久津間さんのSWは決して小振りなヘッドではないです。むしろやや大きめな印象です。このへんは見た目の安心感を優先させているのでしょう。
アプローチではパッティング同様メンタル面の要素が強くなってきますから。
「右手でトスする感覚」というのが久津間さんのアプローチに対する考え方。
そのためにはクラブのトウからトップブレードを通ってシャフトの右サイド、さらに右手へ繋がる「クラブの右側のライン」が重要になってくるということです。久津間さんのSWはこのラインを意識して作られています。
「この右サイドのラインはバックスウィングの上がる方向にも影響してきますし、同時に左のラインもあってこれは振り抜く方向に影響してきます。」と久津間さん。
どんなに数値として優れているものでも見た目に違和感のあるものは使えないものです。「目をつむってゴルフをする人はいないでしょ?」と久津間さんは言います。クラブの見た目がゴルファーに与える影響はバカにできません。機能的に優れていても消えて行ったクラブも多いのです。
89年でしたか、初めて見たときには奇異な印象を受けたキゃロウェイのクラブですが、その後すんなりとゴルファーに受け入れられたのは「この右のラインが上手く出来ていたからだと思います。」と久津間さん。
写真は初代のビッグバーサですが今見ても綺麗な形をしています。
鉛筆が描きやすいのは軸線上に芯があるからで、同じようにアプローチもシャフトの軸線上にボールを引き付けて打った方が優しいというのが久津間さんの考え方。
久津間さんのSWのオフセット、ヒール側が広く使える形状にはこうした理由もあるのです。
先に久津間さんのSWは小振りではないと書きましたが、それは見た目だけであって重心距離は短いのでしょう。またボールを引き付けられるということは・・・↓
ということにもなるわけです。
スクウェアに構えたときにはわからないのですが、フェースを開くと使う気になれないSWもありますね。