2023年10月

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2023年10月の海外旅客船情報

3隻のクルーズ船、シーズン終了前にグリーノック訪問へ(英国)

もう1つの忙しいクルーズ船シーズンは、グリーノックで終わりに近づいている。10月末前までに、たったの3回の主要な到着が予定されているだけだ。

World Travellerは、Atlas Ocean Voyagesが保有する豪華なヨット風の船だが、明日到着して、幕を切って落とすことになる。この8層甲板船は、今年これまでに、ここの遠洋ターミナルが混雑した9日間にお目見えしていた。

この優雅な船は、98室の旅客室を自慢としており、196人の客と127人の船員を収容することができるものだ。リースからダブリンに向かう8日間クルーズの一環として、グリーノックに停泊し、月曜日の大半は滞在し、夜にマン島に向けて出発する。

当地域の次の訪問者はRegal Princessで、10月5日に、シーズン最後となる14回目の訪問であることから、地元民にとっては馴染みのある光景となる。Princess Cruise Linesによって運航されており、4,300人近い旅客を運ぶことが可能だ。この船の訪問は、12日間クルーズ周遊旅行の一環。

シーズン終了前のグリーノック最後の訪問者は、107日間地球一周航海の一環として当地域に立ち寄るものだ。Pacific Worldで、本船の所有者である(注、傭船者の誤り)Peace Boat(=ピース・ボート)の37年間の歴史上、これまでに航海した最大の船で、9層の旅客甲板を有し、世界一周クルーズで旅客を乗せているものだ。

この船は、1995年に「Sun Princess」としてPrincess Cruisesにより建造されたものだが、2020年9月中旬に売却され、後に新所有者によってPacific Worldに改名された。(Greenock Telegraph: 1st October)

Washington State Ferriesの運賃引き上げ、今や発効(米国)

シアトル発。歩き回るのに州営フェリーに頼っているのなら、今や更に多く支払うことになった。

Washington State Ferriesは、日曜日に4%まで切符代を引き上げたのだ。この変更は、全ての航路で発効した。この機関が約数か月前に、警告をしていた何がしかのものだ。

新しい運輸予算では、州営フェリーは4億1900万ドルの収益を生み出すよう要求している。運賃は、来年も引き上げられる。Washington State Transportation Commission(=ワシントン州運輸委員会)によると、運賃は、WSFの運航と保守の57%の資金を占めているという。

利用する航路の新運賃は、こちらのリンクで。(注、リンク先省略)(KIRO 7: October 02, 2023 at 6:12 am PDT)

BC Ferries、船員不足で運休し罰金刑へ(カナダ)

ブリティッシュ・コロンビア州政府は、船員不足で運休した件で、BC Ferriesに対し罰金刑を科すと発表した。

この動きは、火曜日の朝、ブリティッシュ・コロンビア州議会のQuestion Period(=質問時間)内に発表され、2024年4月1日に発効する、とMinistry of Transportation and Infrastructure(=運輸・社会基盤省)が電子メールにより確認した。

船員不足による運休で、主要航路に対しては7,000ドル、選択された小規模航路に対しては1,000ドル科されることとなる。(後略)(Global News: Posted October 3, 2023 3:24 pm)

ノーフォーク・クルーズ・ターミナル、2024年に改築のため閉鎖へ(米国)

訂正:WAVYは、Carnival MagicとSunshineの大きさについて、誤った報道をした。Magicは、この2隻のうちでは大きい方だ。

バージニア州ノーフォーク発。ノーフォークの繁華街にあるThe Half Moon Cruise Terminalは、2025年にCarnival Sunshineを迎えるため、工事作業員らが準備する一方、1年間閉鎖となる。当市は、このために6月、1200万ドルの予算を承認していた。

ノーフォークのクルーズ・ターミナルでは、1年を通し、この水域において、16隻ものクルーズ船が接岸するのを見ている。2024年は、かなり空くことになるが、内部では工事作業員で賑わうことになる。

改装中、このターミナルは全船が立ち入り禁止となり、このことは、クルーズに出かけようとする者は、道路を使う以外の選択がなくなることを意味するものだ。

「もしHampton Roads(=ハンプトン・ローズ)に住んでいて、クルーズに出かけたいのならば、車で行ける最短のところは、ボルチモアか、南方のチャールストン、あるいはフロリダ州のポート・カナベラルになります。」とTravel Designers Incの所有者、Elizabeth Psimasは話した。

当市はこの閉鎖中、多くの収益を失うことにもなる。純益は毎年、数百万ドルに達している。しかしSunshineという船が、現在のCarnival Magicに置き換わって、ノーフォークを母港にすると、利得はずっと多いものとなる可能性がある。約100,000人のCarnivalの客が、2025年にノーフォークを通過するものと見込まれており、Psimasは、既にこのシーズンのクルーズ・パックの予約をしていると話した。

このターミナルが改装のために閉鎖となる前に、ノーフォークからクルーズに出かける最後の船は、2023年12月26日のAmerican Constitutionとなる。2025年最初のクルーズは、2月になるものと見られる。(WAVY: Oct 4, 2023 / 05:58 PM EDT)

Viking Cruises、中国市場での拡大を注視、上級幹部話す(オランダ・中国)

10月3日、ハーグ発。中国の外国行きクルーズ旅行の需要は堅調であり、こうしたサービスには途方もない可能性がある、と世界の指導的クルーズ運航事業者の1社であるViking Cruisesの上級幹部は、Xinhua(=新華社)に話した。

Viking Cruises Chinaのmanaging director(=代表取締役)であるBrendan Tanseyは、最近の書面インタビューにおいて、同社は中国市場を楽観視しており、ここでの投資を増やす計画だと話した。

今年これまでに、Viking Cruisesは、中国人観光客向けの外国行きヨーロッパ・リバー・クルーズ運航を再開した最初のクルーズ会社となった、と話した。この「Rhine Charm Journey(=ライン川魅惑の旅)」という航路は、6月1日に出航した。今年予定された同社のクルーズの何本かは、予約で一杯か、それに近く、これにはMid-Autumn Festival(=中秋節)やNational Day(=国慶節)の休日を網羅するものもあった。中国人観光客のダニューブ(ドナウ)川クルーズの需要も、堅調だと話した。

「来年、弊社では2隻の新しいリバー・クルーズ船に投資致します。このことは4隻の船が中国市場を扱うことを意味するものです。」と話した。

Tanseyは、Viking Cruisesは、中国人消費者向けに特化したヨーロッパの遠洋クルーズ事業を開始し、地中海のような地域に旅程を拡大させると語った。「弊社では、中国市場向けの野心的投資計画を開発して来ており、中国における継続的な開発を、最重要な将来成長戦略の1つに致します。」と語った。

中国の外国行き旅行市場が成長するにつれ、中国人消費者は、益々品質に注目するようになってきており、これは中国人旅行者向けの高品質旅行商品の開発に向けた機会を提供するものだ、と語った。(Xinhua: 2023-10-04 02:08:15)

Carnival Spirit、モビールに接岸、市のクルーズ船欠乏終了(米国)

モビールがこれまでに受け入れた最新かつ最大のクルーズ船であるCarnival Spiritが、金曜日の当市からの初航海のため、Mobile Cruise Terminal(=モビール・クルーズ・ターミナル)に接岸した。

同船は、バハマのビミニ島、フリーポート島、そしてナッソーに向けて航海することになる。そしてモビールに戻って来る、と市の報道官、Jason Johnsonは話している。このクルーズは、8日間。Spiritは、10月から3月までの6か月間、モビールからカリブ海の様々な目的地に向けて航海することになる。

Mobile Mayor(=モビール市長)のSandy Stimpsonは、同船の、少なくともモビール発では処女航海となるものを祝うために乗船した。Mobile City Council(=モビール市議会)は最近、Mobile Cruise Terminalの使用で、Carnivalとの間で5か年協定に署名していた。(後略)(AL.com: Oct. 06, 2023, 5:03 p.m.)

Royal Caribbean、イスラエル訪問をHamasの攻撃で中止(イスラエル・米国)

イスラエルに向かっていた少なくとも航海1本が、土曜日のガザの過激派による攻撃のために変更になっている。

Hamas(=ハマス)というテロリストによるイスラエルに対する奇襲攻撃で、この地域の暴力のニュー・ウェイブ(=新たな高まり)がもたらされ、この種の出来事は、クルーズ船を追い払うことを歴史的に意味してきた。

更新:Odyssey of the Seasの乗客の1人がRoyal Caribbean Blogの掲示板に、同様にOdysseyもイスラエルを飛ばすことになると投稿した。

「船長は、(ここでは判りやすく書き直している)約1時間前に地政学的な状況、安全対策の専門家と一緒に行った決定、乗客・職員・船舶の安全性の見地から、イスラエルには訪問しないと発表した。」この乗客は、旅程の変更には失望した一方で、正しい選択であると思うと話した。「少なくとも私は、現在、そこが安全であるとは思わない。」その代わりにOdysseyは、トルコのボドルムとキプロスのリマソルに向かっている。

Royal Caribbeanは、イスラエル北部にあるハイファ発のRhapsody of the Seasで行くギリシャ諸島クルーズを提供している。このクルーズ客船会社は、Rhapsodyの来るべき旅程の変更をまだ行っていない。Rhapsody of the Seasは、現在、サントリーニ島にいる。

Royal Caribbeanでは2021年に、イスラエル発のクルーズを、同国内の混乱のために中止を余儀なくされていた。Odyssey of the Seasは、そこから航海に出発する予定だったが、そこでの攻撃が始まるや、航海を中止していた。実際、市民の暴動が起きている国では、Royal Caribbeanは典型的には慎重すぎるぐらい慎重になって、クルーズを中止している。

イスラエルのPrime Minister(=首相)であるBenjamin Netanyahuは、土曜日、自国はパレスチナの過激派による攻撃のため「at war(=戦争状態)」にあると述べた。ロケット弾による集中攻撃が、イスラエルに対し無差別に行われ、武装集団がイスラエル領土に送り込まれた。数十年間続いている両者間の血まみれの大河小説における最新章となっている。

Celebrity Cruisesも中止

Celebrity Apexは今週、イスラエルを訪れる予定だったそうした船の1隻だ。Apexに乗船している乗客の1人は、今回の攻撃のために旅程は変更になったと掲示板に投稿した。「つい最近、船長は、イスラエルへの全ての寄港は中止になったと発表しました。」「今や、キプロスに向かっているところで、そこへは一晩かけていきます。それから終日航海日が1日あって、エジプトのアレクサンドリアに1日早く到着し、エジプトで1日追加になります(今や、全部で3日間)。」

Celebrityは、予定変更した唯一の客船会社ではない。Holland America LineのNieuw Standendamの乗客は、既にイスラエルにいたが、直ちに船に戻るよう呼び戻された。乗客の1人は、次のように投稿した。「聖地における3日間は、3時間になった。」(Royal Caribbean Blog: 07 Oct 2023)

クルーズ客船会社、暴力増大でイスラエルから撤退(イスラエル)

クルーズ客船会社は、週末に勃発した暴力の最中、イスラエルから撤退し、旅程を改訂しているところだ。

月曜日、Reuters(=ロイター通信)は、Hamas(=ハマス)とIslamic Jihad(=イスラム聖戦機構)が、ガザからロケットを発射して土曜日に始まった紛争で、この武装した過激派が、イスラエルに侵入すべく細長い地域を取り囲む障壁を破って、発砲し、人質を取って、1,110人以上が殺害されたと報じた。イスラエルは空爆で応え、何千もの兵士をガザに展開した。

クルーズ客は上陸

「ちょうど、Rhapsody of the Seasから2,200人のイスラエル人が下船を終えたところです。」とPort of Haifa(=ハイファ港)のhead of cruise and tourism(=クルーズ観光部長)のZohar Romは話した。「MSC Musicaのイスラエル人は今週これから当地で下船します。」「来週のクルーズ寄港は、中止になりました。」

Holland America Lineの船は、暴力が勃発した日、ハイファにいたが、追って通知があるまで、イスラエルから撤退した。Azamaraは、この数週間の間にハイファに寄港することになっているが、ここも旅程を改訂しているところだ。

MSC Musicaは、4月にハイファから毎週、リマソル、ミコノス、ピレウス、サントリーニ、そしてクサダシに寄港して、ハイファに戻って来る周遊航海を始めていた。

母港化運航は、今シーズン、数社の客船会社が関与する船舶により増加していて、これには、Costa Cruises、Mano Maritime、MSC Cruises、Regent Seven Seas、Royal Caribbean International、Oceania Cruises、Seabourn、そしてWindstarが含まれている。

2023年のハイファでは、700,000人余の旅客が予想されていた。(後略)(Seatrade Cruise News: Oct 09, 2023)

Roro船の船員5人、化学薬品漏出で救助(フィリピン)

ロール・オン、ロール・オフ(Roro)船の5人の船員は、塩素タンクの荷役作業中に、このタンクが落下して、別のタンクと衝突して塩素が漏れたが、救助された。

この事故は、2023年10月7日土曜日の午後1時頃に発生した。M/V Filipinas Surigao del Norteの船員は、サマル島行きの準備中だった。初動捜査で、この船員は塩素タンクを船に積み込んでいたところで、タンクの1つが落下して、別のタンクと衝突し、漏出の原因となったことが明らかとなった。5人の船員は、この化学薬品と接触したことから、近隣の医療施設に搬送された。

Cebu City Fire Office(=セブ市消防署)のSenior Fire Officer(=消防高官)であるWendell Villanuevaは、 Bureau of Fire Protection (BFP)-Special Rescue Force(=防火局・特別救助隊)が、BFP-Cebu City Fire Station(=防火局・セブ市消防署)の職員とEmergency Medical Services(=緊急医療班)と共に、この事故に対応したと話した。

「セブ市港は、Bureau of Fire Protection(=防火局)の指揮下に置かれました。船内に閉じ込められた乗客は、安全に救助されて避難し、更には医療を受けました。」とVillanuevaは話した。(SunStar: Published on : Oct 09, 2023, 5:11 pm)

Carnival株、イスラエル―ハマス間の恐怖が重しとなっていることが露呈し、4か月間の安値に傾く(米国・イスラエル)

3大クルーズ運航事業者のうち、Carnival Corp.は、イスラエルへのクルーズの露出が最も少ないが、その株式は、最も酷い打撃を受けており、この4か月間での最安値に向かっていると言っても、言い過ぎではない。

Wells Fargoの分析者、Daniel Politzerは、週末のイスラエルに対するHamas(=ハマス)の奇襲攻撃の、クルーズ関連の最大の影響は、Royal Caribbean Group RCLで、2.92%減であり、年末までにイスラエル発14本の航海を予定していた。その次が、Norwegian Cruise Line Holdings Ltd. NCLHであり、10本の航海を予定しており、6本を予定していたCarnival CCLが、4.30%減と続いた。

2024年上期は、Royal Caribbeanがイスラエル発の15本の航海を予定し、Norwegianが6本、Carnivalが10本となっている。

更にPolitzerによると、「several sailings to Israel this week have been canceled or itineraries modified(=今週のイスラエル行きの数本の航海が、中止か旅程変更となっている)」という。そのため、このクルーズ運航事業者3社の全てが、第4四半期と第1四半期の価格に圧力を受ける可能性があると想像できるという。

一方、クルーズ収容力の点では、Norwegian Cruiseが最も影響を受けることになると予測できるという。そしてRoyal Caribbean、その後をCarnivalが続くことになる。

Carnivalの株式は、午後の商いで4.2%の急落で、6月5日以来、最低で大引けとなったと言っても過言ではない。この株式は、この日、S&P 500 index(=スタンダード・アンド・プアーズ500種指数)のSPX fifth最悪の出来高だった。

Royal Caribbeanの株式は2.7%下落、Norwegian Cruiseの株式は1.4%を明け渡した。

Politzerは、Royal Caribbeanの「Rhapsody of the Seas」と「Jewel of the Seas」というクルーズ船、そしてCarnivalの「Seabourn Escape」に言及し、全ての母港はイスラエルのハイファ港であり、ここは同国の主要クルーズ港だと指摘した。

「我々は、イスラエルに寄港する旅程に注目して確認している一方、この地域全域内で航海している船舶が、影響を受けることがあり得る。」とPolitzerは顧客向けに対するメモに書いていた。(MarketWatch: Oct. 9, 2023 at 3:23 p.m. ET)

クルーズ客船会社、イスラエル、パレスチナでの紛争の最中に旅程変更(イスラエル)

クルーズ客船会社は、イスラエル・ハマス戦争の最中における運航を調整しており、寄港も取り止めている事例もある。

Norwegian Cruise Line、Princess Cruises、Holland America Line、そしてその他の商標は、航空機を含むその他の旅行が混乱している中、この地域における航海の旅程変更を顧客に連絡している。

航空会社は、旅客に権利放棄証書を発行しており、U.S. State Department(=合衆国国務省)では、この地域に対し渡航勧告を行い、旅行者に対して、イスラエルとヨルダン川西岸を訪問する際の注意喚起と、ガザへの渡航はしないよう強く警告している。こちらが、クルーズ客が知っておくべきことだ。

イスラエルにおける暴力によって、クルーズはどのように影響を受けているか?

Celebrity Cruises:この客船会社のCelebrity Apexという船は、イスラエルとエジプトを訪問することに代えて、ギリシャのサントリーニ、ミコノス、ロードス、そしてトルコのボドルムに、10月6日と10月16日の航海で寄港する、と親会社のRoyal Caribbean Groupの広報担当者は話した。CruiseMapperによると、この10日間クルーズは、ピレウス発の周遊航海だ。

Holland America Line:この客船会社のNieuw Statendamは、この客船会社の広報担当者によると、イスラエルのアシュドッドへの予定された訪問に代えて、トルコのアラニアにするという。この船は、火曜日のキプロスのリマソル、水曜日のギリシャのロードスへの予定された寄港で、早めに到着し、客に探索の時間をより長く与えることになる。

本船のローマ発アテネ行きの28日間クルーズは、この客船会社の今年最後のイスラエル寄港であることを呼び物としていた。

Princess Cruises:Princessは、現時点ではイスラエルには寄港せず、電子メールで広報担当者が述べたことによれば、11月のIsland Princessの「Mediterranean and Israel(=地中海とイスラエル)」航海は調整中だという。「旅程が更新され次第、影響を受けたお客様と旅行代理店に連絡いたします。」とこの広報担当者は話した。

Norwegian Cruise Line:この客船会社のNorwegian Gemという船は、この客船会社の広報担当者によると、日曜日に予定されていたアシュドッド訪問を飛ばして、代わりに終日、洋上で過ごすという。この船は予定通り、月曜日にリマソルへの航海を続ける。CruiseMapperによると、この船はローマ発イスタンブール行きの11日間航海の最中だという。

Norwegian Jadeは、水曜日に予定されたアシュドッドとハイファへの訪問に代えて、火曜日にボドルム、水曜日にマルマリスに寄港する。この船は、アテネ発の1週間周遊旅行を行っているところだが、木曜日は終日、洋上で過ごすことになる。

「弊社では、イスラエルの状況を注意深く監視しております。」とこの広報担当者は話した。「いつものように、弊社のお客様、船員そして訪問先の共同体の安全は、弊社の最優先事項でございます。厳格な安全手順を実施しており、弊社船が訪問する目的地における治安問題に関し、地元当局者と連携しております。」

Oceania Cruises:この客船会社のNauticaという船は、予定を1日繰り上げて、土曜日にイスラエルを出発した。客と船員の全員は無事で、確認されている、とこの客船会社の広報担当者は話した。この客船会社のSirenaという船の、ピレウスからイスタンブールに向かう航海での、10月14日に予定されたハイファとアシュドッドの寄港は、ギリシャのサントリーニ、ヘラクリオン、そしてミコノスに差し替える。この客船会社も、イスラエルで2日間過ごすことになっている、11月1日のMarinaという船のクルーズの「in the process of reviewing itinerary options(=旅程選択の見直し中)」だ、と広報担当者は話した。

Regent Seven Seas Cruises:「現在の激化した状況のため、弊社では、最も用心深い行動は、Seven Seas Voyagerの2023年10月3日と10月15日の旅程を修正して、以前予定されたイスラエルへの寄港を差し替えることだと判断いたしました。」とこの客船会社の広報担当者は、電子メールにおいて述べた。

この船は、10月14日と15日に予定されたハイファへの寄港を飛ばして、代わりに、イスタンブールに向けて航海する。10月15日の航海は、ハイファではなく、イスタンブールから開始し、カイロに直接向かうことになる。

Nathan Dillerは、USA TODAYの消費者旅行記者で、ナッシュビルを本拠地としている。電子メールはこちら(注、電子メール・アドレス省略)(USA TODAY: Oct 9, 2023)

「恥を知れ」:クルーズ船客、フランスで白熊の衣装の抗議者に迎えられる(フランス・米国)

World Travellerの乗客は昨日、ブルターニュで80人の非難の声を上げるデモ参加者の一団の下に下船した。

クルーズ船乗客は週末に、環境抗議者がこうした旅行の選択を抗議するために集まったことから、フランスで無礼な出迎えを受けた。

「World Traveller(=ワールド・トラベラー、注「世界中を旅行する人」の意)」というクルーズ船に乗船している観光客は、ブルターニュのドゥアルヌネ港に到着するや、「shame on you!(=恥を知れ!)」、「you are not welcome(=お前たちを歓迎しない)」、「go home(=帰れ)」との叫び声によって出迎えられた。

約80人のデモ参加者は、「unreachable destinations(=手の届かない目的地)」に行く「intimate, yacht-style cruises(=親密なヨット風のクルーズ)」を約束する合衆国に本拠を置く会社であるAtlas Ocean Voyagesが保有する196人乗りの豪華船と対峙した。その多くは、白熊、アシカあるいはベニスのカーニバルの衣装を身に着けていた。中には「luxury and expedition trip(=豪華な探検旅行)」にウンザリしている25歳の抗議者もいた。

こうした船は「北極と南極の間で行ったり来たりして、最後の機会の観光業をするために時間を費やしているのです。最後のペンギン、最後の白熊、最後の氷山を見物するのです。破廉恥なことです。」と、彼女は通信社のAFP(=フランス通信)に語った。

なぜ「luxury and expedition(=豪華な探検)」クルーズが、そんなに物議を醸すのか?

このWorld Travellerという船は、ダブリンからリスボンに行く10日間クルーズの一環として、ブレトン港に入港した。料金は、乗客1人当たり8,048ユーロから13,257ユーロだ。

しかし、更に辺境の水域をしばしば突き進み、南極、北極、ノルウェーのフィヨルド、あるいはアイスランドやグリーンランドに行く旅行をしている。例えば11月には、このクルーズ船は、南極に行く10日間クルーズに出航することになっており、価格は15,625ユーロから25,379ユーロだ。全てのクルーズは、こうした地域に向かうことから高額で、ホテルや娯楽施設は予備燃料を燃焼させることが必要で、大量の大気汚染物質を吐き出している。

NGO(=非政府組織)のTransport & Environmentによる最近の研究では、昨年、ヨーロッパ水域を航行しているクルーズ船は、800万トン(メートル・トン)以上の二酸化炭素を排出したものと見積もっている。これは、パリとニューヨーク間の航空機、50,000機に相当するものだ。

沿岸に近づいて航海することは、汚染関連の健康問題を地元民にもたらしており、クルーズ港の近隣で生活する多くの人々にはもう十分であり、場所によっては巨大船を禁止さえもしているのだ。

地球の極地に向かう「Expeditions(=探検)」は、異なる一連の環境影響を伴っている。南極の研究者は、黒色炭素汚染の一因となっている観光旅行が増加していることから、南極で黒くなった雪を観察している。

研究者らは、訪問者1人が、南極の83トンの雪を失わせる原因となっていると見ている。観光客体験の環境に損害を与える、より荒涼とした実例を考えることは難しい。

この皮肉は、活動家らに通じないわけではない。ドゥアルヌネ湾では、匿名の抗議者は、「in support of the polar fauna which is suffering from climate change and all the consequences of our way of life in this society.(=気候変動とこの社会における我々の生活様式のあらゆる結果の影響を受けている極地ファウナ(=動物相)を支援する)」デモは、部分的なものだと語った。

乗客とAtlas Ocean Voyagesは、この抗議に対してどのように応えたか?

あるクルーズ客は、大股で歩いて、この敵意に満ちた雰囲気に対処したようだった。

49歳のアメリカ人観光客のEric Scottは、下船時に、この避難の嵐を「useful educational experience(=有用な教育体験)」であると描写した。「我々の旅行が1つの原因になっているわけです。他の見地から見るとね。」とAFPに語った。

ウェブサイト上において、フロリダ州に本拠を置くAtlas Ocean Voyagesは、次のように主張している。「弊社では、極めて厳格に持続可能性のある活動を行っております。世界から離れることを確実にするため、将来の世代のために環境に優しいヨットである弊社船団は、先進の技術と装備のある専用建造となっております。」

ここのヨットは、従来のクルーズ船によって使用される「only a fifth of the fuel(=燃料の僅か5分の1しか)」消費しないことから「thus reducing [their] impact on the environment.(=したがって、環境に対する影響を逓減することになる)」と言っている。しかし罪のない、排ガス・ゼロのクルーズのための技術はまだない。そして環境保護活動家は、他のことをやるように会社に対し、死刑施行前の短い懺悔の時間を与えている。

「我々は、存在する理由のないこの産業に対し、単に糾弾しているだけです。」と昨日、ブルターニュで47歳の抗議者は話した。「この産業を必要としていないのです。」と彼女は話し、「生態系の多様性は、ずっと大切なものです。」

数隻のクルーズ船の下船が、最近数か月間にドゥアルヌネでは中止を余儀なくされたか、警護の下で行われた、とAFPは報じている。

日曜日の抗議では、デモ参加者が上陸地帯に接近するのを防ぐために、警戒線が設けられた。(Euronews: Published on 09/10/2023 - 16:17 Updated 10/10/2023 - 10:07)

中国初の水素燃料電池船、処女運航完了(中国)

水素燃料電池駆動宣伝船のSanxia Qingzhou 1 (Three Gorges Hydrogen Boat No 1)(注、「三峡水素船1号」の意)は、2023年10月11日の朝、湖北(=フーベイ)省宣昌(=イーチャン)のThree Gorges Visitor Center (Wharf 9)(=三峡観光客センター(第9埠頭))で、処女運航を完了し、内陸船の水素燃料電池技術の活用における突破口となった。この水素駆動船は、従来の石油動力船との比較で、年間103.16トンの燃料を節約し、343.67メートル・トンにまで二酸化炭素排出量を逓減させることになると見込まれる、と推測されている。

この水素駆動船は、鋼鉄とアルミニウムの複合構造であり、全長は49.9メートル、幅10.4メートル、深さ3.2メートル。その水素燃料電池は、出力500キロワットで、200キロメートルの航続距離を実現する。引き渡し後、本船は、Three Gorges(=三峡)貯水池地域と、Three Gorges(=三峡ダム)とGezhou Dam(=葛洲ダム)間の河川区間で、交通、検査、緊急事態、その他の作業において責任を負うことになる。(China Daily: 2023-10-12 11:16)

スリ・ランカへのフェリー便、ラクシャドウィープの島民に打撃(インド)

コーチ発。タミール・ナードゥ州とスリ・ランカ間の新たなフェリー便の開設は、交通の悩みの種を悪化していることから、ラクシャドウィープの島民を騙されたような気分にさせている。

島民らは、乗客150人を運ぶ収容力のある高速フェリー、Cheriyapaniがこの群島での運航を中止し、スリランカと連結するフェリー便を開始した時、島嶼間輸送のための旅客船を増やすよう大騒ぎしてきていた。(後略)(The Hindu: October 14, 2023 09:45 pm)

Royal Caribbeanのクルーズ船、イスラエルからアメリカ人を退避させる(イスラエル・米国)

Rhapsody of the Seasは月曜日、ハイファから出航して、イスラエルを脱出したアメリカ人を乗せてキプロスに向かっているところだ。

このRoyal Caribbean Internationalのクルーズ船は、イスラエルの合衆国大使館の要請で航海した。「Royal Caribbean Groupは、アメリカ市民の出発を支援し、U.S. Department of State(=合衆国国務省)を積極的に支援しております。」とRoyal Caribbeanの声明文には述べられていた。

同大使館は、合衆国人の居住者に対し、この航海は、地政学的な状況のためにハイファ発のクルーズが中止になった同船の利用可能な空間に依拠するものだと伝えていた。大使館の声明文によると、乗船は、現地時間の午前8時に始まり、先着順に利用可能だったという。

リマソル港への横断には、ざっと10時間から12時間掛かるものと見られている。食事とWi-Fi(=ワイ・ファイ、注、無線LAN)は、船上とキプロスのリマソル港の双方で利用可能で、更に合衆国に向かう旅についての情報を支援・提供する。(Cruise Industry News: October 16, 2023)

Pacific World:グリーノック、2023年最後のクルーズ船を歓迎(英国・日本)

今年グリーノックを訪れることになっている最後のクルーズ船が、オーシャン・ターミナルに到着した。Pacific Worldは、霧が立ち込めた状況の中、今朝早く接岸し、忙しかった2023年に幕を下ろした。

この船の就航は1995年に遡るが、当時は世界最大のクルーズ船の1隻だった。今は、Peace World(注、Peace Boatの誤り)という教育的クルーズを組織する、日本を本拠地とする1983年設立の世界的な非政府組織が運航している。この地球一周航海は、約100日続く。

77,000トンの船は、約2,000人の乗客を乗せることができ、アイスランドのレイキャビク経由で到着した。5年前に改装されたこの船には、9層の旅客甲板、4階建ての吹き抜け、数か所の食堂、多くの喫茶店、酒場、そして休憩室がある。ここの運航事業者は、世界一周旅行向けの「spacious, relaxing environment(=広々とした寛いだ環境)」を提供すると言っている。

Pacific Worldは今晩、出発することになっている。(Greenock Telegraph: 17th October)

1度に3年半、船上で乗客を生活させることになる新しい居住クルーズ船の内部

来年就航開始することになっている新しいクルーズ船は、世界一周する際に、1度に3年半、船上で乗客を生活させることになる。

このVilla Vie Residencesという船は、100,000ドルから始まる船室を購入することができる長期旅行者を乗せ、2024年5月に最初の航海に出航する。この旅行は、サウサンプトンから出発し、147か国の425港に寄港する。

旅程を詳しく見ると、この船は、北欧で87日間、北米では105日間、アフリカで68日間、南アジアで76日間過ごすことになる。複数日の寄港も予定されており、例えばシンガポールには12日間滞在する。

630室の船室の15パーセント余は、完全購入ができ、100,000ドルの内側旅客室から、250,000ドルのバルコニー付きの部屋まであり、購入価格に加え、3,500ドルからの月額料金がかかる。居住者はその後、賃貸したり、売却することも可能だ。

部屋の残りは、旅行区間毎に「pay as you go(=現金払い)」で予約可能で、スペインのバルセロナから、フロリダ州のウェスト・パーム・ビーチに向かう最後の35日間の大西洋横断で、4,360ドルから。非居住者は、120日間までのクルーズを予約することができる。

本船は、まだ購入されていないが、Villa Vie Residencesの設立者でCEO(=最高経営責任者)であるMikael Pettersonは、この定期船に対して「from an active operator of several cruise ships(=数隻のクルーズ船の現役の運航事業者から)」この新興企業は内定をもらっていると話し、年末までに完了する見込みだ、とInsiderは報じている。

船上にはプール、実演娯楽、そして複数の食事の選択肢があり、加えてクルーズ客が海から働けるような、例えば事務所やワイファイのある事業中心地のような施設もある。計画には、料理教室を主催する調理法中心地や、「pet spa and resort(注、「愛玩動物温泉場」の意)」も含まれている。

約800人から900人の客が、どの時点においても本船には滞在しているものと見込まれている。(Independent: 17th October, 2023)

200人以上乗せたクルーズ船で出火(米国)

200人以上乗せたクルーズ船で出火し、船員1人が火傷で病院に急送された。

American Queen Voyagesが運航するOcean Navigatorは、火災発生時、合衆国のメーン州ポートランドで接岸していた。US Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)の声明では、火の手は「in the engine room on a generator(=機関室の発電機)」から上がり、原因は調査中だという。(後略)(Independent: Thursday 19 October 2023 09:54 BST)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」選りすぐりのNYCフェリーが引き継ぐことに(米国)

10月20日から、選りすぐりのNYC Ferryの船が「Back to the Future(=バック・トゥ・ザ・フューチャー)」の商標化を行う。こうした船の内装は、11月17日まで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に包まれたままとなる。特別の期間限定の機会が、就航を記念して10月20日に、フェリーの船上で開催される。

NYC Ferryのイースト・リバー(注、ニューヨークにある海峡)航路の乗客は、その1日中、切符の景品、豆知識、出演者の出現を期待することが可能だ。

同名映画を基にした「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、Bob Galeによる脚本、Alan SilvestriとGlen Ballard作曲の音楽を呼び物としている。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、2023年8月3日、Winter Garden Theatreで開演、製作はColin Ingram。(Broadway News: October 19, 2023. 5:56 PM)

KRP:現在、ガス・パイプラインの破壊活動の捜査で中国船に焦点(フィンランド・中国)

THE NATIONAL BUREAU of Investigation(=フィンランド国家警察)(KRP)は金曜日、香港に登記された中国の貨物船、Newnew Polar Bearが、現在、フィンランドとエストニアの間の海底ガス・パイプラインであるBalticconnector(=ボーティックコネクター、注、「バルト海連結器」の意)の破壊活動の捜査の中心となっていることを明らかにした。

捜査官らは、この船の動きが、パイプラインの損傷時刻や場所と一致していることを確定している。この損傷は、2023年10月8日の早朝に発生した。この船の背景や動きの更なる分析は、国際的な連携者との協力により実施されることになる。

KRP(=フィンランド国家警察)は木曜日、事件現場の捜査は完了したと報告し、粘土質の海底の「huge lump of soil(=大量の土壌)」の中に「extremely heavy object(=極めて重い物体)」と考えられるものを発見したという。「この捜査で、損傷は外部からの機械力によるものであったことが確認され、我々の現在の知見に基づくと、この損傷が爆発によって生じたものだと信じる根拠はないです。」とフィンランド国家警察のdetective superintendent(=刑事局長)であるRisto Lohiは、金曜日の記者会見で述べた。

捜査官らは現在、この物体の性質を調べているところで、パイプラインの損傷と関連がある可能性がある。犯行現場の捜索は、天候や海の状態が許す限り、継続することになっている。「技術的試験のため、この物体を海から引き上げる試みがなされます。」と語った。

Finnish National Defence University(=フィンランド国立防衛大学)のsenior researcher(=上級研究者)であるMatti Puranenは金曜日、Helsingin Sanomat紙に対し、フィンランド湾のような領海から離れていることから、中国が破壊活動に関与する動機が思いつかないと語った。

「これは、中国の近隣では、毎日起きていることでしょう。しかし遠く離れたところにあるこの外国の社会基盤設備を、同国が破壊したのならば、何だか新奇な、注目されるものでしょうね。」と語った。「北欧の社会基盤設備の破壊活動に、中国の関心がどの位あるのかを知ることは難しいです。」

この種の活動に対し、ロシアに明白な動機がある一方、Puranenは、中国が同盟国を支援する準備があることは、疑っている。「唯一、遠く離れた合理的説明は、民間運航事業者に責任があるというものです。」と語り、破壊活動に参加する民間運航事業者の根拠を考えることはできないことをしぶしぶ認めた。「それにロシア人は、確かに中国人の援助なしにケーブルを簡単に切り離す専門技術を持っています。」

Newnew Polar Breaは、中国とロシアのサンクト・ペテルブルクの間で特別に運航している中国の海運会社であるNewnew Shippingが保有している。(Helsinki Times: 23 October 2023)

ラムスゲート沖でクルーズ船から飛び降りたと報告された男性の捜索(英国・ドイツ)

船員の1人がクルーズ船から船外に転落したとの報告を受け、ケント州沖で捜索活動が進行中だ。

沿岸警備隊は日曜日、英国標準時間の9時頃に、男性がラムスゲート沖でドイツ船のAIDAperlaから消えたことを受けて、警報を発令した。HM Coastguardという捜索・救助ヘリコプターが、リドから、固定翼機1機を伴って派遣された。RNLI(=王立救命艇協会)は、ラムスゲートとドーバーから全天候型救命艇を送り、捜索活動に加わわらせた。

AIDAperlaは、ドイツのハンブルクから、カナリア諸島のラス・パルマスに向かっていたことを、クルーズ会社は確認した。

AIDA Cruisesの広報担当者は、次のように話した。「AIDAperlaの船長と船員は、直ちに必要な救助対策を取り始め、地元当局と緊密に連携しております。」「船内捜索で、男性船員1人が行方不明になっていることを確認しました。本船は直ちに停船して、事件発生現場に引き返し、捜索活動に加わったものと考えられます。」(BBC News: 23 October 2023)

中国人民解放軍、軍事訓練にRORO船使用(中国・台湾)

Chinese People’s Liberation Army(=中国人民解放軍)(PLA)は、台湾に対する将来の攻撃準備の一環として、ロール・オン、ロール・オフ (RORO)船を使った兵士の訓練を行っている、とある筋は、US(=合衆国)国防高官が最近話したことを引用した。

10月1日から3日まで開催された毎年恒例のUS-Taiwan Defense Industry Conference(注、「合衆国・台湾防衛産業会議」の意)での演説で、US Principal Deputy Assistant Secretary of Defense for Indo-Pacific Security Affairs(注、「合衆国インド太平洋安全保障問題国防次官補主任代理」の意)のJedidiah Royalは、中国が台湾を経済的・外交的に圧力を加えるために高圧的な手段を使用する一方、台湾に対する将来の陸海空軍による攻撃準備もしており、RORO船の利用を含め増加している、と同筋は話した。

軍事ウェブ・サイトのNaval Newsの10月12日の報道で、PLAの強襲揚陸艦隊が台湾侵略には不十分のままであることから、その種の攻撃は、RORO貨物船を含む商船を使用することになりそうだと言って、同様の主張がなされていた。この報道では、北中国の渤海(=ポーハイ)から、台湾の金門(=チンメン)県の沿岸沖にある厦門(=シアムン、アモイ)市に航海している4隻の商業ROROフェリーが引き合いに出されており、先月、そうした訓練を行うために使われた。

この報道では、China Maritime Studies Institute of the US Naval War College(=米海軍大学校中国海事研究所)の1月の報告書も引用されており、中国は現在、31隻の遠洋航海用のROROフェリーを運航していると述べていた。PLA(=人民解放軍)は、軍事輸送で民間商船を使用する点で「significant progress(=特筆すべき進展)」があるが、そうした船舶は、軍事的な紛争という過酷な環境における、台湾侵略に必要な上陸作戦や海上兵站を提供することは未だに不可能だ、と同報告書は述べていた。しかし他の軍事作戦上の展開で、PLAが2027年までに、商船を台湾攻撃に組み込むことは可能となるかもしれない、と同報告書は示唆していた。

Taiwan Institute of National Defense and Security Research(=台湾国防安全研究院)のfellow(=特別研究員)であるSu Tzu-yun(蘇紫雲)は、バージニア州であった同会議に出席したが、Royalの論評は、合衆国の諜報機関が、そうした計画に関連するものを発見していることを示唆するものだと述べた。台湾はより良く備えるために、こうした発見に対し行動しなければならないのであり、奇襲攻撃による不意打ちを食らわないようにしなければならない、と話した。

「軍では、奇襲から空港や海港を防ぐための計画を策定していますが、RORO船を監視することができて、台湾方向に針路を逸脱した際に、警報を発令することができるシステムが必要なのです。」とのべた。「中国はそうした船舶に関する自動識別システムを、周到な策略手段として、巧みに操ることもするでしょう。ですから軍は、識別手段を強化することができなければならないのです。」

New Power Party(=時代力量)のLegislator(=国会議員)であるChen Jiau-hua(陳椒華)は10月14日に、税関や港湾職員は、商船検査をするための人員が不足しており、検査のために乗船する時間が少なすぎるという懸念を表明した。「もし中国が、奇襲のための装備品や武装兵士を輸送するために、RORO船を使用する意図があるのならば、現在の対応手段は不十分です。」と彼女は語った。

これとは別に、Institute for National Policy Research(=国際関係研究所)のsenior consultant(=上級顧問)のChen Wen-jia(陳文甲)は、PLAは第2段階でROROsを使用するかもしれないが、攻撃の第一波では軍艦を含める必要があり、そのため台湾は、対上陸・対空挺能力を強化しなければならないと話した。(Taipei Times: Mon, Oct 23, 2023 page3)

新しいクルーズ船、基隆に接岸(台湾)

基隆(=キールン)港は昨日、台湾北部と東部の観光地を訪問する予定の観光客を乗せた新しい探検クルーズ船を迎えた、とTaiwan International Ports Corp(=台湾港務公司)(TIPC)は話した。

オーストラリアのクルーズ客船会社、Coral Expeditionsの熱帯探検船であるCoral Adventurerは、昨日の朝、初めて基隆港に接岸した際、歓迎放水を受けた。今年、この台湾北部の商業港に到着することになっている4隻目の探検クルーズ船だった。

同船の台湾への試験運航では、64人の国際的な観光客を乗せ、長崎を出発して、日本の屋久島、諏訪之瀬島、そして奄美諸島を訪問してから、基隆に到着した、とTIPCは話した。

昨日、観光客の大半は下船して、基隆、台北(=タイペイ)、新北市(=シンペイ・シー)観光に出かけた、と同社は話し、観光客は飛行機で帰国したと付け加えた。

別の観光団が今日、飛行機で到着することになっており、基隆で本船に乗船して、花蓮県(=ホワリエン・シェン)の太魯閣渓谷(=タイルーガー・グオジャー)を訪問してから、フィリピンに向けて航海すると話した。同船の1泊は、1人当たり、約17,000ニュー台湾ドルだと、この港湾会社は話した。

このオーストラリアのクルーズ運航事業者は、オーストラリア、ニュー・ジーランド、そして南太平洋とインド洋で探検旅行を提供しており、基隆を母港の1つにしている、と同社は話した。船には小型の通船が備えられており、浅瀬しかない小諸島に観光客を運ぶよう設計されている、という。

このクルーズ客船会社のウェブ・サイトには、クルーズ観光客が、島巡り探検をしているのが見られる写真の何がしかが掲載されている、と話した。Coral Adventurerの他、このクルーズ客船会社の船隊のもう1隻の船であるCoral Geographerは、来年10月21日に、台湾から運航する予定だ、と同社は話した。

昨日のオーストラリアのクルーズ船の到着に先立ち、他に3隻の探検船が今年、基隆に接岸していた。9月29日にNational Geographic Resolution、6月23日にHeritage Adventurer、そして3月24日にPonant Le Solealが接岸していた。(Taipei Times: Tue, Oct 24, 2023 page2)

Ruby Princessnの運航事業者、COVID-19クルーズで過失ありの判断(オーストラリア・米国)

大規模なCOVID-19のアウトブレイク(=勃発)を招いた航海を強行したクルーズ定期船は、乗客に対する注意義務に過失があった、とFederal Court(=連邦裁判所)は、画期的な判断をした。

この判断は、世界初の成功したクルーズ船クラス・アクション(注、集団訴訟)であり、これに巻き込まれた会社は、長期間の訴訟手続きを進めるよりはむしろ、他の乗客との間で和解するよう促されている。

パンデミックの初期にCOVID-19で28人が死亡した不運なRuby Princessのクルーズ客の1人であるSusan Karpikは、オーストラリアの傭船会社であるCarnivalに対する集団訴訟の原告団長だった。Carnivalは、Princess Cruisesの名称を使って営業しており、Ruby Princessというバミューダ船籍の船の運航者だ。

Karpikは、360,000ドル相当以上の人身傷害、苦痛、そして失望の損害賠償を求めた。彼女自身の主張は、ウイルスに感染してから4週間に亘り昏睡状態に陥り、今も治療を継続している夫のHenryの病気に起因する、緊張や失望を巡るものだ。

乗船していた1679人のオーストラリア人を含む2641人の乗客のうち、合計663人の陽性症例が報告された。24人が、この勃発中に死亡した。Ruby Princessは、13日間周遊旅行で、シドニーからニュー・ジーランドに向けて航海したが、2020年3月、パンデミックの初期に、オーストラリアの国境が閉鎖された日である11日後に戻って来た。

Angus Stewart判事は、このクルーズ客船会社は、同船でCOVID-19感染の危険が高まっていることについて、知っていたか、知っているべきだったと判断した。判事は、同社はKarpikに対し、ウイルスにより害することになる危険など、彼女の健康や安全に対し、注意義務を負っていたと語った。

「悲惨な結果を招く可能性のあるコロナウイルスの勃発という深刻な危険のあるクルーズを強行し、それでも構わず行ったのです。」と今日、語った。「クルーズを中止することは、酷く重荷になるものではなく、(しかも)(同社の)職位にある責任者は、このクルーズを中止することができたのです。」「被告らはそれ故、過失があり、注意義務に違反したのです。」

しかしながらStewart判事は、人的損害の賠償を要することになる非経済的な損害の境界値には達しなかった結果、Karpikは長期間に亘ってCOVIDに罹患したわけではないと判断した。合計4423ドルに、利息を加算した自己負担医療費の主張については、Karpikは勝訴した。

Stewart判事は、Karpikが、このクルーズが約束したような「happy and relaxing holiday(=楽しく寛いだ休日)」ではなかったという事実を填補する、期待外れの損害の賠償を求める権利があると判断した。しかしCarnivalは、このクルーズの費用を乗客全員に対し既に返金していることから、同判事は、同社はこの主張に対しては、既に満足させていると判断した。

Karpikは、裁判所の判断には満足しており、他の乗客に対して、何がしかの慰謝を行うことを望むと話した。「私と他の乗客は、穀物が製粉機にかけられたようにつらい思いをし、そして帰って来たのです。それは長い旅でした。」と記者団に語った。「(会社が)私たちの体験したことを書いた情報を読むために時間を取り、顧客に、より良い配慮をするようになることを、切に望みます。」この元看護士は、裁判所が損害賠償を認めなかったことで、失望はしていないと付け加えた。

集団訴訟の共同団長である、Shine LawyersのVicky Antzoulatosは、この判断は「a long time coming(=長らく待たされていたもの)」であり、乗客の完勝だと語った。「これは、世界で最初に成功したクルーズ船集団訴訟であり、ですから他の会社も、この事案には注意を払うことになるでしょう。」と話した。

他の乗客は、Carnivalが主張の全てを認めない限り、なおも個人的損害を立証する必要がある。この運航事業者に対する包括的な法的判断が与えられたことから、Antzoulatosは同社に対し、これ以上の訴訟手続きをすることなく、全ての賠償請求を解決するよう促している

Carnival Australiaの広報担当者は、次のように話した。「弊社では裁判を承知しており、詳細を検討しているところです。あのパンデミックは、オーストラリアの歴史において、困難な時でありました。そして弊社は、影響を受けた人が、どれほど悲痛な思いをしたのか、理解しております。」(9News: 8:46pm Oct 25, 2023)

Mitsui Ocean Fuji、「日本発祥のウェル・ビーイング」促進へ(日本)

新たに命名されたMitsui OSK(=商船三井)のクルーズ商標であるMitsui Ocean Cruisesは、同社の140年の海事の歴史を反映させ、自然と伝統文化に根差した日本の感覚を大切にする。

この商標の最製の詳細は、Mitsui Ocean Cruisesのhead(=代表)であるShoichiro Yamashitaによって、香港であったSeatrade Cruise Asia Pacific期間中の、メディアへの説明会でなされた。

「高品質の空間と、弊社の呼び物である特別の心からの「omotenashi(=おもてなし)」のサービスにより、お客様に、来年遅くに就航する弊社最新船であるMitsui Ocean Fujiの船上で、落ち着いた寛ぎの時間を提供いたします。」と満員の部屋の前方で、Yamashitaはあらましを述べた。

この元Seabourn Odysseyは、この3月にMitsui(=三井)によって買収され、2024年8月までSeabournに戻し傭船されているが、この会社の1990年建造の22,472総トンのNippon Maru(=にっぽん丸)に加わり、2025年4月に世界クルーズに乗り出す。

世界航海

Mitsui Ocean Fujiの世界航海は、100日間に及び、14のUNESCO(=国際連合教育科学文化機関、ユネスコ)のWorld Heritage(=世界遺産)地に接近し、16か国を訪問する、とYamashitaは話した。

タグ・ライン(注、「キャッチ・フレーズ」)である「Well-being originated in Japan(=日本発祥のウェル・ビーイング、注、「幸福で安心なこと」)」を使ったこの新船の食事体験は、Michelin(=ミシュラン)の星付きレストランの料理に焦点を合わせており、2か所のフル・サービスの食堂(注、「店員が客のテーブルに飲食物を持ってくる食堂」)と2か所のバッフェイ(注、「セルフ・サービスの食堂(ビュッフェ))、加えて同船船尾に位置する、Yamashitaが日本初のマリーナ・カフェと描写したものが含まれている。フリースタイルの娯楽が、1日中、複数の場所で提供されることになる。

ソース市場

これまでに報じたように、三井は、香港、台湾、シンガポール、その他の主要な国際ソース市場(注、「収益源となる市場」)からのアジア人客の他、日本人を標的にすることを狙っており、正真正銘の日本体験を期待する人達を求めている。

Fuji Maru(=ふじ丸)の層が、60歳以上の退職者に焦点を合わせていた一方で、Mitsui Ocean Fujiは、40歳から60歳の階層を対象にする、とYamashitaはSeatrade Cruise Newsに語った。

Yamashitaは、Mitsui Ocean Fujiが船隊に加わるや、同社は新しい船体塗装で航海するに先立ち、主として表面上の変更を行うが、2026年に、改良を伴うより細かな改装を行う予定があることを確認した。

新船

予定されている2隻の35,000総トン、乗客600人乗りの新造船についての最新情報を求めたが、Yamashitaは、同社は未だに造船所と議論しているところで、2024年まで発表する見込みはないと話した。1番船は、2027年頃に引き渡される予定だ。(Seatrade Cruise News: Oct 26, 2023)

動画にクルーズ船の天井から水が噴出する「ぞっとするような」瞬間が写っている(米国)

クルーズ船客は、最近の航海で、洋上にいる時に目を覚ますと、部屋の天井から水が流れ込んでいるを知って、衝撃を受けた。

Amberという名前のTikTokの利用者が、Carnival Radianceの甲板が水浸しになっているのが写っている動画を投稿した。この船は、3,000人近い乗客を乗せることができるものだ。困惑した旅行者らが傍観しているのが見られ、ずぶ濡れになった所持品を救おうとしているように見える。当時、この船はカリフォルニア州沖を航海していた。

彼女の動画は10月17日に投稿されたのもだが、1000万回以上も視聴されている。字幕にはこう書いている。「carnivalクルーズのradianceの私たちの部屋は洪水。4時間になるのに誰も来ないし、声もかけてくれない。」

後の動画には、船員がごみを片付けようとしている様子が写っており、Amberは、水が床の大半を覆っている自分の部屋の損害を見せている。誰かが停電しているようだと言っており、Amberが「everything is destroyed(=全ては破壊された)」と言っているのを聞くことができる。「午前2時に、私達の部屋に、水が天井から勢いよく入って来たので、目を覚ました。本当にぞっととすることだった。」と字幕にはある。

違うFacebook Reel動画では、同乗していた乗客のRyan McGuyerが、船員がこの問題を調べている同様の場面を投稿していた。彼は次のように書いていた。「部屋の中に、1フィート半以上の水が溜まっていた。全ては台無し。」「これは、私達の初クルーズですが、子供達は心に傷を負ってしまい、二度と行きたがらないでしょう。」

このクルーズ船は、2020年に2億ドルをかけて改装したもので、ハワイやメキシコの港に行く旅行も提供しているが、全てはカリフォルニア州のロング・ビーチから出発するものだと、News.com.auは報じている。

The Independent紙では、論評を求めて、Carnival Cruise Lineと連絡を取っている。Carnivalの広報担当者は、The Independent紙に対し、この洪水は「a burst water line(=送水管の破裂)」によるもので、影響を受けた「an area of the ship that accounts for less than two per cent of its staterooms(=本船の区画は、旅客室の2パーセントにも満たないものでした。)」と話した。「The ship’s team members cleaned the area and the pipe was fixed.(=本船のチーム構成員が同区画を清掃し、この管を修理しました。」(The Independent: Thursday 26 October 2023 10:10 BST)

電動車椅子が爆発し、P&Oのクルーズ船で出火、乗客避難(英国)

電動車椅子の電池が爆発・炎上して、P&Oのクルーズ船Ionaから乗客は避難を余儀なくされた。これは、不運なVerityという貨物船の船員の捜索活動に参加する僅か数日前の出来事だった。

土曜日の午後5時頃、同船の中央中心区画から出火した。Ionaは、ロンドン南西部のサウサンプトンで接岸していた。複数階からなるアトリウム(注、吹き抜けの主空間)から撮られた映像では、火災警報が鳴り、混乱した乗客らが1階に集まる中、バルコニーで炎がちらちらと光っていた。1つの叫び声が、大きな爆発とまぶしい閃光に引き続いて聞くことができる。緊張した船員が電話をし、乗客の避難準備をする中、松葉杖をついた高齢男性が、アトリウムの外へと案内されているのが見られる。

P&Oの広報担当者は、次のように話した。「電動車椅子のリチウム電池が原因の火災が、Ionaのアトリウムでありました。」「ありがたいことに、弊社の消火システムにより、迅速に消火されました。」(中略)

この火災では、最小限の遅延しか生じなかったと理解されており、1日洋上で過ごしてから、同船はドイツのハンブルクに到着し、そこでしばらく接岸した。

火曜日の早い時間には、Ionaは、仲間の貨物船であるPolesieに突っ込んで、北海で沈没したVerityからの遭難信号に対処した。乗船していた7人の船員の内、1人が死亡し、他に2人が海から引き上げられた。捜索が木曜日に打ち切られた時、4人が行方不明のままだった。また、この捜索に関与した船には、「Hermann Marwede」と「Bernhard Gruben」がいた。

Ionaには、医師1名と救急医療隊員が乗船していたが、Verityがドイツの島であるヘルゴラント島の南西14海里で、Polesieと衝突したのを受け、支援するよう求められた。このクルーズ船の甲板からの映像には、火曜日の夜明け前、捜索が続行中で、海面に向けられた大型スポットライトが写っている。

このクルーズ船はその後、ロッテルダムと、ベルギーのブリュージュでの予定された寄港を続けた。(Mail Online: 16:24 BST, 27 October 2023)

ネイビー埠頭でクルーズ船を降りた女性、発砲されて負傷(米国)

当局によると、土曜日早く、Navy Pier(=ネイビー埠頭)で、クルーズ船から降りる際に女性が発砲されて負傷したという。

警察調書によると、午前12時20分頃、この女性(31)は、船から同伴して降りてきた男によって足を撃たれた際、East Grand Avenue(注、「東大通」の意)から600ブロック離れたネイビー埠頭で、Spirit of Chicago Booze Cruise(注、ブーズ・クルーズ船、船上で大酒を飲むクルーズ船)から降りるところだったという。

女性は、隣接するフード・コートに走り込んで、Northwestern Memorial Hospital(注、「北西記念病院」の意)に搬送された。かなり良い容体だった、とシカゴ警察は話した。警察によると、男はその後、白のセダンに乗り込んで、走り去ったという。

警察調書によると、目撃者は警察に対し、発砲者は酷く怖がっていた男で、20歳から30歳と考えられ、全身、黒い服を着ていたという。警察は、ネイビー埠頭に対する能動的脅威はなかった、と話している。勾留されたという報告はない。(NBC Chicago: Published October 28, 2023)

クルーズ船、Disney Wonderが、正に初めてホバートに接岸(オーストラリア・米国)

Disney Wonderは本日、漫画を愛する家族連れと熱心なクルーズ客を満載してホバート港を初訪問した。

月曜日の朝の記念の盾の式典の間、Premier and Minister for Tourism and Hospitality(=州知事兼観光・接客大臣)のJeremy Rockliffは、この夏期間にホバートに予定された8回のDisneyの訪問の第1回目を歓迎した。

「Disney Wonderの訪問は、1つの目的地として、国内と国際クルーズ客の間で人気が高まっているというタスマニアの訴えに対する証であります。」とPremier(=州知事)のRockliffは話した。「クルーズ海運は、タスマニアの訪問者経済(注、観光業)において重要な役割を演じており、昨年は、当州に1億4400万ドル以上も注入し、455人の雇用を支えたのであります。」

今日の到着は、今シーズン、タスマニア訪問を予約している160隻近いクルーズ船の1つであり、この沿岸に、287,000人の旅客と124,000人の船員をもたらすことになる。この船は、11層の旅客甲板を誇り、約950人の船員の他、約2,400人の旅客を乗せるものだ。テーマ性のある食堂での回転食事、ブロードウェイ流のショー、キャラクターとの遭遇、家族連れ向けに特別設計された想像力に富む宇宙、子供も大人も誰もが、船内での体験を作り出すことになる。

Disney、Virgin Voyages、P&O、Princess、その他の船は、ホバート、バーニー、ポート・アーサー、そしてより小さな地域港の何がしかを今シーズン訪問する。(Pulse Hobart: October 30, 2023)

LNG燃料のフェリー、Spirit of Tasmania IVが進水(フィンランド・オーストラリア)

LNG燃料のSpirit of Tasmania IVは、Tasmanian TT-Line Company向けにRauma Marine Constructionsで建造中だが、このフィンランドの造船所で進水し、洗礼を受けた(注、命名された)。

長さ212メートルの船は、2隻の同型の乗用車・旅客フェリーの1番船であり、同種のフィンランド建造の姉妹船と代替される。以前、報道されたように、同船の竜骨設置式(注、起工式)は2022年10月に執り行われ、2番船のSpirit of Tasmania Vの工事は、2か月後に始まった。

金曜日(10月27日)に発表された声明文において、Rauma Marine Constructionsは、この新船は、ビクトリア州のジーロングとタスマニア州のデボンポート間のバス海峡の横断という「extremely challenging route(=極めて手腕の試される航路)」で運航することを強調し、これらフェリーは、この特定航路を扱うために「specially designed(=特別に設計されたもの)」であることを付け加えた。

「本船建造の新たな局面を開始し、興奮しております。作業は、本船船体の建造から、内部の艤装、システムの導入へと変わります。」とRMCのSpirit of TasmaniaのProject Manager(=事業部長)であるJohanna Kaijoは話した。「これは、この造船台で、2番船の船体建造を開始することが可能であることも意味します。」

進水後、作業は船体建造から、装備品の組み立て、そして内装作業に移ることになる。ホテル区画向けの内部設計の他、配管や電気の竣工に焦点を合わせることになる。本船の機関室や車両甲板周りの作業も続けられる。装備品組み立て局面は、様々なシステムの導入により続けられ、本船が引き渡される前の海上試運転で終わることになる。(Bunker Spot: 30 October 2023)

クルーズ船の船室内でのウイルス拡散研究:換気増加がより安全な状況になることを意味しない(キプロス)

COVID-19が世界中で拡散し始めた時、その影響は、クルーズ船に関して大いに言われたものだった。確かに、他の人口区分と比較して、クルーズ船客は不釣り合いにまで感染したものだったし、皮肉にも、しばしば隔離のために船上で立ち往生していた。そんなわけで、船室やその他の閉囲空間における新鮮な空気の分散が、ウイルス拡散軽減には重要なものであるとされていたことから、クルーズ船での換気を改善する必要があることに取り組むことに焦点を合わせて指令されてきた。

あるキプロスの調査団が、パンデミック前後に発展した指針に基づいて、典型的なクルーズ船の船室内における空気中の浮遊ウイルスの伝染に、換気が影響をどれだけ与えることができるのかを調べた。この記事は、2023年10月31日にPhysics of Fluids(注、「流体物理学」の意)に現れた「Virus spreading in cruiser cabin(注、「クルーズ船室内のウイルス拡散」の意)である。

「ウイルスの空気感染に関する、最も直近の部屋の安全性についての基準と規制は、高い空気交換率に焦点を合わせている。」と著者のDimitris Drikakisは述べている。「しかしこれは、エネルギー消費の点で非効率であり、旅客の快適性を損なう可能性があり、旅客が咳をすると、唾液の飛沫は5倍以上も拡散する可能性があるものだ。」

Drikakisと彼のチームは、異なる換気率で、咳をする人の位置を変えて、2人以上がいる典型的なクルーズ船の船室内において、1回の咳からのウイルスの飛沫の模擬実験を実施した。全ての可能性ある状況を捉えるために、計算流体力学試験は、最小換気率から、最も直近の推奨換気率を越える、1時間当たり1.5回から15回のair changes per hour(=1時間当たり空気入れ替え回数)(ACH)の範囲で行った。

「この研究では、高い換気率は、空気感染性疾患の拡散を避けるための最良の戦略ではないことが明らかとなった。」とDrikakisは述べている。「唾液の飛沫の完全蒸発は、必ずしも全てのウイルスやバクテリアが瞬時に不活性化することを意味しない。それ故、我々は、船室内での飛沫拡散を最小化することと、人がいる船室に対する異なる換気戦略を狙うべきである。」

この結果を分析して、換気システムの理想的な使用は、船室に人がいる場合は、ACHの約3倍の媒体流率で運転し、船室の明け渡し後、少なくとも12分間は15 ACHに増加させることだ、と同チームは結論を出した。このようにして、空気は、次の占有者のために完全に入れ替えられることになる。また15 ACHの最小の場合で、同じような規模の部屋の「clearance wait time(=清掃待ち時間)」としては、12分の最小時間を推奨した。

「この提案された値についての我々の主要な議論は、良好な換気水準・快適さ・エネルギー消費を維持して、飛沫拡散を最小化する必要があるということである。」とDrikakisは述べた。「この提案された値での換気を維持することは、より高い換気率を使用した場合との比較で、エネルギー消費を逓減して、旅客の快適さを改善することになる。」(Medical Xpress: October 31, 2023)

ニュー・ジーランドの火山惨事で、会社は有罪(ニュー・ジーランド)

ウェリントン発。噴火して2019年に22人が死亡した火山島を管理しているニュー・ジーランドの会社は、火曜日、適切に訪問者を保護することを怠ったかどで有罪となった。

2019年12月、火口から死者の出た燃えている灰や蒸気の柱が噴出した時、約50人が、Whakaariとしても知られているホワイト島にいた。この死者の出た爆発では、25人が恐ろしい火傷を負ってもいた。

オークランドの法廷では、Whakaari Managementは、訪問者に対する十分な「assess risk(=危険評価)」を怠ったか、保護具を訪問者らに支給することを怠ったと認定した。「観光を安全に実施することを確実にするためには、これは絶対に不可欠なものだった。」とJudge(=判事)の Evangelos Thomasは述べた。同島で働く者の安全性を確実にするという第2の訴えは退けられた。

この管理会社では13人が残り、経営陣がこの惨事を巡って、当初、起訴された。13人の内、この島を保有する3兄弟を含む6人には、既に無罪判決が言い渡されている。同島を訪問する許可を得ていたWhakaari Managementは、有罪の答弁をしている他に6人の関係者と共に、来年2月に判決が言い渡されることになっている。この有罪の関係者は、最高で150万ニュー・ジーランド・ドル(876,652米ドル)までの罰金刑に直面している。

10週間の公判で、同法廷は、同島の所有者は、大惨事に襲われる前には、年間約100万ニュー・ジーランド・ドル(620,000米ドル)を稼いでいたことを聴取した。昨年5月、ニュー・ジーランドの緊急管理監督機関は、如何なる不正行為の疑いもないものとされた。

この爆発以来、船や飛行機の観光で、同島に上陸することは許されていない。(Japan Today: October 31, 03:20 pm JST)