HIt it Hard ! それだけだよ‥

そして彼はドライバーを抜いた

印象的な広いスタンス、右手は下から。レベルスイングじゃ吹け上がるばかりだ。アッパーに振ってスピンを殺す。

腕に力が入っているようにみえるけど、これがジェイソンのリラックスしたポジション。「飛ばしたければ、いつもよりソフトに握れ。」とアドバイス。

あいにく風が強くなってしまった。「2クラブ分」はアゲインストだろう。

さあ、どこまで飛ばす?

はげしい切り返しを予感させるゆっくりとしたバックスイング。全身の筋肉を捻りあげていく。

こんなパワフルなトップは見たことがない。福島晃子よりも高く、J・デイリーよりも深い。この形が作れるのは人類で彼だけ。左足のヒールアップでリバースピポットになるのを防ぐ。

モナカのような腹筋がシャツの上に浮き上がる。正面のグリーンまで398ヤード!

「ブォ!」という風を斬る音。人間の目でジェイソンのダウンスイングを見ることはできない。肉体の持てるすべてのパワーを一点に集中させるインパクト。ボールがひしゃげ、発泡材が詰まったはずの975Dが金属音の悲鳴をあげる。

これはもはやゴルフではない。

インサイドインの軌道、左肘のたたみ込み、そんなものはできるはずがない。

恐ろしいまでのヘッドスピードが一瞬にしてヘッドをこの高さまで跳ね上げる。このポジションでも両腕は伸びたままだ!

ボールは?あまりの初速に見失った!出球が見えない!

これだけの筋量をもちながらなんという柔軟性!これは天性のもの。飛ばしは才能なんだとあらためて認識させられる。

ボールはどこ行った?ジェイソンは真直ぐグリーンを見つめている。

「ガードバンカーに入りました!」タイトリストの関係者が叫ぶ。一斉にどよめきが上がる。風が無かったら‥どこまで飛んでるんだ?

400ヤード飛ぶ…噂は真実だった!


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