2023年9月

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2023年9月の海外旅客船情報

東京、混雑時間に通勤する大衆にフェリーを提供(日本)

東京都によって提供される首都通勤者向けのもう1つの毎日の公共交通機関として、新たなフェリー便が、10月に就航する。このフェリーは、平日の混雑時間に、中央区の日本橋地区と江東区の豊洲地区を結ぶ。

「フェリーによる輸送という新たな選択肢が遂に現実のものとなりました。」とTokyo Governor(=東京都知事)のYuriko Koike(=小池百合子)は、8月4日の定例記者会見で語った。こう付け加えた。「このフェリー便は、新しい共同体にとって、通勤と輸送更に便利にする、利用可能な輸送手段の一覧に加わるものとなります。」

この新しい共同体とは、晴海地区にあるHarumi Flag(=晴海フラッグ)という高層複合施設であり、2021年に開催されたTokyo Summer Games(=東京夏季大会)の期間中、Olympic Village(注、オリンピックの選手村)に使われた場所だった。来年の春に、新たな住民向けに開所することになっている。都庁では、列車やバスでの乗客の混雑緩和に、このフェリーが役立つことを期待している。

Kanko Kisen Kogyo KK(=観光汽船興業株式会社)とMitsui Fudosan Co.(=三井不動産株式会社)が運航を率いることになる。この便は、平日の朝と夕方以降に提供される計画だ。通勤者以外の乗客も、このフェリーへの乗船は許されることになる。時刻表、船員の人数、運賃やその他詳細は、検討中、と当局者は話した。

来春、中央区の晴海地区と港区の日の出地区を結ぶもう1つのフェリー航路の開設が見られることになる。この航路はKK Tokyo-wan Cruising(=株式会社東京湾クルージング)とNomura Real Estate Development Co.(=野村不動産株式会社)によって運航される。

都庁は2019年度以来、通勤の選択肢としてフェリー便を導入する目標で、パイロット実験とその他の計画を実施してきている。しかし比較的高額の運賃が、フェリーを実行可能な代案とする上で、中心的な障害物となっていると考えられてきた。都庁の交通計画部の当局者は、運賃は、来るべき運航時には約500円(3.42ドル)で、パイロット実験期間中は、この運賃を課したと話した。経費の一部は、都庁からの補助金によって埋め合わせされることになる。(The Asahi Shimbun: September 1, 2023 at 07:00 JST)

世界最大のクルーズ船の乗客がフロリダ沿岸沖で船外に転落(米国)

キューバ沿岸沖の世界最大のクルーズ船、Royal CarribeanのWonder of the Seasで、乗客が船外に転落した。

この身元不明の客は、フロリダ州のポート・カナベラルからグランド・ケイマン諸島に向かう7日間旅行の2日目を航海中の火曜日遅く、船外に転落した、とRoyal Caribbeanは話した。(後略)(Independent: 1st September 2023)

第二次世界大戦の船、LST-325がラ・クロスに到着(米国)

ウィスコンシン州ラ・クロス発。第二次世界大戦のU.S. Navy(=合衆国海軍)の船が、ミシシッピー河を遡り、ラ・クロスに到着した。このLST-325は、この種の船で、十分に機能して国内で現存している最後の船だ。Cruise director(=クルーズ・ディレクター、注、責任者)のKen Ruppと船舶愛好家のKirk Donskeyは、本船は長旅をしてきたと語った。

「船齢80年の船です。ペンシルベニア州フィラデルフィアで建造され、第二次世界大戦のサレルノとシチリア島で従軍しました。その後、そこからノルマンディに行きました。Operation Overgaard(=オーバーガード作戦)、Operation D-Day(=ノルマンディー上陸)を支援して、44回海峡(注、イギリス海峡)を横断しました。D-Dayと、更にもう1つにおいて、Omaha Beach(=オマハ浜)で浜に乗り上げた(注、上陸した)のでした。」とRuppは話す。

「LSTは頭文字です。つまり、landing ship tank(=戦車揚陸船)のことです。ですから、これはヨーロッパ戦域や、太平洋でのその他の作戦の双方で見られた戦車輸送船なのでした。」とDonskeyは話す。

Ruppは、本船は、1年の大半はインディアナ州エバンズビルのオハイオ川にいると話す。しかしラ・クロス市とLSTの職員の支援により、本船は当市を初めて訪問することができたのだった。

「5年前に、ラ・クロス市にこのLSTを連れてくる計画を立て始めました。昨年、ラ・クロス市の支援を受けて、1年半に亘ってラ・クロスを調査して、多大な協力を得て、これが実現するよう希望して、一緒になって大変に詳細な計画を立てたのです。」とRuppは話す。「彼らはこのLST到来についての情報を流すため、傑出した仕事をして、動かしました。何がしかの訪問者を迎えました。」

「本船は、Labor Day(=労働者の日)の月曜日、9時から5時まで、ここにいます。良い天気になることを希望しています。少し暑くなりそうなんですが、長い列になるものと思うので、人々には、ここに早めに来るように話しているところです。」とDonskeyは話している。

本船を見に来る多くの人は、これを単に見るため、何時間もかけて来た。もしこの初日がその兆しならば、更に多くの家族連れがやって来て、退役軍人らが、この有名な船を見るため、同市に向かって行くことになる。(WEAU: Sep. 1, 2023 at 7:39 AM JST)

真新しい豪華クルーズ船、グリーノックにやって来る(英国)

GREENOCK Ocean Terminalは今日(土曜日)、豪華クルーズ船のExplora Iを迎える。この船だけが、1か月間、運航している。

この64,000トンの船は、18.4平方メートル(198平方フィート)の豪華遠洋船の範疇で、ホスト当たりの客の比率が最高であると自慢している。

Explora Iの処女航海は、8月1日に始まったもので、コペンハーゲンから航海して来た。

同船は、たったの1,000人未満の乗客しか搭載できない。(Inverclyde Now: 2 September, 2023)

恐怖、遅刻した乗客、フェリーから船員に突き落とされて溺死(ギリシャ)

報道によると、遅刻した男性が、船員によりフェリーから無理やり追い出されて死亡したという。

この36歳の乗客は、ピレウスからクレタ島のヘラクリオンに向かうフェリーに岸壁から離れる正に寸前に走って来たのが見られた。Blue Horizon(注、旧ばるな)の船員は、ある動画の中で、このフェリーから男性を突き落としたように見え、船が岸壁を離れる際に、海に転落した。

フェリー会社のAttica Groupは、声明文において、「shocked by the tragic incident(=この悲劇的な出来事によって衝撃を受けている)」と話した。

フェリーは事故後、40分間から50分間、走ってから引き返すよう指示された、と強く考えられている。映像では、この男性はランプ(注、フェリーの車両甲板の傾斜路)と埠頭の間に転落したように見え、下の海に転落した。氏名は公表されていないこの男性の遺体は、捜索後に発見された。この乗客は、同船が出発するところだったことから、乗船するには遅過ぎたと思われる。ギリシャのメディアによると、事故を目撃した乗客は、男性が海に転落する前、船員は男性を3回押したと話したという。

船舶所有者である会社、Attica Groupは、この事件についての声明文を出した。「Attica GroupのManagement(=経営陣)は、このピレウス港で発生した悲劇的事件に衝撃を受けており、事件の完全解明に向け、あらゆる所轄官庁と協力していることを言明致します。」

Attica Groupは、Superfast Ferries、Blue Star Ferries、Hellenic Seawaysの親会社。Blue Horizonというフェリーは、旅客定員は1,488人で、780台の車両を積載可能だ。

Shipping Minister(=商船大臣)のMiltiadis Varvitsiotisは、人命が失われたことに対し悲しみを表明する一方、事故の完全調査を行うと語った。(Express: 08:16, Wed, Sep 6, 2023)

Carnival Cruiseの乗客(26)、フロリダ州に船が戻った後、行方不明と通報(米国)

フロリダ州当局者は、クルーズ客が月曜日に、Port of Miami(=マイアミ港)に戻った後、間もなくして不思議にも失踪したことから、大規模捜査を開始した。

この乗客は、Kevin McGrathだとされているが、Labor Day(=労働者の日)の休日の週末に、マイアミからバハマのビニミ島に向かうCarnival Cruiseの船に乗船したが、同船が接岸するや、「extensive search(=広範囲の捜索)」がなされ、行方不明になっていると通報された。

この26歳は、同船の帰還に先立って、朝食のため、家族と会うことになっていたが、家族が言うには、食事には現れなかった、とMiami-Dade Police(=マイアミ・デイド郡警察)は、The Post紙に話した。

家族は、月曜日の午前7時頃に行方不明になったことを通報した、とCarnival Cruise Lineの広報担当者は、The Post紙に話した。

McGrathの居場所が分からなくなったことから、このクルーズ会社は、Coast Guard(=沿岸警備隊)とMiami(=マイアミ)警察に連絡した。

「このお客様は、下船過程中、US Customs and Border Patrol(=合衆国税関国境警備隊庁)を含む監視システムによって捕捉されていませんでした。」とこの広報担当者は付け加えた。

「本船のカメラや警備機器の捜索では、船外に落ちたことを示してはいませんでした。」と警察の報道官は、The Post紙に話した。

火曜日にマイアミ・デイド郡警察は、McGrathは月曜日の午前2時頃、黒シャツ、ショーツ(注、短パン)、そして灰色のスニーカーを身に着けているのが最後に見られた、という行方不明者警報を発令した。

当局は、McGrathは身長が5フィート9インチで、体重は170ポンド、茶髪で茶色の目であると描写した。「may be in need of services(=世話が必要かもしれず)」、警察は情報を持っている人に、当局と連絡を取るよう要請している。沿岸警備隊も、この行方不明の男性の捜索にヘリコプター1機を出動させた。

McGrathの失踪は、19歳の大学生が世界最大のクルーズ船であるRoyal CaribbeanのWonder of the Seasから船外に転落して僅か1週間後に発生したものだ。

Sigmund Ropichは、友人らと一緒の休暇中に、キューバ沿岸沖の海に飛び込んで、未だに発見されていない。

これは7月の別の行方不明者の報道に続くもので、30歳のJaylen Hillは、フロリダ州のCarnivalのクルーズ船に乗船中に失踪した。

沿岸警備隊は、87フィートのカッター(注、小型船)Tarponをセント・ピーターズバーグから、Hercules(=ハーキュリーズ、注、ヘラクレス)という航空機1機をクリアウォーターの基地から、そしてマイアミを本拠とするOcean Sentryという航空機1機を、Hillの捜索のために出動させた。

隊員らは、ロング・アイランド州の大きさに近い地域である1,347平方マイル以上を網羅してHillを捜索したが、努力は実を結ばず、捜索は中止となった。(New York Post: Published Sep. 6, 2023, 3:41 a.m. ET)

MSC Cruises、世界初の正味ゼロ・クルーズの効果の詳細を明らかにする(スイス)

MSC Cruisesは、ここの最新船であるLNG(=液化天然ガス)駆動のMSC Euribiaにより、6月に運航した世界初の正味ゼロ温室効果ガス(GHG)排気クルーズの詳細を共有した。

フランスのサン・ナゼールからデンマークのコペンハーゲンまでの4日間航海では、燃料を43トン節約する効果があった、と同社は話し、同船は、最適エネルギーの流れを再生し、船内燃料利用を映し出した同社のデジタル姉妹船である陸上の仮想船よりも、11パーセント良好に実現することが可能だったと話した。

これは、プレス・リリースによると、様々な最適化とエネルギー効率化対策によるもので、これには最適速度分析、針路設定、調整・機関形態、そしてホテルのエネルギー消費の厳格管理が含まれるという。

全ては、航海中、ボイラーを使用する必要を取り除くことになった、船内の温水製造を同船の機関から回収したものにした他、調理室の熱、暖房換気装置を必須としていた。

同船は、bio-LNG(=バイオ液化天然ガス)を燃料として使用したが、これはRED IIとして知られるEuropean Union(=ヨーロッパ連合)のRenewable Energy Directive(=再生可能エネルギー指令)の下で認められている最も費用効率の高い、環境に優しい手法だ。一群のバイオ液化天然ガスの製品は、International Sustainability and Carbon Certification(注、「国際持続可能性炭素認証」の意)により保証されている。

MSC Cruisesのvice president of sustainability and ESG(注、「持続可能性兼環境・社会・企業統治部長」の意)のLinden Coppellは、次のように話した。「MSC Euribiaの先駆的な航海は、重大な成果であり、正味ゼロGHG(=温室効果ガス)排気クルーズが、業界の2050年目標に先立ち、今日、可能であることを証明いたしました。弊社は、必要な範囲で、技術の他、必要な燃料が供給できるよう、燃料生産者に対する適切な規制と報奨金を切望しており、これは業界の脱炭素化に向けた旅を後押しすることとなります。」

MSC Cruisesは、船隊全体で更に排ガスを減少させるため、MSC Euribiaの正味ゼロ排気航海中に収集した資料を使用すると話した。(Cruise Industry News: September 7, 2023)

フェリー客の死亡を巡って激しい抗議を受け、ギリシャで首脳は震える(ギリシャ)

火曜日に溺死することとなった乗客の無慈悲な扱いを受け、ギリシャのAttica Groupのchief executive officer(=最高経営責任者)とピレウスのport master(=港長)は失職した。

Atticaの取締役会は、Spyridon Paschalisの辞任を受け入れた、と木曜日、同社は声明文において述べた。

僅か数時間後、メディアが「cold-blooded murder(=冷血な殺人)」と描写している出来事の渦中にいるGreek shipping minister(=ギリシャの商船大臣)、Miltiadis Varvitsiotisは、ピレウスの港長とその他の沿岸警備隊上級当局者の免職を発表した。

声明文の中で、Atticaは、船員が内部手続きに違反していたことを認め、これは2度と決して起こしてはならないことを確認することを約束した。

同社は、27,200総トンのロパックス(注、RORO方式の貨客船、カー・フェリー、旧ばるな)であるBlue Horizon(1987年建造)が出発する際に、乗船を試みた男性客を、同社の従業員が押し返しているのが写っている動画映像が、メディアにおいて広く拡散され、異議を唱えることが難しくなっていた。

この36歳のAntonis Karyotisは、クレタ島の日雇い労働者だが、同船の船尾の車両ランプ(注、傾斜路)からその後、転落して、埠頭に頭を打ち付け、溺死した。海面上から姿が見えなくなると、Blue Horizonの船員は、傍観していただけで、救助のために停止することもなく、同船は出発した。

Karyotisは同船に乗船できる切符を持っており、Blue Horizonが船尾ランプを上げようとしている中で、船員と口論となった。フェリーが離岸と同時にランプを上げるのは、ギリシャにおいては一般的な方法だ。ピレウス港での全ての荷役作業に立ち会う義務があるにもかかわらず、沿岸警備隊員は付近のどこにもいなかった。

殺人の疑いで捜査

Blue Horizonの船長と3人の船員は、水曜日、検事が殺人罪で起訴することになるに先立って、出頭した。この事件は、ギリシャの大衆とメディアにおいて、激しい非難を広める結果となった。

Prime Minister(=首相)のKyriakos Mitsotakisでさえ、悲しみを表明すべく、この討論に加わった。「昨日の恥じずべき事件は、我々が欲するこの国の表れではありません。私は、自身の姿の反映であるとして、これを見たいギリシャ人はいないものと信じています。」と水曜日、Facebook(=フェイスブック)に投稿した。

Attica Groupは、木曜日、独立した外部の勧告者の支援を受けて「wide-ranging and in-depth(=広範囲で徹底的な)」調査を実施すると繰り返し語った。

この事件とPaschalisの辞任は、同社にとって非常に微妙な時期に起きたものだ。

ここの大株主であるギリシャの貸し手であるPiraeus Bank(=ピレウス銀行)は、同社の持ち分を97.4%にすることになる少数株主持分の買収申出を8月28日に完了後、同社の買い手を探していると広く予想されていた。また先月は、ギリシャの規制当局が、同社と、資金繰りに厳しい競合他社であるAnekとの間の合併を最終承認していた。これで、後者は破産から基本的に救済されていた。

風評問題は、たとえコロナウイルスのパンデミックから回復しているとしても、収益性が薄いままの同社を害することになるのかもしれない。アテネ市場に上場している同社は、2022年に控えめな1750万ユーロ(1870万ドル)の利益を計上していたが、これは営業成績よりも、むしろ燃料費のヘッジ(注、防衛手段としての危険の分散)が主要な原因だ。

Atticaは、時価総額が約5億7000万ユーロ。ここの株式は、水曜日と木曜日の両日の商いは横ばいであり、これはその最小の浮動株(注、「市場に流通する可能性の高い株式」の意)の下では当然だ。(TradeWinds: 7 September 2023 11:18 GMT)

シンガポールの新DCL船、Disney Adventureと命名(米国)

Destination D23という行事において、Disney Cruise Lineが買収して、完全にシンガポール市場を作り替える船は、Disney Adventure(=ディズニー・アドベンチャー、注、「冒険」の意)と命名されることを知った。

Thomas Mazloumは、この船は、Disney Cruise Lineの「biggest adventure yet(=史上最大の冒険)」となると話している。(DCL Fan: September 9, 2023)

初の5G接続遠洋定期船の2度目の海上試運転、上海で完了(中国)

CCTV.com(=中国中央電視台)によると、中国初の国産建造大型クルーズ船で、世界最初の5Gクルーズ船であるAdora Magic Cityが、2度目の試験航海での一連の検査を首尾よく終え、予定通り、火曜日に戻るという。

同船は、木曜日に2度目の海上試運転に出発して、今や速力、操船、振動、そして騒音検査などの5件の所要検査を完了し、最終的な検査資料を待っているところだ、とメディアは報じた。

火曜日に同船は、全ての最終確認や検査を行うため、上海の埠頭に接岸する予定で、運航事業者に引き渡す準備ができることになる。

Adora Magic Cityは、鞘状の電気推進装置によって運転されており、同船があらゆる状況の下で静かに航海することを可能にする。船室には総合運用装置が装備されており、船全体の資料を収集して、一見しただけで判る重要項目を表示する。

クルーズ旅行中の安定した信頼できる高速インターネット・サービスを提供することは、中国人観光客にとっては重要なことだ、とAdora CruisesのCEO(=最高経営責任者)であるChen Ranfengは語った。

2023年1月、中国のクルーズ商標であるAdora Cruisesは、中国のモバイル・ブロードバンド・プロバイダー(注、広帯域携帯電話接続業者)のChina Telecomと提携して、世界初の5G接続大型遠洋定期船を建造すると発表していた。

「5Gネットワークで、乗客に陸上で接続するのと同等の高速Wi-Fi(=ワイ・ファイ、注、無線LAN)体験を提供いたします。」とAdoraの経営陣の1人はCCTVに話した。「衛星経由でインターネットに接続していたものですが、それは不安定で高価なものでした。」(Global Times: 2023-09-11 08:46:17)

オークニー諸島、炭素排出削減のため電動フェリー試行へ(英国)

オークニー諸島は、海運業から出る炭素排出削減の努力の一環として、辺境の島々の間を結ぶ2隻の電動フェリーを試験することになった。

この電池駆動の水中翼船のフェリーは、船体が海面上に浮き上がるもので、英国政府が資金を出した3年間の1550万ポンドの実証計画の一環であり、2024年3月に開始することになっている。

この2隻のフェリーの内、小型のものは、オークニーの首都であるカークウォールとシェイピンゼイ島、ラウゼー島、エギルセイ島、ワイア島の間を、毎日通年運航で、12人までの旅客を搭載することになる。大型の船は、ウェストレー島、エディ島、サンデー島、そしてストロンセー島の間で、1日5周、50人までの旅客と軽量貨物を引き受けることになる。2025年に運航を開始する見込みだ。(中略)

英国政府が資金を出す一括提案は月曜日に公開されたが、沖合の風車群に運航するメタノール・レンジ・エキステンダー(注、航続距離を延長するための発電用機関)により電動で駆動する超低排出船向けの9000万ポンドが含まれており、これはアバディーンに本拠を置くものだ。更に2000万ポンドは、電気推進で既に就航している沖合の作業員輸送船の改良に充てられる。

ロンドンのテムズ川では、920万ポンドが、40メートルの電動駆動双胴船の建造の助けとするために計上されており、特殊充電器を導入し、川下に貨物を運ぶことになる。Department for Transport(=運輸省)は、この船はダートフォードとタワー・ブリッジ埠頭の間で、1日54,000個の小荷物を運ぶことが見込まれていると話した。

ポーツマス国際港では、新電動駆動システムを、クルーズ船とフェリーに低公害電力を送るため、3つの停泊地に導入し、舶用ディーセル駆動機関から切り替えられるようにし、更に Brittany Ferriesの船隊が、ハイブリッド電池や液化天然ガス船に変更できるようにしている。

同様の構想には、ファルマウス、コンウォール、アバディーンでも、資金が出ることになっている。英国の大型トロール漁船団にも必要であり、多くのトロール漁船が、港ではディーゼル機関を恒久的に使用している。(The Guardian: Mon 11 Sep 2023 16.43 BST)

アセアン、RoRo船接続発展で経費低減を奨励(東南アジア)

ロール・オン、ロール・オフ(RoRo)海運接続が、物流費用を逓減させるため、この地域で発展させる必要がある、と経済団体は述べた。

「我々が研究を進めるべきだと考えている1つの領域は、RoRo物流です。ASEAN(=アセアン、注、東南アジア諸国連合)は、RoRo物流網を持つべきです。」とPhilippine Chamber of Commerce and Industry President(=フィリピン商工会議所会頭)のGeorge T. Barcelonは、the 21st International CEO Conference(=第21回国際最高経営責任者会議)での公開討論会で述べた。

「既に計画はあります。また、これが現実のものとなれば、アセアン地域内の物流費用は低減されることになります。」と付け加え、フィリピン、インドネシア、マレーシア、そしてタイを結ぶ接続のための青写真が存在していることに言及した。

Barcelon氏は、6年前にIndonesian President(=インドネシア大統領)のJoko Widodoが訪問した際に、ダバオ市―ジェネラル・サントス市―ビツン(スラウェシ島)をRoRo便が定期に結ぶ航路が始まったことを話した。しかしこの運航は、手腕を試される事態に直面し、多くの支援を受けられなかったと話した。

「どういうわけか、これは(その後の)パンデミックが始まると、実に注目されなかったのです。ですから今や、これを遠慮なく話して、アセアン会議で持ち出したのです。我々が見捨てられたところから、私は戻って来たばかりなのです。」と語った。

RoRoネットワークの再開は、とりわけミンダナオ島に利益をもたらすと付け加えた。主要なフィリピンの農業の中心地にとっては、輸出を生み出すことになるという。

「仮に農業が適切に発展すると、その時は、輸出するに十分な生産をすることになります。そしてマレーシアやタイのような近隣諸国への輸出は、RoRo経由で費用効率が良くなるのです。」と語った。

Thailand Management Association Chairman(=タイ経営者協会会長)のNithi Patarachokeは、主として船舶による世界貿易により、アセアンは太平洋とインド洋に跨るその戦略的な位置を、より良くテコ入れする必要があると話した。

「それ故、我々は、港湾や周辺地域の開発、その他の世界的な港湾との接続を強化し、沿岸観光の開発、そして最も重要なのは、海洋環境保全により、アセアンの自由貿易の可能性を解き放つ必要があります。」と語った。

Philippine Exporters Confederation, Inc. President(=フィリピン輸出者連盟代表)のSergio R. Ortiz-Luis, Jr.は、RoRo便は、地域の結びつきを築く最も「practical(=実用的な)」方法だと語った。

「橋をどこにも架けるわけにはいかないので、これを蘇らせる必要があります。RoRoは、我々がそうするには、最も実用的な方法なのです。」と語った。

これは、サプライ・チェーンの挑戦と取り組むことによって、とりわけビサヤ諸島やミンダナオ島でのフィリピンの輸出を進めることになると付け加えた。

「とりわけ生産品を配達することに困難があり、RoRoはそうしたことをするには最も安価な方法なのです、」と語った。(Business World: September 12, 2023 8:51 pm)

フェリー・ターミナル、改築のため2か月以上閉鎖へ(米国)

アラメダのThe Main Street Ferry Terminal(=メイン・ストリート・フェリー・ターミナル)は、10月から2か月以上に亘り、改築のために閉鎖される、とフェリー便の当局者は話した。

このターミナルの営業は、10月23日から2024年1月1日まで一時中止となる、とSan Francisco Bay Ferryは、報道発表で述べた。同フェリーによると、耐震安定性要請に適合させるため、同ターミナルは修復し、老朽化した基礎構造を取り換えることになるという。

閉鎖期間中、サン・フランシスコ中心部に向かう乗客は、Alameda Seaplane Lagoon Ferry Terminal(=アラメダ・シープレイン・ラグーン・フェリー・ターミナル)を使用することが可能。一方、チェイス・センターとサウス・サン・フランシスコに向かうフェリーは、Oakland Ferry Terminal(=オークランド・フェリー・ターミナル)からのみ利用可能となる。アラメダ・ショート・ホップ航路は、閉鎖期間中、一時運休となる。

オークランド、アラメダ、サウス・サン・フランシスコ、アラメダ・ショート・ホップ、オラクル・パーク、そしてチェイス・センターに向かう各フェリー航路の、Main Streetターミナルでの営業は、2024年1月2日に再開する予定だ。

「設計要素も、将来の電化船隊に必要なものを備えます。この計画が竣工するや、お客様は、より効率的なフェリー運航や、現代化されたターミナルの照明のような、直接役立つものを目にすることになります。」とSan Francisco Bay Ferryは話した。(KRON4: Sep 12, 2023 / 07:32 AM PDT)

船が座礁し、豪華クルーズ客、北極で立ち往生(グリーンランド)

豪華クルーズ定期船に乗船している200人以上の乗客が、船が座礁したことから北極圏で立ち往生している。

Aurora Expeditionsの長さ104メートルのOcean Explorer(=オーシャン・イクスプローラー、注、「大洋探検者」の意)という船は、月曜日(9月11日)の午後にグリーンランドの辺境の地域で立ち往生したが、金曜日(9月15日)まで救助は不可能となっている。(Independent: 13 September 2023)

2隻のCondorの高速フェリー、今年の冬、乾船渠入りへ(英国)

2隻のCondorの高速フェリーは、今年の冬、毎年1回の保守点検を受けることになっている。Liberationは、11月から1月初めまで、予め計画された作業のため運航から手を引き、一方Voyagerは、1月から2月の中休みまで乾船渠入りする見込みだ。

このフェリー運航事業者の広報担当者は、Commodore ClipperとCondorの最新船であるIslanderが、11月から3月まで、2隻併せて毎週12回運航すると話した。これは「increasing connectivity and capacity compared with last year(=昨年と比較して、接続回数と収容力が増えることになる)」。

Islanderは、夜遅くポーツマスを出発して、早朝に諸島に到着するという新しい1泊運航をすることになる。

この広報担当者は続けた。「Clipperはいつものやり方で継続し、諸島から翌日、英国に行く運航が見られます。」「弊社の2隻の在来フェリーの使用で、冬季間、旅客と貨物の双方にとって、より弾力的なサービスが確保されることになります。」(Jersey Evening Post: 14 September 2023)

Carnival Luminosa、2度目のシーズンのためブリスベーンに戻る(オーストラリア・米国)

Carnival Luminosaは、10月15日から2024年4月までの2度目のクルーズ・シーズンのためのブリスベーンへの31日間再配置航海で、金曜日にシアトルから出航した。

この元Costa CruisesのCosta Luminosaは、2022年11月から今年の4月まで最初のシーズンを開始した時、ブリスベーンから出航した最初のCarnival船だった。Costa Luminosaの再配置航海では、日本、フィリピン、そしてインドネシアの港に寄港することになる。

シーズンの31本のクルーズ

Brisbane International Cruise Terminal(=ブリスベーン国際クルーズ・ターミナル)での2度目のシーズン中に、31本のクルーズを行い、エアリー・ビーチ、グレート・バリア・リーフ、ニュー・カレドニア、バヌアツ、そしてパプア・ニュー・ギニアを訪問する。最初のクルーズは、10月15日のグレート・バリア・リーフに向かう7泊航海だ。

「北米での素晴らしいシーズンを受けて、ブリスベーンに帰って来たCarnival Luminosaを迎えることで大変に興奮しております。」とVP(=部長)のKara Glamoreは話した。「弊社では、クィーンズランド人が、本船の帰還を待ち焦がれていることを知っており、皆さんが知るようになって愛するCarnivalのクルーズでのあらゆる楽しさを体験するために船に戻って来られる弊社のオーストラリアのお客様をお迎えすることを、弊社船員は待ちきれないでおります。」とGlamoreは話した。

Carnival Luminosaは10月15日、2度目のシーズンのため、ブリスベーン国際クルーズ・ターミナルに到着する。(Seatrade Cruise News: Sep 15, 2023)

マイアミから出航する世界最大のクルーズ船、現在、早期予約受付中(米国)

Royal Caribbeanの最新船は、2024年にマイアミから出発することになっているが、このクルーズ客船会社によると、現在、高い需要のため、予約を受け付けているという。

「Icon of the Seasは、就航すると、Royal CaribbeanのIcon級クルーズ船の1番船となり、当クルーズ客船会社にとっては、2014年以来初の新種船の1番船となります。」とRoyal Caribbean Internationalは話した。旅行者は現在、Royal Caribbeanの公式ウェブサイトを通じて、この新船で行く7泊航海の予約をすることが可能だ。

この高さ20層甲板船は、250,800トンで、Wonder of the Seasよりも6パーセント大きく、7,600人までの旅客を収容することができる。Icon of the Seasは、Wonder of the Seasよりも10フィート長いものとなる。Icon of the Seasは、ドミニカ共和国のプエルト・プラタ、そしてプエルト・リコのサン・ファンの他、Royal Caribbeanの私有島、Perfect Day at CocoCayを訪問する。

Royal Caribbeanによると、Icon of the Seasが2024年1月27日に就航すると、世界最大のクルーズ船になるという。(Local10.com: September 18, 2023 at 12:04 PM)

Adora Magic City、国際港湾に向け1月出航へ(中国)

中国初の新造大規模クルーズ船であるAdora Magic Cityは、今や1月1日に国際運航を開始する計画を立てている。

Shanghai Wusongkou International Cruise Portから出航し、日本や南朝鮮(注、韓国)に向かう4泊と5泊の北東アジア旅程を提供する。

この133,500総トンの船は、5,246人までの旅客を乗せることができるが、China State Shipbuilding Corp.とCarnival Corp. & plcの合弁会社であるCSSC Carnival Cruise Shippingの商標、Adora Cruisesに所属する。

Adora Cruisesは、Mediterranea(元Costa Mediterranea)も運航している。(Seatrade Cruise News: Sep 19, 2023)

Royal Caribbeanの新しいUtopia of the Seasが進水(フランス・米国)

Royal Caribbean InternationalのUtopia of the Seasは、今や2024年7月にフロリダ州のポート・カナベラル(オーランド)でのお目見えに1歩近づいた。同船は、週末に初めて進水し、フランスのサン・ナゼールにあるChantiers de l’Atlantique造船所で大きな節目を迎え、工事の次の段階を記した。

この進水として知られるUtopiaの工事の鍵となる瞬間を迎えるのに、声明文によると、17か月かかったという。1晩がかりで4600万ガロン以上の水で、この新船の乾船渠を満たし始め、この工程それ自体に15時間近くかかった。

Utopiaはその後、艤装船渠に移動し、ここで2024年夏に竣工して、LNG(=液化天然ガス)で駆動する最初のOasis級の船となる。(Cruise Industry News: September 19, 2023)

Hurtigruten ExpeditionsはHXとして商標再生(ノルウェー)

12月からHurtigruten Expeditionsは、以降、HXとして知られることになる。同時に、Hurtigruten NorwayのCoastal Expressは、判りやすいHurtigrutenに戻ることになる。1893年にこの因習的な航路を開始した時の元の名前だ。

「Hurtigrutenの名前は、ノルウェーでは旅行の代名詞となっております。」とHurtigruten GroupのCEO(=最高経営責任者)であるDaniel Skjeldamは語った。「今日の弊社の商標同一性の進化は、弊社が2つの商標に分離した2021年に開始した作業の頂点でありました。」

TMRとの1対1の会話において、Skjeldamは次のように付け加えた。「この2社は、全く異なる方向に向かって発展しております。そしてこれは、正に2つの事業の間で弊社が作り上げてきた青海原が繋がっているということなのです。」

「弊社は北米市場において、Hurtigruten Norwayの沿岸クルーズであろうと、南極への探検クルーズであろうと、あらゆるものがHurtigrutenとして言及されているという、手腕を試される問題を抱えております。」Skjeldamは付け加えた。「同じものでないものが、同じものとして言及されているのです。2つは全く違うものでして、今では2つの違う会社によって提供しているものです。完全に異なる商品提案なのであり、旅行業の用語も条件も完全に異なるもので、顧客体験もかなり違うものです。」

極地提供に加え、HXではガラパゴス、アラスカでの探検クルーズの他、カーポ・ベルデとビサゴス諸島という西アフリカ諸島にも行っている。

HX発表

新しいHXブランド(=商標)とロゴ(=意匠文字)は、12月から採用され、パンフレット、ウェブサイト、ソーシャル・チャンネルを更新する。船隊の6隻の船も、この新名称と意匠文字に再塗装されるが、船隊の全船で18か月以内に完了する。

「徐々にこの新しい商標を導入します。」とSkjeldamは話した。「これが何だか完全に新しいものであると誰かが感じる危険を最小限のものにするため、人々がこの商標の全体構造において、HX/Hurtigruten Expeditionsが判るようになるまでを移行期間とします。」

同時にHurtigrutenは、ここのウェブサイトを2つの異なるサイトに分けることになる。1つはHX、そしてもう1つはHurtigruten (Norway)となる。

Hurtigrutenでは、両商品の真新しい変更を売り込む計画をしている。その中心は少なくとも北米で、HXで売り込むことになる。(中略)

Hurtigruten Expeditions (HX)とHurtigruten Norway (Hurtigruten)の両社は、Hurtigruten Groupによって100%保有されている。この同じ親会社は、エクアドルに本拠を置くMetropolitan Touringの25%の持ち分も保有している。(Travel Market Report: September 19, 2023)

中国のクルーズ港、完全許可(中国)

Chinese Ministry of Transport(=中華人民共和国交通運輸部)は、国内クルーズ港から国際クルーズが出入りすることは、完全に再開可能だと発表した。これは、3月に開始された試験事業の一環である上海と深セン(=シンチェン)発の運航再開に引き続くもの。

China Cruise and Yacht Industry Association (CCYIA)のexecutive vice president and secretary general(=執行副社長兼総書記)のWeihang Zhengは、中国の16余りの都市で、間もなくクルーズ運航が見られることになると話した。

「数か月間の試験運航を経て、クルーズ会社は北東アジアの航路の準備を完全にできるようになりました。」Zhengは次のように語った。「現在、多くの国際的なクルーズ会社が、来年、アジア市場に参入すると発表しており、中国でこの政策が発表されたのを受けて、更に多くの国際クルーズ会社が、中国の航路を自由に計画して良いものとなりました。」

航海している中国船には、元Viking SunとBlue Dreamがある。Adoraは、天津(=ティエンチン)発で、元Costa Mediterraneaを航海させて、今月中に運航再開する予定だ。(Cruise Industry News: September 21, 2023)

DisneyBand Plusが、間もなくDisney Magic船にやってくる(米国)

Disney Cruise Lineは、DisneyBand+が、10月22日からDisney Magicで航海する客に発売になると発表したばかりだ。購入資格のある客は、航海の45日前から11日前までに注文をすることが可能。

DisneyBand+で、客はDisney Cruise Lineの船内で、手を使わないで操作できるウェアラブル(注、身体に装着できる)技術の便利さを解き放つことが可能となる。(DCL Fun: September 21, 2023)

土曜日、時化の中、ケリーズ島のフェリー乗客200人が立ち往生(米国)

オハイオ州レークサイド・マーブルヘッド発。Goodtime Iという旅客船が、ケリーズ島近くで機関不調により動力を喪失し、土曜日の晩、曳航して陸地に戻る必要があった。

この船は、機能不全となった時、定期観光中だった。Goodtime Iは機関問題が起きた時、約200人の乗客を乗せていた。事故当時、エリー湖ではかなり波が高かった。

デトロイトのUnited States Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)によると、このフェリーは午後4時53分頃、救助を求めて連絡してきたという。Coast Guard(=沿岸警備隊)がこのフェリーに到達するのに約1時間かかり、ちょうど午後6時過ぎに到着した。

沿岸警備隊は、このフェリーは、大規模避難の状況になっている可能性があることが懸念されたことから、2隻の45フィートの哨戒艇が求められるには十分に大きなものだったと話している。フェリーは、哨戒艇にとっては余りに荷が重いと判断され、曳船が呼ばれた。フェリーは最終的には、午後8時43分に岸壁に戻って来た。

沿岸警備隊では、怪我人はいなかったが、乗客の中には酒を飲んでいる人がいて、そのため、この事故の間に船酔いした人もいたと話している。沿岸警備隊は、救助隊員にとってさえも、今回の波は酷いものだと考えられたと話している。トリードに本拠を置く沿岸警備隊のMarine Safety(=海上安全)部隊が、捜査している。

Goodtime Iというフェリーは、Lake Erie Island Cruises所属で、ここはサンダスキーからフェリーを運航している。(WTOL: 4:50 PM EDT September 24, 2023)

エジプトのナイル川のクルーズ船事故で労働者120人全員救助(エジプト)

カイロ発。橋に衝突して一部沈没したナイル川のクルーズ船に乗船していた120人の労働者は、全員救助された。この衝突で、上エジプトのMinya Governorate(=ミニヤー県)のTivoli Nileという船の右側下部に穴が開いた。

同船には客は乗っておらず、エジプト南部のLuxor Governorate(=ルクソール県)に向かっていた。Public Prosecution(=検察庁)は、この事故を捜査している。

当局者は、彼らはこの水上ホテルを保有する会社に勤めていたと話している。一方、同省のDepartment of Hotel Establishments, Shops, and Tourist Activities(注、「宿泊施設・店舗・旅行活動局」の意)のhead(=局長)であるMohammed Amerは、同船の観光運航免許は、この前の5月に失効しており、更新されていないと話した。

カイロ南部のヘルワンの工場で、最近、来月からの来るべき冬季シーズンの間に運航できるよう、必須の修理と保守作業がなされていた。Amerは、全ての保守作業が完了した後で、同船の経営陣は、10月に開始する準備で免許を更新すべく、Ministry of Tourism(=観光省)当局による必要な検査を受けるため、カイロからルクソールに向かう通行許可を得ていたと話した。

River Transport Authority(注、「河川運輸局」の意)は、修理工場を離れて8月23日に停泊地に向かうため、他の関係当局から残りの必要な免許を得るまで、同船に仮免許を付与したと話した。(ARAB News: 25 Sep 2023 03:09:48 GMT)

人民解放軍関連のフェリー、台湾から海峡越しに見られた(中国)

台北発。People's Liberation Army(=人民解放軍)(PLA)と関連のある6隻のロール・オン、ロール・オフ(RoRo)フェリーが、台湾海峡の中国の浜辺で訓練が実施された日曜日(9月24日)に見られた。

Center for a New American Security(=新アメリカ安全保障センター)のDefense Program(=防衛計画)のAdjunct Senior Fellow(=上級研究員助手)のTom Shugartは、9月22日にX(旧Twitter)上で、MarineTrafficの資料が、6隻の民間RoRoフェリーが、中国の東海岸沿いで「undetermined, but likely non-commercial(=不確定だが恐らくは非営利の)」運航を行っており、通常の黄海航路から大幅に外れていたことを示していたと主張した。

彼は、6隻の二重目的フェリーは、Bo Hai Ferry Groupにより保有されており、このフェリーがPLA(=人民解放軍)陸海空軍共同強襲・輸送訓練に参加する際には、PRC Maritime Militia(=中華人民共和国海上民兵)のEight Transport Group(=第8輸送団)に分類されると話した。

この船は、次のように判別された。すなわち、Bo Hai Jin Zhu、Bo Hai Bao Zhu、Bo Hai Heng Da、Bo Hai Fei Zhu、Bo Hai Cui Zhu、そしてBo Hai Zhen Zhu。青島(=チンタオ)から汕頭(=シャントウ)までの主要港湾都市の外側にいたと話した。

Bo Hai Cui ZhuとBo Hai Jin Zhuは、2022年9月に、台湾海峡の他の5隻のカー・フェリーと共に、中国の浜辺で行われた強襲上陸訓練に参加していた。

Shugartは、Bohai Ferry Groupの船は、Maritime Militiaの「Eight Transport Dadui」に所属すると言って、退役したU.S. Navy intelligence officer(=合衆国海軍情報将校)のJ. Michael DahmのChina Maritime(=中国海事)の報告書、「More Chinese Ferry Tales(=更なる中国フェリーの物語)」を引き合いに出した。Shugartは、9月22日に追跡したこの6隻の船は、合計約150,000総トンで、Bohai Ferry船隊の3分の1以上になると話した。

彼は、これらの船は人民解放軍 (PLA)強襲上陸訓練に参加することになりそうだと予測した。しかし更なる監視が必要となる、と付け加えた。

日曜日(9月24日)の夕方、Shugartは、X上に更新を投稿して、Bo Hai Cui Zhu、Bo Hai Heng Da、そしてBo Hai Bao Zhuは、厦門(=シアムン、アモイ)の産業埠頭にいたと主張し、ここは台湾海峡越しに金門(=チンモン)県のすぐ近くだ。彼は、Bo Hai Zhen Zhuは、他の3隻の近くの厦門近郊で投錨したようだと話した。

MarineTrafficの資料によれば、発行時現在、Bo Hai Fei Zhuは福建(=フーチェン)省の東山県沖におり、Bo Hai Heng Da、Bo Hai Bao Zhu、そしてBo Hai Cui Zhuは、福建省の古雷海岸のちょうど沖で、Bo Hai Zhen Zhuは未だに厦門市のすぐ隣にいた。Bo Hai Jin Zhuは、煙台(=イェンタイ)で入渠していた。(Taiwan News: 2023/09/25 11:43)

有名な北朝鮮のフェリーがロシアに最も近い港に珍しく訪問(北朝鮮)

かって日本からDPRK(=朝鮮民主主義人民共和国)に旅客を輸送していた有名な北朝鮮のフェリーが、ロシアに最も近接している同国の港に珍しく姿を見せた、とNK Newsの分析者が明らかにし、この専門家は、両国間で物品か旅客を輸送するために同船を利用する意図がある合図かも知れないと話した。

Fleetmonの船舶追跡資料は、413フィートのMangyongbong-92(=万景峰92)は9月24日、北朝鮮の北東にある羅津(=ラジン)港からちょうど1.8海里(3㎞)にいることを示した。Planet Labsの衛星映像では、この日、同じ座標に、正確に同じ長さの船を映し出している。

オープン・ソースの分析者で、Oryxという軍事ブログの著者であるTarao Gooは、NK Newsに、同船は2018年以来、滅多に移動しておらず、仮に羅津港に接岸したのならば「will probably get maintenance or a load of cargo(=恐らくは保守作業を行うか、貨物を積み込むことになる)」と話した。

Mangyonbong-92は、在日朝鮮民族のChongryon(=朝鮮総連)という組織の資金を使って、1990年代に建造された貨客フェリーだ。日本と北朝鮮との間での定期航海に使用されていたが、東京(注、日本政府)は、DPRKがミサイルを打ち上げたことに対応して、2006年に日本水域に入ることを恒久的に禁止した。

それ以来、2018年のPyeongchang Winter Olympics(=平昌冬季オリンピック大会)に、150人の北朝鮮代表団を輸送するといったような、数少ない注目を集める登場をしただけだった。

ロシアに近いこの港へのMangyonbong-92の訪問は、北朝鮮の指導者であるKim Jong Un(=金正恩)が、極東ロシアへの旅から戻って1週間も経たずに起こったことだ。極東ロシアでは、Vladimir Putinやその他の高官と面談し、経済の成長や軍事協力を議論していた。

Young Pioneer Toursのtour manager(=ツアー部長)であるRowan Beardは、DPRKがウラジオストクと羅先(=ラソン)の間で、フェリーを試験的に運航したことに言及した。羅先は、羅津港がある特別経済都市であり、過去においては中国人観光客のためのものだった。

しかしこの観光業のプロは、ロシアと北朝鮮が貿易と支援を強化することから「all hands on deck(=甲板全員集合)」の状況が示唆され、DPRKは、人よりは物品を輸送するためにMangyonbong-92を使用することになりそうだ評価した。

Mangyonbong-92には暗い過去があり、両国間で定期旅行がなされていた時には、DPRKは北朝鮮にはミサイルの部品、日本へは薬物を密輸するために同船を使用していたという噂がある。

同船は、DPRKの「Paradise on Earth(=地上の楽園)」運動という、DPRKに移動させるために、嘘の約束をして、人権活動家らの発言で在日朝鮮人を誘惑した再定住計画により犠牲となった家族の中には、更に暗い記憶が呼び起こされる者もいる。

人権活動家で、元朝鮮総連の構成員で、今は南朝鮮(注、韓国)で暮らしているHyangsu Parkにとっては、北朝鮮の家族を訪問した最もつらい記憶の1つは、Mangyonbong-92というフェリーに乗船して元山(=ウォンサン)港に旅した時だった。

「(到着した時)伯父を見ることができなかったのです。」とParkは以前、NK Newsに語った。「家族の残りは全員そこにいたのですが、全員が泣いているようでした。全員が、とても悲しそうに見えました。何かを私たちに言いたかったのでしょうが、言えないのでした。」

Parkによれば、彼女の伯父は、北朝鮮の収容所で殺されていたことを後に知ったとのことだった。(NK News: September 25, 2023)

歴史:「The Love Boat」を触発した遠洋定期船のCarla Cが1979年にポート・カナベラルに寄港(米国)

フロリダ州ブレバード郡ポート・カナベラル発。ポート・カナベラルは。再び業界内で最高であると認識されている毎年恒例の行事、Cruise Hive Cruise Ship Awardsの最高位に返り咲いた。

Carla Cは、The Love Boat(=ラブ・ボート)を触発したもので、これは1977年から1986年まで、ABCで放送されたロマンチックな喜劇・ドラマであるテレビ・シリーズ。この20,469総トンの船は、長さ599.7フィートで、幅は80.3フィート。元々は、1952年にSS Flandreという名前のフランスの遠洋定期船として進水したもので、French Lineの下で航海していた。

比較すると、Carnival Cruise LineのMardi Grasは、フィンランドのトゥルクにあるMeyer Turku造船所で建造され、180,000総トン、長さ1,130フィートの船で、旅客6,500人の収容力があり、2020年にポート・カナベラルの母港に向かうことになっていた。

製作者団は、Carla Cの船上で、人気テレビ・シリーズの「The Love Boat」の着想を得て、最初の脚本を書いたと伝えられている。

Costaが1960年代後半に、この旧SS Flandreを買収して、Carla Cに改名した。その後、Carla Costaに改名して、様々なカリブ海の旅程を航海した。

1992年、Costaは本船を、今は亡きEpirotiki Lineに売却して、ここはPallas Athenaに改名した。この船は、1994年3月23日に大火災を起こし、解体された。(Space Coast Daily: September 26, 2023)

新しい中国のクルーズ客船会社が旧Sea Princessを使って運航開始(中国・韓国・日本)

Tianjin Orient International Cruise Lineは、Dreamを使って中国発の運航を開始した。この船は以前、Sea Princessとして運航していたものだ。

パンデミック中に、Sanya International Cruise Developmentにより買収され、Charmingに改名していたが、今年これまでに、再び売却されて、Dreamに改名した。

中国に移転して以来、消息筋によると、この船はかなり刷新されたように見え、Zhoushan Xinya Shipyardで何か月も費やしていた。

今や、天津(=ティエンチン)から済州(=チェジュ)への5泊クルーズを航海しており、この船は秋までに20航海を予定している。これには、11月までの朝鮮(注、韓国)と日本に向かう6泊クルーズの他、朝鮮(注、韓国)行きの5泊クルーズが含まれている。(Cruise Industry News: September 27, 2023)

Carnivalの利益、記録的売り上げで最高の予想、しかし無言の利益見通しを出す(米国)

Carnival Corp (CCL) 、このクルーズ客船運航者は、予想より堅調な第3四半期の利益、記録的に高い売り上げを計上したが、無言の短期の利益見通しを出し、Get Free Reportでは、金曜日前場の安値を共有している。

Carnivalは、8月締めの3か月間で、1株当たり86セントの調整済利益を出したが、このグループの第3四半期は、航空会社の需要や競合するクルーズ運航事業者を支えてきたCovid後に進行中の急騰のお陰で、収益が昨年から60%増に急騰して、69億ドルという空前の最高記録となった。しかし今四半期を見ると、Carnivalが話すには、Refinitivの10セントの予想に対し、1株当たり18セントの損失だったこの地域の調整済み利益が、1株当たり10セントの利益となったことが判るという。

「収益と利益の双方は、今四半期の見込みをかなり超えるもので、通年見込みを期待することが可能となっています。」とCEO(=最高経営責任者)のJosh Weinsteinは語った。「この期待を越える業績は、堅調な需要によるもので、弊社の北米とオーストラリア区分と、ヨーロッパ区分は、等しく予想を超える業績になっております。」

「弊社製品の力は、弊社のヨーロッパ大陸商標が上手く強化されていることが判り、満足の行くものです。」と付け加えた。「弊社は、着実に毎日、四半期を達成して2019年の水準を越えたように、弊社の需要創出努力が全ての地域で作用しており、一方で今年1年に亘り、稼働率のズレは11ポイントにまで近づいて来ています。」「弊社の顧客の不振の兆候が見られないことから、私は来年に向け、弊社の収益の軌跡を奨励し続けていきます。」Weinsteinは次のことを語った。

Carnival株は、金曜日前場の商いで0.35%の下落を示し、14.38ドルで取引された。しかし同グループ最大の投入原価は、世界的な石油価格の上昇が、ブレント原油を100ドル近くにまで押し上げ、一方でU.S. WTI原油が、昨年11月以来、最高水準になっていることから、利幅の圧力となりそうだ。Carnivalは6月に、通年損失が、1株当たり8セントから20セントの間になると予想されると投資家らに話して、切符価格の上昇は、燃料の他、危険のあるマーケティングや人件費の影響を相殺しないかもしれないと警告していた。このことから、投資家らは、第3四半期のテレビ業績発表で、船内収益の増加の他、同グループの切符価格の上昇に熱心に関心を寄せなくなる。(The Street: September 29, 2023)

更にクルーズ船がトリニダードにやって来る(トリニダード・トバゴ)

トリニダード島は今シーズン、クルーズ船客数のかなりの急騰があることを予想している。

本島の観光当局者は、10月から始まり、2024年4月まで続くことになっている今シーズンは、客数の大幅な獲得について「all signs point(=全てがその兆候を示している)」と話している。

トリニダード島にやって来る最初の船はSeabourn Pursuitで、10月11日に到着する。当初見通しでは、トリニダード島の陸上に、旅客90,000人未満と船員30,000人未満しか示唆していなかったが、これは旅客が昨シーズンから81パーセント増になるものだった。今年、初寄港が10回になり、併せて新しいクルーズ客船会社5社も寄港する。これにはSeabourn、Ex Polaris、Victoria Cruises、Silver Seas Cruises、そしてSalen Ship Management Companyが含まれている。昨年、トリニダード島は、ポート・オブ・スペインに29回寄港して、48,243人の旅客があったと報告していた。

「クルーズ・シーズンが展開するにつれ、雇用機会が広がりました。地元案内人、旅行業者、タクシー運転手、工芸品小売業者、そして公務員が、クルーズ乗客にとって忘れられない体験を確実にする上で、極めて重要な役割を果たしました。」とTourism TrinidadのCEO(=最高経営責任者)のCarla Cupidは話した。「雇用におけるこの急騰は、個人の収入になるばかりではなく、能力開発を促進し、地元観光部門の成長に貢献するものでもあります。」(Caribbean Journal: September 29, 2023)