2024年5月
2024年5月の海外旅客船情報
Viking Holdingsの新規株式公開:株価がニューヨーク証券取引所取引開始で巡航(米国・ノルウェー・スイス)
Viking Holdings (NYSE:VIK)の株価が、水曜日に10%以上高騰した。このノルウェーで設立された、スイスに本店のあるクルーズ運航事業者が、2024年これまでに、合衆国最大の株式市場に上場して、初公開したためだ。1株当たり24ドルの価格設定後、取引は、1株当たり26.15ドルで始まった。
子供を追放して、対象を冒険や知的な刺激を求める裕福なベビー・ブーマーにしている、富裕層向けクルーズで知らているVikingは、Royal CaribbeanとCarnivalだけの後を追う、業界第3位の競技者として自身を位置付け、水曜日の初公開で、1040億ドルの評価を狙っていた。
このIPO(=新規株式公開)は、Norwegian Cruise Lineが第1四半期の利益を発表し、13%以上も株価が沈没した同じ日に行われたものだった。
Vikingは今年、合衆国で上場した2番目に大きな消費者特化企業だ。これはAmer Sports (NYSE: AS) が、1月に新規株式公開で、15億7000万ドルに値を上げた後で出てきたものだ。
Vikingにとって、この適時選択は良かった。というのは、旅行者が再びクルーズの予約を益々始めるようになっており、Vikingは、乗客1人当たり、大体7,251ドルだが、大金を稼いでおり、人気のあるヨーロッパの目的地に特化し続けているため、投資家らが、恐らくは楽観的になっているためだ。
VikingのCEO(=最高経営責任者)であるTorstein Hagenは、「We do nothing well if we try to do everything for everybody.(=皆さんのためにあらゆることをしようとするならば、弊社は何もしない)」と言って、どれほどクルーズ運航事業者が超然としているかを、強調していた。(FastCompany: 05-01-2024)
Holland America Line、再生可能燃料の予備試験を開始(ノルウェー・オランダ・米国)
Holland America Lineは、Rotterdamで長期間のバイオ(=生物)燃料試験の開始を発表した。Norwegian World Heritage Fjords(=ノルウェー世界遺産フィヨルド)内を航海する一方、100パーセント強度低炭素生物燃料を活用することになる。
会社の発表によると、2024年4月27日にオランダのPort of Rotterdam(=ロッテルダム港)を出発する前に、tshipがこの生物燃料を積み込み、4基の機関のうち1基を、有機廃棄物や残留物由来で、EU Renewable Energy Directive(=EU再生可能エネルギー指令)に従って認定された低炭素強化燃料を使用して、フィヨルド内で稼働させることになる。
FincoEnergiesが供給したGoodFuels MR1-100という持続可能な生物燃料は、生活環温室ガス(注、二酸化炭素)排出を、推定86%逓減することとなる。
「Holland America Lineは、弊社の温室ガス排出を逓減させることに尽力しており、排気ガス正味ゼロの追求に向け、弊社に役立つことになる次世代燃料源の実証を行うことで興奮しております。」とHolland America Lineのpresident(=社長)、Gus Antorchaは語った。「食品廃棄物のようなものを燃料に転嫁することは、環境課題に対処する革新的方法であり、オランダ政府には、支援に感謝しております。」
この初期試験は今月、クルーズ中に、同船の4基ある機関のうち1基で行い、夏には、複数の機関に拡大する可能性がある。ノルウェー世界遺産フィヨルド、とりわけ、ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドで運航する。(Cruise Industry News: May 2, 2024)
外国人観光客、クルーズ船からロープを降りて日本に潜入しようとして捕まる(日本)
東京発。月曜日、MSC Bellissimaは、晩に横浜港を出発して、一晩中、西に航海して、その最新の日本航海を開始した。この船は、スイスのMSC Cruisesが運航しているものだが、翌日の午後3時頃に神戸に接岸して、その夜遅く、次の寄港地に向けて出発する予定になっていた。
しかし午後10時少し前に、Kobe Prefectural police(=神戸県警、注、「兵庫県警」の誤り)は、誰かが船から海に落ちたと通報する目撃者からの電話を受けた。捜索・救助隊が出動し、現場に到着後、目撃者が見ていた50歳位のフランス人と思われる男性を発見した。
さて、信頼できるクルーズ運航事業者が、静かな水域の現代的な港に接岸している時であっても、乗客が転落するというそんな危険な船をカメラで撮影してることで衝撃を受けたとしても、これは、男性が、同船の設備を意図された方法で使用した時に発生した事故ではなかったということを指摘しておかなければならない。実際のところ男性は、同船を意図的に離れようとしていたのだった。それも、不法に日本に潜入できるように、ロープを降りるという方法によってだ。
上のMSC Bellissimaの写真を見ると判るように、決して小さな船ではない。この男性が、どこから降り始めたのかを指摘するまでもなく、降りるには、かなりの高さがある。
まず海に落ちて、それから岸に向かったのが、全て男性の計画だったのかどうか、あるいは、ロープからうっかり転落したのかどうかは、不明だ。腕をすりむいていたが、大きな外傷もなく、この出来事を切り抜け、安定した容体だと伝えられている。
多くの理由から、この一連の出来事は不可解であり、そればかりではなく、MSC Bellissimaは、横浜港からクルーズを開始していたのであり、そもそも船に乗船するために、男性は既に日本に入国していたのだ。だから、より普通の方法で、日本に入国が許される有効な旅券を所持していたように思われるのだ。男性がロープを降りた夜が、日本の国土に到達できる最後の機会でもなかったらしいのだ。
神戸を出発した後、この船の次の寄港地は、高知市であり、続いて朝鮮(注、韓国)の済州(=チェジュ)島に寄港するものの、その後、このクルーズ船は日本に戻り、鹿児島市に接岸して、このクルーズの最後は横浜に戻って来る。だから男性は、スタントマン流の戦法を用いなくても、日本で同船から下船できる、少なくとも3回以上の機会があったように思われる。
一方、この男性が適切な旅券を持っていなかったか、他の理由で日本に入国することが拒否されることを知っていた可能性はあるが、しかしそんな立場にある者が、どうして日本に潜入しなければならないことを知りながら、クルーズ船に乗船していたのか、そして正に翌日に試みることになった状況について、とても不安になっていたのではないか、という疑問が浮上することになる。
こうしたことは、この男性が引き渡された地元入国管理当局が、捜査・取り調べ中に調べることになる、と断言することが可能だ。(Japan Today: May 3 04:33 pm JST)
世界一周クルーズ中に船員が洋上で行方不明(英国)
世界を周遊する120日間航海に乗務していた船員1人が、洋上で行方不明になっている。
Ambassador Cruise LineのAmbience(=アムビアンス、注、「雰囲気」の意)という船は、船員が行方不明になったと報告された時、連合王国(注、英国)に戻るために、ポルトガルのリスボンからの最終旅程を航海していた。
Sky News宛ての声明において、この英国クルーズ客船会社は、Ambienceは当初、「retrace her route to the ship's position when the crew member was last seen(=この船員を最後に見かけた時の同船の位置までの針路を辿る)」ため、引き返したと話した。しかしその後、「released by coastguard authorities from the search(=沿岸警備隊当局により、捜索から解放され)」「continuing on her original course back to the UK(=連合王国に戻る本来の針路を取り続けている)」という。
この声明文によると、船員はインド出身で、同船がスペインの西海岸にあるフィニステレ岬沖にいた今朝の「shortly after breakfast(=朝食後、間もなくして)」、行方不明になったとの報告を受けたという。氏名は公表されていないこの人物に対する徹底した船内捜索が実施され、地元沿岸警備隊に通報したと話した。
Ambienceは1月6日、エセックス州のチルベリーを出発し、日曜日に同港に戻ることになっている。Ambassadorは、到着時刻は当初午前9時を予定していたが、夜まで遅れることになることを確認した。帰還を記念する全行事は、中止になった。(後略)(Sky News: Friday 3 May 2024 22:07, UK)
クルーズ船、Cunard Queen Anneが処女航海(英国)
Cunardの最新クルーズ船が、処女航海でサウサンプトンから出航した。
Queen Anneは、同社の14年ぶりの船であり、この都市に本拠を置く4隻のCunard船の1隻だ。同船の3,000人の乗客を乗せた処女航海は、数分で売り切れた。サウサンプトン水域中から見られた花火を伴って出発し、今やリスボンに向かっている。CunardのPresident(=社長)であるKatie McAlisterは、1月以来、予約は25%増で、この10年間で最も堅調だったと話した。
新しいCunard船は、通常、members of the Royal Family(=王族)によって命名されている。故Queen Elizabeth II(=エリザベス2世女王)は、1967年にQE2、2004年にQueen Mary 2、そして2010年にQueen Elizabethを命名していた。現在のQueen Camilla(=カミラ女王)は、2007年にQueen Victoriaを命名した。
McAlister女史は、6月3日にリバプールでの式典で、Cunardの社旗をはためかせることになるこの249番船を、誰が命名するのかを明らかにすることは拒否したが、1週間前には発表するとだけ話した。「Queen Anneは、サウサンプトンにとって偉大なものです。というのは、ここを「home port(=母港)」にするからです。」
同船は「year-round(=通年)」サウサンプトンを本拠とするが、「that is the spiritual home of Cunard(=Cunardの心の故郷である)」ことから、リバプールで命名されることになると付け加えた。同社は、リバプールで設立されたが、1967年にその本店を、サウサンプトンに移転していた。(中略)
クルーズ業界では、イングランド南部で60,000人以上が、労働でクルーズ産業に頼っていると判断している。サウサンプトン港を経営しているABPは、今年、500隻近いクルーズ船が寄港を予約していると話しており、約200万人の乗客が、この都市の5つのクルーズ・ターミナルを通過することになる。(BBC News: 3 May 2024)
2隻目のトルコ建造のCalMacのフェリー、進水日発表(英国)
スコットランドの西海岸航路向けにトルコで建造中の2隻目のフェリーは、6月8日に進水する、とフェリー機関のCMALは発表した。
MV Loch Indaalは、ヤロバのCemre Marin Endustri造船所で建造している4隻のフェリーのうちの1隻だ。このフェリーは、アイラ島とジュラ島の間で就航することになるが、2025年2月に引き渡されることになっている。その後、運用試験と船員への熟知を実施してから、就航する。
この新しいフェリーは、艤装工事に先立ち3月に進水したMV Isle of Islayの姉妹船だ。両船は、船客450人、乗用車100台又は商業車両14台までを収容できるものとなる。
Ferguson造船所で建造中のハイブリッドLNG(=液化天然ガス)フェリーよりは、より従来的な推進システムを有しており、港湾内での操船向けに限定された何がしかの蓄電池を使う舶用ディーゼル機関を使用している。(中略)
残る2隻のフェリーであるMV ClaymoreとMV Lochmorは、来年の6月、10月までには準備ができるものと見られている。これらは、ハリス島と北ウイスト諸島の共同体に尽力することになる。
トルコ建造のMV Glen RosaやMV Glen Sannoxと並んで、Port Glasgow(=グラスゴー港)のFergusons Shipyardで建造中の2隻も、CMAL船隊に加わることになっている。(BBC News: 4 May 2024)
Meyer Turku Group、売上高伸ばす(フィンランド)
Meyer Turku Groupの2023年度の業績は、同社の売上高が14億3000万ユーロであったことを示している。これは前年度との比較で、10.6%成長したことを意味している。
売上高と人員の双方が、3年連続して増加している。2023年営業年度の損失は、1億380万ユーロだった(すなわち、売上高の7.2%のマイナス)。
この造船会社の2023年営業年度は、covidのパンデミック、新たなプロトタイプ船事業、そして2024年に引き渡されることになっていた船の損失引当金を前に打ち切られた船舶契約の影響を受けていた。その他、Meyer Turkuは、グリーンな(注、環境に優しい)変換に向けた注目すべき貢献を果たしたと話している。
CEO(=最高経営責任者)のTim Meyerは、次のように話した。「クルーズ産業はコロナ前の水準、それ以上に回復しており、弊社の高品質製品に対する需要がございます。弊社では、持続可能な発展に多額の財政投資を継続しており、これは、弊社にとっては鍵となる競争要因であり、弊社が有名な高品質造船の性質の一部であります。一方、covidのパンデミックとウクライナでの戦争加えて、一般費及び財務費用の高騰が、弊社の2023年営業年度に強い影響を与えております。」
2023年11月、Meyer Turkuは、Royal Caribbean Internationalに、世界で最も進んだ船であるIcon of the Seasを引き渡した。今、艤装埠頭には、TUI Cruisesの船であるMein Schiff 7がいる。Meyer Turku初のメタノールに対応した船だ。
同造船所での工事も、Icon系の2番船、Star of the Seasで、2025年に引き渡されることになっており、Icon 3は、2026年に竣工する。
「通常とは異なる、世界で最も複雑なクルーズ船を建造しているところです。」とMeyerは話した。「Icon of the Seasは、この市場において大成功を収めました。しかしプロトタイプ船はいずれも、製品開発費といったかなりの費用が掛かっております。Icon系の継続で、弊社の費用効率は改善され、船から船へと、より儲かる船に繋がって参ります。ですから弊社では、将来については、依然として楽観視しております。」
クルーズ船に加え、Meyer Turkuでは、2025年と2026年にFinnish Border Guard(=フィンランド国境警備隊)に2隻の多目的海洋巡視船を引き渡すことになっている。(MarineLink: May 5, 2024)
シドニーに到着することになっているクルーズ船、Pacific Adventureから船外に転落した乗客の捜索で遺体発見(豪州)
月曜日早く、男性がクルーズ船から行方不明になったと通報されたのを受けて、シドニー沿岸沖で大規模な捜索活動が行われ、遺体が発見された。午前10時30分頃、Police Marine Area Command(注、「海域司令部警察」の意)の係官が、遺体を海から回収した。
この警報は、P&Oの船であるPacific Adventureで、シドニー・ヘッズ沖、約10海里、すなわち18キロメートルで、午前4時頃に発令されたものだ。船は、数時間後にWhite Bay Terminal(=ホワイト・ベイ・ターミナル)に接岸することになっていたが、捜索が実施されていたことから遅延した。
NSW Police Marine Commander(=ニュー・サウス・ウェールズ州海域司令部警察)のJoseph McNultyは、3つの緊急救命浮輪のうち1つが回収されておらず、男性がこれにしがみついているかもしれないことから、警察では希望を持っていると話していた。4メートルから5メートルのうねりが、60平方海里の海域を捜索し、男性の熱痕跡を探るために赤外線技術を使用した救助チームの努力を妨げた。
この海域にいた2隻目のクルーズ船も、捜索に加わった。両船は、海上に救命艇を降ろそうとしたが、時化のため、中止せざるを得なかった。(後略)(ABC News: 6 May 2024 at 6:50am)
Royal CaribbeanのUtopia of the Seas、海上試運転開始(フランス・米国)
Royal Caribbean Internationalの最新船、Utopia of the Seas(=ユートピア・オブ・ザ・シーズ、注、「海の理想郷」の意)は、海上試運転のため外洋に向かい、今週、工事の主要な節目を迎えた。
この船客5,668人乗りのOasis級の船は、7月にポート・カナベラルでお目見えすることになっている。今日から、Utopia of the Seasは、今から10週間後に初めて客を迎えるに先立って、5日間かけて多彩な試験を行う。
900人以上の造船、工学、航海、そして設計の専門家らが、海上試運転のために同船に乗船し、Royal Caribbean Internationalによると、これは「push the ship to its limits and make sure it’s ready for smooth sailing(=本船の限界にまで負荷をかけて、円滑な航海に向けた準備を確実にする)」ことを目的としているという。海上試運転では、同船は1,000海里以上を網羅することになる。
竣工するや、同船は、最終仕上げのためにフランスのサン・ナゼールにあるChantiers de l’Atlantique造船所に向かう。
今年の夏に同船がお目見えすると、カリブ海に行く3泊と4泊の短期休暇を提供することになる。どの航海もバハマにあるRoyal Caribbeanの目的地である私有島、CocoCay(=ココ・キー、注、「ココ小島」の意)でのPerfect Day(注、「申し分のない楽しい1日」の意)での寄港が含まれる。(TravelPulse: 5:25 PM ET, Tue May 7, 2024)
クルーズ船労働者、アラスカ行きの船で鋏で3人を突き刺したかどで告訴(米国)
アラスカ州ジュノー発。南アフリカ出身のクルーズ船労働者が、当局によると、船内で女性1人と警備員2人を、鋏を使って襲撃した容疑で告訴され、アラスカ州の首都で火曜日、逮捕された。
U.S. attorney's office(=合衆国連邦検事事務所)は、この男は、海事・土地司法管轄内において、危険な武器を使用して暴行したとして起訴されたと話している。オンライン裁判記録には、この35歳の男の弁護人は明らかにされていない。
FBI Special Agent(=連邦捜査局特別捜査官)のMatthew Judyの宣誓供述書によると、この男は最近、クルーズ客船会社によって雇用され、Norwegian Encore(=ノーウィージャン・アンコール)という船に、日曜日にシアトルで加わったという。同船は、首都のジュノーやブリティッシュ・コロンビア州などの予定されたアラスカの港湾に寄港する1週間旅行に、その日、出航した。
この申し立てられた事件は、同船がアラスカに航海していた時、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島の西で発生した。宣誓供述書によると、日曜日の「late evening(=深夜)」に、船の職員が、この男が救命艇を使おうとしているのを見て、この男を調べるために、医療センターに警備員によって連行したという。
そこで男は「became irrational and attempted to leave(=理性を失い、逃げようとし)」、警備員や看護師に「physically attacked(=肉体的に攻撃した)」、と同宣誓供述書には述べられている。男は、別の部屋に走って行き、そこで鋏1丁をつかみ、大人しくさせて「shipboard jail(=船内監獄)」に留置しようとした2人の警備員の他、調べようとした女性1人を突き刺した、と同宣誓供述書にはある。怪我人は、命に係わるものだったとは考えられていない。
同船は、火曜日にジュノーに到着し、そこで男はFBI(=連邦捜査局)に逮捕された、と合衆国検事事務所では話している。(ABC News: May 8, 2024, 10:04 AM)
愛知・名古屋アジア競技会で選手村としてクルーズ船が使用されるかも(日本)
名古屋発。Aichi-Nagoya Asian Games Organizing Committee(=愛知・名古屋アジア競技会組織委員会)は水曜日、愛知県とその首都の名古屋市によって主催されるこの2026年のスポーツ行事で、代替選手村として、埠頭に係留されたクルーズ船を使用することを検討すると話した。
同委員会は、土曜日にバンコクであるOlympic Council of Asia(=アジア・オリンピック評議会)の総会で、この計画を報告する。
発表によると、同委員会は名古屋港の金城埠頭で、約20日間に亘り、選手が滞在して交流できる、約3,000人を収容する宿泊設備を有するクルーズ船を配置する計画だという。Asian Games(=アジア大会)やOlympics(=オリンピック大会)の規模の主要な国際的なスポーツ行事で、選手村の代替として船を使用する最初の試みとなる。
2023年3月、同委員会は、費用削減のため、選手村の建設計画を断念していた。同委員会は代わりに既存のホテルを使用する方針を示唆していたが、OCA(=アジア・オリンピック評議会)は、しかるべき規模の宿泊基地の確保の必要性を指摘していた。(ARAB News: 08 May 2024 04:05:26 GMT9)
9月までRoyal Caribbeanの海図からラバディが消える(ハイチ・米国)
ハイチで暴力と政情不安が継続していることから、Royal CaribbeanはLabadee(=ラバディ)寄港を、現在のところ、9月まで中止したままにしている。ラバディは3月以来、クルーズの海図から消えていた。
多国籍警備任務
ニュース報道によると、ケニアが率いる多国籍警備任務が、ハイチの安定化と人道の危機を未然に防ぐための努力の中で展開する準備をしているところだという。
Royal Caribbeanの世界規模の安全・機密情報チームは、ハイチの状況を注意深く監視していると広報担当者は話し、同社は乗客に直接、最新情報を連絡する。
異なる旅程の様々な船が、以前、ハイチ北部に位置し、Royal Caribbeanの乗客と従業員にのみ開放されている、現場で私的に防衛しているラバディを訪れていた。
可能ならば代替港追加
大半のクルーズでは、ラバディは可能ならば代替港に代替されるか、終日航海となっている。代替寄港では、CocoCay(=ココ・キー)、Falmouth (Jamaica)(=ジャマイカのファルマス)、Grand Turk(=グランド・ターク島)、Bimini(=ビニニ島)、その他で、Perfect Day(注、「申し分のない楽しい一日」の意)を行っている。
Royal Caribbeanのチームは、なおもこの場所(注、ラバディ)を維持している。(Seatrade Cruise News: May 08, 2024)
ミシガン湖のフェリー、S.S. Badger、5月17日に復帰(米国)
機械的不調のため運航を停止して10か月近く経過し、ミシガン湖を横断して貨物を運んでいるS.S. Badgerは、来週、71回目のシーズンを記すことになる、とフェリー当局者は木曜日に発表した。
Lake Michigan Carferryは、ラジントンからウィスコンシン州マニトウォクに貨物を運んでおり、410フィートのBadger(=バジャー、注、「ウィスコンシン州人」の意)を保有し運航しているが、5月17日に、シーズンの初航海を開始する、と当局者らは声明文において述べた。
このフェリーは、ラジントンでランプ(=傾斜路)のシステムの機械的不調があり、7月21日以来、運航を中止していた。(中略)
National Historic Landmark(=国定歴史建造物)に指定されたBadgerは、1953年にC&O Railway Co.向けに、ウィスコンシン州スタージョン・ベイにあるChristy Corp.により建造された。
かってはラジントンとマニトウォク間で、鉄道車両を輸送していた。船客600人と、RVs(=レクリエーショナル・ビークル、注、キャンピング・カー等)、モーターサイクル(注、オートバイ)、モーター・コーチ(注、大型バス)そして商業トラック等、車両180台を収容することが可能。
このフェリーは、ミシガン湖を短絡して横断する60マイルの4時間の旅で、旅客を運んでいる。(後略)(The Detroit News: May 9, 2024)
フェリー、電気自動車の充電に上限設定(ギリシャ)
安全上の理由から、電気自動車とハイブリッド車は、40%以上充電しながらフェリーで旅行することはできず、同伴者なく別送することは決してできず、一方、気体燃料を消費する車は、50%以上、燃料タンクを満たすことはできないこととなり、それ故、代替燃料を使用する者にとっては、旅行がより困難となった。
ギリシャ諸島や港湾では、十分な充電網がないことから、帰って来てから充電することとなり、旅行者にとって、この種の車両の燃料補給は厄介なものとなった。
海上輸送中にこうした車両が、世界中で、電池の発火や更には小規模な爆発を起こすことなどが観察される、警戒すべき事故件数により、European Maritime Safety Agency(=欧州海上保安機関)(EMSA) やInternational Union of Marine Insurance(=国際海上保険連合)(IUMI)が、可能な限り、関連危険を逓減するため、特定の規制や条件を課すことになった。Fremantle Highwayというフェリー(注、自動車運搬船)であった昨年の火災のような海難事故は、規制強化の理由として、しばしば引用されている。
ギリシャの規制は、上記の指令に準拠したものであり、かってMinistry of Shipping and Island Policy(注、「海運・島嶼政策省」の意)が、沿岸海運でalternative fuel vehicles(=代替燃料車)(AFVs) を輸送するフェリー会社に対し、指針を出したことがあった。AFVs(=代替燃料車)は、蓄電池(電池)を搭載した純電動車及び再充電可能なハイブリッド車、若しくは液化圧縮ガス燃料を使用する車両と定義されている。
「この指針は、船舶によるAFVs輸送の問題が、比較的最近、国際的な海運団体が懸念する事態になってきたことを受け、European Maritime Safety Agency(=欧州海上保安機関)(EMSA)の研究と、これまでの国際的な経験に基づいている。」と同省では話している。それ故、純電動、あるいは再充電可能なハイブリッド車は、電池の温度を検査しなければならないものとされ、一方で、充電水準は全容量の40%までとされた。その他の代替燃料車では、タンクの全容量の50%以上を入れてはならないものとされている。
加えて、燃料システムやタンク、あるいは電池を損傷したAFVsは、積載してはならない。車両に対する損傷、あるいは燃料システム、タンク、あるいは蓄電池に対する損傷がないことの保証責任は、専ら所有者に課されたままであり、海運会社は、彼らが決定する方法で、これを確保することが可能とされている。(ekathimerini.com: 11.05.2024 18:01)
グリーノック、8日間で8隻のクルーズ船を迎えることに(英国)
GREENOCK Ocean Terminal(=グリーノック・オーシャン・ターミナル、注、「グリーノック遠洋終着駅」の意)は、クルーズ・シーズンの手はずを整え、8日間で8隻のクルーズ船を迎えることになっている。
この繁忙期は、今年2度目の訪問となるMein Schiff 3の到着で、今日、始まった。この船は、長年に亘り、グリーノックへの常連訪問者で、世界中から大勢の乗客をインバ―クライドにもたらしている。Mein Schiff 3は、船員1,000人の他、2,700人までの乗客を乗せることが可能だ。
2隻のPonantの船であるLe BellotとLe Borealは、金曜日に同ターミナルに到着する、それぞれ、184人までの客を乗せている。Le Bellotは午前8時に入港し、Le Borealは午後10時頃にグリーノックに到着することになっている。後者は、土曜日の午後6時まで、同港に留まる。
常連の訪問者であるLe Champlainも、土曜日の午前7時頃に到着することになっている。この船に引き続き、2,300人を収容できるCelebrity Silhouetteが日曜日にやって来る。
月曜日は、同ターミナルにとって別の忙しい日となり、SpitsbergenとNorwegian Dawnが到着する。
Regal Princessは来週、3,560人までの乗客を乗せて、この町に接岸する。(Greenock Telegraph: 14th May)
船舶抜き打ち衛生検査の不合格を受け、クルーズ船の気がかりな状況が露呈(米国)
顧客に「paradise(=楽園)」を約束しているJimmy Buffett(=ジミー・バフェット、注、米国の有名歌手)を主題としたクルーズ船が、今月これまでに、防疫官により不合格の等級が与えられた。
Margaritaville at Sea Paradiseは、5月1日のCenters for Disease Control and Prevention(=疾病・対策予防センター)(CDC) の抜き打ち衛生検査で不合格となった。この検査は、Vessel Sanitation Program(=船舶衛生計画)(VSP)の係官により実施された。
本件事故報告書は、CDC(=疾病・対策予防センター)のウェブサイトで入手可能だが、この船が83点で不合格だったことが示されている。合格するには、86点が必要。告発一覧の1つには、最大4人を収容するように設計された同船の渦巻きプール(注、ジャグジー)で、6人収容していたとあった。
同報告書は、クルーズでの飲食物が含まれる何がしかの衛生懸念も強調していた。検査官は、食べ物を扱う作業中に、船員が手を洗っていたかどうかも懸念していた。(中略)
CDCは、冷凍庫、数台の冷蔵庫、複数のディープ・フライヤー(注、深い揚げ物用の調理器具)が全て非稼働中であったことも、言及していた。
Margaritaville at Seaを代表する広報担当者は、Fox News Digitalに対して、「immediate corrective actions(=緊急是正措置)」が検査後に採られたと話した。
「国内政策に従い、緊急是正措置が検査で特定された問題に対処するために採られています。」と声明にはあった。「これらの問題の多くは、既に解決されており、可能な限り速やかに、再検査に向けてUSPH [United States Public Health(=合衆国公衆衛生局)] と共同作業を行います。」「この再検査では、USPHの基準を超えることになると予期しております。」
Fox News DigitalはCDCに追加論評を求めたが、返答はなかった。(Fox News: Published May 15, 2024 9:44pm EDT)
人気のクルーズ客船会社、規制のため針路変更を余儀なくされる(米国)
Princess Cruisesは乗客に、来るべきEnchanted Princess(=エンチャンテッド・プリンセス、注、「魅惑された王女」の意)の航海について、旅程は期待されたものとは違うものになる話した。
この船は、アメリカ合衆国メーン州のロックランドに寄港することは、同港におけるクルーズ船に対する新しい規制のため、もはや無いこととなった。
Enchanted Princessは、8月31日に出発して、紅葉見物のため、ニュー・イングランドやカナダの港を訪問することになっている。乗客に対し送付された通知書において、広報担当者は次のように書いていた。
「メーン州ロックランドのクルーズ船に対する最近の規制のため、Enchanted Princessは、9月3日火曜日にロックランドに寄港することはもはやなく、代わりにメーン州イーストポートに寄港することをお伝えいたします。」「加えて9月1日日曜日に、ロード・アイランド州ニューポートに寄港することはもはやなく、代わりに洋上で、その日を過ごすことになります。」
ロックランドの新たなクルーズ船制限では、9月と10月は、3,000人までの乗客を乗せた、1隻のみの大型船の訪問を許可するものとなった。Enchanted Princessは、3,600人の乗客を搭載可能で、ロックランドの制限を超える。メーン州の別の港湾であるバー・ハーバーは3月に、1日当たり1,000人にするクルーズ客制限を開始していた。
船舶が新しい規制に従わうこととなった場所は、メーン州だけではない。バルセロナは最近、クルーズ港の1つを閉鎖している。(Express: 09:14, Thu, May 16, 2024)
Zaha Hadid Architects、ラトビアの倉庫をフェリー・ターミナルに改造へ(ラトビア・英国)
英国のスタジオであるZaha Hadid Architects(=ザハ・ハディド・アーキテクツ、注、ザハ・ハディド設立の英国の建築設計事務所)は、ラトビアのリガにある1960年代の海運倉庫を順応・再利用し、Ropax Ferry Terminalを作る計画を明らかにした。
Zaha Hadid Architectsによる、ダウガバ川のほとりに位置する20,000平方メートルのターミナルは、大き過ぎる曲線状の屋根のある4階を追加して、同港の現在の収容力を倍増させることになる。
Ropax Ferry Terminalは、フェリーとクルーズ船の船客の双方のための滞在設備であり、同港の運営効率と船客の循環経路の最適化を狙っている。
「Exportostaの南部に計画された新しいRiga Ropax Terminalは、同市の3つある交通の中心の1つとしての機能を果たし、高品質の都市、娯楽、商業施設を提供することにもなります。」と同スタジオは話した。
この倉庫の鉄筋コンクリートの骨組みは維持されることになり、このターミナルを直交構造にしている。これは、再利用された煉瓦によって作られた垂直外部羽根で包まれることになり、太陽の影を最大化させることに役立つ様々な角度に配置されることになる。(中略)
Zaha Hadid Aarchitectsによると、同ターミナルは、2028年を計画している操業初年度に、約800,000人の乗客を収容することになるかもしれないという。他には、同スタジオは現在、「emphasising climate resilience(=地域回復力を強調した)」意匠となる、オマーンの波止場開発と、イタリアのマリーナ向けの100か所の水素燃料補給所について作業しているところだ。(dezeen: May 16, 2024)
クルーズ船、緊急事態がニュー・カレドニアで宣言され、寄港中止(ニューカレドニア・オーストラリア)
P&O Cruises AustraliaのPacific Adventureは現在、シドニーから南太平洋を周遊する10日間クルーズを行っているが、死者の出た暴動を受けて、木曜日に緊急事態が宣言されたことから、もはやニュー・カレドニアには寄港しないことになった。
Pacific Adventureは、5月19日にリフー、5月20日にヌーメアを訪問してから、5月23日日曜日に戻って来ることになっていた。同社は、この船の乗客は、今やバヌアツのミステリー島で追加の1日を過ごすことになると話した。
フランスの海外領土であるニュー・カレドニアの暴動は、独立支持者が、人口の約40%を占めている原住民のKanaks(=カナク人)を差別する新しい投票法導入の動きによって、炸裂したものだ。
状況を見守る
「弊社では、ヌーメアと周辺地域の状況を入念に監視し続けており、関連当局と連絡を取っております。」とP&O Cruises Australiaの声明文にはあった。「弊社のお客様と船員の安全は、最優先事項であり、現在の状況のため、来るべき旅程は、更なる変更がなされる必要があり、お客様には出来るだけ速やかにお知らせいたします。」「弊社の想いは、この変化の時を迎えているニュー・カレドニアの共同体と共にあり、弊社のお客様にはご理解していただき、感謝しております。」
Carnivalはヌーメア回避
Carnival Cruise Lineも、日曜日にシドニーを出発することになっているCarnival Splendorの9泊の南太平洋航海の旅程を改訂した。このクルーズは今や、予定されていたヌーメア寄港に代え、バヌアツのサントとポート・ビラに寄港する。(Seatrade Cruise News: May 17, 2024)
クルーズ船で「嘔吐ばい菌」が疑われる勃発があり、乗客250人以上が発病(英国)
P&Oのクルーズ船の何百人もの行楽客が、ノロウイルスの症例と疑われる病気になった。
150人以上の客が、P&OのMV Ventura(=ベンチューラ)という船で隔離されている。この船は、14泊のカナリア諸島周遊クルーズで、連合王国(注、英国)のサウサンプトンを5月11日に出発していた、と消息筋はMetro.co.ukに話した。
この匿名の消息筋は、過去4日間に、250人の疑いのある患者が出ていると話し、客は船内中の「throwing up in public spaces(=公室で嘔吐している)」と付け加えた。
「これは、深刻なアウトブレイク(=勃発)です。どこから生じたものかは判りません。1か月乗船しており、恐らく今では5~6週間ですが、それぞれのクルーズを終えたと思いますが、どんどん人々は病気になっています。」と別の消息筋はMetro紙に話した。
Business Insiderでは、これらの主張を個別に検証することはできなかったが、P&Oの広報担当者はBIに対し、船内で「gastrointestinal symptoms(=胃腸症状)」を見せている客の非常に多くの報告があると話した。(後略)(Business Insider: May 18, 2024, 9:46 PM JST)
もう1隻のStaten Island Ferryが売りに出されるが、これには暗い過去がある(米国)
Pete DavidsonとColin Jostには誰も話さないが、もう1隻のStaten Island Ferryの船が売りに出されている。
ニューヨーク市は、引退したAndrew J. Barberi Ferryを、155,000ドルの競売価格から売りに出している。これまでのところ、実際にこれに入札はなされていない。
このフェリーは、2003年に遡る死者の出た衝突事故の20周年を前に、2023年に定期運航から外された。この船は、St. George Terminal(=セント・ジョージ・ターミナル)で、コンクリート製保守埠頭に全速力で突っ込んだ。National Transportation Safety Board(=国家運輸安全委員会)の報告書によると、この衝突で11人が死亡し、70人が怪我をし、何人かは重傷だったという。
この競売は5月27日に終了する。
2022年に遡ると、「Saturday Night Live(=サタデー・ナイト・ライブ、注、NBCのバラエティー番組)」のスターであるJostとDavidsonは、2人ともスタテン島で成長したのだが、引退したJFK Ferryboatを、300,000ドルほどで購入していた。2人は、これを娯楽の場に変える計画を立てている。(NBC New York: Published May 19, 2024)
Norwegian Cruise LineのCEO、ミレニアル世代とZ世代は「急成長」分野だと話す(米国)
CEO(=最高経営責任者)のHarry Sommerは月曜日、CNBCのJim Cramerに若い世代は同社の提供物に興味を示すようになってきていると話した。
「弊社では、明らかに高齢顧客に訴求していますが、millennial(=ミレニアル世代、注、1980年頃から2005年頃にかけて生まれた世代)とGen Z(=Z世代、注、1990年代後半以降に成長した世代)が、今現在、弊社のクルーズの最速で成長している分野です。」と語った。「彼らはやって来て、楽しんで、金額に見合う価値を知っていますが、顧客体験を良く判ってもいるのです。」
株式は、Norwegianが通年案内を引き上げた月曜日に7.56%近く急騰した。これは、同社が今月、その案内を引き上げた2度目のことで、予想を上回る四半期の利益を報告した5月の始めにも行っていた。
Sommerによると、Norwegianは、その標的としている顧客基盤である「middle and upper tier income consumers(=中間及び上流階層収入の顧客)」で需要を継続的に見ているという。更に同社は、将来に向けた前向きな予約様式と「great booked positions(=素晴らしい予約地位)」を見ているところだと付け加えた。
Sommerは、同社は、裕福な顧客に訴求しようとしている1つの方法を強調した。すなわち「ship-within a ship(=船の中にある船)」の構想で、これは彼が言うには、multigenerational cruisegoers(=数世代に亘るクルーズ客)にとって、申し分のないものとなる可能性があるという。
「恐らく金持ちの祖父母は、純粋な贅沢を望むでしょう。つまり、あらゆる快適設備があり、コンセルジュ(注、案内人)、バトラー(注、執事)、自分用の食事のある純粋な贅沢です。」付け加えてSommerは、「しかし大きな船には、多くの娯楽、その他の食堂、夜にやる多くの活動といった快適設備が、なおもあるのです。」(CNBC: Published Mon, May 20 20246:50 PM EDT)
新しいクルーズ船が北アイルランドからタンパに向かう旅を開始(米国)
フロリダ州タンパ発。最新のMargaritaville at Seaの船が、タンパへの旅を開始している。
Margaritaville at Sea Islander(=アイランダー、注、「島人」の意)は、週末に北アイルランドのベルファストにあるHarland & Wolff造船所を出発した。この船は、3週間かけて大西洋を横断して、Port Tampa Bay(=タンパ・ベイ港)に到着する。
Margaritaville at Seaでは、アイルランドで接岸中に、広範な再創造がなされたと話している。作業員らは道中、同船の最後の装飾作業を終えることになる。Islanderは、6月に4泊と5泊のクルーズを航海することになっており、キー・ウェスト、コスメル、プログレソに寄港する。2,650人の乗客を収容することができ、12層の甲板を有する。
Islanderは、同社の2番船。Margaritaville at Sea Paradise(=パラダイス、注、「極楽」の意)は、2022年に就航し、Port of Palm Beach(=パーム・ビーチ港)から出航している。
船と航海についての更なる情報は、ウェブサイト(注、リンク先省略)へ。(WFLA: May 21, 2024 / 07:24 AM EDT)
カリフォルニア州の「掛け値無し法」は広告のクルーズ価格は料金込みの必要という意味(米国)
カリフォルニア州の新しい「Honest Pricing Law(=掛け値無し法)」は、合衆国内のクルーズ客船会社市場に、大変な影響を与える可能性がある。
この法律は、7月1日に施行するが、同州内で運航しているクルーズ客船会社を含む事業が、全ての料金や手数料を含まない価格を広告したり、一覧にしたりすることを違法とするものだ。
合衆国市場において、大半の客船会社は「government fees and taxes(=政府の手数料や税金)」を別にしたクルーズ料金を広告している。こうした手数料は、法律により強制的に顧客に開示されている一方で、広告された価格には含めていないのが典型的だ。
目的地や訪問する寄港地の数により、そうした手数料は、価格に何百ドルもの追加となるかもしれないのだ。
透明性
これは一種の透明性法だ、とCalifornia Attorney General(=カリフォルニア州司法長官)のRob Bontaは語った。「The law is simple: the price you see is the price you pay.(=この法律は、単純です。見た価格は、支払う価格だということです。)」
クルーズ客にとって、広告される価格が高くなることから、「sticker shock(=価格の高さに驚く)」ことになりかねない。
この法律は、クルーズ客船会社を標的にしていたり、名指しもしていないし、行事の切符からホテル、食堂、食品配達サービスに至るカリフォルニア州で商品や役務を販売する全ての会社に適用されるもので、名指ししたものは僅かだ。
旅行業界にとって、これは複雑だ。クルーズを買うことは、常連客がその場で食品を買って食べる場所のような食堂に行くようなものではない。客船会社と旅行代理店は、全国で販売しているのが典型的だ。カリフォルニア州と別のどこかでも、単一価格で宣伝すべきだというのか?
「これは不満の溜まる火山です。」とこの複雑さを明かしてくれた消息筋は、話した。
Seatrade Cruise Newsでは、多くのクルーズ運航事業者や小売団体に対し、これに対する戦略を求めて接触した。(後略)(Seatrade Cruise News: May 22, 2024)
ペンブロークシャーとアイルランド間のフェリー便にとって「飛び切り前向きな」ニュース(英国・アイルランド)
ペンブロークシャーとアイルランド間のフェリー便は、今年の夏、より静かな水域に出航することになるように見える。
Irish Ferriesは、ペンブロークシャーからロスレアに行く航路で、クルーズ・フェリーのIsle of Innisfreeが、P&Oの貨物フェリー、Norbayにとって代わると発表した。
そしてStena Lineは、分離して管理してきたSouthern Corridor(=南部回廊、注、アイリッシュ海の3つあるフェリー航路のうち、南部の航路網のこと)の船舶を見ることになる経営チームが、アイリッシュ海の他の便に変更となると発表した。同社は、この動きは「drive growth in the region(=この地域を成長させることになる)」と話している。この最新の進展は、ペンブロークシャーと南部アイルランド双方の政治家により「enormously positive(=飛び切り前向きなもの)」として歓迎されている。
このIrish Ferriesの最近の発表で、同航路の将来を巡るこの数か月間の不確実さを終焉させることになった。ペンブロークシャーとロスレア間の完全旅客便の再導入の確認が、早ければ2024年6月にもあり得る。Isle of Innisfreeは、早ければ来月、ペンブロークシャー―ロスレア航路に復帰する可能性がある。
Pembrokeshire County Councillor(=ペンブロークシャー州会議員)のMarc Tierneyと、Rosslare Municipal District(=ロスレア地方自治地区)のIrish Labour Party(=アイルランド労働党)のcandidate(=候補者)のDamien Corishは、南部アイリッシュ海回廊における最近の進展を「飛び切り前向きなもの」として歓迎した。(後略)(yahoo! news: Sat, 25 May 2024 at 8:00 pm GMT+9)
テレビ・シリーズで有名なクルーズ船、Regal Princessがポートランドに接岸(英国・米国)
テレビで呼び物の巨大クルーズ船が、Portland Port(=ポートランド港)に接岸した。
Regal Princess(=リーガル・プリンセス、注、「威厳ある王女」の意)」は今日(5月26日日曜日)の午後6時37分頃、スコットランドから一晩かけて到着した。
このクルーズ船は、旅客3,560人を乗せているが、ドーセット州の常連訪問者であり、The Cruise: Fun Loving Brits at Sea(注、「クルーズ:楽しいこと好きの洋上の英国人」の意)というChannel Five(=5チャンネル)の番組で呼び物とされてきたものだ。20回のシリーズは、この豪華なクルーズ船で地中海を航海する、休日の行楽客の一団を追いかけるものだ。
この船は2014年建造で、画廊や売店の他、19層の甲板、カジノ、淡水プールと温水浴槽、スポーツ・コートを完備している。1,083フィートという印象的な長さを有する船には、1,346人の船員を収容することが可能だ。現在、バミューダ船籍で運航しているこの船の呼び物の1つは、SeaWalkであり、この60フィートの長さのガラスの歩道は、海の上、128フィートにあり、船の縁から28フィート飛び出している。
本船は、アメリカの連続ホーム・コメディのThe Love Boat(=ラブ・ボート、注、「愛の船」の意)の元々の出演者によって洗礼を受けたもので、Royal Princess(=ロイヤル・プリンセス、注、「英国王女」の意)の姉妹船でもある。2019年3月5日、Regal Princessは、自家用機がグランド・ターク島近くのカリブ海に突っ込んだ際に、2人を救助した。
今回は、本船の今年のクルーズ・シーズンのポートランド訪問の2回目で、5月28日に、サウサンプトンから新しい客を拾って戻って来てから、英国諸島周遊に復帰する。(Dorset Echo: 26th May)
ウェリントンのフェリーから船外に転落した男性の身元判明(ニュー・ジーランド)
警察は、先週、ウェリントンのフェリーから船外に転落したと報告され、行方不明になっていた男性の身元を突き止めた。
East By Wesというフェリーは、クィーンズ・ワーフ(注、「女王埠頭」の意)から、イーストボーンのデイズ・ベイ(注、「昼間湾」の意)に向けて航行中で、金曜日の午前6時直後に出発していた。この男性は、乗船していた唯一の乗客で、船が波止場に到着した際には乗船していなかった。
Detective Senior Sergeant(=上級巡査刑事)のRachel Boydは、警察は今の段階では、この男性の身元の詳細を公表しないと話した。
警察では、男性の氏名を公表しなかった理由として、プライバシーを引き合いに出している。今朝の段階では、この男性の家族全員には知らせていないと述べた。(後略)(RNZ: May 27, 2024, 12:03 pm)
Carnivalのクルーズ船、遭難信号に対応、立ち往生の25人救助(米国)
サン・ディエゴ発。Carnivalのクルーズ船が救助を求める要請に対応して、土曜日、メキシコ沿岸沖の海で立ち往生していた2ダース(注、24人)の人々を助けるべく、通常の休暇航路から回り道した。
南カリフォルニアのロング・ビーチの母港から出航したこのクルーズ船は、土曜日、この地域の洋上で立ち往生している人々で満員の小型船についてのU.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)(USCG)からの連絡に対応した。
このクルーズ客船会社によると、Carnival Radiance(=レイディアンス、注、「輝き」の意)は、土曜日の午後、Coast Guard(=沿岸警備隊)からの連絡を受けた際、メキシコのエンセナダに向けて航行中だったという。
Carnivalは、本船はその後、教えられた位置に針路を取り、小型船の上で立ち往生していた3人の子供を含む25人全員を救助することができたと話した。沿岸警備隊は、支援のため、小型船1隻とヘリコプターも出動させたと話した。
Carnivalは、救助された船に乗っていた人には、その後、食料、水、そして医療支援を提供し、沿岸警備隊の係官らと待ち合わせについて調整したと話した。
ロング・ビーチ発のCarnival Radianceの3日間クルーズは、困難な船人を救助するために、短距離の回り道をしたものの、予定通りのままだ、とこのクルーズ客船会社は述べた。(News 4 Buffalo: May 28, 2024)
世界最大のクルーズ船から飛び降りて、乗客死亡(米国)
1週間航海の最初の晩に、世界最大のクルーズ船から飛び降りて、乗客が1人死亡した、と当局者は話した。
この身元不明の男性は、Royal Caribbeanの新しい長さ1,200フィートの、乗客7,600人と船員2,350人を乗せるIcon of the Seas(=アイコン・オブ・ザ・シーズ、注、「海の象徴」の意)から、日曜日の朝、ホンジュラスに向けフロリダ州を出発した直後に飛び降りた、とCoast Guard(=沿岸警備隊)はThe Post紙に話した。
「このクルーズ船は、救命艇の1隻を展開して、男性の居場所を突き止め、船に連れ帰りました。」と沿岸警備隊は話した。「男性には、死亡宣告がなされました。捜索支援を越えて、US Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)がこの事件に深く関与することはありませんでした。」と同機関は付け加えた。(後略)(New York Post: Published May 28, 2024)
海運業の汚染削減は、偶然にも地球温暖化を増加させている、研究が示唆(米国)
二酸化硫黄排出の逓減は、「2020年以来、地球の熱上昇の80%」の原因になっているかもしれない。
大気汚染を減少させる海運業の試みは、新しい気象モデルによると、うかつにも短期的には、地球温暖化を加速させ、記録破りの海水温に貢献しているというのだ。
最近の世界的な海運規制は、貨物船からの二酸化硫黄排出を、劇的に80%も大幅に削減するものだった。しかしこの硫黄汚染における急速な削減は、「地球的な衝撃により、地球工学的な末端衝撃波面をうかつにも作り上げた」かもしれないことを、新しい研究が示唆している。
「温暖化効果は、近時、観察された2023年の強い温暖化と一致しており、2020年代を異常に暖かいものにするものとみられる。」と調査員らは書いていた。温暖化は「2020年以来、地球の熱上昇の80%」に相当する。
そしてこの汚染の逓減は「1980年以来の温暖化率と比較して、2020年代において2倍(かそれを超える)温暖化率となり得る」と調査員らは、Communications Earth and Environment(注、「地球と環境の伝達」の意)という雑誌で、5月30日に発行したこの新しい研究の中で示唆していた。
International Maritime Organization(=国際海事機関)(IMO)によって2020年に施行された新しい海運規制は、大気質の改善と毎年30,000人と見積もられる早死を防ぐことを狙って、舶用燃料に含まれる最大の硫黄を3.5%から0.5%に減らした。
しかし二酸化硫黄粒子のようなエアロゾル(=煙霧質)は高反射性であり、放出されると成層圏に留まり、太陽光線を宇宙に跳ね返してしまい、時には巨大な地球規模の日焼け止めとして活動している。
であるから、この規制が最後には数十年に及ぶ大規模な汚染をもたらし、意図しない地球工学的実験を開始したことになった。2023年3月以来、化石燃料を燃焼させることにより地球温暖化を加速させてきた硫黄の霧は無くなり、El Nino(=エル・ニーニョ)という気候様式と、Hunga Tonga-Hunga Ha'apai(=フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ)という火山の2022年の爆発で、平均海水面の温度は、記録破りの高さになっていた。
しかし他の気候科学者らは、この研究の結論の何がしかについて論争しており、NASA(=米国航空宇宙局)のGoddard Institute for Space Studies(=ゴッダード宇宙研究所)のdirector(=所長)であるGavin Schmidtは、Live Scienceに対し、この調査員らの地球の大気内に入って来る太陽エネルギー増加の見積もりは正確だが、「温度応答の見積もりは、全く正しくないと思う」と話した。
Schmidtは、Breakthrough Institute(=ブレークスルー研究所)の気候科学者であるZeke Hausfatherによる分析を指摘し、この研究の温暖化計算は、大洋からの熱接種を誤解した、過度に単純化したモデルに依拠したものであり、これは、この研究が硫黄逓減の温暖化衝撃を誇張したものであることを意味する、と論じた。
「我々は、HTHH [Hunga Tonga-Hunga Ha'apai]火山、その他のエアロゾル放出、太陽周期、そして内部変動の様々な側面に関連する最新の分析を未だに待っているところなんです。」とSchmidtは付け加えた。「これは、現在進行中のIMO規則のその他の分析よりは、優位にあるものです。」
政府が、大気中に出た硫黄酸化物のようなエアロゾルの意図的な放出によって、地球に到達する太陽光を薄暗く落とす目的を持つ、物議を醸しているsolar radiation management(=太陽放射管理)(SRM)技術を調べている時に、調査結果が出てくる。
しかしSchmidtは、こうした技術は、実行可能ではないと強く考えている。
「私はこれ [solar radiation management] (=太陽放射管理)が気候変動に対する、批判に耐え得る回答の一部となることには、強く疑っているのですが、結論が科学とはほとんど関係がないことが根底にある問題で、そしてそうした努力をする殆ど全てのものが管理されているので、経済的、あるいは地政学的な疑念となることが、いかに脆弱なものとなるかということです。」とSchmidtは語った。(Live Science, May 31, 2024)
ケルチで損傷を受けたロシアのフェリーの写真が出現(ウクライナ・ロシア)
一時的に占領されているクリミアの2隻のロシアのフェリーに対するミサイル攻撃直後の写真が、オンライン上で公開された。軍はこれについて報告した。
ロシア人は盛んに、当半島の軍団に供給するため、これらの船を使用していた。Armed Forces of Ukraine(=ウクライナ国防軍)のGeneral Staff(=一般幕僚)が、5月30日にそのことを話す直前、ATACMS(注、米陸軍の戦術用弾道ミサイル)という弾道ミサイルが、クリミアで横断中のフェリーに首尾よく命中した。
ウクライナ軍は、類似の衛星映像を明らかにした。写真は、このフェリーの甲板上で撮影されたもののようだ。
Military Journal Telegramというチャンネルでは、2か所の異なる場所で、2隻の別々のフェリーが被弾したことを明らかにした。とりわけ、Avangardという鉄道連絡船は、一時的に占領されたケルチ市の郊外にある小さなクリミア港で被弾していた。Kerch Sea Fishing Port(=ケルチ海漁港)の停泊地近くのCONRO TRADERという鉄道連絡船も、損傷した。
この写真から判断すると、Avanguardというフェリーは、上甲板に穴が1つ開いた。乗組員4人も負傷したと報じられていた。この写真からは、同船は衝撃で傾いているのが判る。同時に、CONRO TRADERという船は、決定的な損傷を受けなかったものと推測される。映像は、側面に損傷があり、甲板上で燃えた痕跡があり、ミサイルの弾頭の爆発の結果であることを示している。衝撃で乗組員1人が負傷したものと言われている。
5月31日の朝、Crimean Wind Telegramというチャンネルでは、損傷を受けた船は移動し始めたと報じた。船は波止場から引き離されていた。
このフェリーのうち2隻だけが、ケルチに鉄道車両を運んでいたということは、公開資料から知られている。それ故、船舶の一時的な喪失が、クリミアにいるロシア人侵略者の兵站問題を引き起こすことになる。(Ukrainian Military Center: 31 May, 2024)