2025年2月
2025年2月の海外旅客船情報
元Royal Caribbeanの船が、解体のためアランに到着(インド)
Royal Caribbeanの元Song of Americaが、解体のために今週末、Alang Shipbreaking Yard(注、解体工場)に到着した。
Celestyal Olympiaとして、Celestyal Cruisesにより最後に運航されたこの1982年建造船は、1年以上も不確実な将来に直面していた。アラブ首長国連邦で8か月間、接岸してから、本船は前の船名であるBella Fortunaを短縮した名称であるFortuとして、アランに航海した。コモロ船籍で航海したこの船客1,400人乗りの船は、今や40年の船暦を終えて、インドで解体されることになっている。
Celestyal Olympiaは、2024年初めにCelestyal Cruisesに別れを告げた。当時、運航している最古のクルーズ船の1隻だった。より大型で、より新しい船によって代替されたCelestyal Discoveryは、その後、非公表の船主に売却されて、Bella Fortunaに改名した。当初、トルコで運航休止していたが、この船はアラブ首長国連邦に航海し、5月にドバイに近い町であるラアス。アル・ハイマに到着した。
元々はRoyal Caribbean International向けにフィンランドで建造された元Celestyal Olympiaは、1980年代にSong of America として就航した。合衆国市場で15年間過ごしてから、本船は連合王国(注、英国)に本拠を置くAirtoursに1999年に売却されて、Sunbirdとなった。
5年後、Louis Cruise Linesが本船を買収し、別の連合王国に本拠を置くクルーズ客船会社であるThomson Cruisesに傭船した。2012年、船舶交換契約の一環として、Louisは東地中海での一連の3泊4泊クルーズ用に、本船を船隊に迎えた。2014年、同社はCelestyal Cruisesとなり、この40,000トンの船は、Celestyal Olympiaに改名した。
その後、同社の史上初のクルーズを2015年3月13日に開始した本船は、アテネからミコノス、クサダシ、サントリーニ、セサロニキ(注、テッサロニキとも)、そしてクサダシに航海した。
2014年、当時のLouis Olympiaは、ロシアのソチでのWinter Olympic Games(=冬季オリンピック大会)期間中に、洋上ホテルとしても使われた。(Cruise Industry News: February 3, 2025)
500回以上の地震が諸島を揺さぶり、ギリシャは警戒態勢(ギリシャ)
エーゲ海で500回以上の地震の原因となる稀な地質現象により、アテネでは眉毛がつりあがり、科学者らは現実に何が起きているのかを理解しようとし、政治家らは重要観光目的地に対する経済的影響を調べているところだ。
この日曜日以来、エーゲ海南部のサントリーニ島とアモルゴス島の間の海底で、群発地震が起きており、地元民がパニックになっている。何千もの人々が既に出発し、広範な地域の全ての学校が休校している。
サントリーニ島の場合は、火山があると考えられていることから、更に敏感な問題となっている。科学者らは、この稀な地質現象が、火山と関係するものなのか否かを巡って意見が分かれており、同時に、大規模な地震がその後、引き続いて起こるかもしれないことを排除してはいない。
今日、朝早く、マグニチュード4.9の地震が発生した。この3日間で最大のものだ。非公式首脳会談の控えでのブリュッセルからの演説で、ギリシャのPrime Minister(=首相)であるKyriakos Mitsotakisは、「intense(=強烈な)」地質現象について語り、島民に、落ちついて、市民保護当局の指示を聞くよう呼びかけた。政府と科学者らとの間の臨時会議が、今日、予定されている。
この地域は、毎年、何百万人もの観光客を迎え、この地中海の国のGDP(=国内総生産)に、かなりの貢献をしてきた。2023年だけでも、人口15,000人のサントリーニ島は、300万人以上の観光客を迎えた。
地元メディアは、1年のこの時期は、通常は顧客からの夏の休日のパッケージの準備をしていることから、国際旅行代理店は、事態の進展を注意深く見守っていると報じている。(Euractiv.com: Feb 4, 2025? 07:09)
元Diamond Princessの乗客ら、COVID勃発以来、5周年を記念(日本・中国)
横浜発。定期船、Diamond Princess(=ダイヤモンド・プリンセス)の元乗客らは、月曜日、5年前に船上でCOVID-19の集団勃発があり、13人が死亡したことを偲んで、横浜港で花を手向けた。
2020年2月に同船であった感染勃発で、東京近郊にある同港に接岸した際、何千もの人が隔離されることになった。日本は翌月から、その後3年間、外国のクルーズ船の受け入れを停止した。
政府は、限られた医療設備しかないにもかかわらず、長期間、乗客を船上に留めることを強いたことで批判された。当局は、感染者数が膨らんだことから、患者のための医療施設を探すという困難にも直面した。
この病気に感染した乗客は、同船が2月3日に到着してから、2月14日に下船を開始した。他の大半の者は、2月19日に離れ始め、この手続きは3月1日に完了した。
コロナウイルスの最初の症例が確認された後、直ちに乗客を船室に閉じ込めるといった同船の厳格な隔離措置の欠如も、感染拡大に寄与したものと考えられている。
この記念行事において、「Never let such a tragedy happen again(=こうした悲劇を決して起こさせない)」という言葉が刻み込まれた銘板が設置され、死者の入院日と死因が読み上げられた。
妻と共に船上で感染した1人であるRyohei Nakataは、毎年、この追討に出席している。「Such a terrible disaster must never happen again. A proper investigation is necessary(=こんなに酷い惨事は、決して繰り返してはいけない。適切な調査が必要だ。)」とこの78歳は語った。
元乗客の全国規模の協会は、政府に対し、乗客や船員に対する取り調べを含む徹底した調査を実施するよう求め続けている。
札幌から来た81歳の元乗客で、この協会の会長であるTadashi Chidは、この事件が大衆の記憶から消えつつあるという懸念を表明した。
「Five years have passed, and I fear it will be forgotten. We need to reconsider how we should reflect on this mass outbreak(=5年経過し、忘れられてしまうことを懸念しています。この集団勃発をどのように反省すべきか、考え直す必要があります。)」と話した。
Diamond Princessは、2020年1月20日に、2月1日にCOVID-19で検査で陽性となった香港で下船した乗客と共に、横浜を出発した。乗船していた3,711人の乗客と船員のうち、712人が感染し、13人が死亡した。更に乗客1人が、オーストラリアに帰国後、追加で死亡した。(Japan Today: February 4, 2025 06:40 am JST)
PNO、2月28日のギリシャ全国フェリー・ストライキを発表(ギリシャ)
Pan-Hellenic Seamen’s Federation(注、「汎ギリシャ海員連合」の意)(PNO)は、2月28日金曜日の全船種に亘る、24時間全国ストライキを発表した。
このストライキは、0時1分に開始し、24時に終了するもので、ギリシャ中のフェリー運航が影響を受けることになる。
このストライキに加え、同連合は、未解決のままだと考えている海上安全の懸念の他、テムピであった悲劇的な列車事故に言及する声明を、間もなく発表すると述べた。(GTP: Posted On 04 Feb 2025)
Fincantieri株、大量の合衆国クルーズ船の注文を受けてじわじわと上昇(イタリア・米国)
Fincantieri株は、4隻の新しいクルーズ船の工事で、Norwegian Cruise Line (NYSE:NCLH)から大量の注文があったことを発表した後で、じわじわと0.9%上昇した。
このイタリア国有造船業者は、取引の金融細目を開示しなかったが、本件に近い消息筋は、契約価値はざっと90億ユーロ(93億4000万ドル)と見積もっている。
同株は、午前中の商いで明白な上昇を見せ、年初来、10.8%となる7.68ユーロに到達した。この上昇は、Norwegian Cruise Lineとの最近の合意を受けて出てきたもので、造船業界におけるFincantieriの地位を固めるものだ。
Fincantieriによると、これらのクルーズ船は、船員を含む8,300人以上を収容できるものになるという。これらの船は、イタリアのトリエステに近い場所にある、同社のMonfalcone(=モンファルコネ)造船所で建造される予定だ。
これらの船の引渡し予定は、2030年度、2032年度、2034年度、2036年度となっており、FincantieriとNorwegian Cruise Lineの間での長期間の関与を意味する。この工事の形式化は、2024年4月に両社によって署名されたletter of intent(=基本合意書)に引き続いてなされた。
この記事は、AI(=人工知能)の支援により生成されたもので、編集者によって再検討されている。詳しい情報は、弊社T&C参照。(Investing.com: Published 02/05/2025, 05:29 AM)
地震で、観光客、サントリーニ島からフェリーで避難(ギリシャ)
行楽の島であるサントリーニ島の中や周りで起きている連続した小さな地震で、何千もの住民と観光客の避難が加速し、フェリー・ターミナルで遅延が起きている。
1日200回までの小さな地震が、過去数日間、キクラデス諸島を揺るがしている。サントリーニ島とアモルゴス島の間を震源とする、エーゲ海での何百回ものの小さな地震に引き続き、週末には、マグニチュード4.9の地震が記録された。
火曜日現在、約6,000人がこの島を離れ、安全を求め、フェリーへと続く桟橋で長い列を作っていた。水曜日、フェリーの運航は荒天のため遅延し、更に遅れることになった。Civil Protection Minister(=市民保護大臣)のVassilis Kikiliasは、海軍の上陸用舟艇と沿岸警備隊のカッター(注、小型船)が、避難の支援に必要がある場合には、この地域に派遣されると語った。
「誰も、こんなことが起こるとは思っていませんでした。この島で現在起きていることは、信じられないことです。」と住民のJulian Sinanajは、Reuters(=ロイター通信)に話した。
サントリーニ島は、ユーラシア・プレートとアフリカ・プレートの接点に隣接しており、小さな地震は頻発している。1956年、マグニチュード7.5の地震で、50人以上が死亡し、島の社会基盤が損傷した。
島は、火山性カルデラの残部であり、最後に噴火したのは、約3,600年前。ギリシャ当局によると、この地震で火山活動に影響を与えることはないという。
震央群は北東部にあり、Santorini Mayor(=サントリーニ市長)のNikos Zorzosによると、今回の弱い地震は、数週間、低マグニチュードで継続し、その後、徐々に収まるものと見られるという。(The Maritime Executive: Published Feb 5, 2025 4:33 PM)
日本のフェリー船長、北海道での座礁を巡り、訴追されることに(日本)
昨年7月2日に、北海道という日本の北部の本島の沿岸で、自船を座礁させた海難事故に関連した過失で、フェリーの船長が起訴に直面している。
前述の日付の午前1時頃、8,900GT(=総トン)のRo-Pax(注、RORO方式の貨客船)フェリーであるSilver Breeze(=シルバー・ブリーズ)は、これに先立って青森県の八戸を出発し、北海道の苫小牧西港で防波堤に衝突した。140人の乗客と船員に負傷した者はいなかったと報道されているものの、同船の船首は、衝撃でかなり損傷した。
Japan Coast Guard(=海上保安庁)の捜査で、この座礁は人為的なミス、とりわけ船長が同船の位置と針路を、レーダーや電子海図により確認することを怠ったことによるものであると判明した。この捜査で、船長は、衝突に先立って、フェリー埠頭の近くに防波堤があることに気が付いていたが、同船の位置と針路を適切に確認しなかったことが明らかとなった。
海上保安庁は、検察官に適切な訴追を行うよう、本件を委ねた。(Baird Maritime: Published on: 06 Feb 2025, 1:57 pm)
タンパの埠頭での勃発に引き続き、クルーズ船で90人以上が発病(米国)
フロリダ州タンパ発。Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策・予防センター)(CDC) は、土曜日の朝にタンパで接岸中のRoyal Caribbeanのクルーズ船で、なぜ90人以上が発病したのを調べている。
CDC(=疾病対策・予防センター)によると、船上で発病した者は、誰もが嘔吐と下痢を経験しているという。8 On Your Sideで、乗客らは、健康でいるように努めているが、誰もが安全を保つためにしかるべき手続きが取られたことには気が付かなかったと話している。
このRadiance of the Seas(=レイディアンス・オブ・ザ・シーズ、注、「海の輝き」の意)という船では、船酔いになった人がいただけではなかった。不快な体験をすることになる勃発を体験していたのだった。
CDCの当局者は、少なくとも89人の乗客と船員2人が、同船内で発病し、症状は24時間続いたと報告したと話した。この航海は、2月1日にタンパ港を出発したもので、勃発は2月4日に報告された。(中略)
CDCの資料では、今年は、ある船でE.coli(=大腸菌)が勃発し、他の1隻では汚染された魚を食べたことによるCiguatera(=シガラテラ中毒)と呼ばれる食中毒、更に他の3隻ではNorovirus(=ノロウイルス)の勃発があったことが示されている。Radiance of the Seasは、勃発が起きた2025年6隻目の船となった。
Royal Caribbeanの幹部は、この病気はノロウイルスではないと話したが、CDCは、勃発の種類が何であったのかを判断するための検査を終えてはいない。Royal Caribbean groupの広報担当者は、8 On Your Sideに声明文を送っていた。
「弊社のお客様と船員全員の健康と快適さを守るため、船内では強化対策が十分な注意をもって実行されております。」
CDCは、勃発の原因と種類を特定するための検査を続けている。この勃発については、ここをクリック(注、リンク先省略)。(WFLA: Posted: Feb 8, 2025 / 12:18 PM EST)
John Chidsey、Norwegian Cruise Line Holdingsの取締役会に再参加(米国)
元Subway RestaurantsのCEO(=最高経営責任者)であるJohn Chidseyは、Norwegian Cruise Line Holdingsの取締役会に指名された。
NCLHの取締役としての2度目の任務であり、第1回目は2013年から2022年だった。Chidseyは、Nominating and Governance Committee(=指名・統治委員会)の委員長となり、Audit Committee(=監査委員会)の構成員として活動することになる。
9人目の取締役を探す
これでNCLHの取締役会に、独立した7人の取締役と共に、8人目を送り込むものとなる。同社は、今後数か月のうちに参加することになる9人目の取締役を、積極的に探していると話した。
「Johnは、SubwayやBurger KingのCEO(=最高経営責任者)としての以前の経験によって形成された幅広い経営、財務管理、企業戦略の深い知識があります。」とNCLH President/CEO(=社長兼最高経営責任者)のHarry Sommerは語った。「彼の取締役会での以前の勤務に基づく我が業界への深い理解が、クルーズ部門の独特の需要に計り知れない洞察力を提供することになります。」
Burger King、Cendant、Pepsicoの経験
Chidseyは5年間、Subway RestaurantsのCEO(=最高経営責任者)で、2024年に退職するまで、同社を率いて来た。以前は、president and CFO(=社長兼最高財務責任者)としての在職期間に引き続いて、Burger King HoldingsのCEO(=最高経営責任者)だった。Burger Kingに加わる前、Chidseyは、Cendant Corp.で主要な指導的立場にあった。そこでは2つの主要部門のchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)として勤務した。すなわち、Avis Rent A Car、Budget Rent A Car Systems、PHH、そしてWright Expressといった商標を監督するVehicle Services Division(=車両サービス部門)と、Jackson Hewitt、Earlierを含むFinancial Services Division(=金融サービス部門)だ。ChidseyはPepsiCoで、様々な上級財務の指導的立場に就いていたことがある。
Chidsey は、Encompass Health Corp.、Burger King Holdings(chairman(=会長)として) 、そしてBrinker Internationalの取締役会で勤務したことがある。
他のNCLHの取締役
他のNCLHの取締役には、Sommer Stella David (chair(=会長))、David Abrams、Mary Landry、Harry Curtis、Zillah Byng-Thorne、そしてJose Cilがいる。(Seatrade Cruise News: February 9, 2025)
ノロウイルスの勃発で、120人近い客、船員がHolland Americaのクルーズ船で発病(米国)
Holland America Lineのクルーズ船であったノロウイルスの勃発で、120人近くが発病した。
Centers for Disease Control and Prevention(=疾病・対策予防センター)によると、この客船会社のRotterdam(=ロッテルダム)という船の2,614人の客のうち、107人が、現在の航海中に病気になったと報告し、他に1ダース(注、12人)の船員が発病したという。主な症状は、嘔吐と下痢だった。
CruiseMapperによると、Rotterdamは、2月2日にフロリダ州フォート・ローダーデールを出発し、12日間パナマ運河クルーズ中だったという。
Holland Americaの広報担当者は、「cases were mostly mild and quickly resolved.(=症例は主として軽症で、直ちに解決した。)」と話した。(後略)(USA TODAY: Feb. 10, 2025)
Condorの高速フェリー、Liberationが売りに出される(英国)
Condorの高速フェリー、Liberation(=リベラシオン、注、「解放」の意)が売りに出された。
同船は現在、チャンネル諸島とイングランド南部海岸の間の横断で使用されている。ジャージー島の政府は、将来のフェリー便の運航で、デンマーク企業のDFDSを選定しているが、これは、4月からはCondorがガーンジー島にのみ就航することを意味するものだ。Condorの4月以降の時刻表には、Liberationは含まれていない。
船舶仲介業者のGRS Groupは、現在の船主がLiberationを売りに出したとする情報を持っていると話した。同社は、Condorの桃色と黄色の塗装の船が売りに出ている、とそのウェブサイト上で広告している。
Liberationは、オーストラリアに本拠置く会社によって、2010年に建造され、2015年以来、Condorによって使用されてきた。同船の名称は、大衆からの何千もの提案の中から選ばれたもので、同年、この諸島では、World War Two(=第二次世界大戦)中の占領からの解放70周年を祝った。(BBC News: 11 February 2025)
ガーンジー島では昨年、クルーズ訪問者が55%減少(英国)
Tourism Management Board(注、「観光経営会議」の意)(TMB)によると、2024年ガーンジー島にやって来たクルーズ客は、55%減少したという。
この島では昨年、77隻のクルーズ船が訪問するものと見ていたが、悪天候を理由に24隻が取り消した。
この年、滞在訪問者が2%増加したことが「encouraging(=明るい話題となった)」とし、TMBは「put Guernsey back on the cruise map(=ガーンジー島をクルーズ地図に戻す)」よう、一生懸命り組んでいるところだと話した。
Guernsey Travel and Visitor Annual Report(注、「ガーンジー島旅行・訪問者年報」の意)によると、合計274,676人の観光客が、ここの経済に推定1億4100ポンド貢献し、この大半は、一日観光よりはむしろ、少なくとも1泊した人からのものだという。(後略)(BBC News: 12 February 2025)
超高級クルーズ定期船の船名、諸島に敬意(英国)
12億ポンドかける新しい豪華居住クルーズ船は、Benbecula(=ベンベキュラ島)に因んで命名されることになる。
Dark Island(=ダーク・アイランド)は、2028年に進水することになっており、River Clyde(=クライド川)で建造される。この定期船は、長期クルーズ船客を引き受けるものであり、長さ748フィートで、3つの食堂、10階建てのアトリウム(注、吹き抜けの主空間)、劇場、スパ、ジム、図書室、プールがあり、500人以上の船員が乗り組むことになる。
ベンベキュラ島は、しばしば伝統的なゲール語の歌や詩において、「the Dark Island(注、「暗い島」の意)」と呼ばれてきた。
しかし、この船を後援する会社であるClydebuiltは、発注を確実にする前に、豪華なスィートの大半を売却したがっている。これには、最高級のHebrideanという居住スィートを購入するため、4100万ポンドを支払ってくれる大富豪に対する期待も含まれている。
この事業で、かって200以上の造船所があり、QE2やQueen Maryを建造したことがあったクライドに、3,000人の雇用が生まれると言われている。
計画に9年かけたこの定期船は、工事開始の準備が整い、3つの造船所が争っていると理解されている。フェリーやフリゲート艦、クライドで建造され続けているが、クルーズ定期船が工事されていたのは何十年も前のことだ。数十億のクルーズ産業は、ヨーロッパの造船所に発注先を切り替えて久しい。
処女航海は、取り敢えずは3年間の世界一周クルーズとされている。
しかし、何がしかの懐疑論はある。海に出る構想があった多くの居住定期船のうち、僅か2隻しか進水していないのだ。
Clydebuiltのmanaging director(=代表取締役)であるTommy McGinnは、The Telegraph紙に次のように語っている。「あなた方は、いつも皮肉を言われますが、私は自分にして欲しくないことを、誰かにするよう頼んだことは決してありません。我々はリスクを取って、我々自身の金を注ぎ込んでいるのです。スィートの販売に全力をかけます。これをクライドで建造するには、出来る限り多くの支援が必要なのです。」(welovestornoway.com: Created: 13 February 2025)
SS United States、今や大統領誕生日にフィラデルフィアから出発することに(米国)
フィラデルフィア発。これをもう一回やろう。
複数回遅延した後で、SS United Statesの新しい所有者は、フィラデルフィアの停泊地から、この歴史的に有名な遠洋定期船を移動させることになる別の日付を設定した。
この船は、昨年、世界最大の人工岩礁になることを目的に、フロリダ州のOkaloosa County(=オカルーサ郡)に売却された。
オカルーサの当局者によると、第一段階は、金曜日に同船を、何十年もいたPier 82(=第82埠頭)からPier 80(=第80埠頭)に移動させることだという。これは、午後2時47分の満潮の頃に起きることと見られている。
次の段階は、2月17日月曜日のPresidents Day(=大統領誕生日、注、ワシントン大統領の誕生日)に起こる。同船は、第80埠頭から曳航されるものと見られ、午前11時18分頃の干潮時に、サウス・フィラデルフィアから出ていくこととなる。
同船の新しい所有者らは、SS United Statesを移動させるために必要な安全要求事項は完了したと話している。
フィラデルフィアを離れるや、アラバマ州モビールに曳航され、そこでフロリダ州のパンハンドル(注、「フライパンの取っ手のように長く伸びている半島」の意)の沖に沈めるための準備をすることになる。
2024年秋に、フロリダ州のオカルーサ郡は、この遠洋定期船を移動させ、沈めて、このクルーズ定期船の歴史を記録する100万ドルの海浜博物館を建設するための1010万ドルの計画を承認してから、この漂流船を買ったのだった。
この船は、元々は11月にフィラデルフィアを離れるものと見られていたが、「logistical details(=事業計画上の諸問題)」のために遅延した。湾岸の熱低擾乱もあった。
その後、今月これまでに、同船を動かすために再び計画されたが、埠頭の移行遅延のために中止となっていた。
「America's Flagship(=アメリカの旗艦)」の内部は解体して、海中の死に場所に送られる前に、毒物やアスベスト(注、石綿)を取り除く必要がある。
進展に向けた同船の準備には、約1年かかるものと見られている。
汚染が除去されるや、この船は、湾(注、アメリカ湾、旧称メキシコ湾)に引き戻され、そこから約20マイル南東に移動して、Destin-Fort Walton(=デスティン・フォート・ウォルトン)の海岸沖に、沈没させるために向かうことになる。
移動開始するや、Destin-Fort Walton Beach(=デスティン・フォート・ウォルトン・ビーチ)のウェブサイトで、同船の旅を追跡することができるようになる。
同船の終の棲家は、フロリダ州、デスティン沿岸沖20マイル(32キロメートル)の、海面下約180フィート(55メートル)となる。
オカルーサ郡は、同船がスキューバ・ダイバーの目的地となり、魚やその他の野生動物を、岩礁として惹きつけることを望んでいる。単なる難破船生息地とはならない。
同船は、SS United States Conservancy(注、「管理委員会」の意)と呼ばれる非営利組織が、2011年に解体工場送りになることから救い、1996年にサウス・フィラデルフィアの第82埠頭にその住処を見つけたのだった。しかし、同船を蘇生させるという計画は、決して実現することはなかった。
フロリダ州当局者は、彼らは「preserve the SS Unites States' storied history and the memories she has created for so many people over the years(=SS Unites Statesの物語で名高い歴史と、長年に亘って非常に多くの人々が作り上げた記憶を保存する)」意向だと話している。
1952年に洗礼を受けた(注、命名された)SS United Statesは、かってはアメリカの工学技術の導き手であると考えられ、何千もの軍隊を輸送できる軍用艦艇である、ともされていた。1952年の処女航海で、両方向の大西洋横断速力記録を破り、平均速力は36ノット、時速41マイル(時速66キロメートル)以上に達した。
その航海では、同船は3日間、10時間、40分で大西洋を横断し、RMS Queen Maryの時間より、10時間速かった。今日まで、SS United Statesは、遠洋定期船の大西洋横断速力記録を保持している。
1969年に予備船となり、その後、再開発を望む様々な民間所有者に転売されたが、結局のところは、その計画は余りに金がかかるものか、間の悪いものであることが判明したのだった。(WPVI-TV: Friday, February 14, 2025 10:39PM)
2,000人以上の乗客を乗せたクルーズ船、港で接岸(英国)
2,000人以上の乗客を乗せたクルーズ船が、Portland Port(=ポートランド港)に接岸した。
クルーズ船AIDAsolは、ドーセット州への定期訪問者であり、今朝(2月15日土曜日)の午前10時頃に、ポルトガルから同港に到着した。このクルーズ船は長く滞在はせず、午後6時頃にドイツのハンブルクに向けて出発することになっている。
この船は現在、2024年10月23日にハンブルクから始まった117日間周遊旅行の最中で、2025年2月17日に、この同じ場所で終わる。
AIDAsolは、Sphinx級クルーズ船で、2011年、AIDA Cruises向けに、Meyer Werftで建造された。5隻目のSphinx級のAIDA客船だ。イタリア船籍で運航しており、2011年に建造する際に、約4億2000万米ドルの費用が掛かった。このクルーズ船は、14層の甲板を擁し、最大2686人の乗客と609人の船員を乗せることができる。(yahoo!news: Sat 15 February 2025 at 8:20 pm GMT+9)
サントリーニ地震でクルーズ船の運航が混乱、観光シーズンの懸念高まる(ギリシャ)
過去2週間に亘りサントリーニ島と周辺の諸島を揺るがす一連の地震で、クルーズ船産業に深刻な混乱が生じ、来るべき観光シーズンについての懸念が高まっている。
クルーズ客船会社は、ドデカネス諸島のシロスやその他の島の他、クレタ島のハニアやヘラクリオンなどの代替港に船舶を迂回させている。
弱い地震が、安全性の懸念に火をつけ、地元と国の当局が、主要観光地であるカルデラ地域に接近することに制限するようになっている。この決定が、クルーズ産業に波及効果を及ぼし、企業はサントリーニ島を避ける旅程に変更している。Union of Cruise Ship Owners and Shipping Agents(注、「クルーズ船主及び船舶代理店連合」の意)(EEKFN)のhonorary president(=名誉総裁)で、Majestic International Cruises INCのdirector(=取締役)であるTheodoros Kontesによると、現在進行中の地震活動で、旅客と保険会社の双方が、とりわけカルデラ内での乗船・下船手続き、しばしばケーブル・カーやラバを含む安全性に関し、心配しているという。
当面の混乱の向こう側では、サントリーニ島の観光部門に対する広範な影響についての懸念が高まっている。この島は通常、ピレウスに次ぐギリシャで2番目に人気のクルーズ目的地であり、年間130万人以上の観光客を迎えている。地震は、労働力不足といった既存の挑戦に直面していた事業が、シーズンの準備をしている中で発生したものだ。Kontes氏は、サントリーニ島の「neglect(=無視)」と、適切な社会基盤の欠如、とりわけ緊急事態時に指定された安全な港、つまり船舶の「port of refuge(=避難港)」が欠如していることについて、懸念を表明した。
また、火山の特質故、この島固有の脆弱性も強調し、建築規制と訪問者数の規制は、輸送量を管理し、リスクを緩和するために、ずっと以前から実施すべきだったと論じた。現在の問題は、当シーズンを浮揚させ、経済損失を最小化するために、時が経てば観光業が立ち直ることができるのか否かという点にある。群発地震活動により、観光業に依拠する島の経済にとって、かなりの財政的損失となる可能性があることから、将来は不確実なものとなっている。(Greek City Times: 17 February 2025)
トルコの地震調査センター、サントリーニの地震活動に関し緊急警告発令(ギリシャ・トルコ)
Bogazici University(=ボアズィチ大学)のKandilli Observatory and Earthquake Research Institute(=Kandilli観測・地震研究所)は、エーゲ海で現在進行中の地震活動に関する8回目の報告書を公表した。
この報告には、トルコとギリシャを含む地域での頻繁な地震事象に関する臨界警報の他、詳細な警報が含まれている。1月28日に地震の嵐が始まって以来、マグニチュード1.1から5.3の範囲で、3,524回の地震が、この地域では記録されている。
最大の地震:2月11日のマグニチュード5.3
これまでに記録された最大の地震は、2月11日のマグニチュード5.3の事象であり、マグニチュード4.0を上回る地震が、181回、記録された。2,415のシナリオに基づいて行われたシミュレーションによると、エーゲ海と東地中海で、マグニチュード6.5の浅い地震が、50センチメートル以上の津波を沿岸地域に引き起こす可能性があるという。
サントリーニ島の大地震の可能性
同報告書では、激しい火山活動を特徴とするサントリーニ島とHellenic Subduction Zone(=ヘリニック沈み込み帯)内の周辺地域の複雑な地質学的な性質、地震の危険度、そして地殻応力を強調している。
The Santorini-Amorgos fault line(=サントリーニ・アモルゴス断層線)は、かなりの地震の原因となる可能性を有していることで特徴づけられている。この地域は、Kolumbo Submarine Volcano(=コロンボ海底火山)と現在進行中の熱水作用によって後押しされているSantorini magma system(=サントリーニ・マグマ系)の活動中の海底火山系により、さらに複雑なものとなっている。
監視の緊急の必要性
Kandilliは、地震と火山災害のより良い予知のための、更なる地球物理学的、地球化学的、そして測地調査の必要性を強調している。
学際的な監視体系を利用した、コロンボとサントリーニ島の海底火山活動と熱水活動の緊密な監視が、可能性のある将来の事象により引き起こされる危険を緩和するためには、絶対に必要だ。(Turkiye Today: Feb 18, 2025 3:24 PM)
世界初の電動フェリー、運航10周年を迎える(ノルウェー)
世界初の完全電動フェリーであるMF Ampere(=アンペア、注、電流の単位)は、ノルウェーのソグネフィヨルドで運航成功10周年を祝う。
2015年にFjellstrand Shipyardにより設計・建造された同船は、電動海上輸送の実効性を実証し、電池だけを使用して赤道17周に相当する距離を網羅した。
「2015年以来、Ampereは124,000回以上、ソグネフィヨルドを横断し、電動船が経済的で持続可能であることを証明いたしました。」とCorvus EnergyのCEO(=最高経営責任者)であるFredrik Witteは語った。ここはSiemensと一体となって、同船の1,090 kWh(=キロワット時)の電気貯蔵システム(電池)と陸上充電局を供給しているところだ。
この先駆的な自動車・旅客フェリーは、注目すべき環境的・経済的利益を達成した。年間のCO2(=二酸化炭素)排出量は、5,700トンまで逓減、一方で横断1回当たりの運航費用は、85-90%減少させ、総節約量は1500万ドル近いものとなった。
「弊社の経験は、海事産業に新たな雇用を生み出すことによって、環境的にも、社会的にも、電動フェリー運航に投資するに見合うものであることを示すものです。」とNorledのCEO(=最高経営責任者)であるHeidi Woldenは話す。ここはラビク―オッペダル航路で、Ampereを運航している。(中略)
将来を見ると、同航路は別の技術的飛躍が予定されている。4隻の自立フェリーが、2026年にAmpereを代替し、ノルウェーの海上革新の旅の次の章を記すことになる。(gCaptain: February 19, 2025)
Grimaldiの船隊、2019年以来、6回目の火災に襲われる(イタリア)
コンテナRORO船のGrande Brasileは、昨日、イギリス海峡で出火し、過去数年間にイタリアのGrimaldi Groupによって運航されている一連の5件の同様の事件に追加されることとなった。
この2000年建造で、26,200重量トンの船は、連合王国(注、英国)のラムスゲート沿岸沖、約15海里のドーバー海峡通過中に遭難信号を発した。
英国、オランダ、フランスからの捜索隊が、現場を任されたが、固定翼機1機、消防と曳航機能のある船1隻、そして救命艇が複数含まれていた。怪我人は報告されておらず、現地時間9時35分に通報があった火災は、船内の火災消火システムによって抑えられている。
この長さ214メートル、1,300TEUのGrande Brasileは、アントワープからル・アーブルに向かう途中で、コンテナと乗用車を積載していたものと理解されている。「この大事故の結果、貨物の配達は遅延することになりそうで、かなりの貨物の喪失と損傷がありそうです。」とW.E. Cox Claims Groupは、書簡の中で述べた。
同船は、Britannia P&I Club(注、「ブリタニア船主責任相互保険組合の意)によりカバーされているが、GrimaldiのスウェーデンのACL Atlantic Container Lineが所有・管理しており、ここの西アフリカと北欧貿易のグループによって運航されている。
この最新の事故は、Grimaldi Group傘下のコンテナRORO船であるGrande Costa D’Avorioが、2023年にニュー・ジャージー州のPort of Newark(=ニューアーク港)であった死者の出た火災に引き続くものだ。
2019年3月には、GrimaldiのコンテナRORO船であるGrande Americaから出火し、ハンブルクからモロッコのカサブランカに向かう途中、フランスの西岸沖で沈没した。2022年には、同社のRORO船、Euroferry Olympiaが、イタリアのブリンディジに向かう途中、乗っていた290人以上の乗客と船員が、ギリシャのコルフ沖で、死者の出る火災に巻き込まれた。
この一覧に付け加わったものには、2020年のRORO式貨客船であるCruise Bonariと、2019年の自動車運搬船のGrande Europaであった火災がある。(Splash247.com: February 19, 2025)
歴史的な遠洋定期船、世界最大の人工岩礁になる航海でフィラデルフィアを出発(米国)
あるフロリダ州の郡が世界最大の人工岩礁にしようと計画している歴史的な老朽遠洋定期船は、水曜日、南フィラデルフィアのデラウェア川の波止場から出発して、最後の航海の幕開けとなった。
SS United Statesは、1952年の処女航海で大西洋横断速力記録を打ち破った1,000フィートの船だが、アラバマ州モビールに曳航され、最終的にはフロリダ州の湾岸沖に当局者が沈めるに先立って、準備作業される予定だ。
この動きは、同船を管理してきた管理委員会とその大家が、年間賃料を巡る紛争を解決して、4か月程して出てきたものだ。当局者は当初、昨年11月にこの船を移動させる計画だったが、US Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)が、本船を移動させるには、十分に安定していないと懸念したことから、遅れていた。
フロリダ州の沿岸のパンハンドル(注、フライパンの柄のように長く伸びていることに因む)にあるオカルーサ郡の当局者は、これが国内の500以上ある人工岩礁の1つとなる、フジツボに覆わられた異彩を放つものになり、スキューバ店、貸遊漁船、そしてホテルで消費されることにより、地元観光業に年間、何百万ドルも生み出し得る特徴的な潜水観光名所になることを望んでいる。
当局者は、本船購入契約は、最終的には1000万ドル以上かかることになり得ると話した。この船の清掃、輸送、そして沈没という非常に長い工程は、少なくとも1年半かかる見込み。
SS United Statesは、かっては何千もの軍隊を乗せることができる軍用艦艇にもなる、アメリカ工学の導き手であると考えられた。処女航海で、41マイル時の平均速度に到達して、大西洋横断速力記録を両方向で打ち破った、とAssociated Press(注、AP通信)は船上から報じた。この船は、大西洋を3日間、10時間、40分で横断して、RMS Queen Maryの時間を10時間も上回って打ち負かした。今日まで、SS United Statesは、遠洋定期船の大西洋横断速力記録を保持している。
「この船は、我が国の強さ、革新、そして回復力の永遠の象徴となります。」とSS United States Conservancy(注、管理委員会)のpresident(=会長)で、この船を設計した造船技師の孫であるSusan Gibbsは話した。「私達は、新居に向かう歴史的な旅で『fair winds and following seas(=順風と追波、注、「良い風と波」の意)』を願っています。」
SS United Statesは、1969年に予備船となり、後に再開発を希望する様々な民間所有者に転売された。しかし最終的には、計画は余りにも金がかかり過ぎるか、時宜を得ないことが判明し、この船は、南フィラデルフィアのデラウェア川波止場で長年に亘ってハッキリしない状態でいたのだった。(New York Post: Published Feb. 20, 2025, 5:57 a.m. ET)
Trumpの商務長官、クルーズ客船会社は税金を更に支払うことになると話す (米国)
クルーズ客船会社は、Trump政権の照準に捉えられていることに気が付くのかもしれない。
U.S. Secretary of Commerce(=合衆国商務長官)のHoward Lutnickは、水曜日、 Fox News(注、保守系テレビ局)のインタビューにおいて、クルーズ運航事業者は、Trump政権の下では、税金を更に支払うことになると語った。
「後ろにアメリカ国旗を付けているクルーズ船を見たことがありますか?リベリアやパナマのような国旗を付けているのですよ。連中は誰も、税金を納めていないのです。」と語り、輸入ワインや蒸留酒と同様だと述べた。「これは、Donald Trumpの下では終わりになり、これらの税金は支払われることになり、アメリカの税率は引き下げられます。」
Lutnickの論評に応えて、Cruise Lines International Association(=クルーズ客船会社国際協会)(CLIA)は、客船会社は合衆国に、税金や料金を25億ドル近く支払っており、クルーズ客船会社が世界中で支払っている税金合計の65%になると話した。CLIA(=クルーズ客船会社国際協会)は、クルーズ産業は2023年、経済に650億ドル貢献し、合衆国の290,000人の雇用を支えていると話した。
株価は打撃
Lutnickの論評で、木曜日、クルーズ株は下落した。
「株式の初期反応を見ています。過去2年間に亘り、極端に良かった分野の反射的な過剰反応ですが、そうした税金が課されるかもしれない可能性は、排除できません。」とTruist Securitiesのクルーズ産業分析者のPatrick Scholesは話した。政府がクルーズ会社に、合衆国所得税を支払うよう強いることができるのかどうかは判らないが、もし可能ならば、経営の大半が合衆国と接触がないことから、収入の何パーセントで、どんな税率になるのか、と話した。
Cleveland Research Companyの分析者であるVince Ciepielは、クルーズ運航事業者は、給与税、港湾料金、その他の費用を支払っており、クルーズ客船会社にとって、もっともそれらしい増税は、港湾料金の引き上げだろうと示唆した。
クルーズ産業の合衆国所得税の免税は、2017年などの国会で、定期的に批判にさらされていた。(Travel Weekly: Feb 20, 2025)
船長でソーシャル・メディアのスターであるKate McCueが、Celebrity Cruisesを去る(米国)
Celebrity Cruisesの最も人気の船長、Kate McCueが、同クルーズ客船会社を去ることになった。
McCueは、大型クルーズ船の船長になった最初のアメリカ人女性だが、月曜日にInstagram(=インスタグラム、注、SNSの一種)上で、100万人のフォロアーに退職を発表した。
「なぜ私が去るのかと思うかもしれません。簡単に言えば、人生は何が重要で、優先順位を入れ替えることを、信じられない方法で気が付かせるものなのです。私には最近、大きな人生の変化があったのです。これは偶然、そうしたことになったものです。」と書いた。
McCueは、Royal Caribbean Groupの11隻の船で最後の22年間を過ごした、と話した。直近では、Celebrity Beyondの船長だった。
McCueは、2015年にCelebrity Summitのcommanding officer(=船長)に任命され、大型クルーズ船を率いる最初のアメリカ人女性となった。McCueは、Celebrity EquinoxとCelebrity Edgeの船長も務めた。McCueは、船上で無毛の猫であるBug Nakedを飼っていたことでも有名だった。Bugは、昨年の暮れに死んだ。
2022年にBeyondがお目見えすることになり、McCueは、Celebrityの広報担当者となり、同客船会社の3隻目のEdge級の船を宣伝する動画に出演した。
「私の航海の日々は終わりかって?絶対にそうはなりません!」とInstagram の発表で書いていた。「海を後にするには、私の血管の中には塩気が多すぎるのです。」
Celebrity Cruises president(=社長)のLaura Hodges Bethgeは、McCueの門出を祝った。
「私は彼女が海を愛しており、この魔法にかかった人は決して変わらないのです。そしてCelebrity Cruisesの全員を代表して、感謝と称賛と共に、fair winds, following seas(=順風と追い風、注、「良い風と波」の意、船旅をする人に対する決まり文句の1つ)と、常に上々であることを祈ります。」と語った。(Travel Weekly: Feb 24, 2025)
クルーズ船弁護士、「物凄く恐ろしい」Royal Caribbeanに関する検査報告書を警告、「Disneyはあり得ない」(米国)
沈みかけている船だ。
Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)によって行われた検査が「absolutely horrifying(=物凄く恐ろしい)」ものであったことを受けて、「sues cruise lines for a living(=生活のためにクルーズ客船会社を訴えている)」と話す弁護士は、Royal Caribbeanを批判した。
Spencer Aronfeldは、TikTok(=ティックトック、注、SNSの一種)で@cruiseshiplawyerとして知られているが、先週、CDC(=疾病対策予防センター)がRoyal CaribbeanのSymphony of the Seas(=シンフォニー・オブ・ザ・シーズ、注、「海の交響曲」の意)という船を検査した際に、誤った方向に向かっていたことを述べる動画を、先週、作成した。
Aronfeldは、最大の問題は、生卵と生のハンバーガーが、船内で誤った冷蔵温度で保管されていたことだったと話した。
更に、Johnny Rocketsの船員は、伝えられているところによると、開放創(注、傷)を負った手で、素手で氷に触れていたという。加えて「数人の子供が託児所内で深刻な胃腸障害を負い、その託児所は医療センターに問い合わせるという手続きを取らず、こうしたことは正に胃腸病であり、下痢、嘔吐、腹部疼痛を、CDCに報告しなかった」とAronfeldは話した。
Aronfeldによると、このクルーズ客船会社による間違いで、「これら可哀そうな子供達は、船内で両親やその他の乗客に、ノロウイルスと見られるものを広めることになった」という。
Aronfeldは、CDCが検査報告書において、同船に86点を付けていたことを明らかにし、これは彼の主張によれば、「barely satisfactory(=かろうじて満足の行くもの)」だった。「1点少ないと85点ですが、これは不満足な評価で、恐らくはクルーズを中止させなければならないものとなったでしょう。」とこの法律専門家は共有した。「極めて率直に言えば、そうすべきだったと思うのです。」
Aronfeldは、短期間にこれらの問題を正すには、Royal Caribbeanは約65,000ドルかかることになるとも話した。
後に続く動画において、Aronfeldは、2月21日現在、Royal CaribbeanはCDCによって概要が述べられた諸問題を修正するためにやらなければならない修正報告をしていないと話した。「修正していないと思うのです。」とAronfeldは話した。「ということは、これらの問題は、未だに存在しているのです。」「この船は航海中で、今現在、乗客が乗船しているわけですが、Royal Caribbeanはこれらの問題を、少なくとも修正していると本当に思いたいですが、少なくともCDCには報告すべきだったのです。」と付け加えた。
Aronfeldのフォロワーは、Royal Caribbeanをコメントで暴いている彼の動画に応答した。
「Disney Cruise Lineではありえない。」とある人は書いた。
「彼はSymphony of Disease(=シンフォニー・オブ・ディズィーズ、注、「病気の交響曲」の意)と言っていたっけ?」と別の人はからかった。
3人目のTikToker(注、ティックトック利用者)は、「クルーズはむかつく…?これって、驚くべきことなのかい?」と言った。
「RCにはがっかりした。このクルーズ客船会社は、もっとマシだと思っていたよ。」と別のコメントにはあり、これに対しAronfeldは、「私もだ!」と応じた。
誰かはCDCに対し、「合衆国にひっきりなしに接岸するどの船も検査するよう」求めた。(New York Post: Mon, February 24, 2025 at 3:37 AM GMT+9)
ケチカン・ゲートウェイ郡はクルーズ船での商品売上税を検討(米国)
アラスカ州ケチカン発。ケチカンはクルーズ船の免税を廃止するもう一つの港町になることを検討している。
この変更で、ケチカンは、港内のクルーズ船での商品販売に、税を課すことが可能になる。これらの商品は、クルーズ船で同バーロウ(注、アラスカ州では郡、バラとも)に持ち込まれたものであり、船から離れておらず、商取引、支払い、引き渡しの全体は、船の上でなされている。
Ketchikan Gateway Borough(=ケチカン・ゲートウェイ・バーロウ、注、「ケチカン玄関口郡」の意)のMayor(=市長)Rodney Dialは、Alaska’s News Sourceに対し、免税の廃止は、店舗とクルーズ船の間で、大体公平だと話した。
「ケチカン市と郡が現在、廃止するために作業をしている理由の1つは、単にしばらくの間、存在した公正問題で、クルーズ船が始まって、この産業を支援する必要があった時に遡るものです。今やより公正なのです。クルーズ船に課金されているものと、煉瓦と漆喰(注、「陸上の店舗」の意)に課金されているものは、公正であることを、我々は望むのです。」とDialは話した。
このケチカンの共同体は、特別免税を廃止することになるアラスカ州最後の主要南東地域の1つだ。ジュノーのCity and Borough(注、「市及び郡」の意)は、2022年に同様の動きをして、同地方自治体は最近、12月に売上税条例を適用した。
追加財務影響情報によると、同郡では、この変更で、ケチカン・ゲートウェイ郡に年間200,000ドルだったのが、年間300,000ドルに、追加でもたらされることになると考えているという。
「その上、我々の事業は、クルーズ船と公平な水準になることになるのです。」とDialは話した。
Ketchikan City Council(=ケチカン市議会)は、木曜日の晩に、定例議会でこの変更を承認した。公聴会と最終投票は、ケチカン・ゲートウェイ郡の定例議会で、月曜日の午後5時30分に予定されている。
承認されると、この新法は、2025年のクルーズ船シーズンに先立って発効することになる。同郡によると、ケチカンに到着することになっている最初のクルーズ船は、4月17日に予定されているという。(Alaska's News Source: Feb. 25, 2025 at 8:15 AM JST)
クルーズ船病で、人々は集団で「嘔吐」(英国)
ある目撃者によると、何千人もの乗客を乗せているらしいクルーズ船が、命にかかわる危険のある嘔吐ばい菌に襲われて、休日の行楽客は感染し「dropping like flies(=大量に倒れている)」という。
Newsweekは電子メールで、この船の運航事業者であるP&Oに連絡を取り、更なる情報と論評を求めている。
どうしてこうなった
先週、船上でノロウイルスが疑われる勃発が起きた時、北欧を周遊する7日間旅行の半ばを過ぎたところだった。「People [were] throwing up in restaurants, on decks, outside cabins(=人々は食堂や、甲板や、外側船室で嘔吐して(いました)」と乗客の1人はSky Newsに話した。
判っていること
この病気に侵された船は、Iona(=アイオナ、注、スコットランドの「アイオナ島」に因む)で、クルーズ客船会社のP&Oが運航し、1,800人の職員にもてなされる5,000人以上の乗客を乗せることができるものだが、当時、どれ程多くの乗客が乗船したのかは不明で、何人発病したのかもハッキリしない。
可能性として、何千人も同船に乗船していたのであり、病気が容易く広がる場所で、自室にこもって、若干、隔離された環境にいるのだろう。(中略)
次に何が起きる
このクルーズ船は、航海を終えるべく、週末にサウサンプトンに戻って来る途中で、この航海で寄港中、病気のために上陸できなかった客は、返金を受ける権利がある、とP&Oは話した。(Newsweek: Published Feb 25, 2025 at 8:14 AM EST)
クルーズ船、キューバとメキシコの間で漂流していた11人を救助(米国)
傭船していたVACAYAというLGBT+の休暇会社によると、クルーズ船のBrilliance of the Seas(=ブリリヤンス・オブ・ザ・シーズ、注、「海の(ゼウスの娘である)美の女神たち」の意)は、水曜日、キューバとメキシコの間のGulf of Mexico(=メキシコ湾、注、「アメリカ湾」に改称)で漂流していた11人を救助したという。
このRoyal Caribbeanというクルーズ客船会社の船は、7泊のクルーズで、土曜日、ニュー・オーリンズを出発した。水曜日に、船長は遠くに「that appeared to be in distress(=窮地にあるように見える)」船を見つけた、と同船に乗船していたVACAYAのCEO(=最高経営責任者)であるRandle Roperに話した。
「直ぐに船長は、船の傭船者である私を呼んで、引き返して捜索することを教えてくれ、それがまさしく彼らがしたことです。」とRoperは、CNN Travelと共有したインタビュー録音の中で詳しく話した。「Brilliance of the Seasの船員が乗った水先案内船を、立ち往生している船に向かわせました。」
Roperは、この11人は難民だったが、どこから来たのかは知らなかったと話した。
「私は、周りに船がいないGulf(注、メキシコ湾)の公海上にいることを感じていたに違いない恐怖心を想像できるだけです。」とRoperは話した。(後略)(CNN: Updated 6:35 PM EST, Thu February 27, 2025)
スコットランドからフランスに行くフェリーは魅力的か?「Project Brave」は、2025年実現を希望(英国)
「Project Brave(注、「勇士計画」の意)」は、スコットランドとフランスの間で貨客フェリーを開始することを狙っているが、しかし何時だ?
スコットランドとフランス間の新しい直行フェリー便の期待が再浮上しているが、開始に向けたハッキリした動きはない。
この計画便は、エジンバラに近いロサイス港から、フランスのダンケルクに、週3回運航するというものだ。所謂「Project Brave」と呼ばれるフェリー便の提案は、2022年に最初に浮上したが、資金不足から行き詰っていた。
今回は、この構想の資金の話が再開されており、支援者らは、この連結は、旅客の輸送と貨物の移動の双方から、巨大な経済的利益をもたらすものだと論じている。
観光客にとっては、横断する際に車両を持ち込むことができ、先方での柔軟性が増し、便利な旅行選択を提供してくれることになる。道路と空路での輸送の代替となれば、炭素排出量の逓減という目標とも調和することにもなる。
「業界は同意し、フェリー運航事業者は航路を実現する準備ができていますが、スコットランド政府はProject Braveを支援する勇気がないのです。」とAlba党の前党首、Neale Hanveyは主張する。「スコットランド政府が、連合王国(注、英国)中で感じられることになる経済的・環境保全上の利点を実現するための呼び水となる適度な額の資金に投資するよう仕向けるために、何ができるのでしょうか。」
もしこの便が始まったら、20時間ほどで横断することになり、ヨーロッパへの最長の海の旅の1つとなる。現在の最長の横断は、英国のポーツマスから、スペインのビルバオに向かうもので、27時間から30時間掛かるものだ。(後略)(euronews: Published on 27/02/2025 - 11:08 GMT+1)