1.固定チームナーシング |
臨床看護はチーム活動であり,小集団活動の考え方を基本の理論にしている看護方式である.
この看護方式の目的は,
1)患者に責任をもって継続した質の高い看護を実践する.
2)看護スタッフのやりがい感・自己実現を目指す.
3)看護スタッフの育成(教育)とその成果である.
1999年1月に固定チームナーシング(継続受持ち方式)の( )内を省略した.
継続受持ち看護はこの看護方式の第一の目的である.
この看護方式には5項目の定義があり継続する受持ち看護婦の存在は必須条件である. |
2.固定チームリーダー |
1年間固定した固定チームナーシングのチームリーダーである.
婦長からチーム運営に関する責任と権限を委譲されたリーダーである.
夜勤をしながら受け持ち患者も持つ.
しかし,リーダーとしての役割を果たすには,チーム全体の状況を把握しなければならない.
そのため,チーム全体が見えるように患者数は考慮する. |
3.日々のチームリーダー |
24時間,日々の各勤務帯における看護チームのリーダーである.
日勤や2人以上の複数夜勤チームには,日々のチームリーダーを固定チームのその日のメンバーの中から決めて看護業務を行う
(キャリアがあっても,他チームの応援者は日々のチームリーダーにならない).
日々のチームリーダーは勤務開始時に1日の業務量を予測判断して,業務調整のカンファレンスを行う.
応援の必要なときは,婦長や主任(チーフリーダー)と相談して,他チームに応援を求める.
固定チームナーシングの日々のチームリーダーは従来のチームナーシングにおけるリーダーナースのように
医師の指示受け専任ではない.
固定チームナーシングでは個々の看護婦が,その日の受け持ち患者に関する責任を持つのが,基本的な考え方であり,
医師の指示業務についてもその日の受け持ち看護婦が確認して実施する. |
4.受け持ち看護婦 |
受け持ち患者の看護に責任と権限を持ち,自立した患者中心の看護実践を行う看護婦である.
入院から退院まで(必要なら退院後も)継続して数人の患者を受け持つが,患者の状態が変化したり,
病室運営上の都合で受け持ち患者が看護チームを移動した場合は,看護中間サマリーをして,
他チームの新しい受け持ち看護婦にケアが継続するように責任を持って申し送る.
看護婦は受け持ち患者との関係樹立のためにも必ず自己紹介し,入院中に受け持ち関係が変わる時は
理由を説明して,どの患者にも常に受け持ち看護婦が存在するようにする.
受け持ち看護婦の交替は,患者やその家族にとってよい関係や状況になれるように,
チーム会・リーダー会で話し合い,看護婦自身の率直な要望を取り入れて柔軟に問題解決志向で決定していく.
また,固定チームナーシングでは,受け持ち看護婦のことをプライマリーナースとはいわない. |
5.その日または今日の
受け持ち看護婦 |
その日の受け持ち看護婦である.
基本的にはその看護スタッフが所属する固定チームの患者を,その日の状況に応じて,数人から十数人受け持ち,看護を行う.
日勤では自分の受け持ち患者プラス他のメンバーの受け持ち患者の看護を行う.
業務分担の都合で,自分の受け持ち患者がその日に受け持てないこともあるし,時には他チームに応援に行き
他チームの患者のその日の受け持ち看護婦として勤務することもある.
その日の受け持ち看護婦は,その患者の受け持ち看護婦の立案した看護計画にそってケアを行う.
患者の状況により計画を変更するときは,その日のチームカンファレンスにあげて変更し,記録しておく.
受け持ち患者の看護計画に関する責任と権限は,本来の受け持ち看護婦にある |