資産運用者であることが証明されたが、現在、パンデミック中に買収した5隻のクルーズ船を保有している。Costa Magicaの追加で、ギリシャにおける指導的なクルーズ船船主としてのSeajetsの新参者としての役割を強固にすることになった。

ギリシャは、昨年の1月から11月末までの間に、2730万人の旅行者を惹きつけていることから、コロナウイルス危機の後、観光業の大物が戻って来て、吠えている。これは同国の人口の殆ど3倍で、2022年の同時期の入国観光客数は2倍近く、2019年のコロナ以前の3000万人の記録に近づいていた。

Seajetsは、クルーズ船を通じたものばかりではなく、同国の多数の島嶼に運航している約20隻の短距離旅客船の船隊からも成長を勝ち取ろうとしている。これには1ダース(注、12)隻の高速フェリーが含まれており、同社によると、世界最大のその種の船隊だという。

Michael Julianoが、この報道に貢献した。(TradeWinds: 8 February 2023 15:48 GMT)

ドーバー―カレー間のフェリー、フランスのストのため1日の大半運休(フランス・英国)

多くの学校の中休みの始まりの前夜に、ドーバー―カレー航路の全フェリーが、少なくとも9時間、運休した。

Port of Dover(=ドーバー港)は、Twitter(=ツィッター)で次のように発表した。「2023年2月2日のフランスでの全国行動のため、カレー港では船舶の動きはなく、全航海は8時から17時まで運休します。」

同港の広報担当者はその後、The Independent紙に語った。「フランスでの全国ストライキのため、カレーを行き来する便は、午前7時から止まっています。」「同港はまだ開いており、ダンケルク行きは通常通りですが、同港とドーバー周辺の地元道路網は、通常より混雑しています。」「旅行で延長時間が取れるよう、どうか事前に計画を立ててください。そして遅延を最小限にするための交通管理システムに従ってください。」「カレー便は、ドーバーからグリニッジ標準時間の午後2時頃に乗船開始と見られています。」

ドーバー―カレー航路は、英国からヨーロッパ大陸への主要連結路であり、約30隻のフェリーが、毎日、それぞれの方向に出発し、乗用車、バス、そしてトラックを輸送している。フランスでのストライキは、President(=大統領)のMacronの年金年齢を64歳に引き上げるという計画に反対する抗議の一環だ。

DFDSは、ここもダンケルクに航海しているが、乗客に次のように話している。「ドーバーからのお客様は、ダンケルクに移動する予約をしていることから、港にお進みください。」「カレーからは、最初に利用可能な出発便に乗船するため、ダンケルクに方向変更してください。」

他の運航事業者2社であるP&O FerriesとIrish Ferriesは、ドーバーからカレーに向かう航海しかしていない。P&O Ferriesは、次のようにツィートした。「カレーでの全国ストライキのため、Port Of Calais(=カレー港)は、中央ヨーロッパ標準時間17時(グリニッジ標準時間午後4時)まで閉鎖されます。このため弊社便の全便は、その時まで運休しております。」(後略)(The Independent: 10 February 2023)

一流弁護士がスコットランドのフェリー契約が「不正」かどうか調査へ(英国)

スコットランドのフェリー調達機関が、2隻の新船の9700万ポンドの契約が「rigged(=不正)」だったのかを調査するために、上級弁護士を任命する。

CMALは、法律事務所のAddelshaw Goddardに、本件手続きの独立処理を進めるKC(=勅選弁護士)を指名するよう求めた。この2隻のCalMacのフェリーは、今や1億5000万ポンドの予算超過であり、5年も遅延している。

BBC Disclosure(注、「暴露」の意)の調査で、落札者のFerguson Marine Engineeringが優遇措置を受けていたことを示唆する、漏出した関係書類を取得した。

The Scotsmanという新聞は、勅選弁護士が、スコットランドの最上級公務員であるPermanent Secretary(=事務次官)のJohn-Paul Marksに直接、調査結果を引き渡すことになると報じている。

フェリー機関のCMALは、スコットランド行政府に保有されている。しかしスコットランド行政府は、勅選弁護士の指名には関わっていないと話した。

2隻の旅客フェリーであるGlen Sannoxと名称未定の「hull 802(=船体番号802号)」も、ホリルード(注、エジンバラのスコットランド行政府の所在地)の公監査委員会で、MSPs(=スコットランド議会議員)によって調査されてきた。CMALはこの調達に抗弁し、2018年に監査で「no adverse issues(=不利な問題は見つからなかった)」と述べていた。しかしBBCのドキュメンタリー番組、Disclosure(注、「暴露」の意)のThe Great Ferries Scandal(注、「フェリー大醜聞」の意)において、多くの不法行為の証拠を明らかにしていた。(中略)

Glen Sannoxとhull 802は、Port Glasgow(=グラスゴー港)のFerguson Marine造船所で建造中だ。この造船所は、倒産して管理下に置かれ、前所有者のJim McCollとフェリー機関のCMALとの間で、両者とも、それぞれ一方がこの問題に責任があると非難する紛争の最中の2019年に国有化されていた。(後略)(BBC News: 11 February 2023)

中国とギリシャ、船舶金融協定に署名(ギリシャ・中國)

中国上海のLujiazui Financial City CouncilとAssociation of Banking and Financial Executives of Hellenic Shippingは、金曜日、オンライン行事で船舶金融に関する戦略的提携協定に署名した。

この協定では、両者は両国際海運センターの海運会社と金融機関の間での意思疎通を振興する協業ネットワークを設立することになる、と両国の演説者は語った。

ギリシャのDeputy Minister of Maritime Affairs and Island Policy(注、「海事・島嶼政策省副大臣」の意)のKostas Katsafadosは、この行事は「will further strengthen the relations of the countries in the financing sector(=金融分野における両国関係の一層の強化を図るものだ)」と語った。この協定の署名は、2つの海事センター間の持続的な協働と強固な結束を象徴するものだと語った。

最近数十年間、ギリシャと中国は、海に基礎を置く強固な補完関係を築いてきた。ギリシャは世界の外洋商船船隊の25%を支配し、世界最大の輸出国である中国との相乗効果は疑う余地がないものだ、と説明した。

ギリシャの船主は、過去15年間に中国の造船所で建造した500億ドル以上相当の1000隻以上の船舶を保有しており、一方、中国の銀行のギリシャ海運に対する関与は30億ドルだ、とKatsafadosは語った。

Lujiazui Financial City Councilのrepresentative of the chairman unitで、Bank of Communicationsのvice presidentであるHuang Hongyuanは、中国で同協定に署名し、Association of Banking and Financial Executives of Hellenic ShippingのpresidentであるGeorge Xiradakisは、ギリシャで署名した。(ekathimerini.com: 12.02.2023 17:08)

中国初の国産クルーズ船、90パーセント近く完成、その係留索、ほぼ国土に及ぶ可能性(中国)

中国は、同国が高度な製造業において自立を急騰させる方向に向け、重大な段階を歩み続けており、その最初の大型クルーズ船を今年、引き渡すことを狙っている。

H1508(=船体番号1508番)船は、中国初の国産クルーズ船であり、2019年10月以来、作業をしてきたもので、国営メディアの報道によると、5月までに進水するものと見られているという。

国営メディアの報道によると、金曜日に記者会見を行った製造者のShanghai Waigaoqiao Shipbuildingによると、海上試運転は7月に始まり、本船は命名され、年末までには引き渡されるという。(後略)(South China Morning Post: Published: 9:00pm, 13 Feb, 2023)

ロスレア―フィッシュガード間のStena Lineのフェリー火災で迅速大対応(英国)

緊急サービスは、アイルランド共和国からペンブルックシャーに向かっていたフェリーで出火したのを受け、緊急発進した。

乗客らは、土曜日の晩、ロスレアとフィッシュガード間のStena Lineの便で、救命胴衣を着なければならなかった。フェリー船員は、Stena Europeの機関室の火災を消火することができた、とHM Coastguard(=英国沿岸警備隊)は話した。

Stena Lineは、88人の乗客と59人の船員は無傷で、無事下船し、船は調査の間、運航から外れていると話した。(後略)(BBC News: 13 February, 2023)

2023年クルーズ収容力分布における勝者と敗者(米国)

Bermello Ajamil & Partnersによる新たな分析によると、カリブ海、アラスカ、そして地中海は、2019年のパンデミック前との比較で、2023年のクルーズ収容力でそれぞれ2ポイント獲得する一方、アジアは7ポイント落とすことになったという。

BAは、2023年の世界旅客数は、多くの船が引退しているにも拘わらず、2019年水準に到達し、それを越えることになりそうだという。もちろん、新船も就航している。

収容力占有率、カリブ海41%、地中海は17%

BAの分析によると、カリブ海は、(2019年の39%から上昇して)世界の収容力の41%になるものと見られるという。地中海の17%が、これに続く(2019年は15%)。北ヨーロッパ・西ヨーロッパは9%(不変)で、アラスカは6%(4%から上昇)。

アジア・太平洋は5%

これらの地域に引き続いて、アジア・太平洋(5%、12%から減少)、合衆国西海岸(5%、4%から上昇)、オーストラリア(4%、不変)、南米(2%、不変)、そしてバミューダ(2%、不変)となっている。

北米には何がしかの追加収容力が配船されているが、ここでは、基幹ソース・マーケット(注、収益源となる市場)となっている中国がクルーズ再開をしていないことから、クルーズ再開が最強となっている。

指導的な海岸・クルーズ施設立案者の1社である、マイアミに本拠を置くBermello Ajamil & Partnersは、世界中の10,000回以上の航海、40の商標、そして300隻に展開するデータベースを使って、この分析を作り上げた。

下寝台によるクルーズ客船会社、上位10社

BAは、2023年の下寝台による最大のクルーズ商標も一覧にしている。その順位は、次の通り。Royal Caribbean International、Carnival Cruise Line、MSC Cruises、Norwegian Cruise Line、Celebrity Cruises、Princess Cruises、Costa Cruises、AIDA Cruises、Disney Cruise Line、Resorts World Cruises。船が100%稼働率に到達するか超過すると、この数量集計には変動があるかもしれない。(Seatrade Cruise News: Feb 13, 2023)

Norwegian Cruise Line Holdings、61億ドルの注文簿に8隻(米国)

Norwegian Cruise Line Holdingsの注文簿には、現在、合計8隻のクルーズ船が含まれている。

2027年までに就航する船舶は、同社の3つの商標に広がることになる。すなわち、Norwegian Cruise Line、Oceania Cruises、そしてRegent Seven Seas Cruisesだ。全ては、イタリアのFincantieri造船所で建造されることになっており、これら新船は、合計20,565床を追加し、60億ドル以上相当のものだ。

Cruise Industry NewsのCruise Ship Orderbook(注、「クルーズ船注文簿」の意)によると、NCLHの8隻の新造船は、平均111,000トンの大きさで、平均収容力は船客2,571人で、平均費用は7億5000万ドル近い。

Norwegian Cruise Lineは、今後4年間以上に亘って、5隻の新船の引渡しを受けることになる。今年の夏に就航するNorwegian Vivaに引き続き、追加のPrima級の船は、2025年にお目見えする態勢だ。更に2隻は、2026年に引き渡される予定で、この一連の中の6番船は、2027年に就航する見込みだ。

注目すべき2025年以降に就航する4隻のPrima級の船は、一連の最初の2隻の船よりも僅かに大きい。Norwegian PrimaとNorwegian Vivaが、船客3,215人の収容力を有するのに対し、この追加の船は、3,550人の客を輸送できるものとなる。

Oceania Cruisesも、2027年までに2隻の新造船の引渡しを受ける。2023年にお目見えするVistaは、2012年以来初めて、この高級商標向けに就航する新船となる。6億6000万ドルの費用をかけた船客1,200人乗りの船には、姉妹船のAlluraが2025年に続くことになる。

一連の3隻の超豪華なクルーズ船を締めくくるSeven Seas Grandeurも、2023年に就航する。Regent Seven Seas Cruises向けに発注されている、現在、唯一の船は、54,000トンの船で、2016年建造のSeven Seas Explorerや、2020年建造のSeven Seas Splendorの姉妹船となるものだ。(Cruise Industry News: February 16, 2023)

クルーズ船訪問で人気のバリ島北部(インドネシア)

Regent Seven Seas Cruisesが運航するクルーズ船、Seven Seas Explorerは、2023年2月14日火曜日に、ブレレン県のCelukan Bawangというバリ島北部の港に寄港した。この船は、2月にCelukan Bawangを訪問した2隻目のクルーズ船で、Vantage Cruise Linesが運航する船客170人乗りのMS Ocean Odysseyによる先の2月3日の訪問に引き続くものだった。

Kompas.comが報道したように、Seven Seas Explorerは全長が225メートルで、重さが55,524総トンある(注、重さではなく容積の誤り)。この船は、530人の船員によってもてなされる647人の船客を乗せていた。伝統的なバリ島の踊り子が、港の岸壁で花束の贈り物を行って、同船の乗客を迎えた。

ブレレン県のHead of Tourism Services(=観光事業長)のGede Dody Sukma Oktiva Askaraは、Seven Seas Explorerの乗客が、多くのバリ島北部の観光地を訪問したと話した。これにはThe Banjar Hot Springs、Vihara Arama Banjar、中国寺院のKlenteng Ling Gwen Kiong、Pura Beji Desa Sangsit寺、Desa Jagaragamの戦争記念碑、そしてAnyar市場が含まれる。

このクルーズ船の寄港に対し更に論評して、Askaraは、同船の乗客の410人が、地元代理店による旅行に参加し、他の100人の乗客が、個人的な寄港地観光を行ったと話した。この観光当局者は、2月には更に多くの船の訪問が予定され、クルーズ船が寄港することから、Celukan Bawang港は益々人気になってきていると話した。

1900年代の最初の数十年には、オランダの旅客船がCelukan Bawangを寄港地として独占的に使用していた。乗客は乗用車でデンパサールや本島南部の他の港に旅行していた。(Bali Discovery: February 18, 2023)

アジア・クルーズ同盟、基本合意書に署名(台湾)

アジアにおけるクルーズ観光の発展を狙うAsia Archipelago Cruise Alliance(注、「アジア列島クルーズ同盟」の意)を形成する基本合意書が金曜日、台湾、フィリピン、そして南朝鮮(注、韓国)によって署名された。

この書面は、Maritime and Port Bureau、Association for Cruises Development of Taiwan、Korea International Cruise Research Institute、そしてPhilippine Maritime Industry Authorityにより、この地域に国際クルーズ客船会社を誘致することを狙って、台北(=タイペイ)で署名された。

式典での挨拶で、Maritime and Port Bureau(注、「海事港湾局」の意) Director-General(=局長)のYeh Hsieh-lung(=葉協隆)は、東アジア諸国はクルーズ観光を発展させる豊富で多様な資源を有しており、そのため台湾は、アジアの島嶼目的地における島巡り活動を後押しすべく、近隣諸国と力を合わせることを希望していると述べた。

2年以上前に、同局は、基隆(=キールン)港を出発して、台湾の澎湖(=ポンフー)諸島と馬祖(=マーツー)島を訪問したクルーズ船、Explorer Dreamの1,200人の乗客の支援をした、とYehは語り、これはCOVID-19による運休後に、アジアで最初に催行されたクルーズ旅行だったと付け加えた。日本はまだこのクルーズ同盟に参加していないが、東京はその可能性を調べているところだ、と局長は話した。

このクルーズ同盟は、今年の年末に正式に活動開始する予定で、この組織は、加盟国のクルーズ観光のマーケティングとその他の資源を統合し、同盟を強化し、国際クルーズ客船会社の誘致を促進する、と付け加えた。政府(注、台湾政府)は、島巡り旅行が国のクルーズ観光市場の原動力となる、とYeh は語った。(中略)

国(注、台湾)のクルーズ市場については楽観的で、フランスに本拠を置くPonantやイタリアのCosta Cruisesを含むクルーズ運航事業者数社は、台湾に寄港するか、来月から同国を母港として利用することを予定している。

Ponantは、高所得者向け市場に参入すべく、年に1回旅行を提供し、3月24日にクルーズ船1隻の基隆から大阪への航海を予定している。このクルーズでは、小旅行のため日本南部の島嶼に寄港することになっている。切符は既に売り切れている。

Costa Cruisesは6月に台湾に戻り、今年、3日間から7日間の30本の旅行を提供する。6月には、Costa Cruisesは6本の旅行を提供し、台湾出発後、南朝鮮(注、韓国)の釜山(=プサン)、束草(=ソクチョ)、そして浦項(=ポハン)の港に寄港する。7月から9月には、Costa Cruisesは、日本への24本の旅行を提供し、佐世保、鹿児島、小樽、函館、那覇、宮古島、そして石垣島に寄港する。(Taipei Times: Sun, Feb 19, 2023 page2)

Sunstoneの新探検クルーズ船、China Merchants Heavy Industriesで工事へ(中国)

中国の海門(=ハイメン)にあるChina Merchants Heavy Industries (CMHI) は、SunStone向けのInfinity級船の工事を進めている。Ulstein Design & Solutionsは同船の設計をしたが、同船の契約は纏まったと報じられている。工事や同船の引渡しの予定は、公表されていない。

これは、SunStoneの人気のInfinity級の7番船であり、恐らくは最終の探検船となる。これは、China Merchants Heavy Industriesが先に、Infinity級の船をこれ以上、工事することはないと宣言した後に出てきたものだ。本船は、長さ104m、幅18mで、喫水は 5.1m。船客199人と船員101人を収容可能。

SunStoneのInfinity級の7隻の全ては、Ulsteinによって設計された。これらの船の1番船は「GREG MORTIMER」であり、8,000総トンで、船客160人を収容でき、2019年に引き渡された。この等級の他の船には、「OCEAN VICTORY」「OCEAN EXPLORER」があり、更に最近追加された船には「SYLVIA EARLE」と「OCEAN ODESSEY」のようなものがある。同等級の6番船で最大のものは、「Ocean Albatross」で、8,500総トン、今年3月に引き渡されることになっている。

これらの船は、それぞれ長期傭船の下で運航される。Infinity級の全船は、SCR触媒を使ったTier III機関、廃熱回収システム、LED(=発光ダイオード)照明、そして排水管理システムのような、汚染を逓減するための様々な特色を有している。

SunStoneは、今や「Boundless Class」と呼ばれる新等級の船の作業に向かっている。この新等級は、Infinity級よりも僅かに大型設計で、収容力も大きい。この提案は、10隻までの船を建造することになっており、それぞれの収容力は、船客が200人から260人で、船員が137人だ。この新型船の設計では、長さ410フィートで、13,000総トンとなる。Boundless級の1番船は、2025年の暮れに引き渡されるものと見られている。(FleetMon: Feb 20, 2023 at 06:21)

Miray Cruises、トルコの地震救援提供へ(ロシア・トルコ)

Miray Cruisesは、大地震が今月これまでにトルコ南部地域と中部地域を襲ったことから、同国での救援活動に参加する。

このクルーズ客船によると、Geminiが3月中旬まで、Port of Iskenderun(=イスケンデルン港)に接岸して、1,056人の救援住宅を提供するという。乗船するのは、大半が家族で、Mirayは同船内で24時間医療サービスを行う他、全食事を提供することになっている。同社は、乗船した多くの子供向けの特別活動や番組も企画する、と広報担当者はCruise Industry Newsに話した。必要ならば、追加船も提供されるかもしれない、とこのクルーズ客船会社は話した。

2020年にMirayに買収されたGeminiは、3月19日から東地中海で夏番組を提供することになっている。トルコとギリシャから出航するこの1992年建造のクルーズ船は、ロードス島、サントリーニ島、ミコノス島、その他の人気の港に寄港することを目玉とするギリシャ諸島への3日間、4日間クルーズを行う。9月末まであるこの番組には、チェシメ港とピレウス港からの出発が含まれている。

元々はCrown Cruise Lineが運航していたGeminiは、Union Navale de Levanteによりスペインで建造されたものだ。当時、ヨーロッパ諸国で建造された史上最大の船だと考えられたこの20,000トンの船は、1室2人利用で、旅客1,074人を収容する能力を有していた。

Mirayに加わる前は、Geminiは、Cunard、Star Cruises、Quail Cruises、Happy Cruises、Vision Cruceros、Celestyal Cruises、その他でもクルーズを行っていた。同船は、2つの異なるOlympic Games(=オリンピック大会)、すなわちバルセロナの1992 Summer Olympics(=1992年夏季五輪)と、ロンドンの2012 Summer Olympics(=2012年夏季五輪)で、洋上ホテルとしても奉仕していた。(Cruise Industry News: February 20, 2023)

こちらがSeajetsによって買収された全てのクルーズ船(抄訳)

ギリシャのフェリー運航事業者であるSeajetsは、パンデミックが始まって以来、クルーズ船の買い上げで忙しい。

最近の元Costa Magicaの追加により、このギリシャの船主は、今や合計8隻の異なる種類・大きさの船を買収している。Cruise Industry Newsでは、Seajetsの買収した全てと、その後の運命を調べた。

Queen of the Oceans(元Oceana)
取引期日:2020年中庸
前運航者:P&O Cruises
建造年:1999年
収容力:船客2,000人
トン数:90,000トン
状況:ギリシャで係船

Aegean Majesty(元Veendam)
取引期日:2020年中庸
前運航者:Holland America Line
建造年:1996年
収容力:船客1,350人
トン数:55,819トン
状況:ギリシャで係船

Aegean Myth(元Maasdam)
取引期日:2020年中庸
前運航者:Holland America Line
建造年:1993年
収容力:船客1,258人
トン数:55,451トン
状況:更なる運航に向けて売却

Aegean Goddess(元Pacific Aria)
取引期日:2020年暮れ
前運航者:P&O Australia
建造年:1993年
収容力:船客1,258人
トン数:55,819トン
状況:ギリシャで係船

Magellan
取引期日:2020年暮れ
前運航者:Cruise & Maritime Voyages
建造年:1985年
収容力:船客1,452人
トン数:46,052トン
状況:解撤のため売却

Columbus
取引期日:2020年暮れ
前運航者:Cruise & Maritime Voyages
建造年:1988年
収容力:船客1,400人
トン数:63,500トン
状況:解撤のため売却

Majesty(元Majesty of the Seas)
取引期日:2021年初め
前運航者:Royal Caribbean International
建造年:1992年
収容力:船客2,354人
トン数:73,941トン
状況:ギリシャで係船

Mykonos Magic(元Costa Magica)
取引期日:2023年2月
前運航者:Costa Cruises
建造年:2004年
収容力:船客2,720人
トン数:103,000トン
状況:イタリアで係船(Cruise Industry News: February 20, 2023)

中国市場再開、Royal CaribbeanやCarnival Corpの魅力的な中期的触媒―Wells Fargo(中国・米国)

火曜日、研究ノートにおいて、Wells Fargoの分析者は、中国の最終的な再開が、Royal Caribbean (NYSE:RCL)には1株当たり6ドル、Carnival Corp. (NYSE:CCL)には1株当たり1ドルの価値となり得ると話した。

分析者らは、中国旅行の再開とクルーズ産業の回復で、中国クルーズ運航の最終的な再開は、RCLやCCLにとって「attractive medium-term catalyst(=魅力的な中期的触媒)」となると考えていると説明した。

「RCLの2月7日のテレビ業績発表で、経営陣は、中国は2023年後半・2024年に再開の可能性があると述べ、2つの主要障害は、中国クルーズに対する技術的禁止と日本の検査規制であり、23年の第1四半期には緩和されるとした。中国は、RCLのFY25 $100+ EBITDA/APCD(注、「25年営業年度100ドル以上金利・税金・償却前利益/APCD」の意)の目標に向けて漸進的であると書いた。

資料を示して、Wells Fargoの分析者は、2019年に中国は、同国が合衆国、ドイツ、連合王国(注、英国)に次ぐ190万人のクルーズ乗客を有する世界上位第4収益源市場の1つとなっていたことから、CCLの4%の収容力、RCLの6%の収容力を占めるようになると述べた。

「中国にCOVID前の収容力水準に戻すRCLとCCLが、RCLは1株当たり6ドル、CCLが1株当たり1ドル相当になるものと見積もっている」と分析者らは論じた。「多くの収益源となる市場に収容力を拡げることで、RCLとCCLの収益に肯定的な影響を与えることになり、中国旅程の営業費用は、非中国旅程とは著しく異なるとは考えていない。RCLとCCLが中国に収容力の6%、4%を配分するものと仮定すれば、中国外の供給・需要は、より良く均衡の取れたものとなる。」(Investing.com: Feb 21, 2023 01:04PM ET)

マナムの車両フェリーと旅客フェリー、いずれも再開(オーストラリア)

洪水による運休の後、マナムの住民のため、車両フェリーの接続が再開された。コウィラからマナムへの旅客フェリーは、2月23日木曜日に再開されることになっている。

Mannum Ferryは、2月10日火曜日午後12時に再開されたが、車両の接続は、ボルトのカーツーム道路との連絡に関するMid Murray Council(=ミッド・マレー評議会)が課した重量規制のため、3トン未満の軽車両と緊急車両に制限されている。

State Government(=州政府)によって管理されている隣接道路、ハンター道路は、複数の区間がかなりの深さまで押し流されて、相当の洪水被害を受けており、閉鎖状態が継続している。

ハンター道路とバーデット道路の修復作業は、2月21日火曜日に開始される。作業は、天候が許されるならば、完了まで4週間から6週間かかる見込みだ。

旅客のみのフェリーは、マナムとコウィラ間で、2月23日木曜日午前6時30分からハンター道路が再開されるまで、運航される。

この旅客のみのフェリーは、マナム発で午前6時30分から午後5時30分まで毎時、コウィラ発は午前7時から午後6時まで毎時運航する。このフェリーは、毎便20人が着席でき、横断には約15分かかる。

Department for Infrastructure and Transport(=社会基盤・運輸省)は、修理・再工事活動の協調的アプローチと、フェリーや道路の再開を確実にすべく、地元評議会や緊急サービスと緊密に作業を継続している。

最新の洪水回復情報及び勧告の他、全てのマーレ―川のフェリーの現在の状況を調べるには、こちらへ(注、リンク先省略)

第二次世界大戦の艦船、9月に観光でドゥビュークに寄港(米国)

アイオワ州ドゥビューク発。WWII(=第二次世界大戦)の最後の使用可能なLanding Ship Tank(=上陸用舟艇)(LST)が、9月に公開観光でドゥビュークに寄港する。

Travel Dubuqueは火曜日、USS LST-325は病院船として、第二次世界大戦のノルマンディーの浜から負傷兵をイングランドに帰還させたと言って、発表した。

本艦は、インディアナ州エバンズビルに恒久的に接岸しているが、1年に1回、観光のため、国内の目的地に旅をしている。本艦は以前、2018年8月にドゥビュークに寄港した。Travel Dubuqueは、16,620人の訪問者を惹きつけ、その75パーセントは、ドゥビュークから50マイル以上離れたところから見に来たと話した。(KCRG: Published: Feb. 22, 2023 at 12:07 AM JST)

Resorts World Cruises、旅程に高雄を追加(台湾・中国)

Resorts World Cruisesは、3月10日から香港発の遠洋クルーズを開始するとの発表に引き続き、Resorts World Oneの旅程に高雄(=カオシュン)を追加した。高雄は、Resorts World Oneのもう一つの母港にもなる。

4月2日から、Resorts World Oneは香港から高雄に航海して、金曜日出発の2泊3日の週末遠洋クルーズの他、日曜日出発の3泊4日のクルーズと、水曜日出発の2泊3日クルーズを提供する。

台湾からの人は、4月4日から高雄で同船に乗船可能で、香港への2泊3日のクルーズを始めることになる。Resorts World Oneはその後、月曜日出発と木曜日出発の香港への1週間往復旅行を提供する。高雄出発のこのクルーズは、観光客数の増加に向けた香港政府によるHello Hong Kong活動を支援することにもなる。

いずれかの目的地(注、香港か高雄)に向かう乗客は、寄港地観光のために下船するか、2日間滞在することが選択可能。その後、元々の母港に帰港するために、同船に再乗船することになる。

Resorts World Cruisesのexecutive chairman(=会長)、Tan Sri Lim Kok Thayは次のように語った。「香港と高雄は、いずれもResorts World Oneにより輸送された乗客数の増加と、増加したFly-Cruise(注、航空機とクルーズを組み合わせた旅行)やRail-Cruise(注、鉄道とクルーズを組み合わせた旅行)の乗客から利益を受けることになります。こうした乗客は、いずれの目的地(注、香港と高雄)において、クルーズ前と後に宿泊することになります。」

1,856人以上の船客収容力を有するResorts World Oneは、クルーズ部門と、台湾と香港の様々な観光産業に再び火をつけることになる。高雄への週2本の航海で、2023年には78回寄港することになる。

加えてKaohsiung Cruise Terminalが、総合的な買い物、飲食、娯楽区域を発展させたことから、高雄における母港展開は時機に適っている。

「この母港展開は、台湾とこの地域におけるクルーズ観光部門の再活性化における弊社の揺るぎない決意の、疑う余地のない証拠であります。」とResorts World Cruisesのpresident(=社長)、Michael Gohは語った。(TTG Asia: Posted on 22 February, 2023 15:08)

P&O Ferries、ベルギー―英国貿易を急騰させるため、Finnlinesと提携(英国・フィンランド)

P&O Ferriesは昨日(2月21日)、ゼーブルージュ(注、ゼーブルッヘとも)―ティーズポート航路に新たな航海を導入して、ベルギーと連合王国(注、英国)間の貿易流量を急騰させるべく、Finnlinesと手を組むと発表した。

顧客需要の増加に応えて、P&O Ferriesは、FinnlinesのMS Finnpulpを新サービス合意の下で週3日間、傭船する。この動きでP&O Ferriesの合計航海回数は6回に増加し、ブリテン島と大陸の間の鍵を握る貿易航路において、顧客に更なる選択肢を与えることになる、とP&O Ferriesは話した。(中略)

2月28日から、この新たな航海は、火曜日から木曜日に運航し、貨物顧客は週半ばの繁忙期の収容力水準が増加することになる。MS Finpulpは、貨物のレーン長が3,259メートルで、約225台のトレーラーに相当する。

ゼーブルージュへの復路では、本船は、ゼーブルージュとアイルランドのロスレア間のFinnlinesの便のために荷揚げ・荷下ろしを行う。P&O Ferriesも、貨物便提携の一環として、Finnlinesのゼーブルージュからロスレアに向かう航路で、港湾作業と操船サービスを提供する。(Fresh Produce Journal: 22 February 2023)

中国本土と台湾地方間のフェリー航路再開(中国・台湾)

中国本土の福建(=フーチェン)省の福州(=フーチョウ)市の黄岐鎮と、台湾地方に所属する小島、馬祖(=マーツー)島との間のフェリー便が、COVID-19のパンデミックによる3年間の運休を経て再開した。

中国のMinistry of Transport(=交通運輸部)によると、「mini three links(=小三通)」の4本のフェリー航路の全ては、これまでに運航を再開したという。2001年に始まった「小三通」は、金門(=チンメン)島、馬祖島と、福建省の間での直接貿易、郵便、輸送便に関わるものだ。(CGTN: 13:23, 23-Feb-2023)

Celestyal、元Ryndamを買収(ギリシャ)

Celestyalは元Ryndamを買収した。この1993年建造船は現在、ギリシャで係船している。

この船は最近、P&O Australiaの下で運航しており、今や船客1,260人乗りのCelestyal Journeyとなって、就航に先立ち、広範な2000万ユーロ(約2100万ドル)の改装工事と技術的保守総点検を実施することになる。(中略)

Celestyal Journeyは、広大なピレウス船舶修理地帯で、設備投資計画を実施する。船上体験と旅程に関する詳細は、今後発表される。(Cruise Industry News: February 23, 2023)

釜山と日本の対馬間のフェリー便、再開(韓国・日本)

南朝鮮(注、韓国)の釜山(=プサン)と日本の対馬の間のフェリー便が、COVID-19のパンデミックによる3年間の運休を経て再開された。

Busan Port Authority(=釜山港湾公社)は、2隻のフェリーが、この南東部の港湾都市から、午前8時30分と午前10時10分に出発し、南西日本の島にある比田勝港に1時間30分後に到着したと話した。

対馬は、朝鮮半島に最も近い日本の島。この再開により、釜山は今や、2020年4月にコロナウイルスのために閉鎖した日本への4本の海路を再開した。釜山はこれに先立ち、大阪と下関との航路の再開に引き続いて、2022年11月4日に福岡へのフェリー便を再開していた。釜山―対馬航路はかって、11隻の船によって運航され、釜山と日本の間の海上旅客輸送の60パーセントを占めていた。

同港湾公社によると、当面は、2隻の南朝鮮(注、韓国)船である、PanStar GroupのPanStar Tsushima Lin(注、「PanStar Tsushima Link」の誤り)と、Starline Co.のNinaが、土曜日と日曜日に、1日1便、同航路を運航し、1回につき最大100人の乗客を乗せるという。(The Korea Times: 2023-02-25 21:24)

外国クルーズ船の日本到来、COVID以前の水準近くに(日本)

外国が運航するクルーズ船の日本への到着が、3年間の休止を経て、3月に同国への接岸を再開すると、コロナウイルスのパンデミック以前の水準近くになることが、日曜日、Kyodo News(=共同通信)の調査で明らかになった。

42の主要港のうち、22都道府県の23港で、3月に合計89回の到着が予定され、その他の港での到着に向け、地元政府と船舶運航者による議論が進展していることが、調査で明らかとなった。パンデミック前の2019年3月には、日本では42港で125回接岸していた。この回復は明らかに、中国の国際クルーズ船の受け入れ休止の他、日本の地方自治体による観光推進の反映だ。

2019年にクルーズ船で日本を訪問した215万人のうち80パーセントが、中国から来ていた。世界中からやって来たこうした訪問者は、Japan Tourism Agency(=観光庁)によると、日本滞在中に805億円(5億9000万ドル)を消費していたという。共同通信は、2019年に大型クルーズ船を受け入れた32都道府県の42港を調査した。

日本は、Diamond Princessというクルーズ船であった大規模な感染に引き続き、2020年3月以来、外国クルーズ船の接岸を休止していた。Diamond Princessでは、何千人も2020年2月に横浜で隔離される事態となり、船員や乗客700人以上が感染し、13人が死亡した。

海外から来たクルーズ船の寄港は再開することになり、3月1日に日本中部の静岡県にある清水で始まる。3月にクルーズ船を受け入れる予定の23港のうち、南西日本にある鹿児島では、最大の11回接岸し、西日本にある神戸と、最南端の島嶼県である沖縄県の那覇の9回が続いていることが調査で明らかになった。

東京近郊の横浜は、8隻のクルーズ船を受け入れることになっており、西日本の高知では7隻。西日本にある大阪港は、この調査では、7隻のクルーズ船を受け入れる計画があると話したが、関係者との議論がなされていることを引き合いに出して、数字を明確にすることを拒否した。ここは、2019年3月に7回、外国クルーズ船が接岸していた。日本中部にある名古屋港、西日本の高松、そして南西日本の博多と長崎も、同様の理由から、数字の提供を拒絶した。

国際クルーズ船の受け入れに先立って、日本政府は、地元自治体に、コロナウイルス感染への対処に関し、船舶運航者、地元保健・税関当局と議論し、合意するよう促している。外国クルーズ船を受け入れる予定の23港のうち、16港はそうした合意に近いものを有しており、7港は未だに議論しているところだ。(KYODO NEWS: February 26, 2023 - 19:40)

マイアミ港発家族冒険クルーズで盗難クレジット・カード使用、女告発(米国)

マイアミ発。月曜日、マイアミ・デイド郡の裁判所に31歳の女が出廷した。刑事は、この女はカリブ海行きの家族休暇に出かけるために22,425ドルのクレジットカード詐欺を働いたとして告発している。

郡の記録によると、刑務官は、ノース・カロライナ州ローリーのLexus Moorerを、Turner Guilford Knight Correctional Center(注、「ターナー・ギルフォード・ナイト矯正センター」の意)で、日曜日午後1時40分以来、拘束しているという。

逮捕報告によると、Oasis of the Seasでの7日間クルーズで、この女が旅客室2部屋を予約するため、8枚の盗難クレジット・カードを使用したとのRoyal Caribbean Groupの通報を受け、警察官がPort of Miami(=マイアミ港)で、日曜日の午前11時頃、Moorerを逮捕した。

Royal Caribbeanの旅程によると、Oasis of the Seasは、火曜日にラバディー、水曜日にプエルト・リコ、木曜日にセント・トーマス島、土曜日にバハマに寄港し、日曜日にマイアミに戻って来た。

マイアミ港のU.S. Customs and Border Protection(=合衆国税関・国境警備局)は、逮捕報告によると、2月19日から26日までの旅行から戻った後で、この女の財布の中に、4枚の盗難クレジット・カードを見つけたという。Homeland Security Investigations(=国土安全保障捜査局)も、本件捜査に関わっている。

郡の記録によると、Moorerは、重窃盗罪で8個の訴因、クレジット・カードの使用詐欺で8個の訴因、更に盗難クレジット・カードの不法所持で4個の訴因に直面しているという。

刑事は、本件について情報を有する者に、Miami-Dade County Crime Stoppers(注、「マイアミ・デイド郡犯罪防止団」の意)、305-471-8477番に電話をするよう求めている。(local10.com: February 27, 2023 at 11:47 AM)

Norwegian Cruise Line株、軟調な展望、損失拡大が根強い需要に影を落とし、10%下落(米国)

Norwegian Cruise Line株は、同社が根強い旅行需要があるにも拘わらず、予想を上回る損失拡大を計上し、今年の軟調な案内を提供したことから、火曜日に10%以上も下落した。

このクルーズ会社は、分析者の85セントの予想よりも高い、1株当たり1.04ドルの第4四半期損失を報告した。Norwegianは、2023年に1株当たり70セントの通年利益も予想しており、1.04ドルの見込みを遥かに下回っている。この案内は、同社が事業にのしかかる費用と負債を減らそうとして、もがいている中で出てきたものだ。Norwegianは、12月31日現在、136億ドルの負債を抱えている。Norwegianは、収益性を出せるよう元に戻そうとしているが、2023年上期に対する大きな自信を示さなかった。

CEO(=最高経営責任者)のFrank Del Rioは、同社の2023年第1四半期は「will be the highest cost quarter(=最も費用の掛かる四半期となる)」が、下期は良くなると語った。Norwegianは、第1四半期に1株当たり45セントの損失を予想しており、ウォール街の予想よりも10セント高い。

Norwegianは、更に多くの船が運航に復帰しているものの、費用はインフレーションによって悪化し、高騰し続けていると話した。Del Rioは、負債を管理すべく株式資本を引き上げる判断をしなかったが、例え「there’s a lot of work to do(=やるべき仕事がたくさんあったとしても)」「prudent to issue more equity to de-lever the company(=会社にテコ入れするために更に株式資本を発行すべく用心深くなる)」ことはないと話した。堅調な需要が、同社に、この困難を乗り越える希望を与えている。

「弊社では、とてもとても堅調な記録を見てきており、11月に遡ると、記録破りに近い水準の予約でした。」とDel Rioは話した。「ですから弊社では、単純に消費者が減退するとは見ていないのです。」

この業界が、燃料価格の高騰と金利の上昇と戦っている中、他社は未だに損失を計上しているものの、Norwegianは、競合他社には後れを取っている。Royal Caribbeanは、予想よりも小さな第4四半期損失と、これまでの予約を、2月に計上してから、ここの株が急騰するのを見ている。Morgan Stanleyは1月に、この競合他社を格上げし、パンデミックから抜け出てきた「superior cruise operator(=上位のクルーズ運航事業者)」と名付けた。

CNBCのSeema Modyが、この報道に貢献した。(CNBC: Published Tue, Feb 28 20234:32 PM EST)